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1 - Harry Potter, 17.1 二 つ の 顔 を 持つ 男

17.1 二 つ の 顔 を 持つ 男

第 17 章 二 つ の 顔 を 持つ 男 CHAPTER SEVENTEEN The Man with Two Faces

そこ に いた の は クィレル だった 。

「 あなた が ! 」 ハリー は 息 を のんだ 。

クィレル は 笑い を 浮かべた 。 その 顔 は いつも と 違い 、 痙攣 など して い なかった 。

「 私 だ 」 落ち着き払った 声 だ 。 「 ポッター 、 君 に ここ で 会える かも しれ ない と 思って いた よ 」

「 でも 、 僕 は …… スネイプ だ と ばかり ……」

「 セブルス か ? 」 クィレル は 笑った 。 いつも の かん高い 震え 声 で は なく 、 冷たく 鋭い 笑い だった 。

「 確かに 、 セブルス は まさに そんな タイプ に 見える 。 彼 が 育ち 過ぎた こうもり みたいに 飛び回って くれた の が とても 役 に 立った 。 スネイプ の そば に いれば 、 誰 だって 、 か 、 かわいそうな 、 ど 、 どもり の 、 ク 、 クィレル 先生 を 疑い やしない だろう ? 」 ハリー は 信じられ なかった 。 こんな はず は ない 。 これ は 間違い だ 。

「 でも スネイプ は 僕 を 殺そう と した ! 」 「 いや 、 いや 、 いや 。 殺そう と した の は 私 だ 。 あの クィディッチ の 試合 で 、 君 の 友人 の ミス ・ グレンジャー が スネイプ に 火 を つけよう と して 急いで いた 時 、 たまたま 私 に ぶつかって 私 は 倒れて しまった 。 それ で 君 から 目 を 離して しまった んだ 。 もう 少し で 箒 から 落として やれた んだ が 。 君 を 救おう と して スネイプ が 私 の かけた 呪文 を 解く 反対 呪文 を 唱えて さえ い なければ 、 もっと 早く 叩き 落とせた んだ 」

「 スネイプ が 僕 を 救おう と して いた ? 」 「 その とおり 」 クィレル は 冷たく 言い放った 。

「 彼 が なぜ 次の 試合 で 審判 を 買って出た と 思う かね ? 私 が 二度と 同じ こと を し ない ように だ よ 。 まったく 、 おかしな こと だ …… そんな 心配 を する 必要 は なかった んだ 。 ダンブルドア が 見て いる 前 で は 、 私 は 何も でき なかった のだ から 。 ほか の 先生 方 は 全員 、 スネイプ が グリフィンドール の 勝利 を 阻止 する ため に 審判 を 申し出た と 思った 。 スネイプ は 憎ま れ 役 を 買って出た わけだ …… ずいぶん と 時間 を ムダ に した もの よ 。 どうせ 今夜 、 私 が おまえ を 殺す のに 」

クィレル が 指 を パチッ と ならした 。 縄 が どこ から と も なく 現れ 、 ハリー の 体 に 固く 巻きついた 。

「 ポッター 、 君 は いろんな 所 に 首 を 突っ込み 過ぎる 。 生かして は おけ ない 。 ハロウィーン の 時 も あんなふうに 学校 中 を チョロチョロ し おって 。 『 賢 者 の 石 』 を 守って いる の が 何 な の か を 見 に 私 が 戻って きた 時 も 、 君 は 私 を 見て しまった かも しれ ない 」

「 あなた が トロール を 入れた のです か ? 」 「 さよう 。 私 は トロール に ついて は 特別な 才能 が ある …… ここ に 来る 前 の 部屋 で 、 私 が 倒した トロール を 見た ね 。 残念な こと に 、 あの 時 、 皆 が トロール を 探して 走り回って いた のに 、 私 を 疑って いた スネイプ だけ が 、 まっすぐに 四 階 に 来て 私 の 前 に 立ちはだかった …… 私 の トロール が 君 を 殺し そこねた ばかり か 、 三 頭 犬 は スネイプ の 足 を かみ 切り そこねた 。

さあ ポッター 、 おとなしく 待って おれ 。 この なかなか おもしろい 鏡 を 調べ なくて は なら ない から な 」

その 時 初めて ハリー は クィレル の 後ろ に ある もの に 気 が ついた 。 あの 「 みぞ の 鏡 」 だった 。

「 この 鏡 が 『 石 』 を 見つける 鍵 な のだ 」

クィレル は 鏡 の 枠 を コツコツ 叩き ながら つぶやいた 。

「 ダンブルドア なら 、 こういう もの を 考えつく だろう と 思った …… しかし 、 彼 は 今 ロンドン だ …… 帰って くる 頃 に は 、 私 は とっくに 遠く に 行って しまう ……」

ハリー に できる こと は 、 とにかく クィレル に 話し 続け させ 、 鏡 に 集中 でき ない ように する こと だ 。 それ しか 思いつか ない 。

「 僕 、 あなた が 森 の 中 で スネイプ と 一緒に いる ところ を 見た ……」

ハリー が 出し抜けに 言った 。

「 ああ 」

クィレル は 鏡 の 裏側 に 回り込み ながら いいかげんな 返事 を した 。

「 スネイプ は 私 に 目 を つけて いて 、 私 が どこ まで 知っている か を 確かめよう と して いた 。 初め から ズーッ と 私 の こと を 疑って いた 。 私 を 脅そう と した んだ 。 私 に は ヴォルデモート 卿 が ついて いる と いう のに …… それ でも 脅 せる と 思って いた のだろう か ね 」

クィレル は 鏡 の 裏 を 調べ 、 また 前 に 回って 、 食い入る ように 鏡 に 見入った 。

「『 石 』 が 見える …… ご 主人 様 に それ を 差し出して いる の が 見える …… でも いったい 石 は どこ だ ? 」 ハリー は 縄 を ほどこう と もがいた が 、 結び目 は 固かった 。 なんとか して クィレル の 注意 を 鏡 から そらさ なくて は 。

「 でも スネイプ は 僕 の こと を ずーっと 憎んで いた 」

「 ああ 、 そう だ 」

と クィレル が こともなげに 言った 。

「 まったく その とおり だ 。 おまえ の 父親 と 彼 は ホグワーツ の 同窓 だった 。 知ら なかった か ? 互いに 毛嫌い して いた 。 だが おまえ を 殺そう なんて 思わ ない さ 」

「 でも 二 、 三 日 前 、 あなた が 泣いて いる の を 聞きました …… スネイプ が 脅して いる んだ と 思った 」 クィレル の 顔 に 初めて 恐怖 が よぎった 。

「 時に は 、 ご 主人 様 の 命令 に 従う の が 難しい こと も ある …… あの 方 は 偉大な 魔法使い だ し 、 私 は 弱い ……」

「 それ じゃ 、 あの 教室 で 、 あなた は 『 あの 人 』 と 一緒に いた んです か ? 」 ハリー は 息 を のんだ 。 「 私 の 行く ところ 、 どこ に でも あの 方 が いらっしゃる 」

