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1 - Harry Potter, 12.1 みぞ の 鏡 (2)

12.1 みぞ の 鏡 (2)

ハリー が それ 以上 何 か 言ったり 考えたり する 間 も 与え ず に 、 寝室 の ドア が 勢い よく 開いて 双子 の フレッド と ジョージ が 入って きた 。 ハリー は 急いで マント を 隠した 。 まだ 、 他の 人 に は 知ら れ たく なかった 。

「 メリークリスマス ! 」 「 おい 、 見ろ よ ── ハリー も ウィーズリー 家 の セーター を 持って る ぜ ! 」 フレッド と ジョージ も 青い セーター を 着て いた 。 片方 に は 黄色 の 大きな 文字 で フレッド の F が 、 もう 一つには ジョージ の G が ついて いた 。

「 でも ハリー の 方 が 上等 だな 」

ハリー の セーター を 手 に 取って フレッド が 言った 。

「 ママ は 身内 じゃ ない と ますます 力 が 入る んだ よ 」

「 ロン 、 どうして 着 ない ん だい ? 着ろ よ 。 とっても 暖かい じゃ ない か 」

と ジョージ が せ か した 。

「 僕 、 栗 色 は 嫌いな んだ 」

気乗り し ない 様子 で セーター を 頭から かぶり ながら ロン が うめく ように 言った 。

「 イニシャル が ついて ない な 」

ジョージ が 気づいた 。

「 ママ は お前 なら 自分 の 名前 を 忘れ ない と 思った んだろう 。 でも 僕たち だって バカ じゃない さ ── 自分 の 名前 ぐらい 覚えて いる よ 。 グレッド と フォージ さ 」

「 この 騒ぎ は なんだい ? 」 パーシー ・ ウィーズリー が たしなめる ような 顔 で ドア から のぞいた 。 プレゼント を 開ける 途中 だった らしく 、 腕 に は もっこり した セーター を 抱えて いた 。 ブレッド が 目ざとく 気づいた 。

「 監督 生 の P ! パーシー 、 着ろ よ 。 僕たち も 着て る し 、 ハリー の も ある んだ 」

「 ぼく …… いやだ …… 着 たく ない 」

パーシー の メガネ が ズレ る の も かまわ ず 、 双子 が むりやり 頭から セーター を かぶせた ので 、 パーシー は セーター の 中 で モゴモゴ 言った 。

「 いい かい 、 君 は いつも 監督 生 たち と 一緒の テーブル に つく んだろう けど 、 今日 だけ は ダメだ ぞ 。 だって クリスマス は 家族 が 一緒に なって 祝う もの だ ろ 」 ジョージ が 言った 。

双子 は パーシー の 腕 を セーター で 押さえつける ように して 、 ジタバタ する パーシー を 一緒に 連れて いった 。

こんな すばらしい クリスマス の ご馳走 は 、 ハリー に とって 始めて だった 。 丸々 太った 七面鳥 の ロースト 百 羽 、 山盛り の ローストポテト と ゆで ポテト 、 大 皿 に 盛った 太い チボラータ ・ ソーセージ 、 深 皿 いっぱい の バター 煮 の 豆 、 銀 の 器 に 入った コッテリ と した 肉 汁 と クランベリーソース 。 テーブル の あちこち に 魔法 の クラッカー が 山 の ように 置いて あった 。 ダーズリー 家 で は プラスチック の おもちゃ や 薄い ペラペラ の 紙 帽子 が 入って いる クラッカー を 買って きた が 、 そんな ちゃ ち な マグル の クラッカー と は もの が 違う 。 ハリー は フレッド と 一緒に クラッカー の ひも を 引っぱった 。 パーン と 破裂 する どころ で は ない 。 大砲 の ような 音 を たてて 爆発 し 、 青い 煙 が モクモク と 周り 中 に 立ち込め 、 中 から 海軍 少将 の 帽子 と 生きた 二十 日 ねずみ が 数 匹 飛び出した 。 上座 の テーブル で は ダンブルドア 先生 が 自分 の 三角 帽子 と 花 飾り の ついた 婦人 用 の 帽子 と を 交換 して かぶり 、 クラッカー に 入って いた ジョーク の 紙 を フリットウィック 先生 が 読み上げる の を 聞いて 、 愉快 そうに クスクス 笑って いた 。

七面鳥 の 次 は ブランデー で フランベ した プディング が 出て きた 。 パーシー の 取った 一 切れ に シックル 銀貨 が 入って いた ので 、 あやうく 歯 が 折れる ところ だった 。 ハグリッド は ハリー が 見て いる 間 に 何 杯 も ワイン を おかわり して 、 みるみる 赤く なり 、 しまい に は マクゴナガル 先生 の 頬 に キス を した 。 マクゴナガル 先生 は 、 三角 帽子 が 横っちょ に ずれる の も かまわ ず 、 頬 を 赤らめて クスクス 笑った ので 、 ハリー は 驚いた 。 ハリー が 食事 の テーブル を 離れた 時 に は 、 クラッカー から 出て きた おまけ を たくさん 抱えて いた 。 破裂 し ない 光る 風船 、 自分 で できる いぼ つくり の キット 、 新品 の チェスセット など だった 。 二十 日 ねずみ は どこ か へ 消えて しまった が 、 結局 ミセス ・ ノリス の クリスマス の ご馳走 に なる んじゃ ない か と 、 ハリー に は 嫌な 予感 が した 。

昼 過ぎ 、 ハリー は ウィーズリー 四 兄弟 と 猛烈な 雪合戦 を 楽しんだ 。 その後 は ビッショリ 濡れて 寒くて 、 ゼイゼイ 息 を はずま せ ながら グリフィンドール の 談話 室 に 戻り 、 暖炉 の 前 に 座った 。

新しい チェスセット を 使った デビュー 戦 で 、 ハリー は もの の 見事に ロン に 負けた 。 パーシー が おせっかい を し なかったら 、 こんなに も 大 負け は し なかった のに と ハリー は 思った 。

夕食 は 七面鳥 の サンドイッチ 、 マフィン 、 トライフル 、 クリスマス ケーキ を 食べ 、 みんな 満腹 で 眠く なり 、 それ から ベッド に 入る まで 何 を する 気 に も なら ず 、 フレッド と ジョージ に 監督 生 バッジ を 取ら れた パーシー が 、 二 人 を 追いかけて グリフィンドール 中 を 走り回って いる の を 眺めて いた だけ だった 。

ハリー に とって は 今 まで で 最高の クリスマス だった 。 それなのに 何 か 一 日 中 、 心 の 中 に 引っかかる もの が あった 。 ベッド に もぐり込んで やっと それ が 何 だった の か に 気づいた ── 透明 マント と その 贈り 主 の こと だ 。

ロン は 七面鳥 と ケーキ で 満腹 に なり 、 悩む ような 不可解な こと も ない ので 、 天 蓋 つき ベッド の カーテン を 引く と たちまち 眠って しまった 。 ハリー は ベッド の 端に より 、 下 から 透明 マント を 取り出した 。

お 父さん の もの …… これ は お 父さん の もの だった んだ 。 手 に 持つ と 、 布 は サラサラ と 絹 より も 滑らかに 、 空気 より も 軽やかに 流れた 。 「 上手に 使い なさい 」 そう 書いて あったっけ 。 今 、 試して み なければ 。 ハリー は ベッド から 抜け出し 、 マント を 体 に 巻きつけた 。 足元 を 見る と 月 の 光 と 影 だけ だ 。 とても 奇妙な 感じ だった 。

