×

Nous utilisons des cookies pour rendre LingQ meilleur. En visitant le site vous acceptez nos Politique des cookies.


image

銀河英雄伝説, Ginga Eiyuu Densetsu (Legend of the Galactic Heroes) Episode 104 (1)

Ginga Eiyuu Densetsu (Legend of the Galactic Heroes ) Episode 104 (1)

惑星 ハイネ セン に おい て オーベル シュタイン 元帥 と

3 名 の 上級 大将 の 間 に 深刻 な 対立 が 生じ た こと を

カイザー ・ ラインハルト が 知ら さ れ た の は

4 月 4 日 の こと で ある

フロイライン … で は ない

カイザー リン は この 件 に 関し て どう 思う か

まず 陛下 の お 考え を 承り とう ござい ます わ

オーベル シュタイン に 権限 を 与え た の は 余 だ

余 も 責任 を 免れる わけ に は いく まい

だが まさか あの よう な 手段 に 出る と は な

私的 な 感情 を 満たす ため に

数 百万 の 将兵 の 血 を 流す の か と 問わ れ れ ば

さすが に カイザー ・ ラインハルト も 鼻 白ま ざる を 得 ない

そう し た 命題 を この よう な 形 で 突きつけ て くる と は

誠に オーベル シュタイン は 凡庸 なら ざる 人物 で ある と

ラインハルト も ヒルダ も 再 認識 さ せ られる 思い で あった

「 私的 な 感情 」 か

オ ー ベルシュタイン と ビッテンフェルト の そり が 合わ ぬ こと など

考える まで も なく 余 も 承知 し て いる

しかし 事 が 国 事 で あれ ば

私的 感情 など 排さ れ て しかるべき もの と 思って い た

だが 余 は 誤った よう だ オーベル シュタイン は

いつ いかなる 状況 に おい て も 公人 と し て の 責務 を 優先 さ せる

その あらわれ 方 こそ が 他者 に 憎悪 さ れる もの で あった のに な

「 オーベル シュタイン 元帥 は 劇薬 で あって 」

「 患部 は 治癒 する かわり に 副 作用 が 大きい 」

そう 評し た の は ミッターマイヤー 元帥 で あった か

ロイエンタール 元帥 で あった か

ある 集団 の 中 に 異種 の 思考 法 を 持つ 者 の 存在 は 不可欠 で

帝国 軍 に あって は その 役割 は

オーベル シュタイン 元帥 が 負う ところ でしょ う

でも 例えば ヤン ・ ウェン リー の よう な 人物 が

その 役割 を 果たし て くれ て い たら …

軍務 尚 書 を フェザーン に 召喚 なさい ます か 陛下

うむ それ が いい かも しれ ない

陛下 は 私 を 気遣って くださる の ね

陛下 は ご 自分 で ハイネ セン へい ら し て

事態 を 解決 し たい と お 考え で ござい ま しょ う

カイザー リン に は 隠し事 は でき ない な

確か に あなた の 言う とおり だ

余 に しか 事態 を 解決 でき ない だ ろ う

だが 余 が 出かけ た ところ で 人質 を 取って 開 城 を 迫る と いう

不名誉 は 拭い よう も ない が

開 城 で は なく 交渉 と いう こと なら

よろしい の で は ござい ませ ん か 陛下

交渉 ? ええ

陛下 は 昨年 ヤン ・ ウェン リー と の 間 に

交渉 の 場 を 設けよ う と なさい まし た

それ を 今回 実現 なさったら いかが です か

イゼルローン 共和 政府 と やら の 首脳 たち を

罪人 と し て で は なく 客人 と し て お 迎え あそば せ ば

よろしゅう ござい ま しょ う なるほど

交渉 開始 に 先立って 政治 犯 たち を 釈放 する こと が できる し

交渉 が 不調 に 終わ れ ば 改めて 戦 端 を 開け ば よい か

それにしても 結局 修正 し つつ も

オーベル シュタイン が 敷 い た レール を 通る こと に なる の か

陛下 … カイザー リン

余 は オーベル シュタイン を 好 い た こと は 一 度 も ない の だ

それなのに 顧みる と 最も 多く

あの 男 の 進言 に 従って き た よう な 気 が する

あの 男 は いつも 反論 の 余地 を 与え ぬ ほど 正論 を 主張 する から だ

正論 だけ を 彫り 込 ん だ 永久 凍 土 上 の 石 版

誰 も が 正し さ を 認め ながら 近づく こと を 拒む

それ が オーベル シュタイン 元帥

あの 男 は 余 の 存在 が 王朝 の 利益 と 背 反 する 時 は

余 を 廃 立 する かも しれ ん な

陛下 ! 冗談 だ カイザー リン

あなた の むき に なった 表情 は とても 美しい な

それ は ともかく ハイネ セン の 件 だ が

どうぞ いって らっしゃい まし

陛下 で なく て は 軍務 尚 書 を 抑える こと も

