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この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (KonoSuba), この 素晴らしい 世界 に 祝福 を!

この 素晴らしい 世界 に 祝福 を! あぁ 、駄女 神さま (23)

…… こうして 、 何 が 目的 で この 地 に やって 来た の かも 明かす 事 無く 、 魔 王 の 幹部 は こんな 所 で 浄化 さ れた 。

7.

勝利 に 沸く 冒険 者 達 の 声 を 聞き ながら 、 傷 だらけ の ダクネス は 、 片 膝 を つき 、 デュラハン の 体 が 消えた 場所 の 前 で 、 祈り を 捧げる ポーズ で 目 を 閉じて いる 。

そんな ダクネス に 、 めぐみ ん が 恐る恐る 声 を かけた 。

「…… ダクネス 、 何 を して る のです か ? ダクネス は 、 目 を 閉じた まま 、 独白 でも する 様 に 答えた 。

「…… 祈り を 、 捧げて いる 。 デュラハン は 不条理な 処刑 で 首 を 落とさ れた 騎士 が 、 恨み で アンデッド 化 する モンスター だ 。 こいつ とて 、 モンスター に なり たくて なった 訳 で は ない だろう 。 自分 で 斬り つけて おいて 何 だ が 、 祈り ぐらい は な ……」

そう です か …… と 呟く めぐみ んに 、 なおも ダクネス は 続ける 。

「…… 腕相撲 勝負 を して 私 に 負けた 腹いせ に 、 私 の 事 を 鎧 の 中 は ガチムチ の 筋肉 な んだ ぜ と 、 バカな 大 噓 を 流して くれた セドル ……。 おい ダクネス 、 暑い から 団 扇 代わり に その 大 剣 で 扇 い で くれ ! なんなら 当てて も いい けど 。 当たる ん なら な ! …… と 、 バカ 笑い して 私 を からかった ヘインズ 。 そして ……。

一 日 だけ パーティー に 入れて 貰った 時 に 、 何で あんた は モンスター の 群れ に 突っ込んで 行く んだ と 泣き叫んで いた ガリル 。 …… 皆 、 あの デュラハン に 斬ら れた 連中 だ 。 今 思えば 、 ろく で も ない 連中 ながら も 、 私 は 彼ら を 嫌って は い なかった らしい …………」

その ダクネス の 言葉 に 、

「 え 、 えっと ……、 そ 、 そう です か 。 それ じゃ 、 続き は 後 で 聞いて あげます から 、 とりあえず 、 ギルド に 戻りましょう か 」 慌てて 話題 を 切り上げよう と する 、 めぐみ ん の 言葉 を 聞いて か 聞か ず か 。 ダクネス は 目 を 閉じた まま 、 優し げ な 声 で 呟いた 。

「…… あいつ ら に 、 もう 一 度 会える なら ……。 一 度 くらい 、 一緒に 酒 でも 飲み たかった な …………」

「「「 お …… おう ……」」」

目 を 閉じて いる ダクネス の 後ろ から 、 戸惑った 様 な 声 が かけ られた 。

ビクリ と 震える ダクネス の 背後 で 照れて いる 三 人 の 男 達 。

それ は 確かに 、 先ほど ベルディア に 斬ら れた 筈 の 三 人 だった 。

やがて 一 人 の 男 が 申し訳無 さ そうに ……。

「 そ 、 その ……。 わ 、 悪かった な 色々 と 。 お前 さん が 俺 達 に 、 そんな 風 に ……」

「 あ ……、 ああ 。 悪かった よ 、 腕相撲 に 負けた ぐらい で 変な 噂 立て ち まって ……。 こ 、 今度 奢 る から よ ……」

「 剣 が 当たら ない 事 、 実は 気 に して た の か ? その 、 わ 、 悪かった な ……」

次々 と かけられる 三 人 の 言葉 に 、 祈り を 捧げる ポーズ で 目 を 閉じて いた ダクネス は 小さく 震え 出し 、 頰 が みるみる 赤く なる 。 そこ に 弾んだ 声 で 、 空気 を 読ま ず に アクア が 言った 。

「 ダクネス 、 任せて 頂 戴 ! 私 ぐらい に なれば 、 あんな 死に たて ホヤホヤ の 死体 なんて ちょ ちょいと 蘇生 よ ! 良かった ね 、 これ で 一緒に お 酒 が 飲める じゃ ない ! アクア に は 、 悪気 は 無かった のだろう 。

だが ダクネス は その 言葉 に 、 背後 に 男 達 が いる と も 知ら ず に 続けた 自分 の 独白 を 思い出し 、 涙 目 に なった 赤い 顔 を 両手 で 覆って 座り込んだ 。