── 上手に 使い なさい ──

ハリー は 急に 眠気 が 吹っ飛んだ 。 この マント を 着て いれば ホグワーツ 中 を 自由に 歩ける 。 シ - ン と した 闇 の 中 に 立つ と 、 興奮 が 体中 に 湧き上がって きた 。 これ を 着れば どこ でも 、 どんな ところ でも 、 フィルチ に も 知ら れ ず に 行く こと が できる 。

ロン が ブツブツ 寝言 を 言って いる 。 起こした 方 が いい かな ? いや 、 何 か が ハリー を 引き止めた ── お 父さん の マント だ …… ハリー は 今 それ を 感じた ── 初めて 使う んだ …… 僕 一 人 で マント を 使いたい 。 寮 を 抜け出し 、 階段 を 降り 、 談話 室 を 横切り 、 肖像 画 の 裏 の 穴 を のぼった 。

「 そこ に いる の は 誰 な の ? 」 太った 婦人 が 素っ頓狂な 声 を 上げた 。 ハリー は 答え ず に 、 急いで 廊下 を 歩いた 。

どこ に 行こう ? ハリー は 立ち止まり 、 ドキドキ し ながら 考えた 。 そうだ 。 図書 館 の 閲覧 禁止 の 棚 に 行こう 。 好きな だけ 、 フラメル が 誰 か わかる まで 調べられる 。 透明 マント を ピッチリ と 体 に 巻きつけ ながら 、 ハリー は 図書 館 に 向かって 歩いた 。

図書 館 は 真っ暗で 気味 が 悪かった 。 ランプ を かざして 書棚 の 間 を 歩く と 、 ランプ は 宙 に 浮いて いる ように 見えた 。 自分 の 手 で ランプ を 持って いる の は わかって いて も 、 ゾッと する ような 光景 だった 。

閲覧 禁止 の 棚 は 奥 の 方 に あった 。 ロープ で 他の 棚 と 仕切られて いる 。 ハリー は 慎重に ロープ を またぎ 、 ランプ を 高く かかげて 書名 を 見た 。

書名 を 見て も よく わから なかった 。 背 表紙 の 金 文字 が はがれたり 色あせたり 、 ハリー に は わから ない 外国 語 で 書いて あったり した 。 書名 の ない もの も あった 。 血 の ような 不気味な 黒い しみ の ついた 本 が 一 冊 あった 。 ハリー は 首筋 が ゾクゾク した 。 気のせい な の か ── いや 、 そう で は ない かも しれ ない ── 本 の 間 から ヒソヒソ 声 が 聞こえる ような 気 が した 。 まるで 、 そこ に いて は いけない 人間 が 入り込んで いる の を 知っている か の ようだった 。

とにかく どこ から か 手 を つけ なければ 。 ランプ を ソーッ と 床 に 置いて 、 ハリー は 一 番 下 の 段 から 見かけ の おもしろ そうな 本 を 探し はじめた 。 黒 と 銀色 の 大きな 本 が 目 に 入った 。 重くて 引き出す の も 大変だった が 、 やっと 取り出して 膝 の 上 に 乗せ バランス を 取り ながら 本 を 開いた 。

突然 血 も 凍る ような 鋭い 悲鳴 が 沈黙 を 切りさいた ── 本 が 叫び声 を 上げた ! ハリー は 本 を ピシャリ と 閉じた が 、 耳 を つんざく ような 叫び は 途切れ ず に 続いた 。 ハリー は 後ろ に よろけ 、 その 拍子 に ランプ を ひっくり返して しまい 、 灯 が フッと 消えた 。 気 は 動転 して いた が 、 ハリー は 廊下 を こちら に 向かって やってくる 足音 を 聞いた ── 叫ぶ 本 を 棚 に 戻し 、 ハリー は 逃げた 。 出口 付近 で フィルチ と すれ違った 。 血走った 薄い 色 の 目 が ハリー の 体 を 突き抜けて その先 を 見て いた 。 ハリー は フィルチ の 伸ばした 脇 の 下 を すり抜けて 廊下 を 疾走 した 。 本 の 悲鳴 が まだ 耳 を 離れ なかった 。

ふと 目の前 に 背 の 高い 鎧 が 現れ 、 ハリー は 急 停止 した 。 逃げる の に 必死で 、 どこ に 逃げる か は 考える 間 も なかった 。 暗い せい だろう か 、 今 いったい どこ に いる の か わから ない 。 確か 、 キッチン の そば に 鎧 が あったっけ 。 でも そこ より 五 階 ぐらい は 上 の 方 に いる に 違いない 。

「 先生 、 誰 か が 夜中 に 歩き回って いたら 、 直接 先生 に お 知らせ する んでした よ ねぇ 。 誰 か が 図書 館 に 、 しかも 閲覧 禁止 の 所 に いました 」 ハリー は 血の気 が 引く の を 感じた 。 ここ が どこ か は わから ない が 、 フィルチ は 近道 を 知っている に ちがいない 。 フィルチ の ねっとり した 猫なで声 が だんだん 近づいて くる 。 しかも 恐ろしい こと に 、 返事 を した の は スネイプ だった 。

「 閲覧 禁止 の 棚 ? それ なら まだ 遠く まで いく まい 。 捕まえられる 」 フィルチ と スネイプ が 前方 の 角 を 曲がって こちら に やって 来る 。 ハリー は その 場 に 釘づけ に なった 。 もちろん ハリー の 姿 は 見え ない はずだ が 、 狭い 廊下 だ し 、 もっと 近づいて くれば ハリー に まともに ぶつかって しまう ── マント は ハリー の 体 そのもの を 消して は くれ ない 。

ハリー は できる だけ 静かに 後ずさり した 。 左手 の ドア が 少し 開いて いた 。 最後 の 望み の 綱 だ 。 息 を 殺し 、 ドア を 動かさ ない ように して 、 ハリー は すき 問 から ソォーッ と 滑り込んだ 。 よかった 。 二 人 に 気づか れ ず に 部屋 の 中 に 入る こと が できた 。 二 人 は ハリー の 真 ん 前 を 通り過ぎて いった 。 壁 に 寄りかかり 、 足音 が 遠のいて 行く の を 聞き ながら 、 ハリー は フーッ と 深い ため息 を ついた 。 危なかった 。 危機一髪 だった 。 数 秒 後 、 ハリー は やっと 自分 が 今 隠れて いる 部屋 が 見えて きた 。

昔 使われて いた 教室 の ような 部屋 だった 。 机 と 椅子 が 黒い 影 の ように 壁 際 に 積み上げられ 、 ゴミ 箱 も 逆さ に して 置いて ある ── ところが 、 ハリー の 寄りかかって いる 壁 の 反対 側 の 壁 に 、 なんだか この 部屋 に そぐわない もの が 立てかけて あった 。 通り の じゃまに なる から と 、 誰 か が そこ に 寄せて 置いた みたい だった 。

天井 まで 届く ような 背 の 高い 見事な 鏡 だ 。 金 の 装飾 豊かな 枠 に は 、 二 本 の 鈎爪 状 の 脚 が ついて いる 。 枠 の 上 の 方 に 字 が 彫って ある 。

「 す つう を みぞ の のろ ここ の た なあ く な は で おか の た なあ は した わ 」

フィルチ や スネイプ の 足音 も 聞こえ なく なり 、 ハリー は 落ち着き を 取り戻しっつ あった 。 鏡 に 近寄って 透明に なった ところ を もう 一 度 見 たくて 、 真 ん 前 に 立って みた 。

ハリー は 思わず 叫び声 を 上げ そうに なり 、 両手 で 口 を ふさいだ 。 急いで 振り返って 、 あたり を 見回した 。 本 が 叫んだ 時 より も ずっと 激しく 動惇 が した ── 鏡 に 映った の は 自分 だけ で は ない 。 ハリー の すぐ 後ろ に たくさんの 人 が 映って いた のだ 。

しかし 、 部屋 に は 誰 も いない 。 あえぎ ながら 、 もう 一 度 ソーッ と 鏡 を 振り返って 見た 。

ハリー が 青白い おびえた 顔 で 映って いる 。 その 後ろ に 少なくとも 十 人 くらい の 人 が いる 。 肩 越し に もう 一 度 後ろ を 振り返って 見た ── 誰 も いない 。 それとも みんな も 透明な のだろう か ? この 部屋 に は 透明 の 人 が たくさん いて 、 この 鏡 は 透明 でも 映る 仕掛け なんだろう か ?

