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1 - Harry Potter, 10.2 ハロウィーン

10.2 ハロウィーン

毎日 たっぷり 宿題 が ある 上 、 週 三 回 の クィディッチ の 練習 で 忙しく なった 。 その せい か 、 気 が つく と 、 なんと ホグワーツ に 来て から もう 二 カ月 も 経って いた 。 今では プリベット 通り より も 城 の 方 が 自分 の 家 だ と いう 気 が して いた 。 授業 の 方 も 、 基礎 が だいぶ わかって きた ので おもしろく なって きた 。

ハロウィーン の 朝 、 パンプキンパイ を 焼く おいし そうな 匂い が 廊下 に 漂って きて 、 みんな 目 を 覚ました 。 もっと 嬉しい こと に 、「 妖精 の 魔法 」 の 授業 で フリットウィック 先生 が 、 そろそろ 物 を 飛ばす 練習 を しましょう と 言った 。 先生 が ネビル の ヒキガエル を ブンブン 飛び回ら せる の を 見て から と いう もの 、 みんな やって み たくて たまらなかった 。 先生 は 生徒 を 二 人 ずつ 組ま せて 練習 さ せた 。 ハリー は シェーマス ・ フィネガン と 組んだ ( ネビル が ハリー と 組み たくて じっと こっち を 見て いた ので 、 これ で ホッと した )。 ロン は 、 なんと 、 ハーマイオニー と 組む こと に なった 。 二 人 と も これ に は カンカン だった 。 ハリー が 箒 を 受け取って 以来 、 ハーマイオニー は 一 度 も 二 人 と 口 を きいて い なかった 。

「 さあ 、 今 まで 練習 して きた しなやかな 手首 の 動かし 方 を 思い出して 」

いつも の ように 積み重ねた 本 の 上 に 立って 、 フリットウィック 先生 は キーキー 声 で 言った 。

「 ビューン 、 ヒョイ 、 です よ 。 いい です か 、 ビューン 、 ヒョイ 。 呪文 を 正確に 、 これ も また 大切です よ 。 覚えてます ね 、 あの 魔法使い バルッフィオ は 、『 f 』 で なく 『 s 』 の 発音 を した ため 、 気 が ついたら 、 自分 が 床 に 寝転んで バッファロー が 自分 の 胸 に 乗っかって いました ね 」 これ は とても 難しかった 。 ハリー も シェーマス も ビューン 、 ヒョイ 、 と やった のに 、 空中 高く 浮く はずの 羽 は 机 の 上 に はりついた まま だ 。 シェーマス が かんしゃく を 起こして 、 杖 で 羽 を 小突いて 火 を つけて しまった ので 、 ハリー は 帽子 で 火 を 消す はめになった 。 隣 の ロン も 、 似たり寄ったり の 惨め さ だった 。

「 ウィンガデイアム レヴィオーサ ! 」 長い 腕 を 風車 の ように 振り回して ロン が 叫んで いる 。 ハーマイオニー の とんがった 声 が 聞こえる 。

「 言い 方 が まちがって る わ 。 ウィン 、 ガー ・ デイアム レヴィ ・ オーサ 。 『 ガー 』 と 長一 く きれいに 言わ なくちゃ 」

「 そんなに よく ご存知 なら 、 君 が やって みろ よ 」 と ロン が 怒鳴って いる 。

ハーマイオニー は ガウン の 袖 を まくり 上げて 杖 を ビューン と 振り 、 呪文 を 唱えた 。

「 ウィンガーデイアム レヴィオーサ ! 」 すると 、 羽 は 机 を 離れ 、 頭上 一・二 メートル ぐらい の 所 に 浮いた で は ない か 。 「 オーッ 、 よく できました ! 」 先生 が 拍手 を して 叫んだ 。 「 皆さん 、 見て ください 。 グレンジャー さん が やりました ! 」 クラス が 終わった 時 、 ロン は 最悪の 機嫌 だった 。 「 だ から 、 誰 だって あいつ に は 我慢 でき ないって いう んだ 。 まったく 悪夢 みたいな ヤツ さ 」

廊下 の 人ごみ を 押し 分け ながら 、 ロン が ハリー に 言った 。

誰 か が ハリー に ぶつかり 、 急いで 追い越して いった 。 ハーマイオニー だ 。 ハリー が 顔 を チラッ と 見る と ── 驚いた こと に 、 泣いて いる !

「 今 の 、 聞こえた みたい 」 と ハリー 。

「 それ が どうした ? 」 ロン も 少し 気 に して いた が 、「 誰 も 友達 が いないって こと は とっくに 気 が ついて いる だろう さ 」 と 言った 。 ハーマイオニー は 次の クラス に 出て 来 なかった し 、 その 日 の 午後 は 一 度 も 見かけ なかった 。 ハロウィーン の ご馳走 を 食べ に 大広間 に 向かう 途中 、 パーバティ ・ パチル が ラベンダー に 話して いる の を ハリー たち は 小 耳 に はさんだ 。 ハーマイオニー が トイレ で 泣いて いて 、 一 人 に して くれ と 言った らしい 。 ロン は また 少し バツ の 悪 そうな 額 を した が 、 大広間 で ハロウィーン の 飾りつけ を 見た 瞬間 、 ハーマイオニー の こと など 二 人 の 頭 から 吹っ飛んで しまった 。

千 匹 も の こうもり が 壁 や 天井 で 羽 を ば たつ か せ 、 もう 千 匹 が 低く たれこめた 黒雲 の ように テーブル の すぐ 上 まで 急 降下 し 、 くり抜いた かぼちゃ の 中 の ろうそく の 炎 を ちらつかせた 。 新 学期 の 始まり の 時 と 同じ ように 、 突如 金色 の 皿 に 乗った ご馳走 が 現れた 。

ハリー が 皮 つき ポテト を 皿 に よ そって いた ちょうど その 時 、 クィレル 先生 が 全速力 で 部屋 に かけこんで 来た 。 ターバン は ゆがみ 、 顔 は 恐怖 で 引きつって いる 。 みんな が 見つめる 中 を 、 クィレル 先生 は ダンブルドア 先生 の 席 まで たどり着き 、 テーブル に もたれかかり 、 あえぎあえぎ 言った 。

「 トロール が …… 地下 室 に …… お 知らせ し なくて は と 思って 」

クィレル 先生 は その場で バッタリ と 気 を 失って しまった 。

大 混乱 に なった 。 ダンブルドア 先生 が 杖 の 先 から 紫色 の 爆竹 を 何度 か 爆発 さ せて 、 やっと 静かに さ せた 。

「 監督 生 よ 」

重々しい ダンブルドア 先生 の 声 が 轟いた 。

「 すぐさま 自分 の 寮 の 生徒 を 引率 して 寮 に 帰る ように 」

パーシー は 水 を 飲み込んだ 。

「 僕 に ついて 来て ! 一 年生 は みんな 一緒に 固まって ! 僕 の 言う とおり に して いれば 、 トロール は 恐 る る に 足ら ず ! さあ 、 僕 の 後ろ に ついて 離れ ないで ! 道 を 開けて くれ 。 一 年生 を 通して くれ ! 道 を 開けて 。 僕 は 監督 生 です ! 」 「 いったい どう やって トロール は 入って きた んだろう 」 階段 を 上がり ながら ハリー は ロン に 聞いた 。 「 僕 に 聞いた って 知ら ない よ 。 トロールって 、 とっても バカな ヤツ らしい よ 。 もしかしたら ハロウィーン の 冗談 の つもり で 、 ピーブズ が 入れた の か な 」 と ロン が 答えた 。

みんな が あっちこっち の 方向 に 急いで いた 。 いろんな グループ と すれ違い 、 右往左往 して いる ハッフルパフ の 一団 を 掻き分けて 進もう と して いた ちょうど その 時 、 ハリー が 突然 ロン の 腕 を つかんだ 。

「 ちょっと 待って …… ハーマイオニー だ 」

「 あいつ が どうかした かい ? 」 「 トロール の こと 知ら ない よ 」 ロン が 唇 を かんだ 。

「 わかった 。 だけど パーシー に 気づか れ ない ように し なきゃ 」

ヒョイ と 屈 んで 、 二 人 は 反対 方向 に 行く ハッフルパフ 寮生 に 紛れ込み 、 誰 も い なく なった 方 の 廊下 を すり抜け 、 女子 用 トイレ へ と 急いだ 。 角 を 曲がった とたん 、 後ろ から 急ぎ足 で やってくる 音 が 聞こえた 。

「 パーシー だ ! 」 ロン が ささやき 、 怪獣 グリフィン の 大きな 石像 の 後ろ に ハリー を 引っ張り込んだ 。 石像 の 陰 から 目 を 凝らして 見る と 、 パーシー で は なく スネイプ だった 。 廊下 を 渡り 、 視界 から 消えて いった 。

