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世界の昔話, クマ退治の勇者

クマ 退治 の 勇者

クマ 退治 の 勇者

むかし むかし 、 ある 森 の 近く に 、 おくびょうな お 百姓 ( ひゃくしょう ) が 住んで い ました 。 ある 日 、 お 百姓 と おかみ さん が 、 いつも の 様 に 畑 を 耕して いる と 、 森 の 奥 で ガサゴソ と 音 が し ました 。 「 はて 、 何 だろう ? 」 お 百姓 は 、 音 の する 方 を 見て ビックリ 。 なんと 大きな クマ が 、 のっ そり のっ そり と 出て 来た のです 。 「 た 、 助けて くれ え ! 」 弱虫 の お 百姓 は 、 その 場 に おかみ さん を 置き っぱなし に して 、 あわてて 逃げ 出し ました 。 おかみ さん も 声 が 出 ない ほど ビックリ し ました が 、 でも 、 おかみ さん は お 百姓 ほど 弱虫 で は あり ませ ん 。 「 ようし ! 」 おかみ さん は 、 お 百姓 が 置いて いった オノ を 振り 上げる と 、 クマ に 向かって 行き ました 。 そして おかみ さん は 、 たった 一 人 で クマ と 闘い 、 とうとう クマ を やっつけた のです 。 おかみ さん が 倒した クマ を 引きずって 家 まで 帰る と 、 弱虫 の お 百姓 は ビックリ して 言い ました 。 「 わ あ 。 女房 の お化け だ ! 自分 だけ 逃げて 悪かった ! 謝る から 助けて くれ ー ! 」 お 百姓 は 家 の 戸 を しっかり 閉めて 、 おかみ さん を 中 へ 入れよう と し ませ ん 。 おかみ さん が クマ に 殺さ れて 、 化けて 来た と 思って いる のです 。 「 しっかり し なさい よ 。 わたし です よ 。 お化け じゃ あり ませ ん よ 」 おかみ さん が 何度 も 言った ので 、 やっと 弱虫 の お 百姓 は おかみ さん と 死んだ クマ を 家 の 中 へ 入れて やり ました 。 「 感心 、 感心 。 よく お前 一 人 で 殺せた もの だ 。 だが 、 もし 人 に 聞か れたら 、 この クマ は わし が 殺した と 言う んだ ぞ 」 と 、 お 百姓 が 言い ました 。 「 あら 、 どうして です か ? 」 「 よく 考えて みろ 。 男 で さえ も 殺せ ない クマ を 、 何で 女 の お前 が 殺せる と 思う 。 みんな お前 が うそ を ついて いる と 思う ぞ 。 だから クマ 退治 を した の は 、 わし だ と いう 事 に して おけ 」 お 百姓 は おかみ さん に そう 言う と 、 さっそく お 城 へ 行って 、 「 クマ を 殺し ました 」 と 、 殿さま に 言い ました 。 殿さま が 調べて みる と 、 確かに クマ が 殺さ れて い ます 。 「 なるほど 。 お前 は クマ 退治 の 勇士 ( ゆうし ) だ 。 家来 に して やろう 」 殿さま は お 百姓 を 家来 に して 、 たくさんの ご ほうび を あげ ました 。 クマ 退治 の お 百姓 は 、 どこ へ 行って も 評判 です 。 「 えっ へん ! おっ ほん ! 」 お 百姓 は 毎日 、 大 いばり で歩き 回り ました 。

