×

我們使用cookies幫助改善LingQ。通過流覽本網站,表示你同意我們的 cookie policy.


image

1 - Harry Potter, 9.1 真 夜中 の 決闘

9.1 真 夜中 の 決闘

第 9 章 真 夜中 の 決闘 CHAPTER NINE The Midnight Duel

ダドリー より 嫌な ヤツ が この 世の中 に いる なんて 、 ハリー は 思って も み なかった 。 でも それ は ドラコ ・ マルフォイ と 出会う まで の 話 だ 。 一 年生 で は グリフィンドール と スリザリン が 一緒の クラス に なる の は 魔法 薬学 の 授業 だけ だった ので 、 グリフィンドール 寮生 も マルフォイ の こと で それほど 嫌な 思い を せ ず に すんだ 。 少なくとも 、 グリフィンドール の 談話 室 に 「 お 知らせ 」 が 出る まで は そう だった 。 掲示 を 読んで みんな がっくり した 。

── 飛行 訓練 は 木曜日 に 始まります 。 グリフィンドール と スリザリン と の 合同 授業 です ──

「 そら きた 。 お 望み どおり だ 。 マルフォイ の 目の前 で 箒 に 乗って 、 物笑い の 種 に なる の さ 」

何より も 空 を 飛ぶ 授業 を 楽しみに して いた ハリー は 、 失望 した 。

「 そう なる と は かぎら ない よ 。 あいつ 、 クィディッチ が うまい って いつも 自慢 して る けど 、 口先 だけ だ よ 」 ロン の 言う こと は もっとも だった 。

マルフォイ は 確かに よく 飛行 の 話 を した し 、 一 年生 が クィディッチ ・ チーム の 寮 代表 選手 に なれ ない なんて 残念だ と みんな の 前 で 聞こえ よ がし に 不満 を 言った 。 マルフォイ の 長ったらしい 自慢 話 は 、 なぜ か いつも 、 マグル の 乗った ヘリコプター を 危うく かわした ところ で 話 が 終わる 。 自慢 する の は マルフォイ ばかり で は ない 。 シェーマス ・ フィネガン は 、 子供 の 頃 いつも 箒 に 乗って 、 田舎 の 上空 を 飛び回って いた と いう 。 ロン で さえ 、 聞いて くれる 人 が いれば 、 チャーリー の お 古 の 箒 に 乗って 、 ハンググライダー に ぶつかり そうに なった 時 の 話 を した だろう 。

魔法使い の 家 の 子 は みんな ひっきりなしに クィディッチ の 話 を した 。 ロン も 同室 の ディーン ・ トーマス と サッカー に ついて 、 大 論争 を やら かして いた 。 ロン に して みれば 、 ボール が たった 一 つ しか なくて 、 しかも 選手 が 飛べ ない ゲーム なんて どこ が おもしろい の か わから ない 、 と いう わけだ 。 ディーン の 好きな ウエスト ハム ・ サッカー チーム の ポスター の 前 で 、 ロン が 選手 を 指 で つついて 動かそう と して いる の を ハリー は 見た こと が ある 。

ネビル は 今 まで 一 度 も 箒 に 乗った こと が なかった 。 おばあ さん が 決して 近づか せ なかった から で 、 ハリー も 密かに お ばあさん が 正しい と 思った 。 だいたい ネビル は 両足 が 地面 に 着いて いたって 、 ひっきりなしに 事故 を 起こす のだ から 。

ハーマイオニー ・ グレンジャー も 飛ぶ こと に 関して は ネビル と 同じ ぐらい ピリピリ して いた 。 これ ばっかり は 、 本 を 読んで 暗記 すれば すむ もの で は ない ── だからといって 彼女 が 飛行 の 本 を 読ま なかった わけで は ない 。 木曜日 の 朝食 の 時 ハーマイオニー は 図書 館 で 借りた 「 クィディッチ 今昔 」 で 仕入れた 飛行 の コツ を ウンザリ する ほど 話し まくった 。 ネビル だけ は 、 ハーマイオニー の 話 に 今 しがみついて いれば 、 あと で 箒 に も しがみついて いられる と 思った の か 、 必死で 一言 も 聞き漏らす まい と した 。 その 時 ふくろう 便 が 届き 、 ハーマイオニー の 講義 が さえぎら れた ので みんな ホッと した 。

ハグリッド の 手紙 の 後 、 ハリー に は ただ の 一 通 も 手紙 が 来て いない 。 もちろん マルフォイ は すぐに それ に 気 が ついた 。 マルフォイ の ワシ ミミズク は 、 いつも 家 から 菓子 の 包み を 運んで きた し 、 マルフォイ は スリザリン の テーブル で いつも 得意 げ に それ を 広げて みせた 。

めん ふくろう が ネビル に おばあ さん から の 小さな 包み を 持ってきた 。 ネビル は ウキウキ と それ を 開けて 、 白い 煙 の ような もの が 詰まって いる ように 見える 大きな ビー 玉 ぐらい の ガラス 玉 を みんな に 見せた 。

「『 思いだし 玉 』 だ ! ばあちゃん は 僕 が 忘れっぽい こと 知って る から ── 何 か 忘れて る と 、 この 玉 が 教えて くれる んだ 。 見て て ごらん 。 こういうふうに ギュッと 握る んだ よ 。 もし 赤く なったら ── あれ れ ……」

思いだし 玉 が 突然 真っ赤に 光り だした ので 、 ネビル は 愕然と した 。

「…… 何 か を 忘れて るって こと な んだ けど ……」 ネビル が 何 を 忘れた の か 思い出そう と して いる 時 、 マルフォイ が グリフィンドール の テープル の そば を 通りかかり 、 玉 を ひったくった 。

ハリー と ロン は はじける ように 立ち上がった 。 二 人 と も マルフォイ と 喧嘩 する 口実 を 心 の どこ か で 待って いた 。 ところが マクゴナガル 先生 が サッと 現れた 。 いざこざ を 目ざとく 見つける の は いつも マクゴナガル 先生 だった 。

「 どうした ん です か ? 」 「 先生 、 マルフォイ が 僕 の 『 思いだし 玉 』 を 取った んです 」 マルフォイ は しかめっ面 で 、 すばやく 玉 を テーブル に 戻した 。 「 見て た だけ です よ 」

そう 言う と 、 マルフォイ は クラップ と ゴイル を 従えて スルリ と 逃げた 。

その 日 の 午後 三 時 半 、 ハリー も ロン も 、 グリフィンドール 寮生 と 一緒に 、 始めて の 飛行 訓練 を 受ける ため 、 正面 階段 から 校庭 へ と 急いだ 。 よく 晴れた 少し 風 の ある 日 で 、 足下 の 草 が サワサワ と 波立って いた 。 傾斜 の ある 芝生 を 下り 、 校庭 を 横切って 平坦な 芝生 まで 歩いて 行く と 、 校庭 の 反対 側 に は 「 禁じられた 森 」 が 見え 、 遠く の 方 に 暗い 森 の 木々 が 揺れて いた 。 スリザリン 寮生 は すでに 到着 して いて 、 二十 本 の 箒 が 地面 に 整然と 並べられて いた 。 ハリー は 双子 の フレッド と ジョージ が 、 学校 の 箒 の こと を こぼして いた の を 思い出した 。 高い 所 に 行く と 震え だす 箒 と か 、 どうしても 少し 左 に 行って しまう くせ が ある もの と か 。

マダム ・ フーチ が 来た 。 白髪 を 短く 切り 、 鷹 の ような 黄色い 目 を して いる 。

「 なに を ボヤボヤ して る んです か 」 開口一番 ガミガミ だ 。 「 みんな 箒 の そば に 立って 。 さあ 、 早く 」

ハリー は 自分 の 箒 を チラリ と 見下ろした 。 古ぼけて 、 小枝 が 何 本 か とんでもない 方向 に 飛び出して いる 。

「 右手 を 箒 の 上 に 突き出して 」 マダム ・ フーチ が 掛け声 を かけた 。

「 そして 、『 上がれ ! 』 と 言う 」

みんな が 「 上がれ ! 」 と 叫んだ 。

ハリー の 箒 は すぐさま 飛び上がって ハリー の 手 に 収まった が 、 飛び上った 箒 は 少なかった 。

ハーマイオニー の 箒 は 地面 を コロリ と 転がった だけ で 、 ネビル の 箒 と きたら ピクリ と も し ない 。

たぶん 箒 も 馬 と 同じで 、 乗り手 が 恐 がって いる の が わかる んだ 、 と ハリー は 思った 。 ネビル の 震え 声 じゃ 、 地面 に 両足 を 着けて いたい 、 と 言って いる の が 見え見え だ 。 次に マダム ・ フーチ は 、 箒 の 端 から 滑り落ち ない ように 箒 に またがる 方法 を やって 見せ 、 生徒 たち の 列 の 間 を 回って 、 箒 の 振り 方 を 直した 。 マルフォイ が ずっと 間違った 握り 方 を して いた と 先生 に 指摘 さ れた ので 、 ハリー と ロン は 大喜びだった 。

