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世界の昔話, 白いマス

白いマス

白い マス

むかし むかし 、 たいへん 美しい お姫さま が 、 湖 の そば の お 城 で 暮らして い ました 。

ある 日 の 事 、 お姫さま と 結婚 を する 事 に なって いた 王子 さま が 、 急な 病気 で 死んで しまい ました 。 それ を 知った お姫さま は 悲しみ に たえ きれ ず 、 どこ か へ 姿 を 消して しまい ました 。 「 姫 さま は 、 どこ へ 行か れた のだろう ? 」 「 もしかすると 、 妖精 に 、 さらわ れて しまった のだろう か ? 」 「 そう かも しれ ない な 」 人々 は 、 そう 噂 を し ました 。

それ から しばらく たって 、 川 に 見た 事 も ない 白い マス が 現れ ました 。 「 あの 白い マス は 、 妖精 に ちがいない 。 捕ら ず に そっと して おこう 」 人々 は 白い マス を 大切に 見守って い ました が 、 ある 時 、 乱暴な 兵隊 が やって 来て 言い ました 。 「 うま そうな マス だ な 。 おれ が 食べて やる 」 「 とんでもない 。 あれ は 妖精 な んです よ 」 人々 は 、 必死で 止め ました が 、 「 妖精 だ ? 馬鹿馬鹿しい ! 」 と 、 兵隊 は マス を 捕まえて 家 へ 持って 帰った のです 。

家 に 帰った 兵隊 は フライパン を 火 に かけて 、 ジュウジュウ と 煮えた 油 の 中 に マス を 放り 込み ました 。 すると フライパン の 中 から 、 人間 の 様 な 泣き声 が 聞こえ ました 。 「 あはは は は はっ 、 おかしな マス だ な 」 少し たって から 、 兵隊 は マス を 裏返し ました 。 「 おや ? 変だ な 、 少しも 焼けて い ない 」 それ から しばらく して 、 もう 一 度 裏返し ました が 、 マス に は 焼けた 跡 が つき ませ ん 。 「 おかしい な ? 火 が 弱い の か ? 」 兵隊 は 火 を 強め ました が 、 やっぱり マス に は 焼けた 後 が つき ませ ん 。 「 ええ い 、 もう 待って い られ ない 。 生 焼け でも 良い から 、 食べて しまおう 」 兵隊 が マス に ナイフ を 突き 立てた その 瞬間 、 マス が フライパン から 飛び出し ました 。 「 わ ぁ ! 」 驚く 兵隊 の 目の前 に 、 白い 服 を 着た 美しい お姫さま が 立って い ました 。 美しい お姫さま は 、 兵士 を にらみ つけて 言い ました 。 「 お前 、 わたし に 傷 を つけた わ ね ! 」 見て みる と 、 お姫さま の 腕 から 血 が 流れて い ます 。 「 大事な お 務め を して いた のに 、 よくも 邪魔 を を して くれた わ ね 。 わたし は 水路 から 来て 下さる はずの あの お方 を 、 ずっと 待って いた のです 。 もし 、 わたし が い ない 間 に 来 られて 、 お 会い 出来 なかったら 、 お前 を トゲウオ に 変えて しまう から ね ! 」 兵隊 は お姫さま に 、 ひれ伏して 謝り ました 。 「 あなた さま が お 務め を して い ら した と は 、 ちっとも 知り ませ ん でした 。 どうか お 許し 下さい ! 」 「 では 、 早く わたし を 元 の 川 に 返し なさい 」 「 はっ 、 はい 。 すぐ に ! 」 ひれ伏して いた 兵隊 が 顔 を あげる と 、 目の前 に 美しい 白い マス が 横たわって い ます 。 「 大変だ ! こうして いる 間 に も 、 お姫さま の 待つ お方 が 訪ねて くる かも しれ ない 」 兵隊 は 白い マス を 皿 に のせる と 、 走って 走って 川 へ 行き ました 。 そして 川 へ 着く と 、 すぐ に マス を 放し ました 。 『 ポチャン ! 』 その 時 、 川 の 水 が 少し の 間 、 血 の 様 に 赤く なり ました 。

その後 、 お姫さま の マス が どう なった か は 誰 に も 分かり ませ ん 。 ただ その 時 から 、 マス の 脇腹 に は 赤い 印 が ついて いる のだ そうです 。

おしまい


白いマス しろい ます white square

白い マス しろい|ます White trout

むかし むかし 、 たいへん 美しい お姫さま が 、 湖 の そば の お 城 で 暮らして い ました 。 |||うつくしい|おひめさま||こ|||||しろ||くらして|| Once upon a time, a very beautiful princess lived in a castle near the lake.