ところが ある 日 、 困った 事 が 起こり ました 。 お 城 の 井戸 ( いど ) の 中 に コブラ と いう 毒 ( どく ) ヘビ が いる ので 、 それ を 退治 する 様 に と 殿さま に 命令 さ れた のです 。 「 わ あ 、 困った な 。 どう しよう ? 」 お 百姓 は 恐ろしくて 、 ブルブル と 震え 出し ました 。 何しろ 、 コブラ の 毒 は とても 強くて 、 かま れたら すぐ に 死んで しまう のです 。 でも 、 いつも いばって いる ので 、 コブラ 退治 は 出来 ない と は 言え ませ ん 。 お 百姓 は 仕方なし に 、 長い ロープ を 井戸 の 中 に たらして 井戸 の 中 へ と 降りて 行き ました 。 でも 、 井戸 の 中 は 薄暗くて 、 どこ に コブラ が いる の か わかり ませ ん 。 「 ああ 、 怖い 、 怖い 。 やっぱり 、 コブラ は 退治 出来 ませ ん と 謝ろう 」 弱虫 の お 百姓 は 早く 逃げ 出そう と 、 ロープ を 夢中で 引っ張り ました 。 しかし ロープ だ と 思って にぎった の は 、 ロープ で は なく コブラ だった のです 。 「 ひ ゃあ 。 コ 、 コ 、 コブラ だ あ ! 」 お 百姓 は コブラ を ギュッと にぎった まま 、 手 を ブンブン と 振り 回し ました 。 すると お 百姓 が つかんだ の は 、 ちょうど コブラ の 首 だった ので 、 コブラ は 息 が 出来 なくて 死んで しまった のです 。 「・・・ おや ? おおっ ! ばん ざ ー い ! コブラ を やっつけた ぞ 。 ロープ を 引き上げろ 。 早く 引き上げろ ! 」 お 百姓 は 、 大声 で 叫び ました 。 弱虫 の お 百姓 は 毒 ヘビ の コブラ を 殺した ので 、 また 殿さま に ほめ られ ました 。 「 お前 ほど いさましくて 強い 者 は い ない 。 お前 が いて くれたら 、 隣 の 国 の 兵隊 が 何 百 人 攻めて 来たって 平気じゃ 」 「 さ ようで ございます と も 。 敵 兵 の 二千 や 三千 、 ただ の ひと ひねり で ございます わい 。 ワハハハハハ 」 お 百姓 が 得意に なって 殿さま と 話して いる と 、 家来 たち が あわてて やって 来 ました 。 「 大変で ございます 。 隣 の 国 の 兵隊 が 、 この 町 の 近く まで 攻めて 来 ました ! 」 「 な に 、 それ は 本当 か 。 よし 、 クマ と コブラ を 退治 した 勇士 よ 。 お前 が 行って 、 敵 兵 ども を ひねり つぶして こい ! 」 「 え ? あの 、 わたし 一 人 で です か ? 」 「 そう だ 、 さっき 敵 兵 の 二千 や 三千 、 ただ の ひと ひねり と 言った であろう 。 期待 して おる ぞ ! 」 「・・・・・・」 お 百姓 は 、 まっ 青 に なり ました 。 でも 殿さま の 言いつけ な ので 、 仕方なし に 出かけ ました 。 「 たった 一 人 だ なんて 、 どう したら いい のだろう 。 ・・・ そうだ 。 まずは 敵 の 様子 を さぐって こよう 」 お 百姓 は 夜 に なる と 、 コッソリ と 敵 軍 の そば まで 忍んで 行き ました 。 . 見る と 敵 兵 が 大勢 いる そば に 、 大きな 木 が あり ました 。 お 百姓 は 敵 兵 に 見つから ない 様 に 、 その 木 の 上 に 登り ました 。 そして そっと 耳 を すまして いる と 、 敵 兵 たち は こんな 事 を 話して い ます 。 「 この 国 の 兵隊 で 怖い の は 、 あの クマ と コブラ を 退治 した 男 だけ だ 。 あいつ さえ やっつけて しまえば 、 こっち の 勝ち だ 」 「 よし 、 まずは あの クマ 退治 の 勇士 を やっつけよう 」 弱虫 の お 百姓 は 聞き ながら 、 怖くて 怖くて ガタガタ と 震え 出し ました 。 ところが 、 あんまり 震えて いる ので 、 つかまって いた 枝 が 折れて しまい ました 。 ドシーン ! お 百姓 は 真っ 逆さまに 、 敵 兵 の いる 真ん中 へ 転がり 落ちて しまい ました 。 