「 さあ 、 私 が 笛 を 吹いたら 、 地面 を 強く 蹴って ください 。 箒 は ぐらつか ない ように 押さえ 、 二 メートル ぐらい 浮上 して 、 それ から 少し 前屈み に なって すぐに 降りて きて ください 。 笛 を 吹いたら です よ ── 一 、 二 の ──」

ところが 、 ネビル は 、 緊張 する やら 怖気づく やら 、 一 人 だけ 地上 に 置いてきぼり を 食い たく ない の やら で 、 先生 の 唇 が 笛 に 触れる 前 に 思いきり 地面 を 蹴って しまった 。

「 こら 、 戻って き なさい ! 」 先生 の 大声 を よそ に 、 ネビル は シャンペン の コルク 栓 が 抜けた ように ヒューッ と 飛んで いった ── 四 メートル ── 六 メートル ── ハリー は ネビル が 真っ青な 顔 で グングン 離れて いく 地面 を 見下ろして いる の を 見た 。 声 に なら ない 悲鳴 を 上げ 、 ネビル は 箒 から 真っ逆さまに 落ちた 。 そして ……

ガーン ── ドサッ 、 ポキッ と いう いやな 昔 を たてて 、 ネビル は 草 の 上 に うつぶせ に 墜落 し 、 草地 に こぶ が できた ように 突っ伏した 。 箒 だけ は さらに 高く 高く 昇り 続け 、「 禁じられた 森 」 の 方 へ ユラユラ 漂い はじめ 、 やがて 見え なく なって しまった 。 マダム ・ フーチ は 、 ネビル と 同じ くらい 真っ青に なって 、 ネビル の 上 に 屈み込んだ 。

「 手首 が 折れて る わ 」

ハリー は 先生 が そう つぶやく の を 開いた 。

「 さあ さあ 、 ネビル 、 大丈夫 。 立って 」

先生 は 他の 生徒 の ほう に 向き直った 。

「 私 が この 子 を 医務 室 に 連れて いきます から 、 その 間 誰 も 動いて は いけません 。 箒 も そのまま に して 置いて おく ように 。 さ も ない と 、 クィディッチ の 『 ク 』 を 言う 前 に ホグワーツ から 出て いって もらいます よ 」 「 さあ 、 行きましょう 」 涙 で グチャグチャ の 顔 を した ネビル は 、 手首 を 押さえ 、 先生 に 抱きかかえられる ように して 、 ヨレヨレ に なって 歩いて いった 。 二 人 が もう 声 の 届か ない ところ まで 行った とたん 、 マルフォイ は 大声 で 笑い 出した 。

「 あいつ の 顔 を 見た か ? あの 大 まぬけ の 」

他の スリザリン 寮生 たち も はやし立てた 。

「 やめて よ 、 マルフォイ 」 パーバティ ・ パチル が とがめた 。

「 ヘー 、 ロングボトム の 肩 を 持つ の ? 」 「 パーバティったら 、 まさか あなた が 、 チビデブ の 泣き虫 小僧 に 気 が ある なんて 知ら なかった わ 」 気 の 強そうな スリザリン の 女の子 、 パンジィ ・ パーキンソン が 冷やかした 。

「 ごらん よ ! 」 マルフォイ が 飛び出して 草むら の 中 から 何 か を 拾い 出した 。 「 ロングボトム の ばあさん が 送って きた バカ 玉 だ 」

マルフォイ が 高々 と さし上げる と 、『 思い出し 玉 』 は キラキラ と 陽 に 輝いた 。

「 マルフォイ 、 こっち へ 渡して もらおう 」

ハリー の 静かな 声 に 、 みんな は おしゃべり を 止め 、 二 人 に 注目 した 。

マルフォイ は ニヤリ と 笑った 。

「 それ じゃ 、 ロングボトム が 後 で 取り に こら れる 所 に 置いて おく よ 。 そうだ な ── 木 の 上 なんて どう だい ? 」 「 こっち に 渡せったら ! 」 ハリー は 強い 口調 で 言った 。 マルフォイ は ヒラリ と 箒 に 乗り 、 飛び上がった 。 上手に 飛べる と 言って いた の は 確かに うそ で は なかった ── マルフォイ は 樫 の 木 の 梢 と 同じ 高 さ まで 舞い上がり 、 そこ に 浮いた まま 呼びかけた 。

「 ここ まで 取り に こい よ 、 ポッター 」

ハリー は 箒 を つかんだ 。

「 ダメ ! フーチ 先生 が おっしゃった でしょう 、 動いちゃ いけないって 。 私 たち みんな が 迷惑 する の よ 」

ハーマイオニー が 叫んだ 。

ハリー は 無視 した 。 ドクン 、 ドクン と 血 が 騒ぐ の を 感じた 。 箒 に またがり 地面 を 強く 蹴る と 、 ハリー は 急 上昇 した 。 高く 高く 、 風 を 切り 、 髪 が なびく 。 マント が はためく 。 強く 激しい 喜び が 押し寄せて くる 。

── 僕 に は 教えて もらわ なくて も できる こと が あった んだ ── 簡単だ よ 。 飛ぶ って なんて 素晴らしい んだ ! もっと 高い ところ に 行こう 。

ハリー は 箒 を 上向き に 引っ張った 。 下 で 女の子 たち が 息 を のみ 、 キャーキャ一 言う 声 や 、 ロン が 感心 して 歓声 を 上げて いる の が 聞こえた 。

ハリー は クルリ と 箒 の 向き を 変え 、 空中 で マルフォイ と 向き合った 。 マルフォイ は 呆然と して いる 。

「 こっち へ 渡せ よ 。 でないと 箒 から 突き落として やる 」

「 へえ 、 そうかい ? 」 マルフォイ は せ せら 笑おう と した が 、 顔 が こわばって いた 。 不思議な こと に 、 どう すれば いい か ハリー に は わかって いた 。 前屈み に なる 。 そして 箒 を 両手 で しっかり と つかむ 。 すると 箒 は 槍 の ように マルフォイ めがけて 飛び出した 。 マルフォイ は 危 く かわした 。 ハリー は 鋭く 一 回転 して 、 箒 を しっかり つかみ なおした 。 下 で は 何 人 か 拍手 を して いる 。

「 クラップ も ゴイル も ここ まで は 助け に こない ぞ 。 ピンチ だ な 、 マルフォイ 」

マルフォイ も ちょうど 同じ こと を 考えた らしい 。

「 取れる もの なら 取る が いい 、 ほら ! 」 と 叫んで 、 マルフォイ は ガラス 玉 を 空中 高く 放り投げ 、 稲妻 の ように 地面 に 戻って いった 。 ハリー に は 高く 上がった 玉 が 次に 落下 し はじめる の が 、 まるで スローモーション で 見て いる ように よく 見えた 。 ハリー は 前屈み に なって 箒 の 柄 を 下 に 向けた 。 次の 瞬間 、 ハリー は 一直線 に 急 降下 し 、 見るみる スピード を 上げて 玉 と 競走 して いた 。 下 で 見て いる 人 の 悲鳴 と 交じり 合って 、 風 が 耳元 で ヒューヒュー 鳴った ── ハリー は 手 を 伸ばす ── 地面 スレスレ の ところ で 玉 を つかんだ 。 間一髪 で ハリー は 箒 を 引き上げ 、 水平に 立てなおし 、 草 の 上 に 転がる ように 軟 着陸 した 。 「 思いだし 玉 」 を しっかり と 手のひら に 握りしめた まま 。

「 ハリー ・ ポッター …! 」 マクゴナガル 先生 が 走って きた 。 ハリー の 気持 は 、 今しがた の ダイビング より なお 速い スピード で しぼんで いった 。 ハリー は ブルブル 震え ながら 立ち上った 。

「 まさか ── こんな こと は ホグワーツ で 一 度 も ……」 マクゴナガル 先生 は ショック で 言葉 も 出 なかった 。 メガネ が 激しく 光って いる 。

「…… よくも まあ 、 そんな 大それた こと を …… 首 の 骨 を 折った かも しれ ない のに ──」

「 先生 、 ハリー が 悪い んじゃ ない んです ……」

「 お だまり なさい 。 ミス ・ パチル ──」

「 でも 、 マルフォイ が ……」

「 くどい です よ 。 ミスター ・ ウィーズリー 。 ポッター 、 さあ 、 一緒に いらっしゃい 」

マクゴナガル 先生 は 大股 に 城 に 向かって 歩き 出し 、 ハリー は 麻痺 した ように トボトボ と ついて いった 。 マルフォイ 、 クラップ 、 ゴイル の 勝ち誇った 顔 が チラリ と 目 に 入った 。 僕 は 退学 に なる んだ 。 わかって る 。 弁解 し たかった が 、 どういう わけ か 声 が 出 ない 。 マクゴナガル 先生 は 、 ハリー に は 目 も くれ ず 飛ぶ ように 歩いた 。 ハリー は ほとんど かけ足 に なら ない と ついて いけなかった 。

── とうとう やって しまった 。 二 週間 も もた なかった 。 きっと 十 分 後 に は 荷物 を まとめる ハメ に なって いる 。 僕 が 玄関 に 姿 を 現したら 、 ダーズリー 一家 は なんて 言う だろう ?