諸 将 の 対立 を 解消 さ せる こと も かない ます まい から

そして 一 日 も 早く お 帰り ください ます よう

すま ない カイザー リン

留守 は ケスラー に 任せよ う

それ と 余 が 不在 の 間

この 館 に は カイザー リン の お 父上 に 泊まって いただく と よい

はい 父 に そう し て もらい ます

お 父上 の 後任 も 早く 定め なく て は な

マリーン ドルフ 伯 は いまだ 50 代 半ば な の に 引退 を 望む

余 も 人生 の 半ば を 過ぎ れ ば そう 望む よう に なる の か な

ヒルダ に は ラインハルト が

老人 に なる と いう こと が 想像 でき なかった

父親 に なる と いう こと も 想像 に かたかった が

それ は 実現 し つつ ある

それでは 大本営 に 行って くる

親 征 の 件 を ミッターマイヤー ら に 諮ら ね ば なら ぬ から な

それにしても ジークフリード ・ キルヒアイス 元帥 が ご 健在 なら

遠征 軍 司令 官 なり 国務 尚 書 なり

どちら か を お 任せ に なら れる のに

オ ー ベルシュタイン と ビッテンフェルト ら の 一 件 は 報道 管制 の 隙間 から

ハイネ セン の 一般 市民 に も 知ら れる ところ と なって い た

奇妙 な こと に なった もの だ こんな 時代 は

偉大 なる ヤン ・ ウェン リー に も 予想 でき なかった だ ろ う な

何 に し て も 帝国 軍 が 内部 対立 を 生じる こと は

イゼルローン に とって は 有利 な 状況 じゃ あり ませ ん か ?

さあ そう うまく いく か な

軍務 尚 書 が 退場 し て くれ れ ば いい が

そう は なら ん だ ろ う し ワー レン 提督 や ミュラー 提督 は

まとも な 人間 だ から 破局 を 防ぐ ため に 尽力 する だ ろ う よ

その 観測 どおり ワー レン と ミュラー は

事態 を 収拾 しよ う と 努力 し て い た

ビッテンフェルト は あれ で 結構 部下 の 信望 が 厚い

シュワルツ ・ ラン ツェン レイター の 軍務 尚 書 に 対する 反感 と 憎悪 は

深まる ばかり だ ろ う 激発 せ ね ば よい が

もし シュワルツ ・ ラン ツェン レイター が 激発 すれ ば

陸 戦 が 専門 で ない と は いえ

軍務 尚 書 の 直属 部隊 と は 数 が 違い ます

力ずく で 司令 官 を 解放 する でしょ う

ですが そう なって は … そう だ

ビッテンフェルト も 部下 たち も 救い よう が なく なる

その ビッテンフェルト の 部下 たち の うち

艦隊 副 司令 官 ハル バーシュ タット 大将

参謀 長 グレーブナー 大将 ら は

軍務 尚 書 と の 面会 を 求め た が 冷 然 と 拒否 さ れ た

軟禁 さ れ た ビッテンフェルト と の 面会 も 同様 で あった

一方 副 参謀 長 の オイゲン 少将 は

ワー レン ミュラー 両 上級 大将 に 協力 を 要請 し た

求め られる まで も なく 協力 する に は やぶさか で ない が

具体 的 に どう する か だ

我ら が 軍務 尚 書 に 面会 を 求め て も 拒絶 さ れる だけ で な 手 も 足 も …

いや 俺 の 場合 は 「 義 手 も 足 も 出 ぬ 」 と いった ところ か

だが くれ ぐれ も 激発 せ ぬ よう に

カイザー や ミッターマイヤー 元帥 に 連絡 し て

善処 を 求め て いる から 卿 ら は 部下 を 統制 し て

早まった 行為 に 出 ぬ よう 全力 を あげ て ほしい

小 官 ら も 全力 を 尽くし ます

ですが 力 の 及ば ぬ 点 は

両 閣下 を 頼ら せ て いただく 以外 ござい ませ ん

何とぞ よし なに

ビッテンフェルト に は 過ぎ た 部下 たち だ な

上官 が 無謀 で も よい 部下 は 育つ と みえる

だが 階級 が 上がる と 司令 官 の 人格 的 影響 を

受け やすく なる もの らしい オイゲン と 入れ替わり に

ハル バーシュ タット と グレーブナー が 訪れ

軍務 尚 書 へ の 怒り の 余波 を 向け て き た の で ある

もし ビッテンフェルト 司令 官 が

不当 な 処罰 を 被る よう な こと が あれ ば

兵士 ども に 甘んじ て それ を 受容 する よう

説得 する こと は 小 官 に は でき ませ ん

その 点 どう か ご 承知 いただき ます よう

言葉 を 慎め ハル バーシュ タット 大将

卿 は 我ら を 脅迫 する つもり か それとも 昨年 に 続 い て

皇帝 陛下 の 将兵 が 相 打つ こと を 望む か

失礼 いたし まし た 我ら 自身 も 自重 いたし ます ので

どう か お 見捨て な きよう

こう し て 提督 たち が 事態 の 解決 に 心 を 砕く 間 に も

帝国 軍 内部 に わだかまる 反感 と 敵視 の 火種 は 加熱 さ れ て いった

この 陰険 な 軍務 尚 書 が !

やれ やれ ざま あみ や がれ って ん だ

ちい と 蹴り が 甘い ん じゃ ない の か

あ ?

