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1 - Harry Potter, 12.2 みぞ の 鏡

12.2 みぞ の 鏡

「 起こして くれれば よかった のに 」

翌朝 ロン が 不機嫌 そうに いった 。

「 今晩 一緒に 来れば いい よ 。 僕 、 また 行く から 。 君 に 鏡 を 見せたい んだ 」 「 君 の ママ と パパ に 会いたい よ 」 ロン は 意気込んだ 。 「 僕 は 君 の 家族 に 会いたい 。 ウィーズリー 家 の 人 たち に 会いたい よ 。 ほか の 兄さん と か 、 みんな に 会わ せて くれる よ ね 」

「 いつ だって 会える よ 。 今度 の 夏 休み に 家 に 来れば いい 。 もしかしたら 、 その 鏡 は 亡くなった 人 だけ を 見せる の かも しれ ない な 。 しかし 、 フラメル を 見つけられ なかった の は 残念 だった なあ 。 ベーコン か 何 か 食べたら 。 何も 食べて ない じゃ ない か 。 どうした の ? 」 ハリー は 食べ たく なかった 。 両親 に 会えた 。 今晩 も また 会える 。 ハリー は フラメル の こと は ほとんど 忘れて しまって いた 。 そんな こと は もう 、 どうでも いい ような 気 が した 。 三 頭 犬 が 何 を 守って いよう が 、 関係ない 。 スネイプ が それ を 盗んだ ところ で 、 それ が どうした と いう んだ 。

「 大丈夫 かい ? なんか 様子 が おかしい よ 」 ロン が 言った 。

あの 鏡 の 部屋 が 二度と 見つから ない ので は と 、 ハリー は それ が 一 番 怖かった 。 ロン と 二 人 で マント を 着た ので 、 昨夜 より ノロノロ 歩き に なった 。 図書 館 から の 道筋 を もう 一 度 たどり なおして 、 二 人 は 一 時間 近く 暗い 通路 を さまよった 。

「 凍えちゃ う よ 。 もう あきらめて 帰ろう 」 と ロン が いった 。

「 いやだ ! どっか この あたり な んだ から 」 ハリー は つっぱった 。 背 の 高い 魔女 の ゴースト が スルスル と 反対 方向 に 行く の と すれ違った ほか は 、 誰 も 見かけ なかった 。 冷えて 足 の 感覚 が なくなった と 、 ロン が ブツブツ 言い はじめた ちょうど その 時 、 ハリー は あの 鎧 を 見つけた 。

「 ここ だ …… ここ だった …… そう 」

二 人 は ドア を 開けた 。 ハリー は マント を かなぐり捨てて 鏡 に 向かって 走った 。

みんな が そこ に いた 。 お 父さん と お母さん が ハリー を 見て ニッコリ 笑って いた 。 「 ねっ? 」 と ハリー が ささやいた 。

「 何も 見え ない よ 」

「 ほら ! みんな を 見て よ …… たくさん いる よ 」

「 僕 、 君 しか 見え ない よ 」

「 ちゃんと 見て ごらん よ 。 さあ 、 僕 の ところ に 立って みて 」

ハリー が 脇 に ど いて ロン が 鏡 の 正面 に 立つ と 、 ハリー に は 家族 の 姿 が 見え なく なって 、 かわり に ペーズリー 模様 の パジャマ を 着た ロン が 映って いる の が 見えた 。

今度 は ロン の ほう が 、 鏡 に 映った 自分 の 姿 を 夢中で のぞき込んで いた 。

「 僕 を 見て ! 」 ロン が 言った 。

「 家族 みんな が 君 を 囲んで いる の が 見える かい ? 」 「 う ぅん …… 僕 一 人 だ …… でも 僕 じゃ ない みたい …… もっと 年上 に 見える …… 僕 、 首席 だ ! 」 「 なん だって ? 」 「 僕 …… ビル が つけて いた ような バッジ を つけて る …… そして 最 優秀 寮 杯 と クィディッチ 優勝 カップ を 持って いる …… 僕 、 クィディッチ の キャプテン も やって る んだ 」 ロン は ホレボレ する ような 自分 の 姿 から ようやく 目 を 離し 、 興奮 した 様子 で ハリー を 見た 。

「 この 鏡 は 未来 を 見せて くれる の か なぁ ? 」 「 そんな はず ない よ 。 僕 の 家族 は みんな 死んじゃった んだ よ …… もう 一 度 僕 に 見せて ……」 「 君 は 昨日 一 人 占め で 見た じゃ ない か 。 もう 少し 僕 に 見せて よ 」