「 良かった じゃ ない か 、 みんな と また 会えて 。 ほら 、 飲み に 行って こい よ 」

俺 が ほがらかに ダクネス に 声 を かける と 、 ダクネス が 両手 で 顔 を 覆った まま 呟いた 。

「…… 死にたい ……」 俺 は そんな ダクネス に 。 「 お前 、 常日頃 から 責め られ た がって いた だ ろ 。 遠慮 する な よ 、 三 日間 ぐらい この 話 を 続けて やる から 」

「 こ 、 こ 、 この 責 め は 、 私 の 望む タイプ の 羞恥 責 め と は 違う から ……っ! ダクネス が 、 肩 を 震わせ 呟いた 。

エピローグ

ベルディア 討伐 の 翌日 の 事 。

俺 は 今後 の 事 を 考え ながら 、 一 人 、 ギルド へ と 歩いて いた 。

俺 に 課せ られた の は 魔 王 討伐 だ 。

だが そう なる と 、 ベルディア みたいな 強敵 を 、 これ から も 相手 に しなければ なら なく なる 。 魔 王 討伐 を 成し遂げ 、 願い を 一 つ 、 叶えて 貰う か 。

それとも 討伐 は 諦めて 、 この 世界 に 安住 の 地 を 見つける か 。

…… 答え は もちろん 決まって いる 。

最 弱 職 に 就いて いる 俺 が 、 これ から 先 も 、 あんなに 都合 良く 勝てる 訳 が ない 。

これ から は 、 危ない 事 は せ ず に のんびり 暮らそう 。

日本 の 知識 を 生かして 商売 を する のだ 。

安全な 仕事 を し つつ 、 たまに は 刺激 を 求め 、 簡単な クエスト を こなしたり して 。

そんな 今後 の 人生 設計 を 考え ながら 、 俺 は 冒険 者 ギルド の 入り口 に 手 を かけた 。

ドア を 開ける と むせ返る ような 臭い が 鼻 を 突く 。

人 の 熱気 と 酒 の 臭い が 、 俺 が 開けた 入り口 から 外 に 向かって 流れ出して くる 。

魔 王 の 幹部 を 討ち取った 記念 に 、 冒険 者 達 が 昼間 から 宴会 を 開いて いる らしい 。

「 あっ! ちょっと カズマ 、 遅かった じゃ ない の ! もう 既に 、 皆 出来上がって る わ よ ! ギルド に 足 を 踏み入れた 俺 に 、 アクア が 上機嫌で 笑い かけて きた 。

「 ねえ カズマ 、 お 金 受け取って 来 なさい よ ! もう 、 ギルド 内 の 冒険 者 達 の 殆ど は 、 魔 王 の 幹部 討伐 の 報奨 金 貰った わ よ 。 もちろん 私 も ! でも 見て の 通り 、 もう 結構 飲んじゃった んだ けど ね ! 何 が 嬉しい の か 、 報酬 の 入った 袋 を 開けて 俺 に 見せて 、 た は ー 、 と 頭 を ぽり ぽり と かき ながら 、 アクア が 実に 楽し そうに ケラケラ と 笑う 。

こ 、 こいつ も 出来上がって いやがる 。

この 世界 で の 飲酒 に 対する 年齢 制限 は どう なって いる のだろう 。

見れば 、 ギルド 内 の 冒険 者 達 も 、 殆ど が 歩く 事 も 出来 そうに ない 程 に 、 ぐ で ん ぐ で んだ 。

酔っ払い 達 は 放っておき 、 俺 は カウンター へ と 向かう 。

そこ に は 既に 、 ダクネス とめぐ みん の 姿 が あった 。

「 来た か カズマ 。 ほら 、 お前 も 報酬 を 受け取って こい 」

「 待って ました よ カズマ 。 聞いて ください 、 ダクネス が 、 私 に は お 酒 は 早い と 、 ど ケチ な 事 を ……」

「 いや 待て 、 ケチ と は 何 だ 、 そう で は なく ……! 二 人 が ワイワイ やって いる ので 、 俺 は 受付 の お 姉さん の 前 に 立つ 。

…… と 、 見慣れた 受付 の お 姉さん が 、 俺 を 見て なぜ か 微妙な 表情 を 浮かべた 。

「 ああ 、 その ……。 サトウカズマ さん 、 です ね ? お 待ち して おり ました 」

……?

受付 の お 姉さん の 態度 に 、 違和感 を 覚える 。

「 あの ……。 まずは そちら の お 二 方 に 報酬 です 」

お 姉さん は 、 言って 小さな 袋 を ダクネス と めぐみ ん に 手渡した 。

あれ 、 俺 の は ?