貴 様 ら 酒 を 飲 ん で おる な

おう 飲 ん でる さ それ が どう し た

軍務 尚 書 閣下 より 禁酒 令 が 出 て いよ う が

軍務 尚 書 ? フン こいつ の こと か ?

ほれ

何 を する か 拘束 する ぞ

し て み や がれ この …

貴 様 ら 抵抗 する か

こいつ ら 軍務 尚 書 の 手先 だ

や っち まえ ! おお !

偶発 的 に 始まった 一 個 分隊 規模 の 乱闘 が

一 個 連隊 規模 に 膨れ上がる の に 要し た 時間 は

わずか 30 分 ほど

こっち も 仲間 を 集めろ

その 間 に 100 名 を 超える 重 軽傷 者 が 出 た

おい バリケード を 作れ

急げ

早く しろ

おい こっち だ こっち だ おら 持てよ

よし 頑張れ 持ってこい おら

バカ な 市街 戦 に なる ぞ

そう なれ ば 帝国 軍 の 他 の 部隊 どころ か

ハイネ セン 市民 や 共和 主義 者 たち の いい 笑い もの だ

俺 が 現場 に 行って 双方 を 押さえる

卿 は その 間 に 何と して も 軍務 尚 書 に 面会 し て

事態 の 収拾 を 図って くれ 分かり まし た

ん ?

新手 か ?

ワー レン は シュワルツ ・ ラン ツェン レイター と

軍務 尚 書 の 部隊 が にらみ合う 十字 路 の 中央 に

装甲 地上 車 を 止め させ

両 陣営 が 激発 の 気配 を 示す つど

鋭い 眼光 を 左右 に 放って 無言 で それ を 抑えつけ た

ワー レン の 豪 気 が 一触 即発 の 雰囲気 を 圧し て いる 間 に

ミュラー は 軍務 尚 書 に 面会 を 求め

10 分 だけ と いう 条件 つき で ようやく 対面 する こと が でき た

事情 は お 分かり でしょ う 閣下 に は

この 危機 を 回避 する 努力 を お 願い し たい の です が

努力 と は ?

せめて ビッテンフェルト 提督 の 軟 禁 を 解か れる べき でしょ う

シュワルツ ・ ラン ツェン レイター は 司令 官 の 身 を 案じ

平静 を 失って おり ます まず

彼ら を 落ち着か せ て や って いただき たい

私 は 勅命 と 法 に よって 自他 の 行動 を 律する 者 だ

シュワルツ ・ ラン ツェン レイター が 暴発 すれ ば

それ は 帝 権 に 対する 反逆 行為 で ある

それ に 対し て 一 歩 の 妥協 も 譲歩 も する 必然 性 を

持ち合わせ て おら ぬ 誠に ご もっとも で ある が 軍務 尚 書

暴発 を 防 い で 互いに 協力 さ せる こと も

カイザー の 臣 僚 と し て の 義務 で は あり ませ ん か


Ginga Eiyuu Densetsu (Legend of the Galactic Heroes ) Episode 104 (1) ginga|eiyuu|densetsu|legend|||galactic|heroes|episode

惑星 ハイネ セン に おい て オーベル シュタイン 元帥 と わくせい||||||||げんすい| It was on April 4th

3 名 の 上級 大将 の 間 に 深刻 な 対立 が 生じ た こと を な||じょうきゅう|たいしょう||あいだ||しんこく||たいりつ||しょうじ|||

カイザー ・ ラインハルト が 知ら さ れ た の は |||しら||||| between Marshal Oberstein and the three senior admirals on Heinessen.

4 月 4 日 の こと で ある つき|ひ||||

フロイライン … で は ない

カイザー リン は この 件 に 関し て どう 思う か |りん|||けん||かんし|||おもう|

まず 陛下 の お 考え を 承り とう ござい ます わ |へいか|||かんがえ||うけたまわり|||| I'd ask to hear your thoughts first, Your Majesty.

オーベル シュタイン に 権限 を 与え た の は 余 だ |||けんげん||あたえ||||よ| We are the one who gave Oberstein his authority.

余 も 責任 を 免れる わけ に は いく まい よ||せきにん||まぬがれる||||| So, We cannot be exempted from responsibility either.

だが まさか あの よう な 手段 に 出る と は な |||||しゅだん||でる||| Still, We never thought he'd take such a measure.

私的 な 感情 を 満たす ため に してき||かんじょう||みたす|| Even Kaiser Reinhard could not help but feel ashamed

数 百万 の 将兵 の 血 を 流す の か と 問わ れ れ ば すう|ひゃくまん||しょうへい||ち||ながす||||とわ||| when being questioned as to whether he let millions of soldiers and officers

さすが に カイザー ・ ラインハルト も 鼻 白ま ざる を 得 ない |||||はな|しらま|||とく| shed their blood to satisfy his personal feelings.

そう し た 命題 を この よう な 形 で 突きつけ て くる と は |||めいだい|||||かた||つきつけ||||

誠に オーベル シュタイン は 凡庸 なら ざる 人物 で ある と まことに||||ぼんよう|||じんぶつ||| It caused both Reinhard and Hilda to recognize anew

ラインハルト も ヒルダ も 再 認識 さ せ られる 思い で あった ||||さい|にんしき||||おもい|| that Oberstein was no ordinary man.