もう 一 度 鏡 を のぞき込んで みた 。 ハリー の すぐ 後ろ に 立って いる 女性 が 、 ハリー に ほほえみ かけ 、 手 を 振って いる 。 後ろ に 手 を 伸ばして みて も 、 空 を つかむ ばかりだった 。 もし 本当に 女 の 人 が そこ に いる の なら 、 こんなに そば に いる のだ から 触れる こと が できる はずな のに 、 何の 手応え も なかった ── 女 の 人 も 他の 人 たち も 、 鏡 の 中 に しか い なかった 。

とても きれいな 女性 だった 。 深み が かった 赤い 髪 で 、 目 は …… 僕 の 目 と そっくりだ 。 ハリー は 鏡 に もっと 近づいて みた 。 明るい グリーン の 目 だ ── 形 も 僕 に そっくりだ 。 ハリー は その 女 の 人 が 泣いて いる の に 気づいた 。 ほほえみ ながら 、 泣いて いる 。 やせて 背 の 高い 黒 髪 の 男性 が そば に いて 、 腕 を 回して 女性 の 肩 を 抱いて いる 。 男 の 人 は メガネ を かけて いて 、 髪 が クシャクシャ だ 。 後ろ の 毛 が 立って いる 。 ハリー と 同じだ 。

鏡 に 近づき 過ぎて 、 鼻 が 鏡 の 中 の ハリー の 鼻 と くっつき そうに なった 。

「 ママ ? 」 ハリー は ささやいた 。 「 パパ ? 」 二 人 は ほほえみ ながら ハリー を 見つめる ばかりだった 。 ハリー は 鏡 の 中 の ほか の 人々 の 顔 を ジッと 眺めた 。 自分 と 同じ ような グリーン の 目 の 人 、 そっくりな 鼻 の 人 。 小柄な 老人 は ハリー と 同じに 膝小僧 が 飛び出して いる みたいだ ── 生まれて 初めて 、 ハリー は 自分 の 家族 を 見て いた 。

ポッター 家 の 人々 は ハリー に 笑い かけ 、 手 を 振った 。 ハリー は 貪る ように みんな を 見つめ 、 両手 を ぴったり と 鏡 に 押し当てた 。 鏡 の 中 に 入り込み 、 みんな に 触れたい と でも いう ように 。 ハリー の 胸 に 、 喜び と 深い 悲し み が 入り 混じった 強い 痛 み が 走った 。

どの くらい そこ に いた の か 、 自分 に も わから なかった 。 鏡 の 中 の 姿 は いつまでも 消え ず 、 ハリー は 何度 も 何度 も のぞき込んだ 。 遠く の 方 から 物音 が 聞こえ 、 ハリー は ふと 我 に 返った 。 いつまでも ここ に は いられ ない 。 なんとか ベッド に 戻ら ない と 。 ハリー は 鏡 の 中 の 母親 から 思いきって 目 を 離し 、「 また 来る から ね 」 と つぶやいた 。 そして 急いで 部屋 を 出た 。

12.1 みぞ の 鏡 (2) ||きよう 12.1 Spiegelung der Dachrinne (2) 12.1 Mirror of Erised (2) 12.1 Espejo del canalón (2) 12.1 Miroir de la gouttière (2) 12.1 Espelho da caleira (2) 12.1 Зеркало водостока (2) 12.1 Rännans spegel (2) 12.1 槽镜 (2)

ハリー が それ 以上 何 か 言ったり 考えたり する 間 も 与え ず に 、 寝室 の ドア が 勢い よく 開いて 双子 の フレッド と ジョージ が 入って きた 。 |||いじょう|なん||いったり|かんがえたり||あいだ||あたえ|||しんしつ||どあ||いきおい||あいて|ふたご||||じょーじ||はいって| Without giving Harry any more words or thoughts, the bedroom door rushed open and the twins Fred and George came in. ハリー は 急いで マント を 隠した 。 ||いそいで|まんと||かくした まだ 、 他の 人 に は 知ら れ たく なかった 。 |たの|じん|||しら||| I still didn't want to be known to others.

「 メリークリスマス ! 」 「 おい 、 見ろ よ ── ハリー も ウィーズリー 家 の セーター を 持って る ぜ ! |みろ|||||いえ||せーたー||もって|| "Hey, look ── Harry also has a Weasley sweater! 」 フレッド と ジョージ も 青い セーター を 着て いた 。 ||じょーじ||あおい|せーたー||きて| 片方 に は 黄色 の 大きな 文字 で フレッド の F が 、 もう 一つには ジョージ の G が ついて いた 。 かたほう|||きいろ||おおきな|もじ||||f|||ひとつには|じょーじ||g||| One had the F for Fred in big yellow letters, the other had the G for George.

「 でも ハリー の 方 が 上等 だな 」 |||かた||じょうとう|だ な "But Harry's better."

ハリー の セーター を 手 に 取って フレッド が 言った 。 ||せーたー||て||とって|||いった Fred said, picking up Harry's sweater.

「 ママ は 身内 じゃ ない と ますます 力 が 入る んだ よ 」 まま||みうち|||||ちから||はいる|| "Mom gets more and more powerful if she's not a relative."

「 ロン 、 どうして 着 ない ん だい ? ||ちゃく||| "Ron, why aren't you wearing it? 着ろ よ 。 きろ| Put it on. とっても 暖かい じゃ ない か 」 |あたたかい||| Isn't it very warm? "

と ジョージ が せ か した 。 |じょーじ|||| George blamed.

「 僕 、 栗 色 は 嫌いな んだ 」 ぼく|くり|いろ||きらいな| "I don't like chestnut."

気乗り し ない 様子 で セーター を 頭から かぶり ながら ロン が うめく ように 言った 。 きのり|||ようす||せーたー||あたまから|||||||いった Ron moaned, wearing a sweater over his head, as if he was reluctant.

「 イニシャル が ついて ない な 」 "I don't have the initials."

ジョージ が 気づいた 。 じょーじ||きづいた George noticed.

「 ママ は お前 なら 自分 の 名前 を 忘れ ない と 思った んだろう 。 まま||おまえ||じぶん||なまえ||わすれ|||おもった| "Mom would have thought you wouldn't forget your name. でも 僕たち だって バカ じゃない さ ── 自分 の 名前 ぐらい 覚えて いる よ 。 |ぼくたち||ばか|じゃ ない||じぶん||なまえ||おぼえて|| But we're not stupid either--we remember at least our own names. グレッド と フォージ さ 」 Greed and Forge "

「 この 騒ぎ は なんだい ? |さわぎ|| "What's all this fuss about? 」 パーシー ・ ウィーズリー が たしなめる ような 顔 で ドア から のぞいた 。 |||||かお||どあ|| ' Percy Weasley peered through the door with a reproachful look on his face. プレゼント を 開ける 途中 だった らしく 、 腕 に は もっこり した セーター を 抱えて いた 。 ぷれぜんと||あける|とちゅう|||うで|||もっこ り||せーたー||かかえて| He seemed to be in the middle of opening the present, and he was holding a thick sweater on his arm. ブレッド が 目ざとく 気づいた 。 ||めざとく|きづいた Bread noticed it.