疑問 に 思って いる 俺 に 、 お 姉さん が 。

「…… あの ……。 です ね 。 実は 、 カズマ さん の パーティー に は 特別 報酬 が 出て います 」 ……!? 「 え 、 何で 俺 達 だけ が ? 俺 の 疑問 の 言葉 に 、 だれ か の 声 が 答えて くれた 。

「 おいおい MVP ! お前 ら が い なきゃ 、 デュラハン なんて 倒せ なかった んだ から な ! その 声 に 、 そう だ そうだ と 騒ぎ 出す 酔っ払い 達 。

こ 、 こい つら ……。

この 世界 に 来て 苦労 続き だった 事 で 、 不覚に も その 優し さ に ジン と きて しまった 。

俺 が 四 人 を 代表 して 、 特別 報酬 を 受け取る 事 に 。

受付 の お 姉さん が 、 コホン と 一 つ 咳払い し 、 そして ……。

「 えー 。 サトウカズマ さん の パーティー に は 、 魔 王 軍 幹部 ベルディア を 見事 討ち取った 功績 を 称えて ……。 ここ に 、 金三 億 エリス を 与えます 」 「「「「 さっ!?」」」」 俺 達 は 、 思わず 絶句 した 。 それ を 聞いた 冒険 者 達 も 、 シンと 静まり返る 。

そして ……。

「 おいおい 、 三億って なんだ 、 奢 れよ カズマー ! 「 う ひ ょ ー ! カズマ 様 、 奢って 奢って ー ! 冒険 者 達 の 奢 れ コール 。

あっ、 そう だ ! 「 おい ダクネス 、 めぐみ ん ! お前 ら に 一 つ 言って おく 事 が ある ! 俺 は 今後 、 冒険 の 回数 が 減る と 思う ! 大金 が 手 に 入った 以上 、 のんびり と 安全に 暮らして 行きたい から な ! 「 おい 待てっ! 強敵 と 戦え なく なる の は とても 困る ぞっ!? と いう か 、 魔 王 退治 の 話 は どう なった のだ !?」 「 私 も 困ります よ 、 私 は カズマ に 付いて行き 、 魔 王 を 倒して 最強の 魔法使い の 称号 を 得る のです ! 騒ぐ 二 人 の 言葉 を 搔 き 消して 、 どんどん 盛り上がって いく ギルド 内 。

そんな 中 、 申し訳無 さ そうな 表情 を 浮かべる 受付 の お 姉さん が 、 俺 に 一 枚 の 紙 を 手渡した 。

それ は 、 ゼロ が 沢山 並んだ 紙 。

この 世界 の 小切手 ?

と 、 酔っ払った アクア が 上機嫌で 俺 の 隣 に やって 来て 、 俺 の 手元 の 紙 を 横 から 覗き込む 。

「 ええ と 、 です ね 。 今回 、 カズマ さん 一行 の ……、 その 、 アクア さん の 召喚 した 大量の 水 に より 、 街 の 入り口 付近 の 家々 が 一部 流さ れ 、 損壊 し 、 洪水 被害 が 出て おり まして ……。 …… まあ 、 魔 王 軍 幹部 を 倒した 功績 も ある し 、 全額 弁償 と は 言わ ない から 、 一部 だけ でも 払って くれ …… と ……」

受付 の お 姉さん は そう 告げる と 、 そっと 目 を 逸ら して そそくさ と 奥 に 引っ込んで 行く 。

俺 の 手元 の 紙 を 見て 、 まず め ぐみん が 逃げ出した 。

次いで 、 逃げ出そう と する アクア の 襟首 を 素早く 摑 む 。

俺 達 の 雰囲気 で 請求 の 額 を 察した 冒険 者 達 が 、 そっと 目 を 逸ら した 。

請求 を 見て いた ダクネス が 、 俺 の 肩 に ポン と 手 を 置き ……。

「 報酬 三億 。 …… そして 、 弁償 金額 が 三億四千万 か 。 …… カズマ 。 明日 は 、 金 に なる 強敵 相手 の クエスト に 行こう 」

ダクネス は そんな 事 を 言い ながら 、 心底 嬉し そうに 良い 笑顔 で 笑 いやがった 。

…… どう しよう も ない 仲間 と 共に 、 この 理不尽な 世界 で 一生 暮らす ?

………… 俺 は そっと 目 を 閉じる と 、 深く 、 魔 王 討伐 を 決意 した 。

この ろく で も ない 世界 から 、 脱出 する ため に !

〈 了 〉

この 素晴らしい 世界 に 祝福 を! |すばらしい|せかい||しゅくふく| Gesegnet sei diese wunderbare Welt! Bless this wonderful world! Bénissez ce monde merveilleux ! Abençoado seja este mundo maravilhoso! 为这个美好的世界送上祝福! 為這個美好的世界送上祝福! あぁ 、駄女 神さま (23) |だおんな|かみさま

…… こうして 、 何 が 目的 で この 地 に やって 来た の かも 明かす 事 無く 、 魔 王 の 幹部 は こんな 所 で 浄化 さ れた 。 |なん||もくてき|||ち|||きた|||あかす|こと|なく|ま|おう||かんぶ|||しょ||じょうか|| In this way, the demon king's executives were purified in such a place without revealing what was the purpose of coming to this place. ……以这种方式,恶魔王的执行官在这样的地方被净化了,却没有透露为此目的来到这里的原因。

7.

