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桜島 大根 汁
桜 島 大根 汁
むかし むかし 、 二 人 の 仲 の 良い 兄弟 が 、 それぞれ に 家 を 持って 住んで い ました 。
弟 は 真面目な 働き者 で 、 その 日 も 朝 早く に 起きて 、 おいしい 桜 島 大根 を 煮て い ました 。
する と その 匂い に 釣ら れて 怠け者 の 兄 が やって 来た ので 、 弟 は 煮えた ばかりの 桜 島 大根 を 兄 に 食べ させて やった のです 。
すると 兄 は 、 「 ほう 。
ふと か 大根 だ な 。
・・・ もぐもぐ 。
うま か !
こら 、 うま か 大根 じゃ 。
どう やって 作った ?
」 と 、 尋ねる ので 、 弟 は 笑い ながら 答え ました 。
「 簡単じゃ 。
この なべ は 大根 を 入れて おく だけ で 、 こ げに うまく 煮える んじゃ よ 」 「 ほう ー 、 それ は 簡単じゃ 」 兄 は なべ を 弟 から 借りて 帰る と 、 さっそく 桜 島 大根 を 放り 込み ました 。
「 火 を たかんで も 、 ええ ちゅうこ と じゃ し 、 一寝入り する か 」 さて 、 しばらく して 起きた 兄 は 、 桜 島 大根 の 様子 を 見て びっくり 。
「 何 じゃ 。
全然 煮え とら ん と ぞ 、 プカプカ 浮い とる だけ だ 」 兄 は 頭 を かしげ ながら 、 弟 の 家 に 桜 島 大根 の 煮方 を 教えて もらい に 行き ました 。
「 兄さん 、 いくら よか なべ でも 、 大根 を 切って 入れる だけ じゃ 、 煮え ん よ 」 弟 は そう 言って 、 桜 島 大根 の 煮方 を 丁寧に 教えて やり ました 。
「 まずは 朝 早う に 起きて 、 なべ に たっぷりの 水 と 大根 を 入れて 、 木 の 枝 を くべる んだ 。
そい で 、 川 の 土手 に 行って 牛 の エサ に なる 草 を カゴ いっぱい に 切って 帰って くる 。
すると 、 うま か 大根 が 煮え とる だ 」 さあ 、 それ を 聞いた 兄 は うまい 桜 島 大根 を 食べ たい 一 心 で 、 翌朝 早く に 起きて なべ に たっぷりの 水 と 桜 島 大根 を 入れる と 、 木 の 枝 に 火 を つけて ぐ つぐ つ と 煮 始め ました 。
そして 眠い 目 を こすり ながら 、 牛 の エサ に なる 草 を 切り に 出かけた のです 。
「 ああ ー っ 、 眠い けん ど 、 草 を 刈ら ん と 大根 が 煮え ん で のう 」 やっと 草 が カゴ いっぱいに なった 兄 は 、 急いで 家 に 向かい ました 。
家 の 戸口 まで 来る と 、 大根 を 煮 込んだ 良い におい が 、 ぷ ー ん と ただよって き ます 。
兄 は 草 カゴ を 放り 出す と 、 うま そうに 煮えた 大根 を 口 に 放り 込み ました 。
その おいし さ と いったら 、 涙 が 出て くる ほど です 。
「 うま か !
働いた 後 の 大根 汁 は 、 格別じゃ !
」 その後 、 おいしい 桜 島 大根 汁 を 食べる 為 に 、 兄 は 村 一 番 の 働き者 に なった と いう 事 です 。
おしまい
桜島 大根 汁
さくらじま|だいこん|しる
Sakurajima radish juice
桜 島 大根 汁
さくら|しま|だいこん|しる
むかし むかし 、 二 人 の 仲 の 良い 兄弟 が 、 それぞれ に 家 を 持って 住んで い ました 。
||ふた|じん||なか||よい|きょうだい||||いえ||もって|すんで||
Once upon a time, two good brothers lived together, each with their own house.
Era uma vez dois bons irmãos que moravam com suas próprias casas.
弟 は 真面目な 働き者 で 、 その 日 も 朝 早く に 起きて 、 おいしい 桜 島 大根 を 煮て い ました 。
おとうと||まじめな|はたらきもの|||ひ||あさ|はやく||おきて||さくら|しま|だいこん||にて||
する と その 匂い に 釣ら れて 怠け者 の 兄 が やって 来た ので 、 弟 は 煮えた ばかりの 桜 島 大根 を 兄 に 食べ させて やった のです 。
|||におい||つら||なまけもの||あに|||きた||おとうと||にえた||さくら|しま|だいこん||あに||たべ|さ せて||
すると 兄 は 、 「 ほう 。
|あに||
ふと か 大根 だ な 。
||だいこん||
・・・ もぐもぐ 。
うま か !