クィレル が 静かに 言った 。

「 世界 旅行 を して いる 時 、 あの 方 に 初めて 出会った 。 当時 私 は 愚かな 若 輩 だった し 、 善悪 に ついて バカげた 考え しか 持って い なかった 。 ヴォルデモート 卿 は 私 が いかに 誤って いる か を 教えて くださった 。 善 と 悪 が 存在 する ので は なく 、 力 と 、 力 を 求める に は 弱 すぎる 者 と が 存在 する だけ な のだ と …… それ 以来 、 私 は あの 方 の 忠実な 下僕 に なった 。 もちろん あの 方 を 何度 も 失望 さ せて しまった が 。 だから 、 あの 方 は 私 に とても 厳しく しなければ なら なかった 」 突然 クィレル は 震え だした 。

「 過ち は 簡単に 許して は いただけ ない 。 グリンゴッツ から 『 石 』 を 盗みだす の に しくじった 時 は 、 とても ご 立腹 だった 。 私 を 罰した …… そして 、 私 を もっと 間近で 見張ら ない と いけない と 決心 なさった ……」

クィレル の 声 が 次第に 小さく なって いった 。 ハリー は ダイアゴン 横丁 に 行った 時 の こと を 思い出して いた ── なんで 今 まで 気 が つか なかった んだろう ? ちょうど あの 日 に クィレル に 会って いる し 、「 漏れ 鍋 」 で 握手 まで した じゃ ない か 。

クィレル は 低い 声 で ののしった 。

「 いったい どう なって る んだ ……『 石 』 は 鏡 の 中 に 埋まって いる の か ? 鏡 を 割って みる か ? 」 ハリー は めまぐるしく いろいろな こと を 考えて いた 。 ── 今 、 なにより も 執 しい の は 『 石 』 だ 。 クィレル より 先 に 『 賢 者 の 石 』 を 見つけたい 。 だから もし 今 鏡 を 見れば 、『 石 』 を 見つけた 自分 の 姿 が 映る はずだ 。 つまり 、『 石 』 が どこ に ある か が 見える はずだ ! クィレル に 悟ら れ ない ように 鏡 を 見る に は どう したら いい んだろう ?

ハリー は クィレル に 気づか れ ない ように 鏡 の 前 に 行こう と 、 左 の 方 に にじり寄った が 、 縄 が くるぶし を きつく 縛って いる ので 、 つまずいて 倒れて しまった 。 クィレル は ハリー を 無視 して ブツブツ 独り言 を 言い 続けて いた 。

「 この 鏡 は どういう 仕掛け なんだ ? どういう 使い 方 を する んだろう ? ご 主人 様 、 助けて ください ! 」 別の 声 が 答えた 。 しかも 声 は クィレル 自身 から 出て くる ようだった 。 ハリー は ゾッと した 。

「 その 子 を 使う んだ …… その 子 を 使え ……」

クィレル が 突然 ハリー の 方 を 向いた 。

「 わかりました …… ポッター 、 ここ へ 来い 」 手 を 一 回 パン と 打つ と 、 ハリー を 縛って いた 縄 が 落ちた 。

ハリー は ノロノロ と 立ち上がった 。

「 ここ へ 来る んだ 」

クィレル が 言った 。

「 鏡 を 見て 何 が 見える か を 言え 」

ハリー は クィレル の 方 に 歩いて いった 。

( 嘘 を つか なくて は ) ハリー は 必死に 考えた 。 ( 鏡 に 何 が 見えて も 、 嘘 を 言えば いい )

クィレル が ハリー の すぐ 後ろ に 回った 。 変な 匂い が した 。 クィレル の ターバン から 出る 匂い らしい 。 ハリー は 目 を 閉じて 鏡 の 前 に 立ち 、 そこ で 目 を 開けた 。

青白く 脅えた 自分 の 姿 が 目 に 入った 。 次の 瞬間 、 鏡 の 中 の ハリー が 笑い かけた 。 鏡 の 中 の ハリー が ポケット に 手 を 突っ込み 、 血 の ように 赤い 石 を 取り出した 。 そして ウインク を する と また その 石 を ポケット に 入れた 。 すると 、 その とたん 、 ハリー は 自分 の ポケット の 中 に 何 か 重い もの が 落ちる の を 感じた 。 なぜ か ── 信じられ ない こと に ── ハリー は 『 石 』 を 手 に 入れて しまった 。 「 どう だ ? 」 クィレル が 待ちきれ ず に 聞いた 。 「 何 が 見える ? 」 ハリー は 勇気 を 奮い起こした 。 「 僕 が ダンブルドア と 握手 を して いる の が 見える 」

作り話 だ 。

「 僕 …… 僕 の おかげ で グリフィンドール が 寮 杯 を 獲得 した んだ 」

「 そこ を どけ 」 クィレル が また ののしった 。

ハリー は 「 賢 者 の 石 」 が 脚 に 触れて いる の を 感じた 。 思いきって 逃げ出そう か ? しかし 、 ほんの 五 歩 も 歩か ない うち に 、 クィレル が 唇 を 動かして いない の に 高い 声 が 響いた 。 「 こいつ は 嘘 を ついて いる …… 嘘 を ついて いる ぞ ……」

「 ポッター 、 ここ に 戻れ ! 本当の こと を 言う んだ 。 今 、 何 が 見えた んだ ? 」 クィレル が 叫んだ 。 再び 高い 声 が した 。

「 わし が 話す …… 直 に 話す ……」

「 ご 主人 様 、 あなた 様 は まだ 十分に 力 が ついて いません ! 」 「 この ため なら …… 使う 力 が ある ……」 「 悪魔 の 罠 」 が ハリー を その 場 に 釘づけ に して しまった ような 感じ だった 。 ハリー は 指 一 本 動かせ なく なって しまった 。 クィレル が ターバン を ほどく の を 、 ハリー は 石 の ように 硬く なった まま で 見て いた 。 何 を やって る んだろう ? ターバン が 落ちた 。 ターバン を かぶら ない クィレル の 頭 は 、 奇妙な くらい 小さかった 。 クィレル は その場で ゆっくり と 体 を 後ろ向き に した 。

ハリー は 悲鳴 を 上げる ところ だった 。 が 、 声 が 出 なかった 。 クィレル の 頭 の 後ろ に は もう 一 つ の 顔 が あった 。 ハリー が これ まで 見た こと も ない ほど の 恐ろしい 顔 が 。 蝋 の ように 白い 顔 、 ギラギラ と 血走った 目 、 鼻 孔 は ヘビ の ような 裂け目 に なって いた 。

「 ハリー ・ ポッター ……」

声 が ささやいた 。 ハリー は 後ずさり しよう と した が 、 足 が 動か なかった 。

「 この ありさま を 見ろ 」

顔 が 言った 。

「 ただ の 影 と 霞 に 過ぎ ない …… 誰 か の 体 を 借りて 初めて 形 に なる こと が できる …… しかし 、 常に 誰 か が 、 喜んで わし を その 心 に 入り込ま せて くれる …… この 数 週間 は 、 ユニコーン の 血 が わし を 強く して くれた …… 忠実な クィレル が 、 森 の 中 で 私 の ため に 血 を 飲んで いる ところ を 見た だろう …… 命 の 水 さえ あれば 、 わし は 自身 の 体 を 創造 する こと が できる のだ …… さて …… ポケット に ある 『 石 』 を いただこう か 」

彼 は 知っていた んだ 。 突然 足 の 感覚 が 戻った 。 ハリー は よろめき ながら 後ずさり した 。

「 バカな 真似 は よせ 」

顔 が 低く 唸った 。

「 命 を 粗末に する な 。 わし の 側 に つけ …… さ も ない と おまえ も おまえ の 両親 と 同じ 目 に 会う ぞ …… 二 人 と も 命乞い を し ながら 死んで いった ……」