「 私的 な 感情 」 か してき||かんじょう| Personal feelings, is it?

オ ー ベルシュタイン と ビッテンフェルト の そり が 合わ ぬ こと など ||||||||あわ||| We knew full well that Oberstein and Bittenfeld were unable to cooperate,

考える まで も なく 余 も 承知 し て いる かんがえる||||よ||しょうち||| so much so that it scarcely bore Our consideration.

しかし 事 が 国 事 で あれ ば |こと||くに|こと||| Still, We thought they'd be able to overcome those personal feelings when it came to national affairs.

私的 感情 など 排さ れ て しかるべき もの と 思って い た してき|かんじょう||はいさ||||||おもって||

だが 余 は 誤った よう だ オーベル シュタイン は |よ||あやまった||||| But it seems We were wrong.

いつ いかなる 状況 に おい て も 公人 と し て の 責務 を 優先 さ せる ||じょうきょう|||||こうじん|||||せきむ||ゆうせん||

その あらわれ 方 こそ が 他者 に 憎悪 さ れる もの で あった のに な ||かた|||たしゃ||ぞうお||||||| And that's precisely what earns him the hatred of others.

「 オーベル シュタイン 元帥 は 劇薬 で あって 」 ||げんすい||げきやく|| Marshal Oberstein is too strong a medicine.

「 患部 は 治癒 する かわり に 副 作用 が 大きい 」 かんぶ||ちゆ||||ふく|さよう||おおきい In exchange for healing, he causes a large side effect, as well.

そう 評し た の は ミッターマイヤー 元帥 で あった か |ひょうし|||||げんすい||| Was it Marshal Mittermeyer or Marshal Reuenthal who said that?

ロイエンタール 元帥 で あった か |げんすい|||

ある 集団 の 中 に 異種 の 思考 法 を 持つ 者 の 存在 は 不可欠 で |しゅうだん||なか||いしゅ||しこう|ほう||もつ|もの||そんざい||ふかけつ| People with different outlooks are essential in any group,

帝国 軍 に あって は その 役割 は ていこく|ぐん|||||やくわり| and in the Imperial forces, Marshal Oberstein bears that role.

オーベル シュタイン 元帥 が 負う ところ でしょ う ||げんすい||おう|||

でも 例えば ヤン ・ ウェン リー の よう な 人物 が |たとえば|||||||じんぶつ| But if someone like Yang Wen-li had taken that role...

その 役割 を 果たし て くれ て い たら … |やくわり||はたし|||||

軍務 尚 書 を フェザーン に 召喚 なさい ます か 陛下 ぐんむ|しよう|しょ||||しょうかん||||へいか Shall we recall the minister of military affairs back to Fezzan, Your Majesty?

うむ それ が いい かも しれ ない Yes, that may be good.

陛下 は 私 を 気遣って くださる の ね へいか||わたくし||きづかって||| His Majesty is worried about me.

陛下 は ご 自分 で ハイネ セン へい ら し て へいか|||じぶん||||||| You're thinking of going to Heinessen yourself and resolving the situation, aren't you, Your Majesty?

事態 を 解決 し たい と お 考え で ござい ま しょ う じたい||かいけつ|||||かんがえ|||||

カイザー リン に は 隠し事 は でき ない な |りん|||かくしごと|||| We cannot hide anything from you, Kaiserin.

確か に あなた の 言う とおり だ たしか||||いう|| It's just as you say.

余 に しか 事態 を 解決 でき ない だ ろ う よ|||じたい||かいけつ||||| We are the only one who can resolve this situation, aren't We?

だが 余 が 出かけ た ところ で 人質 を 取って 開 城 を 迫る と いう |よ||でかけ||||ひとじち||とって|ひらき|しろ||せまる|| Still, even if We go, the dishonor of using hostages to urge surrender won't be erased.

不名誉 は 拭い よう も ない が ふめいよ||ぬぐい||||

開 城 で は なく 交渉 と いう こと なら ひらき|しろ||||こうしょう|||| How about seeking negotiations rather than a surrender, Your Majesty?

よろしい の で は ござい ませ ん か 陛下 ||||||||へいか

交渉 ? ええ こうしょう| Negotiations?

陛下 は 昨年 ヤン ・ ウェン リー と の 間 に へいか||さくねん||||||あいだ| Last year, Your Majesty tried to launch negotiations with Yang Wen-li.

交渉 の 場 を 設けよ う と なさい まし た こうしょう||じょう||もうけよ|||||

それ を 今回 実現 なさったら いかが です か ||こんかい|じつげん|||| What about making it a reality this time around?

イゼルローン 共和 政府 と やら の 首脳 たち を |きょうわ|せいふ||||しゅのう|| Would it not be all right to try

罪人 と し て で は なく 客人 と し て お 迎え あそば せ ば ざいにん|||||||きゃくじん|||||むかえ||| greeting the leaders of the Iserlohn Republican Government not as criminals, but as guests?

よろしゅう ござい ま しょ う なるほど

交渉 開始 に 先立って 政治 犯 たち を 釈放 する こと が できる し こうしょう|かいし||さきだって|せいじ|はん|||しゃくほう||||| We can release the political criminals before the start of negotiations,

交渉 が 不調 に 終わ れ ば 改めて 戦 端 を 開け ば よい か こうしょう||ふちょう||しまわ|||あらためて|いくさ|はし||あけ||| and if they're broken off, then we can reopen hostilities.