「 何 して る んだろう 。 どうして 他の 先生 と 一緒に 地下 室 に 行か ない んだろう 」

ハリー が つぶやいた 。

「 知る もん か 」

スネイプ の 足音 が だんだん 消えて いく 方 を 耳 で 迫って 、 二 人 は できる だけ 音 を たて ない ように 身 を 屈めて 廊下 を 歩いて いった 。

「 スネイプ は 四 階 の 方 に 向かって る よ 」 と 言う ハリー を ロン が 手 を 上げて 制した 。

「 なに か 匂わ ない か ? 」 ハリー が クンクン と 鼻 を 使う と 、 汚れた 靴下 と 、 掃除 を した こと が ない 公衆 トイレ の 匂い を 混ぜた ような 悪臭 が 鼻 を ついた 。 次に 音 が 聞こえた …… 低い プァープァー と いう うなり 声 、 巨大な 足 を 引きずる ように 歩く 音 。 ロン が 指さした …… 廊下 の むこう 側 左手 から 何 か 大きな 物 が こっち に 近づいて 来る 。 二 人 が 物 影 に 隠れて 身 を 縮めて いる と 、 月 明り に 照らさ れた 場所 に その 大きな 物 が ヌーッ と 姿 を 現した 。

恐ろしい 光景 だった 。 背 は 四 メートル も あり 、 墓石 の ような 鈍い 灰色 の 肌 、 岩石 の ように ゴツゴツ の ずんぐり した 巨体 、 ハゲ た 頭 は 小さく 、 ココナッツ が ちょこんと 載って いる ようだ 。 短い 脚 は 木 の 幹 ほど 太く 、 コブ だらけ の 平たい 足 が ついて いる 。 ものすごい 悪臭 を 放って いる 。 腕 が 異常に 長い ので 、 手 に した 巨大な 棍棒 は 床 を 引きずって いる 。

トロール は ドア の 前 で 立ち止まり 、 中 を じっと 見た 。 長い 耳 を ピク つか せ 、 中身 の ない 頭 で 考えて いた が 、 やがて 前屈み に ノロノロ と 中 に 入った 。

「 鍵 穴 に 鍵 が ついた まま だ 。 あいつ を 閉じ込められる 」 ハリー が 声 を 殺して 言った 。 「 名案 だ 」 ロン の 声 は ビクビク して いる 。

トロール が 出て きません ように と 祈り ながら 、 二 人 は 開けっぱなし の ドア の 方 に ジリジリ と 進んだ 。 喉 が カラカラ だった 。 最後 の 一 歩 は 大きく ジャンプ して 、 ハリー は 鍵 を つかみ ドア を ぴしゃり と 閉めて 鍵 を かけた 。

「 やった ! 」 勝利 に 意気揚々 、 二 人 は もと 来た 廊下 を 走った が 、 曲り角 まで 来た 時 、 心臓 が 止まり そうな 声 を 聞いた ── かん高い 、 恐怖 で 立ちすくんだ ような 悲鳴 ── 今 、 鍵 を かけた ばかりの 部屋 の 中 から だ 。

「 しまった 」 ロン の 顔 は 「 血みどろ 男爵 」 ぐらい 真っ青だった 。

「 女子 用 トイレ だ ! 」 ハリー も 息 を のんだ 。

「 ハーマイオニー だ ! 」 二 人 が 同時に 叫んだ 。

これ だけ は 絶対 やり たく なかった が 、 他 に 手段 が ある だろう か ? 回れ 右 を して 二 人 は ドア へ と 全力 疾走 した 。 気 が 動転 して 鍵 が うまく 回せ ない ── 開いた ── ハリー が ドア を 開けた ── 二 人 は 突入 した 。 ハーマイオニー ・ グレンジャー は 奥 の 壁 に はりついて 縮みあがって いた 。 いまにも 気 を 失わ ん ばかりだった 。 トロール は 洗面 台 を 次々 と なぎ倒し ながら 、 ハーマイオニー に 近づいて いく 。

「 こっち に 引きつけろ ! 」 ハリー は 無我夢中 で ロン に そう 言う と 、 蛇口 を 拾って 力いっぱい 壁 に 投げつけた 。 トロール は ハーマイオニー の 一 メートル 手前 で 立ち止まった 。 ドシンドシン と こっち に 向き を 変え 、 にぶ そうな 目 を パチクリ さ せ ながら 何の 音 だろう と こっち を 見た 。 卑しい 、 小さな 目 が ハリー を 捕らえた 。 一瞬 迷った ようだった が 、 今度 は ハリー の 方 に 棍棒 を 振り上げて 近づいて きた 。

「 や ー い 、 ウスノロ ! 」 ロン が 反対 側 から 叫んで 、 金属 パイプ を 投げつけた 。 トロール は パイプ が 肩 に あたって も 何も 感じ ない ようだった が 、 それ でも 叫び声 は 聞こえた らしく 、 また 立ち止まった 。 醜い 鼻面 を 今度 は ロン の 方 に 向けた ので 、 ハリー は その 後ろ に 回り込む 余裕 が できた 。

「 早く 、 走れ 、 走る んだ ! 」 ハリー は ハーマイオニー に 向かって 叫び ながら ドア の 方 に 引っぱろう と した が 、 ハーマイオニー は 動け なかった 。 恐怖 で 口 を 開けた まま 、 壁 に ピッタリ と はりついて しまった ようだ 。

叫び声 と その こだま が トロール を 逆上 さ せて しまった ようだ 。 再び うなり 声 を 上げて 、 一 番 近く に いた もはや 逃げ場 の ない ロン の 方 に 向かって 来た 。

その 時 ハリー は 、 勇敢 と も 、 間抜け と も いえる ような 行動 に 出た 。 走って 行って 後ろ から トロール に 飛びつき 、 腕 を トロール の 首 ねっこ に 巻きつけた 。 トロール に とって ハリー が 首 に ぶら下がって る こと など 感じ も し ない が 、 さすが に 長い 棒切れ が 鼻 に 突き刺されば 気 に は なる 。

ハリー が 飛びついた 時 、 杖 は 持った まま だった ── 杖 は トロール の 鼻 の 穴 を 突き上げた 。

痛み に うなり 声 を 上げ ながら トロール は 棍棒 を メチャメチャに 振り回した が 、 ハリー は 渾身 の 力 で ピッタリ と しがみついて いた 。 ## トロール は しがみついて る ハリー を 振り払おう と もがき 、 今にも 棍棒 で ハリー に 強烈な 一撃 を 食らわし そうだった 。

ハーマイオニー は 恐ろし さ の あまり 床 に 座り込んで いる 。 ロン は 自分 の 杖 を 取り出した ── 自分 でも 何 を しよう と して いる の か わから ず に 、 最初に 頭 に 浮かんだ 呪文 を 唱えた 。

「 ウィンガ 一 ディアム レビオーサ ! 」 突然 棍棒 が トロール の 手 から 飛び出し 、 空中 を 高く 高く 上がって 、 ゆっくり 一 回転 して から ボクッ と いう いやな 音 を 立てて 持ち主 の 頭 の 上 に 落ちた 。 トロール は フラフラ した か と 思う と 、 ドサッ と 音 を 立てて その 場 に うつぶせ に 伸びて しまった 。 倒れた 衝撃 が 部屋 中 を 揺すぶった 。

ハリー は 立ち上がった 。 ブルブル 震え 、 息 も 絶え絶えだ 。 ロン は まだ 杖 を 振り上げた まま 突っ立って 、 自分 の やった こと を ボーッ と 見て いる 。

ハーマイオニー が やっと 口 を きいた 。

「 これ …… 死んだ の ? 」 「 いや 、 ノックアウト さ れた だけ だ と 思う 」 ハリー は 屈み込んで 、 トロール の 鼻 から 自分 の 杖 を 引っ張り出した 。 灰色 の 糊 の 塊 の ような 物 が ベットリ と ついて いた 。

「 ウエー 、 トロール の 鼻 くそ だ 」

ハリー は それ を トロール の ズボン で 拭き取った 。

急に バタン と いう 音 が して 、 バタバタ と 足音 が 聞こえ 、 三 人 は 顔 を 上げた 。 どんなに 大 騒動 だった か 三 人 は 気づき も し なかった が 、 物 が 壊れる 音 や 、 トロール の うなり 声 を 階下 の 誰 か が 聞きつけた に 違いない 。 まもなく マクゴナガル 先生 が 飛び込んで きた 。 その すぐ 後 に スネイプ 、 最後 は クィレル だった 。

クィレル は トロール を 一目 見た とたん 、 ヒーヒー と 弱々しい 声 を 上げ 、 胸 を 押さえて トイレ に 座り込んで しまった 。

スネイプ は トロール を のぞき込んだ 。 マクゴナガル 先生 は ハリー と ロン を 見すえた 。 ハリー は こんなに 怒った 先生 の 顔 を 初めて 見た 。 唇 が 蒼白 だ 。 グリフィンドール の ため に 五十 点 もらえる か な と いう ハリー の 望み は 、 あっという間 に 消え去った 。

「 いったい全体 あなた 方 は どういう つもり な んです か 」

マクゴナガル 先生 の 声 は 冷静だ が 怒り に 満ちて いた 。 ハリー は ロン を 見た 。 まだ 杖 を 振り上げた まま の 格好 で 立って いる 。

「 殺さ れ なかった の は 運 が よかった 。 寮 に いる べき あなた 方 が どうして ここ に いる んです か ? 」 スネイプ は ハリー に 素早く 、 鋭い 視線 を 投げかけた 。 ハリー は うつむいた 。 ロン が 杖 を 降ろせば いい のに と 思った 。

その 時 暗がり から 小さな 声 が した 。

「 マクゴナガル 先生 。 開いて ください ── 二 人 と も 私 を 探し に 来た んです 」

「 ミス ・ グレンジャー ! 」 ハーマイオニー は やっと 立ち上がった 。 「 私 が トロール を 探し に 来た んです 。 私 …… 私 一 人 で やっつけられる と 思いました ── あの 、 本 で 読んで トロール に ついて は いろんな こと を 知って た ので 」 ロン は 杖 を 取り 落とした 。 ハーマイオニー ・ グレンジャー が 先生 に 真っ赤な 嘘 を ついて いる ?