「 嘘 だ ! 」 ハリー が 突然 叫んだ 。

ヴォルデモート が ハリー を 見た まま で いら れる ように 、 クィレル は 後ろ向き で 近づいて きた 。

邪悪な 顔 が ニヤリ と した 。

「 胸 を 打た れる ねぇ ……」 顔 が 押し殺した ような 声 を 出した 。

「 わし は いつも 勇気 を 称える …… そう だ 、 小僧 、 おまえ の 両親 は 勇敢 だった …… わし は まず 父親 を 殺した 。 勇敢に 戦った が ね …… しかし おまえ の 母親 は 死ぬ 必要 は なかった …… 母親 は おまえ を 守ろう と した んだ …… 母親 の 死 を ムダ に し たく なかったら 、 さあ 『 石 』 を よこせ 」

「 やる もんか ! 」 ハリー は 炎 の 燃えさかる 扉 に 向かって かけ出した 。

「 捕まえろ ! 」 ヴォルデモート が 叫んだ 。 次の 瞬間 、 ハリー は クィレル の 手 が 自分 の 手首 を つかむ の を 感じた 。 その とたん 、 針 で 刺す ような 鋭い 痛み が 額 の 傷跡 を 貴 いた 。 頭 が 二 つ に 割れる か と 思う くらい だった 。 ハリー は 悲鳴 を 上げ 、 力 を 振り絞って もがいた 。 驚いた こと に 、 クィレル は ハリー の 手 を 離した 。 額 の 痛 み が 和らいだ …… クィレル が どこ に 行った の か 、 ハリー は そこら 中 を 見回した 。 クィレル は 苦痛 に 体 を 丸め 、 自分 の 指 を 見て いた …… 見るみる うち に 指 に 火ぶくれ が できた 。

「 捕まえろ ! 捕まえろ ! 」 ヴォルデモート が また かん高く 叫んだ 。 クィレル が 跳び かかり 、 ハリー の 足 を すくって 引き 倒し 、 ハリー の 上 に のしかかって 両手 を ハリー の 首 に かけた …… 額 の 傷 の 痛み で ハリー は 目 が 眩んだ が 、 それ でも 、 クィレル が 激しい 苦痛 で うなり 声 を 上げる の が 見えた 。

「 ご 主人 様 、 ヤツ を 押さえて いられません …… 手 が …… 私 の 手 が ! 」 クィレル は 膝 で ハリー を 地面 に 押さえつけて は いた が 、 ハリー の 首 から 手 を 離し 、 いぶかし げ に 自分 の 手 の 平 を 見つめて いた …… ハリー の 目 に 、 真っ赤に 焼けた だれ 、 皮 が ベロリ と むけた 手 が 見えた 。 「 それ なら 殺せ 、 愚か 者 め 、 始末 して しまえ ! 」 ヴォルデモート が 鋭く 叫んだ 。 クィレル は 手 を 上げて 死 の 呪い を かけ はじめた 。 ハリー は とっさに 手 を 伸ばし 、 クィレル の 顔 を つかんだ 。

「 ああ あ アアァ ! 」 クィレル が 転がる ように ハリー から 離れた 。 顔 も 焼け ただれて いた 。 ハリー に は わかった 。

クィレル は ハリー の 皮膚 に 直接 触れる こと は でき ない のだ 。 触れれば ひどい 痛み に 責め さいなま れる …… クィレル に しがみつき 、 痛み の あまり 呪い を かける こと が でき ない ように する ── それ しか 道 は ない 。

ハリー は 跳び 起きて 、 クィレル の 腕 を 捕まえ 、 力 の かぎり 強く しがみついた 。 クィレル は 悲鳴 を あげ 、 ハリー を 振り ほどこう と した …… ハリー の 額 の 痛み は ますます ひどく なった …… 何も 見え ない …… クィレル の 恐ろしい 悲鳴 と ヴォルデモート の 叫び が 聞こえる だけ だ 。

「 殺せ ! 殺せ ! 」 もう 一 つ 別 の 声 が 聞こえた 。 ハリー の 頭 の 中 で 聞こえた の かも しれ ない 。 叫んで いる 。

「 ハリー ! ハリー ! 」 ハリー は 固く 握って いた クィレル の 腕 が もぎ取られて いく の を 感じた 。 すべて を 失って しまった の が わかった 。 ハリー の 意識 は 闇 の 中 へ と 落ちて 行った 。 下 へ …… 下 へ …… 下 へ ……

17.1 二 つ の 顔 を 持つ 男 ふた|||かお||もつ|おとこ 17.1 Der Mann mit den zwei Gesichtern 17.1 The man with two faces 17.1 L'homme aux deux visages 17.1 Człowiek o dwóch twarzach 17.1 Mannen med två ansikten 17.1 有两张脸的人 17.1 双面人

第 17 章 二 つ の 顔 を 持つ 男 CHAPTER SEVENTEEN The Man with Two Faces だい|しょう|ふた|||かお||もつ|おとこ|chapter|seventeen|the|man||two|faces Chapter 17 CHAPTER SEVENTEEN The Man with Two Faces

そこ に いた の は クィレル だった 。 It was Quirel who was there.

「 あなた が ! 」 ハリー は 息 を のんだ 。 ||いき|| Harry took a breath.

クィレル は 笑い を 浮かべた 。 ||わらい||うかべた Quirel smiled with a laugh. その 顔 は いつも と 違い 、 痙攣 など して い なかった 。 |かお||||ちがい|けいれん|||| His face wasn't cramping like usual.

「 私 だ 」 落ち着き払った 声 だ 。 わたくし||おちつきはらった|こえ| "I am." A calm voice. 「 ポッター 、 君 に ここ で 会える かも しれ ない と 思って いた よ 」 |きみ||||あえる|||||おもって|| "Potter, I was wondering if I could meet you here."

「 でも 、 僕 は …… スネイプ だ と ばかり ……」 |ぼく||||| "But, I'm just ... Snape ..."

「 セブルス か ? Severus? 」 クィレル は 笑った 。 ||わらった いつも の かん高い 震え 声 で は なく 、 冷たく 鋭い 笑い だった 。 ||かんだかい|ふるえ|こえ||||つめたく|するどい|わらい| It wasn't the usual high-pitched quivering voice, but a cold, sharp laugh.

「 確かに 、 セブルス は まさに そんな タイプ に 見える 。 たしかに|||||たいぷ||みえる Indeed, Severus seems to be exactly that type. 彼 が 育ち 過ぎた こうもり みたいに 飛び回って くれた の が とても 役 に 立った 。 かれ||そだち|すぎた|||とびまわって|||||やく||たった It was very helpful that he flew around like an overgrown bat. スネイプ の そば に いれば 、 誰 だって 、 か 、 かわいそうな 、 ど 、 どもり の 、 ク 、 クィレル 先生 を 疑い やしない だろう ? |||||だれ|||||||||せんせい||うたがい|| If you were by Snape, wouldn't you doubt Dr. Quirel, who was poor, stuttering, ku, quiller? 」 ハリー は 信じられ なかった 。 ||しんじ られ| Harry could not believe it. こんな はず は ない 。 It shouldn't be like this. これ は 間違い だ 。 ||まちがい| This is a mistake.

