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この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (KonoSuba), この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (17)

この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (17)

体育 座り 状態 で 膝 に 顔 を 埋めた アクア の 肩 が ぴく り と 動く 。

だが 、 オリ から 出て くる 気配 は ない 。

「…… おい 、 いい加減 オリ から 出ろ よ 。 もう アリゲーター は い ない から 」

俺 の 言葉 に 、 アクア が 小さな 声 で 呟く の が 聞こえた 。

「…… まま 連れて って ……」

…………?

「 なん だって ? 」

「…… オリ の 外 の 世界 は 怖い から 、 このまま 街 まで 連れて って 」

…… どうやら 、 今回 の クエスト は 、 カエル 討伐 に 続いて アクア に また トラウマ を 植え つけた 様 だ 。

10.

「 ドナドナドーナードーナー ……」

「…… お 、 おい アクア 、 もう 街 中 な んだ から その 歌 は 止めて くれ 。 ボロボロ の オリ に 入って 膝 抱えた 女 を 運んで る 時点 で 、 ただ で さえ 街 の 住人 の 注目 を 集めて る んだ から な ? と いう か 、 もう 安全な 街 の 中 な んだ から 、 いい加減 出て 来い よ 」

「 嫌 。 この 中 こそ が 私 の 聖域 よ 。 外 の 世界 は 怖い から しばらく 出 ない わ 」

すっかり オリ の 中 に 引き篭もって しまった アクア を 、 馬 で 引き ながら 。

無事に クエスト を 終えて 街 に 帰って 来た 俺 達 は 、 街 の 人 達 の 生 温かい 注目 を 集め つつ 、 ギルド へ と 向かって いた 。

頑なに オリ から 出よう と し ない アクア が 自分 の 足 で 歩いて くれ ない せい で 、 馬 に オリ を 引か せて いる に も かかわら ず 俺 達 の 歩み は 遅い 。

しかし 、 今回 は 約 一 名 に トラウマ は できた が 、 それ 以外 に は 被害 らしい 被害 は 無い 。

装備 や 魔法 を 試し たかった が 、 楽に クエスト が 済んだ のだ から 、 そちら の 方 が いい に 決まって いる 。

俺 達 に して は 珍しく 、 大した 事 も 無く クエスト が 無事 済んだ なあ ……。

俺 が 、 そんな フラグ に なる 様 な 事 を 考えて しまった から だろう か 。

「 め 、 女神 様 っ !? 女神 様 じゃ ないで す かっ ! 何 を して いる のです か 、 そんな 所 で ! 」

突然 叫んで 、 オリ に 引き篭もって いる アクア に 駆け寄り 、 鉄 格子 を 摑 む 男 。

そいつ は あろう 事 か 、 ブルータルアリゲーター が 齧りついて も 破壊 でき なかった オリ の 鉄 格子 を 、 いとも 容易 く グニャリ と 捻じ曲げ 、 中 の アクア に 手 を 差し伸べた 。

啞然 と して いる 俺 と めぐみ ん を 尻目 に 、 その 見知らぬ 男 は 、 同じく 啞然 と して いる アクア の 手 を ……、

「…… おい 、 私 の 仲間 に 馴れ馴れしく 触る な 。 貴 様 、 何者 だ ? 知り合い に して は 、 アクア が お前 に 反応 して い ない のだ が 」

手 を 取ろう と した その 男 に ダクネス が 詰め寄った 。

アリゲーター に たから れる アクア を 羨ま し そうに 見て いた 先ほど と は 違い 、 今 の ダクネス は 大切な 仲間 を 守る 盾 と して 、 どこ に 出して も 恥ずかしく ない クルセイダー だ 。

…… いつも こんな 感じ で いて くれた なら ……。

男 は ダクネス を 一 瞥 する と 、 ため息 を 吐き ながら 首 を 振る 。

いかにも 、 自分 は 厄介 事 に 巻き 込ま れ たく は 無い のだ けど 仕方 が ない 、 と いった 感じ で 。

男 の その 態度 に 、 普段 は あまり 表情 を あらわに し ない ダクネス が 、 明らかに イラッ と した 。

何だか きな臭い 雰囲気 に なって きた ので 、 俺 は この 期 に 及んで も 膝 を 抱えて オリ から 出よう と し ない アクア に 、 そっと 耳打ち する 。

「…… おい 、 あれ お前 の 知り合い な んだろ ? 女神 様 と か 言って たし 。 お前 が あの 男 を 何とか しろ よ 」

そんな 俺 の 囁き に 、 アクア は 一瞬 だけ 、 な に 言って ん の ? と いう 表情 を 浮かべ ……。

「…… あ あっ ! 女神 ! そう 、 そう よ 、 女神 よ 私 は 。 それ で ? 女神 の 私 に この 状況 を どうにか して 欲しい わけ ね ? しょうがない わ ね ! 」

アクア は ようやく オリ から 出て きた 。

こいつ 、 自分 が 女神 だ と いう 事 を 、 本気で 忘れて いた んじゃ ない だろう な 。

もぞもぞ と オリ から 出て きた アクア は 、 その 男 に 対して 首 を 傾げる 。

「…… あんた 誰 ? 」

知り合い じゃ ない の か よ 。

…… いや 、 やはり 知り合い の 様 だ 。

男 が 、 驚き の 表情 で 目 を 見開いて いる から 。

多分 、 アクア が 忘れて いる だけ な のだろう 。

「 何 言って る んです か 女神 様 ! 僕 です 、 御 剣 響 夜 です よ ! あなた に 、 魔 剣 グラム を 頂いた !!」

「…………? 」

アクア が なおも 首 を 傾げて いる が 、 俺 は ピンと きた 。

アニメ や 漫画 の 主要 キャラ みたいな 名前 だ が 、 その 日本 人名 から して 、 俺 より 先 に アクア に 強力な 装備 を 貰い 、 ここ に 送ら れた 奴 な のだろう 。