こら 、 うま か 大根 じゃ 。
|||だいこん|
どう やって 作った ?
||つくった
」 と 、 尋ねる ので 、 弟 は 笑い ながら 答え ました 。
|たずねる||おとうと||わらい||こたえ|
「 簡単じゃ 。
かんたんじゃ
この なべ は 大根 を 入れて おく だけ で 、 こ げに うまく 煮える んじゃ よ 」 「 ほう ー 、 それ は 簡単じゃ 」 兄 は なべ を 弟 から 借りて 帰る と 、 さっそく 桜 島 大根 を 放り 込み ました 。
|||だいこん||いれて|||||げ に||にえる||||-|||かんたんじゃ|あに||||おとうと||かりて|かえる|||さくら|しま|だいこん||はな り|こみ|
「 火 を たかんで も 、 ええ ちゅうこ と じゃ し 、 一寝入り する か 」 さて 、 しばらく して 起きた 兄 は 、 桜 島 大根 の 様子 を 見て びっくり 。
ひ|||||||||ひとねいり||||||おきた|あに||さくら|しま|だいこん||ようす||みて|
「 何 じゃ 。
なん|
全然 煮え とら ん と ぞ 、 プカプカ 浮い とる だけ だ 」 兄 は 頭 を かしげ ながら 、 弟 の 家 に 桜 島 大根 の 煮方 を 教えて もらい に 行き ました 。
ぜんぜん|にえ||||||うか い||||あに||あたま||||おとうと||いえ||さくら|しま|だいこん||に かた||おしえて|||いき|
「 兄さん 、 いくら よか なべ でも 、 大根 を 切って 入れる だけ じゃ 、 煮え ん よ 」 弟 は そう 言って 、 桜 島 大根 の 煮方 を 丁寧に 教えて やり ました 。
にいさん|||||だいこん||きって|いれる|||にえ|||おとうと|||いって|さくら|しま|だいこん||に かた||ていねいに|おしえて||
「 まずは 朝 早う に 起きて 、 なべ に たっぷりの 水 と 大根 を 入れて 、 木 の 枝 を くべる んだ 。
|あさ|はやう||おきて||||すい||だいこん||いれて|き||えだ|||
そい で 、 川 の 土手 に 行って 牛 の エサ に なる 草 を カゴ いっぱい に 切って 帰って くる 。
||かわ||どて||おこなって|うし||えさ|||くさ|||||きって|かえって|
すると 、 うま か 大根 が 煮え とる だ 」 さあ 、 それ を 聞いた 兄 は うまい 桜 島 大根 を 食べ たい 一 心 で 、 翌朝 早く に 起きて なべ に たっぷりの 水 と 桜 島 大根 を 入れる と 、 木 の 枝 に 火 を つけて ぐ つぐ つ と 煮 始め ました 。
|||だいこん||にえ||||||きいた|あに|||さくら|しま|だいこん||たべ||ひと|こころ||よくあさ|はやく||おきて||||すい||さくら|しま|だいこん||いれる||き||えだ||ひ|||||||に|はじめ|
そして 眠い 目 を こすり ながら 、 牛 の エサ に なる 草 を 切り に 出かけた のです 。
|ねむい|め||||うし||えさ|||くさ||きり||でかけた|
「 ああ ー っ 、 眠い けん ど 、 草 を 刈ら ん と 大根 が 煮え ん で のう 」 やっと 草 が カゴ いっぱいに なった 兄 は 、 急いで 家 に 向かい ました 。
|-||ねむい|||くさ||から|||だいこん||にえ|||||くさ|||||あに||いそいで|いえ||むかい|
家 の 戸口 まで 来る と 、 大根 を 煮 込んだ 良い におい が 、 ぷ ー ん と ただよって き ます 。
いえ||とぐち||くる||だいこん||に|こんだ|よい||||-|||||
兄 は 草 カゴ を 放り 出す と 、 うま そうに 煮えた 大根 を 口 に 放り 込み ました 。
あに||くさ|||はな り|だす|||そう に|にえた|だいこん||くち||はな り|こみ|
その おいし さ と いったら 、 涙 が 出て くる ほど です 。
|||||なみだ||でて|||
「 うま か !
働いた 後 の 大根 汁 は 、 格別じゃ !
はたらいた|あと||だいこん|しる||かくべつじゃ
」 その後 、 おいしい 桜 島 大根 汁 を 食べる 為 に 、 兄 は 村 一 番 の 働き者 に なった と いう 事 です 。
そのご||さくら|しま|だいこん|しる||たべる|ため||あに||むら|ひと|ばん||はたらきもの|||||こと|
おしまい