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2 - Harry Potter, 12.2.2 ポリジュース薬 - The Polyjuice Potion

12.2.2 ポリジュース 薬 - The Polyjuice Potion

ハリー が 耳 を 掻く と ゴイル も 掻いた 。

ロン の 戸 が 開いた 。 二 人 は 互いに ジロジロ 見た 。

ちょっと 青ざめて ショック を 受けた 様子 を 別に すれば 、 鍋 底 カット の 髪 型 も ゴリラ の ように 長い 手 も 、 ロン は クラップ そのもの だった 。

「 おっどろ いた なあ 」 鏡 に 近寄り 、 クラップ の ぺちゃんこの 鼻 を 突っつき ながら ロン が 繰り返し 言った 。 「 おっど ろ いた なあ 」 「 急いだ 方 が いい 」 ハリー は ゴイル の 太い 手首 に 食い込んで いる 腕 時計 の バンド を 緩め なが ら 言った 。 「 スリザリン の 談話 室 が どこ に ある か 見つけ ない と 。 誰 か の あと を つけられれば いいん だけ ど ......」 ハリー を じっと 見つめて いた ロン が 言った 。 「 ねえ 、 ゴイル が なんか 考えて る のって 気味 悪い よ な 」 ロン は ハーマイオニー の 戸 を ドンドン 叩いた 。 「 出て こい よ 。 行か なくちゃ ......」

甲高い 声 が 返って きた 。

「 わたし ―― わたし 行け ない と 思う わ 。 二 人 だけ で 行って 」

「 ハーマイオニー 、 ミリ セント ・ ブルストロード が ブス な の は わかって る よ 。 誰 も 君 だって こと 、 わかりゃ し ない 」

「 ダメ ―― ほんとに ダメ ―― 行け ない わ 。 二 人 と も 急いで 。 時間 を むだに し ないで 」

ハリー は 当惑 して ロン を 見た 。

「 その 目つき の 方 が ゴイル らしい や 」 ロン が 言った 。

「 先生 が やつ に 質問 する と 、 必ず そんな 目 を する 」

「 ハーマイオニー 、 大丈夫な の ?」 ハリー が ドア 越し に 声 を かけた 。

「 大丈夫 ...... わたし は 大丈夫だ から ...... 行って ...」

ハリー は 腕 時計 を 見た 。 貴重な 六十 分 の うち 、 五 分 も たって しまって いた 。

「 あと で ここ で 会おう 。 いいね ?」 ハリー が 言った 。

ハリー と ロン は トイレ の 入り口 の 戸 を そろそろ と 開け 、 周り に 誰 も いない こと を 確かめて か ら 出発 した 。 「 腕 を そんなふうに 振っちゃ ダメだ よ 」 ハリー が ロン に ささやいた 。

「 えっ!」 「 クラップって 、 こんなふうに 腕 を 突っ張って る ......」 「 こうかい ?」 「 ウン 、 その方 が いい 」 二 人 は 大理石 の 階段 を 下りて 行った 。 あと は 、 誰 か スリザリン 生 が 来れば 、 談話 室 まで つい て いけば いい 。 しかし 、 誰 も いない 。 「 なんか いい 考え は ない ?」 ハリー が ささやいた 。

「 スリザリン 生 は 朝食 の とき 、 いつも あの 辺 から 現れる な 」

ロン は 地下 牢 へ の 入口 あたり を 顎 で しゃくった 。 その 言葉 が 終わら ない うち に 、 長い 巻き 毛 の 女子 生徒 が 、 その 入口 から 出て きた 。

「 すみません 」 ロン が 急いで 彼女 に 近寄った 。

「 僕たち の 談話 室 へ の 道 を 忘れちゃった 」 「 なんで すって !」 そっけない 返事 が 返って きた 。 「 僕たち の 談話 室 で すって ! わたし 、 レイブンクロー よ 」

女子 生徒 は うさんくさ そうに 二 人 を 振り返り ながら 立ち去った 。

ハリー と ロン は 急いで 石段 を 下りて いった 。

下 は 暗く 、 クラップ と ゴイル の デカ 足 が 床 を 踏む ので 足音 が ひときわ 大きく こだま した ―― 思った ほど 簡単じゃ ない ―― 二 人 は そう 感じて いた 。

迷路 の ような 廊下 に は 人影 も なかった 。 二 人 は 、 あと 何分 ある か と しょっちゅう 時間 を 確認 し ながら 、 奥 へ 奥 へ と 学校 の 地下 深く 入って いった 。

十五 分 も 歩いて 、 二 人 が あきらめ かけた とき 、 急に 前 の 方 で 何 か 動く 音 が した 。 「 オッ !」 ロン が 勇みたった 。

「 今度 こそ 連中 の 一 人 だ !」

脇 の 部屋 から 誰 か 出て きた 。 しかし 、 急いで 近寄って みる と 、 がっくり した 。

スリザリン 生 で は なく 、 パーシー だった 。

「 こんな ところ で なんの 用 だい ?」 ロン が 驚いて 聞いた 。

パーシー は むっと した 様子 だ 。 そっけない 返事 を した 。

「 そんな こと 、 君 の 知った こと じゃ ない 。 そこ に いる の は クラップ だ な ?」

「 エー ああ 、 ウン 」 ロン が 答えた 。

「 それ じゃ 、 自分 の 寮 に 戻り たまえ 」 パーシー が 厳しく 言った 。

「 このごろ は 暗い 廊下 を うろうろ して いる と 危ない 」

「 自分 は どう な んだ 」 と ロン が 突ついた 。

「 僕 は 」 パーシー は 胸 を 張った 。

「 監督 生 だ 。 僕 を 襲う もの は 何も ない 」。

突然 、 ハリー と ロン の 背後 から 声 が 響いた 。 ドラコ ・ マルフォイ が こっち へ やってくる 。

ハリー は 生まれて 初めて 、 ドラコ に 会えて 嬉しい と 思った 。

「 おまえたち 、 こんな ところ に いた の か 」 マルフォイ が 二 人 を 見て 、 いつも の 気取った 言い 方 を した 。

「 二 人 と も 、 今 まで 大広間 で バカ 食い して いた の か ? ずっと 探して いた んだ 。 すごく おもし ろ い 物 を 見せて やろう と 思って 」

マルフォイ は パーシー を 威圧 する ように にらみつけた 。

「 ところで 、 ウィーズリー 、 こんな ところ で なんの 用 だ ?」 マルフォイ が せ せら 笑った 。

パーシー は カンカン に なった 。

「 監督 生 に 尐 し は 敬意 を 示したら どう だ ! 君 の 態度 は 気 に くわ ん !」

マルフォイ は フン と 鼻 で あしらい 、 ハリー と ロン に ついてこい と 合図 した 。

ハリー は もう 尐 し で パーシー に 謝り そうに なった が 、 危うく 踏みとどまった 。

二 人 は マルフォイ の あと に 続いて 急いだ 。 角 を 曲がって 次の 廊下 に 出る とき 、 マルフォイ が 言った 。

「 あの ピーター ・ ウィーズリー の やつ ――」

「 パーシー 」 思わず ロン が 訂正 した 。

「 なんでも いい 」 と マルフォィ 。

「 あいつ 、 どうも このごろ かぎ 回って いる ようだ 。 何 が 目的 な の か 、 僕 に は わかって る 。 ス リザリン の 継承 者 を 、 一 人 で 捕まえよう と 思って る んだ 」

マルフォイ は 嘲る ように 短く 笑った 。 ハリー と ロン は ドキドキ して 目 と 目 を 見交わした 。

湿った むき出しの 石 が 並ぶ 壁 の 前 で マルフォイ は 立ち止まった 。 「 新しい 合言葉 は な んだった かな ?」 マルフォイ は ハリー に 聞いた 。

「 えー と ――」 「 あ 、 そうそう ―― 純血 !」 マルフォイ は 答え も 開か ず に 合言葉 を 言った 。 壁 に 隠さ れた 石 の 扉 が するする と 開いた 。 マルフォイ が そこ を 通り 、 ハリー と ロン が それ に 続いた 。 スリザリン の 談話 室 は 、 細長い 天井 の 低い 地下 室 で 、 壁 と 天井 は 粗削りの 石 造り だった 。

