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1 - Harry Potter, 15.2 禁じられた 森 (2)

15.2 禁じられた 森 (2)

ハグリッド が 下草 を バッサバッサ と なぎ倒し 、 ガサゴソ と 遠のいて いく 音 を 聞き ながら 、 二 人 は 顔 を 見合わせて いた 。 恐かった 。 とうとう 二 人 の 周り の 木の葉 が カサコソ と 擦れ 合う 音 しか 聞こえ なく なった 。

「 あの 人 たち 、 怪我 したり して ない わ よ ね ? 」 ハーマイオニー が ささやく 。

「 マルフォイ が どう なったって かまわ ない けど 、 ネビル に 何 か あったら …… もともと ネビル は 僕たち の せい で ここ に 来る こと に なって しまった んだ から 」 何分 経ったろう 。 時間 が 長く 感じられる 。 聴覚 が いつも より 研ぎ澄まされて いる ようだ 。 ハリー に は どんな 風 の そよぎ も 、 どんな 細い 小枝 の 折れる 青 も 聞こえる ような 気 が した 。 何 が あった んだろう ? 向こう の 組 は どこ に いる んだろう ? やっと バリバリ と いう ものすごい 音 が 聞こえ 、 ハグリッド が 戻って きた 。 マルフォイ 、 ネビル 、 ファング を 引き連れて いる 。 ハグリッド は カンカン に 怒って いる 。 どうやら マルフォイ が 、 こっそり ネビル の 後ろ に 回って つかみ かかる と いう 悪ふざけ を した らしい 。 ネビル が パニック に 陥って 火花 を 打ち上げた のだ 。

「 お前たち 二 人 が バカ 騒ぎ して くれた おかげ で 、 もう 捕まる もの も 捕まら ん かも しれ ん 。 よ - し 、 組 分け を 変えよう …… ネビル 、 俺 と 来る んだ 。 ハーマイオニー も 。 ハリー は ファング と この 愚か もん と 一緒だ 」

ハグリッド は ハリー だけ に こっそり 耳打ち した 。

「 スマン な 。 おまえ さん なら こや つ も そう 簡単に は 脅せまい 。 とにかく 仕事 を やり おおせて しまわ ない と な 」

ハリー は マルフォイ 、 ファング と 一緒に さらに 森 の 奥 へ と 向かった 。 だんだん と 森 の 奥深く へ 、 三十 分 も 歩いた だろう か 。 木立 が ビッシリ と 生い茂り 、 もはや 道 を たどる の は 無理に なった 。 ハリー に は 血 の 滴り も 濃く なって いる ように 思えた 。 木 の 根元 に 大量の 血 が 飛び散って いる 。 傷ついた 哀れな 生き物 が この 辺り で 苦しみ 、 のた打ち 回った のだろう 。 樹齢 何 千 年 の 樫 の 古木 の 枝 が からみ合う その むこうに 、 開けた 平地 が 見えた 。

「 見て ……」 ハリー は 腕 を 伸ばして マルフォイ を 制止 し ながら つぶやいた 。

地面 に 純白に 光り輝く もの が あった 。 二 人 は さらに 近づいた 。

まさに ユニコーン だった 。 死んで いた 。 ハリー は こんなに 美しく 、 こんなに 悲しい 物 を 見た こと が なかった 。

その 長く しなやかな 脚 は 、 倒れた その場で バラリ と 投げ出さ れ 、 その 真珠 色 に 輝く たてがみ は 暗い 落葉 の 上 に 広がって いる 。

ハリー が 一 歩 踏み出した その 時 、 ズルズル 滑る ような 音 が した 。 ハリー の 足 は その場 で 凍りついた 。 平地 の 端 が 揺れた …… そして 、 暗がり の 中 から 、 頭 を フード に スッポリ 包んだ 何 か が 、 まるで 獲物 を あさる 獣 の ように 地面 を はって きた 。 ハリー 、 マルフォイ 、 ファング は 金縛り に あった ように 立ちすくんだ 。 マント を 着た その 影 は ユニコーン に 近づき 、 かたわら に 身 を 屈め 、 傷口 から その 血 を 飲み はじめた のだ 。

「 ぎ ゃ ああ ああ アアア ! マルフォイ が 絶叫 して 逃げ出した …… ファング も ……。 フード に 包ま れた 影 が 頭 を 上げ 、 ハリー を 真 正面 から 見た ── 一角 獣 の 血 が フード に 隠れた 顔 から 滴り 落ちた 。 その 影 は 立ち上がり 、 ハリー に 向かって スルスル と 近寄って きた ── ハリー は 恐ろし さ の あまり 動け なかった 。

その 時 、 今 まで 感じた こと の ない ほど の 激痛 が ハリー の 頭 を 貫いた 。 額 の 傷跡 が 燃えて いる ようだった ── 目 が くらみ 、 ハリー は ヨロヨロ と 倒れかかった 。 後ろ の 方 から 蹄 の 音 が 聞こえて きた 。 早足 で かけて くる 。 ハリー の 真 上 を 何 か が ヒラリ と 飛び越え 、 影 に 向かって 突進 した 。

激痛 の あまり ハリー は 膝 を ついた 。 一 分 、 いや 二 分 も 経った だろう か 。 ハリー が 顔 を 上げる と 、 もう 影 は 消えて いた 。 ケンタウルス だけ が ハリー を 覆う ように 立って いた 。 ロナン と も べイン と も 違う 。 もっと 若く 、 明るい 金髪 に 胴 は プラチナブロンド 、 淡い 金 茶色 の パロミノ の ケンタウルス だった 。

「 ケガ は ないかい ? 」 ハリー を 引っ張り 上げて 立た せ ながら ケンタウルス が 声 を かけた 。

「 ええ ……、 ありがとう ……。 あれ は 何 だった の ? ケンタウルス は 答え ない 。 信じられ ない ほど 青い 目 、 まるで 淡い サファイア の ようだ 。 その 目 が ハリー を 観察 して いる 。 そして 額 の 傷 に じっと 注が れた 。 傷跡 は 額 に きわだって 青く 刻まれて いた 。 「 ポッター 家 の 子 だ ね ? 早く ハグリッド の ところ に 戻った 方 が いい 。 今 、 森 は 安全 じゃ ない …… 特に 君 に は ね 。 私 に 乗れる かな ? その方 が 速い から 」

「 私 の 名 は フィレンツェ だ 」

前足 を 曲げ 身体 を 低く して ハリー が 乗り やすい ように し ながら ケンタウルス が 言った 。

その 時 突然 、 平地 の 反対 側 から 疾走 する 蹄 の 音 が 聞こえて きた 。 木 の 茂み を 破る ように 、 ロナン と ベイン が 現れた 。 脇腹 が フーフー と 波打ち 、 汗 で 光って いる 。