勝利 に 沸く 冒険 者 達 の 声 を 聞き ながら 、 傷 だらけ の ダクネス は 、 片 膝 を つき 、 デュラハン の 体 が 消えた 場所 の 前 で 、 祈り を 捧げる ポーズ で 目 を 閉じて いる 。 しょうり||わく|ぼうけん|もの|さとる||こえ||きき||きず|||||かた|ひざ|||||からだ||きえた|ばしょ||ぜん||いのり||ささげる|ぽーず||め||とじて|

そんな ダクネス に 、 めぐみ ん が 恐る恐る 声 を かけた 。 ||||||おそるおそる|こえ|| Megumi was afraid to speak to Daknes.

「…… ダクネス 、 何 を して る のです か ? |なん||||| ダクネス は 、 目 を 閉じた まま 、 独白 でも する 様 に 答えた 。 ||め||とじた||どくはく|||さま||こたえた

「…… 祈り を 、 捧げて いる 。 いのり||ささげて| デュラハン は 不条理な 処刑 で 首 を 落とさ れた 騎士 が 、 恨み で アンデッド 化 する モンスター だ 。 ||ふじょうりな|しょけい||くび||おとさ||きし||うらみ|||か||| こいつ とて 、 モンスター に なり たくて なった 訳 で は ない だろう 。 |||||||やく|||| I don't think he wanted to be a monster. 這傢伙大概不想變成怪物吧。 自分 で 斬り つけて おいて 何 だ が 、 祈り ぐらい は な ……」 じぶん||きり|||なん|||いのり||| After all you've done to yourself, why not at least say a prayer? ......" 我會自己剪,但這不像祈禱…”

そう です か …… と 呟く めぐみ んに 、 なおも ダクネス は 続ける 。 ||||つぶやく||||||つづける

「…… 腕相撲 勝負 を して 私 に 負けた 腹いせ に 、 私 の 事 を 鎧 の 中 は ガチムチ の 筋肉 な んだ ぜ と 、 バカな 大 噓 を 流して くれた セドル ……。 うでずもう|しょうぶ|||わたくし||まけた|はらいせ||わたくし||こと||よろい||なか||||きんにく|||||ばかな|だい|||ながして|| おい ダクネス 、 暑い から 団 扇 代わり に その 大 剣 で 扇 い で くれ ! ||あつい||だん|おうぎ|かわり|||だい|けん||おうぎ||| なんなら 当てて も いい けど 。 |あてて||| You can guess if you want. 当たる ん なら な ! あたる||| If you're right, that is! …… と 、 バカ 笑い して 私 を からかった ヘインズ 。 |ばか|わらい||わたくし||| そして ……。

一 日 だけ パーティー に 入れて 貰った 時 に 、 何で あんた は モンスター の 群れ に 突っ込んで 行く んだ と 泣き叫んで いた ガリル 。 ひと|ひ||ぱーてぃー||いれて|もらった|じ||なんで|||||むれ||つっこんで|いく|||なきさけんで|| …… 皆 、 あの デュラハン に 斬ら れた 連中 だ 。 みな||||きら||れんちゅう| 今 思えば 、 ろく で も ない 連中 ながら も 、 私 は 彼ら を 嫌って は い なかった らしい …………」 いま|おもえば|||||れんちゅう|||わたくし||かれら||きらって|||| 現在想來,雖然他們是壞人,但我並不討厭他們…”

その ダクネス の 言葉 に 、 |||ことば|

「 え 、 えっと ……、 そ 、 そう です か 。 |えっ と|||| それ じゃ 、 続き は 後 で 聞いて あげます から 、 とりあえず 、 ギルド に 戻りましょう か 」 慌てて 話題 を 切り上げよう と する 、 めぐみ ん の 言葉 を 聞いて か 聞か ず か 。 ||つづき||あと||きいて|あげ ます|||ぎるど||もどり ましょう||あわてて|わだい||きりあげよう||||||ことば||きいて||きか|| ダクネス は 目 を 閉じた まま 、 優し げ な 声 で 呟いた 。 ||め||とじた||やさし|||こえ||つぶやいた

「…… あいつ ら に 、 もう 一 度 会える なら ……。 ||||ひと|たび|あえる| 一 度 くらい 、 一緒に 酒 でも 飲み たかった な …………」 ひと|たび||いっしょに|さけ||のみ||

