×

我們使用cookies幫助改善LingQ。通過流覽本網站,表示你同意我們的 cookie policy.


image

北斗の拳 (Fist of the North Star), Hokuto no Ken (Fist of the North Star) Episode 103

Hokuto no Ken ( Fist of the North Star ) Episode 103

( ナレーター ) 運命 を 切り開く 男 が いる

天 に 背く 男 が いる

それ は 北斗 神 拳 ( ほ く と しんけん ) 2000 年 の 宿命

見よ 今 その 長き 血 の 歴史 に 終止符 が 打た れる

♪ ~

~ ♪

( ケンシロウ ) うん っ

( ナレーター ) 愛する ユリヤ を 奪った ラオウ を 追って

ケンシロウ は 荒野 を 急ぐ

( ケンシロウ ) アタッ ( 拳 王 ( けん おう ) 軍兵 A ) ウワッ クッ

アッ アア …

( 拳 王 軍兵 B ) オウッ グハッ

( ナレーター ) 一方

己 の 隠れ 城 に 立てこもった ラオウ は

( ラオウ ) ハア ハア ハア

俺 が ケンシロウ に 恐怖 を

あり え ぬ

( フドウ の 部下 ) う わ ああ

( ナレーター ) ラオウ は 動きだし た

身寄り の ない 子ども たち の ―

親 代わり と なって 暮らす フドウ の 村 へ

ラオウ の 魔 の 手 は 迫り くる

世紀 末 覇者 ラオウ の もくろみ は 何 か

フドウ の 子ども たち の 運命 は

あ あっ ああ …

( フドウ ) 何故 … 何故 貴 様 が ここ に ?

( ラオウ ) 貴 様 の 拳 と 命 が 欲しい

俺 が 魔 王 と なる ため に は う ぬ の 中 に 流れる ―

鬼 の 血 が 必要 だ

( リン ) え えっ ( バット ) 鬼 の 血 ?

( ラオウ ) 今 は 万 人 に 慕わ れる 善 の フドウ だ が

いかに 善人 の 皮 を かぶ ろ う と も その 体 に は ―

鬼 の 血 が 流れ て おる

その 鬼 の 血 を もらい に き た

ど … どう いう こと な ん だ

フドウ さん に 鬼 の 血 だ なんて …

貴 様 は ケンシロウ を 倒す ため

血 の いけにえ に なって もら お う

( フドウ ) ケンシロウ と の 戦い に 恐怖 し た か ラオウ !

( ラオウ ) フッ フフ

フドウ よ 鬼 と なれ 鬼 と なって 我 と 戦え

さもなくば 子ども を すべて 殺す

( 拳 王 軍兵 たち ) ええ い

や あっ !

( 子ども たち ) ああ …

よか ろ う

山 の フドウ 鬼 と な ろ う

鬼 と なら ね ば 貴 様 を 倒 せ ん

つい て こい ラオウ !

( ラオウ ) フッフ フフ

かつて 若き 日 の この 俺 を ただ 一 度 恐怖 さ せ た 男

フドウ よ

ギャア ウワッ

( 従者 A ) ウギャア ウウッ

( 従者 たち ) あ あっ

( ラオウ ) く う っ

くう う …

( フドウ ) フフ フフッ

( 従者 B ) フドウ ! 覚悟

( フドウ ) ウフ フフ

北斗 神 拳 を 甘く 見る な

( フドウ ) ほ ざ け ! さあ かかって こい

お わ あ !

ぎ ゃ あっ

フフフフフ

どう し た

そんな 程度 で 俺 を 倒 せる と 思った か

う うん ?

フッフ フフ

うん っ

( 従者 B ) ウウッ グワッ

( 従者 A ) う っ あっ

う う … う わ っ あっ

あ あっ あ あっ

( フドウ ) う うん う あっ

( ラオウ ) う う …

( 従者 C ) ま … 参り まし た ( 従者 D ) い … 命 だけ は

フッ 俺 に とって は 戦い は 生 か 死 か 2 つ に 1 つ

命がけ で 戦う やつ は い ねえ か !