「 フィレンツェ ! 」 ベイン が 怒鳴った 。

「 何という こと を …… 人間 を 背中 に 乗せる など 、 恥ずかしく ない のです か ? 君 は ただ の ロバ な の か ? 「 この 子 が 誰 だ か わかって る のです か ? ポッタ 一家 の 子 です 。 一刻 も 早く この 森 を 離れる 方 が いい 」 と フィレンツェ が 言った 。

「 君 は この 子 に 何 を 話した んです か ? フィレンツェ 、 忘れて は いけない 。 我々 は 天 に 逆らわ ない と 誓った 。 惑星 の 動き から 、 何 が 起こる か 読み取った はずじゃ ない か ね 」 ベイン が うなる ように 言った 。

「 私 は フィレンツェ が 最善 と 思う こと を して いる んだ と 信じて いる 」

ロナン は 落ち着か ない 様子 で 、 蹄 で 地面 を 掻き 、 くぐもった 声 で 言った 。

「 最善 ! それ が 我々 と 何の 関わり が ある んです ? ケンタウルス は 予言 さ れた こと に だけ 関心 を 持てば それ で よい ! 森 の 中 で さ迷う 人間 を 追いかけて ロバ の ように 走り回る の が 我々 の する こと でしょう か ! ベイン は 怒って 後足 を 蹴り 上げた 。

フィレンツェ も 怒り 、 急に 後足 で 立ちあがった ので 、 ハリー は 振り落とさ れ ない ように 必死に 彼 の 肩 に つかまった 。

「 あの ユニコーン を 見 なかった のです か ? 」 フィレンツェ は ベイン に 向かって 声 を 荒げた 。

「 なぜ 殺さ れた の か 君 に は わから ない のです か ? それとも 惑星 が その 秘密 を 君 に は 教えて いない のです か ? ベイン 、 僕 は この 森 に 忍び寄る もの に 立ち向かう 。 そう 、 必要 と あら ば 人間 と も 手 を 組む 」

フィレンツェ が さっと 向き を 変え 、 ハリー は 必死で その 背 に しがみついた 。 二 人 は ロナン と ベイン を 後 に 残し 、 木立 の 中 に 飛び込んだ 。

何 が 起こって いる の か ハリー に は まったく 見当 が つか なかった 。

「 どうして ベイン は あんなに 怒って いた の ? 君 は いったい 何 から 僕 を 救って くれた の ? フィレンツェ は スピード を 落とし 、 並足 に なった 。 低い 枝 に ぶつから ない よう 頭 を 低く して いる ように 注意 は した が 、 ハリー の 質問 に は 答え なかった 。 二 人 は 黙った まま 、 木立 の 中 を 進んだ 。 長い こと 沈黙 が 続いた ので 、 フィレンツェ は もう 口 を ききたく ない のだろう と ハリー は 考えた 。 ところが 、 ひときわ 木 の 生い茂った 場所 を 通る 途中 、 フィレンツェ が 突然 立ち止まった 。

「 ハリー ・ ポッター 、 ユニコーン の 血 が 何 に 使わ れる か 知っています か ? 「 う うん 」 ハリー は 突然の 質問 に 驚いた 。 「 角 と か 尾 の 毛 と か を 魔法 薬 の 時間 に 使った きり だ よ 」

「 それ は ね 、 ユニコーン を 殺す なんて 非情 きわまりない こと だ から な んです 。 これ 以上 失う 物 は 何も ない 、 しかも 殺す こと で 自分 の 命 の 利益 に なる 者 だけ が 、 そのような 罪 を 犯す 。 ユニコーン の 血 は 、 たとえ 死 の 淵 に いる 時 だって 命 を 長らえ させて くれる 。 でも 恐ろしい 代償 を 私 わ なければ なら ない 。 自ら の 命 を 救う ため に 、 純粋 で 無防備な 生物 を 殺害 する のだ から 、 得られる 命 は 完全な 命 で は ない 。 その 血 が 唇 に 触れた 瞬間 から 、 その もの は 呪わ れた 命 を 生きる 、 生き ながら の 死 の 命 な のです 」

フィレンツェ の 髪 は 月 明かり で 銀色 の 濃淡 を つくり出して いた 。 ハリー は その 髪 を 後ろ から 見つめた 。

「 いったい 誰 が そんなに 必死に ? 」 ハリー は 考え ながら 話した 。 「 永遠に 呪わ れる んだったら 、 死んだ 方 が ましだ と 思う けど 。 違う ? 「 その とおり 。 しかし 、 他の 何 か を 飲む まで の 間 だけ 生き長らえれば よい と したら ── 完全な 力 と 強 さ を 取り戻して くれる 何 か ── 決して 死ぬ こと が なくなる 何 か 。 ポッター 君 、 今 この 瞬間 に 、 学校 に 何 が 隠されて いる か 知っています か ? 「『 賢 者 の 石 』── そう か ── 命 の 水 だ ! だけど いったい 誰 が ……」

「 力 を 取り戻す ため に 長い 間 待って いた の が 誰 か 、 思い浮かば ないで す か ? 命 に しがみついて 、 チャンス を うかがって きた の は 誰 か ? ハリー は 鉄 の 手 で 突然 心臓 を わしづかみ に さ れた ような 気 が した 。 木々 の ざわめき の 中 から 、 ハグリッド に 会った あの 夜 、 初めて 聞いた 言葉 が よみがえって きた 。

── あや つ が 死んだ と いう 者 も いる 。 おれ に 言わ せりゃ 、 くそ くらえ だ 。 やつ に 人間 らし さ の かけら でも 残って いれば 死ぬ こと も あろう さ ──

「 それ じゃ ……」 ハリー の 声 が しわがれた 。 「 僕 が 、 今 見た の は ヴォル ……」

「 ハリー 、 ハリー 、 あなた 大丈夫 ? ハーマイオニー が 道 の むこう から かけて きた 。 ハグリッド も ハーハ 一言 いながら その 後ろ を 走って くる 。