天井 から 丸い 緑 が かった ランプ が 鎖 で 吊るして ある 。 前方 の 壮大な 彫刻 を 施した 暖炉 で は パ チパチ と 火 が はじけ 、 その 周り に 、 彫刻 入り の 椅子 に 座った スリザリン 生 の 影 が いくつか 見 えた 。 「 ここ で 待って いろ 」 マルフォイ は 暖炉 から 離れた ところ に ある 空 の 椅子 を 二 人 に 示 した 。

「 今 持ってくる よ ―― 父上 が 僕 に 送って くれた ばかりな んだ ――」

いったい 何 を 見せて くれる の か と いぶかり ながら 、 ハリー と ロン は 椅子 に 座り 、 できる だけ くつろいだ ふう を 装った 。

マルフォイ は 間もなく 戻って きた 。 新聞 の 切り抜き の ような 物 を 持って いる 。 それ を ロン の 鼻先 に 突き出した 。

「 これ は 笑える ぞ 」 マルフォイ が 言った 。 ハリー は ロン が 驚いて 目 を 見開いた の を 見た 。 ロン は 切り抜き を 急いで 読み 、 無理に 笑って それ を ハリー に 渡した 。 「 日 刉 予言 者 新聞 」 の 切り抜き だった 。

魔法 省 で の 尋問

マグル 製品 不正 使用 取締 局 、 局長 の アーサー ・ ウィーズリー は マゲル の 自動車 に 魔法 を かけた かどで 、

今日 、 金貨 五十 ガリ オン の 罰金 を 言い渡さ れた 。

ホグワーツ 魔法 魔術 学校 の 理事 の 一 人 、 ルシウス ・ マルフォイ 氏 は 、 今日 、 ウィーズ リー 氏 の 辞任 を 要求 した 。

なお 、 問題 の 車 は 先ごろ 前述 の 学校 に 墜落 して いる 。

「 ウィーズリー は 魔法 省 の 評判 を 貯 め た 」 マルフォイ 氏 は 当社 の 記者 に こう 語った 。

「 氏 は われわれ の 法律 を 制定 する に ふさわしく ない こと は 明らかで 、 彼 の 手 に なる バ カバカ し い

『 マグル 保護 法 』 は ただちに 廃棄 す べきである 」 ウィーズリー 氏 の コメント は 取る こと が でき なかった が 、 彼 の 妻 は 記者 団 に 対し 、 「 とっとと 消え ない と 、 家 の 屋根 裏 お化け を けしかける わ よ 」 と 発言 した 。

「 どう だ !」 ハリー が 切り抜き を 返す と 、 マルフォイ は 待ちきれ ない ように 答え を 促した 。

「 おかしい だろう !」

「 ハッ 、 ハッ 」 ハリー は 沈んだ 声 で 笑った 。

「 アーサー ・ ウィーズリー は あれほど マグル ぴ いきな んだ から 、 杖 を 真っ二つ に へし折って マグル の 仲間 に 入れば いい 」 マルフォイ は 蔑む ように 言った 。

「 ウィーズリー の 連中 の 行動 を 見て みろ 。 ほんとに 純血 か どう か 怪しい もん だ 」

ロン の ―― いや 、 クラップ の ―― 顔 が 怒り で 歪んだ 。

「 クラップ 、 どうかした か ?」 マルフォイ が ぶっきらぼうに 聞いた 。

「 腹 が 痚 い 」 ロン が うめいた 。

「 ああ 、 それ なら 医務 室 に 行け 。 あそこ に いる 『 穢 れた 血 』 の 連中 を 、 僕 から だ と 言って 蹴っ飛ばして やれ 」 マルフォイ が クスクス 笑い ながら 言った 。 「 それにしても 、『 日 刉 予言 者 新聞 』 が 、 これ まで の 事件 を まだ 報道 して いない の に は 驚く よ 」 マルフォイ が 考え 深 げ に 話し 続けた 。 「 たぶん 、 ダンブルドア が 口止め して る んだろう 。 こんな こと が すぐに も お 終い に なら ない と 、 彼 は クビ に なる よ 。 父上 は 、 ダンブルドア が いる こと が 、 この 学校 に とって 最悪の 事態 だ と 、 いつも おっしゃって いる 。 彼 は マグル び いきだ 。 きちんと した 校長 なら 、 あんな ク リービーー みたいな くず の お べん ちゃ ら を 、 絶対 入学 さ せたり は し ない 」

マルフォイ は 架空の カメラ を 構えて 写真 を 撮る 格好 を し 、 コリン そっくり の 残酷な 物まね を し はじめた 。

「 ポッター 、 写真 を 撮って も いい かい ? ポッター 、 サイン を もらえる かい ? 君 の 靴 を なめて も いい かい ? ポッター ?」

マルフォイ は 手 を パタリ と 下ろして ハリー と ロン を 見た 。

「 二 人 と も 、 いったい どうした ん だ !」

もう 遅 過ぎた が 、 二 人 は 無理やり 笑い を ひねり出した 。

それ でも マルフォイ は 満足 した ようだった 。 たぶん 、 クラップ も ゴイル も いつも これ くらい 鈍い のだろう 。

「 聖 ポッター 、『 穢 れた 血 』 の 友 」 マルフォイ は ゆっくり と 言った 。

「 あいつ も やっぱり まともな 魔法使い の 感覚 を 持って いない 。 そう で なければ あの 身のほど 知ら ず の グレンジャー ・ ハーマイオニー なんか と つき合ったり し ない はずだ 。 それなのに 、 みな が あいつ を スリザリン の 継承 者 だ なんて 考えて いる !」

ハリー と ロン は 息 を 殺して 待ち構えた 。 あと ちょっと で マルフォイ は 自分 が やった と 口 を 割 る 。

しかし 、 その とき ―― 「 いったい 誰 が 継承 者 な の か 僕 が 知って たら なあ 」 マルフォイ が じれった そうに 言った 。 「 手伝って やれる のに 」 ロン は 顎 が カクン と 開いた 。 クラップ の 顔 が いつも より もっと 愚 鈍 に 見えた 。 幸い マルフォイ は 気づか ない 。 ハリー は すばやく 質問 した 。 「 誰 が 陰 で 糸 を 引いて る の か 、 君 に 考え が ある んだろう ......」 「 いや 、 ない 。 ゴイル 、 何度 も 同じ こと を 言わ せる な 」

マルフォイ が 短く 答えた 。

「 それ に へ 父上 は 前回 『 部屋 』 が 開か れた とき の こと も 、 まったく 話して くださら ない 。 もっとも 五十 年 前 だ から 、 父上 の 前 の 時代 だ 。 でも 、 父上 は すべて ご存知 だ し 、 すべて が 沈 黙さ せられて いる から 、 僕 が その こと を 知り 過ぎて いる と 怪しま れる と おっしゃる んだ 。 で も 、 一 つ だけ 知っている 。 この前 『 秘密の 部屋 』 が 開か れた とき 、『 穢 れた 血 』 が 一 人 死 ん だ 。 だ から 、 今度 も 時間 の 問題 だ 。 あいつ ら の うち 誰 か が 殺さ れる 。 グレンジャー だ と いい のに 」

マルフォイ は 小気味よ さ そうに 言った 。 ロン は クラップ の 巨大な 拳 を 握りしめて いた 。 ロン が マルフォイ に パンチ を 食らわしたら 、 正体 が ばれて しまう 、 と ハリー は 目 で 警戒 信号 を 送った 。

「 前 に 『 部屋 』 を 開けた 者 が 捕まった か どう か 、 知って る ?」 ハリー が 聞いた 。

「 ああ 、 ウン ...... 誰 だった に せよ 、 追放 さ れた 」 と マルフォイ が 答えた 。

「 たぶん 、 まだ アズカバン に いる だろう 」

「 アズカバン ?」 ハリー は キョトンと した 。

「 アズカバン ―― 魔法使い の 牢獄 だ 」 マルフォイ は 信じられ ない と いう 目つき で ハリー を 見 た 。 「 まったく 、 ゴイル 、 おまえ が これ 以上 うす の ろ だったら 、 後ろ に 歩き はじめる だろう よ 」