「 でも スネイプ は 僕 を 殺そう と した ! |||ぼく||ころそう|| But Snape tried to kill me! 」 「 いや 、 いや 、 いや 。 殺そう と した の は 私 だ 。 ころそう|||||わたくし| I was the one who tried to kill me. あの クィディッチ の 試合 で 、 君 の 友人 の ミス ・ グレンジャー が スネイプ に 火 を つけよう と して 急いで いた 時 、 たまたま 私 に ぶつかって 私 は 倒れて しまった 。 |||しあい||きみ||ゆうじん||みす|||||ひ|||||いそいで||じ||わたくし|||わたくし||たおれて| In that Quidditch game, when your friend Miss Granger was in a hurry trying to light Snape, I happened to hit me and I fell. それ で 君 から 目 を 離して しまった んだ 。 ||きみ||め||はなして|| That's why I took my eyes off you. もう 少し で 箒 から 落として やれた んだ が 。 |すこし||そう||おとして||| A little more and I could have knocked him off his broom. 君 を 救おう と して スネイプ が 私 の かけた 呪文 を 解く 反対 呪文 を 唱えて さえ い なければ 、 もっと 早く 叩き 落とせた んだ 」 きみ||すくおう|||||わたくし|||じゅもん||とく|はんたい|じゅもん||となえて|||||はやく|たたき|おとせた| Snape unravels the spell I cast in an attempt to save you. Unless I cast the opposite spell, I could have knocked it down sooner. "

「 スネイプ が 僕 を 救おう と して いた ? ||ぼく||すくおう||| "Is Snape trying to save me? 」 「 その とおり 」 " " exactly " クィレル は 冷たく 言い放った 。 ||つめたく|いいはなった Quirel said coldly.

「 彼 が なぜ 次の 試合 で 審判 を 買って出た と 思う かね ? かれ|||つぎの|しあい||しんぱん||かってでた||おもう| "Why do you think he bought a referee in the next game? 私 が 二度と 同じ こと を し ない ように だ よ 。 わたくし||にどと|おなじ||||||| Don't let me do the same thing again. まったく 、 おかしな こと だ …… そんな 心配 を する 必要 は なかった んだ 。 |||||しんぱい|||ひつよう||| It's weird at all ... I didn't have to worry about that. ダンブルドア が 見て いる 前 で は 、 私 は 何も でき なかった のだ から 。 ||みて||ぜん|||わたくし||なにも|||| Before Dumbledore was watching, I couldn't do anything. ほか の 先生 方 は 全員 、 スネイプ が グリフィンドール の 勝利 を 阻止 する ため に 審判 を 申し出た と 思った 。 ||せんせい|かた||ぜんいん|||||しょうり||そし||||しんぱん||もうしでた||おもった All the other teachers thought that Snape had offered a referee to prevent Gryffindor from winning. スネイプ は 憎ま れ 役 を 買って出た わけだ …… ずいぶん と 時間 を ムダ に した もの よ 。 ||にくま||やく||かってでた||||じかん||むだ|||| Snape was hated and bought a role ... It was a lot of wasted time. どうせ 今夜 、 私 が おまえ を 殺す のに 」 |こんや|わたくし||||ころす| Anyway, tonight, I'll kill you. "

クィレル が 指 を パチッ と ならした 。 ||ゆび|||| Quirel snapped his finger. 縄 が どこ から と も なく 現れ 、 ハリー の 体 に 固く 巻きついた 。 なわ|||||||あらわれ|||からだ||かたく|まきついた A rope appeared out of nowhere and wrapped tightly around Harry's body.

「 ポッター 、 君 は いろんな 所 に 首 を 突っ込み 過ぎる 。 |きみ|||しょ||くび||つっこみ|すぎる "Potter, you stick your neck too much in many places. 生かして は おけ ない 。 いかして||| I can't keep it alive. ハロウィーン の 時 も あんなふうに 学校 中 を チョロチョロ し おって 。 ||じ|||がっこう|なか|||| Even during Halloween, I wandered around the school like that. 『 賢 者 の 石 』 を 守って いる の が 何 な の か を 見 に 私 が 戻って きた 時 も 、 君 は 私 を 見て しまった かも しれ ない 」 かしこ|もの||いし||まもって||||なん|||||み||わたくし||もどって||じ||きみ||わたくし||みて|||| You might have seen me when I came back to see what was guarding the Philosopher's Stone.

「 あなた が トロール を 入れた のです か ? ||||いれた|| "Did you put in the troll? 」 「 さよう 。 "Goodbye. 私 は トロール に ついて は 特別な 才能 が ある …… ここ に 来る 前 の 部屋 で 、 私 が 倒した トロール を 見た ね 。 わたくし||||||とくべつな|さいのう|||||くる|ぜん||へや||わたくし||たおした|||みた| I have a special talent for trolls. ...... You saw the troll I defeated in the room before we came here. 残念な こと に 、 あの 時 、 皆 が トロール を 探して 走り回って いた のに 、 私 を 疑って いた スネイプ だけ が 、 まっすぐに 四 階 に 来て 私 の 前 に 立ちはだかった …… 私 の トロール が 君 を 殺し そこねた ばかり か 、 三 頭 犬 は スネイプ の 足 を かみ 切り そこねた 。 ざんねんな||||じ|みな||||さがして|はしりまわって|||わたくし||うたがって||||||よっ|かい||きて|わたくし||ぜん||たちはだかった|わたくし||||きみ||ころし||||みっ|あたま|いぬ||||あし|||きり| Unfortunately, at that time, everyone was running around looking for a troll, but only Snape, who was suspicious of me, came straight upstairs and stood in front of me ... my troll stood in front of you ... Not only did he fail to kill, but the three-headed dog failed to bite Snape's leg.

さあ ポッター 、 おとなしく 待って おれ 。 |||まって| Come on, Potter, just wait and see. この なかなか おもしろい 鏡 を 調べ なくて は なら ない から な 」 |||きよう||しらべ|||||| I have to look into this very interesting mirror. "

その 時 初めて ハリー は クィレル の 後ろ に ある もの に 気 が ついた 。 |じ|はじめて|||||うしろ|||||き|| Only then did Harry notice what was behind Quirel. あの 「 みぞ の 鏡 」 だった 。 |||きよう| It was that "mirror of erised".

「 この 鏡 が 『 石 』 を 見つける 鍵 な のだ 」 |きよう||いし||みつける|かぎ|| This mirror is the key to finding the Stone.

クィレル は 鏡 の 枠 を コツコツ 叩き ながら つぶやいた 。 ||きよう||わく||こつこつ|たたき|| Quirel muttered, tapping the frame of the mirror.

「 ダンブルドア なら 、 こういう もの を 考えつく だろう と 思った …… しかし 、 彼 は 今 ロンドン だ …… 帰って くる 頃 に は 、 私 は とっくに 遠く に 行って しまう ……」 |||||かんがえつく|||おもった||かれ||いま|ろんどん||かえって||ころ|||わたくし|||とおく||おこなって| "I thought Dumbledore would come up with something like this ... but he's in London now ... by the time he comes back, I'll be far away ..."

ハリー に できる こと は 、 とにかく クィレル に 話し 続け させ 、 鏡 に 集中 でき ない ように する こと だ 。 ||||||||はなし|つづけ|さ せ|きよう||しゅうちゅう|||||| What Harry can do is just let Quirel keep talking so that he can't concentrate on the mirror. それ しか 思いつか ない 。 ||おもいつか| I can only think of it.