「 僕 は 大丈夫だ よ 」

ハリー は 自分 が 何 を 言って いる の か ほとんど わから なかった 。

「 ハグリッド 、 ユニコーン が 死んで る 。 森 の 奥 の 開けた ところ に いた よ 」

「 ここ で 別れましょう 。 君 は もう 安全だ 」

ハグリッド が ユニコーン を 確かめ に 急いで 戻って いく の を 見 ながら フィレンツェ が つぶやいた 。

ハリー は フィレンツェ の 背中 から 滑り 降りた 。

「 幸運 を 祈ります よ 、 ハリー ・ ポッター 。 ケンタウルス で さえ も 惑星 の 読み を 間違えた こと が ある 。 今回 も そう なります ように 」 フィレンツェ は 森 の 奥 探 く へ 緩やかに 走り去った 。 ブルブル 震えて いる ハリー を 残して ……。

皆 の 帰り を 待って いる うち に 、 ロン は 真っ暗に なった 談話 室 で 眠り 込んで しまった 。 ハリー が 乱暴に 揺り動かして 起こそう と した 時 、 クィディッチ だ の ファウル だの と 寝言 を 叫んだ 。 しかし 、 ハリー が ハーマイオニー と 一緒に 、 森 であった こと を 話す うち に ロン は すっかり 目 を 覚ます こと に なった 。

ハリー は 座って いられ なかった 。 まだ 震え が 止まら ず 、 暖炉 の 前 を 行ったり 来たり した 。

「 スネイプ は ヴォルデモート の ため に あの 石 が 欲しかった んだ …… ヴォルデモート は 森 の 中 で 待って いる んだ …… 僕たち 、 今 まで ずっと 、 スネイプ は お 金 の ため に あの 石 が 欲しい んだ と 思って いた ……」

「 その 名前 を 言う の は やめて くれ ! ロン は ヴォルデモート に 聞か れる の を 恐れる か の ように 、 こわごわ ささやいた 。

ハリー の 耳 に は 入ら ない 。

「 フィレンツェ は 僕 を 助けて くれた 。 だけど それ は いけない こと だった んだ …… ベイン が ものすごく 怒って いた …… 惑星 が 起こる べき こと を 予言 して いる のに 、 それ に 干渉 する なって 言って た …… 惑星 は ヴォルデモート が 戻って くる と 予言 して いる んだ …… ヴォルデモート が 僕 を 殺す なら 、 それ を フィレンツェ が 止める の は いけないって 、 ベイン は そう 思った んだ …… 僕 が 殺さ れる こと も 星 が 予言 して た んだ 」 「 頼む から その 名前 を 言わ ないで ! 」 ロン が シーッ と いう 口調 で 頼んだ 。

「 それ じゃ 、 僕 は スネイプ が 石 を 盗む の を ただ 待って れば いい んだ 」

ハリー は 熱 に 浮かされた ように 話し 続けた 。

「 そし たら ヴォルデモート が やってきて 僕 の 息の根 を 止める …… そう 、 それ で ベイン は 満足 する だろう 」

ハーマイオニー も 怖がって いた が 、 ハリー を 慰める 言葉 を かけた 。

「 ハリー 、 ダンブルドア は 『 あの 人 』 が 唯一 恐れて いる 人 だって 、 みんな が 言って る じゃ ない 。 ダンブルドア が そば に いる かぎり 、『 あの 人 』 は あなた に 指 一 本 触れる こと は でき ない わ 。 それ に 、 ケンタウルス が 正しい なんて 誰 が 言った ? 私 に は 占い みたいな もの に 思える わ 。 マクゴナガル 先生 が おっしゃった でしょう 。 占い は 魔法 の 中 でも 、 とっても 不正確な 分野 だって 」

話し込んで いる うち に 、 空 が 白み はじめて いた 。 ベッド に 入った とき に は 三 人 と も クタクタ で 、 話し すぎて 喉 が ヒリヒリ した 。 だが その 夜 の 驚き は まだ 終わって は い なかった 。

ハリー が シーツ を めくる と 、 そこ に は きちんと 畳ま れた 透明 マント が 置いて あった 。 小さな メモ が ピン で 止めて ある 。

「 必要な 時 の ため に 」

15.2 禁じられた 森 (2) きんじ られた|しげる 15.2 Verbotene Wälder (2) 15.2 Forbidden forest (2) 15.2 Forêts interdites (2) 15.2 Zakazane lasy (2) 15.2 Florestas proibidas (2) 15.2 Förbjudna skogar (2) 15.2 禁林(2) 15.2 禁林(2)

ハグリッド が 下草 を バッサバッサ と なぎ倒し 、 ガサゴソ と 遠のいて いく 音 を 聞き ながら 、 二 人 は 顔 を 見合わせて いた 。 ||したくさ||||なぎたおし|||とおのいて||おと||きき||ふた|じん||かお||みあわせて| The two of them looked at each other as they heard Hagrid mow down the undergrowth and rustle away. 恐かった 。 こわかった とうとう 二 人 の 周り の 木の葉 が カサコソ と 擦れ 合う 音 しか 聞こえ なく なった 。 |ふた|じん||まわり||き の は||||すれ|あう|おと||きこえ|| Finally, the only sound they could hear was the rustling of leaves around them.

「 あの 人 たち 、 怪我 したり して ない わ よ ね ? |じん||けが|||||| "Those people aren't hurt, are they? 」 ハーマイオニー が ささやく 。 whispered Hermione.

「 マルフォイ が どう なったって かまわ ない けど 、 ネビル に 何 か あったら …… もともと ネビル は 僕たち の せい で ここ に 来る こと に なって しまった んだ から 」  何分 経ったろう 。 |||なった って||||||なん||||||ぼくたち||||||くる|||||||なにぶん|たったろう "I don't care what happened to Malfoy, but if something happened to Neville ... because Neville was originally supposed to come here because of us." How many minutes have passed. 時間 が 長く 感じられる 。 じかん||ながく|かんじ られる Time feels long. 聴覚 が いつも より 研ぎ澄まされて いる ようだ 。 ちょうかく||||とぎすまさ れて|| Hearing seems to be sharper than usual. ハリー に は どんな 風 の そよぎ も 、 どんな 細い 小枝 の 折れる 青 も 聞こえる ような 気 が した 。 ||||かぜ|||||ほそい|こえだ||おれる|あお||きこえる||き|| I felt like Harry could hear any breeze, any thin twigs breaking blue. 何 が あった んだろう ? なん||| What happened? 向こう の 組 は どこ に いる んだろう ? むこう||くみ||||| Where is the other group? やっと バリバリ と いう ものすごい 音 が 聞こえ 、 ハグリッド が 戻って きた 。 |ばりばり||||おと||きこえ|||もどって| At last there was a terrible crunching sound, and Hagrid returned. マルフォイ 、 ネビル 、 ファング を 引き連れて いる 。 ||||ひきつれて| Accompanied by Malfoy, Neville, and Fang. ハグリッド は カンカン に 怒って いる 。 ||かんかん||いかって| Hagrid is mad at Kankan. どうやら マルフォイ が 、 こっそり ネビル の 後ろ に 回って つかみ かかる と いう 悪ふざけ を した らしい 。 ||||||うしろ||まわって|||||わるふざけ||| Apparently Malfoy made a prank by sneaking around behind Neville and grabbing him. ネビル が パニック に 陥って 火花 を 打ち上げた のだ 。 ||ぱにっく||おちいって|ひばな||うちあげた| Neville panicked and launched the spark.