「 もし 二 人 が 私 を 見つけて くれ なかったら 、 私 、 今頃 死んで いました 。 ハリー は 杖 を トロール の 鼻 に 刺し 込んで くれ 、 ロン は トロール の 棍棒 で ノックアウト して くれました 。 二 人 と も 誰 か を 呼び に いく 時間 が なかった んです 。 二 人 が 来て くれた 時 は 、 私 、 もう 殺さ れる 寸前 で ……」

ハリー も ロン も 、 その とおり です 、 と いう 顔 を 装った 。

「 まあ 、 そういう こと でしたら ……」 マクゴナガル 先生 は 三 人 を じっと 見た 。

「 ミス ・ グレンジャー 、 なんと 愚 か しい こと を 。 たった 一 人 で 野生 の トロール を 捕まえよう なんて 、 そんな こと を どうして 考えた のです か ? 」 ハーマイオニー は うなだれた 。 ハリー は 言葉 も 出 なかった 。 規則 を 破る なんて 、 ハーマイオニー は 絶対 そんな こと を し ない 人間 だ 。 その 彼女 が 規則 を 破った ふり を して いる 。 僕たち を か ぼう ため に 。 まるで スネイプ が 菓子 を みんな に 配り はじめた ような もの だ 。

「 ミス ・ グレンジャー 、 グリフィンドール から 五 点 減点 です 。 あなた に は 失望 しました 。 怪我 が ない なら グリフィンドール 塔 に 帰った 方 が よい でしょう 。 生徒 たち が 、 さっき 中断 した パーティー の 続き を 寮 で やって います 」 ハーマイオニー は 帰って いった 。 マクゴナガル 先生 は 今度 は ハリー と ロン の 方 に 向き直った 。

「 先ほど も 言いました が 、 あなた たち は 運 が よかった 。 でも 大人 の 野生 トロール と 対決 できる 一 年生 は そう ざらに は いま せ ん 。 一 人 五 点 ずつ あげましょう 。 ダンブルドア 先生 に ご 報告 して おきます 。 帰って よろしい 」

急いで 部屋 を 出て 、 二 つ 上 の 階 に 上がる まで 二 人 は 何も 話さ なかった 。 何はともあれ 、 トロール の あの 匂い から 逃れられた の は 嬉しかった 。 「 二 人 で 十 点 は 少ない よ な 」

と ロン が ぶつ くさ 言った 。

「 二 人 で 五 点 だ ろ 。 ハーマイオニー の 五 点 を 引く と 」 と ハリー が 訂正 した 。

「 ああ やって 彼女 が 僕たち を 助けて くれた の は たしかに ありがたかった よ 。 だけど 、 僕たち が あいつ を 助けた の も たしかな んだ ぜ 」

「 僕たち が 鍵 を かけて ヤツ を ハーマイオニー と 一緒に 閉じ込めたり し なかったら 、 助け は 要ら なかった かも しれ ない よ 」 ハリー は ロン に 正確な 事実 を 思い出さ せた 。

二 人 は 太った 婦人 の 肖像 画 の 前 に 着いた 。

「 豚 の 鼻 」 の 合言葉 で 二 人 は 中 に 入って いった 。

談話 室 は 人 が いっぱいで ガヤガヤ して いた 。 みんな 談話 室 に 運ばれて きた 食べ物 を 食べて いた 。 ハーマイオニー だけ が 一 人 ポツンと 扉 の そば に 立って 二 人 を 待って いた 。 互いに 気まずい 一瞬 が 流れた 。 そして 、 三 人 と も 顔 を 見 も せ ず 、 互いに 「 ありがとう 」 と 言って から 、 急いで 食べ物 を 取り に 行った 。

それ 以来 、 ハーマイオニー ・ グレンジャー は 二 人 の 友人 に なった 。 共通 の 経験 を する こと で 互い を 好きに なる 、 そんな 特別な 経験 が ある もの だ 。 四 メートル も ある トロール を ノックアウト した と いう 経験 も まさしく それ だった 。

10.2 ハロウィーン 10.2 Halloween. 10.2 Halloween 10.2 Halloween. 10.2 Halloween. 10.2 Dia das Bruxas. 10.2 Хэллоуин. 10.2 Halloween. 10.2 万圣节 10.2 万圣节

毎日 たっぷり 宿題 が ある 上 、 週 三 回 の クィディッチ の 練習 で 忙しく なった 。 まいにち||しゅくだい|||うえ|しゅう|みっ|かい||||れんしゅう||いそがしく| I had plenty of homework every day, and I was busy practicing Quidditch three times a week. その せい か 、 気 が つく と 、 なんと ホグワーツ に 来て から もう 二 カ月 も 経って いた 。 |||き|||||||きて|||ふた|かげつ||たって| Perhaps because of that, I realized that it had already been two months since I came to Hogwarts. 今では プリベット 通り より も 城 の 方 が 自分 の 家 だ と いう 気 が して いた 。 いまでは||とおり|||しろ||かた||じぶん||いえ||||き||| I now felt that the castle was my home rather than Privet Street. 授業 の 方 も 、 基礎 が だいぶ わかって きた ので おもしろく なって きた 。 じゅぎょう||かた||きそ|||||||| The lessons have become more interesting because I have learned a lot about the basics.

ハロウィーン の 朝 、 パンプキンパイ を 焼く おいし そうな 匂い が 廊下 に 漂って きて 、 みんな 目 を 覚ました 。 ||あさ|||やく||そう な|におい||ろうか||ただよって|||め||さました On Halloween morning, the delicious smell of baking pumpkin pies drifted down the hallway, and everyone woke up. もっと 嬉しい こと に 、「 妖精 の 魔法 」 の 授業 で フリットウィック 先生 が 、 そろそろ 物 を 飛ばす 練習 を しましょう と 言った 。 |うれしい|||ようせい||まほう||じゅぎょう|||せんせい|||ぶつ||とばす|れんしゅう||し ましょう||いった Even better, Professor Flitwick said in the "Fairy Magic" class that it was time to practice flying things. 先生 が ネビル の ヒキガエル を ブンブン 飛び回ら せる の を 見て から と いう もの 、 みんな やって み たくて たまらなかった 。 せんせい||||ひきがえる|||とびまわら||||みて||||||||| Ever since the teacher saw Neville's toads buzzing around, we've all been dying to try it. 先生 は 生徒 を 二 人 ずつ 組ま せて 練習 さ せた 。 せんせい||せいと||ふた|じん||くま||れんしゅう|| The teacher practiced with two students in pairs. ハリー は シェーマス ・ フィネガン と 組んだ ( ネビル が ハリー と 組み たくて じっと こっち を 見て いた ので 、 これ で ホッと した )。 |||||くんだ|||||くみ|||||みて|||||ほっと| Harry teamed up with Seamus Finnigan (I was relieved that Neville was looking at me because he wanted to work with Harry). ロン は 、 なんと 、 ハーマイオニー と 組む こと に なった 。 |||||くむ||| Ron ended up teaming up with Hermione. 二 人 と も これ に は カンカン だった 。 ふた|じん||||||かんかん| Both of them were crazy about this. ハリー が 箒 を 受け取って 以来 、 ハーマイオニー は 一 度 も 二 人 と 口 を きいて い なかった 。 ||そう||うけとって|いらい|||ひと|たび||ふた|じん||くち|||| Hermione has never spoken to them since Harry received the broom.

「 さあ 、 今 まで 練習 して きた しなやかな 手首 の 動かし 方 を 思い出して 」 |いま||れんしゅう||||てくび||うごかし|かた||おもいだして "Now, remember the supple wrist movements you've been practicing so far."

いつも の ように 積み重ねた 本 の 上 に 立って 、 フリットウィック 先生 は キーキー 声 で 言った 。 |||つみかさねた|ほん||うえ||たって||せんせい|||こえ||いった Standing on top of the stack of books as usual, Professor Flitwick said in a squeaky voice.