「 監督 生 の P ! かんとく|せい||p "Director's P! パーシー 、 着ろ よ 。 |きろ| 僕たち も 着て る し 、 ハリー の も ある んだ 」 ぼくたち||きて||||||| We wear them too, and Harry's too."

「 ぼく …… いやだ …… 着 たく ない 」 ||ちゃく|| "I...no...I don't want to wear it."

パーシー の メガネ が ズレ る の も かまわ ず 、 双子 が むりやり 頭から セーター を かぶせた ので 、 パーシー は セーター の 中 で モゴモゴ 言った 。 ||めがね||ずれ||||||ふたご|||あたまから|せーたー||||||せーたー||なか|||いった It didn't matter if Percy's glasses were misaligned, but the twins were forced to put a sweater on their heads, so Percy said mogomogo in the sweater.

「 いい かい 、 君 は いつも 監督 生 たち と 一緒の テーブル に つく んだろう けど 、 今日 だけ は ダメだ ぞ 。 ||きみ|||かんとく|せい|||いっしょの|てーぶる|||||きょう|||だめだ| "Look, you always sit at the table with the prefects, but not today. だって クリスマス は 家族 が 一緒に なって 祝う もの だ ろ 」 ジョージ が 言った 。 |くりすます||かぞく||いっしょに||いわう||||じょーじ||いった After all, Christmas is about celebrating with the family together," said George.

双子 は パーシー の 腕 を セーター で 押さえつける ように して 、 ジタバタ する パーシー を 一緒に 連れて いった 。 ふたご||||うで||せーたー||おさえつける|||じたばた||||いっしょに|つれて| The twins grabbed Percy's arms with their sweaters and took the fluttering Percy with them.

こんな すばらしい クリスマス の ご馳走 は 、 ハリー に とって 始めて だった 。 ||くりすます||ごちそう|||||はじめて| It was Harry's first time having such a wonderful Christmas treat. 丸々 太った 七面鳥 の ロースト 百 羽 、 山盛り の ローストポテト と ゆで ポテト 、 大 皿 に 盛った 太い チボラータ ・ ソーセージ 、 深 皿 いっぱい の バター 煮 の 豆 、 銀 の 器 に 入った コッテリ と した 肉 汁 と クランベリーソース 。 まるまる|ふとった|しちめんちょう|||ひゃく|はね|やまもり|||||ぽてと|だい|さら||もった|ふとい||そーせーじ|ふか|さら|||ばたー|に||まめ|ぎん||うつわ||はいった||||にく|しる|| A hundred plump roasted turkeys, a heap of roasted and boiled potatoes, a platter of fat cibolata sausages, a deep plate of buttered beans, a silver bowl of thick gravy and cranberry sauce. テーブル の あちこち に 魔法 の クラッカー が 山 の ように 置いて あった 。 てーぶる||||まほう||くらっかー||やま|||おいて| There were mountains of magic crackers all over the table. ダーズリー 家 で は プラスチック の おもちゃ や 薄い ペラペラ の 紙 帽子 が 入って いる クラッカー を 買って きた が 、 そんな ちゃ ち な マグル の クラッカー と は もの が 違う 。 |いえ|||ぷらすちっく||||うすい|||かみ|ぼうし||はいって||くらっかー||かって|||||||||くらっかー|||||ちがう The Dursleys used to buy crackers filled with plastic toys and flimsy paper hats, but they're nothing like those little Muggle crackers. ハリー は フレッド と 一緒に クラッカー の ひも を 引っぱった 。 ||||いっしょに|くらっかー||||ひっぱった Harry pulled on the string of crackers with Fred. パーン と 破裂 する どころ で は ない 。 ||はれつ||||| It's not about to explode with Phan. 大砲 の ような 音 を たてて 爆発 し 、 青い 煙 が モクモク と 周り 中 に 立ち込め 、 中 から 海軍 少将 の 帽子 と 生きた 二十 日 ねずみ が 数 匹 飛び出した 。 たいほう|||おと|||ばくはつ||あおい|けむり||||まわり|なか||たちこめ|なか||かいぐん|しょうしょう||ぼうし||いきた|にじゅう|ひ|||すう|ひき|とびだした It exploded with a cannon-like sound, billowing blue smoke all around, and a rear admiral's cap and several live mice jumped out. 上座 の テーブル で は ダンブルドア 先生 が 自分 の 三角 帽子 と 花 飾り の ついた 婦人 用 の 帽子 と を 交換 して かぶり 、 クラッカー に 入って いた ジョーク の 紙 を フリットウィック 先生 が 読み上げる の を 聞いて 、 愉快 そうに クスクス 笑って いた 。 かみざ||てーぶる||||せんせい||じぶん||さんかく|ぼうし||か|かざり|||ふじん|よう||ぼうし|||こうかん|||くらっかー||はいって||じょーく||かみ|||せんせい||よみあげる|||きいて|ゆかい|そう に|くすくす|わらって| At the head table, Professor Dumbledore swapped his tricorned hat for a garlanded lady's hat, and was amused to hear Professor Flitwick read out a joke from a cracker. I was chuckling at it.

七面鳥 の 次 は ブランデー で フランベ した プディング が 出て きた 。 しちめんちょう||つぎ||||||||でて| After the turkey, a brandy flambéed pudding came out. パーシー の 取った 一 切れ に シックル 銀貨 が 入って いた ので 、 あやうく 歯 が 折れる ところ だった 。 ||とった|ひと|きれ|||ぎんか||はいって||||は||おれる|| A piece of Percy had a sickle silver coin in it, so I was about to break my teeth. ハグリッド は ハリー が 見て いる 間 に 何 杯 も ワイン を おかわり して 、 みるみる 赤く なり 、 しまい に は マクゴナガル 先生 の 頬 に キス を した 。 ||||みて||あいだ||なん|さかずき||わいん|||||あかく||||||せんせい||ほお||きす|| Hagrid had several more glasses of wine while Harry was watching, turned red, and ended up kissing Professor McGonagall on the cheek. マクゴナガル 先生 は 、 三角 帽子 が 横っちょ に ずれる の も かまわ ず 、 頬 を 赤らめて クスクス 笑った ので 、 ハリー は 驚いた 。 |せんせい||さんかく|ぼうし||よこ っ ちょ|||||||ほお||あからめて|くすくす|わらった||||おどろいた To Harry's surprise, Professor McGonagall blushed and chuckled, even though his tricorn hat had shifted sideways. ハリー が 食事 の テーブル を 離れた 時 に は 、 クラッカー から 出て きた おまけ を たくさん 抱えて いた 。 ||しょくじ||てーぶる||はなれた|じ|||くらっかー||でて|||||かかえて| When Harry left the dining table, he had a lot of extras coming out of the crackers. 破裂 し ない 光る 風船 、 自分 で できる いぼ つくり の キット 、 新品 の チェスセット など だった 。 はれつ|||ひかる|ふうせん|じぶん|||||||しんぴん|||| There were glowing balloons that wouldn't burst, a do-it-yourself wart-making kit, and a brand new chess set. 二十 日 ねずみ は どこ か へ 消えて しまった が 、 結局 ミセス ・ ノリス の クリスマス の ご馳走 に なる んじゃ ない か と 、 ハリー に は 嫌な 予感 が した 。 にじゅう|ひ||||||きえて|||けっきょく||||くりすます||ごちそう||||||||||いやな|よかん|| Twenty days The mouse disappeared somewhere, but Harry had an unpleasant premonition that it would eventually be Mrs. Norris's Christmas treat.