「 父上 は 、 僕 が 目立た ない ように して 、 スリザリン の 継承 者 に やる だけ やら せて おけって おっしゃる 。 この 学校 に は 『 穢 れた 血 』 の 粛清 が 必要 だって 。 でも 関 わり合い に なる なって 。 もちろん 、 父上 は 今 、 自分 の 方 も 手一杯な んだ 。 ほら 、 魔法 省 が 先週 、 僕たち の 館 を 立 入り 検査 した だろう ?」 マルフォイ は 椅子 に 座った まま 落ち着か ない 様子 で 体 を 揺すった 。

ハリー は ゴイル の 鈍い 顔 を なんとか 動かして 心配 そうな 表情 を した 。

「 そう な んだ ...!」 と マルフォィ 。

「 幸い 、たいした 物 は 見つから なかった けど 。 父上 は 非常に 貴重な 闇 の 魔術 の 道具 を 持って いる んだ 。 忚接 間 の 床下 に 我が家 の 『 秘密の 部屋 』 が あって ――」

「 ホー !」 ロン が 言った 。 マルフォイ が ロン を 見た 。 ハリー も 見た 。 ロン が 赤く なった 。 髪 の 毛 まで 赤く なった 。

鼻 も だんだん 伸びて きた ―― 時間切れ だ 。 ロン は 自分 に 戻り つつ あった 。 ハリー を 見る ロン の 目 に 急に 恐怖 の 色 が 浮かんだ の は 、 ハリー も そう だ から に 違いない 。 二 人 は 大急ぎで 立ち 上がった 。

「 胃 薬 だ 」 ロン が うめいた 。

二 人 は 振り向き も せ ず 、 スリザリン の 談話 室 を 端 から 端 まで 一目散に 駆け抜け 、 石 の 扉 に 猛 然 と 体当たり し 、 廊下 を 全力 疾走 した 。

―― なにとぞ マルフォイ が なんにも 気づきません ように ―― と 二 人 は 祈った 。 ハリー は ゴイル の ダポ 靴 の 中 で 足 が ズルズル 滑る の を 感じた し 、 自分 が 縮んで 行く ので 、 ローブ を たくし上げ なければ なら なかった 。

二 人 は 階段 を ドタバタ と 駆け上がり 、 暗い 玄関 ホール に たどり着いた 。

クラップ と ゴイル を 閉じ込めて 鍵 を 掛けた 物置 の 中 から 、 激しく ドンドン と 戸 を 叩く こもった 音 が して いる 。 物置 の 戸 の 外側 に 靴 を 置き 、 ソックス の まま 全速力 で 大理石 の 階段 を 上り 、 二 人 は 「 嘆き の マートル 」 の トイレ に 戻った 。

「 まあ 、 まったく 時間 の ムダ に は なら なかった よ な 」 ロン が ぜい ぜい 息 を 切らし ながら 、 ト イレ の 中 から ドア を 閉めた 。

「 襲って いる の が 誰 な の か は まだ わから ない けど 、 明日 パパ に 手紙 を 書いて マルフォイ の 忚 接 間 の 床下 を 調べる ように 言おう 」

ハリー は ひび割れた 鏡 で 自分 の 顔 を 調べた 。 普段 の 顔 に 戻って いた 。 メガネ を かけて いる と 、 ロン が ハーマイオニー の 入って いる 小 部屋 の 戸 を ドンドン 叩いて いた 。

「 ハーマイオニー 、 出て こい よ 。 僕たち 君 に 話す こと が 山ほど ある んだ ――」

「 帰って !」 ハーマイオニー が 叫んだ 。

ハリー と ロン は 顔 を 見合わせた 。

「 どうし たんだい !」 ロン が 聞いた 。

「 もう 元 の 姿 に 戻った はずだ ろ 。 僕たち は ......」

「 嘆き の マートル 」 が 急に する り と その 小 部屋 の 戸 から 出て きた 。

こんなに 嬉し そうな マートル を 、 ハリー は 初めて 見た 。

「 き ゃは は は は は ! 見て の お楽しみ 」 マートル が 言った 「 ひどい から !」

閂 が 横 に 滑る 音 が して 、 ハーマイオニー が 出て きた 。 しゃくりあげ 、 頭 の てっぺん まで ロー ブ を 引っ張り 上げて いる 。

「 どう した んだ よ ?」 ロン が ためらい ながら 聞いた 。 「 ミリ セント の 鼻 か なんか 、 まだ くっついて る の かい !」 ハーマイオニー は ローブ を 下げた 。 ロン が のけぞって 手洗い 台 に はまった 。

ハーマイオニー の 顔 は 黒い 毛 で 覆わ れ 、 目 は 黄色 に 変わって いた し 、 髪 の 毛 の 中 から 、 長い 三角 耳 が 突き出して いた 。

「 あれ 、 ね 、 猫 の 毛 だった の !」 ハーマイオニー が 泣き 喚 いた 。

「 ミ 、 ミリ セント ・ ブルストロード は 猫 を 飼って たに 、 ち 、 違いない わ ! それ に 、 この せ 、 煎じ 薬 は 動物 変身 に 便っちゃ いけない の !」 「 う 、 ぁ 」 と ロン 。 「 あんた 、 ひどく からかわ れる わ よ 」 マートル は 嬉し そうだ 。

「 大丈夫だ よ 、 ハーマイオニー 」 ハリー は 即座に 言って ハーマイオニー の 猫 の 肉 球 に なった 手 を とった 。

「 医務 室 に 連れて 行って あげる よ 。 マダム ・ ポンフリー は うるさく 追及 し ない 人 だし ......」 ハーマイオニー に トイレ から 出る よう 説得 する のに 、 ずいぶん 時間 が かかった 。

「 嘆き の マートル 」 が ゲラゲラ 大笑い して 三 人 を 煽り たて 、 マートル の 言葉 に 追わ れる よう に 、 三 人 は 足 を 速めた 。

「 みんな が あんた の 尻尾 を 見つけて 、 な ー ん て 言う かしら ー !」

12.2.2 ポリジュース 薬 - The Polyjuice Potion |くすり|the|polyjuice|potion 12.2.2 The Polyjuice Potion 12.2.2 Veelvoudsap - Het Veelvoudsap Drankje 12.2.2 Eliksir wielosokowy - eliksir wielosokowy 12.2.2 Полюбовное зелье - The Polyjuice Potion 12.2.2 Polyjuicedrycken - Polyjuicedrycken 12.2.2 复方汤剂

ハリー が 耳 を 掻く と ゴイル も 掻いた 。 ||みみ||かく||||かいた Harry scratched his ear and Goyle did the same.

ロン の 戸 が 開いた 。 ||と||あいた 二 人 は 互いに ジロジロ 見た 。 ふた|じん||たがいに|じろじろ|みた

ちょっと 青ざめて ショック を 受けた 様子 を 別に すれば 、 鍋 底 カット の 髪 型 も ゴリラ の ように 長い 手 も 、 ロン は クラップ そのもの だった 。 |あおざめて|しょっく||うけた|ようす||べつに||なべ|そこ|かっと||かみ|かた||ごりら|||ながい|て|||||その もの| Apart from the slightly pale and shocked appearance, Ron was the clap itself, with the hairstyle of the pot bottom cut and the long hands like a gorilla.

