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1 - Harry Potter, 11.2 クィディッチ

11.2 クィディッチ

十一 時 に は 学校 中 が クィディッチ 競技 場 の 観客 席 に つめかけて いた 。 双眼鏡 を 持って いる 生徒 も たくさん いる 。 観客 席 は 空中 高く に 設けられて いた が 、 それ でも 試合 の 動き が 見にくい こと も あった 。 ロン と ハーマイオニー は ネビル 、 シェーマス 、 ウエストハム ・ サッカー チーム の ファン の ディーン たち と 一緒に 最 上段 に 陣取った 。 ハリー を びっくり さ せて やろう と 、 スキャバーズ が かじって ボロボロ に した シーツ で 大きな 旗 を 作り 、「 ポッター を 大統領 に 」 と 書いて 、 その 下 に 絵 の うまい ディーン が グリフィンドール 寮 の シンボル の ライオン を 描いた 。 ハーマイオニー が ちょっと 複雑な 魔法 を かけて 、 絵 が いろいろな 色 に 光る ように なって いた 。

一方 、 更衣室 で は 、 選手 たち が クィディッチ 用 の 真 紅 の ローブ に 着替えて いた ( スリザリン は 緑色 を 着た )。

ウッド が 咳払い を して 骨 を 静かに さ せた 。

「 いい か 、 野郎 ども 」

「 あら 女性 も いる の よ 」

チェイサー の アンジェリーナ ・ ジョンソン が つけ加えた 。

「 そして 女性 諸君 」 ウッド が 訂正 する 。 「 いよいよ だ 」

「 大 試合 だ ぞ 」 フレッド ・ ウィーズリー が 声 を 張り上げた。

「 待ち望んで いた 試合 だ 」 ジョージ ・ ウィーズリー が 続けた 。

「 オリバー の スピーチ なら 空 で 言える よ 。 僕ら は 去年 も チーム に いた から ね 」

フレッド が ハリー に 話しかけた 。

「 黙れ よ 。 そこ の 二 人 」 と ウッド が たしなめた 。

「 今年 は 、 ここ 何 年 ぶり か の 最高の グリフィンドール ・ チーム だ 。 この 試合 は 間違い なく いただき だ 」

そして ウッド は 「 負けたら 承知 し ない ぞ 」 と でも 言う ように 全員 を にらみつけた 。

「 よ ー し 。 さあ 時間 だ 。 全員 、 頑張れ よ 」

ハリー は フレッド と ジョージ の 後 に ついて 更衣室 を 出た 。 膝 が 震えません ように と 祈り ながら 、 大 歓声 に 迎えられて グラウンド に 出た 。 マダム ・ フーチ が 審判 だ 。 競技 場 の 真ん中 に 立ち 、 箒 を 手 に 両 チーム を 待って いた 。

「 さあ 、 皆さん 、 正々堂々 戦いましょう 」 全 選手 が 周り に 集まる の を 待って 先生 が 言った 。 どうも スリザリン の キャプテン 、 五 年生 の マーカス ・ フリント に 向かって 言って いる らしい こと に ハリー は 気づいた 。 フリント つて 、 トロール の 血 が 流れて いる みたいだ 、 と ハリー は 思った 。 ふと 旗 が 目 に 入った 。 「 ポッター を 大統領 に 」 と 点滅 し ながら 、 大 観衆 の 頭上 に 高々 と はためいて いる 。 ハリー は 心 が 踊り 、 勇気 が わいて きた 。

「 よ ー い 、 箒 に 乗って 」

ハリー は ニンバス 2000 に またがった 。

フーチ 審判 の 銀 の 笛 が 高らかに 鳴った 。

十五 本 の 箒 が 空 へ 舞い上がる 。 高く 、 さらに 高く 。 試合 開始 だ 。

「 さて 、 クアッフル は たちまち グリフィンドール の アンジェリーナ ・ ジョンソン が 取りました ── 何て 素晴らしい チェイサー でしょう 。 その 上 かなり 魅力的 であります 」 「 ジョーダン ! 」 「 失礼 しました 、 先生 」 双子 の ウィーズリー の 仲間 、 リー ・ ジョーダン が 、 マクゴナガル 先生 の 厳しい 監視 を 受け ながら 実況 放送 して いる 。 「 ジョンソン 選手 、 突っ走って おります 。 アリシア ・ スピネット に きれいな パス 。 オリバー ・ ウッド は よい 選手 を 見つけた もの です 。 去年 は まだ 補欠 でした ── ジョンソン に クアッフル が 返る 、 そして ── あ 、 ダメです 。 スリザリン が クアッフル を 奪いました 。 キャプテン の マーカス ・ フリント が 取って 走る ── 鷲 の ように 舞い上がって おります ── ゴール を 決める か ── いや 、 グリフィンドール の キーパー 、 ウッド が 素晴らしい 動き で 、 ストップ しました 。 クアッフル は 再び グリフィンドール へ ── あ 、 あれ は グリフィンドール の チェイサー 、 ケイティ ・ べ ル です 。 フリント の 周り で 素晴らしい 急 降下 です 。 ゴール に 向かって 飛びます ── あいたっ! ── これ は 痛かった 。 ブラッジャー が 後 頭部 に ぶつかりました ── クアッフル は スリザリン に 取ら れました ── 今度 は エイドリアン ・ ピュシー が ゴール に 向かって ダッシュ して います 。 しかし 、 これ は 別の ブラッジャー に 阻ま れました ── フレッド な の か ジョージ な の か 見分け は つきません が 、 ウィーズリー の どちら か が ねらい撃ち を かけました ── グリフィンドール 、 ビーター の ファインプレイ です ね 。 そして クアッフル は 再び ジョンソン の 手 に 。 前方 に は 誰 も いま せ ん 。 さあ 飛びだしました ── ジョンソン 選手 、 飛びます ── ブラッジャー が ものすごい スピード で 襲う の を かわします ── ゴール は 目の前 だ ── 頑張れ 、 今 だ 、 アンジェリーナ ── キーパー の ブレッチリー が 飛びつく ── が 、 ミス した ── グリフィンドール 先取点 ! 」 グリフィンドール の 大 歓声 が 寒空 いっぱい に 広がった 。 スリザリン 側 から ヤジ と ため息 が 上がった 。

「 ちょいと 詰めて くれ や 」

「 ハグリッド ! 」 ロン と ハーマイオニー は ギュッと 詰めて 、 ハグリッド が 一緒に 座れる よう 広く 場所 を 空けた 。 「 俺 も 小屋 から 見て おった んだ が ……」

首 から ぶら下げた 大きな 双眼鏡 を ポンポン 叩き ながら ハグリッド が 言った 。

「 やっぱり 、 観客 の 中 で 見る の と は また 違う ので な 。 スニッチ は まだ 現れ ん か 、 え ? 」 「 まだ だ よ 。 今 の ところ ハリー は あんまり する こと が ない よ 」 ロン が 答えた 。

「 トラブル に 巻き込ま れ ん ように して おる んだろう が 。 それ だけ でも ええ 」

ハグリッド は 双眼鏡 を 上 に 向けて 豆 粒 の ような 点 を じっと 見た 。 それ が ハリー だった 。

はるか 上空 で 、 ハリー は スニッチ を 探して 目 を 凝らし ながら 、 試合 を 下 に 見て スイスイ 飛び回って いた 。 これ が ハリー と ウッド の 立てた 作戦 だった 。

「 スニッチ が 目 に 入る まで は 、 みんな から 離れて る んだ 。 後 で どうしたって 攻撃 さ れる 。 それ まで は 攻撃 さ れる な 」

と ウッド から 言われて いた 。 アンジェリーナ が 点 を 入れた 時 、 ハリー は 二 、 三 回 宙返り を して うれし さ を 発散 さ せた が 、 今 は また スニッチ 探し に 戻って いる 。 一 度 パッと 金色 に 光る もの が 見えた が 、 ウィーズリー の 腕 時計 が 反射 した だけ だった 。 また 一 度 は ブラッジャー が まるで 大砲 の 弾 の ような 勢い で 襲って きた が 、 ハリー は ヒラリ と かわし 、 その あと で フレッド ・ ウィーズリー が 玉 を 追いかけて やってきた 。

「 ハリー 、 大丈夫 か ? 」 そう 叫ぶ なり フレッド は 、 ブラッジャー を マーカス ・ フリント めがけて 勢い よく 叩きつけた 。 リー ・ ジョーダン の 実況 放送 は 続く 。

「 さて 今度 は スリザリン の 攻撃 です 。 チェイサー の ビュシー は ブラッジャー を 二つ かわし 、 双子 の ウィーズリー を かわし 、 チェイサー の ベル を かわして 、 ものすごい 勢い で ゴ …… ちょっと 待って ください ── あれ は スニッチ か ? 」 エイドリアン ・ ビュシー は 、 左 耳 を かすめた 金色 の 閃光 を 振り返る のに 気 を 取られて 、 クアッフル を 落として しまった 。 観客 席 が ザワザワ と なった 。