昼 過ぎ 、 ハリー は ウィーズリー 四 兄弟 と 猛烈な 雪合戦 を 楽しんだ 。 ひる|すぎ||||よっ|きょうだい||もうれつな|ゆきがっせん||たのしんだ After noon, Harry enjoyed a fierce snowball fight with the Weasley four brothers. その後 は ビッショリ 濡れて 寒くて 、 ゼイゼイ 息 を はずま せ ながら グリフィンドール の 談話 室 に 戻り 、 暖炉 の 前 に 座った 。 そのご||びっしょり|ぬれて|さむくて||いき|||||||だんわ|しつ||もどり|だんろ||ぜん||すわった After that, soaking wet and cold, wheezing, I returned to the Gryffindor common room and sat down in front of the fireplace.

新しい チェスセット を 使った デビュー 戦 で 、 ハリー は もの の 見事に ロン に 負けた 。 あたらしい|||つかった|でびゅー|いくさ||||||みごとに|||まけた Harry was brilliantly defeated by Ron in his debut match with the new chess set. パーシー が おせっかい を し なかったら 、 こんなに も 大 負け は し なかった のに と ハリー は 思った 。 ||||||||だい|まけ||||||||おもった Harry thought he wouldn't have lost so much if Percy hadn't been noisy.

夕食 は 七面鳥 の サンドイッチ 、 マフィン 、 トライフル 、 クリスマス ケーキ を 食べ 、 みんな 満腹 で 眠く なり 、 それ から ベッド に 入る まで 何 を する 気 に も なら ず 、 フレッド と ジョージ に 監督 生 バッジ を 取ら れた パーシー が 、 二 人 を 追いかけて グリフィンドール 中 を 走り回って いる の を 眺めて いた だけ だった 。 ゆうしょく||しちめんちょう||さんどいっち||とらい ふる|くりすます|けーき||たべ||まんぷく||ねむく||||べっど||はいる||なん|||き|||||||じょーじ||かんとく|せい|ばっじ||とら||||ふた|じん||おいかけて||なか||はしりまわって||||ながめて||| For dinner, we ate turkey sandwiches, muffins, trifles, and Christmas cakes, everyone became full and sleepy, and then didn't mind what they did until they went to bed, and Fred and George took the director's badge to Percy. I was just watching them run around in Gryffindor, chasing them.

ハリー に とって は 今 まで で 最高の クリスマス だった 。 ||||いま|||さいこうの|くりすます| It was Harry's best Christmas ever. それなのに 何 か 一 日 中 、 心 の 中 に 引っかかる もの が あった 。 |なん||ひと|ひ|なか|こころ||なか||ひっかかる||| And yet, there was something in my heart all day long. ベッド に もぐり込んで やっと それ が 何 だった の か に 気づいた ── 透明 マント と その 贈り 主 の こと だ 。 べっど||もぐりこんで||||なん|||||きづいた|とうめい|まんと|||おくり|おも||| I sneaked into the bed and finally realized what it was ── the transparent cloak and its giver.

ロン は 七面鳥 と ケーキ で 満腹 に なり 、 悩む ような 不可解な こと も ない ので 、 天 蓋 つき ベッド の カーテン を 引く と たちまち 眠って しまった 。 ||しちめんちょう||けーき||まんぷく|||なやむ||ふかかいな|||||てん|ふた||べっど||かーてん||ひく|||ねむって| Ron was full with turkey and cake, and there was nothing mysterious to worry about, so he fell asleep as soon as he pulled the curtain on the canopy bed. ハリー は ベッド の 端に より 、 下 から 透明 マント を 取り出した 。 ||べっど||はしたに||した||とうめい|まんと||とりだした Harry pulled out the transparent cloak from below, by the edge of the bed.

お 父さん の もの …… これ は お 父さん の もの だった んだ 。 |とうさん||||||とうさん|||| It belonged to my father. ...... It belonged to my father. 手 に 持つ と 、 布 は サラサラ と 絹 より も 滑らかに 、 空気 より も 軽やかに 流れた 。 て||もつ||ぬの||さらさら||きぬ|||なめらかに|くうき|||かろやかに|ながれた When held in the hand, the cloth flowed smoother than silk and silk, and lighter than air. 「 上手に 使い なさい 」 そう 書いて あったっけ 。 じょうずに|つかい|||かいて|あった っけ "Use it well." Was it written that way? 今 、 試して み なければ 。 いま|ためして|| I have to try it now. ハリー は ベッド から 抜け出し 、 マント を 体 に 巻きつけた 。 ||べっど||ぬけだし|まんと||からだ||まきつけた Harry got out of bed and wrapped his cloak around his body. 足元 を 見る と 月 の 光 と 影 だけ だ 。 あしもと||みる||つき||ひかり||かげ|| When I look down at my feet, all I can see is the light and shadow of the moon. とても 奇妙な 感じ だった 。 |きみょうな|かんじ| It felt very strange.

── 上手に 使い なさい ── じょうずに|つかい|

ハリー は 急に 眠気 が 吹っ飛んだ 。 ||きゅうに|ねむけ||ふっとんだ Harry suddenly became drowsy. この マント を 着て いれば ホグワーツ 中 を 自由に 歩ける 。 |まんと||きて|||なか||じゆうに|あるける This cloak allows you to walk freely around Hogwarts. シ - ン と した 闇 の 中 に 立つ と 、 興奮 が 体中 に 湧き上がって きた 。 ||||やみ||なか||たつ||こうふん||たいちゅう||わきあがって| Standing in the dark scene, excitement welled up in my body. これ を 着れば どこ でも 、 どんな ところ でも 、 フィルチ に も 知ら れ ず に 行く こと が できる 。 ||きれば|||||||||しら||||いく||| With this, you can go anywhere, anywhere, without Filch knowing.

ロン が ブツブツ 寝言 を 言って いる 。 ||ぶつぶつ|ねごと||いって| Ron is mumbling in his sleep. 起こした 方 が いい かな ? おこした|かた||| Should I wake you up? いや 、 何 か が ハリー を 引き止めた ── お 父さん の マント だ …… ハリー は 今 それ を 感じた ── 初めて 使う んだ …… 僕 一 人 で マント を 使いたい 。 |なん|||||ひきとめた||とうさん||まんと||||いま|||かんじた|はじめて|つかう||ぼく|ひと|じん||まんと||つかい たい No, something stopped Harry ── Dad's cloak …… Harry felt it now ── I'm using it for the first time …… I want to use the cloak alone. 寮 を 抜け出し 、 階段 を 降り 、 談話 室 を 横切り 、 肖像 画 の 裏 の 穴 を のぼった 。 りょう||ぬけだし|かいだん||ふり|だんわ|しつ||よこぎり|しょうぞう|が||うら||あな|| I slipped out of the dormitory, down the stairs, across the common room, and up the hole behind the portrait.