それにしても 結局 修正 し つつ も |けっきょく|しゅうせい||| Still, ultimately,

オーベル シュタイン が 敷 い た レール を 通る こと に なる の か |||し|||れーる||とおる|||||

陛下 … カイザー リン へいか||りん Your Majesty...

余 は オーベル シュタイン を 好 い た こと は 一 度 も ない の だ よ|||||よしみ|||||ひと|たび||||

それなのに 顧みる と 最も 多く |かえりみる||もっとも|おおく But looking back, We feel as though We've come to follow that man's advice.

あの 男 の 進言 に 従って き た よう な 気 が する |おとこ||しんげん||したがって|||||き||

あの 男 は いつも 反論 の 余地 を 与え ぬ ほど 正論 を 主張 する から だ |おとこ|||はんろん||よち||あたえ|||せいろん||しゅちょう|||

正論 だけ を 彫り 込 ん だ 永久 凍 土 上 の 石 版 せいろん|||ほり|こみ|||えいきゅう|こお|つち|うえ||いし|はん Nothing but sound arguments carved from a slate of permafrost.

誰 も が 正し さ を 認め ながら 近づく こと を 拒む だれ|||ただし|||みとめ||ちかづく|||こばむ Hated by all who draw near even as they can't deny how correct those arguments are:

それ が オーベル シュタイン 元帥 ||||げんすい that's Marshal Oberstein.

あの 男 は 余 の 存在 が 王朝 の 利益 と 背 反 する 時 は |おとこ||よ||そんざい||おうちょう||りえき||せ|はん||じ| If the time comes when that man rebels against the interests of Our dynasty,

余 を 廃 立 する かも しれ ん な よ||はい|た||||| he may be able to abolish it.

陛下 ! 冗談 だ カイザー リン へいか|じょうだん|||りん Your Majesty!

あなた の むき に なった 表情 は とても 美しい な |||||ひょうじょう|||うつくしい| That expression you're making is very beautiful.

それ は ともかく ハイネ セン の 件 だ が ||||||けん||

どうぞ いって らっしゃい まし Please go.

陛下 で なく て は 軍務 尚 書 を 抑える こと も へいか|||||ぐんむ|しよう|しょ||おさえる|| No one but you can get the minister of military affairs under control,

諸 将 の 対立 を 解消 さ せる こと も かない ます まい から しょ|すすむ||たいりつ||かいしょう|||||||| and bring an end to the confrontation between the various commanders.

そして 一 日 も 早く お 帰り ください ます よう |ひと|ひ||はやく||かえり||| And then come home as soon as you can.

すま ない カイザー リン |||りん My apologies, Kaiserin.

留守 は ケスラー に 任せよ う るす||||まかせよ| We shall leave things to Kesler while We are gone.

それ と 余 が 不在 の 間 ||よ||ふざい||あいだ And while We're away, you should have your father stay here.

この 館 に は カイザー リン の お 父上 に 泊まって いただく と よい |かん||||りん|||ちちうえ||とまって|||

はい 父 に そう し て もらい ます |ちち||||||

お 父上 の 後任 も 早く 定め なく て は な |ちちうえ||こうにん||はやく|さだめ|||| He also needs to decide on his successor soon.

マリーン ドルフ 伯 は いまだ 50 代 半ば な の に 引退 を 望む ||はく|||だい|なかば||||いんたい||のぞむ

余 も 人生 の 半ば を 過ぎ れ ば そう 望む よう に なる の か な よ||じんせい||なかば||すぎ||||のぞむ|||||| We wonder if We will wish for that when We've passed the middle of Our life, as well?

ヒルダ に は ラインハルト が Hilda could not imagine Reinhard becoming an old man.

老人 に なる と いう こと が 想像 でき なかった ろうじん|||||||そうぞう||

父親 に なる と いう こと も 想像 に かたかった が ちちおや|||||||そうぞう||| It was also difficult to picture him as a father, but that was in the process of becoming a reality.

それ は 実現 し つつ ある ||じつげん|||

それでは 大本営 に 行って くる |だいほんえい||おこなって| Well then, We'll go to the Imperial Headquarters.

親 征 の 件 を ミッターマイヤー ら に 諮ら ね ば なら ぬ から な おや|すすむ||けん|||||はから|||||| We need to consult with Mittermeyer and the others on the matter of Our expedition.

それにしても ジークフリード ・ キルヒアイス 元帥 が ご 健在 なら |||げんすい|||けんざい| Still, were Marshal Siegfried Kircheis still alive and well,

遠征 軍 司令 官 なり 国務 尚 書 なり えんせい|ぐん|しれい|かん||こくむ|しよう|しょ| he could be the commander of the expeditionary forces, or the minister of state.

どちら か を お 任せ に なら れる のに ||||まかせ||||

オ ー ベルシュタイン と ビッテンフェルト ら の 一 件 は 報道 管制 の 隙間 から |||||||ひと|けん||ほうどう|かんせい||すきま| Thanks to a lapse in information control,

ハイネ セン の 一般 市民 に も 知ら れる ところ と なって い た |||いっぱん|しみん|||しら||||||

奇妙 な こと に なった もの だ こんな 時代 は きみょう||||||||じだい| This sure has turned into something strange.