正義 感 が 強そうな その 男 は 、 茶色い 髪 を した 、 かなり の イケメン だ 。

鮮やかに 青く 輝く 高 そうな 鎧 を 身 に 着け 、 腰 に は 、 黒 鞘 に 入った 剣 を 下げて いた 。

そして 後ろ に は 、 槍 を 持った 戦士 風 の 美 少女 と 、 革 鎧 を 着て 、 腰 に ダガー を ぶら下げた 美 少女 を 引き連れて いる 。

ミツルギ と 名乗った そいつ は 、 年 は 俺 と 同じ くらい だろう か ?

その 男 は 一言 で 言って しまえば ……。

漫画 の 主人公 っぽい 奴 だった 。

「 あ あっ ! いたわ ね 、 そう いえば そんな 人 も ! ごめん ね 、 すっかり 忘れて た わ 。 だって 結構な 数 の 人 を 送った し 、 忘れて たって しょうがない わ よ ね ! 」

俺 や ミツルギ の 説明 で 、 ようやく 思い出した アクア 。

若干 表情 を 引きつら せ ながら も 、 ミツルギ は アクア に 笑い かけた 。

「 ええ っと 、 お 久しぶりです アクア 様 。 あなた に 選ば れた 勇者 と して 、 日々 頑張って ます よ 。 職業 は ソードマスター 。 レベル は 37 に まで 上がり ました 。 …… ところで 、 アクア 様 は なぜ ここ に ? と いう か 、 どうして オリ の 中 に 閉じ 込め られて いた んです か ? 」

ミツルギ は 、 チラチラ と 俺 を 見 ながら 言って くる 。

アクア は こいつ に 、 お前 は 選ば れた 者 に して 勇者 だ と か 、 そんな 適当な 事 を 言って この 世界 に 送り 込んだ の か 。

今 の 今 まで 存在 を 忘れて いた ところ が 、 いかに ミツルギ に いい加減な 事 を 言って いた の か が 良く 分かる 。

と いう か 、 ミツルギ に は 俺 が アクア を オリ に 閉じ 込めて いた 様 に 映った の か ?

…… いや 、 普通 は そう 取る な 。

本人 が オリ の 中 から 出 た がら ない んです と 言って も 、 きっと こいつ は 信じて くれ ない だろう 。

俺 だって 、 そんな 変わり者 の 女神 が いる 事 を 、 この 目 で 見て いて も 信じ られ ない のだ 。

俺 は 、 自分 と 一緒に アクア が この 世界 に 来る 事 に なった 経緯 や 、 今 まで の 出来事 を ミツルギ に 説明 し ……。

「…… バカな 。 あり え ない そんな 事 ! 君 は 一体 何 考えて いる んです か !? 女神 様 を この 世界 に 引き 込んで !? しかも 、 今回 の クエスト で は オリ に 閉じ 込めて 湖 に 浸けた !?」

俺 は いきり立った ミツルギ に 、 胸ぐら を 摑 まれ ていた 。

それ を アクア が 慌てて 止める 。

「 ちょ ちょ 、 ちょっと !? いや 別に 、 私 と して は 結構 楽しい 毎日 送って る し 、 ここ に 一緒に 連れて こ られた 事 は 、 もう 気 に して い ない んだ けど ね ? それ に 、 魔王 を 倒せば 帰れる ん だし ! 今日 の クエスト だって 、 怖かった けど 結果 的に は 誰 も 怪我 せ ず 無事 完了 した 訳 だし 。 しかも 、 クエスト 報酬 三十万 よ 三十万 ! それ を 全部 くれる って 言う の ! 」

その 言葉 に 、 ミツルギ は 憐憫 の 眼差し で アクア を 見る 。

「…… アクア 様 、 こんな 男 に どう 丸め 込ま れた の か は 知り ませ ん が 、 今 の あなた の 扱い は 不当です よ 。 そんな 目 に 遭って 、 たった 三十万 ……? あなた は 女神 です よ ? それ が こんな ……。 ちなみに 、 今 は どこ に 寝泊まり して いる んです ? 」

こんな 往来 で 女神 と か 言う な よ と 思った が 、 ミツルギ が 今にも 切れ そうな ので 黙って おく 。

と いう か 、 初対面 で 言い たい 放題 だ な この 野郎 。

アクア の 事 を ろくに 知ら ない くせ に 。

ミツルギ の 言葉 に 、 アクア が 若干 押さ れ ながら も おずおず 答えた 。

「 え 、 えっ と 、 みんな と 一緒に 、 馬 小屋 で 寝泊まり して る けど ……」

「 は !?」

ミツルギ の 、 俺 の 胸ぐら を 摑 む 手 に 力 が 込め られた 。

ちょ 、 痛い んです けど !

その ミツルギ の 腕 を 、 ダクネス が 横 から 摑 む 。

「 おい 、 いい加減 その 手 を 放せ 。 お前 は さっき から 何 な のだ 。 カズマ と は 初対面 の ようだ が 、 礼儀 知ら ず に も ほど が ある だろう 」

バカな 事 を 口走る 時 以外 は 物静かな ダクネス が 、 珍しく 怒って いた 。

見れば 、 めぐみ ん ま でも が 新調 した 杖 を 構え 、 今にも 爆裂 魔法 の 詠唱 を …… って 、 それ は 止めろ !