「 ビューン 、 ヒョイ 、 です よ 。 "Viewn, Hyoy, right? いい です か 、 ビューン 、 ヒョイ 。 Are you okay, Byun, Hyoi. 呪文 を 正確に 、 これ も また 大切です よ 。 じゅもん||せいかくに||||たいせつです| Accurately spell, this is also important. 覚えてます ね 、 あの 魔法使い バルッフィオ は 、『 f 』 で なく 『 s 』 の 発音 を した ため 、 気 が ついたら 、 自分 が 床 に 寝転んで バッファロー が 自分 の 胸 に 乗っかって いました ね 」  これ は とても 難しかった 。 おぼえて ます|||まほうつかい||||||||はつおん||||き|||じぶん||とこ||ねころんで|||じぶん||むね||のっかって|い ました|||||むずかしかった Remember, that wizard, Barufio, pronounced "s" instead of "f", so when he noticed, he was lying on the floor and Buffalo was on his chest. " was difficult . ハリー も シェーマス も ビューン 、 ヒョイ 、 と やった のに 、 空中 高く 浮く はずの 羽 は 机 の 上 に はりついた まま だ 。 |||||||||くうちゅう|たかく|うく||はね||つくえ||うえ|||| Both Harry and Shamus did Boon, Hyoy, but the wings that were supposed to float high in the air remained clinging to the desk. シェーマス が かんしゃく を 起こして 、 杖 で 羽 を 小突いて 火 を つけて しまった ので 、 ハリー は 帽子 で 火 を 消す はめになった 。 ||||おこして|つえ||はね||こづいて|ひ|||||||ぼうし||ひ||けす|はめ に なった Harry was forced to put out the fire with his hat, as Shamus had a tantrum and stabbed his wings with a wand to set it on fire. 隣 の ロン も 、 似たり寄ったり の 惨め さ だった 。 となり||||にたりよったり||みじめ|| Ron next door was also miserable.

「 ウィンガデイアム レヴィオーサ ! "Winga Diam Leviosa! 」 長い 腕 を 風車 の ように 振り回して ロン が 叫んで いる 。 ながい|うで||かざぐるま|||ふりまわして|||さけんで| yells Ron, swinging his long arms like windmills. ハーマイオニー の とんがった 声 が 聞こえる 。 |||こえ||きこえる I hear Hermione's sharp voice.

「 言い 方 が まちがって る わ 。 いい|かた|||| You're saying the wrong thing. ウィン 、 ガー ・ デイアム レヴィ ・ オーサ 。 『 ガー 』 と 長一 く きれいに 言わ なくちゃ 」 ||ちょういち|||いわ| I have to say "Gar" cleanly. "

「 そんなに よく ご存知 なら 、 君 が やって みろ よ 」 と ロン が 怒鳴って いる 。 ||ごぞんじ||きみ||||||||どなって| "If you know so well, you should try it," yells Ron.

ハーマイオニー は ガウン の 袖 を まくり 上げて 杖 を ビューン と 振り 、 呪文 を 唱えた 。 ||がうん||そで|||あげて|つえ||||ふり|じゅもん||となえた Hermione rolled up her gown's sleeves, shook her wand with Boon, and cast a spell.

「 ウィンガーデイアム レヴィオーサ ! 」 すると 、 羽 は 机 を 離れ 、 頭上 一・二 メートル ぐらい の 所 に 浮いた で は ない か 。 |はね||つくえ||はなれ|ずじょう|ひと|ふた|めーとる|||しょ||ういた|||| Then, did the wings leave the desk and float about a meter or two above their heads? 「 オーッ 、 よく できました ! ||でき ました 」 先生 が 拍手 を して 叫んだ 。 せんせい||はくしゅ|||さけんだ The teacher applauded and shouted. 「 皆さん 、 見て ください 。 みなさん|みて| グレンジャー さん が やりました ! |||やり ました Granger did it! 」 クラス が 終わった 時 、 ロン は 最悪の 機嫌 だった 。 くらす||おわった|じ|||さいあくの|きげん| When the class was over, Ron was in the worst mood. 「 だ から 、 誰 だって あいつ に は 我慢 でき ないって いう んだ 。 ||だれ|||||がまん||ない って|| "That's why no one can put up with him. まったく 悪夢 みたいな ヤツ さ 」 |あくむ||やつ| It ’s like a nightmare. ”

廊下 の 人ごみ を 押し 分け ながら 、 ロン が ハリー に 言った 。 ろうか||ひとごみ||おし|わけ||||||いった said Ron to Harry, pushing through the crowd in the hallway.

誰 か が ハリー に ぶつかり 、 急いで 追い越して いった 。 だれ||||||いそいで|おいこして| Someone bumped into Harry and hurriedly overtook him. ハーマイオニー だ 。 ハリー が 顔 を チラッ と 見る と ── 驚いた こと に 、 泣いて いる ! ||かお||||みる||おどろいた|||ないて| When Harry glanced at his face ── To my surprise, he was crying!

「 今 の 、 聞こえた みたい 」 と ハリー 。 いま||きこえた||| "I think I heard it now," Harry said.

「 それ が どうした ? " What about it ? 」 ロン も 少し 気 に して いた が 、「 誰 も 友達 が いないって こと は とっくに 気 が ついて いる だろう さ 」 と 言った 。 ||すこし|き|||||だれ||ともだち||いない って||||き|||||||いった Ron was a little worried, but he said, "I'm sure you've already noticed that no one has friends." ハーマイオニー は 次の クラス に 出て 来 なかった し 、 その 日 の 午後 は 一 度 も 見かけ なかった 。 ||つぎの|くらす||でて|らい||||ひ||ごご||ひと|たび||みかけ| Hermione didn't come to the next class, and I never saw her that afternoon. ハロウィーン の ご馳走 を 食べ に 大広間 に 向かう 途中 、 パーバティ ・ パチル が ラベンダー に 話して いる の を ハリー たち は 小 耳 に はさんだ 。 ||ごちそう||たべ||おおひろま||むかう|とちゅう||||らべんだー||はなして|||||||しょう|みみ|| Harry and his friends overheard Parvati Patil talking to lavender on his way to the hall for a Halloween treat. ハーマイオニー が トイレ で 泣いて いて 、 一 人 に して くれ と 言った らしい 。 ||といれ||ないて||ひと|じん|||||いった| Hermione was crying in the bathroom and told me to leave her alone. ロン は また 少し バツ の 悪 そうな 額 を した が 、 大広間 で ハロウィーン の 飾りつけ を 見た 瞬間 、 ハーマイオニー の こと など 二 人 の 頭 から 吹っ飛んで しまった 。 |||すこし|ばつ||あく|そう な|がく||||おおひろま||||かざりつけ||みた|しゅんかん|||||ふた|じん||あたま||ふっとんで| Ron also made a slightly ugly amount, but the moment he saw the Halloween decorations in the hall, Hermione and others were blown away from their heads.

千 匹 も の こうもり が 壁 や 天井 で 羽 を ば たつ か せ 、 もう 千 匹 が 低く たれこめた 黒雲 の ように テーブル の すぐ 上 まで 急 降下 し 、 くり抜いた かぼちゃ の 中 の ろうそく の 炎 を ちらつかせた 。 せん|ひき|||||かべ||てんじょう||はね|||||||せん|ひき||ひくく||くろ くも|||てーぶる|||うえ||きゅう|こうか||くりぬいた|||なか||||えん|| Thousands of bats flutter their wings on the walls and ceiling, and another thousand flutter down to just above the table, like a low-lying black cloud, and flicker the candle flame in a hollowed-out pumpkin. I let you. 新 学期 の 始まり の 時 と 同じ ように 、 突如 金色 の 皿 に 乗った ご馳走 が 現れた 。 しん|がっき||はじまり||じ||おなじ||とつじょ|きんいろ||さら||のった|ごちそう||あらわれた Suddenly, a treat on a golden plate appeared, just as it did at the beginning of the new semester.

ハリー が 皮 つき ポテト を 皿 に よ そって いた ちょうど その 時 、 クィレル 先生 が 全速力 で 部屋 に かけこんで 来た 。 ||かわ||ぽてと||さら|||||||じ||せんせい||ぜんそくりょく||へや|||きた Just as Harry was putting the potatoes in the skin on his plate, Professor Quirrell sprinted into the room. ターバン は ゆがみ 、 顔 は 恐怖 で 引きつって いる 。 たーばん|||かお||きょうふ||ひきつって| His turban is contorted and his face is contorted with terror. みんな が 見つめる 中 を 、 クィレル 先生 は ダンブルドア 先生 の 席 まで たどり着き 、 テーブル に もたれかかり 、 あえぎあえぎ 言った 。 ||みつめる|なか|||せんせい|||せんせい||せき||たどりつき|てーぶる||||いった As everyone stared, Dr. Quirel reached Dumbledore's seat, leaned against the table, and gasped.

「 トロール が …… 地下 室 に …… お 知らせ し なくて は と 思って 」 ||ちか|しつ|||しらせ|||||おもって "Trolls ... in the basement ... I thought I had to let you know."