ハリー は スニッチ を 見た 。 興奮 の 波 が 一挙に 押し寄せて くる 。 ハリー は 金色 の 光線 を 迫って 急 降下 した 。 スリザリン の シーカー 、 テレンス ・ ヒッグズ も 見つけた 。 スニッチ を 追って 二 人 は 追いつ 追わ れ つ の 大 接戦 だ 。 チェイサー たち も 自分 の 役目 を 忘れて しまった ように 、 宙 に 浮いた まま 眺めて いる 。

ハリー の ほう が ヒッグズ より 速かった ── 小さな ボール が 羽 を パタパタ さ せて 目の前 を 矢 の ように 飛んで いく の が はっきり 見えた ── ハリー は 一 段 と スパート を かけた 。

グワーン ! グリフィンドール 席 から 怒り の 声 が わきあがった 。 マーカス ・ フリント が わざと ハリー の 邪魔 を した のだ 。 ハリー の 箒 は はじき出されて コース を 外れ 、 ハリー は かろうじて 箒 に しがみついて いた 。 「 反則 だ ! 」 と グリフィンドール 寮生 が 口々に 叫んだ 。 フーチ 先生 は フリント に 厳重 注意 を 与え 、 グリフインドール に ゴール ・ ポスト に 向けて の フリー ・ シュート を 与えた 。 ゴタゴタ して いる うち に 、 スニッチ は また 見え なく なって しまった 。

下 の 観客 席 で は ディーン ・ トーマス が 大声 で 叫んで いる 。

「 退場 さ せろ 。 審判 ! レッド カード だ ! 」 「 サッカー じ や ない んだ よ 、 ディーン 」 ロン が なだめた 。 「 クィディッチ に 退場 は ない んだ よ 。 ところで 、 レッドカードって 何 ? 」 ハグリッド は ディーン に 味方 した 。 「 ルール を 変える べきだ わ い 。 フリント は もう ちっと で ハリー を 地上 に 突き落とす とこ だった 」 リー ・ ジョーダン の 中継 も 中立 を 保つ の が 難しく なった 。 「 えー 、 誰 が 見て も はっきり と 、 胸くそ の 悪く なる ような インチキ の 後 ……」

「 ジョーダン ! 」 マクゴナガル 先生 が すご み を きかせた 。

「 えー と 、 おおっぴら で 不快な ファール の 後 ……」

「 ジョーダン 、 いいかげんに し ない と ──」

「 はい 、 はい 、 了解 。 フリント は グリフィンドール の シーカー を 殺し そうに なりました 。 誰 に でも あり 得る ような ミス です ね 、 きっと 。 そこ で グリフィンドール の ペナルティー ・ シュート です 。 スピネット が 投げました 。 決まりました 。 さあ 、 ゲーム 続行 。 クアッフル は グリフィンドール が 持った まま です 」

二 度 目 の ブラッジャー を ハリー が かわし 、 玉 が 獰猛に 回転 し ながら ハリー の 頭上 を スレスレ に 通り過ぎた ちょうど その 時 …… 箒 が 急に 肝 を 冷やす ような 揺れ 方 を した 。 一瞬 、 落ちる と 思った。 ハリー は 両手 と 膝 で 箒 を しっかり 押さえた 。 こんな の は 初めて だ 。

また 来た 。 箒 が ハリー を 振り落とそう と して いる みたいだ 。 しかし 、 ニンバス 2000 が 急に 乗り手 を 振り落とそう と したり する わけ が ない 。 ハリー は 向き を 変えて グリフィンドール の ゴール ・ ポスト の 方 に 行こう と した 。 ウッド に タイム を 取って もらおう か 、 どう しよう か 、 ハリー は 決め かねて いた 。 ところが 気 が つく と 箒 は まったく 言う こと を 聞か なく なって いた 。 方向 転換 が でき ない 。 全然 方向 が 指示 でき ない 。 空中 を ジグザグに 飛び 、 時々 シューッ と 激しく 揺れ 動いて 、 ハリー は あわや 振り落とさ れる ところ だった 。

リー は 実況 放送 を 続けて いる 。

「 スリザリン の 攻撃 です ── クアッフル は フリント が 持って います ── スピネット が 抜か れた ── ベル が 抜か れた ── あ 、 ブラッジャー が フリント の 顔 に ぶつかりました 。 鼻 を へし折る と いい んです が ── ほんの 冗談 です 、 先生 ── スリザリン 得点 です ── あー あ ……」

スリザリン は 大 歓声 だった 。 ハリー の 箒 が 変な 動き を して いる こと に 誰 も 気づか ない ようだ 。

ハリー を 乗せた まま 、 グイッ と 動いたり 、 ピクピクッ と 動いたり し ながら 、 上 へ 、 上 へ 、 ゆっくり と ハリー を 試合 から 引き離して いった 。

「 一体 ハリー は 何 を し とる んだ 」

双眼鏡 で ハリー を 見て いた ハグリッド が ブツブツ 言った 。

「 あれ が ハリー じゃ なけりゃ 、 箒 の コントロール を 失った んじゃ ない か と 思う わな …… しかし ハリー に かぎって そんな こ た ぁ ……」

突然 、 観客 が あちこち で いっせいに ハリー の ほう を 指さした 。 箒 が グルグル 回り はじめた のだ 。 ハリー は かろうじて しがみついて いる 。 次の 瞬間 、 全員 が 息 を のんだ 。 箒 は 荒々しく 揺れ 、 ハリー を 振り 飛ばし そうだ 。 今や ハリー は 片手 だけ で 箒 の 柄 に ぶら下がって いる 。

「 フリント が ぶつかった 時 、 どうかしちゃった の かな ? 」 シェーマス が つぶやいた 。 「 そんな こ た ぁ ない 。 強力な 闇 の 魔術 以外 、 箒 に 悪 さ は でき ん 。 チビ ども な ん ぞ 、 ニンバス 2000 に は そんな 手出し は でき ん 」

ハグリッド の 声 は ブルブル 震えて いた 。

その 言葉 を 聞く や ハーマイオニー は ハグリッド の 双眼鏡 を ひったくり 、 ハリー の 方 で は なく 、 観客 席 の 方 を 気 が 狂った ように 見回した 。

「 何 して る んだ よ 」 真っ青な 顔 で ロン が うめいた 。

「 思った とおり だ わ 」 ハーマイオニー は 息 を のんだ 。

「 スネイプ よ …… 見て ごらん なさい 」

ロン が 双眼鏡 を もぎ取った 。 むかい 側 の 観客 席 の 真ん中 に スネイプ が 立って いた 。 ハリー から 目 を 離さ ず 絶え間 なく ブツブツ つぶやいて いる 。

「 何 か して る ── 箒 に 呪い を かけて る 」 ハーマイオニー が 言った 。

「 僕たち 、 どう すりゃ いい んだ ? 」 「 私 に 任せて 」 ロン が 次の 言葉 を 言う 前 に 、 ハーマイオニー の 姿 は 消えて いた 。 ロン は 双眼鏡 を ハリー に 向けた 。 箒 は 激しく 震え 、 ハリー も これ 以上 つかまって いられ ない ようだった 。 観客 は 総立ち だ 。

恐怖 で 顔 を 引きつら せて 見て いる 。 双子 の ウィーズリー が ハリー に 近づいて いった 。 自分 たち の 箒 に 乗り移ら せよう と した が 、 ダメだ 。 近づく たび 、 ハリー の 箒 は さらに 高く 飛び上がって しまう 。 双子 は ハリー の 下 で 輪 を 描く ように 飛び はじめた 。 落ちて きたら 下 で キャッチ する つもり らしい 。 マーカス ・ フリント は クアッフル を 奪い 、 誰 に も 気づか れ ず 、 五 回 も 点 を 入れた 。

「 はやく して くれ 、 ハーマイオニー 」 ロン は 必死で つぶやいた 。

ハーマイオニー は 観衆 を 掻き分け 、 スネイプ が 立って いる スタンド に たどりつき 、 スネイプ の 一 つ 後ろ の 列 を 疾走 して いた 。 途中 で クィレル と ぶつかって なぎ倒し 、 クィレル は 頭から つんのめる ように 前 の 列 に 落ちた が 、 ハーマイオニー は 、 立ち止まり も 謝り も し なかった 。 スネイプ の 背後 に 回った ハーマイオニー は そっと うずくまり 、 杖 を 取り出し 、 二 言 三 言 しっかり 言葉 を 選んで つぶやいた 。 杖 から 明るい ブルー の 炎 が 飛び出し 、 スネイプ の マント の 裾 に 燃え 移った 。 三十 秒 も する と 、 スネイプ は 自分 に 火 が ついて いる の に 気づいた 。 鋭い 悲鳴 が 上がった ので 、 ハーマイオニー は これ で うまく いった と わかった 。 火 を すくい取り 、 小さな 空き瓶 に 納め 、 ポケット に 入れる と 、 人ごみ に 紛れ込んだ ── スネイプ は 何 が 起こった の か わから ず じまい だろう 。