「 君 は クィディッチ の 優勝 カップ を 持って る だけ じゃ ない か 。 何 が おもしろい んだ よ 。 僕 は 両親 に 会いたい んだ 」 「 押す な よ ……」 突然 、 外 の 廊下 で 音 が して 、 二 人 は 「 討論 」 を 止めた 。 どんなに 大声 で 話して いた か に 気 が つか なかった のだ 。

「 はやく ! 」 ロン が マント を 二 人 に かぶせた とたん 、 ミセス ・ ノリス の 蛍 の ように 光る 目 が ドア の むこう から 現れた 。 ロン と ハリー は 息 を ひそめて 立って いた 。 二 人 と も 同じ こと を 考えて いた 。

── この マント 、 猫 に も 効く の か な ? 何 年 も たった ような 気 が した 。 やがて 、 ミセス ・ ノリス は クルリ と 向き を 変えて 立ち去った 。

「 まだ 安心 は でき ない ── フィルチ の ところ に 行った かも しれ ない 。 僕たち の 声 が 聞こえた に 違いない よ 。 さあ 」

ロン は ハリー を 部屋 から 引っぱり 出した 。 次の 朝 、 雪 は まだ 解けて い なかった 。

「 ハリー 、 チェス し ない か ? 」 と ロン が 誘った 。

「 し ない 」

「 下 に おりて 、 ハグリッド の ところ に 行か ない か ? 」 「 う ぅん …… 君 が 行けば ……」 「 ハリー 、 あの 鏡 の こと を 考えて る んだろう 。 今夜 は 行か ない 方 が いい よ 」

「 どうして ? 」 「 わかん ない けど 、 なんだか あの 鏡 の こと 、 悪い 予感 が する んだ 。 それ に 、 君 は ずいぶん 危機一髪 の 目 に 会った じゃ ない か 。 フィルチ も スネイプ も ミセス ・ ノリス も ウロウロ して いる よ 。 連中 に 君 が 見え ない からって 安心 は でき ない よ 。 君 に ぶつかったら どう なる ? もし 君 が 何 か ひっくり返したら ? 」 「 ハーマイオニー みたいな こ と 言う ね 」 「 本当に 心配 して いる んだ よ 。 ハリー 、 行っちゃ だめだ よ 」

だが ハリー は 鏡 の 前 に 立つ こと しか 考えて い なかった 。 ロン が 何と 言おう と 、 止める こと は でき ない 。

三 日 目 の 夜 は 昨夜 より 早く 道 が わかった 。 あんまり 速く 歩いた ので 、 自分 でも 用心 が 足りない と 思う ぐらい 音 を 立てて いた 。 だが 誰 と も 出会わ なかった 。

お 父さん と お母さん は ちゃんと そこ に いて 、 ハリー に ほほえみ かけ 、 お じいさん の 一 人 は 、 うれし そうに うなずいて いた 。 ハリー は 鏡 の 前 に 座り込んだ 。 何 が あろう と 、 一晩 中 家族 と そこ に いたい 。 誰 も 、 何もの も 止められ や し ない 。 ただし ……

「 ハリー 、 また 来た の かい ? 」 ハリー は 体中 が ヒヤーッ と 氷 に なった か と 思った 。 振り返る と 、 壁 際 の 机 に 、 誰 あろう 、 アルバス ・ ダンブルドア が 腰掛けて いた 。 鏡 の そば に 行きたい 一 心 で 、 ダンブルドア の 前 を 気づか ず に 通り過ぎて しまった に 違いない 。 「 ぼ 、 僕 、 気 が つきません でした 」 「 透明に なる と 、 不思議に ずいぶん 近眼 に なる んじゃ のう 」 と ダンブルドア が 言った 。 先生 が ほほえんで いる の を 見て ハリー は ホッと した 。 ダンブルドア は 机 から 降りて ハリー と 一緒に 床 に 座った 。

「 君 だけ じゃ ない 。 何 百 人 も 君 と 同じ ように 、『 みぞ の 鏡 』 の 虜 に なった 」

「 先生 、 僕 、 そういう 名 の 鏡 だ と は 知りません でした 」 「 この 鏡 が 何 を して くれる の か は もう 気 が ついた じゃ ろう 」 「 鏡 は …… 僕 の 家族 を 見せて くれました ……」 「 そして 君 の 友達 の ロン に は 、 首席 に なった 姿 を ね 」 「 どうして それ を ……」 「 わし は マント が なくて も 透明に なれる ので な 」

ダンブルドア は 穏やかに 言った 。

「 それ で 、 この 『 みぞ の 鏡 』 は わし たち に 何 を 見せて くれる と 思う かね ? 」 ハリー は 首 を 横 に 振った 。 「 じゃあ ヒント を あげよう 。 この世 で 一 番 幸せな 人 に は 、 この 鏡 は 普通の 鏡 に なる 。 その 人 が 鏡 を 見る と 、 その まん ま の 姿 が 映る んじゃ 。 これ で 何 か わかった か ね 」