ミツルギ は 手 を 放す と 、 興味深 そうに ダクネス とめぐ みん を 観察 する 。

「…… クルセイダー に アークウィザード ? …… それ に 、 随分 綺麗な 人 達 だ な 。 君 は パーティー メンバー に は 恵ま れて いる んだ ね 。 それ なら 尚 更 だ よ 。 君 は 、 アクア 様 や こんな 優秀 そうな 人 達 を 馬 小屋 で 寝泊まり さ せて 、 恥ずかしい と は 思わ ない の か ? さっき の 話 じゃ 、 就いて いる 職業 も 、 最 弱 職 の 冒険 者 らしい じゃ ない か 」

こいつ の 言い分 だけ 聞いて いる と 、 自分 が 凄く 恵ま れた 環境 に いる か の 様 に 思えて くる 。

何の 関 わり合い も 無い 他人 から 見れば 、 俺 は そんな 風 に 見える のだろう か 。

俺 は アクア に 耳打ち する 。

「 なあ なあ 、 この 世界 の 冒険 者 って 馬 小屋 で 寝泊まり なんて 基本 だろ ? こいつ 、 なんで こんなに 怒って る んだ ? 」

「 あれ よ 、 彼 に は 異 世界 へ の 移住 特典 で 魔 剣 を あげた から 、 その おかげ で 、 最初 から 高 難易 度 の クエスト を バンバン こなしたり して 、 今 まで お 金 に 困ら なかった んだ と 思う わ 。 …… まあ 、 能力 か 装備 を 与え られた 人間 なんて 、 大体 が そんな 感じ よ 」

アクア の 返事 を 聞いて 、 俺 は 何だか 無性に 腹 が 立って きた 。

タダ で 貰った 魔 剣 で この 世界 で 苦労 も せ ず に 生きて きた 奴 に 、 なぜ 一 から 頑張って きた 俺 が 、 上 から 目線 で 説教 さ れ なきゃ いけない んだ 。

そんな 俺 の 怒り も 知ら ず 、 ミツルギ が 同情 でも する か の 様 に 、 アクア や ダクネス 、 めぐみ ん に 対して 憐れみ の 混じった 表情 で 笑い かけた 。

「 君 達 、 今 まで 苦労 した みたいだ ね 。 これ から は 、 僕 と 一緒に 来る と いい 。 もちろん 馬 小屋 なんか で 寝かせ ないし 、 高級な 装備 品 も 買い 揃えて あげよう 。 と いう か 、 パーティー の 構成 的に も バランス が 取れて いて い い じゃ ない か 。 ソードマスター の 僕 に 、 僕 の 仲間 の 戦士 と 、 そして クルセイダー の あなた 。 僕 の 仲間 の 盗賊 と 、 アークウィザード の その 子 に アクア 様 。 まるで あつらえた みたいに ピッタリ な パーティー 構成 じゃ ない か ! 」

おっと 、 俺 が 入って い ませ ん が 。

いや 、 もちろん この 男 の パーティー に 入り たい と も 思わ ない けれども 。

身勝手な ミツルギ の 提案 に 、 俺 の 仲間 の 三 人 は ひそひそ と 囁き 出した 。

性格 は 自己 中 勇者 様 な 感じ の ミツルギ だ が 、 待遇 と して は 、 悪く ない 提案 だ 。

そして 、 俺 より も ミツルギ に ついて 行った 方 が 、 アクア の 願い である 魔王 討伐 は 達成 さ れ 易い と 思う 。

アクア は 魔王 が 倒さ れ ない と 天 界 に 帰れ ない 。

俺 の 異 世界 移住 特典 と して 連れて 来 られた が 、 他の 転送 者 に 付き 従って 魔王 討伐 を 果たして も 、 きっと 帰して 貰える だろう 。

俺 は 、 アクア 達 も 流石 に 心 が 動いた か な と 、 背後 の 会話 に 聞き 耳 を 立てる と ……。

「 ちょっと 、 ヤバい んです けど 。 あの 人 本気 で 、 ひく ぐらい ヤバい んです けど 。 ていう か 勝手に 話 進める し ナルシスト も 入って る 系 で 、 怖い んです けど 」

「 どう しよう 、 あの 男 は 何だか 生理 的に 受けつけ ない 。 攻める より 受ける の が 好きな 私 だ が 、 あいつ だけ は 何だか 無性に 殴り たい のだ が 」

この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (17) この すばらしい せかい に しゅくふく を||だおんな かみさま Bless this wonderful world! Oh, Goddess of the Damned (17) Benedici questo mondo meraviglioso! Oh, Dea dei Dannati (17) Abençoa este mundo maravilhoso! Oh, Deusa dos Malditos (17) 為這個美好的世界送上祝福!啊,無用的女神(17)

体育 座り 状態 で 膝 に 顔 を 埋めた アクア の 肩 が ぴく り と 動く 。 たいいく|すわり|じょうたい||ひざ||かお||うずめた|||かた|||||うごく Aqua's shoulder that fills his / her face in the knees with gym sitting moves swiftly.

だが 、 オリ から 出て くる 気配 は ない 。 |||でて||けはい||

「…… おい 、 いい加減 オリ から 出ろ よ 。 |いいかげん|||でろ| "... Hey, get out of the sloppy ori. もう アリゲーター は い ない から 」

俺 の 言葉 に 、 アクア が 小さな 声 で 呟く の が 聞こえた 。 おれ||ことば||||ちいさな|こえ||つぶやく|||きこえた

「…… まま 連れて って ……」 |つれて|

…………?

