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1 - Harry Potter, 16.1 仕掛けられた 罠 (2)

16.1 仕掛けられた 罠 (2)

「 今夜 だ 」

マクゴナガル 先生 が 声 の 届か ない ところ まで 行って しまう の を 待って 、 ハリー が 言った 。

「 スネイプ が 仕掛け 扉 を 破る なら 今夜 だ 。 必要な こと は 全部 わかった し 、 ダンブルドア も 追い払った し 。 スネイプ が 手紙 を 送った んだ 。 ダンブルドア 先生 が 顔 を 出したら 、 きっと 魔法 省 じゃ キョトンと する に 違いない 」

「 でも 私 たち に 何 が できるって ‥‥」 突然 ハーマイオニー が 息 を のんだ 。 ハリー と ロン が 急いで 振り返る と 、 そこ に スネイプ が 立って いた 。

「 や あ 、 こんにちは 」 スネイプ が いやに 愛想 よく 挨拶 を した 。 三 人 は スネイプ を じっと 見つめた 。

「 諸君 、 こんな 日 に は 室 内 に いる もん じゃ ない 」

スネイプ は とって つけた ような ゆがんだ ほほえみ を 浮かべた 。

「 僕たち は ……」

ハリー は 、 その後 何 を 言ったら よい の か 考えつか なかった 。

「 もっと 慎重に 願いたい もの です な 。 こんなふうに ウロウロ して いる ところ を 人 が 見たら 、 何 か 企んで いる ように 見えます ぞ 。 グリフィンドール と して は 、 これ 以上 減点 さ れる 余裕 は ない はずだろう ? 」 ハリー は 顔 を 赤らめた 。 三 人 が 外 に 出よう と する と 、 スネイプ が 呼び止めた 。

「 ポッター 、 警告 して おく 。 これ 以上 夜中 に うろついて いる の を 見かけたら 、 我 輩 が 自ら 君 を 退 校 処分 に する ぞ 。 さあ もう 行き たまえ 」

スネイプ は 大股 に 職員 室 の 方 に 歩いて いった 。

入口 の 石段 の ところ で 、 ハリー は 二 人 に 向かって 緊迫 した 口調 で ささやいた 。

「 よし 。 こう しよう 。 誰 か 一 人 が スネイプ を 見張る んだ …… 職員 室 の 外 で 待ち伏せ して 、 スネイプ が 出て きたら 跡 を つける 。 ハーマイオニー 、 君 が やって くれ 」

「 何で 私 な の ? 」 「 あたりまえ だろう 」 ロン が 言った 。 「 フリットウィック 先生 を 待ってる ふり を すれば いい じゃ ない か 」

ロン は ハーマイオニー の 声色 を 使った 。

「 ああ 、 フリットウィック 先生 。 私 、14 b の 答え を 間違えて しまった みたいで 、 とっても 心配な んです けど ……」

「 まあ 失礼 ね 。 黙ん なさい ! 」 それ でも 結局 ハーマイオニー が スネイプ を 見張る こと に なった 。 「 僕たち は 四 階 の 例 の 廊下 の 外 に いよう 。 さあ 行こう 」 と ハリー は ロン を 促した 。

だが こっち の 計画 は 失敗 だった 。 フラッフィー を 隔離 して いる ドア の 前 に 着いた とたん 、 また マクゴナガル 先生 が 現れた のだ 。 今度 こそ 堪忍 袋 の 緒 が 切れた ようだ 。

「 何 度 言ったら わかる んです ! たとえ 私 でも 破れ ない ような 魔法陣 を 組んで いる と お 思い です か ー 」 と すごい 剣幕 だ 。

「 こんな 愚か し い こと は もう 許しません ! もし あなた たち が また この あたり に 近づいた と 私 の 耳 に 入ったら 、 グリフィンドール は 五十 点 減点 です ! ええ 、 そう です と も 、 ウィーズリー 。 私 、 自分 の 寮 でも 減点 します ! 」 ハリー と ロン は 寮 の 談話 室 に 戻った 。 「 でも 、 まだ ハーマイオニー が スネイプ を 見張ってる 」 と ハリー が 言った とたん 、 太った 婦人 の 肖像 画 が バッ と 開いて ハーマイオニー が 入って きた 。

「 ハリー 、 ごめん ー 」 オロオロ 声 だ 。

「 スネイプ が 出て きて 、 何 して るって 開か れた の 。 フリットウィック 先生 を 待って るって 言った の よ 。 そし たら スネイプ が フリットウィック 先生 を 呼び に 行った の 。 だ から 私 、 ずっと 捕まっちゃって て 、 今やっと 戻って こ れた の 。 スネイプ が どこ に 行った か わから ない わ 」

「 じゃあ 、 もう 僕 が 行く しか ない 。 そう だろう ? 」 と ハリー が 言った 。

あと の 二 人 は ハリー を 見つめた 。 蒼白な 顔 に 緑 の 目 が 燃えて いた 。

「 僕 は 今夜 ここ を 抜け出す 。 『 石 』 を 何とか 先 に 手 に 入れる 」

「 気 は 確か か ! 」 と ロン が 言った 。

「 だめ よ ! マクゴナガル 先生 に も スネイプ に も 言わ れた でしょ 。 退 校 に なっちゃ うわ ー 」

「 だ から なん だって いう んだ ? 」 ハリー が 叫んだ 。 「 わから ない の かい ? もし スネイプ が 『 石 』 を 手 に 入れたら 、 ヴォルデモート が 戻って くるんだ 。 あいつ が すべて を 征服 しよう と して いた 時 、 どんな ありさま だった か 、 聞いて る だろう ? 退 校 に されよう に も 、 ホグワーツ そのもの が なくなって しまう んだ 。 ペシャンコ に されて しまう 。 でなければ 闇 の 魔術 の 学校 に されて しまう んだ ! 減点 なんて もう 問題 じゃ ない 。 それ が わから ない の かい ? グリフィンドール が 寮 対抗 杯 を 獲得 し さえ したら 、 君 たち や 家族 に は 手出し を し ない と でも 思って る の かい ? もし 僕 が 『 石 』 に たどり着く 前 に 見つかって しまったら 、 そう 、 退 校 で 僕 は ダーズリー 家 に 戻り 、 そこ で ヴォルデモート が やってくる の を じっと 待つ しか ない 。 死ぬ の が 少し だけ 遅く なる だけ だ 。 だって 僕 は 絶対 に 闇 の 魔法 に 屈服 し ない から ! 今晩 、 僕 は 仕掛け 扉 を 開ける 。 君 たち が 何と 言おう と 僕 は 行く 。 いい かい 、 僕 の 両親 は ヴォルデモート に 殺さ れた んだ 」

ハリー は 二 人 を にらみつけた 。

「 その とおり だ わ 、 ハリー 」

ハーマイオニー が 消え 入る ような 声 で 言った 。

「 僕 は 透明 マント を 使う よ 。 マント が 戻って きた の は ラッキーだった 」

「 でも 三 人 全員 入れる かな ? 」 と ロン が 言った 。

「 全員って …… 君 たち も 行く つもり かい ? 」 「 バカ 言う な よ 。 君 だけ を 行か せる と 思う の かい ? 」 「 もちろん 、 そんな こと でき ない わ 」 と ハーマイオニー が 威勢 よく 言った 。

「 私 たち が い なけりゃ 、 どう やって 『 石 』 まで たどりつく つもりな の 。 こう しちゃ いられ ない わ 。 私 、 本 を 調べて くる 。 なに か 役 に たつ こと が ある かも ……」

「 でも 、 もし つかまったら 、 君 たち も 退 校 に なる よ 」

「 それ ほどう かしら 」 ハーマイオニー が 決然と 言った 。 「 フリットウィック が そっと 教えて くれた んだ けど 、 彼 の 試験 で 私 は 百 点 満点 中 百十二 点 だった んですって 。 これ じゃ 私 を 退 校 に は し ない わ 」

夕食 の 後 、 談話 室 で 三 人 は 落ち着か ない 様子 で みんな から 離れて 座った 。 誰 も もう 三 人 の こと を 気 に とめる 様子 も なかった 。 グリフィンドール 寮生 は もう ハリー に 口 を きか なく なって いた 。 今夜 ばかり は 、 三 人 は 無視 されて も 気 に なら なかった 。 ハーマイオニー は これ から 突破 しなければ なら ない 呪い を 一 つ でも 見つけよう と ノート を めくって いた 。 ハリー と ロン は 黙り がち だった 。 二 人 と も これ から 自分 たち が やろう と して いる こと に 考え を 巡らせて いた 。

寮生 が 少しずつ 寝室 に 行き 、 談話 室 は 人気 が なくなって きた 。 貴 後 に リー ・ ジョーダン が 伸び を して あくび を し ながら 出て いった 。

「 マント を 取って きたら 」 と ロン が ささやいた 。 ハリー は 階段 を かけ上がり 暗い 寝室 に 向かった 。 透明 マント を 引っ張り出す と 、 ハグリッド が クリスマス ── プレゼント に くれた 横笛 が ふと 目 に とまった 。 フラッフィー の 前 で 吹こう と 、 笛 を ポケット に 入れた ── とても 歌う 気持 に は なれ そうに も なかった から だ 。

ハリー は 談話 室 に かけ 戻った 。

「 ここ で マント を 着て みた 方 が いい な 。 三 人 全員 隠れる か どう か 確かめよう …… もしも 足 が 一 本 だけ はみ出して 歩き回って いる の を フィルチ に でも 見つかったら ……」

「 君 たち 、 何 して る の ? 」 部屋 の 隅 から 声 が 聞こえた 。 ネビル が ひじ かけ 椅子 の 陰 から 現れた 。 自由 を 求めて また 逃亡 した ような 顔 の ヒキガエル の トレバー を しっかり と つかんで いる 。