ハリー は 考えて から ゆっくり と 答えた 。

「 なに か 欲しい もの を 見せて くれる …… なんでも 自分 の 欲しい もの を ……」

「 当り で も ある し 、 はずれ で も ある 」

ダンブルドア が 静かに いった 。

「 鏡 が 見せて くれる の は 、 心 の 一 番 奥底 に ある 一 番 強い 『 のぞみ 』 じゃ 。 それ 以上 でも それ 以下 で も ない 。 君 は 家族 を 知ら ない から 、 家族 に 囲ま れた 自分 を 見る 。 ロナルド ・ ウィーズリー は いつも 兄弟 の 陰 で 霞んで いる から 、 兄弟 の 誰 より も すばらしい 自分 が 一 人 で 堂々と 立って いる の が 見える 。 しかし この 鏡 は 知識 や 真実 を 示して くれる もの で は ない 。 鏡 が 映す もの が 現実 の もの か 、 はたして 可能な もの な の か さえ 判断 でき ず 、 みんな 鏡 の 前 で へトヘト に なったり 、 鏡 に 映る 姿 に 魅入られて しまったり 、 発狂 したり した んじゃ よ 。 ハリー 、 この 鏡 は 明日 よそ に 移す 。 もう この 鏡 を 探して は いけない よ 。 たとえ 再び この 鏡 に 出会う こと が あって も 、 もう 大丈夫 じゃろう 。 夢 に 耽ったり 、 生きる こと を 忘れて しまう の は よく ない 。 それ を よく 覚えて おき なさい 。 さ ぁて 、 その すばらしい マント を 着て 、 ベッド に 戻って は いかが か な 」

ハリー は 立ち上がった 。

「 あの …… ダンブルドア 先生 、 質問 して よろしい です か ? 」 「 いい と も 。 今 の も すでに 質問 だった し ね 」

ダンブルドア は ほほえんだ 。

「 でも 、 もう ひと つ だけ 質問 を 許そう 」

「 先生 なら この 鏡 で 何 が 見える んです か 」

「 わし かね ? 厚手の ウール の 靴下 を 一足 、 手 に 持って おる の が 見える 」

ハリー は 目 を パチクリ した 。

「 靴下 は いく つ あって も いい もの じゃ 。 な のに 今年 の クリスマス に も 靴下 は 一足 も もらえ なかった 。 わし に プレゼント して くれる 人 は 本 ばっかり 贈り た がる んじゃ 」

ダンブルドア は 本当の こと を 言わ なかった の かも しれ ない 、 ハリー が そう 思った の は ベッド に 入って から だった 。 でも …… ハリー は 枕 の 上 に いた スキャバーズ を 払いのけ ながら 考えた ── きっと あれ は ちょっと 無遠慮な 質問 だった んだ ……

12.2 みぞ の 鏡 ||きよう 12.2 Der Spiegel des Leids 12.2 Mirror of Erised 12.2 Spiegel van Smarten 12.2 Zwierciadło smutku 12.2 Espelho das Dores 12.2 Sorgernas spegel 12.2 槽镜 12.2 槽鏡

「 起こして くれれば よかった のに 」 おこして||| "I wish I had woken up."

翌朝 ロン が 不機嫌 そうに いった 。 よくあさ|||ふきげん|そう に| The next morning Ron was in a bad mood.

「 今晩 一緒に 来れば いい よ 。 こんばん|いっしょに|くれば|| "I wish you could come with me tonight. 僕 、 また 行く から 。 ぼく||いく| I will go again. 君 に 鏡 を 見せたい んだ 」 「 君 の ママ と パパ に 会いたい よ 」 ロン は 意気込んだ 。 きみ||きよう||みせ たい||きみ||まま||ぱぱ||あい たい||||いきごんだ I want to show you the mirror." "I want to see your mom and dad," Ron enthused. 「 僕 は 君 の 家族 に 会いたい 。 ぼく||きみ||かぞく||あい たい "I want to meet your family. ウィーズリー 家 の 人 たち に 会いたい よ 。 |いえ||じん|||あい たい| I would love to meet the Weasley family. ほか の 兄さん と か 、 みんな に 会わ せて くれる よ ね 」 ||にいさん|||||あわ|||| You let me meet everyone, like the other brothers."

