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百物語 - Yōkai​ Stories, 牛を洗ってやれ(座敷わらし)

牛 を 洗って やれ (座敷 わら し)

牛 を 洗って やれ ( 座敷 わら し )

むかし むかし 、 東北 の ある 村 に 、 何 百 年 も 続いて いる 旧家 が あり ました 。 以前 は 何 十 人 も の 使用人 が 働いて い ました が 、 今では 落ちぶれて 、 家族 が 小さな 畑 を 耕す だけ です 。

ある 日 の 事 、 この 家 の おばあ さん が 畑 で 働いて いる 家族 に お 弁当 を 持って行こう と する と 、 十 歳 ぐらい の 子ども が 現れて 、 「 ばば 、 腰 が 曲がって は 、 重い 弁当 を 持って行く の は 大変だろう 。 おら が 、 持って行って やる よ 」 と 、 弁当 を かついで 、 畑 に 走って 行った のです 。 「 はて ? いったい 、 どこ の わら し (→ 子ども ) だ ? 」 おばあ さん が 首 を 傾げて いる と 、 しばらく して 畑 に 行って いた 嫁 が 帰って 来て 言い ました 。 「 ばば さま 。 見た 事 が ない わら しが 弁当 を 持って 来て くれた けど 、 中 は 竹 の 葉っぱ ばかり で 空っぽだった よ 」 と 、 言う のです 。 「 さては 、 あの わら し に 弁当 を 盗 られた な ! 」 おばあ さん は 仕方なく 、 もう 一 度 弁当 を 作って 嫁 に 持た せ ました 。

次の 日 、 嫁 が 牛 を 引いて 歩いて いる と 、 どこ から か 子ども の 声 が 聞こえて き ました 。 「 下 の 川 で 、 牛 を 洗って やれ 」 嫁 は 周り を 見 ました が 、 誰 も いま せ ん 。 「 おかしい わ ね 」 首 を 傾げた 嫁 が 、 そのまま 歩いて 行く と 、 「 はやく 、 牛 を 洗って やれ 」 と 、 また 声 が した のです 。 周り に は やっぱり 誰 も い ない ので 、 嫁 は 再び 首 を 傾げて 歩き 出し ました 。 する と どこ から か 、 あの 時 の 子ども が 出て 来て 、 「 お め え の 家 は 、 その 牛 の おかげ で 何とか 続いて いる んだ 。 たまに は 、 牛 を 洗って やれ 。 そう し ない と 、 家 が つぶれる ぞ 」 と 、 言う のです 。 そこ で 嫁 は あわてて 川 へ おりて いって 、 牛 を 洗って やり ました 。

家 に 帰った 嫁 が その 事 を お ばあさん に 話す と 、 おばあ さん は 思い出した 様 に 言い ました 。 「 それ は きっと 、 座敷 わら し に 違い ねえ 。 昨日 、 わし が 見た わら しも 、 きっと そう だった んだ 」 「 座敷 わら し ? 」 「 ああ 、 座敷 わら し は 家 を 守って くれる 、 とっても いい 神さま だ 。 普段 は 姿 を 見せ ねえ が 、 家 が 潰れ そうに なる と 姿 を 現す んだ そうだ 」 「 それ じゃ 、 この 家 が 潰れる って 事 ? 」 「 いい や 、 お前 が 言わ れた 通り に 牛 を 洗って やった から 、 きっと 大丈夫だ ろ 」

その 夜 、 お ばあさん が 寝て いる と 、 突然 、 ど す ん ! ど す ん ! と 、 部屋 中 が ゆれ 始め ました 。 びっくり した お ばあさん が 、 頭から 布団 を かぶって 震えて いる と 、 「 ばば 、 友だち が 来た から 、 今夜 は 手 枕 で 寝ろ 」 と 、 耳元 で 声 が した のです 。 そこ で おばあ さん は 枕 を はずして 、 布団 の 外 に 放り出し ました 。 そして 布団 の すき間 から そっと 覗いて みる と 、 三 人 の 座敷 わら しが おばあ さん の 枕 を 取り合って 遊んで いた のです 。 「 ああ 、 やっぱり 座敷 わら し だ 。 それ も 、 三 人 も 。 座敷 わら し さま 、 これ から も 家 を 守って くだされ 」 おばあ さん は 座敷 わら し に 、 手 を 合わせて お 祈り を し ました 。

その後 、 家 の 人 たち は 座敷 わら し を とても 大切に した ので 、 家 は 少しずつ 豊かに なった そうです 。

おしまい

牛 を 洗って やれ (座敷 わら し) うし||あらって||ざしき|| Waschen Sie die Kühe (Zashiki Warashi). Wash the cow (Zashiki Warashi) Lavar las vacas (Zashiki Warashi). Laver les vaches (Zashiki Warashi). Lavare le mucche (Zashiki Warashi). 소를 씻겨주라(좌식 짚신) Lavar as vacas (Zashiki Warashi). Мыть коров (дзасики-вараси). İnekleri yıkayın (Zashiki Warashi). 洗牛(座敷童子) 洗牛(zashikiwarashi) 洗牛(座敷原)