「 おっどろ いた なあ 」  鏡 に 近寄り 、 クラップ の ぺちゃんこの 鼻 を 突っつき ながら ロン が 繰り返し 言った 。 お っ どろ|||きよう||ちかより||||はな||つ っ つき||||くりかえし|いった I'm surprised," Ron reiterated as he approached the mirror and poked at Clapp's flat nose. 「 おっど ろ いた なあ 」 「 急いだ 方 が いい 」 ハリー は ゴイル の 太い 手首 に 食い込んで いる 腕 時計 の バンド を 緩め なが ら 言った 。 お っど||||いそいだ|かた|||||||ふとい|てくび||くいこんで||うで|とけい||ばんど||ゆるめ|な が||いった "I'm afraid." "You should hurry." Harry said, loosening the band on his arm watch that was biting into Goyle's thick wrist. 「 スリザリン の 談話 室 が どこ に ある か 見つけ ない と 。 ||だんわ|しつ||||||みつけ|| "I have to find out where the Slytherin's lounge is. 誰 か の あと を つけられれば いいん だけ ど ......」  ハリー を じっと 見つめて いた ロン が 言った 。 だれ|||||つけ られれば|||||||みつめて||||いった I wish I could follow someone. ...... said Ron, who was staring at Harry. 「 ねえ 、 ゴイル が なんか 考えて る のって 気味 悪い よ な 」  ロン は ハーマイオニー の 戸 を ドンドン 叩いた 。 ||||かんがえて|||きみ|わるい|||||||と||どんどん|たたいた The first thing that comes to my mind is that it's weird to see Goyle thinking about anything," Ron said, pounding on Hermione's door. 「 出て こい よ 。 でて|| 行か なくちゃ ......」 いか| I gotta go ......"

甲高い 声 が 返って きた 。 かんだかい|こえ||かえって| A high-pitched voice came back.

「 わたし ―― わたし 行け ない と 思う わ 。 ||いけ|||おもう| 二 人 だけ で 行って 」 ふた|じん|||おこなって

「 ハーマイオニー 、 ミリ セント ・ ブルストロード が ブス な の は わかって る よ 。 |みり|せんと||||||||| 誰 も 君 だって こと 、 わかりゃ し ない 」 だれ||きみ||||| I don't know that no one is you. "

「 ダメ ―― ほんとに ダメ ―― 行け ない わ 。 だめ||だめ|いけ|| 二 人 と も 急いで 。 ふた|じん|||いそいで 時間 を むだに し ないで 」 じかん||||

ハリー は 当惑 して ロン を 見た 。 ||とうわく||||みた

「 その 目つき の 方 が ゴイル らしい や 」 ロン が 言った 。 |めつき||かた|||||||いった "It looks more like Goyle," Ron said.

「 先生 が やつ に 質問 する と 、 必ず そんな 目 を する 」 せんせい||||しつもん|||かならず||め|| "Whenever the teacher asks a question, he always looks like that."

「 ハーマイオニー 、 大丈夫な の ?」 ハリー が ドア 越し に 声 を かけた 。 |だいじょうぶな||||どあ|こし||こえ||

「 大丈夫 ...... わたし は 大丈夫だ から ...... 行って ...」 だいじょうぶ|||だいじょうぶだ||おこなって

ハリー は 腕 時計 を 見た 。 ||うで|とけい||みた 貴重な 六十 分 の うち 、 五 分 も たって しまって いた 。 きちょうな|ろくじゅう|ぶん|||いつ|ぶん|||| Of the precious sixty minutes, five minutes had passed.

「 あと で ここ で 会おう 。 ||||あおう いいね ?」 ハリー が 言った 。 |||いった

ハリー と ロン は トイレ の 入り口 の 戸 を そろそろ と 開け 、 周り に 誰 も いない こと を 確かめて か ら 出発 した 。 ||||といれ||いりぐち||と||||あけ|まわり||だれ|||||たしかめて|||しゅっぱつ| 「 腕 を そんなふうに 振っちゃ ダメだ よ 」 ハリー が ロン に ささやいた 。 うで|||ふっちゃ|だめだ|||||| "Don't shake your arms like that," Harry whispered to Ron.

「 えっ!」 「 クラップって 、 こんなふうに 腕 を 突っ張って る ......」 「 こうかい ?」 「 ウン 、 その方 が いい 」  二 人 は 大理石 の 階段 を 下りて 行った 。 |クラップ って||うで||つっぱって||||そのほう|||ふた|じん||だいりせき||かいだん||おりて|おこなった What? "Claps stick their arms out like this. ......" "Like this?" "Yeah, that's better." They went down the marble stairs. あと は 、 誰 か スリザリン 生 が 来れば 、 談話 室 まで つい て いけば いい 。 ||だれ|||せい||くれば|だんわ|しつ||||| If a Slytherin student comes along, you can follow him or her to the common room. しかし 、 誰 も いない 。 |だれ|| 「 なんか いい 考え は ない ?」 ハリー が ささやいた 。 ||かんがえ|||||

「 スリザリン 生 は 朝食 の とき 、 いつも あの 辺 から 現れる な 」 |せい||ちょうしょく|||||ほとり||あらわれる| "Slytherin raw does not always appear from that side at breakfast."

ロン は 地下 牢 へ の 入口 あたり を 顎 で しゃくった 。 ||ちか|ろう|||いりぐち|||あご||しゃく った Ron squeezed around the entrance to the dungeon with his chin. その 言葉 が 終わら ない うち に 、 長い 巻き 毛 の 女子 生徒 が 、 その 入口 から 出て きた 。 |ことば||おわら||||ながい|まき|け||じょし|せいと|||いりぐち||でて|

「 すみません 」 ロン が 急いで 彼女 に 近寄った 。 |||いそいで|かのじょ||ちかよった

「 僕たち の 談話 室 へ の 道 を 忘れちゃった 」 「 なんで すって !」 そっけない 返事 が 返って きた 。 ぼくたち||だんわ|しつ|||どう||わすれちゃ った||||へんじ||かえって| "I forgot the way to our common room." "Why did you do that? I received a curt reply. 「 僕たち の 談話 室 で すって ! わたし 、 レイブンクロー よ 」 ぼくたち||だんわ|しつ|||||

女子 生徒 は うさんくさ そうに 二 人 を 振り返り ながら 立ち去った 。 じょし|せいと|||そう に|ふた|じん||ふりかえり||たちさった The female student looked back at them suspiciously and walked away.

ハリー と ロン は 急いで 石段 を 下りて いった 。 ||||いそいで|いしだん||おりて| Harry and Ron hurried down the stone steps.

下 は 暗く 、 クラップ と ゴイル の デカ 足 が 床 を 踏む ので 足音 が ひときわ 大きく こだま した ―― 思った ほど 簡単じゃ ない ―― 二 人 は そう 感じて いた 。 した||くらく||||||あし||とこ||ふむ||あしおと|||おおきく|||おもった||かんたんじゃ||ふた|じん|||かんじて| It was dark underneath, and Clap and Goyle's big feet stepped on the floor, so the footsteps echoed very loudly-not as easy as I thought-they felt that way.

迷路 の ような 廊下 に は 人影 も なかった 。 めいろ|||ろうか|||ひとかげ|| There was not a soul to be seen in the maze of corridors. 二 人 は 、 あと 何分 ある か と しょっちゅう 時間 を 確認 し ながら 、 奥 へ 奥 へ と 学校 の 地下 深く 入って いった 。 ふた|じん|||なにぶん|||||じかん||かくにん|||おく||おく|||がっこう||ちか|ふかく|はいって| The two went deeper into the basement of the school, constantly checking how many minutes were left.

十五 分 も 歩いて 、 二 人 が あきらめ かけた とき 、 急に 前 の 方 で 何 か 動く 音 が した 。 じゅうご|ぶん||あるいて|ふた|じん|||||きゅうに|ぜん||かた||なん||うごく|おと|| I walked for fifteen minutes, and when they gave up, I suddenly heard something moving in front of me. 「 オッ !」 ロン が 勇みたった 。 |||いさみたった

「 今度 こそ 連中 の 一 人 だ !」 こんど||れんちゅう||ひと|じん| "This time I'm one of them!"

脇 の 部屋 から 誰 か 出て きた 。 わき||へや||だれ||でて| しかし 、 急いで 近寄って みる と 、 がっくり した 。 |いそいで|ちかよって||||

スリザリン 生 で は なく 、 パーシー だった 。 |せい|||||

「 こんな ところ で なんの 用 だい ?」 ロン が 驚いて 聞いた 。 ||||よう||||おどろいて|きいた

パーシー は むっと した 様子 だ 。 ||||ようす| そっけない 返事 を した 。 |へんじ||

「 そんな こと 、 君 の 知った こと じゃ ない 。 ||きみ||しった||| "That's not what you knew. そこ に いる の は クラップ だ な ?」 Is there a clap? "

「 エー ああ 、 ウン 」 ロン が 答えた 。 |||||こたえた

「 それ じゃ 、 自分 の 寮 に 戻り たまえ 」 パーシー が 厳しく 言った 。 ||じぶん||りょう||もどり||||きびしく|いった Then go back to your dormitory," Percy said sternly.

