した きり すずめ - 舌切 雀 (日本 語 版 )アニメ 日本 の 昔 ば なし /日本 語 学習 /THE TONGUELESS SPARROW (JAPANESE)
ある ところ に 、
ここ ろ の やさしい お じいさん と 、 いじわるな おばあ さん が おり ました 。
お じいさん 、 さっさと たきぎ を とって きて おくれ !!
はい 、 はい ・・・
では 、 いって くる よ ・・・。
そろそろ 、 お ひる に する か ・・・・。
ん ? ごはん を たべ たい の かい ?
ほら よ !
お じいさん が おにぎり を さしだす と 、
子 すずめ は 、 おおよろこびで たべ ました 。
かわいい な ぁ ・・・ よっぽど おなか が すいて いたんだ な ぁ
たった 一 羽 で いる ところ を 見る と 、 まいご に なった の かも しれ ん 。
たすけて やり たい が ・・・・。
お じいさん は 、 いえ に いる いじわるな おばあ あん の こと を かんがえて 、
どう したら いい か まよい ました が ・・・・
この かわいい まいご の 子 すずめ を いえ に つれて かえる こと に し ました 。
ん 、 もう ! お じいさん ったら !
そんな 子 すずめ なんか つれて きて ! えさ なんて どこ に も ない よ !
わし の めし を 分けて やる んだ ! それ なら 、 いい だろう ?
まったく !
お じいさん は 子 すずめ に 『 ちゅん 』 と いう 名前 を つけて
たいそう かわいがり ました 。
ちゅん や ・・・、 たき ぎ を ひろい に いって くる よ 。
気 を つけて ちゅん !
ばあさん 、 ちゅん に えさ を やって おくれよ 。
ふん 、 だれ が えさ なんか やる もんか !
おばあ さん が 、 つくって いる の は 、 せんたくもの に つける 『 のり 』 です 。
今日 は まだ 、 なにも 、 たべて いない ちゅん は 、
のり でも いい から たべ たい な ぁと 、 おもい ました 。
どれ 、 めんどう くせ え けど 、 せんたくもの に のり を つける と すっ か ・・・。
おなか すいた ちゅん ・・・・
おいしい ちゅん ・・・
ほんの ちょっと なめる つもり が 、
おなか を すかして いた ちゅん は 、 むちゅうで のり を たべた のでした 。
あっ ! なに やって る だ !
だいじな のり を くっ ちまって ! とんで も ね ぇ すずめ だ ッ !
おまえ の ような もの は ・・・・
ちゅん 、 ちゅん 、 ちゅん ッ ! とりゃ 〜!!
おばあ さん は 、 ちゅん の した を はさみ で きって しまった のです !
ゆうがた に なって たき ぎ ひろい から お じいさん が かえって き ました 。
ただいま ちゅん は 、 元気に して たかい ?
あの 子 すずめ なら どっか へ いっち まった よ !
な 、 なん だって !!
せんたくもの の 、 のり を たべた ばつ に 、 した を ちょんぎって やった の さ !
なんて ひどい こと を !!
お じいさん は 、 いそいで ちゅん を さがし に でかけ ました 。
大きな 川 まで たどり つく と 、 そこ に は 、 三 頭 の 牛 と 、
牛 を あらって いる 人 が い ました 。
した きり すずめ を 見 ませ ん でした か ?
牛 の 足 を あらって くれたら 、 おしえて やる ぞ !
はい 、 はい 、 あらい ます と も !
お じいさん は 、 三 頭 の 牛 の 足 を ていねいに あらい ました 。
すっかり あらい おわる と 、 牛 あらい の 人 が いい ました 。
すずめ なら 、 この 川 の じょうりゅう で 見た ぞ !
そう です か ! ありがとう ございます !
お じいさん は 、 川 の じょうりゅう へ むかって はしり ました 。
すると 、 こんど は 、 六 頭 の うま と
うま を あらって いる 人 が いた のです 。
ちょっと お たずね し ます が の 、
この へんで した きり すずめ を 見 ませ ん でした か の ?
うま の 足 を あらって くれたら 、 おしえて やる ぞ !
はい はい 、 よろこんで !!
お じいさん は 、 六 頭 の うま の 足 を また 、 ていねいに あらい ました 。
この さき の 竹やぶ の 中 に 、 すずめ の お やど と いう もの が ある 。
そこ に 、 いけば 、 きっと 見つかる だろう ・・・・。
おお 、 ありがとう ございます !!
