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Fairy Tales, しじみ の 恩返し

しじみ の 恩返し

しじみ の 恩返し

むかし むかし 、 小川 の そば の 小さな 家 に 、 太郎 と いう 男の子 が お 母さん と 二 人 で 暮らして い ました 。 まだ 子供 の 太郎 は 、 お 母さん を 助ける 為 に 、 それ は よく 働き ます 。 山 へ たき 木 を 取り に 行ったり 、 近く の 家 に 手伝い に 行ったり 。 そうして 食べ物 を もらって は 、 やっと その 日 を 暮らして い ました 。 ある 日 の 事 、 山 へ しば を かりに 出かけた 太郎 は 、 大雨 に 降ら れて 、 び しょ ぬれ に なって 帰って き ました 。 お 母さん は 太郎 の 体 を ふいて 暖め ました が 、 その 夜 、 太郎 は 高い 熱 を 出して しまい ました 。 お 医者 さん に 診て もらい たくて も 、 お 金 が ない ので 出来 ませ ん 。 「 せめて 、 薬 が あれば ねえ 」 熱 が 下がら ず に 苦し そうな 太郎 を 、 お 母さん は 一生懸命 看病 し ました 。 何 日 か たつ と 、 さすが に お 母さん も くたびれて 、 太郎 の 枕元 で うとうと と 眠って しまい ました 。 すると どこ から か 、 可愛らしい 声 が 聞こえて き ます 。 「 あの 、 もしもし 、 太郎 の お 母さん 」 声 に 目 を 覚ました お 母さん が 、 はっと して 部屋 を 見 回す と 、 部屋 の すみ に しじみ が 一 つ ころがって い ます 。 「 まさか 。 しじみ が しゃべる はず は 」 お 母さん が そう 言う と 、 しじみ は コロコロ と 転がり ながら 、 お 母さん の そば に やって 来て 言い ました 。 「 いえ 、 声 を かけた の は わたし です 。 わたし は 小川 に 住んで いる し じみです が 、 この 前 の 大雨 で 流さ れて き ました 。 このまま で は 、 わたし たち しじみ は 海 に 流さ れて 、 塩 水 で 死んで しまい ます 。 お 願い です 。 どうか わたし たち を 、 川上 の 水 の きれいな 所 へ 、 戻して いただけ ない でしょう か ? 」 それ を 聞いた お 母さん は 、 にっこり 笑い ました 。 「 そんな 事 、 お 安い ご用 です よ 」 すると しじみ は 安心 した ように 、 コロコロ と 部屋 から 出て 行き ました 。 しじみ が い なく なる と 、 お 母さん は 、 ( はて 、 今 の は 夢 だった の かしら ? ) と 、 首 を かしげ ながら も 、 ザル を 持って 家 を 出 ました 。 そして 月 明かり に キラキラ と 流れる 小川 に 顔 を 近づけて 見る と 、 確かに 川底 に は 、 しじみ が たくさん い ます 。 「 たいへん 。 夢 でも 本当で も 、 とにかく しじみ を 助け なきゃ 」 お 母さん は 冷たい 水 の 中 に ザル を 入れて し じみ を すくう と 、 それ を 持って 山 を 登り ました 。 そして 、 わき水 に 近い 静かで きれいな 流れ に 、 そっと しずめて やり ました 。 それ から また 戻って 、 もう 一 度 しじみ を ザル で すくい 、 山 へ 連れて いき ました 。 それ を 何度 も 何度 も 繰り返して 、 ようやく 全て の しじみ を 救い 出す と 、 しじみ たち は 声 を そろえて お 母さん に 言い ました 。 「 どうも 、 ありがとう 。 お 礼 に 、 太郎 さん の 病気 を 治して あげ ます よ 」 それ を 聞いた お 母さん は 、 にっこり 笑って 山 を 下り ました 。 家 に 帰る と 、 高い 熱 で 寝て いた 太郎 が 、 元気に 出迎えて くれ ました 。 「 お 母さん 、 お かえり なさい 」 「 おや 、 まあ ! ? 」 お 母さん が 太郎 の 熱 を はかって みる と 、 うそ の ように 下がって い ます 。 「 あの ね 、 夢 の 中 に しじみ が 現れて 、 助けて くれた お 礼 だ と いって 薬 を 飲ま せて くれた んだ よ 」 「 そうかい 、 それ は よかった ね 」 それ から 太郎 と お 母さん は 、 いつまでも 幸せに 暮らし ました 。