「 そこ に いる の は 誰 な の ? |||||だれ|| "Who is there? 」 太った 婦人 が 素っ頓狂な 声 を 上げた 。 ふとった|ふじん||すっとんきょうな|こえ||あげた The fat lady made a crazy voice. ハリー は 答え ず に 、 急いで 廊下 を 歩いた 。 ||こたえ|||いそいで|ろうか||あるいた

どこ に 行こう ? ||いこう Where shall we go? ハリー は 立ち止まり 、 ドキドキ し ながら 考えた 。 ||たちどまり|どきどき|||かんがえた Harry paused and thought with a pounding heart. そうだ 。 そう だ That's it . 図書 館 の 閲覧 禁止 の 棚 に 行こう 。 としょ|かん||えつらん|きんし||たな||いこう Let's go to the shelves that are prohibited from browsing the library. 好きな だけ 、 フラメル が 誰 か わかる まで 調べられる 。 すきな||||だれ||||しらべ られる You can search as much as you like until you know who the flamel is. 透明 マント を ピッチリ と 体 に 巻きつけ ながら 、 ハリー は 図書 館 に 向かって 歩いた 。 とうめい|まんと||||からだ||まきつけ||||としょ|かん||むかって|あるいた Harry walked towards the library, wrapping his transparent cloak around his body.

図書 館 は 真っ暗で 気味 が 悪かった 。 としょ|かん||まっくらで|きみ||わるかった The library was pitch black and creepy. ランプ を かざして 書棚 の 間 を 歩く と 、 ランプ は 宙 に 浮いて いる ように 見えた 。 らんぷ|||しょだな||あいだ||あるく||らんぷ||ちゅう||ういて|||みえた When I held the lamp over and walked between the bookshelves, the lamp appeared to be floating in the air. 自分 の 手 で ランプ を 持って いる の は わかって いて も 、 ゾッと する ような 光景 だった 。 じぶん||て||らんぷ||もって|||||||ぞっと|||こうけい| Even though I knew I had the lamp in my hand, it was a horrifying sight.

閲覧 禁止 の 棚 は 奥 の 方 に あった 。 えつらん|きんし||たな||おく||かた|| The banned shelves were in the back. ロープ で 他の 棚 と 仕切られて いる 。 ろーぷ||たの|たな||しきら れて| It is separated from other shelves by a rope. ハリー は 慎重に ロープ を またぎ 、 ランプ を 高く かかげて 書名 を 見た 。 ||しんちょうに|ろーぷ|||らんぷ||たかく||しょめい||みた Harry carefully straddled the rope and held the lamp high to see the title.

書名 を 見て も よく わから なかった 。 しょめい||みて|||| I didn't understand even if I looked at the title. 背 表紙 の 金 文字 が はがれたり 色あせたり 、 ハリー に は わから ない 外国 語 で 書いて あったり した 。 せ|ひょうし||きむ|もじ|||いろあせたり||||||がいこく|ご||かいて|| The gold letters on the spine were peeled off or faded, and were written in a foreign language that Harry didn't understand. 書名 の ない もの も あった 。 しょめい||||| Some books were untitled. 血 の ような 不気味な 黒い しみ の ついた 本 が 一 冊 あった 。 ち|||ぶきみな|くろい||||ほん||ひと|さつ| There was one book with eerie black stains that looked like blood. ハリー は 首筋 が ゾクゾク した 。 ||くびすじ||| Harry's neck tingled. 気のせい な の か ── いや 、 そう で は ない かも しれ ない ── 本 の 間 から ヒソヒソ 声 が 聞こえる ような 気 が した 。 きのせい||||||||||||ほん||あいだ||ひそひそ|こえ||きこえる||き|| Maybe it's because of my mind ──No, maybe not ──I felt like I could hear a whispering voice between the books. まるで 、 そこ に いて は いけない 人間 が 入り込んで いる の を 知っている か の ようだった 。 ||||||にんげん||はいりこんで||||しっている||| It was as if he knew that there were humans who shouldn't be there.

とにかく どこ から か 手 を つけ なければ 。 ||||て||| Anyway, I have to get my hands on it from somewhere. ランプ を ソーッ と 床 に 置いて 、 ハリー は 一 番 下 の 段 から 見かけ の おもしろ そうな 本 を 探し はじめた 。 らんぷ||||とこ||おいて|||ひと|ばん|した||だん||みかけ|||そう な|ほん||さがし| With the lamp on the floor, Harry began looking for a book that looked interesting from the bottom row. 黒 と 銀色 の 大きな 本 が 目 に 入った 。 くろ||ぎんいろ||おおきな|ほん||め||はいった I saw a big black and silver book in my eyes. 重くて 引き出す の も 大変だった が 、 やっと 取り出して 膝 の 上 に 乗せ バランス を 取り ながら 本 を 開いた 。 おもくて|ひきだす|||たいへんだった|||とりだして|ひざ||うえ||のせ|ばらんす||とり||ほん||あいた It was heavy and difficult to pull out, but I finally took it out, put it on my lap, and opened the book in a balanced manner.

突然 血 も 凍る ような 鋭い 悲鳴 が 沈黙 を 切りさいた ── 本 が 叫び声 を 上げた ! とつぜん|ち||こおる||するどい|ひめい||ちんもく||きりさいた|ほん||さけびごえ||あげた Suddenly a sharp, blood-chilling scream cut through the silence—the book screamed! ハリー は 本 を ピシャリ と 閉じた が 、 耳 を つんざく ような 叫び は 途切れ ず に 続いた 。 ||ほん||ぴしゃり||とじた||みみ||||さけび||とぎれ|||つづいた Harry snapped the book closed, but the deafening screams continued uninterrupted. ハリー は 後ろ に よろけ 、 その 拍子 に ランプ を ひっくり返して しまい 、 灯 が フッと 消えた 。 ||うしろ||||ひょうし||らんぷ||ひっくりかえして||とう||ふっと|きえた Harry staggered behind him, flipping the lamp over at that beat, and the lamp went out. 気 は 動転 して いた が 、 ハリー は 廊下 を こちら に 向かって やってくる 足音 を 聞いた ── 叫ぶ 本 を 棚 に 戻し 、 ハリー は 逃げた 。 き||どうてん||||||ろうか||||むかって||あしおと||きいた|さけぶ|ほん||たな||もどし|||にげた Upset, Harry heard the footsteps coming down the hallway towards us ── returning the screaming book to the shelf, and Harry ran away. 出口 付近 で フィルチ と すれ違った 。 でぐち|ふきん||||すれちがった I passed Filch near the exit. 血走った 薄い 色 の 目 が ハリー の 体 を 突き抜けて その先 を 見て いた 。 ちばしった|うすい|いろ||め||||からだ||つきぬけて|そのさき||みて| Bloody, pale-colored eyes pierced Harry's body and looked beyond. ハリー は フィルチ の 伸ばした 脇 の 下 を すり抜けて 廊下 を 疾走 した 。 ||||のばした|わき||した||すりぬけて|ろうか||しっそう| Harry sprinted through the corridor, slipping under Filch's stretched armpits. 本 の 悲鳴 が まだ 耳 を 離れ なかった 。 ほん||ひめい|||みみ||はなれ| The screams of the book haven't been heard yet.

ふと 目の前 に 背 の 高い 鎧 が 現れ 、 ハリー は 急 停止 した 。 |めのまえ||せ||たかい|よろい||あらわれ|||きゅう|ていし| Suddenly, a tall armor appeared in front of me, and Harry suddenly stopped. 逃げる の に 必死で 、 どこ に 逃げる か は 考える 間 も なかった 。 にげる|||ひっしで|||にげる|||かんがえる|あいだ|| I was desperate to escape, and I had no idea where to escape. 暗い せい だろう か 、 今 いったい どこ に いる の か わから ない 。 くらい||||いま|||||||| I don't know where I am now, maybe because of the darkness. 確か 、 キッチン の そば に 鎧 が あったっけ 。 たしか|きっちん||||よろい||あった っけ I'm sure there was armor near the kitchen. でも そこ より 五 階 ぐらい は 上 の 方 に いる に 違いない 。 |||いつ|かい|||うえ||かた||||ちがいない But it must be about the fifth floor above that.