偉大 なる ヤン ・ ウェン リー に も 予想 でき なかった だ ろ う な いだい|||||||よそう||||||

何 に し て も 帝国 軍 が 内部 対立 を 生じる こと は なん|||||ていこく|ぐん||ないぶ|たいりつ||しょうじる|| Even so, anything that leads to an internal struggle in the Imperial forces

イゼルローン に とって は 有利 な 状況 じゃ あり ませ ん か ? ||||ゆうり||じょうきょう|||||

さあ そう うまく いく か な I wonder if it will work out?

軍務 尚 書 が 退場 し て くれ れ ば いい が ぐんむ|しよう|しょ||たいじょう||||||| If the minister of military affairs took his leave, that would be fine, but it won't happen.

そう は なら ん だ ろ う し ワー レン 提督 や ミュラー 提督 は ||||||||||ていとく|||ていとく|

まとも な 人間 だ から 破局 を 防ぐ ため に 尽力 する だ ろ う よ ||にんげん|||はきょく||ふせぐ|||じんりょく|||||

その 観測 どおり ワー レン と ミュラー は |かんそく|||||| Just as he had observed, Wahlen and Müller put great effort into controlling the situation.

事態 を 収拾 しよ う と 努力 し て い た じたい||しゅうしゅう||||どりょく||||

ビッテンフェルト は あれ で 結構 部下 の 信望 が 厚い ||||けっこう|ぶか||しんぼう||あつい Bittenfeld certainly is popular among his subordinates.

シュワルツ ・ ラン ツェン レイター の 軍務 尚 書 に 対する 反感 と 憎悪 は |らん||||ぐんむ|しよう|しょ||たいする|はんかん||ぞうお| The Schwarz Lanzenreiter's animosity and hatred of the minister of military affairs is only deepening.

深まる ばかり だ ろ う 激発 せ ね ば よい が ふかまる|||||げきはつ|||||

もし シュワルツ ・ ラン ツェン レイター が 激発 すれ ば ||らん||||げきはつ|| If the Schwarz Lanzenreiter do lash out, while land warfare isn't their specialty,

陸 戦 が 専門 で ない と は いえ りく|いくさ||せんもん|||||

軍務 尚 書 の 直属 部隊 と は 数 が 違い ます ぐんむ|しよう|しょ||ちょくぞく|ぶたい|||すう||ちがい| they have a numerical advantage over the forces under the control of the minister of military affairs.

力ずく で 司令 官 を 解放 する でしょ う ちからずく||しれい|かん||かいほう||| They could use force to release their commander, couldn't they?

ですが そう なって は … そう だ But if that were to happen...

ビッテンフェルト も 部下 たち も 救い よう が なく なる ||ぶか|||すくい||||

その ビッテンフェルト の 部下 たち の うち |||ぶか||| From among Bittenfeld's subordinates,

艦隊 副 司令 官 ハル バーシュ タット 大将 かんたい|ふく|しれい|かん|はる|||たいしょう Fleet Vice Commander Admiral Harborschdat and Chief of Staff Admiral Gräbner

参謀 長 グレーブナー 大将 ら は さんぼう|ちょう||たいしょう||

軍務 尚 書 と の 面会 を 求め た が 冷 然 と 拒否 さ れ た ぐんむ|しよう|しょ|||めんかい||もとめ|||ひや|ぜん||きょひ||| requested an audience with the minister of military affairs,

軟禁 さ れ た ビッテンフェルト と の 面会 も 同様 で あった なんきん|||||||めんかい||どうよう||

一方 副 参謀 長 の オイゲン 少将 は いっぽう|ふく|さんぼう|ちょう|||しょうしょう| Meanwhile, Vice Chief of Staff Rear Admiral Eugen

ワー レン ミュラー 両 上級 大将 に 協力 を 要請 し た |||りょう|じょうきゅう|たいしょう||きょうりょく||ようせい|| requested the assistance of Senior Admirals Wahlen and Müller.

求め られる まで も なく 協力 する に は やぶさか で ない が もとめ|||||きょうりょく||||||| You don't need to ask since we're already willing to help,

具体 的 に どう する か だ ぐたい|てき||||| but I wonder how effective that will be?

我ら が 軍務 尚 書 に 面会 を 求め て も 拒絶 さ れる だけ で な 手 も 足 も … われら||ぐんむ|しよう|しょ||めんかい||もとめ|||きょぜつ||||||て||あし|

いや 俺 の 場合 は 「 義 手 も 足 も 出 ぬ 」 と いった ところ か |おれ||ばあい||ただし|て||あし||だ||||| Not even an artificial one, in my case, I suppose.

だが くれ ぐれ も 激発 せ ぬ よう に ||||げきはつ|||| Still, be sure not to allow any outbursts.

カイザー や ミッターマイヤー 元帥 に 連絡 し て |||げんすい||れんらく|| We're contacting the kaiser and Marshal Mittermeyer

善処 を 求め て いる から 卿 ら は 部下 を 統制 し て ぜんしょ||もとめ||||きょう|||ぶか||とうせい|| and asking them to handle the situation, after all.