おしまい

しじみ の 恩返し ||おんがえし repayment of a favor done by a shijimi clam 报答石臼蚌的恩情

しじみ の 恩返し ||おんがえし Shijimi clam returns the favor

むかし むかし 、 小川 の そば の 小さな 家 に 、 太郎 と いう 男の子 が お 母さん と 二 人 で 暮らして い ました 。 ||おがわ||||ちいさな|いえ||たろう|||おとこのこ|||かあさん||ふた|じん||くらして|| Once upon a time, there was a little boy named Taro and his mother living in a small house by a stream. まだ 子供 の 太郎 は 、 お 母さん を 助ける 為 に 、 それ は よく 働き ます 。 |こども||たろう|||かあさん||たすける|ため|||||はたらき| Taro, still a child, works hard to help his mother. 山 へ たき 木 を 取り に 行ったり 、 近く の 家 に 手伝い に 行ったり 。 やま|||き||とり||おこなったり|ちかく||いえ||てつだい||おこなったり They went to the mountains to pick up a few trees or to help out at a nearby house. そうして 食べ物 を もらって は 、 やっと その 日 を 暮らして い ました 。 |たべもの||||||ひ||くらして|| They barely made it through the day, receiving food as they went. ある 日 の 事 、 山 へ しば を かりに 出かけた 太郎 は 、 大雨 に 降ら れて 、 び しょ ぬれ に なって 帰って き ました 。 |ひ||こと|やま|||||でかけた|たろう||おおあめ||ふら|||||||かえって|| One day, Taro went to the mountains to pick up some shibachi, but came back soaking wet from the heavy rain. お 母さん は 太郎 の 体 を ふいて 暖め ました が 、 その 夜 、 太郎 は 高い 熱 を 出して しまい ました 。 |かあさん||たろう||からだ|||あたため||||よ|たろう||たかい|ねつ||だして|| Mother wiped Taro's body to keep him warm, but that night he developed a high fever. お 医者 さん に 診て もらい たくて も 、 お 金 が ない ので 出来 ませ ん 。 |いしゃ|||みて|||||きむ||||でき|| I want to see a doctor, but I can't because I don't have the money. 「 せめて 、 薬 が あれば ねえ 」   熱 が 下がら ず に 苦し そうな 太郎 を 、 お 母さん は 一生懸命 看病 し ました 。 |くすり||||ねつ||さがら|||にがし|そう な|たろう|||かあさん||いっしょうけんめい|かんびょう|| His mother tried her best to nurse Taro, who was suffering from a fever that wouldn't go down. 何 日 か たつ と 、 さすが に お 母さん も くたびれて 、 太郎 の 枕元 で うとうと と 眠って しまい ました 。 なん|ひ|||||||かあさん|||たろう||まくらもと||||ねむって|| After a few days, his mother got tired and fell asleep at Taro's bedside. すると どこ から か 、 可愛らしい 声 が 聞こえて き ます 。 ||||かわいらしい|こえ||きこえて|| Then, from somewhere, a lovely voice can be heard. 「 あの 、 もしもし 、 太郎 の お 母さん 」   声 に 目 を 覚ました お 母さん が 、 はっと して 部屋 を 見 回す と 、 部屋 の すみ に しじみ が 一 つ ころがって い ます 。 ||たろう|||かあさん|こえ||め||さました||かあさん||||へや||み|まわす||へや||||||ひと|||| "Um, hello, Taro's mother." Your mother wakes up to the sound of a voice and looks around the room to see a single freshwater clam lying in a corner of the room. 「 まさか 。 No way. しじみ が しゃべる はず は 」   お 母さん が そう 言う と 、 しじみ は コロコロ と 転がり ながら 、 お 母さん の そば に やって 来て 言い ました 。 ||||||かあさん|||いう||||ころころ||ころがり|||かあさん|||||きて|いい| Shijimi should talk," Mother said, and Shijimi rolled over and came to Mother's side. 「 いえ 、 声 を かけた の は わたし です 。 |こえ|||||| No, I was the one who called out to you. わたし は 小川 に 住んで いる し じみです が 、 この 前 の 大雨 で 流さ れて き ました 。 ||おがわ||すんで||||||ぜん||おおあめ||ながさ||| I am a deer that lives in a creek, and it was washed away by the last heavy rain. このまま で は 、 わたし たち しじみ は 海 に 流さ れて 、 塩 水 で 死んで しまい ます 。 |||||||うみ||ながさ||しお|すい||しんで|| If we don't do something, our clams will be washed out to sea and die in the salt water. お 願い です 。 |ねがい| Please. どうか わたし たち を 、 川上 の 水 の きれいな 所 へ 、 戻して いただけ ない でしょう か ? ||||かわかみ||すい|||しょ||もどして|||| Please help us return to the clean water upstream. 