「 いつ だって 会える よ 。 ||あえる| "We can meet anytime. 今度 の 夏 休み に 家 に 来れば いい 。 こんど||なつ|やすみ||いえ||くれば| All you have to do is come home this summer vacation. もしかしたら 、 その 鏡 は 亡くなった 人 だけ を 見せる の かも しれ ない な 。 ||きよう||なくなった|じん|||みせる||||| Maybe the mirror only shows deceased people. しかし 、 フラメル を 見つけられ なかった の は 残念 だった なあ 。 |||みつけ られ||||ざんねん|| However, it was a pity that I couldn't find Flamel. ベーコン か 何 か 食べたら 。 べーこん||なん||たべたら If you eat bacon or something. 何も 食べて ない じゃ ない か 。 なにも|たべて|||| You haven't eaten anything. どうした の ? what happened ? 」 ハリー は 食べ たく なかった 。 ||たべ|| Harry didn't want to eat. 両親 に 会えた 。 りょうしん||あえた I met my parents. 今晩 も また 会える 。 こんばん|||あえる I can see you again tonight. ハリー は フラメル の こと は ほとんど 忘れて しまって いた 。 |||||||わすれて|| Harry had almost forgotten about Flamel. そんな こと は もう 、 どうでも いい ような 気 が した 。 |||||||き|| I felt like I didn't care about that anymore. 三 頭 犬 が 何 を 守って いよう が 、 関係ない 。 みっ|あたま|いぬ||なん||まもって|||かんけいない It doesn't matter what the three-headed dog is guarding. スネイプ が それ を 盗んだ ところ で 、 それ が どうした と いう んだ 。 ||||ぬすんだ|||||||| Where Snape stole it, what happened?

「 大丈夫 かい ? だいじょうぶ| " Are you okay ? なんか 様子 が おかしい よ 」 ロン が 言った 。 |ようす||||||いった Something is wrong, "Ron said.

あの 鏡 の 部屋 が 二度と 見つから ない ので は と 、 ハリー は それ が 一 番 怖かった 。 |きよう||へや||にどと|みつから|||||||||ひと|ばん|こわかった Harry was the most scared of it because he could never find that mirror room again. ロン と 二 人 で マント を 着た ので 、 昨夜 より ノロノロ 歩き に なった 。 ||ふた|じん||まんと||きた||さくや||のろのろ|あるき|| Ron and I put on the cloak together, so I started walking slowly from last night. 図書 館 から の 道筋 を もう 一 度 たどり なおして 、 二 人 は 一 時間 近く 暗い 通路 を さまよった 。 としょ|かん|||みちすじ|||ひと|たび||なお して|ふた|じん||ひと|じかん|ちかく|くらい|つうろ|| Retracing the route from the library, the two wandered through the dark corridors for nearly an hour.

「 凍えちゃ う よ 。 こごえちゃ|| "I'm freezing. もう あきらめて 帰ろう 」 と ロン が いった 。 ||かえろう|||| Let's give up and go home, "Ron said.

「 いやだ ! どっか この あたり な んだ から 」 ハリー は つっぱった 。 ど っか|||||||| It's somewhere around here." Harry snapped. 背 の 高い 魔女 の ゴースト が スルスル と 反対 方向 に 行く の と すれ違った ほか は 、 誰 も 見かけ なかった 。 せ||たかい|まじょ||ごーすと||するする||はんたい|ほうこう||いく|||すれちがった|||だれ||みかけ| No one was seen except that the tall witch ghost passed by in the opposite direction of Suru Suru. 冷えて 足 の 感覚 が なくなった と 、 ロン が ブツブツ 言い はじめた ちょうど その 時 、 ハリー は あの 鎧 を 見つけた 。 ひえて|あし||かんかく||||||ぶつぶつ|いい||||じ||||よろい||みつけた Just as Ron began to slam, saying that he was cold and his feet were numb, Harry found that armor.

「 ここ だ …… ここ だった …… そう 」 "Here... it was here... yeah."

二 人 は ドア を 開けた 。 ふた|じん||どあ||あけた The two opened the door. ハリー は マント を かなぐり捨てて 鏡 に 向かって 走った 。 ||まんと||かなぐりすてて|きよう||むかって|はしった Harry threw away his cloak and ran towards the mirror.

みんな が そこ に いた 。 everyone was there お 父さん と お母さん が ハリー を 見て ニッコリ 笑って いた 。 |とうさん||お かあさん||||みて|にっこり|わらって| Mom and Dad looked at Harry and smiled. 「 ねっ? 」 と ハリー が ささやいた 。 whispered Harry.

「 何も 見え ない よ 」 なにも|みえ|| "I can't see anything."

「 ほら ! みんな を 見て よ …… たくさん いる よ 」 ||みて|||| Look at everyone ... there are a lot of them. "

「 僕 、 君 しか 見え ない よ 」 ぼく|きみ||みえ|| "I can only see you"

「 ちゃんと 見て ごらん よ 。 |みて|| "Take a good look. さあ 、 僕 の ところ に 立って みて 」 |ぼく||||たって| Come on, stand up with me."