「 なんでもない よ 、 ネビル 。 なんでもない 」

ハリー は 急いで マント を 後ろ に 隠した 。

「 また 外 に 出る んだ ろ 」

ネビル は 三 人 の 後ろめた そうな 顔 を 見つめた 。

「 う うん 。 違う 。 違う わ よ 。 出て なんか いか ない わ 。 ネビル 、 もう 寝たら ? 」 と ハーマイオニー が 言った 。 ハリー は 扉 の 脇 の 大きな 柱 時計 を 見た 。 もう 時間 が ない 。 スネイプ が 今にも フラッフィー に 音楽 を 聞か せて 眠ら せて いる かも しれ ない 。

「 外 に 出て は いけない よ 。 また 見つかったら 、 グリフィンドール は もっと 大変な こと に なる 」

と ネビル が 言った 。

「 君 に は わから ない こと だ けど 、 これ は 、 とっても 重要な こと な んだ 」

と ハリー が 言った が 、 ネビル は 必死に 頑張り 、 譲ろう と し なかった 。

「 行か せる もん か 」

ネビル は 出口 の 肖像 画 の 前 に 急いで 立ちはだかった 。

「 僕 、 僕 、 君 たち と 戦う ! 」 「 ネビル 」 ロン の かんしゃく玉 が 破裂 した 。

「 そこ を どけよ 。 バカ は よせ ……」

「 バカ 呼ばわり する な ! もう これ 以上 規則 を 破って は いけない ! 恐れ ず に 立ち向かえ と 言った の は 君 じゃ ない か 」

「 ああ 、 そうだ 。 でも 立ち向かう 相手 は 僕たち じゃ ない 」

ロン が いきりたった 。

「 ネビル 、 君 は 自分 が 何 を しよう と して る の か わかって ない んだ 」

口 ン が 一 歩 前 に 出る と 、 ネビル が ヒキガエル の トレバー を ポロリ と 落とした 。 トレバー は ピョン と 飛んで 、 行方 を くらました 。

「 やる なら やって みろ 。 殴れ よ ! いつでも かかって こい ! 」 ネビル が 拳 を 振り上げて 言った 。 ハリー は ハーマイオニー を 振り返り 、 弱り 果てて 頼んだ 。

「 なんとか して くれ 」

ハーマイオニー が 一 歩 進み 出た 。

「 ネビル 、 ほんとに 、 ほんとに ごめんなさい 」

ハーマイオニー は 杖 を 振り上げ 、 ネビル に 杖 の 先 を 向けた 。

「 ベトリフィカストタルス 、 石 に なれ ! 」 ネビル の 両腕 が 体 の 脇 に ピチッ と 貼り つき 、 両足 が バチッ と 閉じた 。 体 が 固く なり 、 その場で ユラユラ と 揺れ 、 まるで 一 枚 板 の ように うつ伏せ に バッタリ 倒れた 。

ハーマイオニー が かけ寄り 、 ネビル を ひっくり返した 。 ネビル の あご は グッと 結ばれ 、 話す こと も でき なかった 。 目 だけ が 動いて 、 恐怖 の 色 を 浮かべ 三 人 を 見て いた 。

「 ネビル に 何 を し たんだい ? 」 と ハリー が 小声 で たずねた 。

「『 全身 金縛り 』 を かけた の 。 ネビル 、 ごめんなさい 」 ハーマイオニー は 辛 そうだ 。

「 ネビル 、 こう し なくちゃ なら なかった んだ 。 訳 を 話して る 暇 が ない んだ 」 と ハリー が 言った 。

「 あと で きっと わかる よ 。 ネビル 」 と ロン が 言った 。

三 人 は ネビル を またぎ 、 透明 マント を かぶった 。

動け なく なった ネビル を 床 に 転がした まま 出て いく の は 、 幸先 が よい と は 思え なかった 。 三 人 と も 神経 が ピリピリ して いた ので 、 銅像 の 影 を 見る たび に 、 フィルチ か と 思ったり 、 遠く の 風 の 音 まで が 、 ピーブズ の 襲いかかって くる 音 に 聞こえたり した 。

最初の 階段 の 下 まで 来る と 、 ミセス ・ ノリス が 階段 の 上 を 忍び 歩き して いる の が 見えた 。

「 ねえ 、 蹴っ飛ばして やろう よ 。 一 回 だけ 」 と ロン が ハリー の 耳元 で ささやいた が 、 ハリー は 首 を 横 に 振った 。 気づか れ ない ように 慎重に 彼女 を 避けて 上がって いく と 、 ミセス ・ ノリス は ランプ の ような 目 で 三 人 の 方 を 見た が 、 何も し なかった 。

四 階 に 続く 階段 の 下 に たどり着く まで 、 あと は 誰 に も 出会わ なかった 。 ピーブズ が 四 階 へ の 階段 の 途中 で ヒョコヒョコ 上下 に 掛れ ながら 、 誰 か を つまずか せよう と 絨毯 を たるま せて いた 。

「 そこ に いる の は だ ー れ だ ? 」 三 人 が 階段 を 登って いく と 、 突然 ピーブズ が 意地悪 そうな 黒い 目 を 細めた 。 「 見え なく たって 、 そこ に いる の は わかって る んだ 。 だ ー れ だ 。 幽霊っ子 、 亡霊っ子 、 それとも 生徒 の いたずらっ子 か ? 」 ピーブズ は 空中 に 飛び上がり 、 プカプカ し ながら 目 を 細めて 三 人 の 方 を 見た 。 「 見え ない もの が 忍び 歩き して る 。 フィルチ を 呼ーぼう 。 呼ば なくちゃ 」

突然 ハリー は ひらめいた 。

「 ピーブズ 」 ハリー は 低い しわがれ 声 を 出した 。

「 血みどろ 男爵 様 が 、 わけ あって 身 を 隠して いる の が わから ん か 」

ピーブズ は 肝 を つぶして 空中 から 転落 し そうに なった が 、 あわや 階段 に ぶつかる 寸前 に 、 やっと の こと で 空中 に 跨 み とどまった 。

「 も 、 申し訳 ありません 。 血みどろ 閣下 、 男爵 様 。」

ピーブズ は とたん に へりくだった 。

「 手前 の 失態 で ございます 。 問違えました …… お 姿 が 見え なかった もの です から …… そうです と も 、 透明で 見え なかった ので ございます 。 老 いぼ れ ピーブズ め の 茶番劇 を 、 どう か お 許し ください 」

「 わし は ここ に 用 が ある 。 ピーブズ 、 今夜 は ここ に 近寄る で ない 」

ハリー が しわがれ 声 で 言った 。

「 はい 、 閣下 。 仰せ の とおり に いたします 」 ピーブズ は 再び 空中 に 舞い上がった 。 「 首尾よく お 仕事 が 進みます ように 。 男爵 様 。 お邪魔 は いたしません 」 ピーブズ は サッと 消えた 。 「 すごい ぞ 、 ハリー ! 」 ロン が 小声 で 言った 。

まもなく 三 人 は 四 階 の 廊下 に たどり着いた 。 扉 は すでに 少し 開いて いた 。

「 ほら 、 やっぱり だ 」 ハリー は 声 を 殺した 。

「 スネイプ は もう フラッフィー を 突破 した んだ 」

開いた まま の 扉 を 見る と 、 三 人 は 改めて 自分 たち の しよう と して いる こと が 何 な の か を 思い知ら さ れた 。 マント の 中 で ハリー は 二 人 を 振り返った 。

「 君 たち 、 戻り たかったら 、 恨んだり し ない から 戻って くれ 。 マント も 持っていって いい 。 僕 に は もう 必要 が ない から 」

「 バカ 言う な 」

「 一緒に 行く わ 」 ロン と ハーマイオニー が 言った 。

ハリー は 扉 を 押し 開けた 。

扉 は きしみ ながら 開き 、 低い 、 グルグル と いう うなり 声 が 聞こえた 。 三 つ の 鼻 が 、 姿 の 見え ない 三 人 の いる 方向 を 狂った ように かぎ 回った 。

「 犬 の 足元 に ある の は 何かしら 」 と ハーマイオニー が ささやいた 。

「 ハープ みたいだ 。 スネイプ が 置いて いった に 違いない 」 と ロン が 言った 。

「 きっと 音楽 が 止んだ とたん 起きて しまう んだ 」 と ハリー が 言った 。

「 さあ 、 はじめよう ……」

ハリー は ハグリッド に もらった 横笛 を 唇 に あてて 吹き はじめた 。 メロディー と も いえ ない もの だった が 、 最初の 音 を 聞いた 瞬間 から 、 三 頭 犬 は トロン と し はじめた 。 ハリー は 息 も 継が ず に 吹いた 。 だんだん と 犬 の うなり 声 が 消え 、 ヨロヨロッ と した か と 思う と 、 膝 を ついて 座り込み 、 ゴロン と 床 に 横たわった 。 グッスリ と 眠り こんで いる 。

「 吹き 続けて くれ 」

三 人 が マント を 抜け出す 時 、 ロン が 念 を 押した 。 三 人 は ソーッ と 仕掛け 扉 の 方 に 移動 し 、 犬 の 巨大な 頭 に 近づいた 。 熱くて くさい 鼻息 が かかった 。

犬 の 背中 越し に むこう 側 を のぞきこんで 、 ロン が 言った 。

「 扉 は 引っ掛れば 開く と 思う よ 。 ハーマイオニー 、 先 に 行く かい ? 」 「 いや よ ! 」 「 ようし ! 」 ロン が ギュッと 歯 を 食いしばって 、 慎重に 犬 の 足 を またいだ 。 屈んで 仕掛け 扉 の 引き手 を 引っ張る と 、 扉 が 跳ね上がった 。