」   それ を 聞いた お 母さん は 、 にっこり 笑い ました 。 ||きいた||かあさん|||わらい| " Hearing this, my mother smiled. 「 そんな 事 、 お 安い ご用 です よ 」   すると しじみ は 安心 した ように 、 コロコロ と 部屋 から 出て 行き ました 。 |こと||やすい|ごよう||||||あんしん|||ころころ||へや||でて|いき| "That's not a problem for you." Then, as if relieved, the shijimi clam rolled out of the room. しじみ が い なく なる と 、 お 母さん は 、 ( はて 、 今 の は 夢 だった の かしら ? |||||||かあさん|||いま|||ゆめ||| When the shijimi clam disappeared, Mom asked, "Hatte, was that a dream? ) と 、 首 を かしげ ながら も 、 ザル を 持って 家 を 出 ました 。 |くび|||||ざる||もって|いえ||だ| I left the house with a colander. そして 月 明かり に キラキラ と 流れる 小川 に 顔 を 近づけて 見る と 、 確かに 川底 に は 、 しじみ が たくさん い ます 。 |つき|あかり||きらきら||ながれる|おがわ||かお||ちかづけて|みる||たしかに|かわぞこ||||||| And when I put my face close to the creek, which was sparkling in the moonlight, I could see that the bottom of the creek was indeed teeming with clam shells. 「 たいへん 。 Big deal. 夢 でも 本当で も 、 とにかく しじみ を 助け なきゃ 」   お 母さん は 冷たい 水 の 中 に ザル を 入れて し じみ を すくう と 、 それ を 持って 山 を 登り ました 。 ゆめ||ほんとうで|||||たすけ|||かあさん||つめたい|すい||なか||ざる||いれて||||||||もって|やま||のぼり| Whether it's a dream or not, we have to save the clams," she said as she placed a colander in the cold water, scooped out the clams, and climbed up the mountain with them. そして 、 わき水 に 近い 静かで きれいな 流れ に 、 そっと しずめて やり ました 。 |わきみず||ちかい|しずかで||ながれ||||| Then, I gently settled them in a quiet, clean stream that was close to a bypass. それ から また 戻って 、 もう 一 度 しじみ を ザル で すくい 、 山 へ 連れて いき ました 。 |||もどって||ひと|たび|||ざる|||やま||つれて|| I went back, scooped up another batch of clams with a colander, and took them to the mountain. それ を 何度 も 何度 も 繰り返して 、 ようやく 全て の しじみ を 救い 出す と 、 しじみ たち は 声 を そろえて お 母さん に 言い ました 。 ||なんど||なんど||くりかえして||すべて||||すくい|だす|||||こえ||||かあさん||いい| After repeating this over and over again, they finally rescued all the shijimi clam, and they all said to their mother in unison. 「 どうも 、 ありがとう 。 Thank you very much. お 礼 に 、 太郎 さん の 病気 を 治して あげ ます よ 」   それ を 聞いた お 母さん は 、 にっこり 笑って 山 を 下り ました 。 |れい||たろう|||びょうき||なおして||||||きいた||かあさん|||わらって|やま||くだり| In return, I will cure Taro's illness. Hearing this, my mother smiled and went down the mountain. 家 に 帰る と 、 高い 熱 で 寝て いた 太郎 が 、 元気に 出迎えて くれ ました 。 いえ||かえる||たかい|ねつ||ねて||たろう||げんきに|でむかえて|| When I returned home, Taro, who had been sleeping with a high fever, greeted me in high spirits. 「 お 母さん 、 お かえり なさい 」 「 おや 、 まあ ! |かあさん||||| "Mother, please return home." "Oh, well! ? 」   お 母さん が 太郎 の 熱 を はかって みる と 、 うそ の ように 下がって い ます 。 |かあさん||たろう||ねつ||||||||さがって|| ? ? Let's check Taro's fever and see if it's really gone down. 「 あの ね 、 夢 の 中 に しじみ が 現れて 、 助けて くれた お 礼 だ と いって 薬 を 飲ま せて くれた んだ よ 」 「 そうかい 、 それ は よかった ね 」   それ から 太郎 と お 母さん は 、 いつまでも 幸せに 暮らし ました 。 ||ゆめ||なか||||あらわれて|たすけて|||れい||||くすり||のま||||||||||||たろう|||かあさん|||しあわせに|くらし| You know, in my dream, a shijimi clam appeared to me and gave me medicine as a thank you for saving my life. "Oh, well, that's great." From then on, Taro and his mother lived happily ever after.

おしまい