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この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (KonoSuba), この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (16)

この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (16)

「…… クエスト 、 一応 カズマ も 見て きて くれ ませ ん か ? アクア に 任せて おく と 、 とんでもない の 持って き そうで ……」

「…… だ な 。 まあ 私 は 別に 、 無 茶 な クエスト でも 文句 は 言わ ない が ……」

めぐみ ん と ダクネス の 意見 を 聞いて 、 俺 も なんだか 嫌な 予感 が して きた 。

クエスト が 張り出さ れて いる 掲示板 へ 行く と 、 何やら 難しい 顔 で 請け負う クエスト を 吟味 して いる アクア の 後ろ に 立つ 。

アクア は 背後 に 立つ 俺 に 気づか ず 、 真剣な 顔 で クエスト を 選んで いる 。

やがて 、 一 枚 の 紙 を 掲示板 から 剝 が し 、 手 に 取った 。

「…… よし 」

「 よし じゃ ねえ ! お前 、 何 請けよう と して んだ よっ !!」

俺 は アクア の 持って いた 依頼 書 を 取り 上げた 。

『── マンティコア と グリフォン の 討伐 ── マンティコア と グリフォン が 縄張り争い を して いる 場所 が あり ます 。 放っておく と 大変 危険な ので 、 二 匹 まとめて 討伐 して ください 。 報酬 は 五十万 エリス 』

「 アホ か ! 」

俺 は 叫ぶ と 、 張り紙 を 元 の 場所 に 貼り 直した 。

見 に 来て 正解 だった 。 危うく とんでもない クエスト に 巻き 込ま れる ところ だった 。

「 何 よ もう 、 二 匹 まとまって る とこ に めぐみ ん が 爆裂 魔法 食らわ せれば 一撃 じゃ ない の 。 った くしょう が ない わ ね ー ……」

こいつ は 、 その 危険な 魔 獣 を 都合 よく 二 匹 まとめる 作戦 に ついて は 、 どうせ 俺 に 丸 投げ する 気 な のだろう 。

いっそ この クエスト を 請けて 、 一 人 で 送り出して しまおう か と 悩む 俺 に 、 アクア が 興奮 し ながら 服 の 袖 を 引っ張って きた 。

「 ちょっと 、 これ これ ! これ 、 見なさいよっ !!」

言わ れて 、 アクア が 指差す 依頼 書 を 見る 。

『── 湖 の 浄化 ── 街 の 水源 の 一 つ の 、 湖 の 水質 が 悪く なり 、 ブルータルアリゲーター が 住み つき 始めた ので 水 の 浄化 を 依頼 し たい 。 湖 の 浄化 が できれば モンスター は 生息 地 を 他 に 移す ため 、 モンスター 討伐 は し なくて も いい 。 ※ 要 浄化 魔法 習得 済み の プリースト 。 報酬 は 三十万 エリス 』

「…… お前 、 水 の 浄化 なんて できる の か ? 」

俺 の 疑問 に アクア が ふっと 鼻 で 笑う 。

「 バカ ね 、 私 を だれ だ と 思って る の ? と 言う か 、 名前 や 外見 の イメージ で 、 私 が 何 を 司る 女神 か ぐらい 分かる でしょう ? 」

「 宴会 の 神様 だろ ? 」

「 違う わ よ ヒキニート ! 水 よ ! この 美しい 水色 の 瞳 と この 髪 が 見え ない のっ !?」

なるほど 。

水 の 浄化 だけ で 三十万 か 、 確かに 美味しい な 。

討伐 を し なくて い いって とこ が ポイント 高い 。

「 じゃあ それ を 請けろ よ 。 ていう か 、 浄化 だけ なら お前 一 人 でも いいん じゃ ない か ? そう すれば 報酬 は 独り占め できる だろ ? 」

だが 、 そんな 俺 の 言葉 に アクア が 渋る 。

「 え 、 ええ ー ……。 多分 、 湖 を 浄化 して る と モンスター が 邪魔 し に 寄って くる わ よ ? 私 が 浄化 を 終える まで 、 モンスター から 守って 欲しい んです けど 」

そういう 事 か 。

しかし 、 ブルータルアリゲーター って 、 名前 から 察する に ワニ 系 の モンスター だろ ?

凄く 危険 そうな んだ が ……。

「 ちなみに 浄化 って どれ ぐらい で 終わる んだ ? 五 分 くらい ? 」

短 時間 で 終わる なら 、 めぐみ ん の 爆裂 魔法 で 何とか なる だろう 。

アクア が 小 首 を 傾げ ながら 言った 。

「…… 半日 ぐらい ? 」

「 長 えよ ! 」

名前 から して 危な そうな モンスター 相手 に 、 半日 も 防衛 なんか して られる か 。

俺 は 張り紙 を 元 に 戻そう と ……。

「 あ あっ ! お 願い 、 お 願い よ おおっ ! 他 に は ろくな クエスト が 無い の ! 協力 して よ カズマ さ ー ん ! 」

掲示板 に 紙 を 貼り 直そう と する 俺 の 、 右腕 に すがって 泣きつく アクア に 、 俺 は ふと 思い ついた 。

「…… なあ 、 浄化 って どう やって やる んだ ? 」

「…… へ ? 水 の 浄化 は 、 私 が 水 に 手 を 触れて 浄化 魔法 でも かけ 続けて やれば いいん だ けど ……」

なるほど 、 水 に 触れ なきゃ いけない の か 。

ちょっと 思い ついた 事 が あった んだ が 、 それ じゃ ……。

…… いや 、 待てよ ?