ハリー が 脇 に ど いて ロン が 鏡 の 正面 に 立つ と 、 ハリー に は 家族 の 姿 が 見え なく なって 、 かわり に ペーズリー 模様 の パジャマ を 着た ロン が 映って いる の が 見えた 。 ||わき||||||きよう||しょうめん||たつ|||||かぞく||すがた||みえ||||||もよう||ぱじゃま||きた|||うつって||||みえた As Harry set aside and Ron stood in front of the mirror, Harry couldn't see his family, but instead saw Ron in his paisley-patterned pajamas.

今度 は ロン の ほう が 、 鏡 に 映った 自分 の 姿 を 夢中で のぞき込んで いた 。 こんど||||||きよう||うつった|じぶん||すがた||むちゅうで|のぞきこんで| This time, Ron was crazy about his appearance in the mirror.

「 僕 を 見て ! ぼく||みて " Look at me ! 」 ロン が 言った 。 ||いった

「 家族 みんな が 君 を 囲んで いる の が 見える かい ? かぞく|||きみ||かこんで||||みえる| "Can you see the whole family surrounding you? 」 「 う ぅん …… 僕 一 人 だ …… でも 僕 じゃ ない みたい …… もっと 年上 に 見える …… 僕 、 首席 だ ! ||ぼく|ひと|じん|||ぼく|||||としうえ||みえる|ぼく|しゅせき| "Hmm... I'm the only one... but I don't think it's me... I look older... I'm the chief!" 」 「 なん だって ? " " What did you say ? 」 「 僕 …… ビル が つけて いた ような バッジ を つけて る …… そして 最 優秀 寮 杯 と クィディッチ 優勝 カップ を 持って いる …… 僕 、 クィディッチ の キャプテン も やって る んだ 」 ぼく|びる|||||ばっじ|||||さい|ゆうしゅう|りょう|さかずき|||ゆうしょう|かっぷ||もって||ぼく|||きゃぷてん|||| "I...I wear a badge like Bill used to wear...and I have the house cup and the Quidditch championship cup...I'm also a Quidditch captain." ロン は ホレボレ する ような 自分 の 姿 から ようやく 目 を 離し 、 興奮 した 様子 で ハリー を 見た 。 |||||じぶん||すがた|||め||はなし|こうふん||ようす||||みた Ron finally took his eyes off his horrified look and looked at Harry with excitement.

「 この 鏡 は 未来 を 見せて くれる の か なぁ ? |きよう||みらい||みせて|||| 」 「 そんな はず ない よ 。 "That shouldn't be the case. 僕 の 家族 は みんな 死んじゃった んだ よ …… もう 一 度 僕 に 見せて ……」 「 君 は 昨日 一 人 占め で 見た じゃ ない か 。 ぼく||かぞく|||しんじゃ った||||ひと|たび|ぼく||みせて|きみ||きのう|ひと|じん|しめ||みた||| All of my family are dead ... Show me again ... "" You saw it all by yourself yesterday. もう 少し 僕 に 見せて よ 」 |すこし|ぼく||みせて| Show me a little more."

「 君 は クィディッチ の 優勝 カップ を 持って る だけ じゃ ない か 。 きみ||||ゆうしょう|かっぷ||もって||||| "You just have a Quidditch victory cup, don't you? 何 が おもしろい んだ よ 。 なん|||| What's so funny? 僕 は 両親 に 会いたい んだ 」 「 押す な よ ……」  突然 、 外 の 廊下 で 音 が して 、 二 人 は 「 討論 」 を 止めた 。 ぼく||りょうしん||あい たい||おす|||とつぜん|がい||ろうか||おと|||ふた|じん||とうろん||とどめた I want to see my parents. "" Don't push ... "Suddenly there was a noise in the hallway outside, and the two stopped the" discussion. " どんなに 大声 で 話して いた か に 気 が つか なかった のだ 。 |おおごえ||はなして||||き|||| I didn't realize how loud I was talking.

「 はやく ! " quick ! 」 ロン が マント を 二 人 に かぶせた とたん 、 ミセス ・ ノリス の 蛍 の ように 光る 目 が ドア の むこう から 現れた 。 ||まんと||ふた|じん|||||||ほたる|||ひかる|め||どあ||||あらわれた ロン と ハリー は 息 を ひそめて 立って いた 。 ||||いき|||たって| Ron and Harry stood quietly. 二 人 と も 同じ こと を 考えて いた 。 ふた|じん|||おなじ|||かんがえて| We were both thinking the same thing.

── この マント 、 猫 に も 効く の か な ? |まんと|ねこ|||きく||| Does this cloak work on cats? 何 年 も たった ような 気 が した 。 なん|とし||||き|| I felt like it had been years. やがて 、 ミセス ・ ノリス は クルリ と 向き を 変えて 立ち去った 。 ||||くるり||むき||かえて|たちさった Finally, Mrs. Norris turned and left.