おしえ られた ほう へ はしって いく と ・・・・・
竹やぶ の 中 に 小さな もん が 見えて きた のです 。
ここ じゃ 、 ここ じゃ ・・・。 ここ が 、 すずめ の ぴゃ ど じゃ ろう !
ちゅん 、 ちゅん や 〜〜! どこ だ 〜〜 い ? いたら 、 でて きて おくれ ー っ !
ちゅん 、 ち ゅ 〜 ん 、 でて きて おくれ ー っ !
お じいさん が 呼び 続けて い ます と ・・・・・
お じいさん !
おお 、 ちゅん ・・・・ あい たかった ぞ ! 元気で おった か ?
お じいさん 、 しんぱい し ないで ください 。
した の きず は 、 すっかり なおして もらい ました 。
そう か ・・・ そう か ・・・ それ は よかった ・・・・。
ちゅん は 、 お じいさん を すずめ の お やど に あんない し ました 。
ちゅん は 、 すずめ の おや どの おひめさま だった のです 。
お じいさん は 、 すずめ たち の おどり を 見たり 、
いろいろ と ごちそう に なったり して たのしく すごし ました 。
いや ぁ 、 こんなに たのしい こと は 、 じ はじめて じゃ 。
なごり おしい が 、 そろそろ 、 おいとま し なければ ・・・・・・。
そう です か ちゅん ・・・・。
では 、 お みやげ に どちら か お すきな ほう の つづら を お もち かえり ください ちゅん 。
そうかい ?
それでは 、 わし は 、 おもい もの より 小さくて かるい ほう を いただく よ ・・・。
ちゅん と おおぜい の すずめ たち に みおくら れて
お じいさん は 小さな つづら を うれし そうに せおって かえって いき ました 。
いえ に かえって つづら を あけて みる と 、
中 に は 、 おおばん こばん や たからもの が ぎっしり つまって いた のです !
おお 、 こりゃ 、 たまげた !
お じいさん 、 なんで 大きい ほう を もらって こ なかった んじゃ !
よし 、 わたし が いって 一 番 でっかい つづら を もらって やる !
おばあ さん は 、 お じいさん が とめる の も きか ず に いえ を とびだして いき ました 。
とちゅう で あった 牛 あらい や 、 うま あらい の 人 から むりやり 、 みち を きき だして 、
おばあ さん は 、 らく を して 、 すずめ の お やど に たどり つき ました 。
ひ ひ っ ・・・ ここ が すずめ の お やど かい 。
お 〜〜 い 、 ちゅん 、 さっさと でて おい で !!
だれ も でて こない ので おばあ さん は 、
かってに おや どの 中 へ はいって きて しまい ました 。
ちゅん !! いる んだろ っ ?!
お 〜〜 いっ ! ちゅん っ !
あっ ・・・・、 お ばあさん ・・・ どうして ここ へ ・・・・?
おまえ 、 ここ に は 、 大きな つづら が ある んだろう ?
それ を よこさ ない と 、 また 、 した を きって やる よ ?!
よし よし ・・・、 これ だ 、 これ だ ・・・・
おばあ さん が 山 みち に さしかかる ころ ・・・・・
日 は とっぷり と くれ 、 よる に なって しまい ました 。
う うっ ・・・・・ なんだか 、 だんだん おもく なって る 気 が する が ・・・
う ぅぅ ・・・ おもい っ ・・・・・・
な ・・・ なんだ こりゃ 、 なんで 、 こんなに おもく なって んだ ?!
いじわる おばあ さん は 、 おまえ だ な ぁ 〜〜〜 よくばり おばあ さん は 、 おまえ だ な ぁ 〜〜〜
たすけて くれ ぇ 〜〜〜 っ !!
ゆるして くれ 〜〜 っ !
うわ ぁっ ー !!
おばあ さん は 、 やっと の おもいで 、 いえ に たどり つき ました 。
わたし が わるかった よ ぉ ・・・・・
これ から は 、 やさしく なる ように する よ ぉ ・・・・
そう か 、 そう か ・・・・
ちゅん も きっと よろこんで くれる じゃ ろう ・・・・・。
それ から は 、 お じいさん と 、 ここ ろ を いれかえた おばあ さん は 、
いつまでも なかよく くらした と いう こと です 。