「 僕 、 あなた が 森 の 中 で スネイプ と 一緒に いる ところ を 見た ……」 ぼく|||しげる||なか||||いっしょに||||みた "I saw you in the woods with Snape ..."

ハリー が 出し抜けに 言った 。 ||だしぬけに|いった Harry said out of the blue.

「 ああ 」

クィレル は 鏡 の 裏側 に 回り込み ながら いいかげんな 返事 を した 。 ||きよう||うらがわ||まわりこみ|||へんじ|| Quirel wraps around behind the mirror and gives a sloppy reply.

「 スネイプ は 私 に 目 を つけて いて 、 私 が どこ まで 知っている か を 確かめよう と して いた 。 ||わたくし||め||||わたくし||||しっている|||たしかめよう||| "Snape was looking at me and trying to see how much I knew. 初め から ズーッ と 私 の こと を 疑って いた 。 はじめ||||わたくし||||うたがって| I was suspicious of me from the beginning. 私 を 脅そう と した んだ 。 わたくし||おどそう||| I tried to threaten me. 私 に は ヴォルデモート 卿 が ついて いる と いう のに …… それ でも 脅 せる と 思って いた のだろう か ね 」 わたくし||||きょう|||||||||おど|||おもって|||| I have Lord Voldemort with me. ...... Did he think he could scare me with that?

クィレル は 鏡 の 裏 を 調べ 、 また 前 に 回って 、 食い入る ように 鏡 に 見入った 。 ||きよう||うら||しらべ||ぜん||まわって|くいいる||きよう||みいった Quirel examined the back of the mirror and turned forward, staring into the mirror as if to bite into it.

「『 石 』 が 見える …… ご 主人 様 に それ を 差し出して いる の が 見える …… でも いったい 石 は どこ だ ? いし||みえる||あるじ|さま||||さしだして||||みえる|||いし||| "I can see the'stone'... I can see it being presented to my husband ... But where is the stone? 」 ハリー は 縄 を ほどこう と もがいた が 、 結び目 は 固かった 。 ||なわ||||||むすびめ||かたかった Harry struggled to untie the rope, but the knot was tight. なんとか して クィレル の 注意 を 鏡 から そらさ なくて は 。 ||||ちゅうい||きよう|||| I must somehow divert Quirel's attention from the mirror.

「 でも スネイプ は 僕 の こと を ずーっと 憎んで いた 」 |||ぼく|||||にくんで| "But Snape hated me all the time."

「 ああ 、 そう だ 」 "Oh, that's right."

と クィレル が こともなげに 言った 。 ||||いった Said Quirel.

「 まったく その とおり だ 。 "That's exactly right. おまえ の 父親 と 彼 は ホグワーツ の 同窓 だった 。 ||ちちおや||かれ||||どうそう| Your father and he were Hogwarts alumni. 知ら なかった か ? しら|| Didn't you know? 互いに 毛嫌い して いた 。 たがいに|けぎらい|| They hated each other. だが おまえ を 殺そう なんて 思わ ない さ 」 |||ころそう||おもわ|| But I don't think I'll kill you. "

「 でも 二 、 三 日 前 、 あなた が 泣いて いる の を 聞きました …… スネイプ が 脅して いる んだ と 思った 」 |ふた|みっ|ひ|ぜん|||ないて||||きき ました|||おどして||||おもった "But a few days ago, I heard you crying ... I thought Snape was threatening." クィレル の 顔 に 初めて 恐怖 が よぎった 。 ||かお||はじめて|きょうふ|| For the first time, fear struck Quirel's face.

「 時に は 、 ご 主人 様 の 命令 に 従う の が 難しい こと も ある …… あの 方 は 偉大な 魔法使い だ し 、 私 は 弱い ……」 ときに|||あるじ|さま||めいれい||したがう|||むずかしい|||||かた||いだいな|まほうつかい|||わたくし||よわい "Sometimes it's difficult to obey your husband's orders ... he's a great wizard, I'm weak ..."

「 それ じゃ 、 あの 教室 で 、 あなた は 『 あの 人 』 と 一緒に いた んです か ? |||きょうしつ|||||じん||いっしょに||| "Then, were you in that classroom with'that person'? 」 ハリー は 息 を のんだ 。 ||いき|| Harry took a breath. 「 私 の 行く ところ 、 どこ に でも あの 方 が いらっしゃる 」 わたくし||いく||||||かた|| "Wherever I go, He is there."

クィレル が 静かに 言った 。 ||しずかに|いった Quirel said quietly.

「 世界 旅行 を して いる 時 、 あの 方 に 初めて 出会った 。 せかい|りょこう||||じ||かた||はじめて|であった "When I was traveling the world, I met him for the first time. 当時 私 は 愚かな 若 輩 だった し 、 善悪 に ついて バカげた 考え しか 持って い なかった 。 とうじ|わたくし||おろかな|わか|やから|||ぜんあく|||ばかげた|かんがえ||もって|| At that time I was a stupid young man and had only stupid thoughts about right and wrong. ヴォルデモート 卿 は 私 が いかに 誤って いる か を 教えて くださった 。 |きょう||わたくし|||あやまって||||おしえて| Lord Voldemort taught me how wrong I am. 善 と 悪 が 存在 する ので は なく 、 力 と 、 力 を 求める に は 弱 すぎる 者 と が 存在 する だけ な のだ と …… それ 以来 、 私 は あの 方 の 忠実な 下僕 に なった 。 ぜん||あく||そんざい|||||ちから||ちから||もとめる|||じゃく||もの|||そんざい|||||||いらい|わたくし|||かた||ちゅうじつな|した ぼく|| There is no good and evil, but only power and one who is too weak to seek power ... Since then, I have become his loyal servant. もちろん あの 方 を 何度 も 失望 さ せて しまった が 。 ||かた||なんど||しつぼう|||| Of course, I was disappointed with him many times. だから 、 あの 方 は 私 に とても 厳しく しなければ なら なかった 」 ||かた||わたくし|||きびしく|し なければ|| So he had to be very strict with me. " 突然 クィレル は 震え だした 。 とつぜん|||ふるえ| Suddenly Quirel began to tremble.

「 過ち は 簡単に 許して は いただけ ない 。 あやまち||かんたんに|ゆるして||| "You can't easily forgive your mistakes. グリンゴッツ から 『 石 』 を 盗みだす の に しくじった 時 は 、 とても ご 立腹 だった 。 ||いし||ぬすみだす||||じ||||りっぷく| I was very angry when I failed to steal the "stone" from Gringots. 私 を 罰した …… そして 、 私 を もっと 間近で 見張ら ない と いけない と 決心 なさった ……」 わたくし||ばっした||わたくし|||まぢかで|みはら|||||けっしん| I punished me ... and decided that I had to keep an eye on me ... "

クィレル の 声 が 次第に 小さく なって いった 。 ||こえ||しだいに|ちいさく|| Quirel's voice gradually diminished. ハリー は ダイアゴン 横丁 に 行った 時 の こと を 思い出して いた ── なんで 今 まで 気 が つか なかった んだろう ? |||よこちょう||おこなった|じ||||おもいだして|||いま||き|||| Harry remembered when he went to Diagon Alley ── Why didn't he ever notice? ちょうど あの 日 に クィレル に 会って いる し 、「 漏れ 鍋 」 で 握手 まで した じゃ ない か 。 ||ひ||||あって|||もれ|なべ||あくしゅ||||| I met Quirel on that day, and I think he even shook hands with "Leaky Pot".