「 何 が 見える ? 」 ハーマイオニー が こわごわ 尋ねた 。

「 何にも …… 真っ暗 だ …… 降りて いく 階段 も ない 。 落ちて いく しか ない 」

ハリー は まだ 横笛 を 吹いて いた が 、 ロン に 手 で 合図 を し 、 自分 自身 を 指さした 。

「 君 が 先 に 行きたい の かい ? 本当に ? 」 と ロン が 言った 。

「 どの くらい 深い か わから ない よ 。 ハーマイオニー に 笛 を 渡して 、 犬 を 眠ら せて おいて もらおう 」

ハリー は 横笛 を ハーマイオニー に 渡した 。 ほんの わずか 音 が 途絶えた だけ で 、 犬 は グルル と うなり 、 ぴくぴく 動いた 。 ハーマイオニー が 吹き 始める と 、 また すぐ 深い 眠り に 落ちて いった 。

ハリー は 犬 を 乗り越え 、 仕掛け 扉 から 下 を 見た 。 底 が 見え ない 。

ハリー は 穴 に 入り 、 最後に 指先 だけ で 扉 に しがみつき 、 ロン の 方 を 見上げて 言った 。

「 もし 僕 の 身 に 何 か 起きたら 、 ついてくる な よ 。 まっすぐ ふくろう 小屋 に 行って 、 ダンブルドア 宛 に ヘドウィグ を 送って くれ 。 いい かい ? 」 「 了解 」 「 じゃ 、 後 で 会おう 。 できれば ね ……」

ハリー は 指 を 離した 。 冷たい 湿った 空気 を 切って 、 ハリー は 落ちて 行った 。 下 へ …… 下 へ …… 下 へ …… そして ──

ドシン 。 奇妙な 鈍い 音 を たてて 、 ハリー は 何やら 柔らかい 物 の 上 に 着地 した 。 ハリー は 座り 直し 、 まだ 目 が 暗闇 に 慣れて い なかった ので 、 あたり を 手探り で 触った 。 何 か 植物 の ような もの の 上 に 座って いる 感じ だった 。

「 オーケー だ よ ! 」 人口 の 穴 は 切手 ぐらい の 小さ さ に 見えた 。 その 明かり に 向かって ハリー が 叫んだ 。

「 軟 着陸 だ 。 飛び降りて も 大丈夫だ よ ! 」 ロン が すぐ 飛び降りて きた 。 ハリー の すぐ 隣 に 大 の 字 に なって 着地 した 。

「 これ 、 なんだい ? 」 ロン の 第一声 だった 。

「 わかん ない 。 何 か 植物 らしい 。 落ちる ショック を 和らげる ため に ある みたいだ 。 さあ 、 ハーマイオニー 、 おいで よ ! 」 遠く の 方 で 聞こえて いた 笛 の 音 が やんだ 。 犬 が 大きな 声 で 吠えて いる 。 でも ハーマイオニー は もう ジャンプ して いた 。 ハリー の 脇 に 、 ロン と は 反対 側 に 着地 した 。

「 ここって 、 学校 の 何 キロ も 下 に 違いない わ 」 と ハーマイオニー が 言った 。 「 この 植物 の おかげ で 、 ほんとに ラッキーだった 」 ロン が 言った 。

「 ラッキーですって ! 」 ハーマイオニー が 悲鳴 を 上げた 。 「 二 人 と も 自分 を 見て ごらん なさい よ ! 」 ハーマイオニー は はじける ように 立ち上がり 、 ジトッ と 湿った 壁 の 方 に 行こう と もがいた 。 ハーマイオニー が 着地 した とたん 、 植物 の ツル が ヘビ の ように 足首 に からみついて きた のだ 。 知ら ない うち に ハリー と ロン の 脚 は 長い ツル で 固く 締めつけられて いた 。 ハーマイオニー は 植物 が 固く 巻きつく 前 だった ので なんとか 振り ほどき 、 ハリー と ロン が ツル と 奮闘 する の を 、 引きつった 顔 で 見て いた 。 振り ほどこう と すれば する ほど 、 ツル は ますます きつく 、 すばやく 二 人 に 巻きついた 。

「 動か ないで ! 」 ハーマイオニー が 叫んだ 。

「 私 、 知って る …… これ 、『 悪魔 の 罠 』 だ わ ! 」 「 あぁ 。 何て 名前 か 知って る なんて 、 大いに 助かる よ 」

ロン が 首 に 巻きつこう と する ツル から 逃れよう と 、 のけぞり ながら うなった 。

「 黙って て ! どう やって やっつける か 思い出そう と して る んだ から ! 」 と ハーマイオニー が 言った 。

「 早く して ! もう 息 が でき ない よ 」

ハリー は 胸 に 巻きついた ツル と 格闘 しながら あえいだ 。

「『 悪魔 の 罠 』、『 悪魔 の 罠 』っと …… スプラウト 先生 は 何て 言ったっけ ? 暗闇 と 湿気 を 好み ……」

「 だったら 火 を つけて ! 」 ハリー は 息 絶え絶えだ 。 「 そう だ わ …… それ よ …… でも 薪 が ない わ ! 」 ハーマイオニー が イライラ と 両手 を よじり ながら 叫んだ 。

「 気 が 変に なった の か ! 君 は それ でも 魔女 か ! 」 ロン が 大声 を 出した 。

「 あっ、 そう だった ! 」 ハーマイオニー は サッと 杖 を 取り出し 、 何 か つぶやき ながら 振った 。 する と 、 スネイプ に しかけた の と 同じ リンドウ 色 の 炎 が 植物 めがけて 噴射 した 。 草 が 光 と 温もり で すくみ 上がり 、 二 人 の 体 を 締めつけて いた ツル が 、 見る見る ほどけて いった 。 草 は 身 を よじり 、 へなへな と ほぐれ 、 二 人 は ツル を 振り払って 自由に なった 。

「 ハーマイオニー 、 君 が 薬草 学 を ちゃんと 勉強 して くれて いて よかった よ 」

額 の 汗 を 拭い ながら 、 ハリー も ハーマイオニー の いる 壁 の ところ に 行った 。

「 ほんとだ 。 それ に こんな 危険な 状態 で 、 ハリー が 冷静で よかった よ ── それにしても 、『 薪 が ない わ 』 なんて 、 まったく ……」 と ロン が 言った 。

「 こっち だ 」

ハリー は 奥 へ 続く 石 の 一 本道 を 指さした 。

16.1 仕掛けられた 罠 (2) しかけ られた|わな 16.1 Fallen stellen (2) 16.1 Trap set (2) 16.1 Zestaw pułapek (2) 16.1 Fällor inställda (2) 16.1 陷阱套裝 (2)

「 今夜 だ 」 こんや|

マクゴナガル 先生 が 声 の 届か ない ところ まで 行って しまう の を 待って 、 ハリー が 言った 。 |せんせい||こえ||とどか||||おこなって||||まって|||いった Harry said, waiting until Professor McGonagall was out of earshot.

「 スネイプ が 仕掛け 扉 を 破る なら 今夜 だ 。 ||しかけ|とびら||やぶる||こんや| "If Snape breaks the gimmick door, it's tonight. 必要な こと は 全部 わかった し 、 ダンブルドア も 追い払った し 。 ひつような|||ぜんぶ|||||おいはらった| I knew everything I needed, and I rushed to Dumbledore. スネイプ が 手紙 を 送った んだ 。 ||てがみ||おくった| Snape sent a letter. ダンブルドア 先生 が 顔 を 出したら 、 きっと 魔法 省 じゃ キョトンと する に 違いない 」 |せんせい||かお||だしたら||まほう|しょう||きょとんと|||ちがいない If Professor Dumbledore shows his face, he must be Kyoton at the Ministry of Magic. "

「 でも 私 たち に 何 が できるって ‥‥」 突然 ハーマイオニー が 息 を のんだ 。 |わたくし|||なん||できる って|とつぜん|||いき|| "But what can we do..." Hermione gasped suddenly. ハリー と ロン が 急いで 振り返る と 、 そこ に スネイプ が 立って いた 。 ||||いそいで|ふりかえる||||||たって| Harry and Ron hurriedly looked back, and Snape stood there.

「 や あ 、 こんにちは 」  スネイプ が いやに 愛想 よく 挨拶 を した 。 ||||||あいそ||あいさつ|| "Hello," Snape greeted me unpleasantly. 三 人 は スネイプ を じっと 見つめた 。 みっ|じん|||||みつめた The three of them stared at Snape.

「 諸君 、 こんな 日 に は 室 内 に いる もん じゃ ない 」 しょくん||ひ|||しつ|うち||||| "You guys, you're not in the room on a day like this."

スネイプ は とって つけた ような ゆがんだ ほほえみ を 浮かべた 。 ||||||||うかべた Snape gave a wry smile.

「 僕たち は ……」 ぼくたち| "We are..."

ハリー は 、 その後 何 を 言ったら よい の か 考えつか なかった 。 ||そのご|なん||いったら||||かんがえつか| Harry couldn't figure out what to say after that.

「 もっと 慎重に 願いたい もの です な 。 |しんちょうに|ねがい たい||| "I want to be more careful. こんなふうに ウロウロ して いる ところ を 人 が 見たら 、 何 か 企んで いる ように 見えます ぞ 。 |うろうろ|||||じん||みたら|なん||たくらんで|||みえ ます| When a person sees a place like this, it looks like he is planning something. グリフィンドール と して は 、 これ 以上 減点 さ れる 余裕 は ない はずだろう ? |||||いじょう|げんてん|||よゆう||| Gryffindor can't afford to lose any more points, can it? 」 ハリー は 顔 を 赤らめた 。 ||かお||あからめた 三 人 が 外 に 出よう と する と 、 スネイプ が 呼び止めた 。 みっ|じん||がい||でよう||||||よびとめた Snape stopped when the three tried to get out.

