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Fairy Tales, なん じゃ の 買い物

なん じゃ の 買い物

な んじゃ の 買い物

むかし むかし 、 ある 山寺 に 、 和尚 さん と とんち の きく 小僧 さん が い ました 。

いつも 小僧 さん に やられて いる 和尚 さん は 、 今度 こそ 小僧 さん を 困ら せて やろう と 思い 、 小僧 さん を 呼んで 言い ました 。 「 これ 、 すまん が 町 まで 行って 、『 なん じゃ 』 と いう 物 を 買って 来て くれ 」 「 はい 。 ですが 、 和尚 さま 。 『 なん じゃ 』 って 、 何 です か ? 」 「 何 じゃ 、 お前 は 『 なん じゃ 』 を 知ら ん の か ? まったく 、『 なん じゃ 』 ぐらい 知ら ん で どう する 。 まあ 、 知ら ん 物 を 買う の も 修行 の うち じゃ 。 はやく 『 なん じゃ 』 を 買って くる んじゃ 」 和尚 さん は そう 言う と 、 小僧 さん を 買い物 に 行か せ ました 。 ( さて 、 小僧 の やつ 、 一体 何 を 買って くる 事 か 。 まあ 何 を 買って きて も 、 難癖 を つけて やる が な 。 うし しし しし 。 あいつ の 困った 顔 を 見る の が 、 楽しみじゃ )

さて 、 町 に 出かけた 小僧 さん は 、 首 を ひねり ながら 考え ました 。 「 はて ? 『 なん じゃ 』 って 、 何 だろう ? 」 すると 道 向こう の 橋 の 上 で 、 町 の 人 たち が 川 の 中 を のぞき 込み ながら 話して い ました 。 「 何 じゃ 、 何 じゃ ? 」 「 ありゃ 、 何 じゃ ? 」 小僧 さん が のぞいて 見る と 、 川 の 岸 の 杭 に 変な 物 が 引っかかって い ます 。 みんな が 騒いで いる と 、 一 人 の 男 が 言い ました 。 「 あれ は 、 死んだ 馬 の 腹 わた さ 」 「 なんだ 、 馬 の 腹 わた か 」 「 たぶん 、 馬 の 皮 や 馬肉 を 取った 残り の 腹 わた を 、 だれ か が 川 に 捨てた のだろう 」 それ を 聞く と 、 みんな は つまらな そうに 帰って 行き ました 。 しかし 、 その 場 に 残った 小僧 さん は ニッコリ です 。 「 確か 今 、『 ありゃ 、 何 じゃ 』 って 言った な 。 そう か 、『 なん じゃ 』 と は 、 これ だ な ! 」 小僧 さん は 川 に おりて 行く と 、 浮いて いる 馬 の 腹 わた を 棒 で すくい ました 。 「 よし 。 いい 物 が 見つかった ぞ 」 小僧 さん は 馬 の 腹 わた を 、 ていねいに ふろしき に 包み ました 。 そして ふろしき 包み を 棒 の 先 に 引っかける と 、 お 寺 に 帰って 行き ました 。

「 和尚 さま 。 ただ今 、 戻り ました 」 「 おお 、 戻って きた か 。 して 、 どう じゃ 。 『 なん じゃ 』 を 買って きた か ? 」 すると 小僧 さん は ニッコリ 笑って 、 ふろしき 包み を 和尚 さん に 差し出し ました 。 「 はい 。 これ です 」 それ を 受け取った 和尚 さん は 、 ( さて 、 一体 何 を 買って きた 事 か 。 もっとも 何 が 入って いて も 、 難癖 を つけて やる が な ) と 、 考え ながら 、 ふろしき 包み を 開けて びっくり です 。 和尚 さん は 思わず 、 「 こりゃ 、 何 じゃ ? ! 」 と 、 小僧 さん に 尋ね ました 。 「 はい 。 その 『 なん じゃ 』 を 、 買って 来 ました よ 」 「 だ から 、 こりゃ 、 何 じゃ ? ! 」 「 ですから 、『 なん じゃ 』 です よ 。 たった今 、 和尚 さま も 『 なん じゃ 』 って 、 おっしゃった じゃ ない です か 」 小僧 さん の 言葉 に 、 和尚 さん は 、 「 うーん 。 それ は 、 確かに ・・・」 と 、 言った きり 、 何にも 言い 返せ ませ ん でした 。