クィレル は 低い 声 で ののしった 。 ||ひくい|こえ|| Quirel screamed in a low voice.

「 いったい どう なって る んだ ……『 石 』 は 鏡 の 中 に 埋まって いる の か ? |||||いし||きよう||なか||うずまって||| "What's going on ... Is the'stone'buried in the mirror?" 鏡 を 割って みる か ? きよう||わって|| Would you like to break the mirror? 」 ハリー は めまぐるしく いろいろな こと を 考えて いた 。 ||||||かんがえて| Harry was thinking about various things at a dizzying pace. ── 今 、 なにより も 執 しい の は 『 石 』 だ 。 いま|||と||||いし| ── Now, the most obsessive thing is "stone". クィレル より 先 に 『 賢 者 の 石 』 を 見つけたい 。 ||さき||かしこ|もの||いし||みつけ たい I want to find "The Stone of the Sage" before Quirel. だから もし 今 鏡 を 見れば 、『 石 』 を 見つけた 自分 の 姿 が 映る はずだ 。 ||いま|きよう||みれば|いし||みつけた|じぶん||すがた||うつる| So if you look in the mirror now, you should see yourself finding the "stone". つまり 、『 石 』 が どこ に ある か が 見える はずだ ! |いし|||||||みえる| In other words, you should be able to see where the "stone" is! クィレル に 悟ら れ ない ように 鏡 を 見る に は どう したら いい んだろう ? ||さとら||||きよう||みる|||||| How can I look in the mirror so that Quirel doesn't realize it?

ハリー は クィレル に 気づか れ ない ように 鏡 の 前 に 行こう と 、 左 の 方 に にじり寄った が 、 縄 が くるぶし を きつく 縛って いる ので 、 つまずいて 倒れて しまった 。 ||||きづか||||きよう||ぜん||いこう||ひだり||かた||にじりよった||なわ|||||しばって||||たおれて| Harry leaned to the left, trying to go in front of the mirror so that Quirel wouldn't notice, but he stumbled and fell because the rope tied his ankle tightly. クィレル は ハリー を 無視 して ブツブツ 独り言 を 言い 続けて いた 。 ||||むし||ぶつぶつ|ひとりごと||いい|つづけて| Quirel ignored Harry and continued to soliloquy.

「 この 鏡 は どういう 仕掛け なんだ ? |きよう|||しかけ| "What kind of mechanism is this mirror? どういう 使い 方 を する んだろう ? |つかい|かた||| How do you use it? ご 主人 様 、 助けて ください ! |あるじ|さま|たすけて| Master, please help me! 」 別の 声 が 答えた 。 べつの|こえ||こたえた Another voice replied. しかも 声 は クィレル 自身 から 出て くる ようだった 。 |こえ|||じしん||でて|| Moreover, the voice seemed to come from Quirel himself. ハリー は ゾッと した 。 ||ぞっと|

「 その 子 を 使う んだ …… その 子 を 使え ……」 |こ||つかう|||こ||つかえ "Use that baby. ...... Use that baby. ......

クィレル が 突然 ハリー の 方 を 向いた 。 ||とつぜん|||かた||むいた

「 わかりました …… ポッター 、 ここ へ 来い 」 わかり ました||||こい 手 を 一 回 パン と 打つ と 、 ハリー を 縛って いた 縄 が 落ちた 。 て||ひと|かい|ぱん||うつ||||しばって||なわ||おちた When I hit my hand once, the rope that bound Harry fell.

ハリー は ノロノロ と 立ち上がった 。 ||のろのろ||たちあがった Harry stood up with a slapstick.

「 ここ へ 来る んだ 」 ||くる| "Come here."

クィレル が 言った 。 ||いった Quirel said.

「 鏡 を 見て 何 が 見える か を 言え 」 きよう||みて|なん||みえる|||いえ "Look in the mirror and tell me what you can see."

ハリー は クィレル の 方 に 歩いて いった 。 ||||かた||あるいて| Harry walked towards Quirel.

( 嘘 を つか なくて は ) ハリー は 必死に 考えた 。 うそ|||||||ひっしに|かんがえた (I have to lie) Harry thought desperately. ( 鏡 に 何 が 見えて も 、 嘘 を 言えば いい ) きよう||なん||みえて||うそ||いえば| (No matter what you see in the mirror, tell a lie)

クィレル が ハリー の すぐ 後ろ に 回った 。 |||||うしろ||まわった Quirel turned just behind Harry. 変な 匂い が した 。 へんな|におい|| It smelled strange. クィレル の ターバン から 出る 匂い らしい 。 ||たーばん||でる|におい| It seems to smell from Quirel's turban. ハリー は 目 を 閉じて 鏡 の 前 に 立ち 、 そこ で 目 を 開けた 。 ||め||とじて|きよう||ぜん||たち|||め||あけた Harry closed his eyes and stood in front of the mirror, where he opened his eyes.

青白く 脅えた 自分 の 姿 が 目 に 入った 。 あおじろく|おびえた|じぶん||すがた||め||はいった I saw myself in a pale and frightened figure. 次の 瞬間 、 鏡 の 中 の ハリー が 笑い かけた 。 つぎの|しゅんかん|きよう||なか||||わらい| The next moment, Harry in the mirror laughed. 鏡 の 中 の ハリー が ポケット に 手 を 突っ込み 、 血 の ように 赤い 石 を 取り出した 。 きよう||なか||||ぽけっと||て||つっこみ|ち|||あかい|いし||とりだした Harry in the mirror reaches into his pocket and pulls out a blood-red stone. そして ウインク を する と また その 石 を ポケット に 入れた 。 |ういんく||||||いし||ぽけっと||いれた And when he winked, he put the stone in his pocket again. すると 、 その とたん 、 ハリー は 自分 の ポケット の 中 に 何 か 重い もの が 落ちる の を 感じた 。 |||||じぶん||ぽけっと||なか||なん||おもい|||おちる|||かんじた Then Harry felt something heavy falling in his pocket. なぜ か ── 信じられ ない こと に ── ハリー は 『 石 』 を 手 に 入れて しまった 。 ||しんじ られ||||||いし||て||いれて| For some reason ── unbelievably ── Harry got a "stone". 「 どう だ ? "How is it? 」 クィレル が 待ちきれ ず に 聞いた 。 ||まちきれ|||きいた ' asked Quirrell impatiently. 「 何 が 見える ? なん||みえる 」 ハリー は 勇気 を 奮い起こした 。 ||ゆうき||ふるいおこした 「 僕 が ダンブルドア と 握手 を して いる の が 見える 」 ぼく||||あくしゅ||||||みえる

作り話 だ 。 つくりばなし| It's a made-up story.

「 僕 …… 僕 の おかげ で グリフィンドール が 寮 杯 を 獲得 した んだ 」 ぼく|ぼく||||||りょう|さかずき||かくとく|| "I ... Thanks to me, Gryffindor won the dorm cup."

「 そこ を どけ 」 クィレル が また ののしった 。 "Don't go there," Quirel screamed again.