「 おい アクア 。 多分 、 安全に 浄化 が できる 手 が ある んだ が 、 お前 、 やって みる か ? 」

8.

街 から 少し 離れた 所 に ある 大きな 湖 。

街 の 水源 の 一 つ と さ れて いる その 湖 から は 小さな 川 が 流れて おり 、 それ が 街 へ と 繫 がって いる 。

湖 の すぐ 傍 に は 山 が あり 、 そこ から 絶えず 湖 へ と 水 が 流れ 込んで いた 。

なるほど 。

依頼 に あった 通り 、 湖 の 水 は 何だか 濁り 、 淀んで いた 。

モンスター も 清潔な 水 を 好む もの か と 思って いた が 、 違う の か 。

俺 が 湖 を 眺めて いる と 、 背後 から おずおず と 声 が かけ られる 。

「…… ねえ ……。 本当に やる の ? 」

それ は 凄く 不安気な アクア の 声 。

俺 の 考えた 隙 の 無い 作戦 の 、 一体 何 が 不安な の か 。

アクア が 言った 。

「…… 私 、 今 から 売ら れて いく 、 捕まった 希少 モンスター の 気分 な んです けど ……」

…… 希少 な モンスター を 閉じ 込めて おく 、 鋼鉄 製 の オリ の 中央 で 、 体育 座り を し ながら 。

オリ に 入れた アクア を 運び 、 そのまま 湖 に 投入 する のだ 。

最初 は 湖 の 近く で 安全な オリ の 中 から 浄化 魔法 を かけ させよう と 思った のだ が 、 浄化 魔法 は 水 に 触れて い ない と 使え ない そう な ので この 作戦 に なった 。

水 の 女神 である アクア は 、 水 に 浸かる どころ か 、 湖 の 底 に 一 日 沈め られて も 、 呼吸 に も 困ら ず 、 不快 を 感じる 事 も 無い らしい 。

そして 本人 いわく 、 浄化 魔法 を 使わ なくて も アクア 自身 が 湖 に 浸かって いれば 、 それ だけ でも 浄化 効果 が ある そうな 。

それほど 神聖な 存在 だ と いう 事 な のだろう 。 さすが は 一応 、 腐って も 女神 だ 。

アクア が 入った オリ は 、 俺 と ダクネス の 二 人 がかり で 湖 に 運んだ 。

鋼鉄 製 の オリ は 、 ギルド に 常備 さ れて いた 物 を 借りて きた 。

クエスト の 中 に は モンスター の 捕獲 依頼 も ある ので 、 そういった 時 用 の 物 らしい 。

別に 、 使え ない 女神 を 湖 に 投棄 し に 来た 訳 で は ない ので 、 遠く に 持って いく 必要 は 無い 。

湖 の 際 に 、 アクア が ちょっと 浸かる 程度 に オリ を 置いて おけば いい のだ 。

これ なら 湖 の 浄化 中 に ブルータルアリゲーター が 襲って きて も 大丈夫だろう 。

なにせ 、 捕獲 した モンスター の 運搬 用 に 使わ れる オリ だ 、 中 の アクア に 攻撃 が 届く と は 思え ない 。

ギルド 職員 の 話 で は 、 浄化 が 終われば モンスター は 湖 から 離れて 行く と 言って いた が 、 万一 アクア の 傍 から 離れ なかった 時 に 備え 、 オリ に は 頑丈な 鎖 を 付けて いた 。

鋼鉄 製 の オリ は 重量 が ある ので 、 湖 まで は 街 で 借りた 馬 に 引か せ ながら 運んで きた 。

緊急の 際 に は 、 借りて きた 馬 に 、 鎖 で オリ を 引っ張ら せて 逃げる 予定 だ 。

アクア を 入れた オリ は 湖 の 際 に 沈め られ 、 体育 座り の アクア は 足 の 先 と 尻 の 部分 を 湖 に 浸から せて いた 。

後 は このまま 、 俺 達 三 人 は 離れた 所 で 待つ だけ だ 。

アクア が 、 膝 を 抱え ながら ぽつり と 呟く 。

「…… 私 、 ダシ を 取ら れて る 紅茶 の ティーバッグ の 気分 な んです けど ……」

9.

浄化 装置 改め 、 アクア を 湖 の 際 に 設置 して 、 二 時間 が 経過 。

だが 、 未だに モンスター が 襲って くる 気配 は 無い 。

俺 と ダクネス とめぐ みん は 、 アクア から 二十 メートル ほど 離れた 陸地 で アクア の 様子 を 見守って いた 。

水 に 浸かり っぱなし の アクア に 声 を 掛ける 。

「 お ー い アクア ! 浄化 の 方 は どんな もん だ ? 湖 に 浸かり っぱなし だ と 冷える だろ 。 トイレ 行き たく なったら 言えよ ? オリ から 出して やる から ー ! 」

遠く から 叫ぶ 俺 に 、 アクア が 叫び 返した 。

「 浄化 の 方 は 順調 よ ! 後 、 トイレ は いい わ よ ! アークプリースト は トイレ なんて 行か ない し !!」

昔 の アイドル みたいな 事 を 言う アクア 。

水 に 浸け っぱなし で 大丈夫 か と 心配 した が 、 まだまだ 余裕 は あり そうだ 。

「 何だか 大丈夫 そうです ね 。 ちなみに 、 紅 魔 族 も トイレ なんて 行き ませ ん から 」

めぐみ ん が 聞いて も い ない のに そんな 事 を 言って くる 。

お前 も アクア も 普段 モリモリ 食ったり 飲んだり して る が 、 それ は どこ に 消えて いる んだ と ツッコみ たい 。

「 私 も クルセイダー だ から 、 トイレ は …… トイレ は ……。 …… う う ……」

「 ダクネス 、 この 二 人 に 対抗 する な 。 トイレ に 行か ない って 言い張る めぐみ ん と アクア の 二 人 は 、 今度 、 日帰り じゃ 終わら ない クエスト を 請けて 、 本当に トイレ に 行か ない か を 確認 して やる 」