牛 を 洗って やれ ( 座敷 わら し ) うし||あらって||ざしき|| Wash the cow (Zashiki-warashi)

むかし むかし 、 東北 の ある 村 に 、 何 百 年 も 続いて いる 旧家 が あり ました 。 ||とうほく|||むら||なん|ひゃく|とし||つづいて||きゅうか||| Once upon a time, in a village in Tohoku, there was an old house that had been around for hundreds of years. 以前 は 何 十 人 も の 使用人 が 働いて い ました が 、 今では 落ちぶれて 、 家族 が 小さな 畑 を 耕す だけ です 。 いぜん||なん|じゅう|じん|||しようにん||はたらいて||||いまでは|おちぶれて|かぞく||ちいさな|はたけ||たがやす|| In the past, dozens of servants worked, but now they are down and their families just cultivate small fields.

ある 日 の 事 、 この 家 の おばあ さん が 畑 で 働いて いる 家族 に お 弁当 を 持って行こう と する と 、 十 歳 ぐらい の 子ども が 現れて 、 「 ばば 、 腰 が 曲がって は 、 重い 弁当 を 持って行く の は 大変だろう 。 |ひ||こと||いえ|||||はたけ||はたらいて||かぞく|||べんとう||もっていこう||||じゅう|さい|||こども||あらわれて||こし||まがって||おもい|べんとう||もっていく|||たいへんだろう One day, when the grandmother of this house tried to bring a lunch box to a family working in the field, a child about 10 years old appeared and said, "Bab, if your waist is bent, a heavy lunch box. It would be hard to bring. おら が 、 持って行って やる よ 」 と 、 弁当 を かついで 、 畑 に 走って 行った のです 。 ||もっていって||||べんとう|||はたけ||はしって|おこなった| I'll take it with me, "he said, and ran to the field with his lunch box. 「 はて ? "Hate? いったい 、 どこ の わら し (→ 子ども ) だ ? |||||こども| Where on earth is the straw (→ child)? 」   おばあ さん が 首 を 傾げて いる と 、 しばらく して 畑 に 行って いた 嫁 が 帰って 来て 言い ました 。 |||くび||かしげて|||||はたけ||おこなって||よめ||かえって|きて|いい| The aunt was tilting her head, and after a while the bride, who had been to the field, came back and said. 「 ばば さま 。 見た 事 が ない わら しが 弁当 を 持って 来て くれた けど 、 中 は 竹 の 葉っぱ ばかり で 空っぽだった よ 」 と 、 言う のです 。 みた|こと|||||べんとう||もって|きて|||なか||たけ||はっぱ|||からっぽだった|||いう| I hadn't seen it before, but I brought a bento box, but the inside was empty with only bamboo leaves. " 「 さては 、 あの わら し に 弁当 を 盗 られた な ! |||||べんとう||ぬす|| "Well then, that straw stole your lunch box, didn't it? 」   おばあ さん は 仕方なく 、 もう 一 度 弁当 を 作って 嫁 に 持た せ ました 。 |||しかたなく||ひと|たび|べんとう||つくって|よめ||もた|| The aunt had no choice but to make another lunch box and give it to her daughter-in-law.

次の 日 、 嫁 が 牛 を 引いて 歩いて いる と 、 どこ から か 子ども の 声 が 聞こえて き ました 。 つぎの|ひ|よめ||うし||ひいて|あるいて||||||こども||こえ||きこえて|| The next day, when the wife was walking with her cow, she heard a child's voice coming from somewhere. 「 下 の 川 で 、 牛 を 洗って やれ 」   嫁 は 周り を 見 ました が 、 誰 も いま せ ん 。 した||かわ||うし||あらって||よめ||まわり||み|||だれ|||| "Wash the cows in the river below." The bride looked around, but no one was there. 「 おかしい わ ね 」   首 を 傾げた 嫁 が 、 そのまま 歩いて 行く と 、 「 はやく 、 牛 を 洗って やれ 」 と 、 また 声 が した のです 。 |||くび||かしげた|よめ|||あるいて|いく|||うし||あらって||||こえ||| "It's funny, isn't it?" When the bride, who leaned her head, walked as it was, she said, "Wash the cows quickly." 周り に は やっぱり 誰 も い ない ので 、 嫁 は 再び 首 を 傾げて 歩き 出し ました 。 まわり||||だれ|||||よめ||ふたたび|くび||かしげて|あるき|だし| After all, there was no one around, so the bride leaned her head again and started walking. する と どこ から か 、 あの 時 の 子ども が 出て 来て 、 「 お め え の 家 は 、 その 牛 の おかげ で 何とか 続いて いる んだ 。 ||||||じ||こども||でて|きて|||||いえ|||うし||||なんとか|つづいて|| Then, from somewhere, the child of that time came out and said, "Your house has managed to continue thanks to the cow. たまに は 、 牛 を 洗って やれ 。 ||うし||あらって| Occasionally wash the cow. そう し ない と 、 家 が つぶれる ぞ 」 と 、 言う のです 。 ||||いえ|||||いう| If you don't, your house will collapse. " そこ で 嫁 は あわてて 川 へ おりて いって 、 牛 を 洗って やり ました 。 ||よめ|||かわ||||うし||あらって|| There, the bride hurriedly went to the river and washed the cows.