「「「 お …… おう ……」」」

目 を 閉じて いる ダクネス の 後ろ から 、 戸惑った 様 な 声 が かけ られた 。 め||とじて||||うしろ||とまどった|さま||こえ|||

ビクリ と 震える ダクネス の 背後 で 照れて いる 三 人 の 男 達 。 ||ふるえる|||はいご||てれて||みっ|じん||おとこ|さとる

それ は 確かに 、 先ほど ベルディア に 斬ら れた 筈 の 三 人 だった 。 ||たしかに|さきほど|||きら||はず||みっ|じん|

やがて 一 人 の 男 が 申し訳無 さ そうに ……。 |ひと|じん||おとこ||もうしわけな||そう に 最终,一个男人看起来很抱歉。

「 そ 、 その ……。 わ 、 悪かった な 色々 と 。 |わるかった||いろいろ| お前 さん が 俺 達 に 、 そんな 風 に ……」 おまえ|||おれ|さとる|||かぜ|

「 あ ……、 ああ 。 悪かった よ 、 腕相撲 に 負けた ぐらい で 変な 噂 立て ち まって ……。 わるかった||うでずもう||まけた|||へんな|うわさ|たて|| こ 、 今度 奢 る から よ ……」 |こんど|しゃ|||

「 剣 が 当たら ない 事 、 実は 気 に して た の か ? けん||あたら||こと|じつは|き||||| その 、 わ 、 悪かった な ……」 ||わるかった|

次々 と かけられる 三 人 の 言葉 に 、 祈り を 捧げる ポーズ で 目 を 閉じて いた ダクネス は 小さく 震え 出し 、 頰 が みるみる 赤く なる 。 つぎつぎ||かけ られる|みっ|じん||ことば||いのり||ささげる|ぽーず||め||とじて||||ちいさく|ふるえ|だし||||あかく| そこ に 弾んだ 声 で 、 空気 を 読ま ず に アクア が 言った 。 ||はずんだ|こえ||くうき||よま|||||いった

「 ダクネス 、 任せて 頂 戴 ! |まかせて|いただ|たい 私 ぐらい に なれば 、 あんな 死に たて ホヤホヤ の 死体 なんて ちょ ちょいと 蘇生 よ ! わたくし|||||しに||||したい||||そせい| 良かった ね 、 これ で 一緒に お 酒 が 飲める じゃ ない ! よかった||||いっしょに||さけ||のめる|| アクア に は 、 悪気 は 無かった のだろう 。 |||わるぎ||なかった|

だが ダクネス は その 言葉 に 、 背後 に 男 達 が いる と も 知ら ず に 続けた 自分 の 独白 を 思い出し 、 涙 目 に なった 赤い 顔 を 両手 で 覆って 座り込んだ 。 ||||ことば||はいご||おとこ|さとる|||||しら|||つづけた|じぶん||どくはく||おもいだし|なみだ|め|||あかい|かお||りょうて||おおって|すわりこんだ 但這句話讓達克尼斯想起了自己在不知道男人們就在自己身後的情況下所進行的獨白,他坐下來,用雙手摀住了通紅水汪汪的臉。

「 良かった じゃ ない か 、 みんな と また 会えて 。 よかった|||||||あえて ほら 、 飲み に 行って こい よ 」 |のみ||おこなって||

俺 が ほがらかに ダクネス に 声 を かける と 、 ダクネス が 両手 で 顔 を 覆った まま 呟いた 。 おれ|||||こえ||||||りょうて||かお||おおった||つぶやいた

「…… 死にたい ……」 俺 は そんな ダクネス に 。 しに たい|おれ|||| 「 お前 、 常日頃 から 責め られ た がって いた だ ろ 。 おまえ|つねひごろ||せめ|||||| 遠慮 する な よ 、 三 日間 ぐらい この 話 を 続けて やる から 」 えんりょ||||みっ|にち かん|||はなし||つづけて||

「 こ 、 こ 、 この 責 め は 、 私 の 望む タイプ の 羞恥 責 め と は 違う から ……っ! |||せき|||わたくし||のぞむ|たいぷ||しゅうち|せき||||ちがう|| ダクネス が 、 肩 を 震わせ 呟いた 。 ||かた||ふるわせ|つぶやいた

エピローグ

ベルディア 討伐 の 翌日 の 事 。 |とうばつ||よくじつ||こと

俺 は 今後 の 事 を 考え ながら 、 一 人 、 ギルド へ と 歩いて いた 。 おれ||こんご||こと||かんがえ||ひと|じん|ぎるど|||あるいて|

俺 に 課せ られた の は 魔 王 討伐 だ 。 おれ||かせ||||ま|おう|とうばつ| I was tasked with defeating a demon king.