正面 階段 を 上がり 、 大理石 の 階段 を 上がり 、 それ でも マクゴナガル 先生 は ハリー に 一言 も 口 を きか ない 。 先生 は ドア を グイッ と ひねる ように 開け 、 廊下 を 突き進む 。 ハリー は 惨めな 姿 で 早 足 で ついていく …… たぶん 、 ダンブルドア の ところ に 連れて いく んだろう な 。 ハリー は ハグリッド の こと を 考えた 。 彼 も 退学 に は なった けど 、 森 の 番人 と して ここ に いる 。 もしかしたら ハグリッド の 助手 に なれる かも しれ ない 。 ロン や 他の 子 が 魔法使い に なって いく の を そば で 見 ながら 、 僕 は ハグリッド の 荷物 を かついで 、 校庭 を は い ず り 回って いる んだ …… 想像 する だけ で 胃 が よじれる 思い だった 。

マクゴナガル 先生 は 教室 の 前 で 立ち止まり 、 ドア を 開けて 中 に 首 を 乗っ込んだ 。 「 フリットウィック 先生 。 申し訳 ありません が 、 ちょっと ウッド を お 借り できません か 」 ウッド ? ウッド つて 、 木 の こと ? 僕 を 叩く ため の 棒 の こと か な 。 ハリー は わけ が わから なかった 。

ウッド は 人間 だった 。 フリットウィック 先生 の クラス から 出て きた の は たくましい 五 年生 で 、 何ごと だろう と いう 顔 を して いた 。

「 二 人 と も 私 に ついて いらっしゃい 」

そう 言う なり マクゴナガル 先生 は どんどん 廊下 を 歩き 出した 。 ウッド は 珍しい もの でも 見る ように ハリー を 見て いる 。

「 お 入り なさい 」

マクゴナガル 先生 は 人気 の ない 教室 を 指し示した 。 中 で ピーブズ が 黒板 に 下品な 言葉 を 書きなぐ つて いた 。

「 出て いき なさい 、 ピーブズ ! 」 先生 に 一喝 されて ピーブズ の 投げた チョーク が ゴミ 箱 に 当たり 、 大きな 音 を たてた 。 ピーブズ は 捨て ぜ り ふ を 吐き ながら スイーッ と 出て いった 。 マクゴナガル 先生 は その 後ろ から ドア を ピシャリ と 閉めて 、 二 人 の 方 に 向きなおった 。

「 ポッター 、 こちら 、 オリバー ・ ウッド です 。 ウッド 、 シーカー を 見つけました よ 」 狐 に つまま れた ようだった ウッド の 表情 が ほころんだ 。

「 本当です か ? 」 「 間違い ありません 」 先生 は きっぱり と 言った 。 「 この 子 は 生まれつき そう な んです 。 あんな もの を 私 は 初めて 見ました 。 ポッター 、 初めて な んでしょう ? 箒 に 乗った の は 」

ハリー は 黙って うなずいた 。 事態 が どう なって いる の か 、 さっぱり わから なかった が 、 退学 処分 だけ は 免れ そうだ 。 ようやく 足 に も 感覚 が 戻って きた 。 マクゴナガル 先生 が ウッド に 説明 して いる 。

「 この 子 は 、 今 手 に 持って いる 玉 を 、 十六 メートル も ダイビング して つかみました 。 かすり傷 ひと つ 負わ ず に 。 チャーリー ・ ウィーズリー だって そんな こと できません でした よ 」 ウッド は 夢 が 一挙に 実現 した と いう 顔 を した 。

「 ポッター 、 クィディッチ の 試合 を 見た こと ある かい ? 」 ウッド の 声 が 興奮 して いる 。

「 ウッド は グリフィンドール ・ チーム の キャプテン です 」 先生 が 説明 して くれた 。

「 体格 も シーカー に ぴったり だ 」

ウッド は ハリー の 回り を 歩き ながら しげしげ 観察 して いる 。

「 身軽 だ し …… すばしこい し …… ふさわしい 箒 を 持た せ ない と いけません ね 、 先生 ── ニンバス 2000 と か 、 クリーンスイープ の 7 番 なんか が いい です ね 」 「 私 から ダンブルドア 先生 に 話して みましょう 。 一 年生 の 規則 を 曲げられる か どう か 。 是が非でも 去年 より は 強い チーム に しなければ 。 あの 最終 試合 で スリザリン に ペシャンコ に されて 、 私 は それ から 何 週間 も セブルス ・ スネイプ の 顔 を まともに 見られません でした よ ……」 マクゴナガル 先生 は メガネ ご し に 厳格な 目つき で ハリー を 見た 。

「 ポッター 、 あなた が 厳しい 練習 を 積んで いる と いう 報告 を 聞きたい もの です 。 さ も ない と 処罰 に ついて 考え 直す かも しれません よ 」 それ から 突然 先生 は にっこり した 。

「 あなた の お 父 さま が どんなに お 喜び に なった こと か 。 お 父 さま も 素晴らしい 選手 でした 」

9.1 真 夜中 の 決闘 まこと|よなか||けっとう 9.1 Mitternachtsduell 9.1 Midnight duel 9.1 Duelo da meia-noite 9.1 Midnattsduell 9.1 午夜决斗 9.1 午夜決鬥

第 9 章 真 夜中 の 決闘 CHAPTER NINE The Midnight Duel だい|しょう|まこと|よなか||けっとう|chapter|nine|the|midnight|duel Chapter 9 Midnight Duel CHAPTER NINE The Midnight Duel

ダドリー より 嫌な ヤツ が この 世の中 に いる なんて 、 ハリー は 思って も み なかった 。 ||いやな|やつ|||よのなか||||||おもって||| Harry never thought that there was a guy in the world who was worse than Dudley. でも それ は ドラコ ・ マルフォイ と 出会う まで の 話 だ 。 ||||||であう|||はなし| But that was until I met Draco Malfoy. 一 年生 で は グリフィンドール と スリザリン が 一緒の クラス に なる の は 魔法 薬学 の 授業 だけ だった ので 、 グリフィンドール 寮生 も マルフォイ の こと で それほど 嫌な 思い を せ ず に すんだ 。 ひと|ねんせい|||||||いっしょの|くらす|||||まほう|やくがく||じゅぎょう|||||りょうせい|||||||いやな|おもい||||| In the first grade, Gryffindor and Slytherin were in the same class only in the magic pharmacy class, so the Gryffindor dormitory students didn't have to worry too much about Malfoy. 少なくとも 、 グリフィンドール の 談話 室 に 「 お 知らせ 」 が 出る まで は そう だった 。 すくなくとも|||だんわ|しつ|||しらせ||でる|||| At least that was the case until the "Notice" appeared in Gryffindor's lounge. 掲示 を 読んで みんな がっくり した 。 けいじ||よんで||| Everyone was disappointed when I read the bulletin board.

── 飛行 訓練 は 木曜日 に 始まります 。 ひこう|くんれん||もくようび||はじまり ます ── Flight training will begin on Thursday. グリフィンドール と スリザリン と の 合同 授業 です ── |||||ごうどう|じゅぎょう| This is a joint class with Gryffindor and Slytherin ──

「 そら きた 。 "Sora came. お 望み どおり だ 。 |のぞみ|| That's what you want. マルフォイ の 目の前 で 箒 に 乗って 、 物笑い の 種 に なる の さ 」 ||めのまえ||そう||のって|ものわらい||しゅ|||| Riding on a broom in front of Malfoy, it becomes a seed of laughter. "

何より も 空 を 飛ぶ 授業 を 楽しみに して いた ハリー は 、 失望 した 。 なにより||から||とぶ|じゅぎょう||たのしみに|||||しつぼう| Harry, der sich mehr als auf alles andere auf die Flugstunden gefreut hatte, war enttäuscht. Above all, Harry, who was looking forward to the class flying in the sky, was disappointed.

「 そう なる と は かぎら ない よ 。 "It doesn't always happen. あいつ 、 クィディッチ が うまい って いつも 自慢 して る けど 、 口先 だけ だ よ 」 ||||||じまん||||くちさき||| He's always proud of his good Quidditch, but he's just his mouth. " ロン の 言う こと は もっとも だった 。 ||いう|||| Ron was right.