「 なん だって ? 」

「…… オリ の 外 の 世界 は 怖い から 、 このまま 街 まで 連れて って 」 ||がい||せかい||こわい|||がい||つれて|

…… どうやら 、 今回 の クエスト は 、 カエル 討伐 に 続いて アクア に また トラウマ を 植え つけた 様 だ 。 |こんかい||||かえる|とうばつ||つづいて||||||うえ||さま| ...... It seems that this quest has caused another trauma to Aqua, following on from the frog attack.

10.

「 ドナドナドーナードーナー ……」

「…… お 、 おい アクア 、 もう 街 中 な んだ から その 歌 は 止めて くれ 。 ||||がい|なか|||||うた||とどめて| ボロボロ の オリ に 入って 膝 抱えた 女 を 運んで る 時点 で 、 ただ で さえ 街 の 住人 の 注目 を 集めて る んだ から な ? ぼろぼろ||||はいって|ひざ|かかえた|おんな||はこんで||じてん|||||がい||じゅうにん||ちゅうもく||あつめて|||| と いう か 、 もう 安全な 街 の 中 な んだ から 、 いい加減 出て 来い よ 」 ||||あんぜんな|がい||なか||||いいかげん|でて|こい|

「 嫌 。 いや この 中 こそ が 私 の 聖域 よ 。 |なか|||わたくし||せいいき| 外 の 世界 は 怖い から しばらく 出 ない わ 」 がい||せかい||こわい|||だ||

すっかり オリ の 中 に 引き篭もって しまった アクア を 、 馬 で 引き ながら 。 |||なか||ひきこもって||||うま||ひき|

無事に クエスト を 終えて 街 に 帰って 来た 俺 達 は 、 街 の 人 達 の 生 温かい 注目 を 集め つつ 、 ギルド へ と 向かって いた 。 ぶじに|||おえて|がい||かえって|きた|おれ|さとる||がい||じん|さとる||せい|あたたかい|ちゅうもく||あつめ||ぎるど|||むかって|

頑なに オリ から 出よう と し ない アクア が 自分 の 足 で 歩いて くれ ない せい で 、 馬 に オリ を 引か せて いる に も かかわら ず 俺 達 の 歩み は 遅い 。 がん なに|||でよう||||||じぶん||あし||あるいて|||||うま||||ひか|||||||おれ|さとる||あゆみ||おそい

しかし 、 今回 は 約 一 名 に トラウマ は できた が 、 それ 以外 に は 被害 らしい 被害 は 無い 。 |こんかい||やく|ひと|な|||||||いがい|||ひがい||ひがい||ない However, although about one person was traumatized this time, there was no other apparent damage.

装備 や 魔法 を 試し たかった が 、 楽に クエスト が 済んだ のだ から 、 そちら の 方 が いい に 決まって いる 。 そうび||まほう||ためし|||らくに|||すんだ|||||かた||||きまって|

俺 達 に して は 珍しく 、 大した 事 も 無く クエスト が 無事 済んだ なあ ……。 おれ|さとる||||めずらしく|たいした|こと||なく|||ぶじ|すんだ|

俺 が 、 そんな フラグ に なる 様 な 事 を 考えて しまった から だろう か 。 おれ||||||さま||こと||かんがえて||||

「 め 、 女神 様 っ !?  女神 様 じゃ ないで す かっ ! |めがみ|さま||めがみ|さま||||か っ 何 を して いる のです か 、 そんな 所 で ! 」 なん|||||||しょ|

突然 叫んで 、 オリ に 引き篭もって いる アクア に 駆け寄り 、 鉄 格子 を 摑 む 男 。 とつぜん|さけんで|||ひきこもって||||かけより|くろがね|こうし||||おとこ A man suddenly shouts and runs to Aqua, who is holed up in a cage, and grabs a steel grate.

そいつ は あろう 事 か 、 ブルータルアリゲーター が 齧りついて も 破壊 でき なかった オリ の 鉄 格子 を 、 いとも 容易 く グニャリ と 捻じ曲げ 、 中 の アクア に 手 を 差し伸べた 。 そい つ|||こと||||かじりついて||はかい|||||くろがね|こうし|||ようい||||ねじまげ|なか||||て||さしのべた

啞然 と して いる 俺 と めぐみ ん を 尻目 に 、 その 見知らぬ 男 は 、 同じく 啞然 と して いる アクア の 手 を ……、 啞ぜん||||おれ|||||しりめ|||みしらぬ|おとこ||おなじく|啞ぜん||||||て| 看著一臉愕然的我和惠惠,陌生人觸碰了同樣一臉驚訝的阿克婭的手…

「…… おい 、 私 の 仲間 に 馴れ馴れしく 触る な 。 |わたくし||なかま||なれなれしく|さわる| "...... Hey, do not touch me familiarly with my friends. 貴 様 、 何者 だ ? とうと|さま|なにもの| You, who? 知り合い に して は 、 アクア が お前 に 反応 して い ない のだ が 」 しりあい||||||おまえ||はんのう||||| You know, Aqua has not responded to you. "

手 を 取ろう と した その 男 に ダクネス が 詰め寄った 。 て||とろう||||おとこ||||つめよった 當他試圖握住他的手時,達克尼斯走近了他。

アリゲーター に たから れる アクア を 羨ま し そうに 見て いた 先ほど と は 違い 、 今 の ダクネス は 大切な 仲間 を 守る 盾 と して 、 どこ に 出して も 恥ずかしく ない クルセイダー だ 。 ||||||うらやま||そう に|みて||さきほど|||ちがい|いま||||たいせつな|なかま||まもる|たて|||||だして||はずかしく||| 與以前不同,當阿克婭被鱷魚襲擊時,達克妮絲滿臉羨慕地看著他,而現在,達克尼斯已經成為了一個不恥於派出任何地方作為盾牌來保護他珍貴朋友的十字軍戰士。

…… いつも こんな 感じ で いて くれた なら ……。 ||かんじ|||| ...... If you were always like this ... ....