こうして 和尚 さん は 、 また 小僧 さん に 負けて しまい ました 。

おしまい


なん じゃ の 買い物 |||かいもの what's shopping

な んじゃ の 買い物 |||かいもの

むかし むかし 、 ある 山寺 に 、 和尚 さん と とんち の きく 小僧 さん が い ました 。 |||やまでら||おしょう||||||こぞう|||| Once upon a time, in a certain mountain temple, there lived a priest and a little boy.

いつも 小僧 さん に やられて いる 和尚 さん は 、 今度 こそ 小僧 さん を 困ら せて やろう と 思い 、 小僧 さん を 呼んで 言い ました 。 |こぞう|||||おしょう|||こんど||こぞう|||こまら||||おもい|こぞう|||よんで|いい| 「 これ 、 すまん が 町 まで 行って 、『 なん じゃ 』 と いう 物 を 買って 来て くれ 」 「 はい 。 |すま ん||まち||おこなって|||||ぶつ||かって|きて|| "Please go to Sorry Manga Town and buy something called 'What's this?'" "Yes. ですが 、 和尚 さま 。 |おしょう| 『 なん じゃ 』 って 、 何 です か ? |||なん|| 」 「 何 じゃ 、 お前 は 『 なん じゃ 』 を 知ら ん の か ? なん||おまえ|||||しら||| まったく 、『 なん じゃ 』 ぐらい 知ら ん で どう する 。 ||||しら|||| What should I do after knowing at least ``what is it''? まあ 、 知ら ん 物 を 買う の も 修行 の うち じゃ 。 |しら||ぶつ||かう|||しゅぎょう||| Well, buying things you don't know is part of your training. はやく 『 なん じゃ 』 を 買って くる んじゃ 」   和尚 さん は そう 言う と 、 小僧 さん を 買い物 に 行か せ ました 。 ||||かって|||おしょう||||いう||こぞう|||かいもの||いか|| ( さて 、 小僧 の やつ 、 一体 何 を 買って くる 事 か 。 |こぞう|||いったい|なん||かって||こと| まあ 何 を 買って きて も 、 難癖 を つけて やる が な 。 |なん||かって|||なんくせ||||| Well, no matter what you buy, I'll criticize you. うし しし しし 。 あいつ の 困った 顔 を 見る の が 、 楽しみじゃ ) ||こまった|かお||みる|||たのしみじゃ I'm looking forward to seeing his troubled face .