マルフォイ は 確かに よく 飛行 の 話 を した し 、 一 年生 が クィディッチ ・ チーム の 寮 代表 選手 に なれ ない なんて 残念だ と みんな の 前 で 聞こえ よ がし に 不満 を 言った 。 ||たしかに||ひこう||はなし||||ひと|ねんせい|||ちーむ||りょう|だいひょう|せんしゅ|||||ざんねんだ||||ぜん||きこえ||||ふまん||いった Malfoy did talk a lot about flying, and complained in front of everyone that it was a pity that the first graders couldn't be the dormitory representatives of the Quidditch team. マルフォイ の 長ったらしい 自慢 話 は 、 なぜ か いつも 、 マグル の 乗った ヘリコプター を 危うく かわした ところ で 話 が 終わる 。 ||ながったらしい|じまん|はなし|||||||のった|へりこぷたー||あやうく||||はなし||おわる Malfoy's lengthy bragging story ends, for some reason, always at risk of dodging a helicopter with a Muggle on it. 自慢 する の は マルフォイ ばかり で は ない 。 じまん|||||||| Malfoy isn't the only one to brag about. シェーマス ・ フィネガン は 、 子供 の 頃 いつも 箒 に 乗って 、 田舎 の 上空 を 飛び回って いた と いう 。 |||こども||ころ||そう||のって|いなか||じょうくう||とびまわって||| Seamus Finnigan said that when he was a kid, he used to ride a broom and fly over the countryside. ロン で さえ 、 聞いて くれる 人 が いれば 、 チャーリー の お 古 の 箒 に 乗って 、 ハンググライダー に ぶつかり そうに なった 時 の 話 を した だろう 。 |||きいて||じん||||||ふる||そう||のって||||そう に||じ||はなし||| Even Ron would have told the story of when he was about to hit a hang glider on Charlie's old broom, if anyone could open it.

魔法使い の 家 の 子 は みんな ひっきりなしに クィディッチ の 話 を した 。 まほうつかい||いえ||こ||||||はなし|| All the children of the Wizard's House talked about Quidditch all the time. ロン も 同室 の ディーン ・ トーマス と サッカー に ついて 、 大 論争 を やら かして いた 。 ||どうしつ|||||さっかー|||だい|ろんそう|||| Ron also had a great debate over football with Dean Thomas in the same room. ロン に して みれば 、 ボール が たった 一 つ しか なくて 、 しかも 選手 が 飛べ ない ゲーム なんて どこ が おもしろい の か わから ない 、 と いう わけだ 。 ||||ぼーる|||ひと|||||せんしゅ||とべ||げーむ||||||||||| For Ron, he has only one ball, and he doesn't know what's interesting about a game where players can't fly. ディーン の 好きな ウエスト ハム ・ サッカー チーム の ポスター の 前 で 、 ロン が 選手 を 指 で つついて 動かそう と して いる の を ハリー は 見た こと が ある 。 ||すきな|うえすと|はむ|さっかー|ちーむ||ぽすたー||ぜん||||せんしゅ||ゆび|||うごかそう||||||||みた||| Harry sah einmal, wie Ron einen Spieler vor einem Poster von Deans Lieblings-Fußballteam aus West Ham anstupste und versuchte, ihn dazu zu bringen, sich zu bewegen. In front of Dean's favorite West Ham football team poster, Harry has seen Ron poking his finger at a player and trying to move him.

ネビル は 今 まで 一 度 も 箒 に 乗った こと が なかった 。 ||いま||ひと|たび||そう||のった||| Neville has never been on a broom. おばあ さん が 決して 近づか せ なかった から で 、 ハリー も 密かに お ばあさん が 正しい と 思った 。 |||けっして|ちかづか|||||||ひそかに||||ただしい||おもった Harry secretly thought she was right because she never approached her. だいたい ネビル は 両足 が 地面 に 着いて いたって 、 ひっきりなしに 事故 を 起こす のだ から 。 |||りょうあし||じめん||ついて|||じこ||おこす|| For the most part Neville keeps getting into accidents even with both feet on the ground.

ハーマイオニー ・ グレンジャー も 飛ぶ こと に 関して は ネビル と 同じ ぐらい ピリピリ して いた 。 |||とぶ|||かんして||||おなじ||ぴりぴり|| Hermione Granger was as enthusiastic about flying as Neville. これ ばっかり は 、 本 を 読んで 暗記 すれば すむ もの で は ない ── だからといって 彼女 が 飛行 の 本 を 読ま なかった わけで は ない 。 |||ほん||よんで|あんき||||||||かのじょ||ひこう||ほん||よま|||| This isn't all you need to read and memorize a book-but that doesn't mean she didn't read a flight book. 木曜日 の 朝食 の 時 ハーマイオニー は 図書 館 で 借りた 「 クィディッチ 今昔 」 で 仕入れた 飛行 の コツ を ウンザリ する ほど 話し まくった 。 もくようび||ちょうしょく||じ|||としょ|かん||かりた||こんじゃく||しいれた|ひこう||こつ|||||はなし| At breakfast on Thursday, Hermione talked so much that she was tired of the flying tips she had procured from the "Quiditch Now and Old" rented at the library. ネビル だけ は 、 ハーマイオニー の 話 に 今 しがみついて いれば 、 あと で 箒 に も しがみついて いられる と 思った の か 、 必死で 一言 も 聞き漏らす まい と した 。 |||||はなし||いま|||||そう||||いら れる||おもった|||ひっしで|いちげん||ききもらす||| Only Neville desperately refused to miss a word, perhaps because he thought that if he was clinging to Hermione's story now, he would be clinging to the broom later. その 時 ふくろう 便 が 届き 、 ハーマイオニー の 講義 が さえぎら れた ので みんな ホッと した 。 |じ||びん||とどき|||こうぎ||||||ほっと| At that time, an owl flight arrived and Hermione's lecture was interrupted, so everyone was relieved.

ハグリッド の 手紙 の 後 、 ハリー に は ただ の 一 通 も 手紙 が 来て いない 。 ||てがみ||あと||||||ひと|つう||てがみ||きて| After Hagrid's letter, Harry didn't receive a single letter. もちろん マルフォイ は すぐに それ に 気 が ついた 。 ||||||き|| Of course Malfoy soon noticed it. マルフォイ の ワシ ミミズク は 、 いつも 家 から 菓子 の 包み を 運んで きた し 、 マルフォイ は スリザリン の テーブル で いつも 得意 げ に それ を 広げて みせた 。 ||わし|みみずく|||いえ||かし||つつみ||はこんで|||||||てーぶる|||とくい|||||ひろげて| Malfoy's Eagle Mizuk always carried a candy wrap from his house, and Malfoy always proudly spread it out at Slytherin's table.

めん ふくろう が ネビル に おばあ さん から の 小さな 包み を 持ってきた 。 |||||||||ちいさな|つつみ||もってきた A barn owl brought a small parcel from her aunt to Neville. ネビル は ウキウキ と それ を 開けて 、 白い 煙 の ような もの が 詰まって いる ように 見える 大きな ビー 玉 ぐらい の ガラス 玉 を みんな に 見せた 。 ||うきうき||||あけて|しろい|けむり|||||つまって|||みえる|おおきな||たま|||がらす|たま||||みせた Neville opened it with excitement and showed everyone a glass ball about the size of a large bee ball that looked like it was clogged with something like white smoke.

「『 思いだし 玉 』 だ ! おもいだし|たま| "It's a'remembering ball'! ばあちゃん は 僕 が 忘れっぽい こと 知って る から ── 何 か 忘れて る と 、 この 玉 が 教えて くれる んだ 。 ||ぼく||わすれ っぽい||しって|||なん||わすれて||||たま||おしえて|| Grandma knows that I'm forgetful ── If you forget something, this ball will tell you. 見て て ごらん 。 みて|| Look at it. こういうふうに ギュッと 握る んだ よ 。 |ぎゅっと|にぎる|| I hold it tightly like this. もし 赤く なったら ── あれ れ ……」 |あかく||| If it turns red ── that ... "

思いだし 玉 が 突然 真っ赤に 光り だした ので 、 ネビル は 愕然と した 。 おもいだし|たま||とつぜん|まっかに|ひかり|||||がくぜんと| Neville was stunned when the remembrance ball suddenly glowed bright red.

「…… 何 か を 忘れて るって こと な んだ けど ……」 なん|||わすれて|る って|||| "... I mean I forgot something ..." ネビル が 何 を 忘れた の か 思い出そう と して いる 時 、 マルフォイ が グリフィンドール の テープル の そば を 通りかかり 、 玉 を ひったくった 。 ||なん||わすれた|||おもいだそう||||じ|||||||||とおりかかり|たま|| As Neville was trying to remember what he had forgotten, Malfoy walked by the Gryffindor table and snatched the ball.

ハリー と ロン は はじける ように 立ち上がった 。 ||||||たちあがった Harry and Ron stood up to pop. 二 人 と も マルフォイ と 喧嘩 する 口実 を 心 の どこ か で 待って いた 。 ふた|じん|||||けんか||こうじつ||こころ|||||まって| Somewhere in their hearts, they were waiting for an excuse to quarrel with Malfoy. ところが マクゴナガル 先生 が サッと 現れた 。 ||せんせい||さっと|あらわれた いざこざ を 目ざとく 見つける の は いつも マクゴナガル 先生 だった 。 ||めざとく|みつける|||||せんせい| It was always Dr. McGonagall who found the trouble.