「 お前たち 二 人 が バカ 騒ぎ して くれた おかげ で 、 もう 捕まる もの も 捕まら ん かも しれ ん 。 おまえたち|ふた|じん||ばか|さわぎ||||||つかまる|||つかまら|||| "Thanks to the two of you making a fool of yourself, you may not be able to catch anything anymore. よ - し 、 組 分け を 変えよう …… ネビル 、 俺 と 来る んだ 。 ||くみ|わけ||かえよう||おれ||くる| Alright, let's change the sorting... Neville, come with me. ハーマイオニー も 。 ハリー は ファング と この 愚か もん と 一緒だ 」 |||||おろか|||いっしょだ Harry is with Fang and this stupid mon. "

ハグリッド は ハリー だけ に こっそり 耳打ち した 。 ||||||みみうち| Hagrid secretly listened only to Harry.

「 スマン な 。 "Sorry. おまえ さん なら こや つ も そう 簡単に は 脅せまい 。 |||||||かんたんに||おどせ まい You can't threaten this guy so easily. とにかく 仕事 を やり おおせて しまわ ない と な 」 |しごと||||||| Anyway, I have to get the job done. "

ハリー は マルフォイ 、 ファング と 一緒に さらに 森 の 奥 へ と 向かった 。 |||||いっしょに||しげる||おく|||むかった Harry went further into the woods with Malfoy and Fang. だんだん と 森 の 奥深く へ 、 三十 分 も 歩いた だろう か 。 ||しげる||おくふかく||さんじゅう|ぶん||あるいた|| Gradually deep into the forest, I wonder if I walked for thirty minutes. 木立 が ビッシリ と 生い茂り 、 もはや 道 を たどる の は 無理に なった 。 こだち||びっしり||おいしげり||どう|||||むりに| The grove was overgrown and it was no longer possible to follow the path. ハリー に は 血 の 滴り も 濃く なって いる ように 思えた 。 |||ち||したたり||こく||||おもえた It seemed to Harry that even the drops of blood were getting thicker. 木 の 根元 に 大量の 血 が 飛び散って いる 。 き||ねもと||たいりょうの|ち||とびちって| A large amount of blood is scattered at the base of the tree. 傷ついた 哀れな 生き物 が この 辺り で 苦しみ 、 のた打ち 回った のだろう 。 きずついた|あわれな|いきもの|||あたり||くるしみ|のたうち|まわった| Poor wounded creatures must have been tormented and writhing around here. 樹齢 何 千 年 の 樫 の 古木 の 枝 が からみ合う その むこうに 、 開けた 平地 が 見えた 。 じゅれい|なん|せん|とし||かし||ふるき||えだ||からみあう|||あけた|へいち||みえた Beyond the entwined branches of old oak trees that were thousands of years old, I could see an open plain.

「 見て ……」 ハリー は 腕 を 伸ばして マルフォイ を 制止 し ながら つぶやいた 。 みて|||うで||のばして|||せいし||| "Look ..." Harry muttered, stretching his arms and stopping Malfoy.

地面 に 純白に 光り輝く もの が あった 。 じめん||じゅんぱくに|ひかりかがやく||| There was something shining in pure white on the ground. 二 人 は さらに 近づいた 。 ふた|じん|||ちかづいた

まさに ユニコーン だった 。 It was truly a unicorn. 死んで いた 。 しんで| was dead ハリー は こんなに 美しく 、 こんなに 悲しい 物 を 見た こと が なかった 。 |||うつくしく||かなしい|ぶつ||みた||| Harry had never seen anything so beautiful and so sad.

その 長く しなやかな 脚 は 、 倒れた その場で バラリ と 投げ出さ れ 、 その 真珠 色 に 輝く たてがみ は 暗い 落葉 の 上 に 広がって いる 。 |ながく||あし||たおれた|そのばで|||なげださ|||しんじゅ|いろ||かがやく|||くらい|らくよう||うえ||ひろがって| Its long, supple legs are thrown apart on the spot of a fall, and its pearly mane spreads over dark deciduous leaves.

ハリー が 一 歩 踏み出した その 時 、 ズルズル 滑る ような 音 が した 。 ||ひと|ふ|ふみだした||じ|ずるずる|すべる||おと|| When Harry took a step forward, there was a slurping noise. ハリー の 足 は その場 で 凍りついた 。 ||あし||その じょう||こおりついた Harry's feet froze on the spot. 平地 の 端 が 揺れた …… そして 、 暗がり の 中 から 、 頭 を フード に スッポリ 包んだ 何 か が 、 まるで 獲物 を あさる 獣 の ように 地面 を はって きた 。 へいち||はし||ゆれた||くらがり||なか||あたま||ふーど|||つつんだ|なん||||えもの|||けだもの|||じめん||| The edge of the plain shook...and from the darkness something with its head wrapped in a hood crawled across the ground like a beast scavenging for prey. ハリー 、 マルフォイ 、 ファング は 金縛り に あった ように 立ちすくんだ 。 ||||かなしばり||||たちすくんだ Harry, Malfoy, and Fang stood up as if they were in a sleep paralysis. マント を 着た その 影 は ユニコーン に 近づき 、 かたわら に 身 を 屈め 、 傷口 から その 血 を 飲み はじめた のだ 。 まんと||きた||かげ||||ちかづき|||み||かがめ|きずぐち|||ち||のみ|| The shadow in the cloak approached the unicorn, crouched beside him, and began to drink the blood from the wound.

「 ぎ ゃ ああ ああ アアア ! "Gyaaaaaaaaaa! マルフォイ が 絶叫 して 逃げ出した …… ファング も ……。 ||ぜっきょう||にげだした|| Malfoy screamed and ran away ... Fang ... フード に 包ま れた 影 が 頭 を 上げ 、 ハリー を 真 正面 から 見た ── 一角 獣 の 血 が フード に 隠れた 顔 から 滴り 落ちた 。 ふーど||つつま||かげ||あたま||あげ|||まこと|しょうめん||みた|いっかく|けだもの||ち||ふーど||かくれた|かお||したたり|おちた A shadow wrapped in a hood raised his head and looked straight at Harry ── The blood of a horned beast drips from his face hidden in the hood. その 影 は 立ち上がり 、 ハリー に 向かって スルスル と 近寄って きた ── ハリー は 恐ろし さ の あまり 動け なかった 。 |かげ||たちあがり|||むかって|するする||ちかよって||||おそろし||||うごけ| The shadow rose and slid toward Harry—he was too frightened to move.