男 は ダクネス を 一 瞥 する と 、 ため息 を 吐き ながら 首 を 振る 。 おとこ||||ひと|べつ|||ためいき||はき||くび||ふる 男人看了達克尼斯一眼,搖了搖頭,嘆了口氣。

いかにも 、 自分 は 厄介 事 に 巻き 込ま れ たく は 無い のだ けど 仕方 が ない 、 と いった 感じ で 。 |じぶん||やっかい|こと||まき|こま||||ない|||しかた|||||かんじ| Indeed, I don't want to get involved in trouble, but I can't help it. 我真的不想被捲入任何麻煩,但我又覺得我別無選擇。

男 の その 態度 に 、 普段 は あまり 表情 を あらわに し ない ダクネス が 、 明らかに イラッ と した 。 おとこ|||たいど||ふだん|||ひょうじょう|||||||あきらかに||| 平常表情不多的達克妮絲明顯被男人的態度激怒了。

何だか きな臭い 雰囲気 に なって きた ので 、 俺 は この 期 に 及んで も 膝 を 抱えて オリ から 出よう と し ない アクア に 、 そっと 耳打ち する 。 なんだか|きなくさい|ふんいき|||||おれ|||き||およんで||ひざ||かかえて|||でよう|||||||みみうち|

「…… おい 、 あれ お前 の 知り合い な んだろ ? ||おまえ||しりあい||んだ ろ 女神 様 と か 言って たし 。 めがみ|さま|||いって| お前 が あの 男 を 何とか しろ よ 」 おまえ|||おとこ||なんとか||

そんな 俺 の 囁き に 、 アクア は 一瞬 だけ 、 な に 言って ん の ? |おれ||ささやき||||いっしゅん||||いって|| と いう 表情 を 浮かべ ……。 ||ひょうじょう||うかべ

「…… あ あっ ! 女神 ! めがみ そう 、 そう よ 、 女神 よ 私 は 。 |||めがみ||わたくし| それ で ? 女神 の 私 に この 状況 を どうにか して 欲しい わけ ね ? めがみ||わたくし|||じょうきょう||||ほしい|| しょうがない わ ね ! 」

アクア は ようやく オリ から 出て きた 。 |||||でて|

こいつ 、 自分 が 女神 だ と いう 事 を 、 本気で 忘れて いた んじゃ ない だろう な 。 |じぶん||めがみ||||こと||ほんきで|わすれて|||||

もぞもぞ と オリ から 出て きた アクア は 、 その 男 に 対して 首 を 傾げる 。 ||||でて|||||おとこ||たいして|くび||かしげる

「…… あんた 誰 ? 」 |だれ

知り合い じゃ ない の か よ 。 しりあい|||||

…… いや 、 やはり 知り合い の 様 だ 。 ||しりあい||さま|

男 が 、 驚き の 表情 で 目 を 見開いて いる から 。 おとこ||おどろき||ひょうじょう||め||みひらいて||

多分 、 アクア が 忘れて いる だけ な のだろう 。 たぶん|||わすれて||||

「 何 言って る んです か 女神 様 ! なん|いって||||めがみ|さま 僕 です 、 御 剣 響 夜 です よ ! ぼく||ご|けん|ひび|よ|| あなた に 、 魔 剣 グラム を 頂いた !!」 ||ま|けん|ぐらむ||いただいた

「…………? 」

アクア が なおも 首 を 傾げて いる が 、 俺 は ピンと きた 。 |||くび||かしげて|||おれ||ぴんと|

アニメ や 漫画 の 主要 キャラ みたいな 名前 だ が 、 その 日本 人名 から して 、 俺 より 先 に アクア に 強力な 装備 を 貰い 、 ここ に 送ら れた 奴 な のだろう 。 あにめ||まんが||しゅよう|||なまえ||||にっぽん|じんめい|||おれ||さき||||きょうりょくな|そうび||もらい|||おくら||やつ|| It's a name like the main character in anime and manga, but from the Japanese name, it's probably the one who got a powerful equipment from Aqua before me and was sent here.

正義 感 が 強そうな その 男 は 、 茶色い 髪 を した 、 かなり の イケメン だ 。 せいぎ|かん||きょうそうな||おとこ||ちゃいろい|かみ||||||

鮮やかに 青く 輝く 高 そうな 鎧 を 身 に 着け 、 腰 に は 、 黒 鞘 に 入った 剣 を 下げて いた 。 あざやかに|あおく|かがやく|たか|そう な|よろい||み||つけ|こし|||くろ|さや||はいった|けん||さげて|

そして 後ろ に は 、 槍 を 持った 戦士 風 の 美 少女 と 、 革 鎧 を 着て 、 腰 に ダガー を ぶら下げた 美 少女 を 引き連れて いる 。 |うしろ|||やり||もった|せんし|かぜ||び|しょうじょ||かわ|よろい||きて|こし||||ぶらさげた|び|しょうじょ||ひきつれて|