さて 、 町 に 出かけた 小僧 さん は 、 首 を ひねり ながら 考え ました 。 |まち||でかけた|こぞう|||くび||||かんがえ| 「 はて ? 『 なん じゃ 』 って 、 何 だろう ? |||なん| 」   すると 道 向こう の 橋 の 上 で 、 町 の 人 たち が 川 の 中 を のぞき 込み ながら 話して い ました 。 |どう|むこう||きょう||うえ||まち||じん|||かわ||なか|||こみ||はなして|| Then, on the bridge across the road, the townspeople were talking while peering into the river. 「 何 じゃ 、 何 じゃ ? なん||なん| 」 「 ありゃ 、 何 じゃ ? |なん| 」   小僧 さん が のぞいて 見る と 、 川 の 岸 の 杭 に 変な 物 が 引っかかって い ます 。 こぞう||||みる||かわ||きし||くい||へんな|ぶつ||ひっかかって|| ” When the boy looked in, he saw a strange object caught on a stake on the bank of the river. みんな が 騒いで いる と 、 一 人 の 男 が 言い ました 。 ||さわいで|||ひと|じん||おとこ||いい| 「 あれ は 、 死んだ 馬 の 腹 わた さ 」 「 なんだ 、 馬 の 腹 わた か 」 「 たぶん 、 馬 の 皮 や 馬肉 を 取った 残り の 腹 わた を 、 だれ か が 川 に 捨てた のだろう 」   それ を 聞く と 、 みんな は つまらな そうに 帰って 行き ました 。 ||しんだ|うま||はら||||うま||はら||||うま||かわ||ばにく||とった|のこり||はら||||||かわ||すてた||||きく|||||そう に|かえって|いき| "That's the belly of a dead horse." "What is it? It's the belly of a horse." Hearing that, everyone went home bored. しかし 、 その 場 に 残った 小僧 さん は ニッコリ です 。 ||じょう||のこった|こぞう|||にっこり| 「 確か 今 、『 ありゃ 、 何 じゃ 』 って 言った な 。 たしか|いま||なん|||いった| そう か 、『 なん じゃ 』 と は 、 これ だ な ! 」   小僧 さん は 川 に おりて 行く と 、 浮いて いる 馬 の 腹 わた を 棒 で すくい ました 。 こぞう|||かわ|||いく||ういて||うま||はら|||ぼう||| 「 よし 。 いい 物 が 見つかった ぞ 」   小僧 さん は 馬 の 腹 わた を 、 ていねいに ふろしき に 包み ました 。 |ぶつ||みつかった||こぞう|||うま||はら||||||つつみ| そして ふろしき 包み を 棒 の 先 に 引っかける と 、 お 寺 に 帰って 行き ました 。 ||つつみ||ぼう||さき||ひっかける|||てら||かえって|いき|

「 和尚 さま 。 おしょう| ただ今 、 戻り ました 」 「 おお 、 戻って きた か 。 ただいま|もどり|||もどって|| して 、 どう じゃ 。 『 なん じゃ 』 を 買って きた か ? |||かって|| 」   すると 小僧 さん は ニッコリ 笑って 、 ふろしき 包み を 和尚 さん に 差し出し ました 。 |こぞう|||にっこり|わらって||つつみ||おしょう|||さしだし| 「 はい 。 これ です 」   それ を 受け取った 和尚 さん は 、 ( さて 、 一体 何 を 買って きた 事 か 。 ||||うけとった|おしょう||||いったい|なん||かって||こと| もっとも 何 が 入って いて も 、 難癖 を つけて やる が な ) と 、 考え ながら 、 ふろしき 包み を 開けて びっくり です 。 |なん||はいって|||なんくせ|||||||かんがえ|||つつみ||あけて|| However, I was surprised when I opened the furoshiki package, thinking that no matter what was in it, I would criticize it. 和尚 さん は 思わず 、 「 こりゃ 、 何 じゃ ? おしょう|||おもわず||なん| ! 」 と 、 小僧 さん に 尋ね ました 。 |こぞう|||たずね| 「 はい 。 その 『 なん じゃ 』 を 、 買って 来 ました よ 」 「 だ から 、 こりゃ 、 何 じゃ ? ||||かって|らい||||||なん| ! 」 「 ですから 、『 なん じゃ 』 です よ 。 たった今 、 和尚 さま も 『 なん じゃ 』 って 、 おっしゃった じゃ ない です か 」   小僧 さん の 言葉 に 、 和尚 さん は 、 「 うーん 。 たったいま|おしょう|||||||||||こぞう|||ことば||おしょう||| Just now, the priest also said, 'What is it?'" それ は 、 確かに ・・・」 と 、 言った きり 、 何にも 言い 返せ ませ ん でした 。 ||たしかに||いった||なんにも|いい|かえせ||| That's for sure... I could not say anything back to him.

こうして 和尚 さん は 、 また 小僧 さん に 負けて しまい ました 。 |おしょう||||こぞう|||まけて|| In this way, Osho lost to Kozo again.

おしまい