「 まだ 安心 は でき ない ── フィルチ の ところ に 行った かも しれ ない 。 |あんしん||||||||おこなった||| "I'm still not relieved - I may have gone to Filch's. 僕たち の 声 が 聞こえた に 違いない よ 。 ぼくたち||こえ||きこえた||ちがいない| You must have heard our voice. さあ 」

ロン は ハリー を 部屋 から 引っぱり 出した 。 ||||へや||ひっぱり|だした Ron pulled Harry out of the room. 次の 朝 、 雪 は まだ 解けて い なかった 。 つぎの|あさ|ゆき|||とけて|| The next morning, the snow hadn't melted yet.

「 ハリー 、 チェス し ない か ? "Harry, why don't you play chess? 」 と ロン が 誘った 。 |||さそった

「 し ない 」 " do not do "

「 下 に おりて 、 ハグリッド の ところ に 行か ない か ? した|||||||いか|| "Why don't you go downstairs and see Hagrid? 」 「 う ぅん …… 君 が 行けば ……」 ||きみ||いけば "Ummm ...... if you go to ......" 「 ハリー 、 あの 鏡 の こと を 考えて る んだろう 。 ||きよう||||かんがえて|| "Harry, he must be thinking about that mirror. 今夜 は 行か ない 方 が いい よ 」 こんや||いか||かた||| You shouldn't go tonight."

「 どうして ? 」 「 わかん ない けど 、 なんだか あの 鏡 の こと 、 悪い 予感 が する んだ 。 |||||きよう|||わるい|よかん||| "I don't know, but I have a bad feeling about that mirror. それ に 、 君 は ずいぶん 危機一髪 の 目 に 会った じゃ ない か 。 ||きみ|||ききいっぱつ||め||あった||| Besides, you may have met the eyes of a close call. フィルチ も スネイプ も ミセス ・ ノリス も ウロウロ して いる よ 。 |||||||うろうろ||| 連中 に 君 が 見え ない からって 安心 は でき ない よ 。 れんちゅう||きみ||みえ||から って|あんしん|||| You can't be relieved because they can't see you. 君 に ぶつかったら どう なる ? きみ|||| What if I hit you? もし 君 が 何 か ひっくり返したら ? |きみ||なん||ひっくりかえしたら What if you flip something over? 」 「 ハーマイオニー みたいな こ と 言う ね 」 ||||いう| You sound just like Hermione. 「 本当に 心配 して いる んだ よ 。 ほんとうに|しんぱい|||| "I'm really worried. ハリー 、 行っちゃ だめだ よ 」 |おこなっちゃ|| Harry, don't go. "

だが ハリー は 鏡 の 前 に 立つ こと しか 考えて い なかった 。 |||きよう||ぜん||たつ|||かんがえて|| But Harry was only thinking about standing in front of the mirror. ロン が 何と 言おう と 、 止める こと は でき ない 。 ||なんと|いおう||とどめる|||| No matter what Ron says, he can't stop.

三 日 目 の 夜 は 昨夜 より 早く 道 が わかった 。 みっ|ひ|め||よ||さくや||はやく|どう|| On the third night, I found my way faster than last night. あんまり 速く 歩いた ので 、 自分 でも 用心 が 足りない と 思う ぐらい 音 を 立てて いた 。 |はやく|あるいた||じぶん||ようじん||たりない||おもう||おと||たてて| I walked so fast that I made a noise that I thought I wasn't careful enough. だが 誰 と も 出会わ なかった 。 |だれ|||であわ| But I met no one.

お 父さん と お母さん は ちゃんと そこ に いて 、 ハリー に ほほえみ かけ 、 お じいさん の 一 人 は 、 うれし そうに うなずいて いた 。 |とうさん||お かあさん|||||||||||||ひと|じん|||そう に|| Dad and mom were there, smiling at Harry, and one of the grandfathers nodded happily. ハリー は 鏡 の 前 に 座り込んだ 。 ||きよう||ぜん||すわりこんだ Harry sat down in front of the mirror. 何 が あろう と 、 一晩 中 家族 と そこ に いたい 。 なん||||ひとばん|なか|かぞく||||い たい No matter what, I want to stay there with my family all night. 誰 も 、 何もの も 止められ や し ない 。 だれ||なにも の||とどめ られ||| No one can stop anything. ただし …… however ……