い なけ れ ば あの 金 と 食料 を もらって いく ぞ

( ラオウ ) くっ

くう う …

若 造 !

死 の 覚悟 は でき て おる か !

う う っ

フン !

( リュウ ケン ) フドウ と か 申し た な

わし は リュウ ケン 北斗 神 拳 の 伝承 者 だ

お ぬし に 問い たい 者 の 命 を 何と 心得る

( フドウ ) 命 ?

フンッ 命 など ウジ 虫 よ 湧 い て 出る わ

哀れ な やつ よ

( フドウ ) ほ ざ け ハハハッ

( ラオウ ) くう …

は あ くっ

ラオウ よ 動 け ぬ か

お前 でも 鬼 に は 勝 て ぬ か

( ラオウ ) う っ くっ

あの とき の 気迫 動 け なかった

あれ は まさに 鬼 の 気迫 !

この ラオウ

恐怖 を 感じ た の は ―

あと に も 先 に も あの とき 一 度 かぎり

今 こそ やつ の 鬼 の 気迫 を 飲み込み ―

ケンシロウ へ の 気 の 迷い など 吹き飛ばし て くれる わ !

( フドウ ) あの ころ の 俺 は

村 々 へ 押し入り 倒し 奪い 食らい 飲む

鬼 の 生活 だった

( 人々 ) わ あっ 助け て くれ !

助け て くれ 鬼 が 来 た ぞ !

( 女性 ) キャー !

( 南 斗 の 従者 ) フドウ だ 止めろ !

フッハハハ

( 南 斗 の 従者 たち ) あ あっ ( フドウ ) う おお !

アハハ ハッ

う わ あっ

い よっ

( 南 斗 の 従者 たち ) う わ あっ

フン ウジ 虫 が !

うん ここ か

なん だ 小 娘

ユ … ユリア 様 いけ ませ ぬ

お 戻り ください その 男 は 鬼 の フドウ !

刃 向 って は いけ ませ ぬ

ほう この 俺 が 怖く ない の か

オラ どき な !

おう おうおう お前 何 を 隠し て おる ん だ ?

その 幼き 命 まで 捨て て 何 を 守 ろ う と いう の だ

( フドウ ) ど けっ ( ユリア ) あっ !

( フドウ ) な っ

( 子 犬 の 鳴き声 )

( フドウ ) ああ … あっ

い … 犬 ?

あ あっ 生まれ た !

( フドウ ) うん ?

( ユリア ) わ あっ フフッ

ウフフ フッ あっ

( フドウ ) この 子 が 命がけ で 守った もの は

この 犬

なぜ …

( ユリア ) ウフ フッ

ほら っ ウフフッ

( フドウ ) ああ …

お っ あ あっ

お っ あっ

ほう …

( ユリア ) ウフフッ ね ? 生き てる でしょ

暖かい でしょ ? これ が 命 よ

( フドウ ) 命 …

うん

命 …

鬼 が 負け おった わ

( フドウ ) ハア …

( フドウ ) 俺 は 母 も 知ら ず 父 も 知ら ず に 育った

だから それ まで 命 など ―

ウジ 虫 の ごとく 湧き出る もの と 思って い た

しかし …

その 子 犬 の あまり の か弱 さ に ただ たじろ い だ

そして まだ 幼かった ユリア に 知る はず も ない 母 を 見 た

その 日 より 俺 は 鬼 の よろい を 捨て

南 斗 慈母 星 ( なんと じ ぼ せい ) に 仕える 五 車 星 ( ご しゃせい ) の 男

山 の フドウ と し て 生きる こと を 誓った

だが 今 その よろい を 着ける とき が き た

お 許し くだされ ユリア 様

この フドウ 汚れ なき 命 の ため に 鬼 と 戻り 戦 お う

( バット と リン ) あっ ああ !

( リン ) あれ が フドウ さん ?

( 子ども たち ) フドウ の 父ちゃん お 父 さ ー ん !

( オル ) リハク 様 ( リハク ) やはり ここ か

リハク 様 なぜ ラオウ は この 村 を 襲う と 分かり まし た ?