それ で 充分 だった 。 空中 の ハリー は 再び 箒 に またが れる ように なって いた 。

「 ネビル 、 もう 見て も 怖く ない よ ! 」 ロン が 呼びかけた 。 ネビル は この 五 分間 、 ハグリッド の ジャケット に 顔 を 埋めて 泣きっぱなし だった 。 ハリー は 急 降下 した 。 観衆 が 見た の は 、 ハリー が 手 で 口 を パチン と 押さえた ところ だった 。

まるで 吐こう と して いる ようだ ── 四 つ ん 這い に なって 着地 した ── コホン ── 何 か 金色 の 物 が ハリー の 手 の 平 に 落ちた 。

「 スニッチ を 取った ぞ ! 」 頭上 高く スニッチ を 振りかざし 、 ハリー が 叫んだ 。 大 混乱 の 中 で 試合 は 終わった 。

「 あいつ は 取った んじゃ ない 。 飲み込んだ んだ 」

二十 分 たって も フリント は まだ 喚 いて いた が 、 結果 は 変わら なかった 。 ハリー は ルール を 破って は いない 。 リー ・ ジョーダン は 大喜びで 、 まだ 試合 結果 を 叫び 続けて いた 。

「 グリフィンドール 、 一七〇 対 六〇 で 勝ちました ! 」 一方 、 ハリー は 試合 の 後 も 続いた 騒ぎ の 渦中 に は い なかった 。 ロン 、 ハーマイオニー と 一緒に ハグリッド の 小屋 で 、 濃い 紅茶 を 入れて もらって いた のだ 。

「 スネイプ だった んだ よ 」 と ロン が 説明 した 。

「 ハーマイオニー も 僕 も 見た んだ 。 君 の 箒 に ブツブツ 呪い を かけて いた 。 ずっと 君 から 目 を 離さ ず に ね 」

「 バカな 」

ハグリッド は 自分 の すぐ そば の 観客 席 で の やりとり を 、 試合 中 一言 も 聞いて い なかった のだ 。

「 なんで スネイプ が そんな こと を する 必要 が ある んだ ? 」 三 人 は 互いに 顔 を 見合わせ 、 どう 言おう か と 迷って いた が 、 ハリー は 本当の こと を 言おう と 決めた 。 「 僕 、 スネイプ に ついて 知って る こと が ある んだ 。 あいつ 、 ハロウィーン の 日 、 三 頭 犬 の 裏 を か こう と して 噛ま れた んだ よ 。 何か知ら ない けど 、 あの 犬 が 守って る もの を スネイプ が 盗ろう とした んじゃ ない か と 思う んだ 」

ハグリッド は ティーポット を 落とした 。

「 なんで フラッフィー を 知って る んだ ? 」 「 フラッフィー ? 」 「 そう 、 あいつ の 名前 だ ── 去年 パブ で 会った ギリシャ 人 の やつ から 買った んだ ── 俺 が ダンブルドア に 貸した 。 守る ため ……」

「 何 を ? 」 ハリー が 身 を 乗り出した 。

「 もう 、 これ 以上 聞 かんで くれ 。 重大 秘密な んだ 、 これ は 」

ハグリッド が ぶっきらぼうに 言った 。

「 だけど 、 スネイプ が 盗もう と した んだ よ 」

ハグリッド は また 「 バカな 」 を 繰り返した 。

「 スネイプ は ホグワーツ の 教師 だ 。 そんな こと する わけなかろう 」

「 なら どうして ハリー を 殺そう と した の ? 」 ハーマイオニー が 叫んだ 。

午後 の 出来事 が 、 スネイプ に 対する ハーマイオニー の 考え を 変え させた ようだ 。

「 ハグリッド 。 私 、 呪い を かけて る か どう か 、 一目 で わかる わ 。 たくさん 本 を 読んだ んだ から ! じ ーっと 目 を そらさ ず に 見 続ける の 。 スネイプ は 瞬き 一 つ し なかった わ 。 この 目 で 見た んだ から ! 」 「 おまえ さん は 間違っと る ! 俺 が 断言 する 」

ハグリッド も 譲ら ない 。

「 俺 は ハリー の 箒 が 何で あんな 動き を した ん か は わから ん 。 だが スネイプ は 生徒 を 殺そう と したり は せ ん 。 三 人 と も よく 聞け 。 おまえ さん たち は 関係 の ない こと に 首 を 突っ込 ん ど る 。 危険 だ 。 あの 犬 の こと も 、 犬 が 守って る 物 の こと も 忘れる んだ 。 あれ は ダンブルドア 先生 と ニコラス ・ フラメル の ……」

「 あっ! 」 ハリー は 聞き逃さ なかった 。 「 ニコラス ・ フラメルって いう 人 が 関係 して る んだ ね ? 」 ハグリッド は 口 が 滑った 自分 自身 に 強烈に 腹 を 立てて いる ようだった 。

11.2 クィディッチ 11.2 Quidditch. 11.2 Quidditch 11.2 Quidditch. 11.2 Zwerkbal. 11.2 Quidditch. 11.2 Quidditch. 11.2 Quidditch. 11.2 魁地奇 11.2 魁地奇

十一 時 に は 学校 中 が クィディッチ 競技 場 の 観客 席 に つめかけて いた 。 じゅういち|じ|||がっこう|なか|||きょうぎ|じょう||かんきゃく|せき||| By eleven o'clock the whole school was packed into the stands of the Quidditch arena. 双眼鏡 を 持って いる 生徒 も たくさん いる 。 そうがんきょう||もって||せいと||| Many students have binoculars. 観客 席 は 空中 高く に 設けられて いた が 、 それ でも 試合 の 動き が 見にくい こと も あった 。 かんきゃく|せき||くうちゅう|たかく||もうけ られて|||||しあい||うごき||みにくい||| The spectators' seats were set high in the air, but it was still difficult to see the movement of the match. ロン と ハーマイオニー は ネビル 、 シェーマス 、 ウエストハム ・ サッカー チーム の ファン の ディーン たち と 一緒に 最 上段 に 陣取った 。 |||||||さっかー|ちーむ||ふぁん|||||いっしょに|さい|じょうだん||じんどった Ron and Hermione took the top spot with Neville, Shamus, and Dean, a fan of the West Ham football team. ハリー を びっくり さ せて やろう と 、 スキャバーズ が かじって ボロボロ に した シーツ で 大きな 旗 を 作り 、「 ポッター を 大統領 に 」 と 書いて 、 その 下 に 絵 の うまい ディーン が グリフィンドール 寮 の シンボル の ライオン を 描いた 。 ||||||||||ぼろぼろ|||しーつ||おおきな|き||つくり|||だいとうりょう|||かいて||した||え||||||りょう||しんぼる||らいおん||えがいた In an attempt to surprise Harry, the scabbards made a big flag out of the tattered sheets, and wrote "Potter to the President," and underneath it was the lion, the symbol of the Gryffindor dormitory. Painted . ハーマイオニー が ちょっと 複雑な 魔法 を かけて 、 絵 が いろいろな 色 に 光る ように なって いた 。 |||ふくざつな|まほう|||え|||いろ||ひかる||| Hermione had cast some intricate magic on the painting to make it glow in different colors.

一方 、 更衣室 で は 、 選手 たち が クィディッチ 用 の 真 紅 の ローブ に 着替えて いた ( スリザリン は 緑色 を 着た )。 いっぽう|こういしつ|||せんしゅ||||よう||まこと|くれない||||きがえて||||みどりいろ||きた Meanwhile, in the dressing room, the players changed into crimson Quidditch robes (Slytherin wore green).

ウッド が 咳払い を して 骨 を 静かに さ せた 。 ||せきばらい|||こつ||しずかに|| Wood cleared his throat and gently squeezed his bones.

「 いい か 、 野郎 ども 」 ||やろう| "Okay, guys"

「 あら 女性 も いる の よ 」 |じょせい|||| "Oh, there are women, too."

チェイサー の アンジェリーナ ・ ジョンソン が つけ加えた 。 |||||つけくわえた Chaser Angelina Johnson added the following

「 そして 女性 諸君 」 ウッド が 訂正 する 。 |じょせい|しょくん|||ていせい| "And ladies," Wood corrects. 「 いよいよ だ 」 "It's finally here."

「 大 試合 だ ぞ 」 フレッド ・ ウィーズリー が 声 を 張り上げた。 だい|しあい||||||こえ||はりあげた "It's a big game," Fred Weasley called out.