「 どうした ん です か ? " What happened ? 」 「 先生 、 マルフォイ が 僕 の 『 思いだし 玉 』 を 取った んです 」 せんせい|||ぼく||おもいだし|たま||とった| マルフォイ は しかめっ面 で 、 すばやく 玉 を テーブル に 戻した 。 ||しかめ っ おもて|||たま||てーぶる||もどした Malfoy frowned and quickly put his balls back on the table. 「 見て た だけ です よ 」 みて|||| "I just saw it."

そう 言う と 、 マルフォイ は クラップ と ゴイル を 従えて スルリ と 逃げた 。 |いう||||||||したがえて|||にげた With that said, Malfoy ran away with Sururi, accompanied by Clap and Goyle.

その 日 の 午後 三 時 半 、 ハリー も ロン も 、 グリフィンドール 寮生 と 一緒に 、 始めて の 飛行 訓練 を 受ける ため 、 正面 階段 から 校庭 へ と 急いだ 。 |ひ||ごご|みっ|じ|はん||||||りょうせい||いっしょに|はじめて||ひこう|くんれん||うける||しょうめん|かいだん||こうてい|||いそいだ At 3:30 that afternoon, Harry and Ron, along with the Gryffindor students, rushed down the front steps to the schoolyard for their first flight training. よく 晴れた 少し 風 の ある 日 で 、 足下 の 草 が サワサワ と 波立って いた 。 |はれた|すこし|かぜ|||ひ||あしもと||くさ||||なみだって| It was a sunny day with a slight breeze, and the grass was rippling under my feet. 傾斜 の ある 芝生 を 下り 、 校庭 を 横切って 平坦な 芝生 まで 歩いて 行く と 、 校庭 の 反対 側 に は 「 禁じられた 森 」 が 見え 、 遠く の 方 に 暗い 森 の 木々 が 揺れて いた 。 けいしゃ|||しばふ||くだり|こうてい||よこぎって|へいたんな|しばふ||あるいて|いく||こうてい||はんたい|がわ|||きんじ られた|しげる||みえ|とおく||かた||くらい|しげる||きぎ||ゆれて| As I walked down the sloping lawn, across the playground to a flat lawn, I saw a "forbidden forest" on the other side of the playground, with dark forest trees swaying in the distance. スリザリン 寮生 は すでに 到着 して いて 、 二十 本 の 箒 が 地面 に 整然と 並べられて いた 。 |りょうせい|||とうちゃく|||にじゅう|ほん||そう||じめん||せいぜんと|ならべ られて| The Slytherins had already arrived, and twenty brooms were neatly arranged on the ground. ハリー は 双子 の フレッド と ジョージ が 、 学校 の 箒 の こと を こぼして いた の を 思い出した 。 ||ふたご||||じょーじ||がっこう||そう||||||||おもいだした Harry remembered the twins Fred and George spilling about the school broom. 高い 所 に 行く と 震え だす 箒 と か 、 どうしても 少し 左 に 行って しまう くせ が ある もの と か 。 たかい|しょ||いく||ふるえ||そう||||すこし|ひだり||おこなって||||||| Some brooms start to tremble when you go to a high place, and some have a habit of going a little to the left.

マダム ・ フーチ が 来た 。 |||きた Madame Hooch is here. 白髪 を 短く 切り 、 鷹 の ような 黄色い 目 を して いる 。 しらが||みじかく|きり|たか|||きいろい|め||| The white hair is cut short and has yellow eyes like a hawk.

「 なに を ボヤボヤ して る んです か 」 開口一番 ガミガミ だ 。 ||ぼやぼや|||||かいこういちばん|がみがみ| "What are you sick of?" 「 みんな 箒 の そば に 立って 。 |そう||||たって "Everyone stands by the broom. さあ 、 早く 」 |はやく

ハリー は 自分 の 箒 を チラリ と 見下ろした 。 ||じぶん||そう||ちらり||みおろした Harry glanced down at his broom. 古ぼけて 、 小枝 が 何 本 か とんでもない 方向 に 飛び出して いる 。 ふるぼけて|こえだ||なん|ほん|||ほうこう||とびだして| Old, some twigs are popping out in a ridiculous direction.

「 右手 を 箒 の 上 に 突き出して 」 マダム ・ フーチ が 掛け声 を かけた 。 みぎて||そう||うえ||つきだして||||かけごえ|| Stick your right hand on the broom," Madame Hooch called out.

「 そして 、『 上がれ ! |あがれ "And then, 'Up! 』 と 言う 」 |いう

みんな が 「 上がれ ! ||あがれ Everyone said, "Come on up! 」 と 叫んだ 。 |さけんだ Shouted.

ハリー の 箒 は すぐさま 飛び上がって ハリー の 手 に 収まった が 、 飛び上った 箒 は 少なかった 。 ||そう|||とびあがって|||て||おさまった||とびあがった|そう||すくなかった Harry's broom immediately jumped up and fell into Harry's hand, but few brooms jumped up.

ハーマイオニー の 箒 は 地面 を コロリ と 転がった だけ で 、 ネビル の 箒 と きたら ピクリ と も し ない 。 ||そう||じめん||||ころがった|||||そう|||ぴくり|||| Hermione's broom just rolls on the ground, and Neville's broom doesn't make any sense.

たぶん 箒 も 馬 と 同じで 、 乗り手 が 恐 がって いる の が わかる んだ 、 と ハリー は 思った 。 |そう||うま||おなじで|のりて||こわ||||||||||おもった Maybe the broom is the same as the horse, and Harry thought he could see that the rider was scared. ネビル の 震え 声 じゃ 、 地面 に 両足 を 着けて いたい 、 と 言って いる の が 見え見え だ 。 ||ふるえ|こえ||じめん||りょうあし||つけて|い たい||いって||||みえみえ| Neville's quivering voice, I can see him saying that he wants to put his feet on the ground. 次に マダム ・ フーチ は 、 箒 の 端 から 滑り落ち ない ように 箒 に またがる 方法 を やって 見せ 、 生徒 たち の 列 の 間 を 回って 、 箒 の 振り 方 を 直した 。 つぎに||||そう||はし||すべりおち|||そう|||ほうほう|||みせ|せいと|||れつ||あいだ||まわって|そう||ふり|かた||なおした Madame Hooch then showed him how to straddle the broom so that it wouldn't slip off the edge of the broom, and went around between the students' lines to fix the broom's swing. マルフォイ が ずっと 間違った 握り 方 を して いた と 先生 に 指摘 さ れた ので 、 ハリー と ロン は 大喜びだった 。 |||まちがった|にぎり|かた|||||せんせい||してき||||||||おおよろこびだった Harry and Ron were overjoyed as the teacher pointed out that Malfoy had been holding the wrong grip all the time.

「 さあ 、 私 が 笛 を 吹いたら 、 地面 を 強く 蹴って ください 。 |わたくし||ふえ||ふいたら|じめん||つよく|けって| "Now, when I blow the whistle, kick the ground hard. 箒 は ぐらつか ない ように 押さえ 、 二 メートル ぐらい 浮上 して 、 それ から 少し 前屈み に なって すぐに 降りて きて ください 。 そう|||||おさえ|ふた|めーとる||ふじょう||||すこし|まえかがみ||||おりて|| Hold the broom so that it does not wobble, ascend about two meters, then lean forward a little and come down immediately. 笛 を 吹いたら です よ ── 一 、 二 の ──」 ふえ||ふいたら|||ひと|ふた| If you blow the whistle.

ところが 、 ネビル は 、 緊張 する やら 怖気づく やら 、 一 人 だけ 地上 に 置いてきぼり を 食い たく ない の やら で 、 先生 の 唇 が 笛 に 触れる 前 に 思いきり 地面 を 蹴って しまった 。 |||きんちょう|||おじけづく||ひと|じん||ちじょう||おいてきぼり||くい||||||せんせい||くちびる||ふえ||ふれる|ぜん||おもいきり|じめん||けって| However, Neville was nervous and scared, and he didn't want to leave him alone on the ground, so he kicked the ground with all his might before his lips touched the whistle.

「 こら 、 戻って き なさい ! |もどって|| "Come back! 」 先生 の 大声 を よそ に 、 ネビル は シャンペン の コルク 栓 が 抜けた ように ヒューッ と 飛んで いった ── 四 メートル ── 六 メートル ── ハリー は ネビル が 真っ青な 顔 で グングン 離れて いく 地面 を 見下ろして いる の を 見た 。 せんせい||おおごえ||||||||こるく|せん||ぬけた||||とんで||よっ|めーとる|むっ|めーとる|||||まっさおな|かお||ぐんぐん|はなれて||じめん||みおろして||||みた Despite the teacher's yell, Neville whizzed away like a champagne cork popped—four meters—six meters—Harry looked down at the ground as Neville, pale and tumbling away. I saw you 声 に なら ない 悲鳴 を 上げ 、 ネビル は 箒 から 真っ逆さまに 落ちた 。 こえ||||ひめい||あげ|||そう||まっさかさまに|おちた With a muffled scream, Neville fell head over heels from his broom. そして ……

ガーン ── ドサッ 、 ポキッ と いう いやな 昔 を たてて 、 ネビル は 草 の 上 に うつぶせ に 墜落 し 、 草地 に こぶ が できた ように 突っ伏した 。 ||||||むかし|||||くさ||うえ||||ついらく||くさち||||||つ っ ふくした Ghan ── In the old days, Neville crashed flat on the grass and prone like a hump on the grass. 箒 だけ は さらに 高く 高く 昇り 続け 、「 禁じられた 森 」 の 方 へ ユラユラ 漂い はじめ 、 やがて 見え なく なって しまった 。 そう||||たかく|たかく|のぼり|つづけ|きんじ られた|しげる||かた||ゆらゆら|ただよい|||みえ||| Only the broom continued to rise higher and higher, and began to drift toward the "forbidden forest," and eventually disappeared. マダム ・ フーチ は 、 ネビル と 同じ くらい 真っ青に なって 、 ネビル の 上 に 屈み込んだ 。 |||||おなじ||まっさおに||||うえ||くっみこんだ Madame Hooch turned as deep blue as Neville and leaned over Neville.