うむ やつ は 恐怖 と 戦って いる

( オル ) は っ ?

ラオウ は ケンシロウ の 幻 の 秘 奥義

無 想 転生 ( むそう てんせい ) の 前 に おびえ た

( ラオウ ) バ … バカ な

俺 が … この ラオウ が

ふ … 震え て

この ラオウ が 震え て …

ラオウ よ それ が 恐怖 と いう もの だ

な ぬ っ !

( リハク ) その とき から やつ の 中 で 恐怖 と の 戦い が 始まった

恐怖 を 拭い去る に は ―

さらなる 大きな 恐怖 と 立ち向かう こと が 必要 だ

ラオウ が かつて 感じ た 最大 の 恐怖 と は ―

若き 頃 に 出会った 鬼 の フドウ

やつ が ケンシロウ に 抱 い た 恐怖 を 払う に は ―

フドウ と 戦う こと 以外 に は ない

フドウ

鬼 の 闘 気 は よみがえった な

だが う ぬ の 鬼 の 拳 が さび つい て は どう に も なら ぬ

やれ っ !

( 拳 王 軍兵 C ) ぬ ふ っ は いや あ !

ぎ ゃ あ !

う あ ああ

あっ う わ ああ

ギャア

アアッ ウウウッ

腕 が … ない ああ あっ

う お っ う ぐ ぐ っ

( フドウ ) ぬ う っ

( バット ) ダメ だ 見る な 見る なって ば !

( フドウ ) ぬ お お お っ

( 拳 王 軍兵 C ) ウゲッ ウヒッ グッギャア

ば き ゃっ ぴ き ゃ あ

( フドウ ) は あ お おお

( ラオウ ) アハハ ハッ

フドウ その 心 その 拳 昔 の フドウ そのまま だ

ならば こそ 俺 の 拳 の いけにえ に ふさわしい

その 鬼 の 闘 気 飲み込 ん で やる わ

よい か !

俺 が 一 歩 でも ここ より ひ い たら 容赦 は いら ぬ

この 背 に すべて の 矢 を 撃ち 放て !

( 拳 王 軍兵 たち ) は はっ

( 拳 王 軍兵 D ) しぼれ !

( ラオウ ) もし この 線 より ひく なら この ラオウ

死 ある のみ !

弟 ケンシロウ に 勝 て ぬ 愚か な 兄

ラオウ !

( 拳 王 軍兵 E ) おい もしも ケンシロウ が 来 たら どう する よ

拳 王様 は い ねえ し

( 拳 王 軍兵 F ) ヘッヘヘ へ どうせ やつ は 目 を 負傷 し て いる

我々 が 束 ん なりゃ 簡単 に 勝 てる さ

( 男 ) 本当 に そう かな ?

そう だ と も お め え も くどい な ちょ ろ い もん だ ぜ

アッハハ

( 男 ) で は 束 に なって もら お う か

( 拳 王 軍兵 F ) う う っ な … なん だ ?

ケ … ケンシロウ

( ケンシロウ ) は あ ああ アチャー !

( 拳 王 軍兵 たち ) う わ あ あ !

ケンシロウ だ ! ケンシロウ だ

( 拳 王 軍兵 たち ) ケンシロウ だ ! ケンシロウ が 来る ぞ !

ケンシロウ だ !

て や あ !

野郎 !

くら え !

( ケンシロウ ) は あ ああ

アター アチョー !

( 拳 王 軍兵 たち ) お わ あ !

おわ っ お えっ

おお っ おお お っ

偉 え こと を し て くれ た じゃ … あっ

あっ う っ あ あっ

ラオウ は どこ だ

ユリア は どこ だ

誰 が て め え なんか … アゲッ !

( ケンシロウ ) さあ 言え !

ヘッヘヘ ナメ ん な よ

俺 は 口 が 堅い んで 有名 な ん だ

そ っか

( 拳 王 軍兵 G ) あが ひ ひ っ が が が ひ っ が が が が ああ あ あっ ああ …

あっ あっ ああ

回り 方 が まだ 足りない か

あ あっ いいえ 言わ せ て いただき ます

拳 王様 は この 城 を 捨て て フドウ の 村 へ !