だが そう なる と 、 ベルディア みたいな 強敵 を 、 これ から も 相手 に しなければ なら なく なる 。 ||||||きょうてき|||||あいて||し なければ||| 魔 王 討伐 を 成し遂げ 、 願い を 一 つ 、 叶えて 貰う か 。 ま|おう|とうばつ||なしとげ|ねがい||ひと||かなえて|もらう|

それとも 討伐 は 諦めて 、 この 世界 に 安住 の 地 を 見つける か 。 |とうばつ||あきらめて||せかい||あんじゅう||ち||みつける|

…… 答え は もちろん 決まって いる 。 こたえ|||きまって|

最 弱 職 に 就いて いる 俺 が 、 これ から 先 も 、 あんなに 都合 良く 勝てる 訳 が ない 。 さい|じゃく|しょく||ついて||おれ||||さき|||つごう|よく|かてる|やく||

これ から は 、 危ない 事 は せ ず に のんびり 暮らそう 。 |||あぶない|こと||||||くらそう

日本 の 知識 を 生かして 商売 を する のだ 。 にっぽん||ちしき||いかして|しょうばい|||

安全な 仕事 を し つつ 、 たまに は 刺激 を 求め 、 簡単な クエスト を こなしたり して 。 あんぜんな|しごと||||||しげき||もとめ|かんたんな||||

そんな 今後 の 人生 設計 を 考え ながら 、 俺 は 冒険 者 ギルド の 入り口 に 手 を かけた 。 |こんご||じんせい|せっけい||かんがえ||おれ||ぼうけん|もの|ぎるど||いりぐち||て||

ドア を 開ける と むせ返る ような 臭い が 鼻 を 突く 。 どあ||あける||むせかえる||くさい||はな||つく

人 の 熱気 と 酒 の 臭い が 、 俺 が 開けた 入り口 から 外 に 向かって 流れ出して くる 。 じん||ねっき||さけ||くさい||おれ||あけた|いりぐち||がい||むかって|ながれだして|

魔 王 の 幹部 を 討ち取った 記念 に 、 冒険 者 達 が 昼間 から 宴会 を 開いて いる らしい 。 ま|おう||かんぶ||うちとった|きねん||ぼうけん|もの|さとる||ひるま||えんかい||あいて||

「 あっ! ちょっと カズマ 、 遅かった じゃ ない の ! ||おそかった||| もう 既に 、 皆 出来上がって る わ よ ! |すでに|みな|できあがって||| ギルド に 足 を 踏み入れた 俺 に 、 アクア が 上機嫌で 笑い かけて きた 。 ぎるど||あし||ふみいれた|おれ||||じょうきげんで|わらい||

「 ねえ カズマ 、 お 金 受け取って 来 なさい よ ! |||きむ|うけとって|らい|| もう 、 ギルド 内 の 冒険 者 達 の 殆ど は 、 魔 王 の 幹部 討伐 の 報奨 金 貰った わ よ 。 |ぎるど|うち||ぼうけん|もの|さとる||ほとんど||ま|おう||かんぶ|とうばつ||ほうしょう|きむ|もらった|| 公會裡的大部分冒險者都已經因為討伐魔王高層而獲得了獎勵。 もちろん 私 も ! |わたくし| でも 見て の 通り 、 もう 結構 飲んじゃった んだ けど ね ! |みて||とおり||けっこう|のんじゃ った||| 但如你所見,我已經喝了不少了! 何 が 嬉しい の か 、 報酬 の 入った 袋 を 開けて 俺 に 見せて 、 た は ー 、 と 頭 を ぽり ぽり と かき ながら 、 アクア が 実に 楽し そうに ケラケラ と 笑う 。 なん||うれしい|||ほうしゅう||はいった|ふくろ||あけて|おれ||みせて|||-||あたま|||||||||じつに|たのし|そう に|||わらう 至於讓我高興的事,阿克婭打開裝著獎勵的袋子給我看,搔著頭笑得好開心。

こ 、 こいつ も 出来上がって いやがる 。 |||できあがって| 对不起,这个也完成了。

この 世界 で の 飲酒 に 対する 年齢 制限 は どう なって いる のだろう 。 |せかい|||いんしゅ||たいする|ねんれい|せいげん|||||

見れば 、 ギルド 内 の 冒険 者 達 も 、 殆ど が 歩く 事 も 出来 そうに ない 程 に 、 ぐ で ん ぐ で んだ 。 みれば|ぎるど|うち||ぼうけん|もの|さとる||ほとんど||あるく|こと||でき|そう に||ほど|||||||

酔っ払い 達 は 放っておき 、 俺 は カウンター へ と 向かう 。 よっぱらい|さとる||ほうっておき|おれ||かうんたー|||むかう

そこ に は 既に 、 ダクネス とめぐ みん の 姿 が あった 。 |||すでに|||||すがた||

「 来た か カズマ 。 きた|| ほら 、 お前 も 報酬 を 受け取って こい 」 |おまえ||ほうしゅう||うけとって|

「 待って ました よ カズマ 。 まって||| 聞いて ください 、 ダクネス が 、 私 に は お 酒 は 早い と 、 ど ケチ な 事 を ……」 きいて||||わたくし||||さけ||はやい|||||こと|