「 ハリー 、 また 来た の かい ? ||きた|| "Harry, have you come again? 」 ハリー は 体中 が ヒヤーッ と 氷 に なった か と 思った 。 ||たいちゅう||||こおり|||||おもった Harry wondered if his whole body had become ice. 振り返る と 、 壁 際 の 机 に 、 誰 あろう 、 アルバス ・ ダンブルドア が 腰掛けて いた 。 ふりかえる||かべ|さい||つくえ||だれ|||||こしかけて| Looking back, Albus Dumbledore was sitting on the desk by the wall, no matter who he was. 鏡 の そば に 行きたい 一 心 で 、 ダンブルドア の 前 を 気づか ず に 通り過ぎて しまった に 違いない 。 きよう||||いき たい|ひと|こころ||||ぜん||きづか|||とおりすぎて|||ちがいない He must have passed in front of Dumbledore unnoticed, with the desire to go by the mirror. 「 ぼ 、 僕 、 気 が つきません でした 」 「 透明に なる と 、 不思議に ずいぶん 近眼 に なる んじゃ のう 」 と ダンブルドア が 言った 。 |ぼく|き||つき ませ ん||とうめいに|||ふしぎに||きんがん||||||||いった "I didn't notice it," said Dumbledore, "when it becomes transparent, it's strangely myopia." 先生 が ほほえんで いる の を 見て ハリー は ホッと した 。 せんせい||||||みて|||ほっと| Harry was relieved to see the teacher smiling. ダンブルドア は 机 から 降りて ハリー と 一緒に 床 に 座った 。 ||つくえ||おりて|||いっしょに|とこ||すわった Dumbledore got off his desk and sat down on the floor with Harry.

「 君 だけ じゃ ない 。 きみ||| "It's not just you. 何 百 人 も 君 と 同じ ように 、『 みぞ の 鏡 』 の 虜 に なった 」 なん|ひゃく|じん||きみ||おなじ||||きよう||とりこ|| Hundreds of people, like you, became captivated by 'Mizo no Kagami'."

「 先生 、 僕 、 そういう 名 の 鏡 だ と は 知りません でした 」 「 この 鏡 が 何 を して くれる の か は もう 気 が ついた じゃ ろう 」 「 鏡 は …… 僕 の 家族 を 見せて くれました ……」 「 そして 君 の 友達 の ロン に は 、 首席 に なった 姿 を ね 」 「 どうして それ を ……」 せんせい|ぼく||な||きよう||||しり ませ ん|||きよう||なん||||||||き|||||きよう||ぼく||かぞく||みせて|くれ ました||きみ||ともだち|||||しゅせき|||すがた||||| "Teacher, I didn't know that it was a mirror of that name." "You're already wondering what this mirror does." "The mirror ... show me my family. …… ”“ And to your friend Ron, you see him as the chief. ”“ Why do you do that …… ” 「 わし は マント が なくて も 透明に なれる ので な 」 ||まんと||||とうめいに||| "Because I can be transparent without a cloak."

ダンブルドア は 穏やかに 言った 。 ||おだやかに|いった

「 それ で 、 この 『 みぞ の 鏡 』 は わし たち に 何 を 見せて くれる と 思う かね ? |||||きよう|||||なん||みせて|||おもう| "So what do you think this" Mirror of Erised "will show us? 」 ハリー は 首 を 横 に 振った 。 ||くび||よこ||ふった 'Harry shook his head. 「 じゃあ ヒント を あげよう 。 |ひんと|| "Then let me give you a hint. この世 で 一 番 幸せな 人 に は 、 この 鏡 は 普通の 鏡 に なる 。 このよ||ひと|ばん|しあわせな|じん||||きよう||ふつうの|きよう|| For the happiest person in the world, this mirror becomes an ordinary mirror. その 人 が 鏡 を 見る と 、 その まん ま の 姿 が 映る んじゃ 。 |じん||きよう||みる||||||すがた||うつる| When that person looks in the mirror, that person will be reflected. これ で 何 か わかった か ね 」 ||なん|||| Did you know what this is? "

ハリー は 考えて から ゆっくり と 答えた 。 ||かんがえて||||こたえた Harry thought, then slowly answered.

「 なに か 欲しい もの を 見せて くれる …… なんでも 自分 の 欲しい もの を ……」 ||ほしい|||みせて|||じぶん||ほしい|| "Show me something you want... whatever you want..."

「 当り で も ある し 、 はずれ で も ある 」 あたり|||||||| "It's both a hit and a miss."

ダンブルドア が 静かに いった 。 ||しずかに| Dumbledore said quietly.