( ケンシロウ ) う っ ユリア は ?

ほ … ほか の お 城 へ 移さ れ た どこ だ か 知ら ねえ

ホ … ホント に 知ら ねえ ん だ よ

ユリア

( フドウ ) う お っ

( ラオウ ) うりゃ あ !

( フドウ ) う わ お っ ど わ っ !

あっ

アッ ウッ ふん っ

お 父さん !

フドウ さん !

( キラ ) おのれ !

( リハク ) 待て ( オル ) なぜ なぜ です か !

今 手助け を すれ ば 拳 王 部隊 は 必ず 子ども たち を 襲う

( フドウ ) おお っ ウウッ

( ラオウ ) フフフ フフ フフ

フドウ 俺 の 血 を すする 気 で こい !

さもなくば 貴 様 に 勝ち目 は ない ぞ

( フドウ ) おのれ !

う お !

う うりゃ あ !

( ラオウ ) うん が あ !

( フドウ ) う わ あっ

ウウッ

( 子ども A ) あ あっ ( 子ども B ) 父ちゃん !

フドウ の 父さん !

この 拳 王 かつて の ラオウ と は 違う

鬼 の フドウ の 恐怖 など みじんも 感じ ぬ

やはり ケンシロウ に 感じ た 恐怖 など 気 の 迷い に すぎ ぬ

フドウ よ

もはや お前 に は 用 は ない

子ども たち と 共に 死 に 果てる が よい

( フドウ ) ハア … どう かな

貴 様 が 俺 の 中 に 鬼 を 見る の は ―

これ から だ !

あ あっ

ああ …

ああ …

と おお っ

( ラオウ ) う い いや あ !

父さん …

( フドウ ) アアッ

これ が 鬼 の 拳 か

やはり 情け は 拳 を 曇ら す のみ か

( フドウ ) うん っ

( ラオウ ) おわ っ 抜け ぬ !

( フドウ ) は あ ああ …

( ラオウ ) うん ?

この 目 だ

この 悲しき 目 の 光 こそ

俺 が ケンシロウ に 感じ た 同じ 光

これ だ これ が 恐怖 だ

( フドウ ) う うん

( ラオウ ) ぬ ああ ああ …

うん っ グアア

フドウ !

今 こそ 貴 様 の 血 と 共に 恐怖 を 飲み込 ん で くれる わ

ど りゃ あ !

( リン ) キャー !

( ケンシロウ ) あ あっ

フドウ !