クィレル 先生 は その場で バッタリ と 気 を 失って しまった 。 |せんせい||そのばで|ばったり||き||うしなって| Sensei Quirel fainted on the spot.

大 混乱 に なった 。 だい|こんらん|| It was a big mess. ダンブルドア 先生 が 杖 の 先 から 紫色 の 爆竹 を 何度 か 爆発 さ せて 、 やっと 静かに さ せた 。 |せんせい||つえ||さき||むらさきいろ||ばくちく||なんど||ばくはつ||||しずかに|| Dr. Dumbledore exploded a purple firecracker from the tip of his wand several times, and finally quietly.

「 監督 生 よ 」 かんとく|せい| "Director student"

重々しい ダンブルドア 先生 の 声 が 轟いた 。 おもおもしい||せんせい||こえ||とどろいた The heavy voice of Professor Dumbledore roared.

「 すぐさま 自分 の 寮 の 生徒 を 引率 して 寮 に 帰る ように 」 |じぶん||りょう||せいと||いんそつ||りょう||かえる| "Immediately lead the students from your dormitory back to the dormitory."

パーシー は 水 を 飲み込んだ 。 ||すい||のみこんだ Percy is a fish that gets water.

「 僕 に ついて 来て ! ぼく|||きて "Follow me! 一 年生 は みんな 一緒に 固まって ! ひと|ねんせい|||いっしょに|かたまって All the first graders get together! 僕 の 言う とおり に して いれば 、 トロール は 恐 る る に 足ら ず ! ぼく||いう|||||||こわ||||たら| If you do what I say, the trolls are scary enough! さあ 、 僕 の 後ろ に ついて 離れ ないで ! |ぼく||うしろ|||はなれ| Come on, don't leave behind me! 道 を 開けて くれ 。 どう||あけて| Please open the way. 一 年生 を 通して くれ ! ひと|ねんせい||とおして| Go through the first grade! 道 を 開けて 。 どう||あけて Make way. 僕 は 監督 生 です ! ぼく||かんとく|せい| 」 「 いったい どう やって トロール は 入って きた んだろう 」 階段 を 上がり ながら ハリー は ロン に 聞いた 。 |||||はいって|||かいだん||あがり||||||きいた 'How the hell did the troll get in?' Harry asked Ron as he climbed the stairs. 「 僕 に 聞いた って 知ら ない よ 。 ぼく||きいた||しら|| "I don't know if you asked me. トロールって 、 とっても バカな ヤツ らしい よ 。 トロール って||ばかな|やつ|| Trolls seem to be very stupid guys. もしかしたら ハロウィーン の 冗談 の つもり で 、 ピーブズ が 入れた の か な 」 と ロン が 答えた 。 |||じょうだん||||||いれた|||||||こたえた Maybe Peeves put it in there as a Halloween joke," Ron replied.

みんな が あっちこっち の 方向 に 急いで いた 。 ||||ほうこう||いそいで| Everyone was rushing in all directions. いろんな グループ と すれ違い 、 右往左往 して いる ハッフルパフ の 一団 を 掻き分けて 進もう と して いた ちょうど その 時 、 ハリー が 突然 ロン の 腕 を つかんだ 。 |ぐるーぷ||すれちがい|うおうさおう|||||いちだん||かきわけて|すすもう||||||じ|||とつぜん|||うで|| Harry suddenly grabbed Ron's arm just as he was trying to squeeze through a group of huffle puffs, passing by various groups.

「 ちょっと 待って …… ハーマイオニー だ 」 |まって|| "Wait a minute... it's Hermione."

「 あいつ が どうかした かい ? "What's wrong with him? 」 「 トロール の こと 知ら ない よ 」 |||しら|| I don't know anything about trolls. ロン が 唇 を かんだ 。 ||くちびる|| Ron bit his lips.

「 わかった 。 " all right . だけど パーシー に 気づか れ ない ように し なきゃ 」 |||きづか||||| But I have to keep Percy from noticing."

ヒョイ と 屈 んで 、 二 人 は 反対 方向 に 行く ハッフルパフ 寮生 に 紛れ込み 、 誰 も い なく なった 方 の 廊下 を すり抜け 、 女子 用 トイレ へ と 急いだ 。 ||くっ||ふた|じん||はんたい|ほうこう||いく||りょうせい||まぎれこみ|だれ|||||かた||ろうか||すりぬけ|じょし|よう|といれ|||いそいだ Crouching down, they slipped into the Hufflepuffs going in the opposite direction, slipped through the empty hallway, and hurried to the women's restroom. 角 を 曲がった とたん 、 後ろ から 急ぎ足 で やってくる 音 が 聞こえた 。 かど||まがった||うしろ||いそぎあし|||おと||きこえた As soon as I turned the corner, I heard the sound of hurried feet coming from behind me.

「 パーシー だ ! "It's Percy! 」 ロン が ささやき 、 怪獣 グリフィン の 大きな 石像 の 後ろ に ハリー を 引っ張り込んだ 。 |||かいじゅう|||おおきな|せきぞう||うしろ||||ひっぱりこんだ Ron whispered, pulling Harry behind a large stone statue of the monster Griffin. 石像 の 陰 から 目 を 凝らして 見る と 、 パーシー で は なく スネイプ だった 。 せきぞう||かげ||め||こらして|みる||||||| When I looked closely from the shadow of the stone statue, it was Snape, not Percy. 廊下 を 渡り 、 視界 から 消えて いった 。 ろうか||わたり|しかい||きえて| Crossed the corridor and disappeared from sight.

「 何 して る んだろう 。 なん||| "What are you doing? どうして 他の 先生 と 一緒に 地下 室 に 行か ない んだろう 」 |たの|せんせい||いっしょに|ちか|しつ||いか|| Why don't you go to the basement room with other teachers? "

ハリー が つぶやいた 。 Harry tweeted.

「 知る もん か 」 しる|| "Do you know?"

スネイプ の 足音 が だんだん 消えて いく 方 を 耳 で 迫って 、 二 人 は できる だけ 音 を たて ない ように 身 を 屈めて 廊下 を 歩いて いった 。 ||あしおと|||きえて||かた||みみ||せまって|ふた|じん||||おと|||||み||かがめて|ろうか||あるいて| As Snape's footsteps gradually disappeared, the two bowed down and walked down the hallway, trying not to make as much noise as possible.

「 スネイプ は 四 階 の 方 に 向かって る よ 」 と 言う ハリー を ロン が 手 を 上げて 制した 。 ||よっ|かい||かた||むかって||||いう|||||て||あげて|せいした Ron raised his hand to control Harry, who said, "Snape is heading towards the fourth floor."

「 なに か 匂わ ない か ? ||におわ|| "Do you smell anything? 」 ハリー が クンクン と 鼻 を 使う と 、 汚れた 靴下 と 、 掃除 を した こと が ない 公衆 トイレ の 匂い を 混ぜた ような 悪臭 が 鼻 を ついた 。 ||||はな||つかう||けがれた|くつした||そうじ||||||こうしゅう|といれ||におい||まぜた||あくしゅう||はな|| Harry sniffed, and a foul smell hit his nostrils, like a mixture of dirty socks and the smell of a public restroom that had never been cleaned. 次に 音 が 聞こえた …… 低い プァープァー と いう うなり 声 、 巨大な 足 を 引きずる ように 歩く 音 。 つぎに|おと||きこえた|ひくい|||||こえ|きょだいな|あし||ひきずる||あるく|おと Next, I heard a sound ... A low-pitched growl, the sound of a giant dragging foot. ロン が 指さした …… 廊下 の むこう 側 左手 から 何 か 大きな 物 が こっち に 近づいて 来る 。 ||ゆびさした|ろうか|||がわ|ひだりて||なん||おおきな|ぶつ||||ちかづいて|くる Ron pointed to ... Something big came up to me from the left hand on the other side of the corridor. 二 人 が 物 影 に 隠れて 身 を 縮めて いる と 、 月 明り に 照らさ れた 場所 に その 大きな 物 が ヌーッ と 姿 を 現した 。 ふた|じん||ぶつ|かげ||かくれて|み||ちぢめて|||つき|あかり||てらさ||ばしょ|||おおきな|ぶつ||||すがた||あらわした As the two crouched under the shadows, a large object appeared in the moonlight.