「 先生 、 誰 か が 夜中 に 歩き回って いたら 、 直接 先生 に お 知らせ する んでした よ ねぇ 。 せんせい|だれ|||よなか||あるきまわって||ちょくせつ|せんせい|||しらせ|||| "Teacher, if anyone was walking around in the middle of the night, I would have told the teacher directly, didn't he? 誰 か が 図書 館 に 、 しかも 閲覧 禁止 の 所 に いました 」  ハリー は 血の気 が 引く の を 感じた 。 だれ|||としょ|かん|||えつらん|きんし||しょ||い ました|||ちのけ||ひく|||かんじた Someone was in the library, and in a place where browsing was prohibited. "Harry felt bloody. ここ が どこ か は わから ない が 、 フィルチ は 近道 を 知っている に ちがいない 。 ||||||||||ちかみち||しっている|| I don't know where this is, but Filch must know the shortcut. フィルチ の ねっとり した 猫なで声 が だんだん 近づいて くる 。 ||||ねこなでごえ|||ちかづいて| Filch's sticky cat stroking voice gradually approaches. しかも 恐ろしい こと に 、 返事 を した の は スネイプ だった 。 |おそろしい|||へんじ|||||| And to his horror, it was Snape who replied.

「 閲覧 禁止 の 棚 ? えつらん|きんし||たな "Browsing prohibited shelves? それ なら まだ 遠く まで いく まい 。 |||とおく||| Then it won't go far. 捕まえられる 」  フィルチ と スネイプ が 前方 の 角 を 曲がって こちら に やって 来る 。 つかまえ られる|||||ぜんぽう||かど||まがって||||くる Filch and Snape come here around the front corner. ハリー は その 場 に 釘づけ に なった 。 |||じょう||くぎづけ|| Harry was nailed to the spot. もちろん ハリー の 姿 は 見え ない はずだ が 、 狭い 廊下 だ し 、 もっと 近づいて くれば ハリー に まともに ぶつかって しまう ── マント は ハリー の 体 そのもの を 消して は くれ ない 。 |||すがた||みえ||||せまい|ろうか||||ちかづいて|||||||まんと||||からだ|その もの||けして||| Of course, you shouldn't be able to see Harry, but it's a narrow corridor, and if you get closer, you'll hit Harry straight ── The cloak doesn't erase Harry's body itself.

ハリー は できる だけ 静かに 後ずさり した 。 ||||しずかに|あとずさり| Harry backed away as quietly as he could. 左手 の ドア が 少し 開いて いた 。 ひだりて||どあ||すこし|あいて| The door on the left was slightly open. 最後 の 望み の 綱 だ 。 さいご||のぞみ||つな| The last rope of hope. 息 を 殺し 、 ドア を 動かさ ない ように して 、 ハリー は すき 問 から ソォーッ と 滑り込んだ 。 いき||ころし|どあ||うごかさ|||||||とい||||すべりこんだ Harry slipped from the plow, holding his breath and not moving the door. よかった 。 二 人 に 気づか れ ず に 部屋 の 中 に 入る こと が できた 。 ふた|じん||きづか||||へや||なか||はいる||| I was able to enter the room without them noticing. 二 人 は ハリー の 真 ん 前 を 通り過ぎて いった 。 ふた|じん||||まこと||ぜん||とおりすぎて| The two passed right in front of Harry. 壁 に 寄りかかり 、 足音 が 遠のいて 行く の を 聞き ながら 、 ハリー は フーッ と 深い ため息 を ついた 。 かべ||よりかかり|あしおと||とおのいて|いく|||きき||||||ふかい|ためいき|| Harry sighed deeply, leaning against the wall and listening to the footsteps moving away. 危なかった 。 あぶなかった It was dangerous. 危機一髪 だった 。 ききいっぱつ| It was a close call. 数 秒 後 、 ハリー は やっと 自分 が 今 隠れて いる 部屋 が 見えて きた 。 すう|びょう|あと||||じぶん||いま|かくれて||へや||みえて| After a few seconds, Harry could finally see the room where he was now hiding.

昔 使われて いた 教室 の ような 部屋 だった 。 むかし|つかわ れて||きょうしつ|||へや| It was a classroom-like room that was used in the past. 机 と 椅子 が 黒い 影 の ように 壁 際 に 積み上げられ 、 ゴミ 箱 も 逆さ に して 置いて ある ── ところが 、 ハリー の 寄りかかって いる 壁 の 反対 側 の 壁 に 、 なんだか この 部屋 に そぐわない もの が 立てかけて あった 。 つくえ||いす||くろい|かげ|||かべ|さい||つみあげ られ|ごみ|はこ||さかさ|||おいて|||||よりかかって||かべ||はんたい|がわ||かべ||||へや|||||たてかけて| Desks and chairs are piled up by the wall like a black shadow, and a trash can is also placed upside down ── However, on the wall opposite Harry's leaning wall, something that doesn't fit in this room. I was leaning against it. 通り の じゃまに なる から と 、 誰 か が そこ に 寄せて 置いた みたい だった 。 とおり||||||だれ|||||よせて|おいた|| It seemed like someone had put it there because it would get in the way of the street.

天井 まで 届く ような 背 の 高い 見事な 鏡 だ 。 てんじょう||とどく||せ||たかい|みごとな|きよう| It's a stunning, tall mirror that reaches the ceiling. 金 の 装飾 豊かな 枠 に は 、 二 本 の 鈎爪 状 の 脚 が ついて いる 。 きむ||そうしょく|ゆたかな|わく|||ふた|ほん||かぎつめ|じょう||あし||| Gold decoration The rich frame has two claw-shaped legs. 枠 の 上 の 方 に 字 が 彫って ある 。 わく||うえ||かた||あざ||ほって| The letters are engraved on the top of the frame.

「 す つう を みぞ の のろ ここ の た なあ く な は で おか の た なあ は した わ 」 "It's a sword, it's a sword, it's a sword, it's a sword, it's a sword."

フィルチ や スネイプ の 足音 も 聞こえ なく なり 、 ハリー は 落ち着き を 取り戻しっつ あった 。 ||||あしおと||きこえ|||||おちつき||とりもどし っつ| Filch's and Snape's footsteps were gone, and Harry was calming down. 鏡 に 近寄って 透明に なった ところ を もう 一 度 見 たくて 、 真 ん 前 に 立って みた 。 きよう||ちかよって|とうめいに|||||ひと|たび|み||まこと||ぜん||たって| I wanted to get closer to the mirror and see what had become transparent once more, so I stood in front of it.

ハリー は 思わず 叫び声 を 上げ そうに なり 、 両手 で 口 を ふさいだ 。 ||おもわず|さけびごえ||あげ|そう に||りょうて||くち|| Harry was about to scream and closed his mouth with both hands. 急いで 振り返って 、 あたり を 見回した 。 いそいで|ふりかえって|||みまわした I hurriedly turned around and looked around. 本 が 叫んだ 時 より も ずっと 激しく 動惇 が した ── 鏡 に 映った の は 自分 だけ で は ない 。 ほん||さけんだ|じ||||はげしく|どう あつし|||きよう||うつった|||じぶん|||| I was much more upset than when the book shouted ── I wasn't the only one in the mirror. ハリー の すぐ 後ろ に たくさんの 人 が 映って いた のだ 。 |||うしろ|||じん||うつって|| There were many people right behind Harry.

