×

Nous utilisons des cookies pour rendre LingQ meilleur. En visitant le site vous acceptez nos Politique des cookies.


image

Fairy Tales, 犬が片足を上げておしっこをするわけ

犬 が 片足 を 上げて おしっこ を する わけ

犬 が 片足 を 上げて おしっこ を する わけ

むかし むかし 、 きっ ちょ むさん と 言う 、 とんち の 上手な 人 が い ました 。

ある 日 の 事 、 きっ ちょ むさん が 川 の ほとり を 散歩 して いる と 、 一 人 の 侍 が 釣り を して い ました 。 すると そこ へ のら 犬 が やって 来て 、 釣り を して いる 侍 の 足元 で 片足 を 持ち 上げる と 、 ジャージャー と おしっこ を した のです 。 それ に 気づいた 侍 は 、 びっくり です 。 「 無礼 者 め ! 犬 のぶん ざい で 、 武士 に 小便 を ひっかける と は ! 」 侍 は かんかんに 怒って 、 刀 に 手 を かけ ました 。 それ を 見つけた きっ ちょ むさん が 、 あわてて 侍 に かけより ます 。 「 お 侍 さま 、 どうぞ 、 どうぞ お 待ち ください ! 犬 の 事 な ので 、 きっと お 侍 さま の 足 を 木 と かん違い した のでしょう 」 「 いや 、 かんべん なら ん ! この 場 で 切り すてて くれる わ ! 」 「 そこ を 何とか ! 犬 に 代わって 、 あやまり ます ので 」 「 だめだ ! あやまる の なら 、 その 犬 に あやまら せろ ! 」 犬 に あやまら せる なんて 無理な 話 です が 、 侍 は 聞き入れ ませ ん 。 すると きっ ちょ むさん は 犬 の そば に 近よって 、 犬 と ひそひそ 話 を はじめ ました 。 そして それ が すむ と 、 侍 に 言い ました 。 「 お 侍 さま 。 実は この 犬 が 、 どうしても あやまら ない と 言って い ます 」 「 なん じゃ と ! けしからん ! なぜ じゃ ! 」 「 はい 、 犬 が 言う に は 、 犬 が 片足 を 上げて 小便 を する の は 、 神さま へ の 恩返し だ から だ そうです 」 「 神さま へ の 、 恩返し だ と ? 」 「 犬 の 話し に よる と 、 犬 に は むかし 、 三 本 しか 足 が なかった そうです 」 「 ほう 」 「 三 本 足 で は 、 何かと 不自由です 。 それ で 神さま が あわれ と 思って 、 犬 に もう 一 本 の 足 を くださ った そうです 」 「 なるほど 、 それ で 四 本 足 に なった と いう の か ? 」 「 はい 。 それ で 神さま に もらった 方 の 一 本 に 小便 を かけて は 申し訳ない と 、 犬 は 片足 を 上げて 小便 を する ように なった と の こと です 」 「 うむ 」 「 恩 を 忘れ ぬ の が 、 人 の 道 。 小便 を する に も 神さま の 恩 を 忘れ ぬ 犬 は 、 まことに 立派な 心がけ です 」 それ を 聞いた 侍 は 、 ニヤリ と 笑い ました 。 「 なるほど 、 お前 が うわさ の きっ ちょ む か 。 それ を 聞いて は 、 犬 を 切る わけに は いかんな 。 わかった 。 小便 も かわいた 事 だ し 、 犬 を 許して やろう 」 侍 は 機嫌 を なおす と 、 また 釣り を はじめた と いう こと です 。