恐ろしい 光景 だった 。 おそろしい|こうけい| It was a terrifying sight. 背 は 四 メートル も あり 、 墓石 の ような 鈍い 灰色 の 肌 、 岩石 の ように ゴツゴツ の ずんぐり した 巨体 、 ハゲ た 頭 は 小さく 、 ココナッツ が ちょこんと 載って いる ようだ 。 せ||よっ|めーとる|||はかいし|||にぶい|はいいろ||はだ|がんせき|||ごつごつ||||きょたい|||あたま||ちいさく||||のって|| It is four meters tall, has dull gray skin like a tombstone, a rugged, chunky giant like a rock, a small bald head, and a little coconut on it. 短い 脚 は 木 の 幹 ほど 太く 、 コブ だらけ の 平たい 足 が ついて いる 。 みじかい|あし||き||みき||ふとく|こぶ|||ひらたい|あし||| The short legs are as thick as the trunk of a tree, with flat feet full of bumps. ものすごい 悪臭 を 放って いる 。 |あくしゅう||はなって| It emits a terrible stench. 腕 が 異常に 長い ので 、 手 に した 巨大な 棍棒 は 床 を 引きずって いる 。 うで||いじょうに|ながい||て|||きょだいな|こんぼう||とこ||ひきずって| The arm is unusually long, so the giant club in his hand is dragging the floor.

トロール は ドア の 前 で 立ち止まり 、 中 を じっと 見た 。 ||どあ||ぜん||たちどまり|なか|||みた The troll stopped in front of the door and stared inside. 長い 耳 を ピク つか せ 、 中身 の ない 頭 で 考えて いた が 、 やがて 前屈み に ノロノロ と 中 に 入った 。 ながい|みみ|||||なかみ|||あたま||かんがえて||||まえかがみ||のろのろ||なか||はいった He picked up his long ears and thought with an empty head, but eventually he leaned forward and slipped inside.

「 鍵 穴 に 鍵 が ついた まま だ 。 かぎ|あな||かぎ|||| "The key is still in the key hole. あいつ を 閉じ込められる 」 ハリー が 声 を 殺して 言った 。 ||とじこめ られる|||こえ||ころして|いった He's trapped, "Harry said, killing his voice. 「 名案 だ 」 ロン の 声 は ビクビク して いる 。 めいあん||||こえ||びくびく|| "Good idea," Ron's voice trembled.

トロール が 出て きません ように と 祈り ながら 、 二 人 は 開けっぱなし の ドア の 方 に ジリジリ と 進んだ 。 ||でて|き ませ ん|||いのり||ふた|じん||あけっぱなし||どあ||かた||じりじり||すすんだ Praying that the troll would not come out, they scurried towards the door that was left open. 喉 が カラカラ だった 。 のど||| My throat was empty. 最後 の 一 歩 は 大きく ジャンプ して 、 ハリー は 鍵 を つかみ ドア を ぴしゃり と 閉めて 鍵 を かけた 。 さいご||ひと|ふ||おおきく|じゃんぷ||||かぎ|||どあ||||しめて|かぎ|| With one final step, Harry took a big jump, grabbed the key and slammed the door shut and locked it.

「 やった ! " Hooray ! 」 勝利 に 意気揚々 、 二 人 は もと 来た 廊下 を 走った が 、 曲り角 まで 来た 時 、 心臓 が 止まり そうな 声 を 聞いた ── かん高い 、 恐怖 で 立ちすくんだ ような 悲鳴 ── 今 、 鍵 を かけた ばかりの 部屋 の 中 から だ 。 しょうり||いきようよう|ふた|じん|||きた|ろうか||はしった||まがりかど||きた|じ|しんぞう||とまり|そう な|こえ||きいた|かんだかい|きょうふ||たちすくんだ||ひめい|いま|かぎ||||へや||なか|| With triumph, they ran down the corridor they originally came from, but when they reached the corner, they heard a voice that seemed to stop their hearts ── high, horrifying screams ── now, the key. It's from inside the room I just put on.

「 しまった 」 ロン の 顔 は 「 血みどろ 男爵 」 ぐらい 真っ青だった 。 |||かお||ちみどろ|だんしゃく||まっさおだった "Oops," Ron's face was as pale as the "Bloody Baron."

「 女子 用 トイレ だ ! じょし|よう|といれ| "It's a women's toilet! 」 ハリー も 息 を のんだ 。 ||いき|| ' Harry gasped too.

「 ハーマイオニー だ ! 」 二 人 が 同時に 叫んだ 。 ふた|じん||どうじに|さけんだ The two shouted at the same time.

これ だけ は 絶対 やり たく なかった が 、 他 に 手段 が ある だろう か ? |||ぜったい|||||た||しゅだん|||| I definitely didn't want to do this, but is there any other way? 回れ 右 を して 二 人 は ドア へ と 全力 疾走 した 。 まわれ|みぎ|||ふた|じん||どあ|||ぜんりょく|しっそう| They turned around and sprinted for the door. 気 が 動転 して 鍵 が うまく 回せ ない ── 開いた ── ハリー が ドア を 開けた ── 二 人 は 突入 した 。 き||どうてん||かぎ|||まわせ||あいた|||どあ||あけた|ふた|じん||とつにゅう| I was upset and couldn't turn the key well ── opened ── Harry opened the door ── the two rushed in. ハーマイオニー ・ グレンジャー は 奥 の 壁 に はりついて 縮みあがって いた 。 |||おく||かべ|||ちぢみあがって| Hermione Granger was clinging to the back wall and shrinking. いまにも 気 を 失わ ん ばかりだった 。 |き||うしなわ|| I was just fainting. トロール は 洗面 台 を 次々 と なぎ倒し ながら 、 ハーマイオニー に 近づいて いく 。 ||せんめん|だい||つぎつぎ||なぎたおし||||ちかづいて| The troll approaches Hermione, knocking down the washbasin one after another.

「 こっち に 引きつけろ ! ||ひきつけろ "Attract me here! 」 ハリー は 無我夢中 で ロン に そう 言う と 、 蛇口 を 拾って 力いっぱい 壁 に 投げつけた 。 ||むがむちゅう|||||いう||じゃぐち||ひろって|ちからいっぱい|かべ||なげつけた Harry was crazy and said to Ron, picking up the faucet and throwing it at the wall with all his might. トロール は ハーマイオニー の 一 メートル 手前 で 立ち止まった 。 ||||ひと|めーとる|てまえ||たちどまった The troll stopped just one meter before Hermione. ドシンドシン と こっち に 向き を 変え 、 にぶ そうな 目 を パチクリ さ せ ながら 何の 音 だろう と こっち を 見た 。 ||||むき||かえ||そう な|め||||||なんの|おと|||||みた I turned around and saw what the sound was, with my eyes snapping. 卑しい 、 小さな 目 が ハリー を 捕らえた 。 いやしい|ちいさな|め||||とらえた A lowly, small eye caught Harry. 一瞬 迷った ようだった が 、 今度 は ハリー の 方 に 棍棒 を 振り上げて 近づいて きた 。 いっしゅん|まよった|||こんど||||かた||こんぼう||ふりあげて|ちかづいて| He seemed to hesitate for a moment, but this time he raised his club and approached Harry.

「 や ー い 、 ウスノロ ! |-|| Hey, Usnoro! 」 ロン が 反対 側 から 叫んで 、 金属 パイプ を 投げつけた 。 ||はんたい|がわ||さけんで|きんぞく|ぱいぷ||なげつけた yelled Ron from the other side, hurling a metal pipe. トロール は パイプ が 肩 に あたって も 何も 感じ ない ようだった が 、 それ でも 叫び声 は 聞こえた らしく 、 また 立ち止まった 。 ||ぱいぷ||かた||||なにも|かんじ||||||さけびごえ||きこえた|||たちどまった The troll didn't seem to feel anything when the pipe hit his shoulder, but he still seemed to hear the screams and stopped again. 醜い 鼻面 を 今度 は ロン の 方 に 向けた ので 、 ハリー は その 後ろ に 回り込む 余裕 が できた 。 みにくい|はなづら||こんど||||かた||むけた|||||うしろ||まわりこむ|よゆう|| With his ugly nose now pointing towards Ron, Harry could afford to wrap around behind it.

「 早く 、 走れ 、 走る んだ ! はやく|はしれ|はしる| "Hurry up, run, run! 」 ハリー は ハーマイオニー に 向かって 叫び ながら ドア の 方 に 引っぱろう と した が 、 ハーマイオニー は 動け なかった 。 ||||むかって|さけび||どあ||かた||ひっぱろう||||||うごけ| ' Harry yelled at Hermione, trying to pull him toward the door, but Hermione couldn't move. 恐怖 で 口 を 開けた まま 、 壁 に ピッタリ と はりついて しまった ようだ 。 きょうふ||くち||あけた||かべ||ぴったり|||| I seem to have clung to the wall with my mouth open in fear.

叫び声 と その こだま が トロール を 逆上 さ せて しまった ようだ 。 さけびごえ|||||||ぎゃくじょう|||| It seems that the screams and their echoes have caused the trolls to turn upside down. 再び うなり 声 を 上げて 、 一 番 近く に いた もはや 逃げ場 の ない ロン の 方 に 向かって 来た 。 ふたたび||こえ||あげて|ひと|ばん|ちかく||||にげば|||||かた||むかって|きた He roared again and came toward Ron, who was closest to him and no longer had a place to escape.