♪ ~

~ ♪

( ナレーター ) ラオウ よ 汚れ なき 涙 の 力 を 知れ

たとえ この 身 は 砕け て も まこと の 勝利 我 に あり

次回 北斗 の 拳

「 やさしき 勇者 フドウ ! 」

「 その 涙 は 熱き 心 を 呼びさます ! ! 」

( ケンシロウ ) 北斗 の 掟 ( おきて ) は 俺 が 守る


Hokuto no Ken ( Fist of the North Star ) Episode 103

( ナレーター ) 運命 を 切り開く 男 が いる なれーたー|うんめい||きりひらく|おとこ||

天 に 背く 男 が いる てん||そむく|おとこ||

それ は 北斗 神 拳 ( ほ く と しんけん ) 2000 年 の 宿命 ||ほくと|かみ|けん|||||とし||しゅくめい

見よ 今 その 長き 血 の 歴史 に 終止符 が 打た れる みよ|いま||ながき|ち||れきし||しゅうしふ||うた|

♪ ~

~ ♪

( ケンシロウ ) うん っ

( ナレーター ) 愛する ユリヤ を 奪った ラオウ を 追って なれーたー|あいする|||うばった|||おって

ケンシロウ は 荒野 を 急ぐ ||こうや||いそぐ

( ケンシロウ ) アタッ ( 拳 王 ( けん おう ) 軍兵 A ) ウワッ クッ ||けん|おう|||ぐんぴょう|||

アッ アア …

( 拳 王 軍兵 B ) オウッ グハッ けん|おう|ぐんぴょう|||

( ナレーター ) 一方 なれーたー|いっぽう

己 の 隠れ 城 に 立てこもった ラオウ は おのれ||かくれ|しろ||たてこもった||

( ラオウ ) ハア ハア ハア

俺 が ケンシロウ に 恐怖 を おれ||||きょうふ|

あり え ぬ

( フドウ の 部下 ) う わ ああ ||ぶか|||

( ナレーター ) ラオウ は 動きだし た なれーたー|||うごきだし|

身寄り の ない 子ども たち の ― みより|||こども||

親 代わり と なって 暮らす フドウ の 村 へ おや|かわり|||くらす|||むら|

ラオウ の 魔 の 手 は 迫り くる ||ま||て||せまり|

世紀 末 覇者 ラオウ の もくろみ は 何 か せいき|すえ|はしゃ|||||なん|

フドウ の 子ども たち の 運命 は ||こども|||うんめい|

あ あっ ああ …

( フドウ ) 何故 … 何故 貴 様 が ここ に ? |なぜ|なぜ|とうと|さま|||

( ラオウ ) 貴 様 の 拳 と 命 が 欲しい |とうと|さま||けん||いのち||ほしい

俺 が 魔 王 と なる ため に は う ぬ の 中 に 流れる ― おれ||ま|おう|||||||||なか||ながれる

鬼 の 血 が 必要 だ おに||ち||ひつよう|

( リン ) え えっ ( バット ) 鬼 の 血 ? りん|||ばっと|おに||ち

( ラオウ ) 今 は 万 人 に 慕わ れる 善 の フドウ だ が |いま||よろず|じん||したわ||ぜん||||

いかに 善人 の 皮 を かぶ ろ う と も その 体 に は ― |ぜんにん||かわ||||||||からだ||

鬼 の 血 が 流れ て おる おに||ち||ながれ||

その 鬼 の 血 を もらい に き た |おに||ち|||||

ど … どう いう こと な ん だ

フドウ さん に 鬼 の 血 だ なんて … |||おに||ち||

貴 様 は ケンシロウ を 倒す ため とうと|さま||||たおす|

血 の いけにえ に なって もら お う ち|||||||

( フドウ ) ケンシロウ と の 戦い に 恐怖 し た か ラオウ ! ||||たたかい||きょうふ||||

( ラオウ ) フッ フフ

フドウ よ 鬼 と なれ 鬼 と なって 我 と 戦え ||おに|||おに|||われ||たたかえ

さもなくば 子ども を すべて 殺す |こども|||ころす

( 拳 王 軍兵 たち ) ええ い けん|おう|ぐんぴょう|||

や あっ !

( 子ども たち ) ああ … こども||

よか ろ う

山 の フドウ 鬼 と な ろ う やま|||おに||||

鬼 と なら ね ば 貴 様 を 倒 せ ん おに|||||とうと|さま||たお||

つい て こい ラオウ !

( ラオウ ) フッフ フフ

かつて 若き 日 の この 俺 を ただ 一 度 恐怖 さ せ た 男 |わかき|ひ|||おれ|||ひと|たび|きょうふ||||おとこ

フドウ よ

ギャア ウワッ

( 従者 A ) ウギャア ウウッ じゅうしゃ|||

( 従者 たち ) あ あっ じゅうしゃ|||

( ラオウ ) く う っ

くう う …

( フドウ ) フフ フフッ

( 従者 B ) フドウ ! 覚悟 じゅうしゃ|||かくご

( フドウ ) ウフ フフ

北斗 神 拳 を 甘く 見る な ほくと|かみ|けん||あまく|みる|

( フドウ ) ほ ざ け ! さあ かかって こい

お わ あ !

ぎ ゃ あっ

フフフフフ

どう し た

そんな 程度 で 俺 を 倒 せる と 思った か |ていど||おれ||たお|||おもった|

う うん ?