「 ポッター 、 警告 して おく 。 |けいこく|| "Potter, I warn you. これ 以上 夜中 に うろついて いる の を 見かけたら 、 我 輩 が 自ら 君 を 退 校 処分 に する ぞ 。 |いじょう|よなか||||||みかけたら|われ|やから||おのずから|きみ||しりぞ|こう|しょぶん||| If I see you loitering around in the middle of the night any more, I'll personally expel you. さあ もう 行き たまえ 」 ||いき| Come on, go! "

スネイプ は 大股 に 職員 室 の 方 に 歩いて いった 。 ||おおまた||しょくいん|しつ||かた||あるいて| Snape walked stride towards the staff room.

入口 の 石段 の ところ で 、 ハリー は 二 人 に 向かって 緊迫 した 口調 で ささやいた 。 いりぐち||いしだん||||||ふた|じん||むかって|きんぱく||くちょう|| At the foot of the steps, Harry whispered to them in an urgent tone of voice.

「 よし 。 "Alright. こう しよう 。 Let's do this. 誰 か 一 人 が スネイプ を 見張る んだ …… 職員 室 の 外 で 待ち伏せ して 、 スネイプ が 出て きたら 跡 を つける 。 だれ||ひと|じん||||みはる||しょくいん|しつ||がい||まちぶせ||||でて||あと|| Someone's got to keep an eye on Snape. ハーマイオニー 、 君 が やって くれ 」 |きみ||| Hermione, you do it."

「 何で 私 な の ? なんで|わたくし|| "Why me? 」 「 あたりまえ だろう 」 ロン が 言った 。 ||||いった 「 フリットウィック 先生 を 待ってる ふり を すれば いい じゃ ない か 」 |せんせい||まってる||||||| "You should pretend to be waiting for Professor Fritwick."

ロン は ハーマイオニー の 声色 を 使った 。 ||||こわいろ||つかった Ron used Hermione's voice.

「 ああ 、 フリットウィック 先生 。 ||せんせい 私 、14 b の 答え を 間違えて しまった みたいで 、 とっても 心配な んです けど ……」 わたくし|||こたえ||まちがえて||||しんぱいな|| It seems I made a mistake in answering 14b, so I'm really worried..."

「 まあ 失礼 ね 。 |しつれい| "Well, excuse me. 黙ん なさい ! もく ん| Shut up! 」 それ でも 結局 ハーマイオニー が スネイプ を 見張る こと に なった 。 ||けっきょく|||||みはる||| ” Still, Hermione ended up watching over Snape. 「 僕たち は 四 階 の 例 の 廊下 の 外 に いよう 。 ぼくたち||よっ|かい||れい||ろうか||がい|| "Let us be outside the corridor of the example on the fourth floor. さあ 行こう 」 と ハリー は ロン を 促した 。 |いこう||||||うながした Let's go, "Harry urged Ron.

だが こっち の 計画 は 失敗 だった 。 |||けいかく||しっぱい| But this plan was a failure. フラッフィー を 隔離 して いる ドア の 前 に 着いた とたん 、 また マクゴナガル 先生 が 現れた のだ 。 ||かくり|||どあ||ぜん||ついた||||せんせい||あらわれた| As soon as I got to the door that separated Fluffy, Professor McGonagall appeared again. 今度 こそ 堪忍 袋 の 緒 が 切れた ようだ 。 こんど||かんにん|ふくろ||お||きれた| It seems that the patience bag has run out this time.

「 何 度 言ったら わかる んです ! なん|たび|いったら|| "How many times do you know! たとえ 私 でも 破れ ない ような 魔法陣 を 組んで いる と お 思い です か ー 」 と すごい 剣幕 だ 。 |わたくし||やぶれ|||まほう じん||くんで||||おもい|||-|||けんまく| Do you think that even I have a magical team that can't be broken? "

「 こんな 愚か し い こと は もう 許しません ! |おろか||||||ゆるし ませ ん "I won't forgive such stupid things anymore! もし あなた たち が また この あたり に 近づいた と 私 の 耳 に 入ったら 、 グリフィンドール は 五十 点 減点 です ! ||||||||ちかづいた||わたくし||みみ||はいったら|||ごじゅう|てん|げんてん| If I hear you guys are near here again, Gryffindor is down fifty points! ええ 、 そう です と も 、 ウィーズリー 。 Yes, yes, Weasley. 私 、 自分 の 寮 でも 減点 します ! わたくし|じぶん||りょう||げんてん|し ます I will deduct points for my dormitory as well! 」 ハリー と ロン は 寮 の 談話 室 に 戻った 。 ||||りょう||だんわ|しつ||もどった " Harry and Ron returned to their dormitory common room. 「 でも 、 まだ ハーマイオニー が スネイプ を 見張ってる 」 と ハリー が 言った とたん 、 太った 婦人 の 肖像 画 が バッ と 開いて ハーマイオニー が 入って きた 。 ||||||みはってる||||いった||ふとった|ふじん||しょうぞう|が||||あいて|||はいって| "But Hermione's still watching over Snape," said Harry as the fat lady's portrait burst open and Hermione entered.

「 ハリー 、 ごめん ー 」 オロオロ 声 だ 。 ||-|おろおろ|こえ| "Harry, I'm sorry.

「 スネイプ が 出て きて 、 何 して るって 開か れた の 。 ||でて||なん||る って|あか|| "Snape came out and what was it open to? フリットウィック 先生 を 待って るって 言った の よ 。 |せんせい||まって|る って|いった|| I said I was waiting for Dr. Flitwick. そし たら スネイプ が フリットウィック 先生 を 呼び に 行った の 。 |||||せんせい||よび||おこなった| Then Snape went to get Professor Flitwick. だ から 私 、 ずっと 捕まっちゃって て 、 今やっと 戻って こ れた の 。 ||わたくし||つかまっちゃ って||いまや っと|もどって||| That's why I was arrested for so long, and now I'm finally back. スネイプ が どこ に 行った か わから ない わ 」 ||||おこなった|||| I don't know where Snape went.

「 じゃあ 、 もう 僕 が 行く しか ない 。 ||ぼく||いく|| "Then, I have no choice but to go. そう だろう ? Right? 」 と ハリー が 言った 。 |||いった said Harry.

あと の 二 人 は ハリー を 見つめた 。 ||ふた|じん||||みつめた The other two stared at Harry. 蒼白な 顔 に 緑 の 目 が 燃えて いた 。 そうはくな|かお||みどり||め||もえて| Green eyes burned on a pale face.

「 僕 は 今夜 ここ を 抜け出す 。 ぼく||こんや|||ぬけだす I'm getting out of here tonight. 『 石 』 を 何とか 先 に 手 に 入れる 」 いし||なんとか|さき||て||いれる We'll manage to get the 'stone' first."

「 気 は 確か か ! き||たしか| "Are you sure! 」 と ロン が 言った 。 |||いった

「 だめ よ ! マクゴナガル 先生 に も スネイプ に も 言わ れた でしょ 。 |せんせい||||||いわ|| You were told by Dr. McGonagall and by Snape. 退 校 に なっちゃ うわ ー 」 しりぞ|こう||||-

「 だ から なん だって いう んだ ? "So what are you saying? 」 ハリー が 叫んだ 。 ||さけんだ Harry shouted. 「 わから ない の かい ? "Don't you understand? もし スネイプ が 『 石 』 を 手 に 入れたら 、 ヴォルデモート が 戻って くるんだ 。 |||いし||て||いれたら|||もどって| If Snape gets the Stone, Voldemort will come back. あいつ が すべて を 征服 しよう と して いた 時 、 どんな ありさま だった か 、 聞いて る だろう ? ||||せいふく|||||じ|||||きいて|| Did you hear what it was like when he was trying to conquer everything? 退 校 に されよう に も 、 ホグワーツ そのもの が なくなって しまう んだ 。 しりぞ|こう||さ れよう||||その もの|||| Even if I get expelled, Hogwarts itself will be gone. ペシャンコ に されて しまう 。 ||さ れて| It will be made into a pechanco. でなければ 闇 の 魔術 の 学校 に されて しまう んだ ! |やみ||まじゅつ||がっこう||さ れて|| Otherwise you'll end up in the School of the Dark Arts! 減点 なんて もう 問題 じゃ ない 。 げんてん|||もんだい|| Deductions are no longer a problem. それ が わから ない の かい ? Don't you know that? グリフィンドール が 寮 対抗 杯 を 獲得 し さえ したら 、 君 たち や 家族 に は 手出し を し ない と でも 思って る の かい ? ||りょう|たいこう|さかずき||かくとく||||きみ|||かぞく|||てだし||||||おもって||| Do you really think that if Gryffindor even wins the Dorm Cup, they will leave you and your family alone? もし 僕 が 『 石 』 に たどり着く 前 に 見つかって しまったら 、 そう 、 退 校 で 僕 は ダーズリー 家 に 戻り 、 そこ で ヴォルデモート が やってくる の を じっと 待つ しか ない 。 |ぼく||いし||たどりつく|ぜん||みつかって|||しりぞ|こう||ぼく|||いえ||もどり|||||||||まつ|| If I am discovered before I reach the Stone, then yes, I will have to leave school and return to the Dursleys' house, where I will have to wait patiently for Voldemort to arrive. 死ぬ の が 少し だけ 遅く なる だけ だ 。 しぬ|||すこし||おそく||| You'll just die a little bit slower. だって 僕 は 絶対 に 闇 の 魔法 に 屈服 し ない から ! |ぼく||ぜったい||やみ||まほう||くっぷく||| Because I will never give in to the magic of darkness! 今晩 、 僕 は 仕掛け 扉 を 開ける 。 こんばん|ぼく||しかけ|とびら||あける Tonight I will open the trap door. 君 たち が 何と 言おう と 僕 は 行く 。 きみ|||なんと|いおう||ぼく||いく I'm going no matter what you guys say. いい かい 、 僕 の 両親 は ヴォルデモート に 殺さ れた んだ 」 ||ぼく||りょうしん||||ころさ|| Okay, my parents were killed by Lord Voldemort. "

ハリー は 二 人 を にらみつけた 。 ||ふた|じん||

「 その とおり だ わ 、 ハリー 」 "Exactly, Harry."