「 このごろ は 暗い 廊下 を うろうろ して いる と 危ない 」 ||くらい|ろうか||||||あぶない "These days, it's not safe to wander down dark hallways."

「 自分 は どう な んだ 」 と ロン が 突ついた 。 じぶん||||||||つついた "What about yourself?" Ron poked at him.

「 僕 は 」 パーシー は 胸 を 張った 。 ぼく||||むね||はった

「 監督 生 だ 。 かんとく|せい| "I'm a director. 僕 を 襲う もの は 何も ない 」。 ぼく||おそう|||なにも| There is nothing to attack me. "

突然 、 ハリー と ロン の 背後 から 声 が 響いた 。 とつぜん|||||はいご||こえ||ひびいた ドラコ ・ マルフォイ が こっち へ やってくる 。

ハリー は 生まれて 初めて 、 ドラコ に 会えて 嬉しい と 思った 。 ||うまれて|はじめて|||あえて|うれしい||おもった

「 おまえたち 、 こんな ところ に いた の か 」 マルフォイ が 二 人 を 見て 、 いつも の 気取った 言い 方 を した 。 |||||||||ふた|じん||みて|||きどった|いい|かた||

「 二 人 と も 、 今 まで 大広間 で バカ 食い して いた の か ? ずっと 探して いた んだ 。 ふた|じん|||いま||おおひろま||ばか|くい||||||さがして|| Were you two eating in the hall all this time? I've been looking for you. すごく おもし ろ い 物 を 見せて やろう と 思って 」 ||||ぶつ||みせて|||おもって

マルフォイ は パーシー を 威圧 する ように にらみつけた 。 ||||いあつ||| Malfoy glanced at Percy intimidatingly.

「 ところで 、 ウィーズリー 、 こんな ところ で なんの 用 だ ?」 マルフォイ が せ せら 笑った 。 ||||||よう||||||わらった

パーシー は カンカン に なった 。 ||かんかん||

「 監督 生 に 尐 し は 敬意 を 示したら どう だ ! 君 の 態度 は 気 に くわ ん !」 かんとく|せい|||||けいい||しめしたら|||きみ||たいど||き||| Why don't you show some respect to your supervisor? I don't like your attitude!

マルフォイ は フン と 鼻 で あしらい 、 ハリー と ロン に ついてこい と 合図 した 。 ||ふん||はな|||||||||あいず|

ハリー は もう 尐 し で パーシー に 謝り そうに なった が 、 危うく 踏みとどまった 。 ||||||||あやまり|そう に|||あやうく|ふみとどまった Harry was close to apologizing to Percy, but narrowly avoided it.

二 人 は マルフォイ の あと に 続いて 急いだ 。 ふた|じん||||||つづいて|いそいだ 角 を 曲がって 次の 廊下 に 出る とき 、 マルフォイ が 言った 。 かど||まがって|つぎの|ろうか||でる||||いった

「 あの ピーター ・ ウィーズリー の やつ ――」

「 パーシー 」 思わず ロン が 訂正 した 。 |おもわず|||ていせい|

「 なんでも いい 」 と マルフォィ 。

「 あいつ 、 どうも このごろ かぎ 回って いる ようだ 。 ||||まわって|| He seems to be snooping around these days. 何 が 目的 な の か 、 僕 に は わかって る 。 なん||もくてき||||ぼく|||| ス リザリン の 継承 者 を 、 一 人 で 捕まえよう と 思って る んだ 」 |||けいしょう|もの||ひと|じん||つかまえよう||おもって|| I'm trying to single-handedly capture the heir to the thrizarin throne."

マルフォイ は 嘲る ように 短く 笑った 。 ||あざける||みじかく|わらった ハリー と ロン は ドキドキ して 目 と 目 を 見交わした 。 ||||どきどき||め||め||みかわした

湿った むき出しの 石 が 並ぶ 壁 の 前 で マルフォイ は 立ち止まった 。 しめった|むきだしの|いし||ならぶ|かべ||ぜん||||たちどまった Malfoy stopped in front of a wall of wet, bare stones. 「 新しい 合言葉 は な んだった かな ?」 マルフォイ は ハリー に 聞いた 。 あたらしい|あいことば|||||||||きいた

「 えー と ――」 「 あ 、 そうそう ―― 純血 !」 マルフォイ は 答え も 開か ず に 合言葉 を 言った 。 |||そう そう|じゅんけつ|||こたえ||あか|||あいことば||いった 壁 に 隠さ れた 石 の 扉 が するする と 開いた 。 かべ||かくさ||いし||とびら||||あいた マルフォイ が そこ を 通り 、 ハリー と ロン が それ に 続いた 。 ||||とおり|||||||つづいた スリザリン の 談話 室 は 、 細長い 天井 の 低い 地下 室 で 、 壁 と 天井 は 粗削りの 石 造り だった 。 ||だんわ|しつ||ほそながい|てんじょう||ひくい|ちか|しつ||かべ||てんじょう||あらけずりの|いし|つくり|

天井 から 丸い 緑 が かった ランプ が 鎖 で 吊るして ある 。 てんじょう||まるい|みどり|||らんぷ||くさり||つるして| 前方 の 壮大な 彫刻 を 施した 暖炉 で は パ チパチ と 火 が はじけ 、 その 周り に 、 彫刻 入り の 椅子 に 座った スリザリン 生 の 影 が いくつか 見 えた 。 ぜんぽう||そうだいな|ちょうこく||ほどこした|だんろ||||||ひ||||まわり||ちょうこく|はいり||いす||すわった||せい||かげ||いく つ か|み| 「 ここ で 待って いろ 」 マルフォイ は 暖炉 から 離れた ところ に ある 空 の 椅子 を 二 人 に 示 した 。 ||まって||||だんろ||はなれた||||から||いす||ふた|じん||しめ| "Wait here." Malfoy showed them an empty chair away from the fireplace.

「 今 持ってくる よ ―― 父上 が 僕 に 送って くれた ばかりな んだ ――」 いま|もってくる||ちちうえ||ぼく||おくって||| "I'll bring it now-I just sent it to me-"

いったい 何 を 見せて くれる の か と いぶかり ながら 、 ハリー と ロン は 椅子 に 座り 、 できる だけ くつろいだ ふう を 装った 。 |なん||みせて|||||||||||いす||すわり||||||よそおった

マルフォイ は 間もなく 戻って きた 。 ||まもなく|もどって| 新聞 の 切り抜き の ような 物 を 持って いる 。 しんぶん||きりぬき|||ぶつ||もって| それ を ロン の 鼻先 に 突き出した 。 ||||はなさき||つきだした

「 これ は 笑える ぞ 」 マルフォイ が 言った 。 ||わらえる||||いった ハリー は ロン が 驚いて 目 を 見開いた の を 見た 。 ||||おどろいて|め||みひらいた|||みた ロン は 切り抜き を 急いで 読み 、 無理に 笑って それ を ハリー に 渡した 。 ||きりぬき||いそいで|よみ|むりに|わらって|||||わたした Ron hurriedly read the clipping and handed it to Harry with a forced smile. 「 日 刉 予言 者 新聞 」 の 切り抜き だった 。 ひ||よげん|もの|しんぶん||きりぬき| It was a clipping from the Daily Prophet.

魔法 省 で の 尋問 まほう|しょう|||じんもん

マグル 製品 不正 使用 取締 局 、 局長 の アーサー ・ ウィーズリー は マゲル の 自動車 に 魔法 を かけた かどで 、 |せいひん|ふせい|しよう|とりしまり|きょく|きょくちょう|||||||じどうしゃ||まほう||| Arthur Weasley, Director General of the Muggle Product Fraud Control Agency, has cast a spell on Muggle's car.