「 鏡 が 見せて くれる の は 、 心 の 一 番 奥底 に ある 一 番 強い 『 のぞみ 』 じゃ 。 きよう||みせて||||こころ||ひと|ばん|おくそこ|||ひと|ばん|つよい|| "What the mirror shows us is the strongest 'wish' in the deepest depths of our hearts. それ 以上 でも それ 以下 で も ない 。 |いじょう|||いか||| More even no less . 君 は 家族 を 知ら ない から 、 家族 に 囲ま れた 自分 を 見る 。 きみ||かぞく||しら|||かぞく||かこま||じぶん||みる You don't know your family, so you see yourself surrounded by them. ロナルド ・ ウィーズリー は いつも 兄弟 の 陰 で 霞んで いる から 、 兄弟 の 誰 より も すばらしい 自分 が 一 人 で 堂々と 立って いる の が 見える 。 ||||きょうだい||かげ||かすみ ん で|||きょうだい||だれ||||じぶん||ひと|じん||どうどうと|たって||||みえる Ron Weasley is always hazy in the shadow of his brother, so he can see himself standing proudly alone, better than any of his brothers. しかし この 鏡 は 知識 や 真実 を 示して くれる もの で は ない 。 ||きよう||ちしき||しんじつ||しめして||||| But this mirror does not show knowledge or truth. 鏡 が 映す もの が 現実 の もの か 、 はたして 可能な もの な の か さえ 判断 でき ず 、 みんな 鏡 の 前 で へトヘト に なったり 、 鏡 に 映る 姿 に 魅入られて しまったり 、 発狂 したり した んじゃ よ 。 きよう||うつす|||げんじつ|||||かのうな||||||はんだん||||きよう||ぜん||へ トヘト|||きよう||うつる|すがた||みにゅうられて||はつ くる|||| I couldn't even tell if what the mirror reflected was real or even possible, and everyone got sick in front of the mirror, was fascinated by what was reflected in the mirror, and went crazy. That's right. ハリー 、 この 鏡 は 明日 よそ に 移す 。 ||きよう||あした|||うつす Harry, I'll move this mirror away tomorrow. もう この 鏡 を 探して は いけない よ 。 ||きよう||さがして||| Don't look for this mirror anymore. たとえ 再び この 鏡 に 出会う こと が あって も 、 もう 大丈夫 じゃろう 。 |ふたたび||きよう||であう||||||だいじょうぶ|じゃ ろう Even if I meet this mirror again, it's okay. 夢 に 耽ったり 、 生きる こと を 忘れて しまう の は よく ない 。 ゆめ||たん ったり|いきる|||わすれて||||| It's not good to indulge in dreams or forget to live. それ を よく 覚えて おき なさい 。 |||おぼえて|| Remember it well. さ ぁて 、 その すばらしい マント を 着て 、 ベッド に 戻って は いかが か な 」 ||||まんと||きて|べっど||もどって|||| Now, why don't you put on that wonderful cloak and go back to bed? "

ハリー は 立ち上がった 。 ||たちあがった Harry stood up.

「 あの …… ダンブルドア 先生 、 質問 して よろしい です か ? ||せんせい|しつもん|||| "Um... Professor Dumbledore, may I ask you a question? 」 「 いい と も 。 " " sure thing . 今 の も すでに 質問 だった し ね 」 いま||||しつもん||| I was already asking a question now. "

ダンブルドア は ほほえんだ 。

「 でも 、 もう ひと つ だけ 質問 を 許そう 」 |||||しつもん||ゆるそう

「 先生 なら この 鏡 で 何 が 見える んです か 」 せんせい|||きよう||なん||みえる|| "Teacher, what can you see in this mirror?"

「 わし かね ? 厚手の ウール の 靴下 を 一足 、 手 に 持って おる の が 見える 」 あつでの|うーる||くつした||ひとあし|て||もって||||みえる I can see a pair of thick wool socks in my hand. "

ハリー は 目 を パチクリ した 。 ||め||| Harry snapped his eyes.

「 靴下 は いく つ あって も いい もの じゃ 。 くつした|||||||| "You can have as many socks as you like. な のに 今年 の クリスマス に も 靴下 は 一足 も もらえ なかった 。 ||ことし||くりすます|||くつした||ひとあし||| However, I didn't get a pair of socks for Christmas this year. わし に プレゼント して くれる 人 は 本 ばっかり 贈り た がる んじゃ 」 ||ぷれぜんと|||じん||ほん||おくり||| People who give me gifts just want to give me books. "

ダンブルドア は 本当の こと を 言わ なかった の かも しれ ない 、 ハリー が そう 思った の は ベッド に 入って から だった 。 ||ほんとうの|||いわ|||||||||おもった|||べっど||はいって|| Dumbledore may not have told the truth, Harry thought so only after he got into bed. でも …… ハリー は 枕 の 上 に いた スキャバーズ を 払いのけ ながら 考えた ── きっと あれ は ちょっと 無遠慮な 質問 だった んだ …… |||まくら||うえ|||||はらいのけ||かんがえた|||||ぶえんりょな|しつもん|| But .