フッフ フフ

うん っ

( 従者 B ) ウウッ グワッ じゅうしゃ|||

( 従者 A ) う っ あっ じゅうしゃ||||

う う … う わ っ あっ

あ あっ あ あっ

( フドウ ) う うん う あっ

( ラオウ ) う う …

( 従者 C ) ま … 参り まし た ( 従者 D ) い … 命 だけ は じゅうしゃ|||まいり|||じゅうしゃ|||いのち||

フッ 俺 に とって は 戦い は 生 か 死 か 2 つ に 1 つ |おれ||||たたかい||せい||し||||

命がけ で 戦う やつ は い ねえ か ! いのちがけ||たたかう|||||

い なけ れ ば あの 金 と 食料 を もらって いく ぞ |||||きむ||しょくりょう||||

( ラオウ ) くっ

くう う …

若 造 ! わか|つく

死 の 覚悟 は でき て おる か ! し||かくご|||||

う う っ

フン ! ふん

( リュウ ケン ) フドウ と か 申し た な |けん||||もうし||

わし は リュウ ケン 北斗 神 拳 の 伝承 者 だ |||けん|ほくと|かみ|けん||でんしょう|もの|

お ぬし に 問い たい 者 の 命 を 何と 心得る |||とい||もの||いのち||なんと|こころえる

( フドウ ) 命 ? |いのち

フンッ 命 など ウジ 虫 よ 湧 い て 出る わ |いのち||うじ|ちゅう||わ|||でる|

哀れ な やつ よ あわれ|||

( フドウ ) ほ ざ け ハハハッ

( ラオウ ) くう …

は あ くっ

ラオウ よ 動 け ぬ か ||どう|||

お前 でも 鬼 に は 勝 て ぬ か おまえ||おに|||か|||

( ラオウ ) う っ くっ

あの とき の 気迫 動 け なかった |||きはく|どう||

あれ は まさに 鬼 の 気迫 ! |||おに||きはく

この ラオウ

恐怖 を 感じ た の は ― きょうふ||かんじ|||

あと に も 先 に も あの とき 一 度 かぎり |||さき|||||ひと|たび|

今 こそ やつ の 鬼 の 気迫 を 飲み込み ― いま||||おに||きはく||のみこみ

ケンシロウ へ の 気 の 迷い など 吹き飛ばし て くれる わ ! |||き||まよい||ふきとばし|||

( フドウ ) あの ころ の 俺 は ||||おれ|

村 々 へ 押し入り 倒し 奪い 食らい 飲む むら|||おしいり|たおし|うばい|くらい|のむ

鬼 の 生活 だった おに||せいかつ|

( 人々 ) わ あっ 助け て くれ ! ひとびと|||たすけ||

助け て くれ 鬼 が 来 た ぞ ! たすけ|||おに||らい||

( 女性 ) キャー ! じょせい|

( 南 斗 の 従者 ) フドウ だ 止めろ ! みなみ|と||じゅうしゃ|||とどめろ

フッハハハ

( 南 斗 の 従者 たち ) あ あっ ( フドウ ) う おお ! みなみ|と||じゅうしゃ||||||

アハハ ハッ

う わ あっ

い よっ

( 南 斗 の 従者 たち ) う わ あっ みなみ|と||じゅうしゃ||||

フン ウジ 虫 が ! ふん|うじ|ちゅう|

うん ここ か

なん だ 小 娘 ||しょう|むすめ

ユ … ユリア 様 いけ ませ ぬ ||さま|||

お 戻り ください その 男 は 鬼 の フドウ ! |もどり|||おとこ||おに||

刃 向 って は いけ ませ ぬ は|むかい|||||

ほう この 俺 が 怖く ない の か ||おれ||こわく|||

オラ どき な !

おう おうおう お前 何 を 隠し て おる ん だ ? ||おまえ|なん||かくし||||

その 幼き 命 まで 捨て て 何 を 守 ろ う と いう の だ |おさなき|いのち||すて||なん||しゅ||||||

( フドウ ) ど けっ ( ユリア ) あっ !