ハリー は 「 賢 者 の 石 」 が 脚 に 触れて いる の を 感じた 。 ||かしこ|もの||いし||あし||ふれて||||かんじた Harry felt the "Sage's Stone" touching his leg. 思いきって 逃げ出そう か ? おもいきって|にげだそう| Do you want to run away? しかし 、 ほんの 五 歩 も 歩か ない うち に 、 クィレル が 唇 を 動かして いない の に 高い 声 が 響いた 。 ||いつ|ふ||あるか||||||くちびる||うごかして||||たかい|こえ||ひびいた But within just five steps, a high voice echoed, even though Quirel hadn't moved his lips. 「 こいつ は 嘘 を ついて いる …… 嘘 を ついて いる ぞ ……」 ||うそ||||うそ||||

「 ポッター 、 ここ に 戻れ ! |||もどれ "Potter, come back here! 本当の こと を 言う んだ 。 ほんとうの|||いう| Tell the truth. 今 、 何 が 見えた んだ ? いま|なん||みえた| 」 クィレル が 叫んだ 。 ||さけんだ 再び 高い 声 が した 。 ふたたび|たかい|こえ|| There was a high pitched voice again.

「 わし が 話す …… 直 に 話す ……」 ||はなす|なお||はなす "I speak ... I speak directly ..."

「 ご 主人 様 、 あなた 様 は まだ 十分に 力 が ついて いません ! |あるじ|さま||さま|||じゅうぶんに|ちから|||いま せ ん "My husband, you are not strong enough yet! 」 「 この ため なら …… 使う 力 が ある ……」 |||つかう|ちから|| "For this reason ... I have the power to use it ..." 「 悪魔 の 罠 」 が ハリー を その 場 に 釘づけ に して しまった ような 感じ だった 。 あくま||わな|||||じょう||くぎづけ|||||かんじ| It felt like the "devil's trap" had nailed Harry to the spot. ハリー は 指 一 本 動かせ なく なって しまった 。 ||ゆび|ひと|ほん|うごかせ||| Harry got stuck with one finger. クィレル が ターバン を ほどく の を 、 ハリー は 石 の ように 硬く なった まま で 見て いた 。 ||たーばん|||||||いし|||かたく||||みて| Harry watched Quirel unwind the turban, still stiff like a stone. 何 を やって る んだろう ? なん|||| What are you doing? ターバン が 落ちた 。 たーばん||おちた The turban fell off. ターバン を かぶら ない クィレル の 頭 は 、 奇妙な くらい 小さかった 。 たーばん||||||あたま||きみょうな||ちいさかった Quirel's head, without a turban, was strangely small. クィレル は その場で ゆっくり と 体 を 後ろ向き に した 。 ||そのばで|||からだ||うしろむき|| Quirel slowly turned his body backwards on the spot.

ハリー は 悲鳴 を 上げる ところ だった 。 ||ひめい||あげる|| Harry was about to scream. が 、 声 が 出 なかった 。 |こえ||だ| But I couldn't speak. クィレル の 頭 の 後ろ に は もう 一 つ の 顔 が あった 。 ||あたま||うしろ||||ひと|||かお|| Behind Quirel's head was another face. ハリー が これ まで 見た こと も ない ほど の 恐ろしい 顔 が 。 ||||みた||||||おそろしい|かお| Harry has the most terrifying face he has ever seen. 蝋 の ように 白い 顔 、 ギラギラ と 血走った 目 、 鼻 孔 は ヘビ の ような 裂け目 に なって いた 。 ろう|||しろい|かお|ぎらぎら||ちばしった|め|はな|あな||へび|||さけめ||| The waxy white face, glare and bloody eyes, and the nose were snake-like crevices.

「 ハリー ・ ポッター ……」

声 が ささやいた 。 こえ|| ハリー は 後ずさり しよう と した が 、 足 が 動か なかった 。 ||あとずさり|||||あし||うごか| Harry tried to step back, but his legs didn't move.

「 この ありさま を 見ろ 」 |||みろ "Look at this situation"

顔 が 言った 。 かお||いった said the face.

「 ただ の 影 と 霞 に 過ぎ ない …… 誰 か の 体 を 借りて 初めて 形 に なる こと が できる …… しかし 、 常に 誰 か が 、 喜んで わし を その 心 に 入り込ま せて くれる …… この 数 週間 は 、 ユニコーン の 血 が わし を 強く して くれた …… 忠実な クィレル が 、 森 の 中 で 私 の ため に 血 を 飲んで いる ところ を 見た だろう …… 命 の 水 さえ あれば 、 わし は 自身 の 体 を 創造 する こと が できる のだ …… さて …… ポケット に ある 『 石 』 を いただこう か 」 ||かげ||かすみ||すぎ||だれ|||からだ||かりて|はじめて|かた|||||||とわに|だれ|||よろこんで||||こころ||はいりこま||||すう|しゅうかん||||ち||||つよく|||ちゅうじつな|||しげる||なか||わたくし||||ち||のんで||||みた||いのち||すい|||||じしん||からだ||そうぞう|||||||ぽけっと|||いし||| "It's just a shadow and a haze ... It's only possible to take shape by borrowing someone's body ... But always someone is willing to let me enter into that heart ... for the past few weeks The blood of the unicorn has strengthened me ... I would have seen a faithful quillel drinking blood for me in the woods ... if I had the water of life, I would. You can create your own body .... Well ... let's get the "stone" in your pocket. "

彼 は 知っていた んだ 。 かれ||しっていた| 突然 足 の 感覚 が 戻った 。 とつぜん|あし||かんかく||もどった Suddenly my foot sensation returned. ハリー は よろめき ながら 後ずさり した 。 ||||あとずさり| Harry staggered back.

「 バカな 真似 は よせ 」 ばかな|まね|| "Don't imitate stupid things"

顔 が 低く 唸った 。 かお||ひくく|うなった His face was low and he groaned.

「 命 を 粗末に する な 。 いのち||そまつに|| "Don't ruin your life. わし の 側 に つけ …… さ も ない と おまえ も おまえ の 両親 と 同じ 目 に 会う ぞ …… 二 人 と も 命乞い を し ながら 死んで いった ……」 ||がわ|||||||||||りょうしん||おなじ|め||あう||ふた|じん|||いのちごい||||しんで| On my side …… Otherwise you will see the same eyes as your parents …… Both of them died while begging for their lives …… ”

「 嘘 だ ! うそ| "It's a lie! 」 ハリー が 突然 叫んだ 。 ||とつぜん|さけんだ

ヴォルデモート が ハリー を 見た まま で いら れる ように 、 クィレル は 後ろ向き で 近づいて きた 。 ||||みた||||||||うしろむき||ちかづいて| Quirel approached backwards, just as Voldemort could stay looking at Harry.

邪悪な 顔 が ニヤリ と した 。 じゃあくな|かお|||| The evil face grinned.

「 胸 を 打た れる ねぇ ……」 顔 が 押し殺した ような 声 を 出した 。 むね||うた|||かお||おしころした||こえ||だした "I can't beat my chest ..." I made a voice that seemed to kill my face.

「 わし は いつも 勇気 を 称える …… そう だ 、 小僧 、 おまえ の 両親 は 勇敢 だった …… わし は まず 父親 を 殺した 。 |||ゆうき||たたえる|||こぞう|||りょうしん||ゆうかん|||||ちちおや||ころした "I always praise courage ... yes, kid, your parents were brave ... I killed my father first. 勇敢に 戦った が ね …… しかし おまえ の 母親 は 死ぬ 必要 は なかった …… 母親 は おまえ を 守ろう と した んだ …… 母親 の 死 を ムダ に し たく なかったら 、 さあ 『 石 』 を よこせ 」 ゆうかんに|たたかった||||||ははおや||しぬ|ひつよう|||ははおや||||まもろう||||ははおや||し||むだ||||||いし|| I fought bravely ... but your mother didn't have to die ... she tried to protect you ... If you didn't want to waste your mother's death, give me a "stone". "

「 やる もんか ! "Do you want to do it! 」 ハリー は 炎 の 燃えさかる 扉 に 向かって かけ出した 。 ||えん||もえさかる|とびら||むかって|かけだした Harry set out for the burning door of the flames.

