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百物語 - Yōkai​ Stories, 百物語(百物語から一年目)

百 物語 (百 物語 から 一 年 目)

百 物語 ( 百 物語 から 一 年 目 )

むかし むかし 、 ある 村 の 寺 に 集まった 若者 たち が 、 百 物語 を 始め ました 。 本堂 に は 百 本 の ろうそく が 立て られ 、 怪談 を 語り 終えた 者 から 順番 に 一 本 ずつ ろうそく の 灯 を 消して いき 、 最後 の 百 話 が 終わる 頃 に は 夜 も ふけて い ました 。 最後 まで 寺 に 残って いた 庄屋 の 息子 と 刀 屋 の 息子 は 、 同じく 最後 の 話 を 語った 小 坊主 の すすめ で 、 そのまま 寺 の 本堂 に 泊まる 事 に し ました 。

三 人 は 仲良く 並んで 横 に なる と 眠り に つき ました が 、 庄屋 の 息子 だけ は 、 どうにも 寝つか れ なくて 、 夜明け が 来る の を ぼんやり と 待って い ました 。 その 庄屋 の 息子 の 目 に 、 ふいに 白い 物 が うつった か と 思う と 、 それ は しだいに 形 を 整えて いき 、 長い 髪 の 女 が 恨めし そうに 立って いる の が はっきり と 見えて き ました 。 女 は まず 小 坊主 の ところ へ 行って 、 白い 息 を 吹き込み ました 。 次に 刀 屋 の 息子 に も 、 同じ 事 を 繰り返し ました 。 ( ああ 、 今度 は おい ら の 番 だ 。 おい ら 、 死ぬ の か な ) 庄屋 の 息子 は 、 ブルブル と 震え ながら 固く 目 を 閉じて いる と 、 コケコッコー ! 外 で 一 番 鳥 が 鳴いて 、 女 の 気配 が 急に なくなり ました 。 庄屋 の 息子 は 目 を 開けて 女 の いない 事 を 確認 する と 、 すぐに 横 の 二 人 を ゆさぶり 起こし ました 。 でも すでに 、 二 人 と も 死んで いた のです 。

命拾い を した 庄屋 の 息子 は 、 氏神 ( うじがみ ) さま へ お 礼 と 厄払い を かねて 、 二十一 日間 の 願 掛け を し ました 。 その 帰り道 に 、 とても 美しい 女 に 出会った 庄屋 の 息子 は 、 不思議な 縁 を 感じて その 女 と 所帯 を 持ち 、 幸せな 一 年 を 夢 の 様 に 過ごし ました 。 そして 何気なく 、 一 年 前 の 恐ろしい 出来事 を 思い出した 庄屋 の 息子 は 、 髪 を とかして いる 女房 の 顔 を 見て 、 はっと し ました 。 ( 今に なって 気づいた が 、 女房 の 顔 は 、 あの 時 の 女 の 顔 に そっくりだ ) でも それ に 気 が 付いた 時 に は 、 庄屋 の 息子 は 死んで いた のです 。

この 日 は ちょうど 、 百 物語 の 夜 から 一 年 目 だった そうです 。

おしまい

百 物語 (百 物語 から 一 年 目) ひゃく|ものがたり|ひゃく|ものがたり||ひと|とし|め Einhundert Geschichten (Ein Jahr nach Einhundert Geschichten). Hyakumonogatari (1st year from Hyakumonogatari ) Cien cuentos (Un año después de Cien cuentos). Cent contes (Un an après Cent contes). Cento racconti (Un anno dopo Cento racconti). 백 이야기(백 이야기 첫해) Honderd verhalen (Een jaar na Honderd verhalen). Cem Contos (Um ano depois de Cem Contos). 百物语(百物语一年后) 一百个故事》(《一百个故事》之后的一年)。

百 物語 ( 百 物語 から 一 年 目 ) ひゃく|ものがたり|ひゃく|ものがたり||ひと|とし|め Hyakumonogatari (1st year from Hyakumonogatari) 백 이야기 (백 이야기에서 첫해)

むかし むかし 、 ある 村 の 寺 に 集まった 若者 たち が 、 百 物語 を 始め ました 。 |||むら||てら||あつまった|わかもの|||ひゃく|ものがたり||はじめ| Once upon a time, young people gathered at a temple in a village and began a hundred stories. 本堂 に は 百 本 の ろうそく が 立て られ 、 怪談 を 語り 終えた 者 から 順番 に 一 本 ずつ ろうそく の 灯 を 消して いき 、 最後 の 百 話 が 終わる 頃 に は 夜 も ふけて い ました 。 ほんどう|||ひゃく|ほん||||たて||かいだん||かたり|おえた|もの||じゅんばん||ひと|ほん||||とう||けして||さいご||ひゃく|はなし||おわる|ころ|||よ|||| Hundreds of candles were erected in the main hall, and the candles were turned off one by one in order from the person who finished telling the ghost story, and by the time the last hundred episodes were over, the night was indulging. 最後 まで 寺 に 残って いた 庄屋 の 息子 と 刀 屋 の 息子 は 、 同じく 最後 の 話 を 語った 小 坊主 の すすめ で 、 そのまま 寺 の 本堂 に 泊まる 事 に し ました 。 さいご||てら||のこって||しょうや||むすこ||かたな|や||むすこ||おなじく|さいご||はなし||かたった|しょう|ぼうず|||||てら||ほんどう||とまる|こと||| The son of Shoya and the son of Katanaya, who remained in the temple until the end, decided to stay at the main hall of the temple as they were, at the recommendation of the little priest who also told the last story.