ある 日 の 事 、 お姫さま と 結婚 を する 事 に なって いた 王子 さま が 、 急な 病気 で 死んで しまい ました 。 |ひ||こと|おひめさま||けっこん|||こと||||おうじ|||きゅうな|びょうき||しんで|| One day, the prince, who was supposed to marry the princess, died from a sudden illness. それ を 知った お姫さま は 悲しみ に たえ きれ ず 、 どこ か へ 姿 を 消して しまい ました 。 ||しった|おひめさま||かなしみ||||||||すがた||けして|| The princess, who knew about it, was unable to endure her sadness and disappeared somewhere. 「 姫 さま は 、 どこ へ 行か れた のだろう ? ひめ|||||いか|| "Where did the princess go?" 」 「 もしかすると 、 妖精 に 、 さらわ れて しまった のだろう か ? |ようせい|||||| "Maybe I was kidnapped by a fairy?" 」 「 そう かも しれ ない な 」   人々 は 、 そう 噂 を し ました 。 |||||ひとびと|||うわさ||| "Maybe it's true." People rumored so.

それ から しばらく たって 、 川 に 見た 事 も ない 白い マス が 現れ ました 。 ||||かわ||みた|こと|||しろい|ます||あらわれ| After a while, a white trout that had never been seen in a river appeared. 「 あの 白い マス は 、 妖精 に ちがいない 。 |しろい|ます||ようせい|| "That white trout must be a fairy. 捕ら ず に そっと して おこう 」   人々 は 白い マス を 大切に 見守って い ました が 、 ある 時 、 乱暴な 兵隊 が やって 来て 言い ました 。 とら||||||ひとびと||しろい|ます||たいせつに|みまもって|||||じ|らんぼうな|へいたい|||きて|いい| Let's keep it, let's not get caught.” People watched the white trout carefully, but at one point a violent soldier came and said. 「 うま そうな マス だ な 。 |そう な|ます|| "It's a delicious mass. おれ が 食べて やる 」 「 とんでもない 。 ||たべて|| I'll eat it. "" It's ridiculous. あれ は 妖精 な んです よ 」   人々 は 、 必死で 止め ました が 、 「 妖精 だ ? ||ようせい||||ひとびと||ひっしで|とどめ|||ようせい| That's a fairy." People desperately stopped, but they said, "Are you a fairy? 馬鹿馬鹿しい ! ばかばかしい It's silly! 」 と 、 兵隊 は マス を 捕まえて 家 へ 持って 帰った のです 。 |へいたい||ます||つかまえて|いえ||もって|かえった| The troops captured the trout and took them home.