「 待ち望んで いた 試合 だ 」 ジョージ ・ ウィーズリー が 続けた 。 まちのぞんで||しあい||じょーじ|||つづけた "It's the game we've been waiting for," continued George Weasley.

「 オリバー の スピーチ なら 空 で 言える よ 。 ||すぴーち||から||いえる| "Oliver's speech can be said in the sky. 僕ら は 去年 も チーム に いた から ね 」 ぼくら||きょねん||ちーむ|||| We were on the team last year too. "

フレッド が ハリー に 話しかけた 。 ||||はなしかけた Fred spoke to Harry.

「 黙れ よ 。 だまれ| "Shut up. そこ の 二 人 」 と ウッド が たしなめた 。 ||ふた|じん|||| "Two of them there," Wood screamed.

「 今年 は 、 ここ 何 年 ぶり か の 最高の グリフィンドール ・ チーム だ 。 ことし|||なん|とし||||さいこうの||ちーむ| "This year is the best Gryffindor team we've had in years. この 試合 は 間違い なく いただき だ 」 |しあい||まちがい||| This match is definitely for you. "

そして ウッド は 「 負けたら 承知 し ない ぞ 」 と でも 言う ように 全員 を にらみつけた 。 |||まけたら|しょうち||||||いう||ぜんいん|| And Wood glanced at everyone, saying, "I don't know if I lose."

「 よ ー し 。 |-| "Alright. さあ 時間 だ 。 |じかん| Now it's time. 全員 、 頑張れ よ 」 ぜんいん|がんばれ|

ハリー は フレッド と ジョージ の 後 に ついて 更衣室 を 出た 。 ||||じょーじ||あと|||こういしつ||でた Harry followed Fred and George out of the changing room. 膝 が 震えません ように と 祈り ながら 、 大 歓声 に 迎えられて グラウンド に 出た 。 ひざ||ふるえ ませ ん|||いのり||だい|かんせい||むかえ られて|ぐらうんど||でた While praying that my knees would not tremble, I was welcomed by loud cheers and went out onto the ground. マダム ・ フーチ が 審判 だ 。 |||しんぱん| Madame Hooch is the referee. 競技 場 の 真ん中 に 立ち 、 箒 を 手 に 両 チーム を 待って いた 。 きょうぎ|じょう||まんなか||たち|そう||て||りょう|ちーむ||まって| I stood in the middle of the field, broom in hand, waiting for both teams.

「 さあ 、 皆さん 、 正々堂々 戦いましょう 」  全 選手 が 周り に 集まる の を 待って 先生 が 言った 。 |みなさん|せいせいどうどう|たたかい ましょう|ぜん|せんしゅ||まわり||あつまる|||まって|せんせい||いった "Come on, everyone, let's fight fair and square," said the teacher, waiting for all the players to gather around. どうも スリザリン の キャプテン 、 五 年生 の マーカス ・ フリント に 向かって 言って いる らしい こと に ハリー は 気づいた 。 |||きゃぷてん|いつ|ねんせい|||||むかって|いって|||||||きづいた Harry noticed that he seemed to be speaking to Slytherin's captain, Marcus Flint, a fifth grader. フリント つて 、 トロール の 血 が 流れて いる みたいだ 、 と ハリー は 思った 。 ||||ち||ながれて||||||おもった Harry thought that the blood of the trolls seemed to be flowing in the flint. ふと 旗 が 目 に 入った 。 |き||め||はいった Suddenly I saw a flag in my eyes. 「 ポッター を 大統領 に 」 と 点滅 し ながら 、 大 観衆 の 頭上 に 高々 と はためいて いる 。 ||だいとうりょう|||てんめつ|||だい|かんしゅう||ずじょう||たかだか||| It flutters high above the heads of the crowd, flashing "Potter for President." ハリー は 心 が 踊り 、 勇気 が わいて きた 。 ||こころ||おどり|ゆうき||| Harry's heart danced and his courage grew.

「 よ ー い 、 箒 に 乗って 」 |-||そう||のって

ハリー は ニンバス 2000 に またがった 。 Harry straddled the Nimbus 2000.

フーチ 審判 の 銀 の 笛 が 高らかに 鳴った 。 |しんぱん||ぎん||ふえ||たからかに|なった The silver whistle of referee Hooch blew loudly.

十五 本 の 箒 が 空 へ 舞い上がる 。 じゅうご|ほん||そう||から||まいあがる Fifteen brooms soar into the sky. 高く 、 さらに 高く 。 たかく||たかく High, even higher. 試合 開始 だ 。 しあい|かいし| It's the start of the game.

「 さて 、 クアッフル は たちまち グリフィンドール の アンジェリーナ ・ ジョンソン が 取りました ── 何て 素晴らしい チェイサー でしょう 。 |||||||||とり ました|なんて|すばらしい|| "Now, Quaffle was immediately taken by Gryffindor's Angelina Johnson-what a wonderful chaser! その 上 かなり 魅力的 であります 」 「 ジョーダン ! |うえ||みりょく てき|| Plus it's pretty attractive.” “Jordan! 」 「 失礼 しました 、 先生 」  双子 の ウィーズリー の 仲間 、 リー ・ ジョーダン が 、 マクゴナガル 先生 の 厳しい 監視 を 受け ながら 実況 放送 して いる 。 しつれい|し ました|せんせい|ふたご||||なかま|||||せんせい||きびしい|かんし||うけ||じっきょう|ほうそう|| "Excuse me, Sensei." Lee Jordan, a fellow Weasley twin, is broadcasting live under the strict supervision of Dr. McGonagall. 「 ジョンソン 選手 、 突っ走って おります 。 |せんしゅ|つっぱしって|おり ます "Mr Johnson, you're running fast. アリシア ・ スピネット に きれいな パス 。 ||||ぱす Alicia Spinnette with a clean pass. オリバー ・ ウッド は よい 選手 を 見つけた もの です 。 ||||せんしゅ||みつけた|| Oliver Wood has found a good player. 去年 は まだ 補欠 でした ── ジョンソン に クアッフル が 返る 、 そして ── あ 、 ダメです 。 きょねん|||ほけつ||||||かえる|||だめです Last year he was still a substitute--Johnson had a Quaffle back, and--oh, no. スリザリン が クアッフル を 奪いました 。 ||||うばい ました Slytherin took the Quaffle. キャプテン の マーカス ・ フリント が 取って 走る ── 鷲 の ように 舞い上がって おります ── ゴール を 決める か ── いや 、 グリフィンドール の キーパー 、 ウッド が 素晴らしい 動き で 、 ストップ しました 。 きゃぷてん|||||とって|はしる|わし|||まいあがって|おり ます|ごーる||きめる|||||きーぱー|||すばらしい|うごき||すとっぷ|し ました Captain Marcus Flint takes the lead - soars like an eagle - scores a goal - no, Gryffindor keeper Wood makes a great move and stops. クアッフル は 再び グリフィンドール へ ── あ 、 あれ は グリフィンドール の チェイサー 、 ケイティ ・ べ ル です 。 ||ふたたび|||||||||||| The Quaffle is back in Gryffindor—oh, that's Gryffindor's Chaser, Katie Bell. フリント の 周り で 素晴らしい 急 降下 です 。 ||まわり||すばらしい|きゅう|こうか| A great plunge around Flint. ゴール に 向かって 飛びます ── あいたっ! ごーる||むかって|とび ます|あいた っ He flies toward the goal! ── これ は 痛かった 。 ||いたかった ── This was painful. ブラッジャー が 後 頭部 に ぶつかりました ── クアッフル は スリザリン に 取ら れました ── 今度 は エイドリアン ・ ピュシー が ゴール に 向かって ダッシュ して います 。 ||あと|とうぶ||ぶつかり ました|||||とら|れ ました|こんど|||||ごーる||むかって|だっしゅ||い ます A bludger hits the back of the head—the quaffle has been taken by Slytherin—and now Adrian Pusey is dashing toward the finish line. しかし 、 これ は 別の ブラッジャー に 阻ま れました ── フレッド な の か ジョージ な の か 見分け は つきません が 、 ウィーズリー の どちら か が ねらい撃ち を かけました ── グリフィンドール 、 ビーター の ファインプレイ です ね 。 |||べつの|||はばま|れ ました|||||じょーじ||||みわけ||つき ませ ん|||||||ねらいうち||かけ ました|||||| But this was thwarted by another Bludger--it's hard to tell if it was Fred or George, but one of the Weasleys took aim--Gryffindor, Beater's fine play. hey . そして クアッフル は 再び ジョンソン の 手 に 。 |||ふたたび|||て| And Quaffle is back in Johnson's hands. 前方 に は 誰 も いま せ ん 。 ぜんぽう|||だれ|||| No one is in front of me. さあ 飛びだしました ── ジョンソン 選手 、 飛びます ── ブラッジャー が ものすごい スピード で 襲う の を かわします ── ゴール は 目の前 だ ── 頑張れ 、 今 だ 、 アンジェリーナ ── キーパー の ブレッチリー が 飛びつく ── が 、 ミス した ── グリフィンドール 先取点 ! |とびだし ました||せんしゅ|とび ます||||すぴーど||おそう|||かわし ます|ごーる||めのまえ||がんばれ|いま|||きーぱー||||とびつく||みす|||せんしゅてん Now take off--Johnson, fly--dodge Bludger's blazing speed attack--the goal is right in front of you--Go for it now, Angelina--keeper Bletchley pounces--but , I made a mistake--Gryffindor preemptive! 」 グリフィンドール の 大 歓声 が 寒空 いっぱい に 広がった 。 ||だい|かんせい||さむぞら|||ひろがった The great cheers of Gryffindor spread throughout the cold sky. スリザリン 側 から ヤジ と ため息 が 上がった 。 |がわ||||ためいき||あがった A sigh sighed from the Slytherin side.