早まった 行為 に 出 ぬ よう 全力 を あげ て ほしい はやまった|こうい||だ|||ぜんりょく||||

小 官 ら も 全力 を 尽くし ます しょう|かん|||ぜんりょく||つくし| We'll give it our all.

ですが 力 の 及ば ぬ 点 は |ちから||およば||てん| Still, I have no choice but to ask help from both of Your Excellencies when my power will not suffice.

両 閣下 を 頼ら せ て いただく 以外 ござい ませ ん りょう|かっか||たよら||||いがい|||

何とぞ よし なに なにとぞ||

ビッテンフェルト に は 過ぎ た 部下 たち だ な |||すぎ||ぶか|||

上官 が 無謀 で も よい 部下 は 育つ と みえる じょうかん||むぼう||||ぶか||そだつ|| It seems that even a reckless superior can raise good subordinates.

だが 階級 が 上がる と 司令 官 の 人格 的 影響 を |かいきゅう||あがる||しれい|かん||じんかく|てき|えいきょう| However, it seems that as rank rises,

受け やすく なる もの らしい オイゲン と 入れ替わり に うけ|||||||いれかわり|

ハル バーシュ タット と グレーブナー が 訪れ はる||||||おとずれ

軍務 尚 書 へ の 怒り の 余波 を 向け て き た の で ある ぐんむ|しよう|しょ|||いかり||よは||むけ|||||| vented their anger towards the minister of military affairs.

もし ビッテンフェルト 司令 官 が ||しれい|かん| If Commander Bittenfeld is forced to bear unjust punishment,

不当 な 処罰 を 被る よう な こと が あれ ば ふとう||しょばつ||かぶる||||||

兵士 ども に 甘んじ て それ を 受容 する よう へいし|||あまんじ||||じゅよう|| the soldiers won't take that lightly, and we won't be able to restrain them.

説得 する こと は 小 官 に は でき ませ ん せっとく||||しょう|かん|||||

その 点 どう か ご 承知 いただき ます よう |てん||||しょうち||| Please understand that point!

言葉 を 慎め ハル バーシュ タット 大将 ことば||つつしめ|はる|||たいしょう Choose your words carefully, Admiral Harborschdat.

卿 は 我ら を 脅迫 する つもり か それとも 昨年 に 続 い て きょう||われら||きょうはく|||||さくねん||つづ||

皇帝 陛下 の 将兵 が 相 打つ こと を 望む か こうてい|へいか||しょうへい||そう|うつ|||のぞむ| you want His Majesty the kaiser's officers and soldiers to battle each other yet again?!

失礼 いたし まし た 我ら 自身 も 自重 いたし ます ので しつれい||||われら|じしん||じちょう|||

どう か お 見捨て な きよう |||みすて||

こう し て 提督 たち が 事態 の 解決 に 心 を 砕く 間 に も |||ていとく|||じたい||かいけつ||こころ||くだく|あいだ|| In this way, while the admirals were wracking their brains to solve the situation,

帝国 軍 内部 に わだかまる 反感 と 敵視 の 火種 は 加熱 さ れ て いった ていこく|ぐん|ないぶ|||はんかん||てきし||ひだね||かねつ|||| the live coals of revolt remained heated, lurking among the Imperial forces.

この 陰険 な 軍務 尚 書 が ! |いんけん||ぐんむ|しよう|しょ| That damn sneaky minister of military affairs!

やれ やれ ざま あみ や がれ って ん だ All right!

ちい と 蹴り が 甘い ん じゃ ない の か ||けり||あまい||||| Shouldn't you cut that out?

あ ?

貴 様 ら 酒 を 飲 ん で おる な とうと|さま||さけ||いん|||| Have you all been drinking?!

おう 飲 ん でる さ それ が どう し た |いん|||||||| Yeah, we have.

軍務 尚 書 閣下 より 禁酒 令 が 出 て いよ う が ぐんむ|しよう|しょ|かっか||きんしゅ|れい||だ|||| His Excellency, the minister of military affairs, has sent out an order prohibiting it!

軍務 尚 書 ? フン こいつ の こと か ? ぐんむ|しよう|しょ|ふん|||| The minister of military affairs?

ほれ There!

何 を する か 拘束 する ぞ なん||||こうそく|| What are you doing?! I'm taking you in!

し て み や がれ この … Just try it, you!

貴 様 ら 抵抗 する か とうと|さま||ていこう|| Are you resisting us?!

こいつ ら 軍務 尚 書 の 手先 だ ||ぐんむ|しよう|しょ||てさき| They're the minister's underlings!

や っち まえ ! おお ! Get 'em!

偶発 的 に 始まった 一 個 分隊 規模 の 乱闘 が ぐうはつ|てき||はじまった|ひと|こ|ぶんたい|きぼ||らんとう| What started as a random, squad-sized brawl

一 個 連隊 規模 に 膨れ上がる の に 要し た 時間 は ひと|こ|れんたい|きぼ||ふくれあがる|||ようし||じかん|

わずか 30 分 ほど |ぶん|

こっち も 仲間 を 集めろ ||なかま||あつめろ Get the other guys in on this!