「 いや 待て 、 ケチ と は 何 だ 、 そう で は なく ……! |まて||||なん||||| 二 人 が ワイワイ やって いる ので 、 俺 は 受付 の お 姉さん の 前 に 立つ 。 ふた|じん||||||おれ||うけつけ|||ねえさん||ぜん||たつ

…… と 、 見慣れた 受付 の お 姉さん が 、 俺 を 見て なぜ か 微妙な 表情 を 浮かべた 。 |みなれた|うけつけ|||ねえさん||おれ||みて|||びみょうな|ひょうじょう||うかべた

「 ああ 、 その ……。 サトウカズマ さん 、 です ね ? お 待ち して おり ました 」 |まち|||

……?

受付 の お 姉さん の 態度 に 、 違和感 を 覚える 。 うけつけ|||ねえさん||たいど||いわかん||おぼえる

「 あの ……。 まずは そちら の お 二 方 に 報酬 です 」 ||||ふた|かた||ほうしゅう|

お 姉さん は 、 言って 小さな 袋 を ダクネス と めぐみ ん に 手渡した 。 |ねえさん||いって|ちいさな|ふくろ|||||||てわたした

あれ 、 俺 の は ? |おれ||

疑問 に 思って いる 俺 に 、 お 姉さん が 。 ぎもん||おもって||おれ|||ねえさん|

「…… あの ……。 です ね 。 実は 、 カズマ さん の パーティー に は 特別 報酬 が 出て います 」 ……!? じつは||||ぱーてぃー|||とくべつ|ほうしゅう||でて|い ます 「 え 、 何で 俺 達 だけ が ? |なんで|おれ|さとる|| 俺 の 疑問 の 言葉 に 、 だれ か の 声 が 答えて くれた 。 おれ||ぎもん||ことば|||||こえ||こたえて|

「 おいおい MVP ! |mvp お前 ら が い なきゃ 、 デュラハン なんて 倒せ なかった んだ から な ! おまえ|||||||たおせ|||| その 声 に 、 そう だ そうだ と 騒ぎ 出す 酔っ払い 達 。 |こえ||||そう だ||さわぎ|だす|よっぱらい|さとる

こ 、 こい つら ……。

この 世界 に 来て 苦労 続き だった 事 で 、 不覚に も その 優し さ に ジン と きて しまった 。 |せかい||きて|くろう|つづき||こと||ふかくに|||やさし|||||| 当我来到这个世界并继续奋斗时,我被盲目的仁慈所感动。

俺 が 四 人 を 代表 して 、 特別 報酬 を 受け取る 事 に 。 おれ||よっ|じん||だいひょう||とくべつ|ほうしゅう||うけとる|こと|

受付 の お 姉さん が 、 コホン と 一 つ 咳払い し 、 そして ……。 うけつけ|||ねえさん||||ひと||せきばらい||

「 えー 。 サトウカズマ さん の パーティー に は 、 魔 王 軍 幹部 ベルディア を 見事 討ち取った 功績 を 称えて ……。 |||ぱーてぃー|||ま|おう|ぐん|かんぶ|||みごと|うちとった|こうせき||たたえて ここ に 、 金三 億 エリス を 与えます 」 「「「「 さっ!?」」」」 俺 達 は 、 思わず 絶句 した 。 ||きんぞう|おく|||あたえ ます||おれ|さとる||おもわず|ぜっく| それ を 聞いた 冒険 者 達 も 、 シンと 静まり返る 。 ||きいた|ぼうけん|もの|さとる||しんと|しずまりかえる

そして ……。

「 おいおい 、 三億って なんだ 、 奢 れよ カズマー ! |さんおく って||しゃ|| 「 う ひ ょ ー ! |||- カズマ 様 、 奢って 奢って ー ! |さま|しゃ って|しゃ って|- 冒険 者 達 の 奢 れ コール 。 ぼうけん|もの|さとる||しゃ||こーる