家 に 帰った 兵隊 は フライパン を 火 に かけて 、 ジュウジュウ と 煮えた 油 の 中 に マス を 放り 込み ました 。 いえ||かえった|へいたい||ふらいぱん||ひ|||||にえた|あぶら||なか||ます||はな り|こみ| When the soldiers returned home, they struck a frying pan over the fire and threw the trout into the juju and the boiled oil. すると フライパン の 中 から 、 人間 の 様 な 泣き声 が 聞こえ ました 。 |ふらいぱん||なか||にんげん||さま||なきごえ||きこえ| Then I heard a human-like cry from inside the frying pan. 「 あはは は は はっ 、 おかしな マス だ な 」   少し たって から 、 兵隊 は マス を 裏返し ました 。 あ は は|||||ます|||すこし|||へいたい||ます||うらがえし| "Ah ha ha ha ha, it's a strange trout." After a little while, the soldiers turned the trout inside out. 「 おや ? "Ah? 変だ な 、 少しも 焼けて い ない 」   それ から しばらく して 、 もう 一 度 裏返し ました が 、 マス に は 焼けた 跡 が つき ませ ん 。 へんだ||すこしも|やけて||||||||ひと|たび|うらがえし|||ます|||やけた|あと|||| It's weird, it's not burned at all.” Then, after a while, I turned inside out again, but there is no burnt mark on the mass. 「 おかしい な ? " that's strange ? 火 が 弱い の か ? ひ||よわい|| Is the fire weak? 」   兵隊 は 火 を 強め ました が 、 やっぱり マス に は 焼けた 後 が つき ませ ん 。 へいたい||ひ||つよ め||||ます|||やけた|あと|||| The soldiers reinforced the fire, but the trout was still burnt. 「 ええ い 、 もう 待って い られ ない 。 |||まって||| "Yes, I can't wait any longer. 生 焼け でも 良い から 、 食べて しまおう 」   兵隊 が マス に ナイフ を 突き 立てた その 瞬間 、 マス が フライパン から 飛び出し ました 。 せい|やけ||よい||たべて||へいたい||ます||ないふ||つき|たてた||しゅんかん|ます||ふらいぱん||とびだし| It's okay to cook it raw, so let's eat it." At the moment when the soldiers pierced the trout with a knife, the trout jumped out of the frying pan. 「 わ ぁ ! "Wow! 」   驚く 兵隊 の 目の前 に 、 白い 服 を 着た 美しい お姫さま が 立って い ました 。 おどろく|へいたい||めのまえ||しろい|ふく||きた|うつくしい|おひめさま||たって|| A beautiful princess dressed in white stood in front of a surprising soldier. 美しい お姫さま は 、 兵士 を にらみ つけて 言い ました 。 うつくしい|おひめさま||へいし||||いい| The beautiful princess glared at the soldier and said. 「 お前 、 わたし に 傷 を つけた わ ね ! おまえ|||きず|||| "You hurt me! 」   見て みる と 、 お姫さま の 腕 から 血 が 流れて い ます 。 みて|||おひめさま||うで||ち||ながれて|| As you can see, blood is flowing from the princess' arms. 「 大事な お 務め を して いた のに 、 よくも 邪魔 を を して くれた わ ね 。 だいじな||つとめ||||||じゃま|||||| "I was doing an important task, but I was often disturbed. わたし は 水路 から 来て 下さる はずの あの お方 を 、 ずっと 待って いた のです 。 ||すいろ||きて|くださる|||おかた|||まって|| I had been waiting for that man who was supposed to come from the waterway. もし 、 わたし が い ない 間 に 来 られて 、 お 会い 出来 なかったら 、 お前 を トゲウオ に 変えて しまう から ね ! |||||あいだ||らい|||あい|でき||おまえ||||かえて||| If I come without you and I can't meet you, I'll turn you into a flying fish! 」   兵隊 は お姫さま に 、 ひれ伏して 謝り ました 。 へいたい||おひめさま||ひれふして|あやまり| The soldier bowed down and apologized to the princess. 「 あなた さま が お 務め を して い ら した と は 、 ちっとも 知り ませ ん でした 。 ||||つとめ|||||||||しり||| "I didn't know at all that you were on duty. どうか お 許し 下さい ! ||ゆるし|ください Please forgive me! 」 「 では 、 早く わたし を 元 の 川 に 返し なさい 」 「 はっ 、 はい 。 |はやく|||もと||かわ||かえし||| "Then, return me to the original river as soon as possible." "Hah, yes. すぐ に ! Immediately ! 」   ひれ伏して いた 兵隊 が 顔 を あげる と 、 目の前 に 美しい 白い マス が 横たわって い ます 。 ひれふして||へいたい||かお||||めのまえ||うつくしい|しろい|ます||よこたわって|| When the prostrate soldier looked up, there was a beautiful white trout lying in front of them. 「 大変だ ! たいへんだ "It's hard! こうして いる 間 に も 、 お姫さま の 待つ お方 が 訪ねて くる かも しれ ない 」   兵隊 は 白い マス を 皿 に のせる と 、 走って 走って 川 へ 行き ました 。 ||あいだ|||おひめさま||まつ|おかた||たずねて|||||へいたい||しろい|ます||さら||||はしって|はしって|かわ||いき| While doing this, the princess's waiter may come to visit. ”The soldiers put a white square on a plate and ran and ran to the river. そして 川 へ 着く と 、 すぐ に マス を 放し ました 。 |かわ||つく||||ます||はなし| And as soon as I got to the river, I let go of the trout. 『 ポチャン ! "Pochan! 』   その 時 、 川 の 水 が 少し の 間 、 血 の 様 に 赤く なり ました 。 |じ|かわ||すい||すこし||あいだ|ち||さま||あかく|| At that time, the water in the river turned red like blood for a while.

その後 、 お姫さま の マス が どう なった か は 誰 に も 分かり ませ ん 。 そのご|おひめさま||ます||||||だれ|||わかり|| After that, no one knows what happened to the princess's trout. ただ その 時 から 、 マス の 脇腹 に は 赤い 印 が ついて いる のだ そうです 。 ||じ||ます||わきばら|||あかい|いん|||||そう です However, from that time on, it seems that there is a red mark on the flank of the square.

おしまい The end