その 時 、 今 まで 感じた こと の ない ほど の 激痛 が ハリー の 頭 を 貫いた 。 |じ|いま||かんじた||||||げきつう||||あたま||つらぬいた At that time, an unprecedented amount of severe pain pierced Harry's head. 額 の 傷跡 が 燃えて いる ようだった ── 目 が くらみ 、 ハリー は ヨロヨロ と 倒れかかった 。 がく||きずあと||もえて|||め|||||||たおれかかった The scars on my forehead seemed to be burning ── I was blinded and Harry was about to fall. 後ろ の 方 から 蹄 の 音 が 聞こえて きた 。 うしろ||かた||ひづめ||おと||きこえて| I heard the sound of hooves coming from behind me. 早足 で かけて くる 。 はやさ あし||| I'll call you quickly. ハリー の 真 上 を 何 か が ヒラリ と 飛び越え 、 影 に 向かって 突進 した 。 ||まこと|うえ||なん|||ひらり||とびこえ|かげ||むかって|とっしん| Something fluttered over Harry and rushed towards the shadows.

激痛 の あまり ハリー は 膝 を ついた 。 げきつう|||||ひざ|| Harry got on his knee because of the severe pain. 一 分 、 いや 二 分 も 経った だろう か 。 ひと|ぶん||ふた|ぶん||たった|| It's been a minute or two. ハリー が 顔 を 上げる と 、 もう 影 は 消えて いた 。 ||かお||あげる|||かげ||きえて| When Harry looked up, the shadow was gone. ケンタウルス だけ が ハリー を 覆う ように 立って いた 。 |||||おおう||たって| Only the Centaurs stood over Harry. ロナン と も べイン と も 違う 。 |||べ いん|||ちがう Not like Ronan or Bain. もっと 若く 、 明るい 金髪 に 胴 は プラチナブロンド 、 淡い 金 茶色 の パロミノ の ケンタウルス だった 。 |わかく|あかるい|きんぱつ||どう|||あわい|きむ|ちゃいろ||||| Younger, with light blonde hair and a platinum blonde torso, it was a palomino centaur of pale golden brown.

「 ケガ は ないかい ? けが|| "Are you injured? 」 ハリー を 引っ張り 上げて 立た せ ながら ケンタウルス が 声 を かけた 。 ||ひっぱり|あげて|たた|||||こえ|| ' said the Centaur, pulling Harry up to his feet.

「 ええ ……、 ありがとう ……。 あれ は 何 だった の ? ||なん|| what was that? ケンタウルス は 答え ない 。 ||こたえ| 信じられ ない ほど 青い 目 、 まるで 淡い サファイア の ようだ 。 しんじ られ|||あおい|め||あわい|さふぁいあ|| Incredibly blue eyes, like pale sapphires. その 目 が ハリー を 観察 して いる 。 |め||||かんさつ|| そして 額 の 傷 に じっと 注が れた 。 |がく||きず|||そそが| And he was still pouring into the wound on his forehead. 傷跡 は 額 に きわだって 青く 刻まれて いた 。 きずあと||がく|||あおく|きざま れて| The scar was marked blue on his forehead. 「 ポッター 家 の 子 だ ね ? |いえ||こ|| "Are you from the Potter family? 早く ハグリッド の ところ に 戻った 方 が いい 。 はやく|||||もどった|かた|| Better get back to Hagrid soon. 今 、 森 は 安全 じゃ ない …… 特に 君 に は ね 。 いま|しげる||あんぜん|||とくに|きみ||| The forest isn't safe right now...especially for you. 私 に 乗れる かな ? わたくし||のれる| Can you ride me? その方 が 速い から 」 そのほう||はやい| Because it's faster."

「 私 の 名 は フィレンツェ だ 」 わたくし||な|||

前足 を 曲げ 身体 を 低く して ハリー が 乗り やすい ように し ながら ケンタウルス が 言った 。 まえあし||まげ|からだ||ひくく||||のり|||||||いった The Centaur said, bending his forefoot and lowering his body to make it easier for Harry to ride.

その 時 突然 、 平地 の 反対 側 から 疾走 する 蹄 の 音 が 聞こえて きた 。 |じ|とつぜん|へいち||はんたい|がわ||しっそう||ひづめ||おと||きこえて| Suddenly, I heard the sound of a sprinting hoof from the other side of the flat ground. 木 の 茂み を 破る ように 、 ロナン と ベイン が 現れた 。 き||しげみ||やぶる||||||あらわれた Ronan and Bane appeared as if to break through the thicket of trees. 脇腹 が フーフー と 波打ち 、 汗 で 光って いる 。 わきばら||||なみうち|あせ||ひかって| The flanks are rippling and shining with sweat.

「 フィレンツェ ! 」 ベイン が 怒鳴った 。 ||どなった Bain yelled.

「 何という こと を …… 人間 を 背中 に 乗せる など 、 恥ずかしく ない のです か ? なんという|||にんげん||せなか||のせる||はずかしく||| "What do you mean ... Isn't it embarrassing to put a human on your back? 君 は ただ の ロバ な の か ? きみ||||ろば||| Are you just a donkey? 「 この 子 が 誰 だ か わかって る のです か ? |こ||だれ|||||| "Do you know who this child is? ポッタ 一家 の 子 です 。 |いっか||こ| I am a child of the Potta family. 一刻 も 早く この 森 を 離れる 方 が いい 」 と フィレンツェ が 言った 。 いっこく||はやく||しげる||はなれる|かた||||||いった It is better to leave this forest as soon as possible, "said Florence.

「 君 は この 子 に 何 を 話した んです か ? きみ|||こ||なん||はなした|| "What did you tell this child? フィレンツェ 、 忘れて は いけない 。 |わすれて|| Florence, don't forget. 我々 は 天 に 逆らわ ない と 誓った 。 われわれ||てん||さからわ|||ちかった We vowed not to go against heaven. 惑星 の 動き から 、 何 が 起こる か 読み取った はずじゃ ない か ね 」 ベイン が うなる ように 言った 。 わくせい||うごき||なん||おこる||よみとった|||||||||いった You should have read what would happen from the movement of the planet. "Bain said to growl.