「 や 、 止めて ください 。 紅 魔 族 は トイレ なんて 行き ませ ん よ ? で も 謝る ので 止めて ください 。 …… しかし 。 ブルータルアリゲーター 、 来 ませ ん ね 。 このまま 何事 も なく 終わって くれれば いい のです が 」

めぐみ ん が フラグ と しか 思え ない 様 な 事 を 言った 。

そして 、 それ を きっかけ に でも する か の 様 に 、 湖 の 一部 に 小 波 が 走る 。

大き さ 的に は 地球 の 平均 的な ワニ と 比較 して も 、 あまり 変わら ない だろう 。

だが 、 そこ は やはり モンスター 。 地球 の ワニ と は 一味 違った 。

「 カ 、 カズマー ! なんか 来た ! ねえ 、 なんか いっぱい 来た わ ! 」

この 世界 の ワニ 達 は 、 群れ で 行動 する 様 だ 。

── 浄化 を 始めて から 四 時間 が 経過 ──

最初 は 、 水 に 浸かって 女神 の 身体 に 備わった 浄化 能力 だけ を 使って いた アクア だった が 、 早く 浄化 を 終わら せて 帰り たい の か 、 今 は 一心不乱 に 浄化 魔法 も 唱え まくって いる 。

「『 ピュリフィケーション 』! 『 ピュリフィケーション 』! 『 ピュリフィケーション 』 ッッ ! 」

アクア が 入って いる 鋼鉄 製 の オリ を 大量の ワニ 達 が 囲み 、 オリ を ガジガジ と 齧って いる 。

「『 ピュリフィケーション 』! 『 ピュリフィケーション 』 ッッ ! ギシギシ いって る ! ミシミシ いって る ! オリ が 、 オリ が 変な 音 立てて る んです けど ! 」

オリ の 中 で 喚く アクア だ が 、 この 状況 で は 爆裂 魔法 で ぶっ 飛ばす 訳 に も いか ず 、 俺 達 に は ちょっと どう しよう も ない 。

「 アクアー ! ギブアップ なら 、 そう 言えよ ー ! そし たら 鎖 引っ張って オリ ごと 引きずって 逃げて やる から ー ! 」

先ほど から オリ に 向かって 叫ぶ のだ が 、 アクア は 怯え ながら も 頑なに クエスト の リタイア を 拒んで いた 。

「 イ 、 イヤ よ ! ここ で 諦めちゃ 今 まで の 時間 が 無駄に なる し 、 何より 報酬 が 貰え ない じゃ ない の よ ! 『 ピュリフィケーション 』! 『 ピュリフィケーション 』 ッッ !! …… わ 、 わ ああ ああ ー っ ! メキッ て いった ! 今 オリ から 、 鳴っちゃ いけない 音 が 鳴った !!」

わ あわ あと 泣き叫んで いる アクア を 取り囲む ブルータルアリゲーター 達 は 、 俺 達 三 人 に は 見向き も し ない 。

それ を 見て 、 ダクネス が 呟く 。

「…… あの オリ の 中 、 ちょっと だけ 楽し そうだ な ……」

「…… 行く な よ ? 」

── 浄化 を 始めて から 七 時間 が 経過 ──

湖 の 際 に は 、 ボロボロ に なった オリ が ぽつんと 取り 残さ れて いた 。

ブルータルアリゲーター に 齧ら れた オリ は 、 所々 に ワニ の 歯型 が 残さ れて いる 。

浄化 が 完了 した から か 、 ブルータルアリゲーター 達 は オリ から 離れ 、 山 へ と 向かって 泳いで 行って しまった 。

もう アクア の 浄化 魔法 の 声 は 聞こえて こ ない 。

と いう か 、 一 時間 ほど 前 から 、 アリゲーター に たから れて いた アクア の 声 が 聞こえ なく なって いる 。

「…… おい アクア 、 無事 か ? ブルータルアリゲーター 達 は 、 もう 全部 、 どこ か に 行った ぞ 」

俺 達 は オリ へ 近づき 、 オリ の 中 の アクア を 窺った 。

「…… ぐ す …… ひ っ く …… えっ く ……」

膝 を 抱えて 泣く ぐらい なら 、 とっとと クエスト を リタイア すれば いい のに ……。

まあ この 状況 で は 無理 も ない か 。

「 ほら 、 浄化 が 終わった の なら 帰る ぞ 。 ダクネス とめぐ みん で 話し 合った んだ が 、 俺 達 は 今回 、 報酬 は いら ない から 。 報酬 の 三十万 、 お前 が 全部 持って いけ 」

この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (16) この すばらしい せかい に しゅくふく を||だおんな かみさま Bless this wonderful world! Oh, Goddess of the Damned (16) Benedici questo mondo meraviglioso! Oh, Dea dei Dannati (16) 為這個美好的世界送上祝福!啊,無用的女神(16)

「…… クエスト 、 一応 カズマ も 見て きて くれ ませ ん か ? |いちおう|||みて||||| "... ... Quest, can you please see Kazuma once? 「……任务,暂时请见风间? アクア に 任せて おく と 、 とんでもない の 持って き そうで ……」 ||まかせて|||||もって||そう で If you leave it to Aqua, it seems like you'll bring it ridiculously ... "

「…… だ な 。 まあ 私 は 別に 、 無 茶 な クエスト でも 文句 は 言わ ない が ……」 |わたくし||べつに|む|ちゃ||||もんく||いわ||

めぐみ ん と ダクネス の 意見 を 聞いて 、 俺 も なんだか 嫌な 予感 が して きた 。 |||||いけん||きいて|おれ|||いやな|よかん||| When I heard the opinions of Megumi and Dakness, I had a feeling that I didn't like it.