「 手首 が 折れて る わ 」 てくび||おれて|| "You have a broken wrist."

ハリー は 先生 が そう つぶやく の を 開いた 。 ||せんせい||||||あいた Harry opened the teacher's tweet.

「 さあ さあ 、 ネビル 、 大丈夫 。 |||だいじょうぶ 立って 」 たって

先生 は 他の 生徒 の ほう に 向き直った 。 せんせい||たの|せいと||||むきなおった The teacher turned to the other students.

「 私 が この 子 を 医務 室 に 連れて いきます から 、 その 間 誰 も 動いて は いけません 。 わたくし|||こ||いむ|しつ||つれて|いき ます|||あいだ|だれ||うごいて||いけ ませ ん 箒 も そのまま に して 置いて おく ように 。 そう|||||おいて|| Leave the broom alone. さ も ない と 、 クィディッチ の 『 ク 』 を 言う 前 に ホグワーツ から 出て いって もらいます よ 」 ||||||||いう|ぜん||||でて||もらい ます| Otherwise, I'll ask you to get out of Hogwarts before you say Quidditch's "Qu". " 「 さあ 、 行きましょう 」 |いき ましょう " alright, let's go " 涙 で グチャグチャ の 顔 を した ネビル は 、 手首 を 押さえ 、 先生 に 抱きかかえられる ように して 、 ヨレヨレ に なって 歩いて いった 。 なみだ||||かお|||||てくび||おさえ|せんせい||だきかかえ られる||||||あるいて| Neville, who had a messy face in tears, held his wrist down and walked in a sloppy manner so that he could be held by the teacher. 二 人 が もう 声 の 届か ない ところ まで 行った とたん 、 マルフォイ は 大声 で 笑い 出した 。 ふた|じん|||こえ||とどか||||おこなった||||おおごえ||わらい|だした As soon as the two went out of reach, Malfoy burst into laughter.

「 あいつ の 顔 を 見た か ? ||かお||みた| あの 大 まぬけ の 」 |だい||

他の スリザリン 寮生 たち も はやし立てた 。 たの||りょうせい|||はやしたてた

「 やめて よ 、 マルフォイ 」 パーバティ ・ パチル が とがめた 。 "Don't do that, Malfoy," reproached Parvati Patil.

「 ヘー 、 ロングボトム の 肩 を 持つ の ? |||かた||もつ| "Hey, do you have a long bottom shoulder? 」 「 パーバティったら 、 まさか あなた が 、 チビデブ の 泣き虫 小僧 に 気 が ある なんて 知ら なかった わ 」 パーバティ ったら||||||なきむし|こぞう||き||||しら|| "If you're perverted, you never knew you were interested in the Chibidev crybaby." 気 の 強そうな スリザリン の 女の子 、 パンジィ ・ パーキンソン が 冷やかした 。 き||きょうそうな|||おんなのこ||||ひやかした Pansy Parkinson, a strong-looking Slytherin girl, chilled.

「 ごらん よ ! "Look! 」 マルフォイ が 飛び出して 草むら の 中 から 何 か を 拾い 出した 。 ||とびだして|くさむら||なか||なん|||ひろい|だした Malfoy jumped out and picked something out of the grass. 「 ロングボトム の ばあさん が 送って きた バカ 玉 だ 」 ||||おくって||ばか|たま| "It's a stupid ball sent by old lady Longbottom."

マルフォイ が 高々 と さし上げる と 、『 思い出し 玉 』 は キラキラ と 陽 に 輝いた 。 ||たかだか||さしあげる||おもいだし|たま||きらきら||よう||かがやいた Malfoy held it up high, and the 'memory ball' shone brightly in the sun.

「 マルフォイ 、 こっち へ 渡して もらおう 」 |||わたして| "Malfoy, let's get him over here."

ハリー の 静かな 声 に 、 みんな は おしゃべり を 止め 、 二 人 に 注目 した 。 ||しずかな|こえ||||||とどめ|ふた|じん||ちゅうもく| At Harry's soft voice, everyone stopped talking and turned their attention to the two of them.

マルフォイ は ニヤリ と 笑った 。 ||||わらった Malfoy grinned.

「 それ じゃ 、 ロングボトム が 後 で 取り に こら れる 所 に 置いて おく よ 。 ||||あと||とり||||しょ||おいて|| "Then, put the long bottom in a place where you can get it later. そうだ な ── 木 の 上 なんて どう だい ? そう だ||き||うえ||| Well, how about on a tree? 」 「 こっち に 渡せったら ! ||わたせ ったら "If you can give it to me!" 」 ハリー は 強い 口調 で 言った 。 ||つよい|くちょう||いった Harry said in a strong tone. マルフォイ は ヒラリ と 箒 に 乗り 、 飛び上がった 。 ||ひらり||そう||のり|とびあがった Malfoy rode on a broom and jumped up. 上手に 飛べる と 言って いた の は 確かに うそ で は なかった ── マルフォイ は 樫 の 木 の 梢 と 同じ 高 さ まで 舞い上がり 、 そこ に 浮いた まま 呼びかけた 。 じょうずに|とべる||いって||||たしかに|||||||かし||き||こずえ||おなじ|たか|||まいあがり|||ういた||よびかけた It was certainly not a lie to say that he could fly well ── Malfoy soared to the same height as the treetops of the oak tree and called out while floating there.

「 ここ まで 取り に こい よ 、 ポッター 」 ||とり|||| "Come here, Potter"

ハリー は 箒 を つかんだ 。 ||そう|| Harry grabbed his broom.

「 ダメ ! だめ フーチ 先生 が おっしゃった でしょう 、 動いちゃ いけないって 。 |せんせい||||うごいちゃ|いけない って Mr. Hooch said, you shouldn't move. 私 たち みんな が 迷惑 する の よ 」 わたくし||||めいわく||| We all feel lost. "

ハーマイオニー が 叫んだ 。 ||さけんだ

ハリー は 無視 した 。 ||むし| Harry ignored it. ドクン 、 ドクン と 血 が 騒ぐ の を 感じた 。 |||ち||さわぐ|||かんじた Dokun, I felt the blood making noise with Dokun. 箒 に またがり 地面 を 強く 蹴る と 、 ハリー は 急 上昇 した 。 そう|||じめん||つよく|ける||||きゅう|じょうしょう| Harry soared as he straddled his broomstick and kicked hard on the ground. 高く 高く 、 風 を 切り 、 髪 が なびく 。 たかく|たかく|かぜ||きり|かみ|| High, high, cut the wind, fluttering hair. マント が はためく 。 まんと|| The cape flutters. 強く 激しい 喜び が 押し寄せて くる 。 つよく|はげしい|よろこび||おしよせて| Strong and intense joy is coming.

── 僕 に は 教えて もらわ なくて も できる こと が あった んだ ── 簡単だ よ 。 ぼく|||おしえて|||||||||かんたんだ| ──There was something I could do without being taught ── It's easy. 飛ぶ って なんて 素晴らしい んだ ! とぶ|||すばらしい| How wonderful it is to fly! もっと 高い ところ に 行こう 。 |たかい|||いこう Let's go higher.

ハリー は 箒 を 上向き に 引っ張った 。 ||そう||うわむき||ひっぱった Harry pulled the broom upwards. 下 で 女の子 たち が 息 を のみ 、 キャーキャ一 言う 声 や 、 ロン が 感心 して 歓声 を 上げて いる の が 聞こえた 。 した||おんなのこ|||いき|||キャーキャ ひと|いう|こえ||||かんしん||かんせい||あげて||||きこえた Below, I could hear the girls breathing, screaming, and Ron screaming with admiration.

ハリー は クルリ と 箒 の 向き を 変え 、 空中 で マルフォイ と 向き合った 。 ||くるり||そう||むき||かえ|くうちゅう||||むきあった Harry turned Kururi and his broomstick to face Malfoy mid-air. マルフォイ は 呆然と して いる 。 ||ぼうぜんと|| Malfoy is stunned.

「 こっち へ 渡せ よ 。 ||わたせ| "Hand it over here. でないと 箒 から 突き落として やる 」 |そう||つきおとして| If you don't, I'll push you off the broom."