ハーマイオニー が 消え 入る ような 声 で 言った 。 ||きえ|はいる||こえ||いった said Hermione in a faint voice.

「 僕 は 透明 マント を 使う よ 。 ぼく||とうめい|まんと||つかう| マント が 戻って きた の は ラッキーだった 」 まんと||もどって||||らっきーだった I was lucky that the cloak was back."

「 でも 三 人 全員 入れる かな ? |みっ|じん|ぜんいん|いれる| But will all three of us be able to get in? 」 と ロン が 言った 。 |||いった

「 全員って …… 君 たち も 行く つもり かい ? ぜんいん って|きみ|||いく|| "Everyone... are you guys going too? 」 「 バカ 言う な よ 。 ばか|いう|| "Don't be silly. 君 だけ を 行か せる と 思う の かい ? きみ|||いか|||おもう|| You think I'll let you go alone? 」 「 もちろん 、 そんな こと でき ない わ 」 "Of course I can't do that." と ハーマイオニー が 威勢 よく 言った 。 |||いせい||いった Hermione said dashingly.

「 私 たち が い なけりゃ 、 どう やって 『 石 』 まで たどりつく つもりな の 。 わたくし|||||||いし|||| "Without us, how would we get to the'stone'? こう しちゃ いられ ない わ 。 ||いら れ|| I can't do this. 私 、 本 を 調べて くる 。 わたくし|ほん||しらべて| I'm going to check out the book. なに か 役 に たつ こと が ある かも ……」 ||やく|||||| It might be of some use..."

「 でも 、 もし つかまったら 、 君 たち も 退 校 に なる よ 」 |||きみ|||しりぞ|こう||| "But if you get caught, you'll be expelled from school, too."

「 それ ほどう かしら 」 ハーマイオニー が 決然と 言った 。 |||||けつぜんと|いった "I wonder if that's the case," Hermione said resolutely. 「 フリットウィック が そっと 教えて くれた んだ けど 、 彼 の 試験 で 私 は 百 点 満点 中 百十二 点 だった んですって 。 |||おしえて||||かれ||しけん||わたくし||ひゃく|てん|まんてん|なか|ひゃくじゅうに|てん||んです って "Flitwick quietly taught me, but in his exam I got 112 out of 100. これ じゃ 私 を 退 校 に は し ない わ 」 ||わたくし||しりぞ|こう||||| This won't get me kicked out of school."

夕食 の 後 、 談話 室 で 三 人 は 落ち着か ない 様子 で みんな から 離れて 座った 。 ゆうしょく||あと|だんわ|しつ||みっ|じん||おちつか||ようす||||はなれて|すわった After dinner, the three of them sat restlessly apart from everyone else in the common room. 誰 も もう 三 人 の こと を 気 に とめる 様子 も なかった 。 だれ|||みっ|じん||||き|||ようす|| No one seemed to care about the three of them anymore. グリフィンドール 寮生 は もう ハリー に 口 を きか なく なって いた 。 |りょうせい|||||くち||||| The Gryffindor housemates no longer spoke to Harry. 今夜 ばかり は 、 三 人 は 無視 されて も 気 に なら なかった 。 こんや|||みっ|じん||むし|さ れて||き||| Just for tonight, the three of them didn't mind being ignored. ハーマイオニー は これ から 突破 しなければ なら ない 呪い を 一 つ でも 見つけよう と ノート を めくって いた 。 ||||とっぱ|し なければ|||まじない||ひと|||みつけよう||のーと||| Hermione was flipping through her notebook trying to find even one curse that she had to break through. ハリー と ロン は 黙り がち だった 。 ||||だまり|| Harry and Ron tended to be silent. 二 人 と も これ から 自分 たち が やろう と して いる こと に 考え を 巡らせて いた 。 ふた|じん|||||じぶん|||||||||かんがえ||めぐらせて| Both of them were thinking about what they were going to do.

寮生 が 少しずつ 寝室 に 行き 、 談話 室 は 人気 が なくなって きた 。 りょうせい||すこしずつ|しんしつ||いき|だんわ|しつ||にんき||| Little by little, the dormitory students went to their bedrooms, and the common room became less popular. 貴 後 に リー ・ ジョーダン が 伸び を して あくび を し ながら 出て いった 。 とうと|あと|||||のび|||||||でて| Lee Jordan stretched and yawned as he left.

「 マント を 取って きたら 」 と ロン が ささやいた 。 まんと||とって||||| "Get me the cloak," whispered Ron. ハリー は 階段 を かけ上がり 暗い 寝室 に 向かった 。 ||かいだん||かけあがり|くらい|しんしつ||むかった Harry ran up the stairs and into the dark bedroom. 透明 マント を 引っ張り出す と 、 ハグリッド が クリスマス ── プレゼント に くれた 横笛 が ふと 目 に とまった 。 とうめい|まんと||ひっぱりだす||||くりすます|ぷれぜんと|||よこぶえ|||め|| When I pulled out the transparent cloak, Hagrid suddenly caught my eye on the flute that was in the present. フラッフィー の 前 で 吹こう と 、 笛 を ポケット に 入れた ── とても 歌う 気持 に は なれ そうに も なかった から だ 。 ||ぜん||ふこう||ふえ||ぽけっと||いれた||うたう|きもち||||そう に|||| I put the whistle in my pocket to blow it in front of Fluffy-because I didn't feel like singing very much.

ハリー は 談話 室 に かけ 戻った 。 ||だんわ|しつ|||もどった Harry ran back to the common room.

「 ここ で マント を 着て みた 方 が いい な 。 ||まんと||きて||かた||| "You should try on the cloak here. 三 人 全員 隠れる か どう か 確かめよう …… もしも 足 が 一 本 だけ はみ出して 歩き回って いる の を フィルチ に でも 見つかったら ……」 みっ|じん|ぜんいん|かくれる||||たしかめよう||あし||ひと|ほん||はみだして|あるきまわって|||||||みつかったら Let's see if all three can hide ... If Filch finds that he is walking around with only one leg sticking out ... "

「 君 たち 、 何 して る の ? きみ||なん||| What are you guys doing? 」 部屋 の 隅 から 声 が 聞こえた 。 へや||すみ||こえ||きこえた ネビル が ひじ かけ 椅子 の 陰 から 現れた 。 ||||いす||かげ||あらわれた Neville emerges from behind the elbow chair. 自由 を 求めて また 逃亡 した ような 顔 の ヒキガエル の トレバー を しっかり と つかんで いる 。 じゆう||もとめて||とうぼう|||かお||ひきがえる||||||| Holding onto Trevor, a toad that looks like it's fleeing for freedom again.

「 なんでもない よ 、 ネビル 。 Nothing, Neville. なんでもない 」

ハリー は 急いで マント を 後ろ に 隠した 。 ||いそいで|まんと||うしろ||かくした Harry hurriedly hid his cloak behind his back.

「 また 外 に 出る んだ ろ 」 |がい||でる||

ネビル は 三 人 の 後ろめた そうな 顔 を 見つめた 。 ||みっ|じん||うしろめた|そう な|かお||みつめた Neville stared at their guilty faces.

「 う うん 。 違う 。 ちがう No, it's not. 違う わ よ 。 ちがう|| 出て なんか いか ない わ 。 でて|||| I don't want to go out. ネビル 、 もう 寝たら ? ||ねたら Neville, why don't you go to sleep? 」 と ハーマイオニー が 言った 。 |||いった ハリー は 扉 の 脇 の 大きな 柱 時計 を 見た 。 ||とびら||わき||おおきな|ちゅう|とけい||みた Harry looked at the large wall clock by the door. もう 時間 が ない 。 |じかん|| I'm out of time. スネイプ が 今にも フラッフィー に 音楽 を 聞か せて 眠ら せて いる かも しれ ない 。 ||いまにも|||おんがく||きか||ねむら||||| Snape could be putting Fluffy to sleep at any moment.

「 外 に 出て は いけない よ 。 がい||でて||| "Don't go outside. また 見つかったら 、 グリフィンドール は もっと 大変な こと に なる 」 |みつかったら||||たいへんな||| If he is found again, Gryffindor will be in much more trouble."

と ネビル が 言った 。 |||いった

「 君 に は わから ない こと だ けど 、 これ は 、 とっても 重要な こと な んだ 」 きみ|||||||||||じゅうような||| "You don't know, but this is very important."

と ハリー が 言った が 、 ネビル は 必死に 頑張り 、 譲ろう と し なかった 。 |||いった||||ひっしに|がんばり|ゆずろう||| Harry said, but Neville desperately tried hard and refused to give up.

「 行か せる もん か 」 いか||| "Can you let me go?"

ネビル は 出口 の 肖像 画 の 前 に 急いで 立ちはだかった 。 ||でぐち||しょうぞう|が||ぜん||いそいで|たちはだかった Neville hurriedly stood before the exit portrait.

「 僕 、 僕 、 君 たち と 戦う ! ぼく|ぼく|きみ|||たたかう "I, I, I will fight with you! 」 「 ネビル 」 ロン の かんしゃく玉 が 破裂 した 。 ||かんしゃく たま||はれつ| Ron's tantrum ruptured.

「 そこ を どけよ 。 "Get out of there. バカ は よせ ……」 ばか|| Stop being an idiot..."

「 バカ 呼ばわり する な ! ばか|よばわり|| "Don't call me stupid! もう これ 以上 規則 を 破って は いけない ! ||いじょう|きそく||やぶって|| Don't break the rules anymore! 恐れ ず に 立ち向かえ と 言った の は 君 じゃ ない か 」 おそれ|||たちむかえ||いった|||きみ||| Isn't it you who told you to stand up without fear? "

「 ああ 、 そうだ 。 |そう だ でも 立ち向かう 相手 は 僕たち じゃ ない 」 |たちむかう|あいて||ぼくたち|| But we are not the ones we face. "

ロン が いきりたった 。 Ron went into a rage.