「 ちょいと 詰めて くれ や 」 |つめて|| "Please pack a little"

「 ハグリッド ! "Hagrid! 」 ロン と ハーマイオニー は ギュッと 詰めて 、 ハグリッド が 一緒に 座れる よう 広く 場所 を 空けた 。 ||||ぎゅっと|つめて|||いっしょに|すわれる||ひろく|ばしょ||あけた Ron and Hermione squeezed together, leaving plenty of space for Hagrid to sit together. 「 俺 も 小屋 から 見て おった んだ が ……」 おれ||こや||みて||| "I was watching from the hut too..."

首 から ぶら下げた 大きな 双眼鏡 を ポンポン 叩き ながら ハグリッド が 言った 。 くび||ぶらさげた|おおきな|そうがんきょう||ぽんぽん|たたき||||いった Hagrid said, tapping on the large binoculars hanging from his neck.

「 やっぱり 、 観客 の 中 で 見る の と は また 違う ので な 。 |かんきゃく||なか||みる|||||ちがう|| "After all, it's different from what you see in the audience. スニッチ は まだ 現れ ん か 、 え ? |||あらわれ||| Snitch still showing up, eh? 」 「 まだ だ よ 。 " " not yet . 今 の ところ ハリー は あんまり する こと が ない よ 」 ロン が 答えた 。 いま|||||||||||||こたえた Harry hasn't done much so far, "Ron replied.

「 トラブル に 巻き込ま れ ん ように して おる んだろう が 。 とらぶる||まきこま||||||| "I wonder if you're trying to get into trouble. それ だけ でも ええ 」 That's all, yeah."

ハグリッド は 双眼鏡 を 上 に 向けて 豆 粒 の ような 点 を じっと 見た 。 ||そうがんきょう||うえ||むけて|まめ|つぶ|||てん|||みた Hagrid turned his binoculars up and stared at a bean-like dot. それ が ハリー だった 。 That was Harry.

はるか 上空 で 、 ハリー は スニッチ を 探して 目 を 凝らし ながら 、 試合 を 下 に 見て スイスイ 飛び回って いた 。 |じょうくう||||||さがして|め||こらし||しあい||した||みて|すいすい|とびまわって| Far above, Harry was squinting in search of a snitch, looking down at the match and flying around. これ が ハリー と ウッド の 立てた 作戦 だった 。 ||||||たてた|さくせん| This was Harry and Wood's plan.

「 スニッチ が 目 に 入る まで は 、 みんな から 離れて る んだ 。 ||め||はいる|||||はなれて|| "Until you see the snitch, you're away from everyone. 後 で どうしたって 攻撃 さ れる 。 あと||どうした って|こうげき|| I will be attacked later. それ まで は 攻撃 さ れる な 」 |||こうげき||| Until then, don't be attacked. "

と ウッド から 言われて いた 。 |||いわ れて| アンジェリーナ が 点 を 入れた 時 、 ハリー は 二 、 三 回 宙返り を して うれし さ を 発散 さ せた が 、 今 は また スニッチ 探し に 戻って いる 。 ||てん||いれた|じ|||ふた|みっ|かい|ちゅうがえり||||||はっさん||||いま||||さがし||もどって| When Angelina scored, Harry made a few somersaults to dissipate his joy, but now he's back in search of a snitch. 一 度 パッと 金色 に 光る もの が 見えた が 、 ウィーズリー の 腕 時計 が 反射 した だけ だった 。 ひと|たび|ぱっと|きんいろ||ひかる|||みえた||||うで|とけい||はんしゃ||| Once he saw a flash of gold, but only the reflection of Weasley's watch. また 一 度 は ブラッジャー が まるで 大砲 の 弾 の ような 勢い で 襲って きた が 、 ハリー は ヒラリ と かわし 、 その あと で フレッド ・ ウィーズリー が 玉 を 追いかけて やってきた 。 |ひと|たび|||||たいほう||たま|||いきおい||おそって|||||ひらり|||||||||たま||おいかけて| Once again, Bludger came at him like a cannonball, but Harry dodged it, and then Fred Weasley chased after the ball.

「 ハリー 、 大丈夫 か ? |だいじょうぶ| 」 そう 叫ぶ なり フレッド は 、 ブラッジャー を マーカス ・ フリント めがけて 勢い よく 叩きつけた 。 |さけぶ|||||||||いきおい||たたきつけた ' Fred yelled and slammed the Bludger at Marcus Flint. リー ・ ジョーダン の 実況 放送 は 続く 。 |||じっきょう|ほうそう||つづく

「 さて 今度 は スリザリン の 攻撃 です 。 |こんど||||こうげき| "Now it's time for Slytherin's attack. チェイサー の ビュシー は ブラッジャー を 二つ かわし 、 双子 の ウィーズリー を かわし 、 チェイサー の ベル を かわして 、 ものすごい 勢い で ゴ …… ちょっと 待って ください ── あれ は スニッチ か ? ||||||ふた つ||ふたご|||||||べる||||いきおい||||まって||||| Chaser Bussy dodges two Bludgers, dodges the Weasley twins, dodges Chaser's Bell, and goes ferociously... wait a minute - is that a snitch? 」 エイドリアン ・ ビュシー は 、 左 耳 を かすめた 金色 の 閃光 を 振り返る のに 気 を 取られて 、 クアッフル を 落として しまった 。 |||ひだり|みみ|||きんいろ||せんこう||ふりかえる||き||とら れて|||おとして| Adrian Bushy was distracted by looking back at the golden flash that grazed his left ear and dropped the quadruple. 観客 席 が ザワザワ と なった 。 かんきゃく|せき|||| The audience seats became noisy.

ハリー は スニッチ を 見た 。 ||||みた 興奮 の 波 が 一挙に 押し寄せて くる 。 こうふん||なみ||いっきょに|おしよせて| A wave of excitement rushes in at once. ハリー は 金色 の 光線 を 迫って 急 降下 した 。 ||きんいろ||こうせん||せまって|きゅう|こうか| Harry swooped down at the golden beam. スリザリン の シーカー 、 テレンス ・ ヒッグズ も 見つけた 。 ||||||みつけた I also found Slytherin Seeker Terrence Higgs. スニッチ を 追って 二 人 は 追いつ 追わ れ つ の 大 接戦 だ 。 ||おって|ふた|じん||おいつ|おわ||||だい|せっせん| Chasing the Snitch The two are in a close battle, chasing after each other. チェイサー たち も 自分 の 役目 を 忘れて しまった ように 、 宙 に 浮いた まま 眺めて いる 。 |||じぶん||やくめ||わすれて|||ちゅう||ういた||ながめて| The chasers are looking at them floating in the air, as if they had forgotten their role.

ハリー の ほう が ヒッグズ より 速かった ── 小さな ボール が 羽 を パタパタ さ せて 目の前 を 矢 の ように 飛んで いく の が はっきり 見えた ── ハリー は 一 段 と スパート を かけた 。 ||||||はやかった|ちいさな|ぼーる||はね|||||めのまえ||や|||とんで|||||みえた|||ひと|だん||すぱーと|| Harry was faster than Higgs—he could clearly see the little ball fluttering its wings and darting in front of him like an arrow—he spurred on.