「 私 は フィレンツェ が 最善 と 思う こと を して いる んだ と 信じて いる 」 わたくし||||さいぜん||おもう|||||||しんじて| Ich glaube, dass Florence das tut, was sie für das Beste hält. "I believe Florence is doing what it thinks is best."

ロナン は 落ち着か ない 様子 で 、 蹄 で 地面 を 掻き 、 くぐもった 声 で 言った 。 ||おちつか||ようす||ひづめ||じめん||かき||こえ||いった Ronan looked restless, scratched the ground with his hooves, and said in a muffled voice.

「 最善 ! さいぜん "Best! それ が 我々 と 何の 関わり が ある んです ? ||われわれ||なんの|かかわり||| What does that have to do with us? ケンタウルス は 予言 さ れた こと に だけ 関心 を 持てば それ で よい ! ||よげん||||||かんしん||もてば||| The Centaurs need only be interested in what has been predicted! 森 の 中 で さ迷う 人間 を 追いかけて ロバ の ように 走り回る の が 我々 の する こと でしょう か ! しげる||なか||さまよう|にんげん||おいかけて|ろば|||はしりまわる|||われわれ||||| Is it what we do to chase a lost human in the woods and run around like a donkey! ベイン は 怒って 後足 を 蹴り 上げた 。 ||いかって|あとあし||けり|あげた Bain was angry and kicked his hind legs up.

フィレンツェ も 怒り 、 急に 後足 で 立ちあがった ので 、 ハリー は 振り落とさ れ ない ように 必死に 彼 の 肩 に つかまった 。 ||いかり|きゅうに|あとあし||たちあがった||||ふりおとさ||||ひっしに|かれ||かた|| Florence was furious, too, and suddenly reared up, and Harry desperately grabbed onto his shoulder to keep him from falling.

「 あの ユニコーン を 見 なかった のです か ? |||み||| "Didn't you see that unicorn? 」 フィレンツェ は ベイン に 向かって 声 を 荒げた 。 ||||むかって|こえ||あら げた Florence screamed at Bain.

「 なぜ 殺さ れた の か 君 に は わから ない のです か ? |ころさ||||きみ|||||| "Don't you know why you were killed? それとも 惑星 が その 秘密 を 君 に は 教えて いない のです か ? |わくせい|||ひみつ||きみ|||おしえて||| Or does the planet not tell you its secrets? ベイン 、 僕 は この 森 に 忍び寄る もの に 立ち向かう 。 |ぼく|||しげる||しのびよる|||たちむかう Bain, I confront the ones that sneak up on this forest. そう 、 必要 と あら ば 人間 と も 手 を 組む 」 |ひつよう||||にんげん|||て||くむ Yes, if necessary, join hands with humans. "

フィレンツェ が さっと 向き を 変え 、 ハリー は 必死で その 背 に しがみついた 。 |||むき||かえ|||ひっしで||せ|| Florence quickly turned around, and Harry desperately clung to his back. 二 人 は ロナン と ベイン を 後 に 残し 、 木立 の 中 に 飛び込んだ 。 ふた|じん||||||あと||のこし|こだち||なか||とびこんだ Leaving Ronan and Bane behind, the two jumped into the grove.

何 が 起こって いる の か ハリー に は まったく 見当 が つか なかった 。 なん||おこって||||||||けんとう||| Harry had no idea what was going on.

「 どうして ベイン は あんなに 怒って いた の ? ||||いかって|| "Why was Bane so angry? 君 は いったい 何 から 僕 を 救って くれた の ? きみ|||なん||ぼく||すくって|| What on earth did you save me from? フィレンツェ は スピード を 落とし 、 並足 に なった 。 ||すぴーど||おとし|なみ あし|| Florence slowed down and became level-headed. 低い 枝 に ぶつから ない よう 頭 を 低く して いる ように 注意 は した が 、 ハリー の 質問 に は 答え なかった 。 ひくい|えだ||ぶつ から|||あたま||ひくく||||ちゅうい||||||しつもん|||こたえ| I was careful to keep my head low so that I wouldn't hit the low branches, but I didn't answer Harry's question. 二 人 は 黙った まま 、 木立 の 中 を 進んだ 。 ふた|じん||だまった||こだち||なか||すすんだ 長い こと 沈黙 が 続いた ので 、 フィレンツェ は もう 口 を ききたく ない のだろう と ハリー は 考えた 。 ながい||ちんもく||つづいた|||||くち||きき たく||||||かんがえた Harry wondered if Florence wouldn't want to speak anymore because of the long silence. ところが 、 ひときわ 木 の 生い茂った 場所 を 通る 途中 、 フィレンツェ が 突然 立ち止まった 。 ||き||おいしげった|ばしょ||とおる|とちゅう|||とつぜん|たちどまった However, on the way through a particularly thickly wooded area, Florence suddenly stopped.

「 ハリー ・ ポッター 、 ユニコーン の 血 が 何 に 使わ れる か 知っています か ? ||||ち||なん||つかわ|||しってい ます| "Harry Potter, do you know what the unicorn's blood is used for? 「 う うん 」 ハリー は 突然の 質問 に 驚いた 。 ||||とつぜんの|しつもん||おどろいた "No," Harry was surprised at the sudden question. 「 角 と か 尾 の 毛 と か を 魔法 薬 の 時間 に 使った きり だ よ 」 かど|||お||け||||まほう|くすり||じかん||つかった||| "I just used the horns and tail hair for magical time."

「 それ は ね 、 ユニコーン を 殺す なんて 非情 きわまりない こと だ から な んです 。 |||||ころす||ひじょう|||||| "That's because killing a unicorn is ruthless. これ 以上 失う 物 は 何も ない 、 しかも 殺す こと で 自分 の 命 の 利益 に なる 者 だけ が 、 そのような 罪 を 犯す 。 |いじょう|うしなう|ぶつ||なにも|||ころす|||じぶん||いのち||りえき|||もの||||ざい||おかす Only those who have nothing to lose, and whose killing benefits their lives, commit such sins. ユニコーン の 血 は 、 たとえ 死 の 淵 に いる 時 だって 命 を 長らえ させて くれる 。 ||ち|||し||ふち|||じ||いのち||ながらえ|さ せて| Unicorn blood can prolong life, even when it's on the brink of death. でも 恐ろしい 代償 を 私 わ なければ なら ない 。 |おそろしい|だいしょう||わたくし|||| But I have to pay a terrible price. 自ら の 命 を 救う ため に 、 純粋 で 無防備な 生物 を 殺害 する のだ から 、 得られる 命 は 完全な 命 で は ない 。 おのずから||いのち||すくう|||じゅんすい||むぼうびな|せいぶつ||さつがい||||え られる|いのち||かんぜんな|いのち||| The life gained is not perfect because it kills pure and defenseless creatures in order to save their own lives. その 血 が 唇 に 触れた 瞬間 から 、 その もの は 呪わ れた 命 を 生きる 、 生き ながら の 死 の 命 な のです 」 |ち||くちびる||ふれた|しゅんかん|||||のろわ||いのち||いきる|いき|||し||いのち|| From the moment the blood touches the lips, it lives the cursed life, the life of death while living. "