「 ネビル 、 君 は 自分 が 何 を しよう と して る の か わかって ない んだ 」 |きみ||じぶん||なん|||||||||| "Neville, you don't know what you're trying to do."

口 ン が 一 歩 前 に 出る と 、 ネビル が ヒキガエル の トレバー を ポロリ と 落とした 。 くち|||ひと|ふ|ぜん||でる||||ひきがえる||||||おとした As the mouth stepped forward, Neville dropped the toad's trever. トレバー は ピョン と 飛んで 、 行方 を くらました 。 ||||とんで|ゆくえ|| Trevor flew off and disappeared.

「 やる なら やって みろ 。 "If you're going to do it, do it. 殴れ よ ! なぐれ| Hit me! いつでも かかって こい ! Come on anytime! 」 ネビル が 拳 を 振り上げて 言った 。 ||けん||ふりあげて|いった Neville raised his fist in the air. ハリー は ハーマイオニー を 振り返り 、 弱り 果てて 頼んだ 。 ||||ふりかえり|よわり|はてて|たのんだ Harry looked back at Hermione and asked, weakened.

「 なんとか して くれ 」 "Do something about it."

ハーマイオニー が 一 歩 進み 出た 。 ||ひと|ふ|すすみ|でた Hermione stepped forward.

「 ネビル 、 ほんとに 、 ほんとに ごめんなさい 」

ハーマイオニー は 杖 を 振り上げ 、 ネビル に 杖 の 先 を 向けた 。 ||つえ||ふりあげ|||つえ||さき||むけた Hermione raised her wand and pointed it at Neville.

「 ベトリフィカストタルス 、 石 に なれ ! |いし|| "Betrificus Totarus, turn to stone! 」 ネビル の 両腕 が 体 の 脇 に ピチッ と 貼り つき 、 両足 が バチッ と 閉じた 。 ||りょううで||からだ||わき||||はり||りょうあし||||とじた '' Neville's arms snapped at his sides, and his legs snapped shut. 体 が 固く なり 、 その場で ユラユラ と 揺れ 、 まるで 一 枚 板 の ように うつ伏せ に バッタリ 倒れた 。 からだ||かたく||そのばで|ゆらゆら||ゆれ||ひと|まい|いた|||うつぶせ||ばったり|たおれた My body became stiff and shook on the spot, and I fell down on my stomach like a single board.

ハーマイオニー が かけ寄り 、 ネビル を ひっくり返した 。 ||かけより|||ひっくりかえした Hermione ran over and knocked Neville over. ネビル の あご は グッと 結ばれ 、 話す こと も でき なかった 。 ||||ぐっと|むすばれ|はなす|||| Neville's chin was tied tight and couldn't even speak. 目 だけ が 動いて 、 恐怖 の 色 を 浮かべ 三 人 を 見て いた 。 め|||うごいて|きょうふ||いろ||うかべ|みっ|じん||みて| Only his eyes were moving, and he was looking at the three with a look of terror.

「 ネビル に 何 を し たんだい ? ||なん||| "What did you do to Neville? 」 と ハリー が 小声 で たずねた 。 |||こごえ|| Harry asked in a whisper.

「『 全身 金縛り 』 を かけた の 。 ぜんしん|かなしばり||| "I put a 'whole body restraint' on you. ネビル 、 ごめんなさい 」 ハーマイオニー は 辛 そうだ 。 ||||しん|そう だ I'm sorry Neville," said Hermione.

「 ネビル 、 こう し なくちゃ なら なかった んだ 。 "Neville, I had to do this. 訳 を 話して る 暇 が ない んだ 」 と ハリー が 言った 。 やく||はなして||いとま|||||||いった I don't have time to talk about the translation, "Harry said.

「 あと で きっと わかる よ 。 "I'm sure you'll find out later. ネビル 」 と ロン が 言った 。 ||||いった

三 人 は ネビル を またぎ 、 透明 マント を かぶった 。 みっ|じん|||||とうめい|まんと|| The three stepped over Neville and donned invisibility cloaks.

動け なく なった ネビル を 床 に 転がした まま 出て いく の は 、 幸先 が よい と は 思え なかった 。 うごけ|||||とこ||ころがした||でて||||さいさき|||||おもえ| I didn't think it was a good idea to leave Neville, who was stuck, lying on the floor. 三 人 と も 神経 が ピリピリ して いた ので 、 銅像 の 影 を 見る たび に 、 フィルチ か と 思ったり 、 遠く の 風 の 音 まで が 、 ピーブズ の 襲いかかって くる 音 に 聞こえたり した 。 みっ|じん|||しんけい||ぴりぴり||||どうぞう||かげ||みる||||||おもったり|とおく||かぜ||おと|||||おそいかかって||おと||きこえたり| All three were on edge, so every time they saw the shadow of the statue they thought it was Filch, and even the distant wind sounded like Peeves' pounce.

最初の 階段 の 下 まで 来る と 、 ミセス ・ ノリス が 階段 の 上 を 忍び 歩き して いる の が 見えた 。 さいしょの|かいだん||した||くる|||||かいだん||うえ||しのび|あるき|||||みえた When I came to the bottom of the first staircase, I saw Mrs. Norris sneaking up the stairs.

「 ねえ 、 蹴っ飛ばして やろう よ 。 |け っ とばして|| "Hey, let's kick him. 一 回 だけ 」 と ロン が ハリー の 耳元 で ささやいた が 、 ハリー は 首 を 横 に 振った 。 ひと|かい|||||||みみもと||||||くび||よこ||ふった Just once," Ron whispered in Harry's ear, who shook his head. 気づか れ ない ように 慎重に 彼女 を 避けて 上がって いく と 、 ミセス ・ ノリス は ランプ の ような 目 で 三 人 の 方 を 見た が 、 何も し なかった 。 きづか||||しんちょうに|かのじょ||さけて|あがって||||||らんぷ|||め||みっ|じん||かた||みた||なにも|| Carefully avoiding her and climbing up, Mrs. Norris looked at the three with a lamp-like eye, but did nothing.

四 階 に 続く 階段 の 下 に たどり着く まで 、 あと は 誰 に も 出会わ なかった 。 よっ|かい||つづく|かいだん||した||たどりつく||||だれ|||であわ| I didn't meet anyone until I got to the bottom of the stairs leading to the fourth floor. ピーブズ が 四 階 へ の 階段 の 途中 で ヒョコヒョコ 上下 に 掛れ ながら 、 誰 か を つまずか せよう と 絨毯 を たるま せて いた 。 ||よっ|かい|||かいだん||とちゅう|||じょうげ||かかれ||だれ||||||じゅうたん|||| Peeves was on his way up the stairs to the fourth floor, hopping up and down, flopping on the carpet in an attempt to trip someone.

「 そこ に いる の は だ ー れ だ ? ||||||-|| Who's there? 」 三 人 が 階段 を 登って いく と 、 突然 ピーブズ が 意地悪 そうな 黒い 目 を 細めた 。 みっ|じん||かいだん||のぼって|||とつぜん|||いじわる|そう な|くろい|め||ほそめた Peeves suddenly narrowed his dark, mean eyes as they climbed the stairs. 「 見え なく たって 、 そこ に いる の は わかって る んだ 。 みえ|||||||||| "I know I'm there even if I can't see it. だ ー れ だ 。 |-|| 幽霊っ子 、 亡霊っ子 、 それとも 生徒 の いたずらっ子 か ? ゆうれい っこ|ぼうれい っこ||せいと||いたずら っこ| A ghost child, a ghost child, or a mischievous student? 」 ピーブズ は 空中 に 飛び上がり 、 プカプカ し ながら 目 を 細めて 三 人 の 方 を 見た 。 ||くうちゅう||とびあがり||||め||ほそめて|みっ|じん||かた||みた Peeves jumped into the air and squinted his eyes at the three of them. 「 見え ない もの が 忍び 歩き して る 。 みえ||||しのび|あるき|| "Invisible things are sneaking around. フィルチ を 呼ーぼう 。 ||よ - ぼう Call Filch. 呼ば なくちゃ 」 よば| I have to call you.”

突然 ハリー は ひらめいた 。 とつぜん||| Suddenly, Harry had an epiphany.

「 ピーブズ 」 ハリー は 低い しわがれ 声 を 出した 。 |||ひくい||こえ||だした Peeves," Harry said, his voice low and hoarse.

「 血みどろ 男爵 様 が 、 わけ あって 身 を 隠して いる の が わから ん か 」 ちみどろ|だんしゃく|さま||||み||かくして|||||| "Can't you see why the bloody baron-sama is hiding himself for a reason?"

ピーブズ は 肝 を つぶして 空中 から 転落 し そうに なった が 、 あわや 階段 に ぶつかる 寸前 に 、 やっと の こと で 空中 に 跨 み とどまった 。 ||かん|||くうちゅう||てんらく||そう に||||かいだん|||すんぜん||||||くうちゅう||また|| Peeves was so nervous that he almost fell out of the sky, but just before he hit the stairs, he finally managed to stay aloft.

「 も 、 申し訳 ありません 。 |もうしわけ|あり ませ ん "I'm sorry, too. 血みどろ 閣下 、 男爵 様 。」 ちみどろ|かっか|だんしゃく|さま Bloody hell, my lord, my baron.

ピーブズ は とたん に へりくだった 。 Peeves immediately humbled himself.

「 手前 の 失態 で ございます 。 てまえ||しったい|| "It's a blunder in front of you. 問違えました …… お 姿 が 見え なかった もの です から …… そうです と も 、 透明で 見え なかった ので ございます 。 とい ちがえました||すがた||みえ|||||そう です|||とうめいで|みえ||| I made a mistake... I couldn't see your figure... That's right, but it was transparent and I couldn't see it. 老 いぼ れ ピーブズ め の 茶番劇 を 、 どう か お 許し ください 」 ろう||||||ちゃばんげき|||||ゆるし| Please forgive old Peeves for this farce."