クエスト が 張り出さ れて いる 掲示板 へ 行く と 、 何やら 難しい 顔 で 請け負う クエスト を 吟味 して いる アクア の 後ろ に 立つ 。 ||はりださ|||けいじばん||いく||なにやら|むずかしい|かお||うけおう|||ぎんみ|||||うしろ||たつ

アクア は 背後 に 立つ 俺 に 気づか ず 、 真剣な 顔 で クエスト を 選んで いる 。 ||はいご||たつ|おれ||きづか||しんけんな|かお||||えらんで|

やがて 、 一 枚 の 紙 を 掲示板 から 剝 が し 、 手 に 取った 。 |ひと|まい||かみ||けいじばん|||||て||とった

「…… よし 」

「 よし じゃ ねえ ! お前 、 何 請けよう と して んだ よっ !!」 おまえ|なん|うけよう||||

俺 は アクア の 持って いた 依頼 書 を 取り 上げた 。 おれ||||もって||いらい|しょ||とり|あげた I took up the request form that Aqua was holding.

『── マンティコア と グリフォン の 討伐 ── マンティコア と グリフォン が 縄張り争い を して いる 場所 が あり ます 。 ||||とうばつ|||||なわばりあらそい||||ばしょ||| 放っておく と 大変 危険な ので 、 二 匹 まとめて 討伐 して ください 。 ほうっておく||たいへん|きけんな||ふた|ひき||とうばつ|| 報酬 は 五十万 エリス 』 ほうしゅう||ごじゅうまん|

「 アホ か ! 」

俺 は 叫ぶ と 、 張り紙 を 元 の 場所 に 貼り 直した 。 おれ||さけぶ||はりがみ||もと||ばしょ||はり|なおした

見 に 来て 正解 だった 。 み||きて|せいかい| It was a good decision to come and see it. 危うく とんでもない クエスト に 巻き 込ま れる ところ だった 。 あやうく||||まき|こま||| I was about to get caught up in a ridiculous quest.

「 何 よ もう 、 二 匹 まとまって る とこ に めぐみ ん が 爆裂 魔法 食らわ せれば 一撃 じゃ ない の 。 なん|||ふた|ひき||||||||ばくれつ|まほう|くらわ||いちげき||| った くしょう が ない わ ね ー ……」 ||||||- I don't know what to do. ......"

こいつ は 、 その 危険な 魔 獣 を 都合 よく 二 匹 まとめる 作戦 に ついて は 、 どうせ 俺 に 丸 投げ する 気 な のだろう 。 |||きけんな|ま|けだもの||つごう||ふた|ひき||さくせん|||||おれ||まる|なげ||き|| I wonder if he's willing to throw the whole dangerous beast at me for the operation of putting the two dangerous monsters together conveniently. 這傢伙大概是想把把兩隻危險的魔獸方便地結合起來的計畫全都交給我吧。

いっそ この クエスト を 請けて 、 一 人 で 送り出して しまおう か と 悩む 俺 に 、 アクア が 興奮 し ながら 服 の 袖 を 引っ張って きた 。 ||||うけて|ひと|じん||おくりだして||||なやむ|おれ||||こうふん|||ふく||そで||ひっぱって| I'm wondering if I should just accept this quest and send her off on her own, when Aqua excitedly tugs at my sleeve. 正當我猶豫要不要接受這個任務並自己送出去時,阿克婭興奮地拉了拉我的衣袖。

「 ちょっと 、 これ これ ! これ 、 見なさいよっ !!」 |みなさ い よっ

言わ れて 、 アクア が 指差す 依頼 書 を 見る 。 いわ||||ゆびさす|いらい|しょ||みる

『── 湖 の 浄化 ── 街 の 水源 の 一 つ の 、 湖 の 水質 が 悪く なり 、 ブルータルアリゲーター が 住み つき 始めた ので 水 の 浄化 を 依頼 し たい 。 こ||じょうか|がい||すいげん||ひと|||こ||すいしつ||わるく||||すみ||はじめた||すい||じょうか||いらい|| I want to purify the water in one of the city's water sources, because the quality of the lake has deteriorated and it has become inhabited by brute alligators. 湖 の 浄化 が できれば モンスター は 生息 地 を 他 に 移す ため 、 モンスター 討伐 は し なくて も いい 。 こ||じょうか|||||せいそく|ち||た||うつす|||とうばつ||||| ※ 要 浄化 魔法 習得 済み の プリースト 。 かなめ|じょうか|まほう|しゅうとく|すみ|| 報酬 は 三十万 エリス 』 ほうしゅう||さんじゅうまん|

「…… お前 、 水 の 浄化 なんて できる の か ? 」 おまえ|すい||じょうか||||

俺 の 疑問 に アクア が ふっと 鼻 で 笑う 。 おれ||ぎもん|||||はな||わらう

「 バカ ね 、 私 を だれ だ と 思って る の ? ばか||わたくし|||||おもって|| と 言う か 、 名前 や 外見 の イメージ で 、 私 が 何 を 司る 女神 か ぐらい 分かる でしょう ? 」 |いう||なまえ||がいけん||いめーじ||わたくし||なん||つかさどる|めがみ|||わかる|

「 宴会 の 神様 だろ ? 」 えんかい||かみさま|だ ろ

「 違う わ よ ヒキニート ! ちがう||| 水 よ ! すい| この 美しい 水色 の 瞳 と この 髪 が 見え ない のっ !?」 |うつくしい|みずいろ||ひとみ|||かみ||みえ||の っ Can't you see my beautiful light blue eyes and my hair?