ミツルギ と 名乗った そいつ は 、 年 は 俺 と 同じ くらい だろう か ? ||なのった|そい つ||とし||おれ||おなじ|||

その 男 は 一言 で 言って しまえば ……。 |おとこ||いちげん||いって|

漫画 の 主人公 っぽい 奴 だった 。 まんが||しゅじんこう||やつ|

「 あ あっ ! いたわ ね 、 そう いえば そんな 人 も ! |||||じん| ごめん ね 、 すっかり 忘れて た わ 。 |||わすれて|| だって 結構な 数 の 人 を 送った し 、 忘れて たって しょうがない わ よ ね ! 」 |けっこうな|すう||じん||おくった||わすれて|||||

俺 や ミツルギ の 説明 で 、 ようやく 思い出した アクア 。 おれ||||せつめい|||おもいだした|

若干 表情 を 引きつら せ ながら も 、 ミツルギ は アクア に 笑い かけた 。 じゃっかん|ひょうじょう||ひきつら||||||||わらい|

「 ええ っと 、 お 久しぶりです アクア 様 。 |||ひさしぶりです||さま あなた に 選ば れた 勇者 と して 、 日々 頑張って ます よ 。 ||えらば||ゆうしゃ|||ひび|がんばって|| 職業 は ソードマスター 。 しょくぎょう|| レベル は 37 に まで 上がり ました 。 れべる||||あがり| …… ところで 、 アクア 様 は なぜ ここ に ? ||さま|||| と いう か 、 どうして オリ の 中 に 閉じ 込め られて いた んです か ? 」 ||||||なか||とじ|こめ||||

ミツルギ は 、 チラチラ と 俺 を 見 ながら 言って くる 。 ||ちらちら||おれ||み||いって|

アクア は こいつ に 、 お前 は 選ば れた 者 に して 勇者 だ と か 、 そんな 適当な 事 を 言って この 世界 に 送り 込んだ の か 。 ||||おまえ||えらば||もの|||ゆうしゃ|||||てきとうな|こと||いって||せかい||おくり|こんだ||

今 の 今 まで 存在 を 忘れて いた ところ が 、 いかに ミツルギ に いい加減な 事 を 言って いた の か が 良く 分かる 。 いま||いま||そんざい||わすれて|||||||いいかげんな|こと||いって|||||よく|わかる I had forgotten about my existence until now, but I can understand how I was telling Mitsurugi something sloppy. 可以很容易看出我到目前为止如何忘记自己的存在,但是我是如何告诉Mitsurugi无关紧要的。

と いう か 、 ミツルギ に は 俺 が アクア を オリ に 閉じ 込めて いた 様 に 映った の か ? ||||||おれ||||||とじ|こめて||さま||うつった|| I mean, did Mitsurugi look like I was trapping Aqua in Ori?

…… いや 、 普通 は そう 取る な 。 |ふつう|||とる|

本人 が オリ の 中 から 出 た がら ない んです と 言って も 、 きっと こいつ は 信じて くれ ない だろう 。 ほんにん||||なか||だ||||||いって|||||しんじて||| Even if he says he doesn't want to get out of the cage, he probably won't believe it.

俺 だって 、 そんな 変わり者 の 女神 が いる 事 を 、 この 目 で 見て いて も 信じ られ ない のだ 。 おれ|||かわりもの||めがみ|||こと|||め||みて|||しんじ||| Even if I see it with my own eyes, I can't believe that there is such a strange goddess.

俺 は 、 自分 と 一緒に アクア が この 世界 に 来る 事 に なった 経緯 や 、 今 まで の 出来事 を ミツルギ に 説明 し ……。 おれ||じぶん||いっしょに||||せかい||くる|こと|||けいい||いま|||できごと||||せつめい|

「…… バカな 。 ばかな あり え ない そんな 事 ! ||||こと 君 は 一体 何 考えて いる んです か !?  女神 様 を この 世界 に 引き 込んで !?  しかも 、 今回 の クエスト で は オリ に 閉じ 込めて 湖 に 浸けた !?」 きみ||いったい|なん|かんがえて||||めがみ|さま|||せかい||ひき|こんで||こんかい|||||||とじ|こめて|こ||ひた けた

俺 は いきり立った ミツルギ に 、 胸ぐら を 摑 まれ ていた 。 おれ||いきりたった|||むなぐら||||

それ を アクア が 慌てて 止める 。 ||||あわてて|とどめる

「 ちょ ちょ 、 ちょっと !?  いや 別に 、 私 と して は 結構 楽しい 毎日 送って る し 、 ここ に 一緒に 連れて こ られた 事 は 、 もう 気 に して い ない んだ けど ね ? ||||べつに|わたくし||||けっこう|たのしい|まいにち|おくって|||||いっしょに|つれて|||こと|||き||||||| それ に 、 魔王 を 倒せば 帰れる ん だし ! ||ま おう||たおせば|かえれる|| 今日 の クエスト だって 、 怖かった けど 結果 的に は 誰 も 怪我 せ ず 無事 完了 した 訳 だし 。 きょう||||こわかった||けっか|てきに||だれ||けが|||ぶじ|かんりょう||やく| しかも 、 クエスト 報酬 三十万 よ 三十万 ! ||ほうしゅう|さんじゅうまん||さんじゅうまん それ を 全部 くれる って 言う の ! 」 ||ぜんぶ|||いう|