グワーン ! Gwan! グリフィンドール 席 から 怒り の 声 が わきあがった 。 |せき||いかり||こえ|| A cry of anger rose from the Gryffindor seats. マーカス ・ フリント が わざと ハリー の 邪魔 を した のだ 。 ||||||じゃま||| Marcus Flint deliberately disturbed Harry. ハリー の 箒 は はじき出されて コース を 外れ 、 ハリー は かろうじて 箒 に しがみついて いた 。 ||そう||はじきださ れて|こーす||はずれ||||そう||| Harry's broom was kicked off course and Harry was barely holding on to it. 「 反則 だ ! はんそく| 」 と グリフィンドール 寮生 が 口々に 叫んだ 。 ||りょうせい||くちぐちに|さけんだ cried the Gryffindor students. フーチ 先生 は フリント に 厳重 注意 を 与え 、 グリフインドール に ゴール ・ ポスト に 向けて の フリー ・ シュート を 与えた 。 |せんせい||||げんじゅう|ちゅうい||あたえ|||ごーる|ぽすと||むけて|||しゅーと||あたえた Mr. Hooch gave Flint a stern warning and gave Gryffindor a free shot to the goal post. ゴタゴタ して いる うち に 、 スニッチ は また 見え なく なって しまった 。 ごたごた||||||||みえ||| While it was messing around, the snitch disappeared again.

下 の 観客 席 で は ディーン ・ トーマス が 大声 で 叫んで いる 。 した||かんきゃく|せき||||||おおごえ||さけんで| Dean Thomas is yelling out in the audience seats below.

「 退場 さ せろ 。 たいじょう|| "Let me go. 審判 ! しんぱん Referee! レッド カード だ ! れっど|かーど| It's a red card! 」 「 サッカー じ や ない んだ よ 、 ディーン 」 ロン が なだめた 。 さっかー||||||||| 'It's not football, Dean,' soothed Ron. 「 クィディッチ に 退場 は ない んだ よ 。 ||たいじょう|||| "Quiditch hasn't been sent off. ところで 、 レッドカードって 何 ? |レッドカード って|なん By the way, what is a red card? 」 ハグリッド は ディーン に 味方 した 。 ||||みかた| Hagrid sided with Dean. 「 ルール を 変える べきだ わ い 。 るーる||かえる||| "We should change the rules. フリント は もう ちっと で ハリー を 地上 に 突き落とす とこ だった 」  リー ・ ジョーダン の 中継 も 中立 を 保つ の が 難しく なった 。 |||||||ちじょう||つきおとす||||||ちゅうけい||ちゅうりつ||たもつ|||むずかしく| Flint almost threw Harry to the ground in a pinch.” Lee Jordan's broadcast also had a hard time staying neutral. 「 えー 、 誰 が 見て も はっきり と 、 胸くそ の 悪く なる ような インチキ の 後 ……」 |だれ||みて||||むね くそ||わるく|||いんちき||あと "Well, no matter who you look at, it's clear, after a bogus shit that makes your chest shit worse ..."

「 ジョーダン ! "Jordan! 」 マクゴナガル 先生 が すご み を きかせた 。 |せんせい||||| groaned Professor McGonagall.

「 えー と 、 おおっぴら で 不快な ファール の 後 ……」 ||||ふかいな|||あと "Well, after an open and unpleasant foul ..."

「 ジョーダン 、 いいかげんに し ない と ──」 "Jordan, I have to do it ──"

「 はい 、 はい 、 了解 。 ||りょうかい フリント は グリフィンドール の シーカー を 殺し そうに なりました 。 ||||||ころし|そう に|なり ました Flint almost killed the Seeker of Gryffindor. 誰 に でも あり 得る ような ミス です ね 、 きっと 。 だれ||||える||みす||| It's a mistake that anyone can make, I'm sure. そこ で グリフィンドール の ペナルティー ・ シュート です 。 ||||ぺなるてぃー|しゅーと| That's the Gryffindor penalty shot. スピネット が 投げました 。 ||なげ ました Spinnette threw the ball. 決まりました 。 きまり ました It was decided. さあ 、 ゲーム 続行 。 |げーむ|ぞっこう Let's continue the game. クアッフル は グリフィンドール が 持った まま です 」 ||||もった|| The Quaffle still belongs to Gryffindor."

二 度 目 の ブラッジャー を ハリー が かわし 、 玉 が 獰猛に 回転 し ながら ハリー の 頭上 を スレスレ に 通り過ぎた ちょうど その 時 …… 箒 が 急に 肝 を 冷やす ような 揺れ 方 を した 。 ふた|たび|め|||||||たま||どうもうに|かいてん|||||ずじょう||||とおりすぎた|||じ|そう||きゅうに|かん||ひやす||ゆれ|かた|| Harry fends off the second Bradger, and the ball spins fiercely and passes over Harry's head to the thresle. Just then ... the broom suddenly shook his liver. 一瞬 、 落ちる と 思った。 いっしゅん|おちる||おもった I was grateful when I fell for a moment. ハリー は 両手 と 膝 で 箒 を しっかり 押さえた 。 ||りょうて||ひざ||そう|||おさえた Harry held the broom firmly between his hands and knees. こんな の は 初めて だ 。 |||はじめて| This is my first time.

また 来た 。 |きた I came again. 箒 が ハリー を 振り落とそう と して いる みたいだ 。 そう||||ふりおとそう|||| It looks like the broom is trying to shake Harry off. しかし 、 ニンバス 2000 が 急に 乗り手 を 振り落とそう と したり する わけ が ない 。 |||きゅうに|のりて||ふりおとそう|||||| However, the Nimbus 2000 cannot suddenly try to shake off the rider. ハリー は 向き を 変えて グリフィンドール の ゴール ・ ポスト の 方 に 行こう と した 。 ||むき||かえて|||ごーる|ぽすと||かた||いこう|| Harry turned to go towards the Gryffindor goalposts. ウッド に タイム を 取って もらおう か 、 どう しよう か 、 ハリー は 決め かねて いた 。 ||たいむ||とって||||||||きめ|| Harry couldn't decide whether to get Wood to take the time. ところが 気 が つく と 箒 は まったく 言う こと を 聞か なく なって いた 。 |き||||そう|||いう|||きか||| However, when he noticed, the broom had not heard anything at all. 方向 転換 が でき ない 。 ほうこう|てんかん||| I can't change direction. 全然 方向 が 指示 でき ない 。 ぜんぜん|ほうこう||しじ|| I can't get any direction at all. 空中 を ジグザグに 飛び 、 時々 シューッ と 激しく 揺れ 動いて 、 ハリー は あわや 振り落とさ れる ところ だった 。 くうちゅう||じぐざぐに|とび|ときどき|||はげしく|ゆれ|うごいて||||ふりおとさ||| Harry was about to be shaken off, flying in a zigzag in the air, sometimes swaying violently.

リー は 実況 放送 を 続けて いる 。 ||じっきょう|ほうそう||つづけて| Lee continues to broadcast live.

「 スリザリン の 攻撃 です ── クアッフル は フリント が 持って います ── スピネット が 抜か れた ── ベル が 抜か れた ── あ 、 ブラッジャー が フリント の 顔 に ぶつかりました 。 ||こうげき||||||もって|い ます|||ぬか||べる||ぬか|||||||かお||ぶつかり ました "It's Slytherin's attack -- the Quaffle is in Flint's hands -- the spinet is pulled out -- the bell is pulled out -- oh, the Bludger hits Flint in the face. 鼻 を へし折る と いい んです が ── ほんの 冗談 です 、 先生 ── スリザリン 得点 です ── あー あ ……」 はな||へしおる||||||じょうだん||せんせい||とくてん||| I'd break your nose, but I'm just kidding, sir. - Slytherin, you score points.

スリザリン は 大 歓声 だった 。 ||だい|かんせい| The Slytherins cheered loudly. ハリー の 箒 が 変な 動き を して いる こと に 誰 も 気づか ない ようだ 。 ||そう||へんな|うごき||||||だれ||きづか|| No one seems to notice that Harry's broom is behaving strangely.

ハリー を 乗せた まま 、 グイッ と 動いたり 、 ピクピクッ と 動いたり し ながら 、 上 へ 、 上 へ 、 ゆっくり と ハリー を 試合 から 引き離して いった 。 ||のせた||||うごいたり|||うごいたり|||うえ||うえ||||||しあい||ひきはなして| With Harry on board, he slowly moved up, up, and slowly away from the game, moving with a jerk and a jerk.

「 一体 ハリー は 何 を し とる んだ 」 いったい|||なん|||| "What the hell is Harry doing?"

双眼鏡 で ハリー を 見て いた ハグリッド が ブツブツ 言った 。 そうがんきょう||||みて||||ぶつぶつ|いった

「 あれ が ハリー じゃ なけりゃ 、 箒 の コントロール を 失った んじゃ ない か と 思う わな …… しかし ハリー に かぎって そんな こ た ぁ ……」 |||||そう||こんとろーる||うしなった|||||おもう||||||||| "If that wasn't Harry, I think I'd lost control of the broom ... But only Harry was like that ..."