今日 、 金貨 五十 ガリ オン の 罰金 を 言い渡さ れた 。 きょう|きんか|ごじゅう|がり|おん||ばっきん||いいわたさ|

ホグワーツ 魔法 魔術 学校 の 理事 の 一 人 、 ルシウス ・ マルフォイ 氏 は 、 今日 、 ウィーズ リー 氏 の 辞任 を 要求 した 。 |まほう|まじゅつ|がっこう||りじ||ひと|じん|||うじ||きょう|||うじ||じにん||ようきゅう|

なお 、 問題 の 車 は 先ごろ 前述 の 学校 に 墜落 して いる 。 |もんだい||くるま||さきごろ|ぜんじゅつ||がっこう||ついらく||

「 ウィーズリー は 魔法 省 の 評判 を 貯 め た 」 マルフォイ 氏 は 当社 の 記者 に こう 語った 。 ||まほう|しょう||ひょうばん||ちょ||||うじ||とうしゃ||きしゃ|||かたった "Weasley has built up the reputation of the Ministry of Magic," Malfoy told our reporters.

「 氏 は われわれ の 法律 を 制定 する に ふさわしく ない こと は 明らかで 、 彼 の 手 に なる バ カバカ し い うじ||||ほうりつ||せいてい|||||||あきらかで|かれ||て|||||| "It's clear that he isn't worthy of enacting our law, and it's ridiculous in his hands.

『 マグル 保護 法 』 は ただちに 廃棄 す べきである 」 ウィーズリー 氏 の コメント は 取る こと が でき なかった が 、 彼 の 妻 は 記者 団 に 対し 、 「 とっとと 消え ない と 、 家 の 屋根 裏 お化け を けしかける わ よ 」 と 発言 した 。 |ほご|ほう|||はいき||||うじ||こめんと||とる||||||かれ||つま||きしゃ|だん||たいし||きえ|||いえ||やね|うら|おばけ||||||はつげん| Mr. Weasley could not be reached for comment, but his wife told reporters, "If you don't get out of here, I'm going to scare the ghosts out of the attic.

「 どう だ !」 ハリー が 切り抜き を 返す と 、 マルフォイ は 待ちきれ ない ように 答え を 促した 。 ||||きりぬき||かえす||||まちきれ|||こたえ||うながした "How are you!" Harry returned the clipping, and Malfoy urged him not to wait.

「 おかしい だろう !」 "It's funny!"

「 ハッ 、 ハッ 」 ハリー は 沈んだ 声 で 笑った 。 ||||しずんだ|こえ||わらった

「 アーサー ・ ウィーズリー は あれほど マグル ぴ いきな んだ から 、 杖 を 真っ二つ に へし折って マグル の 仲間 に 入れば いい 」 マルフォイ は 蔑む ように 言った 。 |||||||||つえ||まっぷたつ||へしおって|||なかま||はいれば||||さげすむ||いった "Arthur Weasley is so crazy about Muggles that he should fold his wand in half and join the Muggles," Malfoy said with contempt.

「 ウィーズリー の 連中 の 行動 を 見て みろ 。 ||れんちゅう||こうどう||みて| Look at what they're doing at Weasley. ほんとに 純血 か どう か 怪しい もん だ 」 |じゅんけつ||||あやしい|| It's really a question of purity of blood."

ロン の ―― いや 、 クラップ の ―― 顔 が 怒り で 歪んだ 。 |||||かお||いかり||ゆがんだ Ron's - no, Krapp's - face contorted in anger.

「 クラップ 、 どうかした か ?」 マルフォイ が ぶっきらぼうに 聞いた 。 ||||||きいた

「 腹 が 痚 い 」 ロン が うめいた 。 はら||||||

「 ああ 、 それ なら 医務 室 に 行け 。 |||いむ|しつ||いけ "Oh, then go to the medical office. あそこ に いる 『 穢 れた 血 』 の 連中 を 、 僕 から だ と 言って 蹴っ飛ばして やれ 」  マルフォイ が クスクス 笑い ながら 言った 。 |||あい||ち||れんちゅう||ぼく||||いって|け っ とばして||||くすくす|わらい||いった Kick off the "dirty blood" guys over there, saying it's from me, "Malfoy said with a giggle. 「 それにしても 、『 日 刉 予言 者 新聞 』 が 、 これ まで の 事件 を まだ 報道 して いない の に は 驚く よ 」  マルフォイ が 考え 深 げ に 話し 続けた 。 |ひ||よげん|もの|しんぶん|||||じけん|||ほうどう||||||おどろく||||かんがえ|ふか|||はなし|つづけた "Nevertheless, it's surprising that the Newspaper of the Prophet of Japan hasn't reported on the incident so far," Malfoy continued to think deeply. 「 たぶん 、 ダンブルドア が 口止め して る んだろう 。 |||くちどめ||| Maybe Dumbledore is keeping him quiet. こんな こと が すぐに も お 終い に なら ない と 、 彼 は クビ に なる よ 。 ||||||しまい|||||かれ||くび||| If this doesn't end right away, he'll get sick. 父上 は 、 ダンブルドア が いる こと が 、 この 学校 に とって 最悪の 事態 だ と 、 いつも おっしゃって いる 。 ちちうえ||||||||がっこう|||さいあくの|じたい||||| Father always says that Dumbledore is the worst thing that could ever happen to this school. 彼 は マグル び いきだ 。 かれ|||| きちんと した 校長 なら 、 あんな ク リービーー みたいな くず の お べん ちゃ ら を 、 絶対 入学 さ せたり は し ない 」 ||こうちょう||||リービー-|||||||||ぜったい|にゅうがく||||| If you are a proper principal, you will never enroll such a crap like that Creebee. "

マルフォイ は 架空の カメラ を 構えて 写真 を 撮る 格好 を し 、 コリン そっくり の 残酷な 物まね を し はじめた 。 ||かくうの|かめら||かまえて|しゃしん||とる|かっこう||||||ざんこくな|ものまね||| Malfoy dressed up as a photographer with an imaginary camera and began to do a cruel imitation of Colin.

「 ポッター 、 写真 を 撮って も いい かい ? ポッター 、 サイン を もらえる かい ? 君 の 靴 を なめて も いい かい ? ポッター ?」 |しゃしん||とって|||||さいん||||きみ||くつ||||||

マルフォイ は 手 を パタリ と 下ろして ハリー と ロン を 見た 。 ||て||ぱたり||おろして|||||みた Malfoy slammed his hand down to see Harry and Ron.

「 二 人 と も 、 いったい どうした ん だ !」 ふた|じん|||||| "What happened to the two of us!"

もう 遅 過ぎた が 、 二 人 は 無理やり 笑い を ひねり出した 。 |おそ|すぎた||ふた|じん||むりやり|わらい||ひねりだした It was too late, but they forced themselves to laugh.

それ でも マルフォイ は 満足 した ようだった 。 ||||まんぞく|| たぶん 、 クラップ も ゴイル も いつも これ くらい 鈍い のだろう 。 ||||||||にぶい|

「 聖 ポッター 、『 穢 れた 血 』 の 友 」 マルフォイ は ゆっくり と 言った 。 せい||あい||ち||とも|||||いった

「 あいつ も やっぱり まともな 魔法使い の 感覚 を 持って いない 。 ||||まほうつかい||かんかく||もって| He doesn't have the senses of a proper wizard either. そう で なければ あの 身のほど 知ら ず の グレンジャー ・ ハーマイオニー なんか と つき合ったり し ない はずだ 。 ||||みのほど|しら|||||||つきあったり||| Otherwise, I wouldn't be dating a stranger Hermione or something like that. それなのに 、 みな が あいつ を スリザリン の 継承 者 だ なんて 考えて いる !」 |||||||けいしょう|もの|||かんがえて| And yet, everyone thinks he's the heir to Slytherin!

ハリー と ロン は 息 を 殺して 待ち構えた 。 ||||いき||ころして|まちかまえた Harry and Ron held their breath and waited. あと ちょっと で マルフォイ は 自分 が やった と 口 を 割 る 。 |||||じぶん||||くち||わり| In a little while, Malfoy says he did it.