なるほど 。

水 の 浄化 だけ で 三十万 か 、 確かに 美味しい な 。 すい||じょうか|||さんじゅうまん||たしかに|おいしい|

討伐 を し なくて い いって とこ が ポイント 高い 。 とうばつ||||||||ぽいんと|たかい The point is that you don't have to subdue.

「 じゃあ それ を 請けろ よ 。 |||うけろ| ていう か 、 浄化 だけ なら お前 一 人 でも いいん じゃ ない か ? て いう||じょうか|||おまえ|ひと|じん||||| I mean, if you just want to clean up, you can do it alone, can't you? そう すれば 報酬 は 独り占め できる だろ ? 」 ||ほうしゅう||ひとりじめ||だ ろ

だが 、 そんな 俺 の 言葉 に アクア が 渋る 。 ||おれ||ことば||||しぶる

「 え 、 ええ ー ……。 ||- 多分 、 湖 を 浄化 して る と モンスター が 邪魔 し に 寄って くる わ よ ? たぶん|こ||じょうか||||||じゃま|||よって||| 私 が 浄化 を 終える まで 、 モンスター から 守って 欲しい んです けど 」 わたくし||じょうか||おえる||||まもって|ほしい||

そういう 事 か 。 |こと|

しかし 、 ブルータルアリゲーター って 、 名前 から 察する に ワニ 系 の モンスター だろ ? |||なまえ||さっする||わに|けい|||だ ろ

凄く 危険 そうな んだ が ……。 すごく|きけん|そう な||

「 ちなみに 浄化 って どれ ぐらい で 終わる んだ ? |じょうか|||||おわる| By the way, how long does it take to purify? 五 分 くらい ? 」 いつ|ぶん|

短 時間 で 終わる なら 、 めぐみ ん の 爆裂 魔法 で 何とか なる だろう 。 みじか|じかん||おわる|||||ばくれつ|まほう||なんとか||

アクア が 小 首 を 傾げ ながら 言った 。 ||しょう|くび||かしげ||いった

「…… 半日 ぐらい ? 」 はんにち|

「 長 えよ ! 」 ちょう|

名前 から して 危な そうな モンスター 相手 に 、 半日 も 防衛 なんか して られる か 。 なまえ|||あぶな|そう な||あいて||はんにち||ぼうえい||||

俺 は 張り紙 を 元 に 戻そう と ……。 おれ||はりがみ||もと||もどそう| I'm going to try to put the sign back up at .......

「 あ あっ ! お 願い 、 お 願い よ おおっ ! |ねがい||ねがい||おお っ 他 に は ろくな クエスト が 無い の ! た||||||ない| 協力 して よ カズマ さ ー ん ! 」 きょうりょく|||||-|

掲示板 に 紙 を 貼り 直そう と する 俺 の 、 右腕 に すがって 泣きつく アクア に 、 俺 は ふと 思い ついた 。 けいじばん||かみ||はり|なおそう|||おれ||みぎうで|||なきつく|||おれ|||おもい| 我试图将纸重新贴到布告栏上,水瓶紧贴着我的右臂哭了,我突然想到了。

「…… なあ 、 浄化 って どう やって やる んだ ? 」 |じょうか|||||

「…… へ ? 水 の 浄化 は 、 私 が 水 に 手 を 触れて 浄化 魔法 でも かけ 続けて やれば いいん だ けど ……」 すい||じょうか||わたくし||すい||て||ふれて|じょうか|まほう|||つづけて|||| To purify water, I should just touch the water and continue to use purification magic ... "

なるほど 、 水 に 触れ なきゃ いけない の か 。 |すい||ふれ|||| I see, do I have to touch the water?

ちょっと 思い ついた 事 が あった んだ が 、 それ じゃ ……。 |おもい||こと||||||

…… いや 、 待てよ ? |まてよ

「 おい アクア 。 多分 、 安全に 浄化 が できる 手 が ある んだ が 、 お前 、 やって みる か ? 」 たぶん|あんぜんに|じょうか|||て|||||おまえ|||

8.

街 から 少し 離れた 所 に ある 大きな 湖 。 がい||すこし|はなれた|しょ|||おおきな|こ

街 の 水源 の 一 つ と さ れて いる その 湖 から は 小さな 川 が 流れて おり 、 それ が 街 へ と 繫 がって いる 。 がい||すいげん||ひと|||||||こ|||ちいさな|かわ||ながれて||||がい||||| 一條小河從據說是城市水源之一的湖中流出,與城市相連。

湖 の すぐ 傍 に は 山 が あり 、 そこ から 絶えず 湖 へ と 水 が 流れ 込んで いた 。 こ|||そば|||やま|||||たえず|こ|||すい||ながれ|こんで|

なるほど 。

依頼 に あった 通り 、 湖 の 水 は 何だか 濁り 、 淀んで いた 。 いらい|||とおり|こ||すい||なんだか|にごり|よどんで|

モンスター も 清潔な 水 を 好む もの か と 思って いた が 、 違う の か 。 ||せいけつな|すい||このむ||||おもって|||ちがう||

俺 が 湖 を 眺めて いる と 、 背後 から おずおず と 声 が かけ られる 。 おれ||こ||ながめて|||はいご||||こえ|||

「…… ねえ ……。 本当に やる の ? 」 ほんとうに||

それ は 凄く 不安気な アクア の 声 。 ||すごく|ふあん げ な|||こえ

俺 の 考えた 隙 の 無い 作戦 の 、 一体 何 が 不安な の か 。 おれ||かんがえた|すき||ない|さくせん||いったい|なん||ふあんな||

アクア が 言った 。 ||いった

「…… 私 、 今 から 売ら れて いく 、 捕まった 希少 モンスター の 気分 な んです けど ……」 わたくし|いま||うら|||つかまった|きしょう|||きぶん||| "... I feel like a rare monster caught, which is going to be sold from now on ..." “ ...我现在感觉就像是我一直在销售的稀有怪物...”