「 へえ 、 そうかい ? "Oh, really? 」 マルフォイ は せ せら 笑おう と した が 、 顔 が こわばって いた 。 ||||わらおう||||かお||| Malfoy tried to laugh, but his face was stiff. 不思議な こと に 、 どう すれば いい か ハリー に は わかって いた 。 ふしぎな||||||||||| Curiously, Harry knew what to do. 前屈み に なる 。 まえかがみ|| Become leaning forward. そして 箒 を 両手 で しっかり と つかむ 。 |そう||りょうて|||| Then grab the broom firmly with both hands. すると 箒 は 槍 の ように マルフォイ めがけて 飛び出した 。 |そう||やり|||||とびだした Then the broom jumped out at Malfoy like a spear. マルフォイ は 危 く かわした 。 ||き|| Malfoy was in danger. ハリー は 鋭く 一 回転 して 、 箒 を しっかり つかみ なおした 。 ||するどく|ひと|かいてん||そう||||なお した Harry made a sharp turn and grabbed the broom firmly. 下 で は 何 人 か 拍手 を して いる 。 した|||なん|じん||はくしゅ||| Below are some applause.

「 クラップ も ゴイル も ここ まで は 助け に こない ぞ 。 |||||||たすけ||| "Neither Clap nor Goyle can help you so far. ピンチ だ な 、 マルフォイ 」 ぴんち||| It's a pinch, Malfoy "

マルフォイ も ちょうど 同じ こと を 考えた らしい 。 |||おなじ|||かんがえた| Malfoy seems to have thought about exactly the same thing.

「 取れる もの なら 取る が いい 、 ほら ! とれる|||とる||| "If you can get it, you should take it, see! 」 と 叫んで 、 マルフォイ は ガラス 玉 を 空中 高く 放り投げ 、 稲妻 の ように 地面 に 戻って いった 。 |さけんで|||がらす|たま||くうちゅう|たかく|ほうりなげ|いなずま|||じめん||もどって| Malfoy threw a glass ball high in the air and returned to the ground like a lightning bolt. ハリー に は 高く 上がった 玉 が 次に 落下 し はじめる の が 、 まるで スローモーション で 見て いる ように よく 見えた 。 |||たかく|あがった|たま||つぎに|らっか||||||||みて||||みえた To Harry, the rising ball then began to fall, which looked as if he was watching it in slow motion. ハリー は 前屈み に なって 箒 の 柄 を 下 に 向けた 。 ||まえかがみ|||そう||え||した||むけた Harry leaned forward and turned the broomstick down. 次の 瞬間 、 ハリー は 一直線 に 急 降下 し 、 見るみる スピード を 上げて 玉 と 競走 して いた 。 つぎの|しゅんかん|||いっちょくせん||きゅう|こうか||みるみる|すぴーど||あげて|たま||きょうそう|| At the next moment, Harry plunged in a straight line, speeding up and racing with the ball. 下 で 見て いる 人 の 悲鳴 と 交じり 合って 、 風 が 耳元 で ヒューヒュー 鳴った ── ハリー は 手 を 伸ばす ── 地面 スレスレ の ところ で 玉 を つかんだ 。 した||みて||じん||ひめい||まじり|あって|かぜ||みみもと|||なった|||て||のばす|じめん|||||たま|| The wind whistled in his ears, mixed with the screams of those watching below—Harry reached out—he grabbed the ball against the ground. 間一髪 で ハリー は 箒 を 引き上げ 、 水平に 立てなおし 、 草 の 上 に 転がる ように 軟 着陸 した 。 かんいっぱつ||||そう||ひきあげ|すいへいに|たてなおし|くさ||うえ||ころがる||なん|ちゃくりく| With a short hair, Harry pulled up the broom, stood it horizontally, and made a soft landing to roll on the grass. 「 思いだし 玉 」 を しっかり と 手のひら に 握りしめた まま 。 おもいだし|たま||||てのひら||にぎりしめた| While holding the "memory ball" firmly in the palm of your hand.

「 ハリー ・ ポッター …! 」 マクゴナガル 先生 が 走って きた 。 |せんせい||はしって| McGonagall came running. ハリー の 気持 は 、 今しがた の ダイビング より なお 速い スピード で しぼんで いった 。 ||きもち||いましがた||だいびんぐ|||はやい|すぴーど||| Harry's feelings were fading faster than his last dive. ハリー は ブルブル 震え ながら 立ち上った 。 ||ぶるぶる|ふるえ||たちのぼった Harry stood up quivering.

「 まさか ── こんな こと は ホグワーツ で 一 度 も ……」 マクゴナガル 先生 は ショック で 言葉 も 出 なかった 。 ||||||ひと|たび|||せんせい||しょっく||ことば||だ| "No way—this has never happened at Hogwarts..." Professor McGonagall was speechless in shock. メガネ が 激しく 光って いる 。 めがね||はげしく|ひかって| The glasses are shining violently.

「…… よくも まあ 、 そんな 大それた こと を …… 首 の 骨 を 折った かも しれ ない のに ──」 |||だいそれた|||くび||こつ||おった|||| "... well, well, doing such a big thing... I might have broken my neck—"

「 先生 、 ハリー が 悪い んじゃ ない んです ……」 せんせい|||わるい||| "Teacher, Harry isn't bad ..."

「 お だまり なさい 。 "Shut up. ミス ・ パチル ──」 みす| Miss Patil--"

「 でも 、 マルフォイ が ……」

「 くどい です よ 。 "It's tedious. ミスター ・ ウィーズリー 。 みすたー| Mr. Weasley . ポッター 、 さあ 、 一緒に いらっしゃい 」 ||いっしょに| Come on, Potter, come with me."

マクゴナガル 先生 は 大股 に 城 に 向かって 歩き 出し 、 ハリー は 麻痺 した ように トボトボ と ついて いった 。 |せんせい||おおまた||しろ||むかって|あるき|だし|||まひ|||とぼとぼ||| Dr. McGonagall walked stride toward the castle, and Harry followed him as if he was paralyzed. マルフォイ 、 クラップ 、 ゴイル の 勝ち誇った 顔 が チラリ と 目 に 入った 。 ||||かちほこった|かお||ちらり||め||はいった I caught glimpses of the triumphant faces of Malfoy, Crapp and Goyle. 僕 は 退学 に なる んだ 。 ぼく||たいがく||| I'm going to drop out. わかって る 。 弁解 し たかった が 、 どういう わけ か 声 が 出 ない 。 べんかい|||||||こえ||だ| I wanted to make an excuse, but for some reason I couldn't make a voice. マクゴナガル 先生 は 、 ハリー に は 目 も くれ ず 飛ぶ ように 歩いた 。 |せんせい|||||め||||とぶ||あるいた Dr. McGonagall walked like a fly without looking at Harry. ハリー は ほとんど かけ足 に なら ない と ついて いけなかった 。 |||かけあし|||||| Harry couldn't keep up with him if he couldn't get enough of it.

── とうとう やって しまった 。 ──I've finally done it. 二 週間 も もた なかった 。 ふた|しゅうかん||| It didn't last two weeks. きっと 十 分 後 に は 荷物 を まとめる ハメ に なって いる 。 |じゅう|ぶん|あと|||にもつ|||||| I'm sure it will be a squirrel to pack up the luggage in ten minutes. 僕 が 玄関 に 姿 を 現したら 、 ダーズリー 一家 は なんて 言う だろう ? ぼく||げんかん||すがた||あらわしたら||いっか|||いう| What would the Dursleys say if I showed up at their door?

正面 階段 を 上がり 、 大理石 の 階段 を 上がり 、 それ でも マクゴナガル 先生 は ハリー に 一言 も 口 を きか ない 。 しょうめん|かいだん||あがり|だいりせき||かいだん||あがり||||せんせい||||いちげん||くち||| Up the front stairs, up the marble stairs, yet Dr. McGonagall can't say a word to Harry. 先生 は ドア を グイッ と ひねる ように 開け 、 廊下 を 突き進む 。 せんせい||どあ||||||あけ|ろうか||つきすすむ The teacher opens the door with a squeak and rushes through the hallway. ハリー は 惨めな 姿 で 早 足 で ついていく …… たぶん 、 ダンブルドア の ところ に 連れて いく んだろう な 。 ||みじめな|すがた||はや|あし||||||||つれて||| Harry looks miserable and trots after him... presumably leading him to Dumbledore. ハリー は ハグリッド の こと を 考えた 。 ||||||かんがえた Harry thought about Hagrid. 彼 も 退学 に は なった けど 、 森 の 番人 と して ここ に いる 。 かれ||たいがく|||||しげる||ばんにん||||| He has also dropped out, but he is here as the keeper of the forest. もしかしたら ハグリッド の 助手 に なれる かも しれ ない 。 |||じょしゅ||||| Maybe I could be Hagrid's assistant. ロン や 他の 子 が 魔法使い に なって いく の を そば で 見 ながら 、 僕 は ハグリッド の 荷物 を かついで 、 校庭 を は い ず り 回って いる んだ …… 想像 する だけ で 胃 が よじれる 思い だった 。 ||たの|こ||まほうつかい||||||||み||ぼく||||にもつ|||こうてい||||||まわって|||そうぞう||||い|||おもい| Watching Ron and the other child become wizards by my side, I was wandering around the schoolyard with Hagrid's luggage ... I thought my stomach would be twisted just by imagining it. ..