その 時 ハリー は 、 勇敢 と も 、 間抜け と も いえる ような 行動 に 出た 。 |じ|||ゆうかん|||まぬけ|||||こうどう||でた At that time, Harry took actions that could be called brave or stupid. 走って 行って 後ろ から トロール に 飛びつき 、 腕 を トロール の 首 ねっこ に 巻きつけた 。 はしって|おこなって|うしろ||||とびつき|うで||||くび|||まきつけた I ran and jumped at the troll from behind, wrapping my arm around the troll's neck. トロール に とって ハリー が 首 に ぶら下がって る こと など 感じ も し ない が 、 さすが に 長い 棒切れ が 鼻 に 突き刺されば 気 に は なる 。 |||||くび||ぶらさがって||||かんじ|||||||ながい|ぼうきれ||はな||つきさされば|き||| I don't feel that Harry is hanging around his neck for the troll, but it's annoying if a long stick is stuck in his nose.

ハリー が 飛びついた 時 、 杖 は 持った まま だった ── 杖 は トロール の 鼻 の 穴 を 突き上げた 。 ||とびついた|じ|つえ||もった|||つえ||||はな||あな||つきあげた The wand was still in his hand when Harry jumped—the wand poked up the troll's nostrils.

痛み に うなり 声 を 上げ ながら トロール は 棍棒 を メチャメチャに 振り回した が 、 ハリー は 渾身 の 力 で ピッタリ と しがみついて いた 。 いたみ|||こえ||あげ||||こんぼう||めちゃめちゃに|ふりまわした||||こんしん||ちから||ぴったり||| Growling in pain, the troll jerked his club around, but Harry held on with all his might. ## トロール は しがみついて る ハリー を 振り払おう と もがき 、 今にも 棍棒 で ハリー に 強烈な 一撃 を 食らわし そうだった 。 ||||||ふりはらおう|||いまにも|こんぼう||||きょうれつな|いちげき||くらわし|そう だった The troll struggled to shake off Harry, who was clinging to him, and was about to hit Harry with a strong blow with a Kaji stick.

ハーマイオニー は 恐ろし さ の あまり 床 に 座り込んで いる 。 ||おそろし||||とこ||すわりこんで| Hermione is so scared that she sits on the floor. ロン は 自分 の 杖 を 取り出した ── 自分 でも 何 を しよう と して いる の か わから ず に 、 最初に 頭 に 浮かんだ 呪文 を 唱えた 。 ||じぶん||つえ||とりだした|じぶん||なん|||||||||||さいしょに|あたま||うかんだ|じゅもん||となえた Ron pulled out his wand—and cast the first spell that came to mind, not even knowing what he was doing.

「 ウィンガ 一 ディアム レビオーサ ! |ひと|| 」 突然 棍棒 が トロール の 手 から 飛び出し 、 空中 を 高く 高く 上がって 、 ゆっくり 一 回転 して から ボクッ と いう いやな 音 を 立てて 持ち主 の 頭 の 上 に 落ちた 。 とつぜん|こんぼう||||て||とびだし|くうちゅう||たかく|たかく|あがって||ひと|かいてん|||||||おと||たてて|もちぬし||あたま||うえ||おちた Suddenly, the club jumped out of the troll's hand, climbed high and high in the air, made a slow full turn, and then fell on the owner's head with a jarring noise. トロール は フラフラ した か と 思う と 、 ドサッ と 音 を 立てて その 場 に うつぶせ に 伸びて しまった 。 ||ふらふら||||おもう||||おと||たてて||じょう||||のびて| The troll staggered, then stretched out on its face with a thud. 倒れた 衝撃 が 部屋 中 を 揺すぶった 。 たおれた|しょうげき||へや|なか||ゆすぶった The impact of the fall shook the room.

ハリー は 立ち上がった 。 ||たちあがった ブルブル 震え 、 息 も 絶え絶えだ 。 ぶるぶる|ふるえ|いき||たえだえだ Shivering, breathless. ロン は まだ 杖 を 振り上げた まま 突っ立って 、 自分 の やった こと を ボーッ と 見て いる 。 |||つえ||ふりあげた||つったって|じぶん|||||ぼーっ||みて| Ron still stands up with his wand up and stares at what he has done.

ハーマイオニー が やっと 口 を きいた 。 |||くち|| Hermione finally spoke.

「 これ …… 死んだ の ? |しんだ| 」 「 いや 、 ノックアウト さ れた だけ だ と 思う 」 |のっくあうと||||||おもう No, I think he just got knocked out. ハリー は 屈み込んで 、 トロール の 鼻 から 自分 の 杖 を 引っ張り出した 。 ||くっみこんで|||はな||じぶん||つえ||ひっぱりだした Harry bent over and pulled his wand out of the troll's nose. 灰色 の 糊 の 塊 の ような 物 が ベットリ と ついて いた 。 はいいろ||のり||かたまり|||ぶつ||べっとり||| Something like a lump of gray glue was sticking to it.

「 ウエー 、 トロール の 鼻 くそ だ 」 |||はな|| "Wow, that troll's nose is crap."

ハリー は それ を トロール の ズボン で 拭き取った 。 ||||||ずぼん||ふきとった Harry wiped it off with the troll's pants.

急に バタン と いう 音 が して 、 バタバタ と 足音 が 聞こえ 、 三 人 は 顔 を 上げた 。 きゅうに||||おと|||||あしおと||きこえ|みっ|じん||かお||あげた There was a sudden bang, followed by the clatter of footsteps, and the three looked up. どんなに 大 騒動 だった か 三 人 は 気づき も し なかった が 、 物 が 壊れる 音 や 、 トロール の うなり 声 を 階下 の 誰 か が 聞きつけた に 違いない 。 |だい|そうどう|||みっ|じん||きづき|||||ぶつ||こぼれる|おと|||||こえ||かいか||だれ|||ききつけた||ちがいない The three didn't realize how tumultuous it was, but someone downstairs must have heard the sound of things breaking and the roar of trolls. まもなく マクゴナガル 先生 が 飛び込んで きた 。 ||せんせい||とびこんで| Soon after, Professor McGonagall came running into the room. その すぐ 後 に スネイプ 、 最後 は クィレル だった 。 ||あと|||さいご||| Soon after that was Snape, and finally Quirrell.

クィレル は トロール を 一目 見た とたん 、 ヒーヒー と 弱々しい 声 を 上げ 、 胸 を 押さえて トイレ に 座り込んで しまった 。 ||||いちもく|みた||||よわよわしい|こえ||あげ|むね||おさえて|といれ||すわりこんで| As soon as Quirel glanced at the troll, he screamed and screamed, holding his chest down and sitting in the bathroom.

スネイプ は トロール を のぞき込んだ 。 ||||のぞきこんだ Snape took a peek at the troll. マクゴナガル 先生 は ハリー と ロン を 見すえた 。 |せんせい||||||みすえた McGonagall looked at Harry and Ron. ハリー は こんなに 怒った 先生 の 顔 を 初めて 見た 。 |||いかった|せんせい||かお||はじめて|みた Harry saw the face of such an angry teacher for the first time. 唇 が 蒼白 だ 。 くちびる||そうはく| His lips are pale. グリフィンドール の ため に 五十 点 もらえる か な と いう ハリー の 望み は 、 あっという間 に 消え去った 。 ||||ごじゅう|てん||||||||のぞみ||あっというま||きえさった Harry's desire to receive fifty points for Gryffindor disappeared in a blink of an eye.

「 いったい全体 あなた 方 は どういう つもり な んです か 」 いったいぜんたい||かた|||||| "What on earth are you going to do?"

マクゴナガル 先生 の 声 は 冷静だ が 怒り に 満ちて いた 。 |せんせい||こえ||れいせいだ||いかり||みちて| Dr. McGonagall's voice was calm but full of anger. ハリー は ロン を 見た 。 ||||みた まだ 杖 を 振り上げた まま の 格好 で 立って いる 。 |つえ||ふりあげた|||かっこう||たって| He is still standing with his cane raised.

「 殺さ れ なかった の は 運 が よかった 。 ころさ|||||うん|| "I was lucky that I wasn't killed. 寮 に いる べき あなた 方 が どうして ここ に いる んです か ? りょう|||||かた||||||| Why are you here who should be in the dormitory? 」 スネイプ は ハリー に 素早く 、 鋭い 視線 を 投げかけた 。 ||||すばやく|するどい|しせん||なげかけた Snape cast a quick, sharp look at Harry. ハリー は うつむいた 。 ロン が 杖 を 降ろせば いい のに と 思った 。 ||つえ||おろせば||||おもった I wish Ron had dropped his cane.

その 時 暗がり から 小さな 声 が した 。 |じ|くらがり||ちいさな|こえ|| At that time, a small voice was heard from the darkness.