…… 希少 な モンスター を 閉じ 込めて おく 、 鋼鉄 製 の オリ の 中央 で 、 体育 座り を し ながら 。 きしょう||||とじ|こめて||こうてつ|せい||||ちゅうおう||たいいく|すわり||| …… Keeping the rare monsters locked in, while sitting in the gym in the center of the steel cage.

オリ に 入れた アクア を 運び 、 そのまま 湖 に 投入 する のだ 。 ||いれた|||はこび||こ||とうにゅう|| The aqua that was put in the cage is carried and put into the lake as it is.

最初 は 湖 の 近く で 安全な オリ の 中 から 浄化 魔法 を かけ させよう と 思った のだ が 、 浄化 魔法 は 水 に 触れて い ない と 使え ない そう な ので この 作戦 に なった 。 さいしょ||こ||ちかく||あんぜんな|||なか||じょうか|まほう|||さ せよう||おもった|||じょうか|まほう||すい||ふれて||||つかえ||||||さくせん||

水 の 女神 である アクア は 、 水 に 浸かる どころ か 、 湖 の 底 に 一 日 沈め られて も 、 呼吸 に も 困ら ず 、 不快 を 感じる 事 も 無い らしい 。 すい||めがみ||||すい||ひた かる|||こ||そこ||ひと|ひ|しずめ|||こきゅう|||こまら||ふかい||かんじる|こと||ない|

そして 本人 いわく 、 浄化 魔法 を 使わ なくて も アクア 自身 が 湖 に 浸かって いれば 、 それ だけ でも 浄化 効果 が ある そうな 。 |ほんにん|い わく|じょうか|まほう||つかわ||||じしん||こ||ひた かって|||||じょうか|こうか|||そう な

それほど 神聖な 存在 だ と いう 事 な のだろう 。 |しんせいな|そんざい||||こと|| さすが は 一応 、 腐って も 女神 だ 。 ||いちおう|くさって||めがみ|

アクア が 入った オリ は 、 俺 と ダクネス の 二 人 がかり で 湖 に 運んだ 。 ||はいった|||おれ||||ふた|じん|||こ||はこんだ

鋼鉄 製 の オリ は 、 ギルド に 常備 さ れて いた 物 を 借りて きた 。 こうてつ|せい||||ぎるど||じょうび||||ぶつ||かりて|

クエスト の 中 に は モンスター の 捕獲 依頼 も ある ので 、 そういった 時 用 の 物 らしい 。 ||なか|||||ほかく|いらい|||||じ|よう||ぶつ|

別に 、 使え ない 女神 を 湖 に 投棄 し に 来た 訳 で は ない ので 、 遠く に 持って いく 必要 は 無い 。 べつに|つかえ||めがみ||こ||とうき|||きた|やく|||||とおく||もって||ひつよう||ない

湖 の 際 に 、 アクア が ちょっと 浸かる 程度 に オリ を 置いて おけば いい のだ 。 こ||さい|||||ひた かる|ていど||||おいて|||

これ なら 湖 の 浄化 中 に ブルータルアリゲーター が 襲って きて も 大丈夫だろう 。 ||こ||じょうか|なか||||おそって|||だいじょうぶだろう

なにせ 、 捕獲 した モンスター の 運搬 用 に 使わ れる オリ だ 、 中 の アクア に 攻撃 が 届く と は 思え ない 。 |ほかく||||うんぱん|よう||つかわ||||なか||||こうげき||とどく|||おもえ|

ギルド 職員 の 話 で は 、 浄化 が 終われば モンスター は 湖 から 離れて 行く と 言って いた が 、 万一 アクア の 傍 から 離れ なかった 時 に 備え 、 オリ に は 頑丈な 鎖 を 付けて いた 。 ぎるど|しょくいん||はなし|||じょうか||おわれば|||こ||はなれて|いく||いって|||まんいち|||そば||はなれ||じ||そなえ||||がんじょうな|くさり||つけて|

鋼鉄 製 の オリ は 重量 が ある ので 、 湖 まで は 街 で 借りた 馬 に 引か せ ながら 運んで きた 。 こうてつ|せい||||じゅうりょう||||こ|||がい||かりた|うま||ひか|||はこんで|

緊急の 際 に は 、 借りて きた 馬 に 、 鎖 で オリ を 引っ張ら せて 逃げる 予定 だ 。 きんきゅうの|さい|||かりて||うま||くさり||||ひっぱら||にげる|よてい|

アクア を 入れた オリ は 湖 の 際 に 沈め られ 、 体育 座り の アクア は 足 の 先 と 尻 の 部分 を 湖 に 浸から せて いた 。 ||いれた|||こ||さい||しずめ||たいいく|すわり||||あし||さき||しり||ぶぶん||こ||ひた から||

後 は このまま 、 俺 達 三 人 は 離れた 所 で 待つ だけ だ 。 あと|||おれ|さとる|みっ|じん||はなれた|しょ||まつ||

アクア が 、 膝 を 抱え ながら ぽつり と 呟く 。 ||ひざ||かかえ||||つぶやく

「…… 私 、 ダシ を 取ら れて る 紅茶 の ティーバッグ の 気分 な んです けど ……」 わたくし|だし||とら|||こうちゃ||||きぶん||| ...... I'm in the mood for a tea bag of black tea that's been infused with broth. ...... 「……我感覺就像一個茶包,湯汁被拿走了……」

9.