おしまい


犬 が 片足 を 上げて おしっこ を する わけ いぬ||かたあし||あげて|おし っこ||| Why do dogs lift one leg to pee

犬 が 片足 を 上げて おしっこ を する わけ いぬ||かたあし||あげて|おし っこ|||

むかし むかし 、 きっ ちょ むさん と 言う 、 とんち の 上手な 人 が い ました 。 ||||||いう|||じょうずな|じん|||

ある 日 の 事 、 きっ ちょ むさん が 川 の ほとり を 散歩 して いる と 、 一 人 の 侍 が 釣り を して い ました 。 |ひ||こと|||||かわ||||さんぽ||||ひと|じん||さむらい||つり|||| すると そこ へ のら 犬 が やって 来て 、 釣り を して いる 侍 の 足元 で 片足 を 持ち 上げる と 、 ジャージャー と おしっこ を した のです 。 ||||いぬ|||きて|つり||||さむらい||あしもと||かたあし||もち|あげる||||おし っこ||| それ に 気づいた 侍 は 、 びっくり です 。 ||きづいた|さむらい||| 「 無礼 者 め ! ぶれい|もの| 犬 のぶん ざい で 、 武士 に 小便 を ひっかける と は ! いぬ||||ぶし||しょうべん|||| 」    侍 は かんかんに 怒って 、 刀 に 手 を かけ ました 。 さむらい|||いかって|かたな||て||| それ を 見つけた きっ ちょ むさん が 、 あわてて 侍 に かけより ます 。 ||みつけた||||||さむらい||| 「 お 侍 さま 、 どうぞ 、 どうぞ お 待ち ください ! |さむらい|||||まち| 犬 の 事 な ので 、 きっと お 侍 さま の 足 を 木 と かん違い した のでしょう 」 「 いや 、 かんべん なら ん ! いぬ||こと|||||さむらい|||あし||き||かんちがい|||||| この 場 で 切り すてて くれる わ ! |じょう||きり||| 」 「 そこ を 何とか ! ||なんとか 犬 に 代わって 、 あやまり ます ので 」 「 だめだ ! いぬ||かわって|||| あやまる の なら 、 その 犬 に あやまら せろ ! ||||いぬ||| 」    犬 に あやまら せる なんて 無理な 話 です が 、 侍 は 聞き入れ ませ ん 。 いぬ|||||むりな|はなし|||さむらい||ききいれ|| すると きっ ちょ むさん は 犬 の そば に 近よって 、 犬 と ひそひそ 話 を はじめ ました 。 |||||いぬ||||ちかよって|いぬ|||はなし||| そして それ が すむ と 、 侍 に 言い ました 。 |||||さむらい||いい| 「 お 侍 さま 。 |さむらい| 実は この 犬 が 、 どうしても あやまら ない と 言って い ます 」  「 なん じゃ と ! じつは||いぬ||||||いって||||| けしからん ! なぜ じゃ ! 」  「 はい 、 犬 が 言う に は 、 犬 が 片足 を 上げて 小便 を する の は 、 神さま へ の 恩返し だ から だ そうです 」  「 神さま へ の 、 恩返し だ と ? |いぬ||いう|||いぬ||かたあし||あげて|しょうべん|||||かみさま|||おんがえし||||そう です|かみさま|||おんがえし|| 」  「 犬 の 話し に よる と 、 犬 に は むかし 、 三 本 しか 足 が なかった そうです 」 「 ほう 」 「 三 本 足 で は 、 何かと 不自由です 。 いぬ||はなし||||いぬ||||みっ|ほん||あし|||そう です||みっ|ほん|あし|||なにかと|ふじゆうです それ で 神さま が あわれ と 思って 、 犬 に もう 一 本 の 足 を くださ った そうです 」  「 なるほど 、 それ で 四 本 足 に なった と いう の か ? ||かみさま||||おもって|いぬ|||ひと|ほん||あし||||そう です||||よっ|ほん|あし|||||| 」  「 はい 。 それ で 神さま に もらった 方 の 一 本 に 小便 を かけて は 申し訳ない と 、 犬 は 片足 を 上げて 小便 を する ように なった と の こと です 」  「 うむ 」  「 恩 を 忘れ ぬ の が 、 人 の 道 。 ||かみさま|||かた||ひと|ほん||しょうべん||||もうしわけない||いぬ||かたあし||あげて|しょうべん||||||||||おん||わすれ||||じん||どう 小便 を する に も 神さま の 恩 を 忘れ ぬ 犬 は 、 まことに 立派な 心がけ です 」    それ を 聞いた 侍 は 、 ニヤリ と 笑い ました 。 しょうべん|||||かみさま||おん||わすれ||いぬ|||りっぱな|こころがけ||||きいた|さむらい||||わらい| 「 なるほど 、 お前 が うわさ の きっ ちょ む か 。 |おまえ||||||| それ を 聞いて は 、 犬 を 切る わけに は いかんな 。 ||きいて||いぬ||きる||| わかった 。 小便 も かわいた 事 だ し 、 犬 を 許して やろう 」    侍 は 機嫌 を なおす と 、 また 釣り を はじめた と いう こと です 。 しょうべん|||こと|||いぬ||ゆるして||さむらい||きげん|||||つり||||||

おしまい