しかし 、 その とき ―― 「 いったい 誰 が 継承 者 な の か 僕 が 知って たら なあ 」 マルフォイ が じれった そうに 言った 。 ||||だれ||けいしょう|もの||||ぼく||しって||||||そう に|いった But then-- "I wish I knew who was the heir," Malfoy said. 「 手伝って やれる のに 」 ロン は 顎 が カクン と 開いた 。 てつだって|||||あご||||あいた "I can help you," Ron opened his chin. クラップ の 顔 が いつも より もっと 愚 鈍 に 見えた 。 ||かお|||||ぐ|どん||みえた Clapp's face looked even duller than usual. 幸い マルフォイ は 気づか ない 。 さいわい|||きづか| Fortunately, Malfoy doesn't notice. ハリー は すばやく 質問 した 。 |||しつもん| 「 誰 が 陰 で 糸 を 引いて る の か 、 君 に 考え が ある んだろう ......」 「 いや 、 ない 。 だれ||かげ||いと||ひいて||||きみ||かんがえ||||| "I wonder if you have any idea who is pulling the thread behind the scenes ..." "No, no. ゴイル 、 何度 も 同じ こと を 言わ せる な 」 |なんど||おなじ|||いわ|| Goyle, don't let me say the same thing over and over again. "

マルフォイ が 短く 答えた 。 ||みじかく|こたえた

「 それ に へ 父上 は 前回 『 部屋 』 が 開か れた とき の こと も 、 まったく 話して くださら ない 。 |||ちちうえ||ぜんかい|へや||あか|||||||はなして|| "And my dad didn't tell me at all about the last time the'room'was opened. もっとも 五十 年 前 だ から 、 父上 の 前 の 時代 だ 。 |ごじゅう|とし|ぜん|||ちちうえ||ぜん||じだい| However, since it was fifty years ago, it was the time before my father. でも 、 父上 は すべて ご存知 だ し 、 すべて が 沈 黙さ せられて いる から 、 僕 が その こと を 知り 過ぎて いる と 怪しま れる と おっしゃる んだ 。 |ちちうえ|||ごぞんじ|||||しず|もくさ|せら れて|||ぼく|||||しり|すぎて|||あやしま|||| But my dad knows everything, and because everything is silenced, he says I'm suspicious if I know too much about it. で も 、 一 つ だけ 知っている 。 ||ひと|||しっている この前 『 秘密の 部屋 』 が 開か れた とき 、『 穢 れた 血 』 が 一 人 死 ん だ 。 この まえ|ひみつの|へや||あか|||あい||ち||ひと|じん|し|| The last time the "Secret Room" was opened, one "Dirty Blood" died. だ から 、 今度 も 時間 の 問題 だ 。 ||こんど||じかん||もんだい| So it's only a matter of time again. あいつ ら の うち 誰 か が 殺さ れる 。 ||||だれ|||ころさ| One of them will be killed. グレンジャー だ と いい のに 」 I wish I was a Granger. "

マルフォイ は 小気味よ さ そうに 言った 。 ||こきみよ||そう に|いった ロン は クラップ の 巨大な 拳 を 握りしめて いた 。 ||||きょだいな|けん||にぎりしめて| ロン が マルフォイ に パンチ を 食らわしたら 、 正体 が ばれて しまう 、 と ハリー は 目 で 警戒 信号 を 送った 。 ||||ぱんち||くらわしたら|しょうたい|||||||め||けいかい|しんごう||おくった Harry sent a visual alert, saying that if Ron punched Malfoy, he would be unidentified.

「 前 に 『 部屋 』 を 開けた 者 が 捕まった か どう か 、 知って る ?」 ハリー が 聞いた 。 ぜん||へや||あけた|もの||つかまった||||しって||||きいた Do you know if the person who opened the room before was ever caught? Harry asked.

「 ああ 、 ウン ...... 誰 だった に せよ 、 追放 さ れた 」 と マルフォイ が 答えた 。 ||だれ||||ついほう||||||こたえた "Oh, uh ... whoever was banished," Malfoy replied.

「 たぶん 、 まだ アズカバン に いる だろう 」

「 アズカバン ?」 ハリー は キョトンと した 。 |||きょとんと|

「 アズカバン ―― 魔法使い の 牢獄 だ 」 マルフォイ は 信じられ ない と いう 目つき で ハリー を 見 た 。 |まほうつかい||ろうごく||||しんじ られ||||めつき||||み| 「 まったく 、 ゴイル 、 おまえ が これ 以上 うす の ろ だったら 、 後ろ に 歩き はじめる だろう よ 」 |||||いじょう|||||うしろ||あるき||| "Well, Goyle, if you were any more thin, you would start walking behind."

「 父上 は 、 僕 が 目立た ない ように して 、 スリザリン の 継承 者 に やる だけ やら せて おけって おっしゃる 。 ちちうえ||ぼく||めだた||||||けいしょう|もの||||||おけ って| "My father tells me to keep me inconspicuous and let Slytherin's heirs do it. この 学校 に は 『 穢 れた 血 』 の 粛清 が 必要 だって 。 |がっこう|||あい||ち||しゅくせい||ひつよう| でも 関 わり合い に なる なって 。 |かん|わりあい||| But it became a relationship. もちろん 、 父上 は 今 、 自分 の 方 も 手一杯な んだ 。 |ちちうえ||いま|じぶん||かた||ていっぱいな| Of course, my father has his hands full with himself right now. ほら 、 魔法 省 が 先週 、 僕たち の 館 を 立 入り 検査 した だろう ?」 マルフォイ は 椅子 に 座った まま 落ち着か ない 様子 で 体 を 揺すった 。 |まほう|しょう||せんしゅう|ぼくたち||かん||た|はいり|けんさ|||||いす||すわった||おちつか||ようす||からだ||ゆすった You see, the Ministry of Magic went in and inspected our mansion last week? ”Malfoy shook his body in a restless manner while sitting in a chair.

ハリー は ゴイル の 鈍い 顔 を なんとか 動かして 心配 そうな 表情 を した 。 ||||にぶい|かお|||うごかして|しんぱい|そう な|ひょうじょう|| Harry managed to move Goyle's dull face to make a worried look.

「 そう な んだ ...!」 と マルフォィ 。 I see...!" Malfoy said.

「 幸い 、たいした 物 は 見つから なかった けど 。 さいわい||ぶつ||みつから|| "Fortunately, I couldn't find much. 父上 は 非常に 貴重な 闇 の 魔術 の 道具 を 持って いる んだ 。 ちちうえ||ひじょうに|きちょうな|やみ||まじゅつ||どうぐ||もって|| My father has a very valuable tool of dark magic. 忚接 間 の 床下 に 我が家 の 『 秘密の 部屋 』 が あって ――」 忚せつ|あいだ||ゆかした||わがや||ひみつの|へや|| There is a "secret room" in my house under the floor between the rooms. "

「 ホー !」 ロン が 言った 。 |||いった マルフォイ が ロン を 見た 。 ||||みた ハリー も 見た 。 ||みた ロン が 赤く なった 。 ||あかく| Ron turned red. 髪 の 毛 まで 赤く なった 。 かみ||け||あかく| Even my hair turned red.

鼻 も だんだん 伸びて きた ―― 時間切れ だ 。 はな|||のびて||じかんぎれ| My nose is getting longer and longer-time is up. ロン は 自分 に 戻り つつ あった 。 ||じぶん||もどり|| ハリー を 見る ロン の 目 に 急に 恐怖 の 色 が 浮かんだ の は 、 ハリー も そう だ から に 違いない 。 ||みる|||め||きゅうに|きょうふ||いろ||うかんだ|||||||||ちがいない The sudden look of fear in Ron's eyes as he looked at Harry must have been because Harry was the same way. 二 人 は 大急ぎで 立ち 上がった 。 ふた|じん||おおいそぎで|たち|あがった

「 胃 薬 だ 」 ロン が うめいた 。 い|くすり||||

二 人 は 振り向き も せ ず 、 スリザリン の 談話 室 を 端 から 端 まで 一目散に 駆け抜け 、 石 の 扉 に 猛 然 と 体当たり し 、 廊下 を 全力 疾走 した 。 ふた|じん||ふりむき||||||だんわ|しつ||はし||はし||いちもくさんに|かけぬけ|いし||とびら||もう|ぜん||たいあたり||ろうか||ぜんりょく|しっそう| Without turning around, they ran from one end of the Slytherin common room to the other, slammed into the stone door, and ran down the hallway as fast as they could.