( フドウ ) な っ

( 子 犬 の 鳴き声 ) こ|いぬ||なきごえ

( フドウ ) ああ … あっ

い … 犬 ? |いぬ

あ あっ 生まれ た ! ||うまれ|

( フドウ ) うん ?

( ユリア ) わ あっ フフッ

ウフフ フッ あっ

( フドウ ) この 子 が 命がけ で 守った もの は ||こ||いのちがけ||まもった||

この 犬 |いぬ

なぜ …

( ユリア ) ウフ フッ

ほら っ ウフフッ

( フドウ ) ああ …

お っ あ あっ

お っ あっ

ほう …

( ユリア ) ウフフッ ね ? 生き てる でしょ |||いき||

暖かい でしょ ? これ が 命 よ あたたかい||||いのち|

( フドウ ) 命 … |いのち

うん

命 … いのち

鬼 が 負け おった わ おに||まけ||

( フドウ ) ハア …

( フドウ ) 俺 は 母 も 知ら ず 父 も 知ら ず に 育った |おれ||はは||しら||ちち||しら|||そだった

だから それ まで 命 など ― |||いのち|

ウジ 虫 の ごとく 湧き出る もの と 思って い た うじ|ちゅう|||わきでる|||おもって||

しかし …

その 子 犬 の あまり の か弱 さ に ただ たじろ い だ |こ|いぬ||||かよわ||||||

そして まだ 幼かった ユリア に 知る はず も ない 母 を 見 た ||おさなかった|||しる||||はは||み|

その 日 より 俺 は 鬼 の よろい を 捨て |ひ||おれ||おに||||すて

南 斗 慈母 星 ( なんと じ ぼ せい ) に 仕える 五 車 星 ( ご しゃせい ) の 男 みなみ|と|じぼ|ほし||||||つかえる|いつ|くるま|ほし||||おとこ

山 の フドウ と し て 生きる こと を 誓った やま||||||いきる|||ちかった

だが 今 その よろい を 着ける とき が き た |いま||||つける||||

お 許し くだされ ユリア 様 |ゆるし|||さま

この フドウ 汚れ なき 命 の ため に 鬼 と 戻り 戦 お う ||けがれ||いのち||||おに||もどり|いくさ||

( バット と リン ) あっ ああ ! ばっと||りん||

( リン ) あれ が フドウ さん ? りん||||

( 子ども たち ) フドウ の 父ちゃん お 父 さ ー ん ! こども||||とうちゃん||ちち||-|

( オル ) リハク 様 ( リハク ) やはり ここ か ||さま||||

リハク 様 なぜ ラオウ は この 村 を 襲う と 分かり まし た ? |さま|||||むら||おそう||わかり||

うむ やつ は 恐怖 と 戦って いる |||きょうふ||たたかって|

( オル ) は っ ?

ラオウ は ケンシロウ の 幻 の 秘 奥義 ||||まぼろし||ひ|おうぎ

無 想 転生 ( むそう てんせい ) の 前 に おびえ た む|おも|てんせい||||ぜん|||

( ラオウ ) バ … バカ な ||ばか|

俺 が … この ラオウ が おれ||||

ふ … 震え て |ふるえ|

この ラオウ が 震え て … |||ふるえ|

ラオウ よ それ が 恐怖 と いう もの だ ||||きょうふ||||

な ぬ っ !

( リハク ) その とき から やつ の 中 で 恐怖 と の 戦い が 始まった ||||||なか||きょうふ|||たたかい||はじまった

恐怖 を 拭い去る に は ― きょうふ||ぬぐいさる||

さらなる 大きな 恐怖 と 立ち向かう こと が 必要 だ |おおきな|きょうふ||たちむかう|||ひつよう|

ラオウ が かつて 感じ た 最大 の 恐怖 と は ― |||かんじ||さいだい||きょうふ||

若き 頃 に 出会った 鬼 の フドウ わかき|ころ||であった|おに||

やつ が ケンシロウ に 抱 い た 恐怖 を 払う に は ― ||||いだ|||きょうふ||はらう||

フドウ と 戦う こと 以外 に は ない ||たたかう||いがい|||

フドウ

鬼 の 闘 気 は よみがえった な おに||たたか|き|||

だが う ぬ の 鬼 の 拳 が さび つい て は どう に も なら ぬ ||||おに||けん||||||||||

やれ っ !