あっ、 そう だ ! 「 おい ダクネス 、 めぐみ ん ! お前 ら に 一 つ 言って おく 事 が ある ! おまえ|||ひと||いって||こと|| 俺 は 今後 、 冒険 の 回数 が 減る と 思う ! おれ||こんご|ぼうけん||かいすう||へる||おもう 大金 が 手 に 入った 以上 、 のんびり と 安全に 暮らして 行きたい から な ! たいきん||て||はいった|いじょう|||あんぜんに|くらして|いき たい|| 「 おい 待てっ! |まて っ 強敵 と 戦え なく なる の は とても 困る ぞっ!? と いう か 、 魔 王 退治 の 話 は どう なった のだ !?」 「 私 も 困ります よ 、 私 は カズマ に 付いて行き 、 魔 王 を 倒して 最強の 魔法使い の 称号 を 得る のです ! きょうてき||たたかえ||||||こまる|ぞ っ||||ま|おう|たいじ||はなし|||||わたくし||こまり ます||わたくし||||ついていき|ま|おう||たおして|さいきょうの|まほうつかい||しょうごう||える| 騒ぐ 二 人 の 言葉 を 搔 き 消して 、 どんどん 盛り上がって いく ギルド 内 。 さわぐ|ふた|じん||ことば||||けして||もりあがって||ぎるど|うち

そんな 中 、 申し訳無 さ そうな 表情 を 浮かべる 受付 の お 姉さん が 、 俺 に 一 枚 の 紙 を 手渡した 。 |なか|もうしわけな||そう な|ひょうじょう||うかべる|うけつけ|||ねえさん||おれ||ひと|まい||かみ||てわたした

それ は 、 ゼロ が 沢山 並んだ 紙 。 ||||たくさん|ならんだ|かみ 这是一张有很多零的纸。

この 世界 の 小切手 ? |せかい||こぎって

と 、 酔っ払った アクア が 上機嫌で 俺 の 隣 に やって 来て 、 俺 の 手元 の 紙 を 横 から 覗き込む 。 |よっぱらった|||じょうきげんで|おれ||となり|||きて|おれ||てもと||かみ||よこ||のぞきこむ

「 ええ と 、 です ね 。 今回 、 カズマ さん 一行 の ……、 その 、 アクア さん の 召喚 した 大量の 水 に より 、 街 の 入り口 付近 の 家々 が 一部 流さ れ 、 損壊 し 、 洪水 被害 が 出て おり まして ……。 こんかい|||いっこう||||||しょうかん||たいりょうの|すい|||がい||いりぐち|ふきん||いえいえ||いちぶ|ながさ||そんかい||こうずい|ひがい||でて|| …… まあ 、 魔 王 軍 幹部 を 倒した 功績 も ある し 、 全額 弁償 と は 言わ ない から 、 一部 だけ でも 払って くれ …… と ……」 |ま|おう|ぐん|かんぶ||たおした|こうせき||||ぜんがく|べんしょう|||いわ|||いちぶ|||はらって||

受付 の お 姉さん は そう 告げる と 、 そっと 目 を 逸ら して そそくさ と 奥 に 引っ込んで 行く 。 うけつけ|||ねえさん|||つげる|||め||はやら||||おく||ひっこんで|いく 前台小姐說完這句話,就悄悄移開了視線,迅速退到了後面。

俺 の 手元 の 紙 を 見て 、 まず め ぐみん が 逃げ出した 。 おれ||てもと||かみ||みて|||||にげだした 惠惠看到我手上的紙,先跑了。

次いで 、 逃げ出そう と する アクア の 襟首 を 素早く 摑 む 。 ついで|にげだそう|||||えりくび||すばやく|| 接下來,他迅速抓住了想要逃跑的阿克婭的頸背。

俺 達 の 雰囲気 で 請求 の 額 を 察した 冒険 者 達 が 、 そっと 目 を 逸ら した 。 おれ|さとる||ふんいき||せいきゅう||がく||さっした|ぼうけん|もの|さとる|||め||はやら| 冒險者們根據我們的氣氛猜出了帳單的金額,然後靜靜地移開了視線。

請求 を 見て いた ダクネス が 、 俺 の 肩 に ポン と 手 を 置き ……。 せいきゅう||みて||||おれ||かた||||て||おき 看著帳單的達克妮絲把手搭在了我的肩膀上…

「 報酬 三億 。 ほうしゅう|さんおく …… そして 、 弁償 金額 が 三億四千万 か 。 |べんしょう|きんがく||さんおくしせんまん| …… カズマ 。 明日 は 、 金 に なる 強敵 相手 の クエスト に 行こう 」 あした||きむ|||きょうてき|あいて||||いこう

ダクネス は そんな 事 を 言い ながら 、 心底 嬉し そうに 良い 笑顔 で 笑 いやがった 。 |||こと||いい||しんそこ|うれし|そう に|よい|えがお||わら|

…… どう しよう も ない 仲間 と 共に 、 この 理不尽な 世界 で 一生 暮らす ? ||||なかま||ともに||りふじんな|せかい||いっしょう|くらす

………… 俺 は そっと 目 を 閉じる と 、 深く 、 魔 王 討伐 を 決意 した 。 おれ|||め||とじる||ふかく|ま|おう|とうばつ||けつい|

この ろく で も ない 世界 から 、 脱出 する ため に ! |||||せかい||だっしゅつ|||

〈 了 〉 さとる