「 捕まえろ ! つかまえろ 」 ヴォルデモート が 叫んだ 。 ||さけんだ 次の 瞬間 、 ハリー は クィレル の 手 が 自分 の 手首 を つかむ の を 感じた 。 つぎの|しゅんかん|||||て||じぶん||てくび|||||かんじた At the next moment, Harry felt Quirel's hand grab his wrist. その とたん 、 針 で 刺す ような 鋭い 痛み が 額 の 傷跡 を 貴 いた 。 ||はり||さす||するどい|いたみ||がく||きずあと||とうと| At that moment, a sharp, stinging pain in the forehead scarred the forehead. 頭 が 二 つ に 割れる か と 思う くらい だった 。 あたま||ふた|||われる|||おもう|| I wondered if my head would split in two. ハリー は 悲鳴 を 上げ 、 力 を 振り絞って もがいた 。 ||ひめい||あげ|ちから||ふりしぼって| Harry screamed and struggled with all his might. 驚いた こと に 、 クィレル は ハリー の 手 を 離した 。 おどろいた|||||||て||はなした To his surprise, Quirrell let go of Harry's hand. 額 の 痛 み が 和らいだ …… クィレル が どこ に 行った の か 、 ハリー は そこら 中 を 見回した 。 がく||つう|||やわらいだ|||||おこなった||||||なか||みまわした The pain in my forehead has eased ... Harry looked around to see where Quirel went. クィレル は 苦痛 に 体 を 丸め 、 自分 の 指 を 見て いた …… 見るみる うち に 指 に 火ぶくれ が できた 。 ||くつう||からだ||まるめ|じぶん||ゆび||みて||みるみる|||ゆび||ひぶくれ|| Quirel curled up in pain and was looking at his fingers ..... I saw a blistering on my fingers.

「 捕まえろ ! つかまえろ 捕まえろ ! つかまえろ 」 ヴォルデモート が また かん高く 叫んだ 。 |||かんだかく|さけんだ クィレル が 跳び かかり 、 ハリー の 足 を すくって 引き 倒し 、 ハリー の 上 に のしかかって 両手 を ハリー の 首 に かけた …… 額 の 傷 の 痛み で ハリー は 目 が 眩んだ が 、 それ でも 、 クィレル が 激しい 苦痛 で うなり 声 を 上げる の が 見えた 。 ||とび||||あし|||ひき|たおし|||うえ|||りょうて||||くび|||がく||きず||いたみ||||め||くらんだ||||||はげしい|くつう|||こえ||あげる|||みえた Quirel jumped, scooped Harry's leg and pulled it down, rested on Harry and put his hands on Harry's neck ... Harry was dazzled by the pain of his forehead wound, but still severe. I saw him growl in pain.

「 ご 主人 様 、 ヤツ を 押さえて いられません …… 手 が …… 私 の 手 が ! |あるじ|さま|やつ||おさえて|いら れ ませ ん|て||わたくし||て| "My husband, I can't hold him down ... my hand ... my hand! 」 クィレル は 膝 で ハリー を 地面 に 押さえつけて は いた が 、 ハリー の 首 から 手 を 離し 、 いぶかし げ に 自分 の 手 の 平 を 見つめて いた …… ハリー の 目 に 、 真っ赤に 焼けた だれ 、 皮 が ベロリ と むけた 手 が 見えた 。 ||ひざ||||じめん||おさえつけて||||||くび||て||はなし||||じぶん||て||ひら||みつめて||||め||まっかに|やけた||かわ|||||て||みえた Quirel was holding Harry on the ground with his knees, but he took his hand off Harry's neck and glanced at his palm ... Harry's eyes, a red-burnt skin. I could see my hand towards Berori. 「 それ なら 殺せ 、 愚か 者 め 、 始末 して しまえ ! ||ころせ|おろか|もの||しまつ|| "Then kill me, fool, get rid of it! 」 ヴォルデモート が 鋭く 叫んだ 。 ||するどく|さけんだ クィレル は 手 を 上げて 死 の 呪い を かけ はじめた 。 ||て||あげて|し||まじない||| Quirel raised his hand and began to curse death. ハリー は とっさに 手 を 伸ばし 、 クィレル の 顔 を つかんだ 。 |||て||のばし|||かお||

「 ああ あ アアァ ! 」 クィレル が 転がる ように ハリー から 離れた 。 ||ころがる||||はなれた As Quirel rolls away from Harry. 顔 も 焼け ただれて いた 。 かお||やけ|| His face was also burnt. ハリー に は わかった 。 Harry understood.

クィレル は ハリー の 皮膚 に 直接 触れる こと は でき ない のだ 。 ||||ひふ||ちょくせつ|ふれる||||| Quirrell cannot directly touch Harry's skin. 触れれば ひどい 痛み に 責め さいなま れる …… クィレル に しがみつき 、 痛み の あまり 呪い を かける こと が でき ない ように する ── それ しか 道 は ない 。 ふれれば||いたみ||せめ||||||いたみ|||まじない|||||||||||どう|| If you touch it, you will be blamed for the terrible pain .... Cling to Quirel, so that you can't curse too much of the pain ── That's the only way.

ハリー は 跳び 起きて 、 クィレル の 腕 を 捕まえ 、 力 の かぎり 強く しがみついた 。 ||とび|おきて|||うで||つかまえ|ちから|||つよく| Harry jumped up, grabbed Quirel's arm, and clung to him as strongly as he could. クィレル は 悲鳴 を あげ 、 ハリー を 振り ほどこう と した …… ハリー の 額 の 痛み は ますます ひどく なった …… 何も 見え ない …… クィレル の 恐ろしい 悲鳴 と ヴォルデモート の 叫び が 聞こえる だけ だ 。 ||ひめい|||||ふり||||||がく||いたみ|||||なにも|みえ||||おそろしい|ひめい||||さけび||きこえる|| Quirel screamed and tried to shake Harry ... The pain in Harry's forehead got worse ... I couldn't see anything ... I could only hear Quirel's horrific screams and Voldemort's screams.

「 殺せ ! ころせ 殺せ ! ころせ 」 もう 一 つ 別 の 声 が 聞こえた 。 |ひと||べつ||こえ||きこえた ' I heard another voice. ハリー の 頭 の 中 で 聞こえた の かも しれ ない 。 ||あたま||なか||きこえた|||| It may have been heard in Harry's head. 叫んで いる 。 さけんで| screaming.

「 ハリー ! ハリー ! 」 ハリー は 固く 握って いた クィレル の 腕 が もぎ取られて いく の を 感じた 。 ||かたく|にぎって||||うで||もぎとら れて||||かんじた Harry felt that Quirel's arm, which he was holding tightly, was being torn off. すべて を 失って しまった の が わかった 。 ||うしなって|||| I found that I had lost everything. ハリー の 意識 は 闇 の 中 へ と 落ちて 行った 。 ||いしき||やみ||なか|||おちて|おこなった Harry's consciousness fell into the darkness. 下 へ …… 下 へ …… 下 へ …… した||した||した| Go to ...... Go to ...... Go to ......