家 に 帰った 嫁 が その 事 を お ばあさん に 話す と 、 おばあ さん は 思い出した 様 に 言い ました 。 いえ||かえった|よめ|||こと|||||はなす|||||おもいだした|さま||いい| When the bride, who returned home, told her about it, she said as she remembered. 「 それ は きっと 、 座敷 わら し に 違い ねえ 。 |||ざしき||||ちがい| "It must be Zashiki-warashi, isn't it? 昨日 、 わし が 見た わら しも 、 きっと そう だった んだ 」 「 座敷 わら し ? きのう|||みた|||||||ざしき|| Yesterday, I saw it, but I'm sure it was. "" Zashiki-warashi? 」 「 ああ 、 座敷 わら し は 家 を 守って くれる 、 とっても いい 神さま だ 。 |ざしき||||いえ||まもって||||かみさま| "Ah, Zashikiwarashi is a very good god who protects the house. 普段 は 姿 を 見せ ねえ が 、 家 が 潰れ そうに なる と 姿 を 現す んだ そうだ 」 「 それ じゃ 、 この 家 が 潰れる って 事 ? ふだん||すがた||みせ|||いえ||つぶれ|そう に|||すがた||あらわす||そう だ||||いえ||つぶれる||こと I don't usually show up, but when the house is about to collapse, it appears. "" Then, does this house collapse? 」 「 いい や 、 お前 が 言わ れた 通り に 牛 を 洗って やった から 、 きっと 大丈夫だ ろ 」 ||おまえ||いわ||とおり||うし||あらって||||だいじょうぶだ| "No, I've washed the cows exactly as you said, so I'm sure it's okay."

その 夜 、 お ばあさん が 寝て いる と 、 突然 、 ど す ん ! |よ||||ねて|||とつぜん||| That night, while the old woman was sleeping, a sudden thud! ど す ん ! と 、 部屋 中 が ゆれ 始め ました 。 |へや|なか|||はじめ| And the whole room began to shake. びっくり した お ばあさん が 、 頭から 布団 を かぶって 震えて いる と 、 「 ばば 、 友だち が 来た から 、 今夜 は 手 枕 で 寝ろ 」 と 、 耳元 で 声 が した のです 。 |||||あたまから|ふとん|||ふるえて||||ともだち||きた||こんや||て|まくら||ねろ||みみもと||こえ||| When the surprised grandmother was trembling with a futon on her head, she said in her ear, "Bab, my friend came and sleep on my hand pillow tonight." そこ で おばあ さん は 枕 を はずして 、 布団 の 外 に 放り出し ました 。 |||||まくら|||ふとん||がい||ほうりだし| There, the aunt took off her pillow and threw it out of the futon. そして 布団 の すき間 から そっと 覗いて みる と 、 三 人 の 座敷 わら しが おばあ さん の 枕 を 取り合って 遊んで いた のです 。 |ふとん||すきま|||のぞいて|||みっ|じん||ざしき||||||まくら||とりあって|あそんで|| Then, when I gently looked through the gap in the futon, the three Zashiki-warashi were playing with their grandmother's pillows. 「 ああ 、 やっぱり 座敷 わら し だ 。 ||ざしき||| "Oh, after all it's Zashiki-warashi. それ も 、 三 人 も 。 ||みっ|じん| That too, three people. 座敷 わら し さま 、 これ から も 家 を 守って くだされ 」   おばあ さん は 座敷 わら し に 、 手 を 合わせて お 祈り を し ました 。 ざしき|||||||いえ||まもって|||||ざしき||||て||あわせて||いのり||| Zashikiwarashi-sama, please continue to protect our home." The old woman put her hands together in the zashikiwarashi and prayed.

その後 、 家 の 人 たち は 座敷 わら し を とても 大切に した ので 、 家 は 少しずつ 豊かに なった そうです 。 そのご|いえ||じん|||ざしき|||||たいせつに|||いえ||すこしずつ|ゆたかに||そう です After that, the people in the house took great care of Zashiki-warashi, so the house became richer little by little.

おしまい