その 言葉 に 、 ミツルギ は 憐憫 の 眼差し で アクア を 見る 。 |ことば||||れんびん||まなざし||||みる

「…… アクア 様 、 こんな 男 に どう 丸め 込ま れた の か は 知り ませ ん が 、 今 の あなた の 扱い は 不当です よ 。 |さま||おとこ|||まるめ|こま|||||しり||||いま||||あつかい||ふとうです| I don't know how you have been seduced by this man, but the way you are being treated now is unjust. 「……阿克婭大人,我不知道你是怎麼迷上這樣的男人的,但現在你受到的對待是不公平的。」 そんな 目 に 遭って 、 たった 三十万 ……? |め||あって||さんじゅうまん You can't get 300,000 ...... for what you've been through? あなた は 女神 です よ ? ||めがみ|| それ が こんな ……。 ちなみに 、 今 は どこ に 寝泊まり して いる んです ? 」 |いま||||ねとまり|||

こんな 往来 で 女神 と か 言う な よ と 思った が 、 ミツルギ が 今にも 切れ そうな ので 黙って おく 。 |おうらい||めがみ|||いう||||おもった||||いまにも|きれ|そう な||だまって| 我以为我不会在这样的交通中称呼它为女神,但三木将要耗尽,所以请保持沉默。

と いう か 、 初対面 で 言い たい 放題 だ な この 野郎 。 |||しょたいめん||いい||ほうだい||||やろう

アクア の 事 を ろくに 知ら ない くせ に 。 ||こと|||しら||| 雖然我對阿庫婭了解不多。

ミツルギ の 言葉 に 、 アクア が 若干 押さ れ ながら も おずおず 答えた 。 ||ことば||||じゃっかん|おさ|||||こたえた 阿克婭有些膽怯地回答,禦劍的話讓她感到有些退縮。

「 え 、 えっ と 、 みんな と 一緒に 、 馬 小屋 で 寝泊まり して る けど ……」 |||||いっしょに|うま|こや||ねとまり|||

「 は !?」 "¿¡Ha!?"

ミツルギ の 、 俺 の 胸ぐら を 摑 む 手 に 力 が 込め られた 。 ||おれ||むなぐら||||て||ちから||こめ|

ちょ 、 痛い んです けど ! |いたい||

その ミツルギ の 腕 を 、 ダクネス が 横 から 摑 む 。 |||うで||||よこ|||

「 おい 、 いい加減 その 手 を 放せ 。 |いいかげん||て||はなせ お前 は さっき から 何 な のだ 。 おまえ||||なん|| カズマ と は 初対面 の ようだ が 、 礼儀 知ら ず に も ほど が ある だろう 」 |||しょたいめん||||れいぎ|しら|||||||

バカな 事 を 口走る 時 以外 は 物静かな ダクネス が 、 珍しく 怒って いた 。 ばかな|こと||くちばしる|じ|いがい||ものしずかな|||めずらしく|いかって| The quiet duckness was unusually angry except when he was talking about stupid things.

見れば 、 めぐみ ん ま でも が 新調 した 杖 を 構え 、 今にも 爆裂 魔法 の 詠唱 を …… って 、 それ は 止めろ ! みれば||||||しんちょう||つえ||かまえ|いまにも|ばくれつ|まほう||うた しょう|||||とどめろ

ミツルギ は 手 を 放す と 、 興味深 そうに ダクネス とめぐ みん を 観察 する 。 ||て||はなす||きょうみぶか|そう に|||||かんさつ|

「…… クルセイダー に アークウィザード ? …… それ に 、 随分 綺麗な 人 達 だ な 。 ||ずいぶん|きれいな|じん|さとる|| 君 は パーティー メンバー に は 恵ま れて いる んだ ね 。 きみ||ぱーてぃー|めんばー|||めぐま|||| それ なら 尚 更 だ よ 。 ||しよう|こう|| 君 は 、 アクア 様 や こんな 優秀 そうな 人 達 を 馬 小屋 で 寝泊まり さ せて 、 恥ずかしい と は 思わ ない の か ? きみ|||さま|||ゆうしゅう|そう な|じん|さとる||うま|こや||ねとまり|||はずかしい|||おもわ||| さっき の 話 じゃ 、 就いて いる 職業 も 、 最 弱 職 の 冒険 者 らしい じゃ ない か 」 ||はなし||ついて||しょくぎょう||さい|じゃく|しょく||ぼうけん|もの|||| From what you just said, it sounds like you're working as an adventurer, which is the weakest job there is.

こいつ の 言い分 だけ 聞いて いる と 、 自分 が 凄く 恵ま れた 環境 に いる か の 様 に 思えて くる 。 ||いいぶん||きいて|||じぶん||すごく|めぐま||かんきょう|||||さま||おもえて| When I listen to what he says, I feel like I'm in a very blessed environment.

何の 関 わり合い も 無い 他人 から 見れば 、 俺 は そんな 風 に 見える のだろう か 。 なんの|かん|わりあい||ない|たにん||みれば|おれ|||かぜ||みえる||

俺 は アクア に 耳打ち する 。 おれ||||みみうち|

「 なあ なあ 、 この 世界 の 冒険 者 って 馬 小屋 で 寝泊まり なんて 基本 だろ ? |||せかい||ぼうけん|もの||うま|こや||ねとまり||きほん|だ ろ こいつ 、 なんで こんなに 怒って る んだ ? 」 |||いかって||

「 あれ よ 、 彼 に は 異 世界 へ の 移住 特典 で 魔 剣 を あげた から 、 その おかげ で 、 最初 から 高 難易 度 の クエスト を バンバン こなしたり して 、 今 まで お 金 に 困ら なかった んだ と 思う わ 。 ||かれ|||い|せかい|||いじゅう|とくてん||ま|けん|||||||さいしょ||たか|なんい|たび||||ばんばん|||いま|||きむ||こまら||||おもう| …… まあ 、 能力 か 装備 を 与え られた 人間 なんて 、 大体 が そんな 感じ よ 」 |のうりょく||そうび||あたえ||にんげん||だいたい|||かんじ| ...... Well, it's almost like that for a human being given the ability or equipment. "