フィレンツェ の 髪 は 月 明かり で 銀色 の 濃淡 を つくり出して いた 。 ||かみ||つき|あかり||ぎんいろ||のうたん||つくりだして| The hair in Florence was lit by the moonlight, creating a shade of silver. ハリー は その 髪 を 後ろ から 見つめた 。 |||かみ||うしろ||みつめた Harry looked back at the hair.

「 いったい 誰 が そんなに 必死に ? |だれ|||ひっしに "Who the hell is so desperate? 」 ハリー は 考え ながら 話した 。 ||かんがえ||はなした said Harry thoughtfully. 「 永遠に 呪わ れる んだったら 、 死んだ 方 が ましだ と 思う けど 。 えいえんに|のろわ|||しんだ|かた||||おもう| "I think it's better to die if you're cursed forever. 違う ? ちがう Wrong ? 「 その とおり 。 " that's right . しかし 、 他の 何 か を 飲む まで の 間 だけ 生き長らえれば よい と したら ── 完全な 力 と 強 さ を 取り戻して くれる 何 か ── 決して 死ぬ こと が なくなる 何 か 。 |たの|なん|||のむ|||あいだ||いきながらえれば||||かんぜんな|ちから||つよ|||とりもどして||なん||けっして|しぬ||||なん| But if we only had to survive until we drank something else ── something that would regain full strength and strength ── something that would never die. ポッター 君 、 今 この 瞬間 に 、 学校 に 何 が 隠されて いる か 知っています か ? |きみ|いま||しゅんかん||がっこう||なん||かくさ れて|||しってい ます| Potter, do you know what's hidden in the school at this moment? 「『 賢 者 の 石 』── そう か ── 命 の 水 だ ! かしこ|もの||いし|||いのち||すい| "The Philosopher's Stone—I see—the water of life! だけど いったい 誰 が ……」 ||だれ| But who the heck is..."

「 力 を 取り戻す ため に 長い 間 待って いた の が 誰 か 、 思い浮かば ないで す か ? ちから||とりもどす|||ながい|あいだ|まって||||だれ||おもいうかば||| "Can you imagine who waited so long to regain their power? 命 に しがみついて 、 チャンス を うかがって きた の は 誰 か ? いのち|||ちゃんす||||||だれ| Who has clung to life and asked for a chance? ハリー は 鉄 の 手 で 突然 心臓 を わしづかみ に さ れた ような 気 が した 。 ||くろがね||て||とつぜん|しんぞう|||||||き|| Harry suddenly felt like he was grabbing his heart with his iron hand. 木々 の ざわめき の 中 から 、 ハグリッド に 会った あの 夜 、 初めて 聞いた 言葉 が よみがえって きた 。 きぎ||||なか||||あった||よ|はじめて|きいた|ことば||| From the buzz of the trees, that night when I met Hagrid, the words that opened for the first time came back to life.

── あや つ が 死んだ と いう 者 も いる 。 |||しんだ|||もの|| ── Some say he died. おれ に 言わ せりゃ 、 くそ くらえ だ 。 ||いわ|||| If you ask me, shit. やつ に 人間 らし さ の かけら でも 残って いれば 死ぬ こと も あろう さ ── ||にんげん||||||のこって||しぬ|||| If he had even the slightest bit of humanity left in him, he might die.

「 それ じゃ ……」 ハリー の 声 が しわがれた 。 ||||こえ|| 「 僕 が 、 今 見た の は ヴォル ……」 ぼく||いま|みた||| "I just saw Vol ..."

「 ハリー 、 ハリー 、 あなた 大丈夫 ? |||だいじょうぶ ハーマイオニー が 道 の むこう から かけて きた 。 ||どう||||| Hermione came from across the road. ハグリッド も ハーハ 一言 いながら その 後ろ を 走って くる 。 |||いちげん|||うしろ||はしって| Hagrid also runs behind him, saying a word.

「 僕 は 大丈夫だ よ 」 ぼく||だいじょうぶだ| "I'm fine"

ハリー は 自分 が 何 を 言って いる の か ほとんど わから なかった 。 ||じぶん||なん||いって|||||| Harry had little idea of what he was saying.

「 ハグリッド 、 ユニコーン が 死んで る 。 |||しんで| "Hagrid, the unicorn is dead. 森 の 奥 の 開けた ところ に いた よ 」 しげる||おく||あけた|||| I was in an open place in the depths of the forest. "

「 ここ で 別れましょう 。 ||わかれ ましょう "Let's break up here. 君 は もう 安全だ 」 きみ|||あんぜんだ You are safe now."

ハグリッド が ユニコーン を 確かめ に 急いで 戻って いく の を 見 ながら フィレンツェ が つぶやいた 。 ||||たしかめ||いそいで|もどって||||み|||| Florence muttered as he watched Hagrid rush back to see the unicorn.

ハリー は フィレンツェ の 背中 から 滑り 降りた 。 ||||せなか||すべり|おりた Harry slipped off Florence's back.

「 幸運 を 祈ります よ 、 ハリー ・ ポッター 。 こううん||いのり ます||| "Good luck, Harry Potter. ケンタウルス で さえ も 惑星 の 読み を 間違えた こと が ある 。 ||||わくせい||よみ||まちがえた||| Even the Centaurs have misread the planets. 今回 も そう なります ように 」  フィレンツェ は 森 の 奥 探 く へ 緩やかに 走り去った 。 こんかい|||なり ます||||しげる||おく|さが|||ゆるやかに|はしりさった May it be the same again. ”Florence slowly ran away to explore the depths of the forest. ブルブル 震えて いる ハリー を 残して ……。 ぶるぶる|ふるえて||||のこして Leaving a shivering Harry...