突然 、 観客 が あちこち で いっせいに ハリー の ほう を 指さした 。 とつぜん|かんきゃく|||||||||ゆびさした Suddenly, the audience pointed in unison in Harry's direction. 箒 が グルグル 回り はじめた のだ 。 そう||ぐるぐる|まわり|| ハリー は かろうじて しがみついて いる 。 次の 瞬間 、 全員 が 息 を のんだ 。 つぎの|しゅんかん|ぜんいん||いき|| 箒 は 荒々しく 揺れ 、 ハリー を 振り 飛ばし そうだ 。 そう||あらあらしく|ゆれ|||ふり|とばし|そう だ The broom sways violently and seems to shake Harry away. 今や ハリー は 片手 だけ で 箒 の 柄 に ぶら下がって いる 。 いまや|||かたて|||そう||え||ぶらさがって| Harry was now hanging from the broom handle with only one hand.

「 フリント が ぶつかった 時 、 どうかしちゃった の かな ? |||じ|どうかしちゃ った|| "What happened when the flint hit? 」 シェーマス が つぶやいた 。 「 そんな こ た ぁ ない 。 "It's not like that. 強力な 闇 の 魔術 以外 、 箒 に 悪 さ は でき ん 。 きょうりょくな|やみ||まじゅつ|いがい|そう||あく|||| Other than the powerful magic of darkness, there is nothing wrong with the broom. チビ ども な ん ぞ 、 ニンバス 2000 に は そんな 手出し は でき ん 」 |||||||||てだし||| Chibi, you can't do that with the Nimbus 2000. "

ハグリッド の 声 は ブルブル 震えて いた 。 ||こえ||ぶるぶる|ふるえて| Hagrid's voice was quivering.

その 言葉 を 聞く や ハーマイオニー は ハグリッド の 双眼鏡 を ひったくり 、 ハリー の 方 で は なく 、 観客 席 の 方 を 気 が 狂った ように 見回した 。 |ことば||きく||||||そうがんきょう|||||かた||||かんきゃく|せき||かた||き||くるった||みまわした Upon hearing the statement, Hermione snatched Hagrid's binoculars and looked madly at the audience, not at Harry.

「 何 して る んだ よ 」 真っ青な 顔 で ロン が うめいた 。 なん|||||まっさおな|かお|||| "What are you doing?" Ron moaned pale.

「 思った とおり だ わ 」 ハーマイオニー は 息 を のんだ 。 おもった||||||いき|| "It's exactly what I expected." Hermione took a breath.

「 スネイプ よ …… 見て ごらん なさい 」 ||みて|| "It's Snape. Go to ...... and watch."

ロン が 双眼鏡 を もぎ取った 。 ||そうがんきょう||もぎとった Ron stripped off his binoculars. むかい 側 の 観客 席 の 真ん中 に スネイプ が 立って いた 。 |がわ||かんきゃく|せき||まんなか||||たって| Snape stood in the middle of the audience seats on the other side. ハリー から 目 を 離さ ず 絶え間 なく ブツブツ つぶやいて いる 。 ||め||はなさ||たえま||ぶつぶつ|| Keeping an eye on Harry, he is constantly muttering.

「 何 か して る ── 箒 に 呪い を かけて る 」 ハーマイオニー が 言った 。 なん||||そう||まじない||||||いった "What are you doing - cursing the broom," said Hermione.

「 僕たち 、 どう すりゃ いい んだ ? ぼくたち|||| "What should we do? 」 「 私 に 任せて 」 わたくし||まかせて "Leave it to me" ロン が 次の 言葉 を 言う 前 に 、 ハーマイオニー の 姿 は 消えて いた 。 ||つぎの|ことば||いう|ぜん||||すがた||きえて| Hermione had disappeared before Ron said the following words: ロン は 双眼鏡 を ハリー に 向けた 。 ||そうがんきょう||||むけた Ron pointed his binoculars at Harry. 箒 は 激しく 震え 、 ハリー も これ 以上 つかまって いられ ない ようだった 。 そう||はげしく|ふるえ||||いじょう||いら れ|| The broom shook so violently that Harry couldn't seem to hold on to it any longer. 観客 は 総立ち だ 。 かんきゃく||そうだち| The audience is standing up.

恐怖 で 顔 を 引きつら せて 見て いる 。 きょうふ||かお||ひきつら||みて| I'm looking at it with my face pulled in fear. 双子 の ウィーズリー が ハリー に 近づいて いった 。 ふたご||||||ちかづいて| The twin Weasley approached Harry. 自分 たち の 箒 に 乗り移ら せよう と した が 、 ダメだ 。 じぶん|||そう||のりうつら|||||だめだ I tried to get them to move to their broom, but it didn't work. 近づく たび 、 ハリー の 箒 は さらに 高く 飛び上がって しまう 。 ちかづく||||そう|||たかく|とびあがって| Harry's broomstick flew higher each time he got closer. 双子 は ハリー の 下 で 輪 を 描く ように 飛び はじめた 。 ふたご||||した||りん||えがく||とび| The twins began to fly in a circle under Harry. 落ちて きたら 下 で キャッチ する つもり らしい 。 おちて||した||きゃっち||| It seems that he intends to catch it below when it falls. マーカス ・ フリント は クアッフル を 奪い 、 誰 に も 気づか れ ず 、 五 回 も 点 を 入れた 。 |||||うばい|だれ|||きづか|||いつ|かい||てん||いれた Marcus Flint robbed Quaffle and scored five times, unnoticed by anyone.

「 はやく して くれ 、 ハーマイオニー 」 ロン は 必死で つぶやいた 。 ||||||ひっしで| "Hurry up, Hermione," Ron muttered desperately.

ハーマイオニー は 観衆 を 掻き分け 、 スネイプ が 立って いる スタンド に たどりつき 、 スネイプ の 一 つ 後ろ の 列 を 疾走 して いた 。 ||かんしゅう||かきわけ|||たって||すたんど|||||ひと||うしろ||れつ||しっそう|| Hermione squeezed through the crowd, arriving at the stand where Snape was standing, and sprinting in the row behind Snape. 途中 で クィレル と ぶつかって なぎ倒し 、 クィレル は 頭から つんのめる ように 前 の 列 に 落ちた が 、 ハーマイオニー は 、 立ち止まり も 謝り も し なかった 。 とちゅう|||||なぎたおし|||あたまから|||ぜん||れつ||おちた||||たちどまり||あやまり||| Along the way, he bumped into Quirel and knocked him down, and Quirel fell to the front row, squeezing from his head, but Hermione did not stop or apologize. スネイプ の 背後 に 回った ハーマイオニー は そっと うずくまり 、 杖 を 取り出し 、 二 言 三 言 しっかり 言葉 を 選んで つぶやいた 。 ||はいご||まわった|||||つえ||とりだし|ふた|げん|みっ|げん||ことば||えらんで| Hermione, who turned behind Snape, gently crouched, took out the wand, and muttered a few words. 杖 から 明るい ブルー の 炎 が 飛び出し 、 スネイプ の マント の 裾 に 燃え 移った 。 つえ||あかるい|ぶるー||えん||とびだし|||まんと||すそ||もえ|うつった A bright blue flame popped out of the wand and burned to the hem of Snape's cloak. 三十 秒 も する と 、 スネイプ は 自分 に 火 が ついて いる の に 気づいた 。 さんじゅう|びょう||||||じぶん||ひ||||||きづいた After thirty seconds, Snape noticed that he was on fire. 鋭い 悲鳴 が 上がった ので 、 ハーマイオニー は これ で うまく いった と わかった 。 するどい|ひめい||あがった||||||||| Hermione knew it worked, because there was a sharp shriek. 火 を すくい取り 、 小さな 空き瓶 に 納め 、 ポケット に 入れる と 、 人ごみ に 紛れ込んだ ── スネイプ は 何 が 起こった の か わから ず じまい だろう 。 ひ||すくいとり|ちいさな|あきびん||おさめ|ぽけっと||いれる||ひとごみ||まぎれこんだ|||なん||おこった|||||| I scooped up the fire, put it in a small empty jar, put it in my pocket, and it got into the crowd ── Snape wouldn't know what had happened.

それ で 充分 だった 。 ||じゅうぶん| That was enough. 空中 の ハリー は 再び 箒 に またが れる ように なって いた 。 くうちゅう||||ふたたび|そう||また が|||| Harry in the air was once again straddling the broom.

「 ネビル 、 もう 見て も 怖く ない よ ! ||みて||こわく|| "Neville, I'm not afraid to look anymore! 」 ロン が 呼びかけた 。 ||よびかけた ' called Ron. ネビル は この 五 分間 、 ハグリッド の ジャケット に 顔 を 埋めて 泣きっぱなし だった 。 |||いつ|ぶん かん|||じゃけっと||かお||うずめて|なき っぱなし| Neville spent the last five minutes crying with his face buried in Hagrid's jacket. ハリー は 急 降下 した 。 ||きゅう|こうか| Harry plummeted. 観衆 が 見た の は 、 ハリー が 手 で 口 を パチン と 押さえた ところ だった 。 かんしゅう||みた|||||て||くち||||おさえた|| The crowd saw Harry snapping his mouth with his hand.