その 間 に 100 名 を 超える 重 軽傷 者 が 出 た |あいだ||な||こえる|おも|けいしょう|もの||だ| Over a hundred were injured in the fight.

おい バリケード を 作れ |ばりけーど||つくれ

急げ いそげ Hurry up!

早く しろ はやく| Get a move on!

おい こっち だ こっち だ おら 持てよ ||||||もてよ

よし 頑張れ 持ってこい おら |がんばれ|もってこい| Right, right there!

バカ な 市街 戦 に なる ぞ ばか||しがい|いくさ||| Ridiculous! It's turning into urban warfare!

そう なれ ば 帝国 軍 の 他 の 部隊 どころ か |||ていこく|ぐん||た||ぶたい|| If that happens,

ハイネ セン 市民 や 共和 主義 者 たち の いい 笑い もの だ ||しみん||きょうわ|しゅぎ|もの||||わらい|| but also the citizens of Heinessen and the democratic republicans.

俺 が 現場 に 行って 双方 を 押さえる おれ||げんば||おこなって|そうほう||おさえる I'll go to the scene and hold both sides back.

卿 は その 間 に 何と して も 軍務 尚 書 に 面会 し て きょう|||あいだ||なんと|||ぐんむ|しよう|しょ||めんかい|| In the meantime, get a meeting with the minister of military affairs somehow,

事態 の 収拾 を 図って くれ 分かり まし た じたい||しゅうしゅう||はかって||わかり|| and figure out how we'll get this thing under control.

ん ?

新手 か ? あらて| Reinforcements?

ワー レン は シュワルツ ・ ラン ツェン レイター と ||||らん||| Wahlen stopped an armored transport at the crossroads

軍務 尚 書 の 部隊 が にらみ合う 十字 路 の 中央 に ぐんむ|しよう|しょ||ぶたい||にらみあう|じゅうじ|じ||ちゅうおう| where the Schwarz Lanzenreiter and Oberstein's forces were staring each other down,

装甲 地上 車 を 止め させ そうこう|ちじょう|くるま||とどめ|さ せ

両 陣営 が 激発 の 気配 を 示す つど りょう|じんえい||げきはつ||けはい||しめす| and shot sharp, silent glances left and right

鋭い 眼光 を 左右 に 放って 無言 で それ を 抑えつけ た するどい|がんこう||さゆう||はなって|むごん||||おさえつけ| to hold back any signs of outburst from either side.

ワー レン の 豪 気 が 一触 即発 の 雰囲気 を 圧し て いる 間 に |||たけし|き||いっしょく|そくはつ||ふんいき||あっし|||あいだ| While Wahlen's bravery was holding this critical situation in check,

ミュラー は 軍務 尚 書 に 面会 を 求め ||ぐんむ|しよう|しょ||めんかい||もとめ Müller requested a meeting with the minister of military affairs,

10 分 だけ と いう 条件 つき で ようやく 対面 する こと が でき た ぶん||||じょうけん||||たいめん||||| and was at last granted it, with the condition that it was kept to ten minutes.

事情 は お 分かり でしょ う 閣下 に は じじょう|||わかり|||かっか|| You understand the situation, right?

この 危機 を 回避 する 努力 を お 願い し たい の です が |きき||かいひ||どりょく|||ねがい|||||

努力 と は ? どりょく|| "Do your best", you say?

せめて ビッテンフェルト 提督 の 軟 禁 を 解か れる べき でしょ う ||ていとく||なん|きん||とか|||| You should at least end Admiral Bittenfeld's confinement.

シュワルツ ・ ラン ツェン レイター は 司令 官 の 身 を 案じ |らん||||しれい|かん||み||あんじ The Schwarz Lanzenreiter are concerned for the safety of their commander,

平静 を 失って おり ます まず へいせい||うしなって||| and have lost their calm.

彼ら を 落ち着か せ て や って いただき たい かれら||おちつか|||||| I'd like to first put them at ease.

私 は 勅命 と 法 に よって 自他 の 行動 を 律する 者 だ わたくし||ちょくいのち||ほう|||じた||こうどう||りっする|もの| I judge the actions of myself and others based on Imperial law.

シュワルツ ・ ラン ツェン レイター が 暴発 すれ ば |らん||||ぼうはつ|| If the Schwarz Lanzenreiter lash out,

それ は 帝 権 に 対する 反逆 行為 で ある ||みかど|けん||たいする|はんぎゃく|こうい|| that would be an act of treason against the kaiser.

それ に 対し て 一 歩 の 妥協 も 譲歩 も する 必然 性 を ||たいし||ひと|ふ||だきょう||じょうほ|||ひつぜん|せい| I feel no need to give in or compromise.

持ち合わせ て おら ぬ 誠に ご もっとも で ある が 軍務 尚 書 もちあわせ||||まことに||||||ぐんむ|しよう|しょ

暴発 を 防 い で 互いに 協力 さ せる こと も ぼうはつ||ふせ|||たがいに|きょうりょく|||| However, is it not our duty as the retainers of the kaiser

カイザー の 臣 僚 と し て の 義務 で は あり ませ ん か ||しん|りょう|||||ぎむ|||||| to work together in order to prevent such incidents?