浄化 装置 改め 、 アクア を 湖 の 際 に 設置 して 、 二 時間 が 経過 。 じょうか|そうち|あらため|||こ||さい||せっち||ふた|じかん||けいか

だが 、 未だに モンスター が 襲って くる 気配 は 無い 。 |み だに|||おそって||けはい||ない

俺 と ダクネス とめぐ みん は 、 アクア から 二十 メートル ほど 離れた 陸地 で アクア の 様子 を 見守って いた 。 おれ||||||||にじゅう|めーとる||はなれた|りくち||||ようす||みまもって|

水 に 浸かり っぱなし の アクア に 声 を 掛ける 。 すい||ひた かり|||||こえ||かける

「 お ー い アクア ! |-|| 浄化 の 方 は どんな もん だ ? じょうか||かた|||| 湖 に 浸かり っぱなし だ と 冷える だろ 。 こ||ひた かり||||ひえる|だ ろ トイレ 行き たく なったら 言えよ ? といれ|いき|||いえよ オリ から 出して やる から ー ! 」 ||だして|||-

遠く から 叫ぶ 俺 に 、 アクア が 叫び 返した 。 とおく||さけぶ|おれ||||さけび|かえした

「 浄化 の 方 は 順調 よ ! じょうか||かた||じゅんちょう| The cleanup is going well! 後 、 トイレ は いい わ よ ! あと|といれ|||| アークプリースト は トイレ なんて 行か ない し !!」 ||といれ||いか||

昔 の アイドル みたいな 事 を 言う アクア 。 むかし||あいどる||こと||いう|

水 に 浸け っぱなし で 大丈夫 か と 心配 した が 、 まだまだ 余裕 は あり そうだ 。 すい||ひた け|||だいじょうぶ|||しんぱい||||よゆう|||そう だ

「 何だか 大丈夫 そうです ね 。 なんだか|だいじょうぶ|そう です| ちなみに 、 紅 魔 族 も トイレ なんて 行き ませ ん から 」 |くれない|ま|ぞく||といれ||いき|||

めぐみ ん が 聞いて も い ない のに そんな 事 を 言って くる 。 |||きいて||||||こと||いって| 雖然惠惠沒有問我,但還是不斷地說著這樣的話。

お前 も アクア も 普段 モリモリ 食ったり 飲んだり して る が 、 それ は どこ に 消えて いる んだ と ツッコみ たい 。 おまえ||||ふだん||くったり|のんだり||||||||きえて||||ツッコ み|

「 私 も クルセイダー だ から 、 トイレ は …… トイレ は ……。 わたくし|||||といれ||といれ| …… う う ……」

「 ダクネス 、 この 二 人 に 対抗 する な 。 ||ふた|じん||たいこう|| トイレ に 行か ない って 言い張る めぐみ ん と アクア の 二 人 は 、 今度 、 日帰り じゃ 終わら ない クエスト を 請けて 、 本当に トイレ に 行か ない か を 確認 して やる 」 といれ||いか|||いいはる||||||ふた|じん||こんど|ひがえり||おわら||||うけて|ほんとうに|といれ||いか||||かくにん||

「 や 、 止めて ください 。 |とどめて| 紅 魔 族 は トイレ なんて 行き ませ ん よ ? くれない|ま|ぞく||といれ||いき||| で も 謝る ので 止めて ください 。 ||あやまる||とどめて| 但我很抱歉,所以請停止。 …… しかし 。 ブルータルアリゲーター 、 来 ませ ん ね 。 |らい||| このまま 何事 も なく 終わって くれれば いい のです が 」 |なにごと|||おわって||||

めぐみ ん が フラグ と しか 思え ない 様 な 事 を 言った 。 ||||||おもえ||さま||こと||いった

そして 、 それ を きっかけ に でも する か の 様 に 、 湖 の 一部 に 小 波 が 走る 。 |||||||||さま||こ||いちぶ||しょう|なみ||はしる

大き さ 的に は 地球 の 平均 的な ワニ と 比較 して も 、 あまり 変わら ない だろう 。 おおき||てきに||ちきゅう||へいきん|てきな|わに||ひかく||||かわら||

だが 、 そこ は やはり モンスター 。 地球 の ワニ と は 一味 違った 。 ちきゅう||わに|||いちみ|ちがった

「 カ 、 カズマー ! なんか 来た ! |きた ねえ 、 なんか いっぱい 来た わ ! 」 |||きた| Hey, I got a bunch of stuff! Oh, my God!