しかし 、 部屋 に は 誰 も いない 。 |へや|||だれ|| あえぎ ながら 、 もう 一 度 ソーッ と 鏡 を 振り返って 見た 。 |||ひと|たび|||きよう||ふりかえって|みた While gasping, I looked back at the mirror again.

ハリー が 青白い おびえた 顔 で 映って いる 。 ||あおじろい||かお||うつって| Harry is reflected with a pale, frightened face. その 後ろ に 少なくとも 十 人 くらい の 人 が いる 。 |うしろ||すくなくとも|じゅう|じん|||じん|| There are at least ten people behind it. 肩 越し に もう 一 度 後ろ を 振り返って 見た ── 誰 も いない 。 かた|こし|||ひと|たび|うしろ||ふりかえって|みた|だれ|| I looked over my shoulder again and looked behind me—there was no one there. それとも みんな も 透明な のだろう か ? |||とうめいな|| Or is everyone transparent too? この 部屋 に は 透明 の 人 が たくさん いて 、 この 鏡 は 透明 でも 映る 仕掛け なんだろう か ? |へや|||とうめい||じん|||||きよう||とうめい||うつる|しかけ|| There are a lot of invisible people in this room, and is this mirror a mechanism that reflects even invisible people?

もう 一 度 鏡 を のぞき込んで みた 。 |ひと|たび|きよう||のぞきこんで| I took another peek in the mirror. ハリー の すぐ 後ろ に 立って いる 女性 が 、 ハリー に ほほえみ かけ 、 手 を 振って いる 。 |||うしろ||たって||じょせい||||||て||ふって| A woman standing directly behind Harry smiles and waves to him. 後ろ に 手 を 伸ばして みて も 、 空 を つかむ ばかりだった 。 うしろ||て||のばして|||から||| Even if I stretched out my hand behind me, I just grabbed the sky. もし 本当に 女 の 人 が そこ に いる の なら 、 こんなに そば に いる のだ から 触れる こと が できる はずな のに 、 何の 手応え も なかった ── 女 の 人 も 他の 人 たち も 、 鏡 の 中 に しか い なかった 。 |ほんとうに|おんな||じん|||||||||||||ふれる||||||なんの|てごたえ|||おんな||じん||たの|じん|||きよう||なか|||| If there really was a woman there, I should have been able to touch it because she was so close to me, but there was no response ── both the woman and the others were in the mirror. There was only.

とても きれいな 女性 だった 。 ||じょせい| 深み が かった 赤い 髪 で 、 目 は …… 僕 の 目 と そっくりだ 。 ふかみ|||あかい|かみ||め||ぼく||め|| He has deep red hair and his eyes...just like mine. ハリー は 鏡 に もっと 近づいて みた 。 ||きよう|||ちかづいて| 明るい グリーン の 目 だ ── 形 も 僕 に そっくりだ 。 あかるい|ぐりーん||め||かた||ぼく|| Bright green eyes. ハリー は その 女 の 人 が 泣いて いる の に 気づいた 。 |||おんな||じん||ないて||||きづいた Harry noticed that the woman was crying. ほほえみ ながら 、 泣いて いる 。 ||ないて| While smiling, I'm crying. やせて 背 の 高い 黒 髪 の 男性 が そば に いて 、 腕 を 回して 女性 の 肩 を 抱いて いる 。 |せ||たかい|くろ|かみ||だんせい|||||うで||まわして|じょせい||かた||いだいて| A thin, tall black-haired man is by his side, turning his arms and hugging a woman's shoulders. 男 の 人 は メガネ を かけて いて 、 髪 が クシャクシャ だ 。 おとこ||じん||めがね||||かみ||くしゃくしゃ| The man was wearing glasses and his hair was crumpled. 後ろ の 毛 が 立って いる 。 うしろ||け||たって| The hair on the back is standing. ハリー と 同じだ 。 ||おなじだ

鏡 に 近づき 過ぎて 、 鼻 が 鏡 の 中 の ハリー の 鼻 と くっつき そうに なった 。 きよう||ちかづき|すぎて|はな||きよう||なか||||はな|||そう に| I was so close to the mirror that my nose almost touched Harry's nose in the mirror.

「 ママ ? まま 」 ハリー は ささやいた 。 Harry whispered. 「 パパ ? ぱぱ 」 二 人 は ほほえみ ながら ハリー を 見つめる ばかりだった 。 ふた|じん||||||みつめる| ''They just looked at Harry with a smile on their face. ハリー は 鏡 の 中 の ほか の 人々 の 顔 を ジッと 眺めた 。 ||きよう||なか||||ひとびと||かお||じっと|ながめた Harry stared at the faces of the other people in the mirror. 自分 と 同じ ような グリーン の 目 の 人 、 そっくりな 鼻 の 人 。 じぶん||おなじ||ぐりーん||め||じん||はな||じん Someone with green eyes like yours, someone with a nose just like yours. 小柄な 老人 は ハリー と 同じに 膝小僧 が 飛び出して いる みたいだ ── 生まれて 初めて 、 ハリー は 自分 の 家族 を 見て いた 。 こがらな|ろうじん||||どうじに|ひざこぞう||とびだして|||うまれて|はじめて|||じぶん||かぞく||みて| The petite old man seems to have a kneeling kid popping out like Harry ── For the first time in his life, Harry was looking at his family.

ポッター 家 の 人々 は ハリー に 笑い かけ 、 手 を 振った 。 |いえ||ひとびと||||わらい||て||ふった The Potters smiled and waved at Harry. ハリー は 貪る ように みんな を 見つめ 、 両手 を ぴったり と 鏡 に 押し当てた 。 ||むさぼる||||みつめ|りょうて||||きよう||おしあてた Harry stared at them greedily, pressing his hands tightly against the mirror. 鏡 の 中 に 入り込み 、 みんな に 触れたい と でも いう ように 。 きよう||なか||はいりこみ|||ふれ たい|||| Like going into the mirror and wanting to touch everyone. ハリー の 胸 に 、 喜び と 深い 悲し み が 入り 混じった 強い 痛 み が 走った 。 ||むね||よろこび||ふかい|かなし|||はいり|まじった|つよい|つう|||はしった Harry's heart ached with a mixture of joy and deep sadness.

どの くらい そこ に いた の か 、 自分 に も わから なかった 。 |||||||じぶん|||| I didn't even know how long I was there. 鏡 の 中 の 姿 は いつまでも 消え ず 、 ハリー は 何度 も 何度 も のぞき込んだ 。 きよう||なか||すがた|||きえ||||なんど||なんど||のぞきこんだ The figure in the mirror never disappeared, and Harry looked into it again and again. 遠く の 方 から 物音 が 聞こえ 、 ハリー は ふと 我 に 返った 。 とおく||かた||ものおと||きこえ||||われ||かえった Harry suddenly returned to me when he heard a noise from a distance. いつまでも ここ に は いられ ない 。 ||||いら れ| I can't stay here forever. なんとか ベッド に 戻ら ない と 。 |べっど||もどら|| I have to get back to bed somehow. ハリー は 鏡 の 中 の 母親 から 思いきって 目 を 離し 、「 また 来る から ね 」 と つぶやいた 。 ||きよう||なか||ははおや||おもいきって|め||はなし||くる|||| Harry took his eyes off his mother in the mirror and muttered, "I'm coming again." そして 急いで 部屋 を 出た 。 |いそいで|へや||でた