「 わし は ここ に 用 が ある 。 ||||よう|| "I have business here. ピーブズ 、 今夜 は ここ に 近寄る で ない 」 |こんや||||ちかよる|| Peeves, don't come here tonight. "

ハリー が しわがれ 声 で 言った 。 |||こえ||いった

「 はい 、 閣下 。 |かっか "Yes, Your Excellency. 仰せ の とおり に いたします 」  ピーブズ は 再び 空中 に 舞い上がった 。 おおせ||||いたし ます|||ふたたび|くうちゅう||まいあがった I will do as you command." Peeves soared into the air again. 「 首尾よく お 仕事 が 進みます ように 。 しゅびよく||しごと||すすみ ます| "May your work go on successfully. 男爵 様 。 だんしゃく|さま お邪魔 は いたしません 」  ピーブズ は サッと 消えた 。 おじゃま||いたし ませ ん|||さっと|きえた I won't bother you." Peeves vanished. 「 すごい ぞ 、 ハリー ! 」 ロン が 小声 で 言った 。 ||こごえ||いった

まもなく 三 人 は 四 階 の 廊下 に たどり着いた 。 |みっ|じん||よっ|かい||ろうか||たどりついた Soon the three arrived at the corridor on the fourth floor. 扉 は すでに 少し 開いて いた 。 とびら|||すこし|あいて| The door was already slightly open.

「 ほら 、 やっぱり だ 」 ハリー は 声 を 殺した 。 |||||こえ||ころした "See, after all," Harry killed his voice.

「 スネイプ は もう フラッフィー を 突破 した んだ 」 |||||とっぱ||

開いた まま の 扉 を 見る と 、 三 人 は 改めて 自分 たち の しよう と して いる こと が 何 な の か を 思い知ら さ れた 。 あいた|||とびら||みる||みっ|じん||あらためて|じぶん|||||||||なん|||||おもいしら|| Looking at the door that remained open, the three were reminded of what they were trying to do. マント の 中 で ハリー は 二 人 を 振り返った 。 まんと||なか||||ふた|じん||ふりかえった Harry looked back at them in his cloak.

「 君 たち 、 戻り たかったら 、 恨んだり し ない から 戻って くれ 。 きみ||もどり||うらんだり||||もどって| "You guys, if you want to go back, I won't hold a grudge against you, so go back. マント も 持っていって いい 。 まんと||もっていって| You can also bring a cloak. 僕 に は もう 必要 が ない から 」 ぼく||||ひつよう||| I don't need it anymore. "

「 バカ 言う な 」 ばか|いう| "Don't be silly"

「 一緒に 行く わ 」 ロン と ハーマイオニー が 言った 。 いっしょに|いく||||||いった

ハリー は 扉 を 押し 開けた 。 ||とびら||おし|あけた Harry pushed open the door.

扉 は きしみ ながら 開き 、 低い 、 グルグル と いう うなり 声 が 聞こえた 。 とびら||||あき|ひくい|ぐるぐる||||こえ||きこえた The door creaked open and I heard a low, gurgling growl. 三 つ の 鼻 が 、 姿 の 見え ない 三 人 の いる 方向 を 狂った ように かぎ 回った 。 みっ|||はな||すがた||みえ||みっ|じん|||ほうこう||くるった|||まわった Drei Nasen schnupperten wie wild in die Richtung der drei unsichtbaren Männer. The three noses swirled in the direction of the three invisible people.

「 犬 の 足元 に ある の は 何かしら 」 と ハーマイオニー が ささやいた 。 いぬ||あしもと|||||なにかしら|||| "What's at the dog's feet?" whispered Hermione.

「 ハープ みたいだ 。 はーぷ| It's like a harp. スネイプ が 置いて いった に 違いない 」 と ロン が 言った 。 ||おいて|||ちがいない||||いった

「 きっと 音楽 が 止んだ とたん 起きて しまう んだ 」 と ハリー が 言った 。 |おんがく||やんだ||おきて||||||いった ``I bet he wakes up as soon as the music stops,'' said Harry.

「 さあ 、 はじめよう ……」

ハリー は ハグリッド に もらった 横笛 を 唇 に あてて 吹き はじめた 。 |||||よこぶえ||くちびる|||ふき| メロディー と も いえ ない もの だった が 、 最初の 音 を 聞いた 瞬間 から 、 三 頭 犬 は トロン と し はじめた 。 めろでぃー||||||||さいしょの|おと||きいた|しゅんかん||みっ|あたま|いぬ||||| It wasn't even a melody, but from the moment they heard the first sound, the three dogs began to trot. ハリー は 息 も 継が ず に 吹いた 。 ||いき||つが|||ふいた Harry blew without breathing. だんだん と 犬 の うなり 声 が 消え 、 ヨロヨロッ と した か と 思う と 、 膝 を ついて 座り込み 、 ゴロン と 床 に 横たわった 。 ||いぬ|||こえ||きえ||||||おもう||ひざ|||すわりこみ|||とこ||よこたわった Gradually the dog's growl disappeared, and when I thought it was sloppy, I sat down with my knees and lay down on the floor with Goron. グッスリ と 眠り こんで いる 。 ぐっすり||ねむり||

「 吹き 続けて くれ 」 ふき|つづけて|

三 人 が マント を 抜け出す 時 、 ロン が 念 を 押した 。 みっ|じん||まんと||ぬけだす|じ|||ねん||おした Ron reminded him when the three escaped from the cloak. 三 人 は ソーッ と 仕掛け 扉 の 方 に 移動 し 、 犬 の 巨大な 頭 に 近づいた 。 みっ|じん||||しかけ|とびら||かた||いどう||いぬ||きょだいな|あたま||ちかづいた The three of them swung toward the trap door and approached the dog's gigantic head. 熱くて くさい 鼻息 が かかった 。 あつくて||はないき|| I had a hot and stuffy nose.

犬 の 背中 越し に むこう 側 を のぞきこんで 、 ロン が 言った 。 いぬ||せなか|こし|||がわ|||||いった Looking over the dog's back and looking beyond, Ron said.

「 扉 は 引っ掛れば 開く と 思う よ 。 とびら||ひっかかれば|あく||おもう| "I think the door will open if you hook it. ハーマイオニー 、 先 に 行く かい ? |さき||いく| Hermione, are you going ahead? 」 「 いや よ ! " " no ! 」 「 ようし ! You have to! 」 ロン が ギュッと 歯 を 食いしばって 、 慎重に 犬 の 足 を またいだ 。 ||ぎゅっと|は||くいしばって|しんちょうに|いぬ||あし|| Ron gritted his teeth and cautiously stepped over the dog's leg. 屈んで 仕掛け 扉 の 引き手 を 引っ張る と 、 扉 が 跳ね上がった 。 くっん で|しかけ|とびら||ひきて||ひっぱる||とびら||はねあがった I bent down and pulled the pull of the trapdoor, and the door sprang up.

「 何 が 見える ? なん||みえる " What do you see ? 」 ハーマイオニー が こわごわ 尋ねた 。 |||たずねた

「 何にも …… 真っ暗 だ …… 降りて いく 階段 も ない 。 なんにも|まっくら||おりて||かいだん|| "Nothing ... it's pitch black ... there are no stairs to go down. 落ちて いく しか ない 」 おちて||| I have no choice but to fall."

ハリー は まだ 横笛 を 吹いて いた が 、 ロン に 手 で 合図 を し 、 自分 自身 を 指さした 。 |||よこぶえ||ふいて|||||て||あいず|||じぶん|じしん||ゆびさした Harry, still blowing his flute, gestured to Ron and pointed at himself.

「 君 が 先 に 行きたい の かい ? きみ||さき||いき たい|| "Do you want to go first? 本当に ? ほんとうに Really ? 」 と ロン が 言った 。 |||いった said Ron.

「 どの くらい 深い か わから ない よ 。 ||ふかい|||| "I don't know how deep it is. ハーマイオニー に 笛 を 渡して 、 犬 を 眠ら せて おいて もらおう 」 ||ふえ||わたして|いぬ||ねむら||| Give Hermione the whistle so she can put her dog to sleep."

ハリー は 横笛 を ハーマイオニー に 渡した 。 ||よこぶえ||||わたした Harry gave the flute to Hermione. ほんの わずか 音 が 途絶えた だけ で 、 犬 は グルル と うなり 、 ぴくぴく 動いた 。 ||おと||とだえた|||いぬ|||||ぴく ぴく|うごいた At the slightest cessation of sound, the dog grunted and twitched. ハーマイオニー が 吹き 始める と 、 また すぐ 深い 眠り に 落ちて いった 。 ||ふき|はじめる||||ふかい|ねむり||おちて|

ハリー は 犬 を 乗り越え 、 仕掛け 扉 から 下 を 見た 。 ||いぬ||のりこえ|しかけ|とびら||した||みた Harry climbed over the dog and looked down through the trap door. 底 が 見え ない 。 そこ||みえ| I can't see the bottom.

ハリー は 穴 に 入り 、 最後に 指先 だけ で 扉 に しがみつき 、 ロン の 方 を 見上げて 言った 。 ||あな||はいり|さいごに|ゆびさき|||とびら|||||かた||みあげて|いった Harry went into the hole, and finally clung to the door with just his fingertips, looking up at Ron and saying.

「 もし 僕 の 身 に 何 か 起きたら 、 ついてくる な よ 。 |ぼく||み||なん||おきたら||| "If something happens to me, don't follow me. まっすぐ ふくろう 小屋 に 行って 、 ダンブルドア 宛 に ヘドウィグ を 送って くれ 。 ||こや||おこなって||あて||||おくって| Go straight to Owl Hut and send Hedwig to Dumbledore. いい かい ? 」 「 了解 」 りょうかい 「 じゃ 、 後 で 会おう 。 |あと||あおう "Well, see you later. できれば ね ……」 If possible..."