「 敵 だ ! 敵 が 一 人 で 攻めて 来た ぞ ! 」 こう なれば 、 やけくそです 。 お 百姓 は すぐ に 立ち あがる と 、 持って いた 刀 を 振り 上げ 、 「 こら あ ! 者 ども よく 聞け ! わし が クマ と コブラ を 退治 した 勇士 だ ぞ ! わし は 空 から 飛び降りる 事 も 出来る し 、 舞い上がる 事 も 出来る 。 さあ どう だ 。 わし と 闘う 者 は 、 出て 来い ! 」 と 、 大声 で 叫び ました 。 敵 兵 たち は 、 ビックリ 。 空 から 突然 、 評判 の クマ 退治 の 勇士 が 飛び降りて 来た ので 、 もう 怖くて なり ませ ん 。 「 それ っ 。 逃げろ 、 逃げろ ! 」 と 、 あわてて 逃げ 出し ました 。 こうして クマ と コブラ を 退治 した お 百姓 は 、 大勢 の 敵 兵 を 一 人 で 追い返した ので 、 殿さま から たいそう ほめ られ ました 。 そして 国 中 の 人 から 、 強い 勇士 と ほめ られた のです 。

おしまい


クマ 退治 の 勇者 くま|たいじ||ゆうしゃ Brave bear exterminator

クマ 退治 の 勇者 くま|たいじ||ゆうしゃ

むかし むかし 、 ある 森 の 近く に 、 おくびょうな お 百姓 ( ひゃくしょう ) が 住んで い ました 。 |||しげる||ちかく||||ひゃくしょう|||すんで|| ある 日 、 お 百姓 と おかみ さん が 、 いつも の 様 に 畑 を 耕して いる と 、 森 の 奥 で ガサゴソ と 音 が し ました 。 |ひ||ひゃくしょう|||||||さま||はたけ||たがやして|||しげる||おく||||おと||| 「 はて 、 何 だろう ? |なん| 」   お 百姓 は 、 音 の する 方 を 見て ビックリ 。 |ひゃくしょう||おと|||かた||みて|びっくり なんと 大きな クマ が 、 のっ そり のっ そり と 出て 来た のです 。 |おおきな|くま|||||||でて|きた|の です 「 た 、 助けて くれ え ! |たすけて|| 」   弱虫 の お 百姓 は 、 その 場 に おかみ さん を 置き っぱなし に して 、 あわてて 逃げ 出し ました 。 よわむし|||ひゃくしょう|||じょう|||||おき|||||にげ|だし| おかみ さん も 声 が 出 ない ほど ビックリ し ました が 、 でも 、 おかみ さん は お 百姓 ほど 弱虫 で は あり ませ ん 。 |||こえ||だ|||びっくり|||||||||ひゃくしょう||よわむし||||| 「 ようし ! 」   おかみ さん は 、 お 百姓 が 置いて いった オノ を 振り 上げる と 、 クマ に 向かって 行き ました 。 ||||ひゃくしょう||おいて||おの||ふり|あげる||くま||むかって|いき| そして おかみ さん は 、 たった 一 人 で クマ と 闘い 、 とうとう クマ を やっつけた のです 。 |||||ひと|じん||くま||たたかい||くま|||の です おかみ さん が 倒した クマ を 引きずって 家 まで 帰る と 、 弱虫 の お 百姓 は ビックリ して 言い ました 。 |||たおした|くま||ひきずって|いえ||かえる||よわむし|||ひゃくしょう||びっくり||いい| 「 わ あ 。 女房 の お化け だ ! にょうぼう||おばけ| 自分 だけ 逃げて 悪かった ! じぶん||にげて|わるかった 謝る から 助けて くれ ー ! あやまる||たすけて||- 」   お 百姓 は 家 の 戸 を しっかり 閉めて 、 おかみ さん を 中 へ 入れよう と し ませ ん 。 |ひゃくしょう||いえ||と|||しめて||||なか||いれよう|||| おかみ さん が クマ に 殺さ れて 、 化けて 来た と 思って いる のです 。 |||くま||ころさ||ばけて|きた||おもって||の です 「 しっかり し なさい よ 。 わたし です よ 。 お化け じゃ あり ませ ん よ 」   おかみ さん が 何度 も 言った ので 、 やっと 弱虫 の お 百姓 は おかみ さん と 死んだ クマ を 家 の 中 へ 入れて やり ました 。 おばけ|||||||||なんど||いった|||よわむし|||ひゃくしょう|||||しんだ|くま||いえ||なか||いれて|| 「 感心 、 感心 。 かんしん|かんしん よく お前 一 人 で 殺せた もの だ 。 |おまえ|ひと|じん||ころせた|| だが 、 もし 人 に 聞か れたら 、 この クマ は わし が 殺した と 言う んだ ぞ 」 と 、 お 百姓 が 言い ました 。 ||じん||きか|||くま||||ころした||いう|||||ひゃくしょう||いい| 「 あら 、 どうして です か ? 」 「 よく 考えて みろ 。 |かんがえて| 男 で さえ も 殺せ ない クマ を 、 何で 女 の お前 が 殺せる と 思う 。 おとこ||||ころせ||くま||なんで|おんな||おまえ||ころせる||おもう みんな お前 が うそ を ついて いる と 思う ぞ 。 |おまえ|||||||おもう| だから クマ 退治 を した の は 、 わし だ と いう 事 に して おけ 」   お 百姓 は おかみ さん に そう 言う と 、 さっそく お 城 へ 行って 、 「 クマ を 殺し ました 」 と 、 殿さま に 言い ました 。 |くま|たいじ|||||||||こと|||||ひゃくしょう||||||いう||||しろ||おこなって|くま||ころし|||とのさま||いい| 殿さま が 調べて みる と 、 確かに クマ が 殺さ れて い ます 。 とのさま||しらべて|||たしかに|くま||ころさ||| 「 なるほど 。 お前 は クマ 退治 の 勇士 ( ゆうし ) だ 。 おまえ||くま|たいじ||ゆうし|| 家来 に して やろう 」   殿さま は お 百姓 を 家来 に して 、 たくさんの ご ほうび を あげ ました 。 けらい||||とのさま|||ひゃくしょう||けらい|||||||| クマ 退治 の お 百姓 は 、 どこ へ 行って も 評判 です 。 くま|たいじ|||ひゃくしょう||||おこなって||ひょうばん| 「 えっ へん ! おっ ほん ! 」   お 百姓 は 毎日 、 大 いばり で歩き 回り ました 。 |ひゃくしょう||まいにち|だい||であるき|まわり|

ところが ある 日 、 困った 事 が 起こり ました 。 ||ひ|こまった|こと||おこり| お 城 の 井戸 ( いど ) の 中 に コブラ と いう 毒 ( どく ) ヘビ が いる ので 、 それ を 退治 する 様 に と 殿さま に 命令 さ れた のです 。 |しろ||いど|||なか||こぶら|||どく||へび||||||たいじ||さま|||とのさま||めいれい|||の です 「 わ あ 、 困った な 。 ||こまった| どう しよう ? 」   お 百姓 は 恐ろしくて 、 ブルブル と 震え 出し ました 。 |ひゃくしょう||おそろしくて|ぶるぶる||ふるえ|だし| 何しろ 、 コブラ の 毒 は とても 強くて 、 かま れたら すぐ に 死んで しまう のです 。 なにしろ|こぶら||どく|||つよくて|||||しんで||の です でも 、 いつも いばって いる ので 、 コブラ 退治 は 出来 ない と は 言え ませ ん 。 |||||こぶら|たいじ||でき||||いえ|| お 百姓 は 仕方なし に 、 長い ロープ を 井戸 の 中 に たらして 井戸 の 中 へ と 降りて 行き ました 。 |ひゃくしょう||しかた なし||ながい|ろーぷ||いど||なか|||いど||なか|||おりて|いき| でも 、 井戸 の 中 は 薄暗くて 、 どこ に コブラ が いる の か わかり ませ ん 。 |いど||なか||うすぐらくて|||こぶら||||||| 「 ああ 、 怖い 、 怖い 。 |こわい|こわい やっぱり 、 コブラ は 退治 出来 ませ ん と 謝ろう 」   弱虫 の お 百姓 は 早く 逃げ 出そう と 、 ロープ を 夢中で 引っ張り ました 。 |こぶら||たいじ|でき||||あやまろう|よわむし|||ひゃくしょう||はやく|にげ|だそう||ろーぷ||むちゅうで|ひっぱり| しかし ロープ だ と 思って にぎった の は 、 ロープ で は なく コブラ だった のです 。 |ろーぷ|||おもって||||ろーぷ||||こぶら||の です 「 ひ ゃあ 。 コ 、 コ 、 コブラ だ あ ! ||こぶら|| 」   お 百姓 は コブラ を ギュッと にぎった まま 、 手 を ブンブン と 振り 回し ました 。 |ひゃくしょう||こぶら||ぎゅっと|||て||||ふり|まわし| すると お 百姓 が つかんだ の は 、 ちょうど コブラ の 首 だった ので 、 コブラ は 息 が 出来 なくて 死んで しまった のです 。 ||ひゃくしょう||||||こぶら||くび|||こぶら||いき||でき||しんで||の です 「・・・ おや ? おおっ ! ばん ざ ー い ! ||-| コブラ を やっつけた ぞ 。 こぶら||| ロープ を 引き上げろ 。 ろーぷ||ひきあげろ 早く 引き上げろ ! はやく|ひきあげろ 」   お 百姓 は 、 大声 で 叫び ました 。 |ひゃくしょう||おおごえ||さけび| 弱虫 の お 百姓 は 毒 ヘビ の コブラ を 殺した ので 、 また 殿さま に ほめ られ ました 。 よわむし|||ひゃくしょう||どく|へび||こぶら||ころした|||とのさま|||| 「 お前 ほど いさましくて 強い 者 は い ない 。 おまえ|||つよい|もの||| お前 が いて くれたら 、 隣 の 国 の 兵隊 が 何 百 人 攻めて 来たって 平気じゃ 」 「 さ ようで ございます と も 。 おまえ||||となり||くに||へいたい||なん|ひゃく|じん|せめて|らい たって|へいきじゃ||||| 敵 兵 の 二千 や 三千 、 ただ の ひと ひねり で ございます わい 。 てき|つわもの||にせん||さんせん|||||||わ い ワハハハハハ 」   お 百姓 が 得意に なって 殿さま と 話して いる と 、 家来 たち が あわてて やって 来 ました 。 ||ひゃくしょう||とくいに||とのさま||はなして|||けらい|||||らい| 「 大変で ございます 。 たいへんで| 隣 の 国 の 兵隊 が 、 この 町 の 近く まで 攻めて 来 ました ! となり||くに||へいたい|||まち||ちかく||せめて|らい| 」 「 な に 、 それ は 本当 か 。 ||||ほんとう| よし 、 クマ と コブラ を 退治 した 勇士 よ 。 |くま||こぶら||たいじ||ゆうし| お前 が 行って 、 敵 兵 ども を ひねり つぶして こい ! おまえ||おこなって|てき|つわもの||||| 」 「 え ? あの 、 わたし 一 人 で です か ? ||ひと|じん||| 」 「 そう だ 、 さっき 敵 兵 の 二千 や 三千 、 ただ の ひと ひねり と 言った であろう 。 |||てき|つわもの||にせん||さんせん||||||いった| 期待 して おる ぞ ! きたい||| 」 「・・・・・・」   お 百姓 は 、 まっ 青 に なり ました 。 |ひゃくしょう|||あお||| でも 殿さま の 言いつけ な ので 、 仕方なし に 出かけ ました 。 |とのさま||いいつけ|||しかた なし||でかけ| 「 たった 一 人 だ なんて 、 どう したら いい のだろう 。 |ひと|じん|||||| ・・・ そうだ 。 そう だ まずは 敵 の 様子 を さぐって こよう 」   お 百姓 は 夜 に なる と 、 コッソリ と 敵 軍 の そば まで 忍んで 行き ました 。 |てき||ようす|||||ひゃくしょう||よ||||こっそり||てき|ぐん||||しのんで|いき| .   見る と 敵 兵 が 大勢 いる そば に 、 大きな 木 が あり ました 。 みる||てき|つわもの||おおぜい||||おおきな|き||| お 百姓 は 敵 兵 に 見つから ない 様 に 、 その 木 の 上 に 登り ました 。 |ひゃくしょう||てき|つわもの||みつから||さま|||き||うえ||のぼり| そして そっと 耳 を すまして いる と 、 敵 兵 たち は こんな 事 を 話して い ます 。 ||みみ|||||てき|つわもの||||こと||はなして|| 「 この 国 の 兵隊 で 怖い の は 、 あの クマ と コブラ を 退治 した 男 だけ だ 。 |くに||へいたい||こわい||||くま||こぶら||たいじ||おとこ|| あいつ さえ やっつけて しまえば 、 こっち の 勝ち だ 」 「 よし 、 まずは あの クマ 退治 の 勇士 を やっつけよう 」   弱虫 の お 百姓 は 聞き ながら 、 怖くて 怖くて ガタガタ と 震え 出し ました 。 ||||||かち|||||くま|たいじ||ゆうし|||よわむし|||ひゃくしょう||きき||こわくて|こわくて|がたがた||ふるえ|だし| ところが 、 あんまり 震えて いる ので 、 つかまって いた 枝 が 折れて しまい ました 。 ||ふるえて|||||えだ||おれて|| ドシーン ! お 百姓 は 真っ 逆さまに 、 敵 兵 の いる 真ん中 へ 転がり 落ちて しまい ました 。 |ひゃくしょう||まっ|さかさまに|てき|つわもの|||まんなか||ころがり|おちて|| 「 敵 だ ! てき| 敵 が 一 人 で 攻めて 来た ぞ ! てき||ひと|じん||せめて|きた| 」   こう なれば 、 やけくそです 。 ||やけくそ です お 百姓 は すぐ に 立ち あがる と 、 持って いた 刀 を 振り 上げ 、 「 こら あ ! |ひゃくしょう||||たち|||もって||かたな||ふり|あげ|| 者 ども よく 聞け ! もの|||きけ わし が クマ と コブラ を 退治 した 勇士 だ ぞ ! ||くま||こぶら||たいじ||ゆうし|| わし は 空 から 飛び降りる 事 も 出来る し 、 舞い上がる 事 も 出来る 。 ||から||とびおりる|こと||できる||まいあがる|こと||できる さあ どう だ 。 わし と 闘う 者 は 、 出て 来い ! ||たたかう|もの||でて|こい 」 と 、 大声 で 叫び ました 。 |おおごえ||さけび| 敵 兵 たち は 、 ビックリ 。 てき|つわもの|||びっくり 空 から 突然 、 評判 の クマ 退治 の 勇士 が 飛び降りて 来た ので 、 もう 怖くて なり ませ ん 。 から||とつぜん|ひょうばん||くま|たいじ||ゆうし||とびおりて|きた|||こわくて||| 「 それ っ 。 逃げろ 、 逃げろ ! にげろ|にげろ 」 と 、 あわてて 逃げ 出し ました 。 ||にげ|だし| こうして クマ と コブラ を 退治 した お 百姓 は 、 大勢 の 敵 兵 を 一 人 で 追い返した ので 、 殿さま から たいそう ほめ られ ました 。 |くま||こぶら||たいじ|||ひゃくしょう||おおぜい||てき|つわもの||ひと|じん||おいかえした||とのさま||||| そして 国 中 の 人 から 、 強い 勇士 と ほめ られた のです 。 |くに|なか||じん||つよい|ゆうし||||の です

おしまい