皆 の 帰り を 待って いる うち に 、 ロン は 真っ暗に なった 談話 室 で 眠り 込んで しまった 。 みな||かえり||まって||||||まっくらに||だんわ|しつ||ねむり|こんで| While waiting for everyone to return, Ron fell asleep in the pitch-black lounge. ハリー が 乱暴に 揺り動かして 起こそう と した 時 、 クィディッチ だ の ファウル だの と 寝言 を 叫んだ 。 ||らんぼうに|ゆりうごかして|おこそう|||じ||||ふぁうる|||ねごと||さけんだ When Harry shook violently and tried to wake him up, he screamed that he was a Quidditch or a foul. しかし 、 ハリー が ハーマイオニー と 一緒に 、 森 であった こと を 話す うち に ロン は すっかり 目 を 覚ます こと に なった 。 |||||いっしょに|しげる||||はなす||||||め||さます||| But as Harry told Hermione about their time in the woods, Ron woke up completely.

ハリー は 座って いられ なかった 。 ||すわって|いら れ| Harry couldn't sit down. まだ 震え が 止まら ず 、 暖炉 の 前 を 行ったり 来たり した 。 |ふるえ||とまら||だんろ||ぜん||おこなったり|きたり| Still shivering, I walked back and forth in front of the fireplace.

「 スネイプ は ヴォルデモート の ため に あの 石 が 欲しかった んだ …… ヴォルデモート は 森 の 中 で 待って いる んだ …… 僕たち 、 今 まで ずっと 、 スネイプ は お 金 の ため に あの 石 が 欲しい んだ と 思って いた ……」 |||||||いし||ほしかった||||しげる||なか||まって|||ぼくたち|いま||||||きむ|||||いし||ほしい|||おもって| "Snape wanted that stone for Voldemort...Voldemort is waiting in the woods...we always thought Snape wanted that stone for the money. I was..."

「 その 名前 を 言う の は やめて くれ ! |なまえ||いう|||| ロン は ヴォルデモート に 聞か れる の を 恐れる か の ように 、 こわごわ ささやいた 。 ||||きか||||おそれる||||| Ron whispered timidly, as if afraid of being heard by Voldemort.

ハリー の 耳 に は 入ら ない 。 ||みみ|||はいら| Don't listen to Harry.

「 フィレンツェ は 僕 を 助けて くれた 。 ||ぼく||たすけて| "Florence helped me. だけど それ は いけない こと だった んだ …… ベイン が ものすごく 怒って いた …… 惑星 が 起こる べき こと を 予言 して いる のに 、 それ に 干渉 する なって 言って た …… 惑星 は ヴォルデモート が 戻って くる と 予言 して いる んだ …… ヴォルデモート が 僕 を 殺す なら 、 それ を フィレンツェ が 止める の は いけないって 、 ベイン は そう 思った んだ …… 僕 が 殺さ れる こと も 星 が 予言 して た んだ 」 「 頼む から その 名前 を 言わ ないで ! ||||||||||いかって||わくせい||おこる||||よげん||||||かんしょう|||いって||わくせい||||もどって|||よげん||||||ぼく||ころす||||||とどめる|||いけない って||||おもった||ぼく||ころさ||||ほし||よげん||||たのむ|||なまえ||いわ| But that was a bad thing ... Bain was terribly angry ... He predicted that the planet should happen, but he said he would interfere with it ... The planet Voldemort is back. I'm prophesying ... If Voldemort kills me, Florence shouldn't stop it, Bain thought so ... I was also predicted by the stars to be killed. "Don't say that name because I'm asking!" 」 ロン が シーッ と いう 口調 で 頼んだ 。 |||||くちょう||たのんだ Ron asked in a shy tone.

「 それ じゃ 、 僕 は スネイプ が 石 を 盗む の を ただ 待って れば いい んだ 」 ||ぼく||||いし||ぬすむ||||まって||| "Then I just have to wait for Snape to steal the stone."

ハリー は 熱 に 浮かされた ように 話し 続けた 。 ||ねつ||うかされた||はなし|つづけた Harry continued to speak as if he was in the heat.

「 そし たら ヴォルデモート が やってきて 僕 の 息の根 を 止める …… そう 、 それ で ベイン は 満足 する だろう 」 |||||ぼく||いきのね||とどめる||||||まんぞく|| "Then Voldemort will come and kill me... yes, that will satisfy Bane."

ハーマイオニー も 怖がって いた が 、 ハリー を 慰める 言葉 を かけた 。 ||こわがって|||||なぐさめる|ことば|| Hermione was frightened, too, but said words of comfort to Harry.

「 ハリー 、 ダンブルドア は 『 あの 人 』 が 唯一 恐れて いる 人 だって 、 みんな が 言って る じゃ ない 。 ||||じん||ゆいいつ|おそれて||じん||||いって||| "Harry, everyone says Dumbledore is the only man 'that man' is afraid of. ダンブルドア が そば に いる かぎり 、『 あの 人 』 は あなた に 指 一 本 触れる こと は でき ない わ 。 |||||||じん||||ゆび|ひと|ほん|ふれる||||| As long as Dumbledore is by your side, "that person" can't touch you with one finger. それ に 、 ケンタウルス が 正しい なんて 誰 が 言った ? ||||ただしい||だれ||いった And who said that the Centaurs are right? 私 に は 占い みたいな もの に 思える わ 。 わたくし|||うらない||||おもえる| It seems to me like fortune-telling. マクゴナガル 先生 が おっしゃった でしょう 。 |せんせい||| Mr. McGonagall probably said that. 占い は 魔法 の 中 でも 、 とっても 不正確な 分野 だって 」 うらない||まほう||なか|||ふせいかくな|ぶんや| Divination is a very inaccurate field of magic."

話し込んで いる うち に 、 空 が 白み はじめて いた 。 はなしこんで||||から||しらみ|| While we were talking, the sky began to lighten. ベッド に 入った とき に は 三 人 と も クタクタ で 、 話し すぎて 喉 が ヒリヒリ した 。 べっど||はいった||||みっ|じん|||||はなし||のど||ひりひり| All three of us were exhausted when we went to bed, and our throats were sore from talking so much. だが その 夜 の 驚き は まだ 終わって は い なかった 。 ||よ||おどろき|||おわって||| But that night's surprise wasn't over yet.

ハリー が シーツ を めくる と 、 そこ に は きちんと 畳ま れた 透明 マント が 置いて あった 。 ||しーつ||||||||たたま||とうめい|まんと||おいて| Harry flipped through the sheets to find a neatly folded invisibility cloak. 小さな メモ が ピン で 止めて ある 。 ちいさな|めも||ぴん||とどめて| A small note is pinned down.

「 必要な 時 の ため に 」 ひつような|じ||| "For when you need it"