「 マクゴナガル 先生 。 |せんせい 開いて ください ── 二 人 と も 私 を 探し に 来た んです 」 あいて||ふた|じん|||わたくし||さがし||きた| Please open it ── They both came to look for me. "

「 ミス ・ グレンジャー ! みす| 」 ハーマイオニー は やっと 立ち上がった 。 |||たちあがった Hermione finally got up. 「 私 が トロール を 探し に 来た んです 。 わたくし||||さがし||きた| "I came looking for a troll. 私 …… 私 一 人 で やっつけられる と 思いました ── あの 、 本 で 読んで トロール に ついて は いろんな こと を 知って た ので 」  ロン は 杖 を 取り 落とした 。 わたくし|わたくし|ひと|じん||やっつけ られる||おもい ました||ほん||よんで||||||||しって|||||つえ||とり|おとした I ... I thought I could beat him alone ── Well, I read in a book and knew a lot about trolls. ”Ron dropped his wand. ハーマイオニー ・ グレンジャー が 先生 に 真っ赤な 嘘 を ついて いる ? |||せんせい||まっかな|うそ||| Is Hermione Granger telling a bright red lie to her teacher?

「 もし 二 人 が 私 を 見つけて くれ なかったら 、 私 、 今頃 死んで いました 。 |ふた|じん||わたくし||みつけて|||わたくし|いまごろ|しんで|い ました "If they hadn't found me, I would be dead by now. ハリー は 杖 を トロール の 鼻 に 刺し 込んで くれ 、 ロン は トロール の 棍棒 で ノックアウト して くれました 。 ||つえ||||はな||さし|こんで||||||こんぼう||のっくあうと||くれ ました Harry stuck his wand in the troll's nose and Ron knocked him out with the troll's club. 二 人 と も 誰 か を 呼び に いく 時間 が なかった んです 。 ふた|じん|||だれ|||よび|||じかん||| Neither of them had time to call someone. 二 人 が 来て くれた 時 は 、 私 、 もう 殺さ れる 寸前 で ……」 ふた|じん||きて||じ||わたくし||ころさ||すんぜん| By the time the two of you came, I was already on the verge of being killed..."

ハリー も ロン も 、 その とおり です 、 と いう 顔 を 装った 。 |||||||||かお||よそおった Both Harry and Ron disguised themselves as saying, "That's right."

「 まあ 、 そういう こと でしたら ……」 マクゴナガル 先生 は 三 人 を じっと 見た 。 |||||せんせい||みっ|じん|||みた "Well, if that's the case..." Professor McGonagall stared at them.

「 ミス ・ グレンジャー 、 なんと 愚 か しい こと を 。 みす|||ぐ|||| "Miss Granger, how stupid. たった 一 人 で 野生 の トロール を 捕まえよう なんて 、 そんな こと を どうして 考えた のです か ? |ひと|じん||やせい||||つかまえよう||||||かんがえた|| What made you think of catching a wild troll all by yourself? 」 ハーマイオニー は うなだれた 。 Hermione was drowning. ハリー は 言葉 も 出 なかった 。 ||ことば||だ| Harry didn't even say a word. 規則 を 破る なんて 、 ハーマイオニー は 絶対 そんな こと を し ない 人間 だ 。 きそく||やぶる||||ぜったい||||||にんげん| Hermione is a man who never breaks the rules. その 彼女 が 規則 を 破った ふり を して いる 。 |かのじょ||きそく||やぶった|||| She pretends to have broken the rules. 僕たち を か ぼう ため に 。 ぼくたち||||| To protect us. まるで スネイプ が 菓子 を みんな に 配り はじめた ような もの だ 。 |||かし||||くばり|||| It's like Snape started distributing sweets to everyone.

「 ミス ・ グレンジャー 、 グリフィンドール から 五 点 減点 です 。 みす||||いつ|てん|げんてん| "Miss Granger, five points from Gryffindor. あなた に は 失望 しました 。 |||しつぼう|し ました I was disappointed with you. 怪我 が ない なら グリフィンドール 塔 に 帰った 方 が よい でしょう 。 けが|||||とう||かえった|かた||| If you are not injured, you should return to the Gryffindor Tower. 生徒 たち が 、 さっき 中断 した パーティー の 続き を 寮 で やって います 」  ハーマイオニー は 帰って いった 。 せいと||||ちゅうだん||ぱーてぃー||つづき||りょう|||い ます|||かえって| The students are doing the continuation of the party they just interrupted in the dormitory. ”Hermione went home. マクゴナガル 先生 は 今度 は ハリー と ロン の 方 に 向き直った 。 |せんせい||こんど||||||かた||むきなおった Dr. McGonagall turned to Harry and Ron this time.

「 先ほど も 言いました が 、 あなた たち は 運 が よかった 。 さきほど||いい ました|||||うん|| "As I said earlier, you guys were lucky. でも 大人 の 野生 トロール と 対決 できる 一 年生 は そう ざらに は いま せ ん 。 |おとな||やせい|||たいけつ||ひと|ねんせい||||||| However, there aren't many first-year students who can confront adult wild trolls. 一 人 五 点 ずつ あげましょう 。 ひと|じん|いつ|てん||あげ ましょう Let's give 5 points for each person. ダンブルドア 先生 に ご 報告 して おきます 。 |せんせい|||ほうこく||おき ます I would like to report to Professor Dumbledore. 帰って よろしい 」 かえって| You're welcome to come home."

急いで 部屋 を 出て 、 二 つ 上 の 階 に 上がる まで 二 人 は 何も 話さ なかった 。 いそいで|へや||でて|ふた||うえ||かい||あがる||ふた|じん||なにも|はなさ| They didn't say anything until they hurried out of the room and went up two floors. 何はともあれ 、 トロール の あの 匂い から 逃れられた の は 嬉しかった 。 なにはともあれ||||におい||のがれ られた|||うれしかった Anyway, I'm glad I escaped that troll smell. 「 二 人 で 十 点 は 少ない よ な 」 ふた|じん||じゅう|てん||すくない|| "Two people have few ten points."

と ロン が ぶつ くさ 言った 。 |||||いった Ron said in a hurry.

「 二 人 で 五 点 だ ろ 。 ふた|じん||いつ|てん|| "Two people have five points. ハーマイオニー の 五 点 を 引く と 」 と ハリー が 訂正 した 。 ||いつ|てん||ひく|||||ていせい| Draw five points for Hermione, "Harry corrected.

「 ああ やって 彼女 が 僕たち を 助けて くれた の は たしかに ありがたかった よ 。 ||かのじょ||ぼくたち||たすけて|||||| "Oh, I'm grateful that she helped us. だけど 、 僕たち が あいつ を 助けた の も たしかな んだ ぜ 」 |ぼくたち||||たすけた||||| But it's also true that we helped him."

「 僕たち が 鍵 を かけて ヤツ を ハーマイオニー と 一緒に 閉じ込めたり し なかったら 、 助け は 要ら なかった かも しれ ない よ 」 ハリー は ロン に 正確な 事実 を 思い出さ せた 。 ぼくたち||かぎ|||やつ||||いっしょに|とじこめたり|||たすけ||いら||||||||||せいかくな|じじつ||おもいださ| "If we hadn't locked him in with Hermione, we might not have needed help," Harry reminded Ron of the exact facts.

二 人 は 太った 婦人 の 肖像 画 の 前 に 着いた 。 ふた|じん||ふとった|ふじん||しょうぞう|が||ぜん||ついた They arrived in front of a portrait of a fat lady.

「 豚 の 鼻 」 の 合言葉 で 二 人 は 中 に 入って いった 。 ぶた||はな||あいことば||ふた|じん||なか||はいって| With the slogan "Pig's nose," the two entered.

談話 室 は 人 が いっぱいで ガヤガヤ して いた 。 だんわ|しつ||じん|||がやがや|| The common room was full of people and buzzing. みんな 談話 室 に 運ばれて きた 食べ物 を 食べて いた 。 |だんわ|しつ||はこば れて||たべもの||たべて| Everyone was eating the food that was brought to the lounge. ハーマイオニー だけ が 一 人 ポツンと 扉 の そば に 立って 二 人 を 待って いた 。 |||ひと|じん|ぽつんと|とびら||||たって|ふた|じん||まって| Only Hermione stood by the door and waited for them. 互いに 気まずい 一瞬 が 流れた 。 たがいに|きまずい|いっしゅん||ながれた An awkward moment flowed through each other. そして 、 三 人 と も 顔 を 見 も せ ず 、 互いに 「 ありがとう 」 と 言って から 、 急いで 食べ物 を 取り に 行った 。 |みっ|じん|||かお||み||||たがいに|||いって||いそいで|たべもの||とり||おこなった Without even looking at each other, the three of them said "thank you" to each other and then hurried off to get the food.

それ 以来 、 ハーマイオニー ・ グレンジャー は 二 人 の 友人 に なった 。 |いらい||||ふた|じん||ゆうじん|| Since then, Hermione Granger has become two friends. 共通 の 経験 を する こと で 互い を 好きに なる 、 そんな 特別な 経験 が ある もの だ 。 きょうつう||けいけん|||||たがい||すきに|||とくべつな|けいけん|||| There is such a special experience that you will like each other by having a common experience. 四 メートル も ある トロール を ノックアウト した と いう 経験 も まさしく それ だった 。 よっ|めーとる|||||のっくあうと||||けいけん|||| That was exactly the experience of knocking out a four-meter troll.