ハリー は 指 を 離した 。 ||ゆび||はなした Harry released his finger. 冷たい 湿った 空気 を 切って 、 ハリー は 落ちて 行った 。 つめたい|しめった|くうき||きって|||おちて|おこなった Harry fell through the cold damp air. 下 へ …… 下 へ …… 下 へ …… そして ── した||した||した||

ドシン 。 奇妙な 鈍い 音 を たてて 、 ハリー は 何やら 柔らかい 物 の 上 に 着地 した 。 きみょうな|にぶい|おと|||||なにやら|やわらかい|ぶつ||うえ||ちゃくち| With a strange dull sound, Harry landed on something soft. ハリー は 座り 直し 、 まだ 目 が 暗闇 に 慣れて い なかった ので 、 あたり を 手探り で 触った 。 ||すわり|なおし||め||くらやみ||なれて||||||てさぐり||さわった Harry sat down again, and his eyes weren't used to the darkness yet, so he groped around. 何 か 植物 の ような もの の 上 に 座って いる 感じ だった 。 なん||しょくぶつ|||||うえ||すわって||かんじ| It felt like I was sitting on something like a plant.

「 オーケー だ よ ! おーけー|| 」 人口 の 穴 は 切手 ぐらい の 小さ さ に 見えた 。 じんこう||あな||きって|||ちいさ|||みえた ” The population hole looked as small as a postage stamp. その 明かり に 向かって ハリー が 叫んだ 。 |あかり||むかって|||さけんだ Harry shouted at the lights.

「 軟 着陸 だ 。 なん|ちゃくりく| "It's a soft landing. 飛び降りて も 大丈夫だ よ ! とびおりて||だいじょうぶだ| It's okay to jump! 」 ロン が すぐ 飛び降りて きた 。 |||とびおりて| ハリー の すぐ 隣 に 大 の 字 に なって 着地 した 。 |||となり||だい||あざ|||ちゃくち| Harry landed in a big letter right next to it.

「 これ 、 なんだい ? "What is this? 」 ロン の 第一声 だった 。 ||だいいっせい| Ron was the first to speak.

「 わかん ない 。 何 か 植物 らしい 。 なん||しょくぶつ| 落ちる ショック を 和らげる ため に ある みたいだ 。 おちる|しょっく||やわらげる|||| It seems to be there to relieve the shock of falling. さあ 、 ハーマイオニー 、 おいで よ ! Come on, Hermione, come on! 」 遠く の 方 で 聞こえて いた 笛 の 音 が やんだ 。 とおく||かた||きこえて||ふえ||おと|| The sound of the whistle in the distance stopped. 犬 が 大きな 声 で 吠えて いる 。 いぬ||おおきな|こえ||ほえて| A dog is barking loudly. でも ハーマイオニー は もう ジャンプ して いた 。 ||||じゃんぷ|| But Hermione was already jumping. ハリー の 脇 に 、 ロン と は 反対 側 に 着地 した 。 ||わき|||||はんたい|がわ||ちゃくち|

「 ここって 、 学校 の 何 キロ も 下 に 違いない わ 」 と ハーマイオニー が 言った 。 ここ って|がっこう||なん|きろ||した||ちがいない|||||いった This must be miles below the school," Hermione said. 「 この 植物 の おかげ で 、 ほんとに ラッキーだった 」 ロン が 言った 。 |しょくぶつ|||||らっきーだった|||いった

「 ラッキーですって ! らっきーです って "Lucky!" he said! 」 ハーマイオニー が 悲鳴 を 上げた 。 ||ひめい||あげた 「 二 人 と も 自分 を 見て ごらん なさい よ ! ふた|じん|||じぶん||みて||| "Both of you, look at yourself! 」 ハーマイオニー は はじける ように 立ち上がり 、 ジトッ と 湿った 壁 の 方 に 行こう と もがいた 。 ||||たちあがり|||しめった|かべ||かた||いこう|| Hermione stood up popping and struggled to go towards the damp wall. ハーマイオニー が 着地 した とたん 、 植物 の ツル が ヘビ の ように 足首 に からみついて きた のだ 。 ||ちゃくち|||しょくぶつ||つる||へび|||あしくび|||| As soon as Hermione landed, the plant vines wrapped around her ankles like snakes. 知ら ない うち に ハリー と ロン の 脚 は 長い ツル で 固く 締めつけられて いた 。 しら||||||||あし||ながい|つる||かたく|しめつけ られて| Before they knew it, Harry and Ron's legs were fastened with long vines. ハーマイオニー は 植物 が 固く 巻きつく 前 だった ので なんとか 振り ほどき 、 ハリー と ロン が ツル と 奮闘 する の を 、 引きつった 顔 で 見て いた 。 ||しょくぶつ||かたく|まきつく|ぜん||||ふり||||||つる||ふんとう||||ひきつった|かお||みて| Hermione managed to unravel the plants before they were tightly wrapped around, watching Harry and Ron struggle with the vines with a stern look. 振り ほどこう と すれば する ほど 、 ツル は ますます きつく 、 すばやく 二 人 に 巻きついた 。 ふり||||||つる|||||ふた|じん||まきついた The more they tried to shake it off, the tighter the crane wrapped around them.

「 動か ないで ! うごか| 」 ハーマイオニー が 叫んだ 。 ||さけんだ

「 私 、 知って る …… これ 、『 悪魔 の 罠 』 だ わ ! わたくし|しって|||あくま||わな|| I know ...... this is The Devil's Trap! 」 「 あぁ 。 何て 名前 か 知って る なんて 、 大いに 助かる よ 」 なんて|なまえ||しって|||おおいに|たすかる| It's a great help to know what the name is. "

ロン が 首 に 巻きつこう と する ツル から 逃れよう と 、 のけぞり ながら うなった 。 ||くび||まきつこう|||つる||のがれよう|||| Ron groaned as he tried to escape from the vine that was trying to wrap it around his neck.

「 黙って て ! だまって| Shut up! どう やって やっつける か 思い出そう と して る んだ から ! ||||おもいだそう||||| I'm trying to remember how to beat him! 」 と ハーマイオニー が 言った 。 |||いった

「 早く して ! はやく| もう 息 が でき ない よ 」 |いき||||

ハリー は 胸 に 巻きついた ツル と 格闘 しながら あえいだ 。 ||むね||まきついた|つる||かくとう|し ながら| Harry gasped, cursing the crane wrapped around his chest.

「『 悪魔 の 罠 』、『 悪魔 の 罠 』っと …… スプラウト 先生 は 何て 言ったっけ ? あくま||わな|あくま||わな|||せんせい||なんて|いった っけ 暗闇 と 湿気 を 好み ……」 くらやみ||しっけ||よしみ I like darkness and humidity ... "

「 だったら 火 を つけて ! |ひ|| Then light the fire! 」 ハリー は 息 絶え絶えだ 。 ||いき|たえだえだ Harry is out of breath. 「 そう だ わ …… それ よ …… でも 薪 が ない わ ! ||||||まき||| Yes, ......, that's it. ......, but we don't have any firewood! 」 ハーマイオニー が イライラ と 両手 を よじり ながら 叫んだ 。 ||いらいら||りょうて||||さけんだ Hermione yelled, wringing her hands in frustration.

「 気 が 変に なった の か ! き||へんに||| "Have you gone mad! 君 は それ でも 魔女 か ! きみ||||まじょ| Are you still a witch! 」 ロン が 大声 を 出した 。 ||おおごえ||だした

「 あっ、 そう だった ! 」 ハーマイオニー は サッと 杖 を 取り出し 、 何 か つぶやき ながら 振った 。 ||さっと|つえ||とりだし|なん||||ふった Hermione quickly took out her wand and waved it, mumbling something. する と 、 スネイプ に しかけた の と 同じ リンドウ 色 の 炎 が 植物 めがけて 噴射 した 。 |||||||おなじ||いろ||えん||しょくぶつ||ふんしゃ| Then, the same gentian-colored flame that had set on Snape shot out at the plant. 草 が 光 と 温もり で すくみ 上がり 、 二 人 の 体 を 締めつけて いた ツル が 、 見る見る ほどけて いった 。 くさ||ひかり||ぬくもり|||あがり|ふた|じん||からだ||しめつけて||つる||みるみる|| The grass was freezing with light and warmth, and the vines that were tightening their bodies were unraveling. 草 は 身 を よじり 、 へなへな と ほぐれ 、 二 人 は ツル を 振り払って 自由に なった 。 くさ||み||||||ふた|じん||つる||ふりはらって|じゆうに| The grass twisted and loosened, and the two shook off the vines and were free.

「 ハーマイオニー 、 君 が 薬草 学 を ちゃんと 勉強 して くれて いて よかった よ 」 |きみ||やくそう|まな|||べんきょう||||| "Hermione, I'm glad you've studied Herbology properly."

額 の 汗 を 拭い ながら 、 ハリー も ハーマイオニー の いる 壁 の ところ に 行った 。 がく||あせ||ぬぐい|||||||かべ||||おこなった While wiping the sweat off his forehead, Harry went to the wall where Hermione was.

「 ほんとだ 。 それ に こんな 危険な 状態 で 、 ハリー が 冷静で よかった よ ── それにしても 、『 薪 が ない わ 』 なんて 、 まったく ……」 と ロン が 言った 。 |||きけんな|じょうたい||||れいせいで||||まき|||||||||いった And I'm glad Harry was so calm in such a dangerous situation—but 'no firewood' is all…" said Ron.

「 こっち だ 」 " Come here "

ハリー は 奥 へ 続く 石 の 一 本道 を 指さした 。 ||おく||つづく|いし||ひと|ほんどう||ゆびさした Harry pointed to a straight path of stone leading to the back.