三 人 は 仲良く 並んで 横 に なる と 眠り に つき ました が 、 庄屋 の 息子 だけ は 、 どうにも 寝つか れ なくて 、 夜明け が 来る の を ぼんやり と 待って い ました 。 みっ|じん||なかよく|ならんで|よこ||||ねむり|||||しょうや||むすこ||||ねつか|||よあけ||くる|||||まって|| The three fell asleep when they lay side by side, but only Shoya's son was unable to fall asleep and was vaguely waiting for the dawn to come. その 庄屋 の 息子 の 目 に 、 ふいに 白い 物 が うつった か と 思う と 、 それ は しだいに 形 を 整えて いき 、 長い 髪 の 女 が 恨めし そうに 立って いる の が はっきり と 見えて き ました 。 |しょうや||むすこ||め|||しろい|ぶつ|||||おもう|||||かた||ととのえて||ながい|かみ||おんな||うらめし|そう に|たって||||||みえて|| When I thought that a white object had suddenly appeared in the eyes of the son of the scholar, it gradually took shape, and I could clearly see a woman with long hair standing in a grudge. .. 女 は まず 小 坊主 の ところ へ 行って 、 白い 息 を 吹き込み ました 。 おんな|||しょう|ぼうず||||おこなって|しろい|いき||ふきこみ| The woman first went to the little boy and breathed white breath into him. 次に 刀 屋 の 息子 に も 、 同じ 事 を 繰り返し ました 。 つぎに|かたな|や||むすこ|||おなじ|こと||くりかえし| ( ああ 、 今度 は おい ら の 番 だ 。 |こんど|||||ばん| (Oh, this time it's my turn. おい ら 、 死ぬ の か な )   庄屋 の 息子 は 、 ブルブル と 震え ながら 固く 目 を 閉じて いる と 、   コケコッコー ! ||しぬ||||しょうや||むすこ||ぶるぶる||ふるえ||かたく|め||とじて||| I wonder if I'm dying.) Shoya's son, trembling and quivering, with his eyes closed tightly, Kokekokko! 外 で 一 番 鳥 が 鳴いて 、 女 の 気配 が 急に なくなり ました 。 がい||ひと|ばん|ちょう||ないて|おんな||けはい||きゅうに|| The birds were singing the loudest outside, and the woman's presence was suddenly gone. 庄屋 の 息子 は 目 を 開けて 女 の いない 事 を 確認 する と 、 すぐに 横 の 二 人 を ゆさぶり 起こし ました 。 しょうや||むすこ||め||あけて|おんな|||こと||かくにん||||よこ||ふた|じん|||おこし| Shoya's son opened his eyes to confirm that there was no woman, and immediately shook the two beside him. でも すでに 、 二 人 と も 死んで いた のです 。 ||ふた|じん|||しんで|| But already, both of them were dead.

命拾い を した 庄屋 の 息子 は 、 氏神 ( うじがみ ) さま へ お 礼 と 厄払い を かねて 、 二十一 日間 の 願 掛け を し ました 。 いのちびろい|||しょうや||むすこ||うじがみ|||||れい||やくはらい|||にじゅういち|にち かん||ねがい|かけ||| Shoya's son, who took his life, made a prayer for 21 days to thank Ujigami-sama and to dispel the evil spirits. その 帰り道 に 、 とても 美しい 女 に 出会った 庄屋 の 息子 は 、 不思議な 縁 を 感じて その 女 と 所帯 を 持ち 、 幸せな 一 年 を 夢 の 様 に 過ごし ました 。 |かえりみち|||うつくしい|おんな||であった|しょうや||むすこ||ふしぎな|えん||かんじて||おんな||しょたい||もち|しあわせな|ひと|とし||ゆめ||さま||すごし| On the way back, Shoya's son, who met a very beautiful woman, felt a strange connection and had a family with the woman, and spent a happy year like a dream. そして 何気なく 、 一 年 前 の 恐ろしい 出来事 を 思い出した 庄屋 の 息子 は 、 髪 を とかして いる 女房 の 顔 を 見て 、 はっと し ました 。 |なにげなく|ひと|とし|ぜん||おそろしい|できごと||おもいだした|しょうや||むすこ||かみ||||にょうぼう||かお||みて||| Then, casually, Shoya's son, who remembered the horrific event of a year ago, was surprised to see the face of his wife who was combing her hair. ( 今に なって 気づいた が 、 女房 の 顔 は 、 あの 時 の 女 の 顔 に そっくりだ )   でも それ に 気 が 付いた 時 に は 、 庄屋 の 息子 は 死んで いた のです 。 いまに||きづいた||にょうぼう||かお|||じ||おんな||かお||||||き||ついた|じ|||しょうや||むすこ||しんで|| (I've noticed now that my wife's face looks exactly like the woman's face at that time.) But by the time I noticed it, Shoya's son was dead.

この 日 は ちょうど 、 百 物語 の 夜 から 一 年 目 だった そうです 。 |ひ|||ひゃく|ものがたり||よ||ひと|とし|め||そう です It seems that this day was just the first year since the night of Hyakumonogatari.

おしまい