まるで 吐こう と して いる ようだ ── 四 つ ん 這い に なって 着地 した ── コホン ── 何 か 金色 の 物 が ハリー の 手 の 平 に 落ちた 。 |はこう|||||よっ|||はい|||ちゃくち|||なん||きんいろ||ぶつ||||て||ひら||おちた As if he was going to vomit--he landed on all fours--cohon--something golden fell into Harry's palm.

「 スニッチ を 取った ぞ ! ||とった| "I caught the snitch! 」 頭上 高く スニッチ を 振りかざし 、 ハリー が 叫んだ 。 ずじょう|たかく|||ふりかざし|||さけんだ yelled Harry, brandishing the Snitch high above his head. 大 混乱 の 中 で 試合 は 終わった 。 だい|こんらん||なか||しあい||おわった The match was over in the midst of great turmoil.

「 あいつ は 取った んじゃ ない 。 ||とった|| "He didn't take it. 飲み込んだ んだ 」 のみこんだ| I swallowed it."

二十 分 たって も フリント は まだ 喚 いて いた が 、 結果 は 変わら なかった 。 にじゅう|ぶん||||||かん||||けっか||かわら| Twenty minutes later, Flint was still screaming, but the results did not change. ハリー は ルール を 破って は いない 。 ||るーる||やぶって|| Harry didn't break any rules. リー ・ ジョーダン は 大喜びで 、 まだ 試合 結果 を 叫び 続けて いた 。 |||おおよろこびで||しあい|けっか||さけび|つづけて| Lee Jordan was overjoyed and still screaming for the outcome of the match.

「 グリフィンドール 、 一七〇 対 六〇 で 勝ちました ! |いちしち|たい|むっ||かち ました "Gryffindor won 170 vs. 60! 」 一方 、 ハリー は 試合 の 後 も 続いた 騒ぎ の 渦中 に は い なかった 。 いっぽう|||しあい||あと||つづいた|さわぎ||かちゅう|||| Harry, on the other hand, wasn't in the midst of the turmoil that continued after the match. ロン 、 ハーマイオニー と 一緒に ハグリッド の 小屋 で 、 濃い 紅茶 を 入れて もらって いた のだ 。 |||いっしょに|||こや||こい|こうちゃ||いれて||| Ron and Hermione were in Hagrid's hut and had a strong cup of tea.

「 スネイプ だった んだ よ 」 と ロン が 説明 した 。 |||||||せつめい| "It was Snape," explained Ron.

「 ハーマイオニー も 僕 も 見た んだ 。 ||ぼく||みた| "Both Hermione and I saw it. 君 の 箒 に ブツブツ 呪い を かけて いた 。 きみ||そう||ぶつぶつ|まじない||| I was cursing your broom. ずっと 君 から 目 を 離さ ず に ね 」 |きみ||め||はなさ||| Never take my eyes off you."

「 バカな 」 ばかな " stupid "

ハグリッド は 自分 の すぐ そば の 観客 席 で の やりとり を 、 試合 中 一言 も 聞いて い なかった のだ 。 ||じぶん|||||かんきゃく|せき|||||しあい|なか|いちげん||きいて||| Hagrid hadn't heard a single word during the match about the conversation in the audience seats right next to him.

「 なんで スネイプ が そんな こと を する 必要 が ある んだ ? |||||||ひつよう||| "Why does Snape need to do that? 」 三 人 は 互いに 顔 を 見合わせ 、 どう 言おう か と 迷って いた が 、 ハリー は 本当の こと を 言おう と 決めた 。 みっ|じん||たがいに|かお||みあわせ||いおう|||まよって|||||ほんとうの|||いおう||きめた The three looked at each other and were wondering what to say, but Harry decided to tell the truth. 「 僕 、 スネイプ に ついて 知って る こと が ある んだ 。 ぼく||||しって||||| "I have something I know about Snape. あいつ 、 ハロウィーン の 日 、 三 頭 犬 の 裏 を か こう と して 噛ま れた んだ よ 。 |||ひ|みっ|あたま|いぬ||うら||||||かま||| He was bitten on Halloween day, trying to scratch the back of a three-headed dog. 何か知ら ない けど 、 あの 犬 が 守って る もの を スネイプ が 盗ろう とした んじゃ ない か と 思う んだ 」 なにかしら||||いぬ||まもって||||||ぬす ろう|と した|||||おもう| I don't know anything, but I wonder if Snape tried to steal what the dog was protecting. "

ハグリッド は ティーポット を 落とした 。 ||||おとした Hagrid dropped the teapot.

「 なんで フラッフィー を 知って る んだ ? |||しって|| "How do you know Fluffy? 」 「 フラッフィー ? 」 「 そう 、 あいつ の 名前 だ ── 去年 パブ で 会った ギリシャ 人 の やつ から 買った んだ ── 俺 が ダンブルドア に 貸した 。 |||なまえ||きょねん|||あった|ぎりしゃ|じん||||かった||おれ||||かした 'Yes, that's his name--I got it from a Greek guy I met in a pub last year--I lent it to Dumbledore. 守る ため ……」 まもる| To protect..."

「 何 を ? なん| 」 ハリー が 身 を 乗り出した 。 ||み||のりだした Harry leaned forward.

「 もう 、 これ 以上 聞 かんで くれ 。 ||いじょう|き|| "Now, listen to me no more. 重大 秘密な んだ 、 これ は 」 じゅうだい|ひみつな||| It's a big secret, this is

ハグリッド が ぶっきらぼうに 言った 。 |||いった Hagrid bluntly said.

「 だけど 、 スネイプ が 盗もう と した んだ よ 」 |||ぬすもう|||| "But Snape tried to steal it."

ハグリッド は また 「 バカな 」 を 繰り返した 。 |||ばかな||くりかえした Hagrid repeated "Fool" again.

「 スネイプ は ホグワーツ の 教師 だ 。 ||||きょうし| Snape is a teacher at Hogwarts. そんな こと する わけなかろう 」 I don't think I'll do that. "

「 なら どうして ハリー を 殺そう と した の ? ||||ころそう||| "Then why did you try to kill Harry? 」 ハーマイオニー が 叫んだ 。 ||さけんだ cried Hermione.

午後 の 出来事 が 、 スネイプ に 対する ハーマイオニー の 考え を 変え させた ようだ 。 ごご||できごと||||たいする|||かんがえ||かえ|さ せた| The afternoon events seem to have changed Hermione's thinking about Snape.

「 ハグリッド 。 私 、 呪い を かけて る か どう か 、 一目 で わかる わ 。 わたくし|まじない|||||||いちもく||| I can tell at a glance whether I'm cursing or not. たくさん 本 を 読んだ んだ から ! |ほん||よんだ|| I read a lot of books! じ ーっと 目 を そらさ ず に 見 続ける の 。 |- っと|め|||||み|つづける| Keep looking at it without looking away. スネイプ は 瞬き 一 つ し なかった わ 。 ||まばたき|ひと|||| Snape didn't even blink. この 目 で 見た んだ から ! |め||みた|| I saw it with my own eyes! 」 「 おまえ さん は 間違っと る ! |||まちが っと| You are wrong! 俺 が 断言 する 」 おれ||だんげん| I affirm. "

ハグリッド も 譲ら ない 。 ||ゆずら| Hagrid will not give up either.

「 俺 は ハリー の 箒 が 何で あんな 動き を した ん か は わから ん 。 おれ||||そう||なんで||うごき||||||| "I don't know why Harry's broom did that. だが スネイプ は 生徒 を 殺そう と したり は せ ん 。 |||せいと||ころそう||||| But Snape would never try to kill a student. 三 人 と も よく 聞け 。 みっ|じん||||きけ All three of you, listen carefully. おまえ さん たち は 関係 の ない こと に 首 を 突っ込 ん ど る 。 ||||かんけい|||||くび||つっこ||| You guys poke your neck into something that has nothing to do with it. 危険 だ 。 きけん| あの 犬 の こと も 、 犬 が 守って る 物 の こと も 忘れる んだ 。 |いぬ||||いぬ||まもって||ぶつ||||わすれる| Forget about that dog and what it's guarding. あれ は ダンブルドア 先生 と ニコラス ・ フラメル の ……」 |||せんせい||||

「 あっ! 」 ハリー は 聞き逃さ なかった 。 ||ききのがさ| Harry didn't miss it. 「 ニコラス ・ フラメルって いう 人 が 関係 して る んだ ね ? |フラメル って||じん||かんけい|||| "There's a guy named Nicolas Flamel involved, right? 」 ハグリッド は 口 が 滑った 自分 自身 に 強烈に 腹 を 立てて いる ようだった 。 ||くち||すべった|じぶん|じしん||きょうれつに|はら||たてて|| Hagrid seemed to be very angry with himself, who had a slippery mouth.