この 世界 の ワニ 達 は 、 群れ で 行動 する 様 だ 。 |せかい||わに|さとる||むれ||こうどう||さま|

── 浄化 を 始めて から 四 時間 が 経過 ── じょうか||はじめて||よっ|じかん||けいか

最初 は 、 水 に 浸かって 女神 の 身体 に 備わった 浄化 能力 だけ を 使って いた アクア だった が 、 早く 浄化 を 終わら せて 帰り たい の か 、 今 は 一心不乱 に 浄化 魔法 も 唱え まくって いる 。 さいしょ||すい||ひた かって|めがみ||からだ||そなわった|じょうか|のうりょく|||つかって|||||はやく|じょうか||おわら||かえり||||いま||いっしんふらん||じょうか|まほう||となえ||

「『 ピュリフィケーション 』! 『 ピュリフィケーション 』! 『 ピュリフィケーション 』 ッッ ! 」

アクア が 入って いる 鋼鉄 製 の オリ を 大量の ワニ 達 が 囲み 、 オリ を ガジガジ と 齧って いる 。 ||はいって||こうてつ|せい||||たいりょうの|わに|さとる||かこみ|||||かじって|

「『 ピュリフィケーション 』! 『 ピュリフィケーション 』 ッッ ! ギシギシ いって る ! ミシミシ いって る ! オリ が 、 オリ が 変な 音 立てて る んです けど ! 」 ||||へんな|おと|たてて|||

オリ の 中 で 喚く アクア だ が 、 この 状況 で は 爆裂 魔法 で ぶっ 飛ばす 訳 に も いか ず 、 俺 達 に は ちょっと どう しよう も ない 。 ||なか||かん く|||||じょうきょう|||ばくれつ|まほう||ぶ っ|とばす|やく|||||おれ|さとる||||||| Aqua is screaming inside the cage, but in this situation, we can't just blast him with explosive magic, and there's nothing we can do about it.

「 アクアー ! ギブアップ なら 、 そう 言えよ ー ! |||いえよ|- そし たら 鎖 引っ張って オリ ごと 引きずって 逃げて やる から ー ! 」 ||くさり|ひっぱって|||ひきずって|にげて|||-

先ほど から オリ に 向かって 叫ぶ のだ が 、 アクア は 怯え ながら も 頑なに クエスト の リタイア を 拒んで いた 。 さきほど||||むかって|さけぶ|||||おびえ|||がん なに|||りたいあ||こばんで|

「 イ 、 イヤ よ ! |いや| ここ で 諦めちゃ 今 まで の 時間 が 無駄に なる し 、 何より 報酬 が 貰え ない じゃ ない の よ ! ||あきらめちゃ|いま|||じかん||むだに|||なにより|ほうしゅう||もらえ||||| If we give up now, we will have wasted our time and most importantly, we won't get paid! 『 ピュリフィケーション 』! 『 ピュリフィケーション 』 ッッ !! …… わ 、 わ ああ ああ ー っ ! ||||||-| メキッ て いった ! 今 オリ から 、 鳴っちゃ いけない 音 が 鳴った !!」 いま|||なっちゃ||おと||なった

わ あわ あと 泣き叫んで いる アクア を 取り囲む ブルータルアリゲーター 達 は 、 俺 達 三 人 に は 見向き も し ない 。 |||なきさけんで||||とりかこむ||さとる||おれ|さとる|みっ|じん|||みむき|||

それ を 見て 、 ダクネス が 呟く 。 ||みて|||つぶやく

「…… あの オリ の 中 、 ちょっと だけ 楽し そうだ な ……」 |||なか|||たのし|そう だ|

「…… 行く な よ ? 」 いく||

── 浄化 を 始めて から 七 時間 が 経過 ── じょうか||はじめて||なな|じかん||けいか

湖 の 際 に は 、 ボロボロ に なった オリ が ぽつんと 取り 残さ れて いた 。 こ||さい|||ぼろぼろ||||||とり|のこさ||

ブルータルアリゲーター に 齧ら れた オリ は 、 所々 に ワニ の 歯型 が 残さ れて いる 。 ||かじら||||ところどころ||わに||はがた||のこさ||

浄化 が 完了 した から か 、 ブルータルアリゲーター 達 は オリ から 離れ 、 山 へ と 向かって 泳いで 行って しまった 。 じょうか||かんりょう|||||さとる||||はなれ|やま|||むかって|およいで|おこなって|

もう アクア の 浄化 魔法 の 声 は 聞こえて こ ない 。 |||じょうか|まほう||こえ||きこえて||

と いう か 、 一 時間 ほど 前 から 、 アリゲーター に たから れて いた アクア の 声 が 聞こえ なく なって いる 。 |||ひと|じかん||ぜん|||||||||こえ||きこえ||| 事實上,現在已經有一個多小時了,阿克婭那被鱷魚纏著的聲音已經沒有了。

「…… おい アクア 、 無事 か ? ||ぶじ| ブルータルアリゲーター 達 は 、 もう 全部 、 どこ か に 行った ぞ 」 |さとる|||ぜんぶ||||おこなった|

俺 達 は オリ へ 近づき 、 オリ の 中 の アクア を 窺った 。 おれ|さとる||||ちかづき|||なか||||き った

「…… ぐ す …… ひ っ く …… えっ く ……」

膝 を 抱えて 泣く ぐらい なら 、 とっとと クエスト を リタイア すれば いい のに ……。 ひざ||かかえて|なく||||||りたいあ|||

まあ この 状況 で は 無理 も ない か 。 ||じょうきょう|||むり||| Well, that's understandable under the circumstances. 嗯,在這種情況下,也不是沒有道理的。

「 ほら 、 浄化 が 終わった の なら 帰る ぞ 。 |じょうか||おわった|||かえる| ダクネス とめぐ みん で 話し 合った んだ が 、 俺 達 は 今回 、 報酬 は いら ない から 。 ||||はなし|あった|||おれ|さとる||こんかい|ほうしゅう|||| 報酬 の 三十万 、 お前 が 全部 持って いけ 」 ほうしゅう||さんじゅうまん|おまえ||ぜんぶ|もって|