―― なにとぞ マルフォイ が なんにも 気づきません ように ―― と 二 人 は 祈った 。 ||||きづき ませ ん|||ふた|じん||いのった -- They prayed that Malfoy would not notice anything. ハリー は ゴイル の ダポ 靴 の 中 で 足 が ズルズル 滑る の を 感じた し 、 自分 が 縮んで 行く ので 、 ローブ を たくし上げ なければ なら なかった 。 |||||くつ||なか||あし||ずるずる|すべる|||かんじた||じぶん||ちぢんで|いく||||たくしあげ||| Harry felt his feet slipping in Goyle's Dapo shoes and had to tuck in his robes as he shrank.

二 人 は 階段 を ドタバタ と 駆け上がり 、 暗い 玄関 ホール に たどり着いた 。 ふた|じん||かいだん||どたばた||かけあがり|くらい|げんかん|ほーる||たどりついた

クラップ と ゴイル を 閉じ込めて 鍵 を 掛けた 物置 の 中 から 、 激しく ドンドン と 戸 を 叩く こもった 音 が して いる 。 ||||とじこめて|かぎ||かけた|ものおき||なか||はげしく|どんどん||と||たたく||おと||| From inside the locked storage room with the claps and goyles trapped, there is a muffled sound of banging on the door. 物置 の 戸 の 外側 に 靴 を 置き 、 ソックス の まま 全速力 で 大理石 の 階段 を 上り 、 二 人 は 「 嘆き の マートル 」 の トイレ に 戻った 。 ものおき||と||そとがわ||くつ||おき|そっくす|||ぜんそくりょく||だいりせき||かいだん||のぼり|ふた|じん||なげき||||といれ||もどった

「 まあ 、 まったく 時間 の ムダ に は なら なかった よ な 」 ロン が ぜい ぜい 息 を 切らし ながら 、 ト イレ の 中 から ドア を 閉めた 。 ||じかん||むだ|||||||||||いき||きらし|||||なか||どあ||しめた "Well, it wasn't a waste of time at all." Ron closed the door from inside the toilet, breathlessly at best.

「 襲って いる の が 誰 な の か は まだ わから ない けど 、 明日 パパ に 手紙 を 書いて マルフォイ の 忚 接 間 の 床下 を 調べる ように 言おう 」 おそって||||だれ|||||||||あした|ぱぱ||てがみ||かいて||||つ|あいだ||ゆかした||しらべる||いおう "I still don't know who is attacking, but tomorrow I'll write a letter to my dad and tell him to look under the floor of Malfoy's room."

ハリー は ひび割れた 鏡 で 自分 の 顔 を 調べた 。 ||ひびわれた|きよう||じぶん||かお||しらべた Harry examined his face in the cracked mirror. 普段 の 顔 に 戻って いた 。 ふだん||かお||もどって| メガネ を かけて いる と 、 ロン が ハーマイオニー の 入って いる 小 部屋 の 戸 を ドンドン 叩いて いた 。 めがね|||||||||はいって||しょう|へや||と||どんどん|たたいて| As I was putting on my glasses, I saw Ron banging on the door of Hermione's room.

「 ハーマイオニー 、 出て こい よ 。 |でて|| 僕たち 君 に 話す こと が 山ほど ある んだ ――」 ぼくたち|きみ||はなす|||やまほど||

「 帰って !」 ハーマイオニー が 叫んだ 。 かえって|||さけんだ

ハリー と ロン は 顔 を 見合わせた 。 ||||かお||みあわせた

「 どうし たんだい !」 ロン が 聞いた 。 どう し||||きいた

「 もう 元 の 姿 に 戻った はずだ ろ 。 |もと||すがた||もどった|| 僕たち は ......」 ぼくたち|

「 嘆き の マートル 」 が 急に する り と その 小 部屋 の 戸 から 出て きた 。 なげき||||きゅうに|||||しょう|へや||と||でて|

こんなに 嬉し そうな マートル を 、 ハリー は 初めて 見た 。 |うれし|そう な|||||はじめて|みた

「 き ゃは は は は は ! 見て の お楽しみ 」 マートル が 言った 「 ひどい から !」 ||||||みて||おたのしみ|||いった||

閂 が 横 に 滑る 音 が して 、 ハーマイオニー が 出て きた 。 かんぬき||よこ||すべる|おと|||||でて| しゃくりあげ 、 頭 の てっぺん まで ロー ブ を 引っ張り 上げて いる 。 |あたま|||||||ひっぱり|あげて| Raise the lob to the top of your head.

「 どう した んだ よ ?」 ロン が ためらい ながら 聞いた 。 ||||||||きいた 「 ミリ セント の 鼻 か なんか 、 まだ くっついて る の かい !」 ハーマイオニー は ローブ を 下げた 。 みり|せんと||はな||||||||||||さげた "Isn't Millicent's nose still stuck!" Hermione lowered her robe. ロン が のけぞって 手洗い 台 に はまった 。 |||てあらい|だい|| Ron slipped into the restroom.

ハーマイオニー の 顔 は 黒い 毛 で 覆わ れ 、 目 は 黄色 に 変わって いた し 、 髪 の 毛 の 中 から 、 長い 三角 耳 が 突き出して いた 。 ||かお||くろい|け||おおわ||め||きいろ||かわって|||かみ||け||なか||ながい|さんかく|みみ||つきだして|

「 あれ 、 ね 、 猫 の 毛 だった の !」 ハーマイオニー が 泣き 喚 いた 。 ||ねこ||け|||||なき|かん|

「 ミ 、 ミリ セント ・ ブルストロード は 猫 を 飼って たに 、 ち 、 違いない わ ! それ に 、 この せ 、 煎じ 薬 は 動物 変身 に 便っちゃ いけない の !」 「 う 、 ぁ 」 と ロン 。 |みり|せんと|||ねこ||かって|||ちがいない||||||せんじ|くすり||どうぶつ|へんしん||びん っちゃ|||||| "Millicent Bulstrode must have had a cat! And besides, this infusion mustn't be used for animal transformations! "Uh-oh." And Ron . 「 あんた 、 ひどく からかわ れる わ よ 」 マートル は 嬉し そうだ 。 ||||||||うれし|そう だ "You're terribly ridiculed." Myrtle looks happy.

「 大丈夫だ よ 、 ハーマイオニー 」 ハリー は 即座に 言って ハーマイオニー の 猫 の 肉 球 に なった 手 を とった 。 だいじょうぶだ|||||そくざに|いって|||ねこ||にく|たま|||て||

「 医務 室 に 連れて 行って あげる よ 。 いむ|しつ||つれて|おこなって|| マダム ・ ポンフリー は うるさく 追及 し ない 人 だし ......」 ハーマイオニー に トイレ から 出る よう 説得 する のに 、 ずいぶん 時間 が かかった 。 ||||ついきゅう|||じん||||といれ||でる||せっとく||||じかん|| Madame Pomfrey is a noisy pursuit ... "It took a long time to persuade Hermione to get out of the bathroom.

「 嘆き の マートル 」 が ゲラゲラ 大笑い して 三 人 を 煽り たて 、 マートル の 言葉 に 追わ れる よう に 、 三 人 は 足 を 速めた 。 なげき|||||おおわらい||みっ|じん||あおり||||ことば||おわ||||みっ|じん||あし||はやめた As "Moaning Myrtle" laughed and laughed at them, and they were chased by Myrtle's words, they speeded up.

「 みんな が あんた の 尻尾 を 見つけて 、 な ー ん て 言う かしら ー !」 ||||しっぽ||みつけて||-|||いう||- "I wonder if everyone finds your tail and says it!"