マクゴナガル 先生 は 教室 の 前 で 立ち止まり 、 ドア を 開けて 中 に 首 を 乗っ込んだ 。 |せんせい||きょうしつ||ぜん||たちどまり|どあ||あけて|なか||くび||じょう っ こんだ Dr. McGonagall stopped in front of the classroom, opened the door and got his neck inside. 「 フリットウィック 先生 。 |せんせい Dr. Flitwick. 申し訳 ありません が 、 ちょっと ウッド を お 借り できません か 」 もうしわけ|あり ませ ん||||||かり|でき ませ ん| I'm sorry, can you borrow a little wood? " ウッド ? Wood? ウッド つて 、 木 の こと ? ||き|| About wood, is it wood? 僕 を 叩く ため の 棒 の こと か な 。 ぼく||たたく|||ぼう|||| It's a stick to hit me. ハリー は わけ が わから なかった 。 Harry didn't understand why.

ウッド は 人間 だった 。 ||にんげん| Wood was a human being. フリットウィック 先生 の クラス から 出て きた の は たくましい 五 年生 で 、 何ごと だろう と いう 顔 を して いた 。 |せんせい||くらす||でて|||||いつ|ねんせい||なにごと||||かお||| Miss Flitwick's class came out of a burly fifth-grader with a puzzled look on his face.

「 二 人 と も 私 に ついて いらっしゃい 」 ふた|じん|||わたくし||| "Come with me together."

そう 言う なり マクゴナガル 先生 は どんどん 廊下 を 歩き 出した 。 |いう|||せんせい|||ろうか||あるき|だした As soon as he said that, Professor McGonagall started walking down the corridor. ウッド は 珍しい もの でも 見る ように ハリー を 見て いる 。 ||めずらしい|||みる||||みて| Wood looks at Harry as if he were looking at a rare object.

「 お 入り なさい 」 |はいり| "Please come in"

マクゴナガル 先生 は 人気 の ない 教室 を 指し示した 。 |せんせい||にんき|||きょうしつ||さししめした Dr. McGonagall pointed to an unpopular classroom. 中 で ピーブズ が 黒板 に 下品な 言葉 を 書きなぐ つて いた 。 なか||||こくばん||げひんな|ことば||かきなぐ|| Inside, Peeves was scribbling vulgar words on the blackboard.

「 出て いき なさい 、 ピーブズ ! でて||| 」 先生 に 一喝 されて ピーブズ の 投げた チョーク が ゴミ 箱 に 当たり 、 大きな 音 を たてた 。 せんせい||いっかつ|さ れて|||なげた|ちょーく||ごみ|はこ||あたり|おおきな|おと|| At the teacher's shout, Peeves threw a piece of chalk that hit the trash can and made a loud noise. ピーブズ は 捨て ぜ り ふ を 吐き ながら スイーッ と 出て いった 。 ||すて|||||はき||||でて| Peeves swept out, throwing it away and spitting out. マクゴナガル 先生 は その 後ろ から ドア を ピシャリ と 閉めて 、 二 人 の 方 に 向きなおった 。 |せんせい|||うしろ||どあ||ぴしゃり||しめて|ふた|じん||かた||むきなおった Professor McGonagall slammed the door behind them and turned to face them.

「 ポッター 、 こちら 、 オリバー ・ ウッド です 。 ウッド 、 シーカー を 見つけました よ 」 |||みつけ ました| Wood, I've found the Seeker." 狐 に つまま れた ようだった ウッド の 表情 が ほころんだ 。 きつね|||||||ひょうじょう|| Wood's expression, which seemed to be pinched by a fox, fluttered.

「 本当です か ? ほんとうです| " really ? 」 「 間違い ありません 」 先生 は きっぱり と 言った 。 まちがい|あり ませ ん|せんせい||||いった 「 この 子 は 生まれつき そう な んです 。 |こ||うまれつき||| "This child is likely to be born. あんな もの を 私 は 初めて 見ました 。 |||わたくし||はじめて|み ました I saw such a thing for the first time. ポッター 、 初めて な んでしょう ? |はじめて|| Potter, isn't it the first time? 箒 に 乗った の は 」 そう||のった|| I got on the broom. "

ハリー は 黙って うなずいた 。 ||だまって| Harry silently nodded. 事態 が どう なって いる の か 、 さっぱり わから なかった が 、 退学 処分 だけ は 免れ そうだ 。 じたい|||||||||||たいがく|しょぶん|||まぬがれ|そう だ I had no idea what was going on, but it seemed like I would be able to avoid expulsion. ようやく 足 に も 感覚 が 戻って きた 。 |あし|||かんかく||もどって| Finally, the sensation has returned to my feet. マクゴナガル 先生 が ウッド に 説明 して いる 。 |せんせい||||せつめい|| Professor McGonagall is explaining to Wood.

「 この 子 は 、 今 手 に 持って いる 玉 を 、 十六 メートル も ダイビング して つかみました 。 |こ||いま|て||もって||たま||じゅうろく|めーとる||だいびんぐ||つかみ ました "This child dived 16 meters and grabbed the ball in his hand. かすり傷 ひと つ 負わ ず に 。 かすりきず|||おわ|| Without scratching one by one. チャーリー ・ ウィーズリー だって そんな こと できません でした よ 」 |||||でき ませ ん|| Charlie Weasley couldn't do that. " ウッド は 夢 が 一挙に 実現 した と いう 顔 を した 。 ||ゆめ||いっきょに|じつげん||||かお|| Wood said that his dream had come true all at once.

「 ポッター 、 クィディッチ の 試合 を 見た こと ある かい ? |||しあい||みた||| "Have you ever seen a Quidditch match, Potter? 」 ウッド の 声 が 興奮 して いる 。 ||こえ||こうふん||

「 ウッド は グリフィンドール ・ チーム の キャプテン です 」 先生 が 説明 して くれた 。 |||ちーむ||きゃぷてん||せんせい||せつめい|| Wood is the captain of the Gryffindor team. The teacher explained it to me.

「 体格 も シーカー に ぴったり だ 」 たいかく||||| "The physique is also perfect for a seeker."

ウッド は ハリー の 回り を 歩き ながら しげしげ 観察 して いる 。 ||||まわり||あるき|||かんさつ|| Wood is observing as he walks around Harry.

「 身軽 だ し …… すばしこい し …… ふさわしい 箒 を 持た せ ない と いけません ね 、 先生 ── ニンバス 2000 と か 、 クリーンスイープ の 7 番 なんか が いい です ね 」 みがる||||||そう||もた||||いけ ませ ん||せんせい||||||ばん||||| "It's light ... it's quick ... I have to have a suitable broom, Sensei ── Nimbus 2000 or Clean Sweep No. 7 is good." 「 私 から ダンブルドア 先生 に 話して みましょう 。 わたくし|||せんせい||はなして|み ましょう "Let me talk to Professor Dumbledore. 一 年生 の 規則 を 曲げられる か どう か 。 ひと|ねんせい||きそく||まげ られる||| Whether or not the first grade rules can be bent. 是が非でも 去年 より は 強い チーム に しなければ 。 ぜがひでも|きょねん|||つよい|ちーむ||し なければ Even if it isn't true, we have to make the team stronger than last year. あの 最終 試合 で スリザリン に ペシャンコ に されて 、 私 は それ から 何 週間 も セブルス ・ スネイプ の 顔 を まともに 見られません でした よ ……」 |さいしゅう|しあい||||||さ れて|わたくし||||なん|しゅうかん|||||かお|||み られ ませ ん|| After being slammed by Slytherin in that final match, I couldn't really see Severus Snape's face for weeks after that ... " マクゴナガル 先生 は メガネ ご し に 厳格な 目つき で ハリー を 見た 。 |せんせい||めがね||||げんかくな|めつき||||みた Dr. McGonagall looked at Harry with a strict look through his glasses.

「 ポッター 、 あなた が 厳しい 練習 を 積んで いる と いう 報告 を 聞きたい もの です 。 |||きびしい|れんしゅう||つんで||||ほうこく||きき たい|| "Potter, I would like to hear a report that you are practicing hard. さ も ない と 処罰 に ついて 考え 直す かも しれません よ 」 ||||しょばつ|||かんがえ|なおす||しれ ませ ん| Otherwise, we may rethink the punishment. " それ から 突然 先生 は にっこり した 。 ||とつぜん|せんせい||| Then suddenly the teacher smiled.

「 あなた の お 父 さま が どんなに お 喜び に なった こと か 。 |||ちち|||||よろこび|||| "How happy your father was! お 父 さま も 素晴らしい 選手 でした 」 |ちち|||すばらしい|せんしゅ| Father was also a great player. "