アクア の 返事 を 聞いて 、 俺 は 何だか 無性に 腹 が 立って きた 。 ||へんじ||きいて|おれ||なんだか|ぶしょうに|はら||たって|

タダ で 貰った 魔 剣 で この 世界 で 苦労 も せ ず に 生きて きた 奴 に 、 なぜ 一 から 頑張って きた 俺 が 、 上 から 目線 で 説教 さ れ なきゃ いけない んだ 。 ただ||もらった|ま|けん|||せかい||くろう|||||いきて||やつ|||ひと||がんばって||おれ||うえ||めせん||せっきょう|||||

そんな 俺 の 怒り も 知ら ず 、 ミツルギ が 同情 でも する か の 様 に 、 アクア や ダクネス 、 めぐみ ん に 対して 憐れみ の 混じった 表情 で 笑い かけた 。 |おれ||いかり||しら||||どうじょう|||||さま||||||||たいして|あわれみ||まじった|ひょうじょう||わらい| Not knowing of my anger, Mitsurugi smiled at Aqua, Daknes, and Megumi with an expression mixed with pity, as if he felt sorry for them.

「 君 達 、 今 まで 苦労 した みたいだ ね 。 きみ|さとる|いま||くろう||| これ から は 、 僕 と 一緒に 来る と いい 。 |||ぼく||いっしょに|くる|| もちろん 馬 小屋 なんか で 寝かせ ないし 、 高級な 装備 品 も 買い 揃えて あげよう 。 |うま|こや|||ねかせ||こうきゅうな|そうび|しな||かい|そろえて| と いう か 、 パーティー の 構成 的に も バランス が 取れて いて い い じゃ ない か 。 |||ぱーてぃー||こうせい|てきに||ばらんす||とれて|||||| ソードマスター の 僕 に 、 僕 の 仲間 の 戦士 と 、 そして クルセイダー の あなた 。 ||ぼく||ぼく||なかま||せんし||||| 僕 の 仲間 の 盗賊 と 、 アークウィザード の その 子 に アクア 様 。 ぼく||なかま||とうぞく|||||こ|||さま まるで あつらえた みたいに ピッタリ な パーティー 構成 じゃ ない か ! 」 |||ぴったり||ぱーてぃー|こうせい|||

おっと 、 俺 が 入って い ませ ん が 。 |おれ||はいって||||

いや 、 もちろん この 男 の パーティー に 入り たい と も 思わ ない けれども 。 |||おとこ||ぱーてぃー||はいり||||おもわ|| No, of course I don't want to join his party.

身勝手な ミツルギ の 提案 に 、 俺 の 仲間 の 三 人 は ひそひそ と 囁き 出した 。 みがってな|||ていあん||おれ||なかま||みっ|じん||||ささやき|だした

性格 は 自己 中 勇者 様 な 感じ の ミツルギ だ が 、 待遇 と して は 、 悪く ない 提案 だ 。 せいかく||じこ|なか|ゆうしゃ|さま||かんじ|||||たいぐう||||わるく||ていあん| Mitsurugi's personality is that of a self-centered hero, but his treatment is not a bad proposition.

そして 、 俺 より も ミツルギ に ついて 行った 方 が 、 アクア の 願い である 魔王 討伐 は 達成 さ れ 易い と 思う 。 |おれ||||||おこなった|かた||||ねがい||ま おう|とうばつ||たっせい|||やすい||おもう

アクア は 魔王 が 倒さ れ ない と 天 界 に 帰れ ない 。 ||ま おう||たおさ||||てん|かい||かえれ| Aqua cannot return to Heaven unless the Demon King is defeated.

俺 の 異 世界 移住 特典 と して 連れて 来 られた が 、 他の 転送 者 に 付き 従って 魔王 討伐 を 果たして も 、 きっと 帰して 貰える だろう 。 おれ||い|せかい|いじゅう|とくてん|||つれて|らい|||たの|てんそう|もの||つき|したがって|ま おう|とうばつ||はたして|||かえして|もらえる|

俺 は 、 アクア 達 も 流石 に 心 が 動いた か な と 、 背後 の 会話 に 聞き 耳 を 立てる と ……。 おれ|||さとる||さすが||こころ||うごいた||||はいご||かいわ||きき|みみ||たてる| I listened to the conversation behind me and thought that maybe Aqua had moved on. ......

「 ちょっと 、 ヤバい んです けど 。 |ヤバ い|| あの 人 本気 で 、 ひく ぐらい ヤバい んです けど 。 |じん|ほんき||||ヤバ い|| That person is seriously dangerous, to the point of being almost frightening. 这个人很认真,这很危险。 ていう か 勝手に 話 進める し ナルシスト も 入って る 系 で 、 怖い んです けど 」 て いう||かってに|はなし|すすめる||||はいって||けい||こわい|| 我的意思是,他們自己談論事情,而且還有自戀者參與其中,所以這很可怕。”

「 どう しよう 、 あの 男 は 何だか 生理 的に 受けつけ ない 。 |||おとこ||なんだか|せいり|てきに|うけつけ| I don't know, that man is somehow physiologically unacceptable to me. 攻める より 受ける の が 好きな 私 だ が 、 あいつ だけ は 何だか 無性に 殴り たい のだ が 」 せめる||うける|||すきな|わたくし||||||なんだか|ぶしょうに|なぐり||| I'm more of a passer than an aggressor, but there's something about that guy that just makes me want to punch him."