( 拳 王 軍兵 C ) ぬ ふ っ は いや あ ! けん|おう|ぐんぴょう|||||||

ぎ ゃ あ !

う あ ああ

あっ う わ ああ

ギャア

アアッ ウウウッ

腕 が … ない ああ あっ うで||||

う お っ う ぐ ぐ っ

( フドウ ) ぬ う っ

( バット ) ダメ だ 見る な 見る なって ば ! ばっと|だめ||みる||みる||

( フドウ ) ぬ お お お っ

( 拳 王 軍兵 C ) ウゲッ ウヒッ グッギャア けん|おう|ぐんぴょう||||

ば き ゃっ ぴ き ゃ あ

( フドウ ) は あ お おお

( ラオウ ) アハハ ハッ

フドウ その 心 その 拳 昔 の フドウ そのまま だ ||こころ||けん|むかし||||

ならば こそ 俺 の 拳 の いけにえ に ふさわしい ||おれ||けん||||

その 鬼 の 闘 気 飲み込 ん で やる わ |おに||たたか|き|のみこ||||

よい か !

俺 が 一 歩 でも ここ より ひ い たら 容赦 は いら ぬ おれ||ひと|ふ|||||||ようしゃ|||

この 背 に すべて の 矢 を 撃ち 放て ! |せ||||や||うち|はなて

( 拳 王 軍兵 たち ) は はっ けん|おう|ぐんぴょう|||

( 拳 王 軍兵 D ) しぼれ ! けん|おう|ぐんぴょう||

( ラオウ ) もし この 線 より ひく なら この ラオウ |||せん|||||

死 ある のみ ! し||

弟 ケンシロウ に 勝 て ぬ 愚か な 兄 おとうと|||か|||おろか||あに

ラオウ !

( 拳 王 軍兵 E ) おい もしも ケンシロウ が 来 たら どう する よ けん|おう|ぐんぴょう||||||らい||||

拳 王様 は い ねえ し けん|おうさま||||

( 拳 王 軍兵 F ) ヘッヘヘ へ どうせ やつ は 目 を 負傷 し て いる けん|おう|ぐんぴょう|||||||め||ふしょう|||

我々 が 束 ん なりゃ 簡単 に 勝 てる さ われわれ||たば|||かんたん||か||

( 男 ) 本当 に そう かな ? おとこ|ほんとう|||

そう だ と も お め え も くどい な ちょ ろ い もん だ ぜ

アッハハ

( 男 ) で は 束 に なって もら お う か おとこ|||たば||||||

( 拳 王 軍兵 F ) う う っ な … なん だ ? けん|おう|ぐんぴょう|||||||

ケ … ケンシロウ

( ケンシロウ ) は あ ああ アチャー !

( 拳 王 軍兵 たち ) う わ あ あ ! けん|おう|ぐんぴょう|||||

ケンシロウ だ ! ケンシロウ だ

( 拳 王 軍兵 たち ) ケンシロウ だ ! ケンシロウ が 来る ぞ ! けん|おう|ぐんぴょう||||||くる|

ケンシロウ だ !

て や あ !

野郎 ! やろう

くら え !

( ケンシロウ ) は あ ああ

アター アチョー !

( 拳 王 軍兵 たち ) お わ あ ! けん|おう|ぐんぴょう||||

おわ っ お えっ

おお っ おお お っ

偉 え こと を し て くれ た じゃ … あっ えら|||||||||

あっ う っ あ あっ

ラオウ は どこ だ

ユリア は どこ だ

誰 が て め え なんか … アゲッ ! だれ||||||

( ケンシロウ ) さあ 言え ! ||いえ

ヘッヘヘ ナメ ん な よ

俺 は 口 が 堅い んで 有名 な ん だ おれ||くち||かたい||ゆうめい|||

そ っか

( 拳 王 軍兵 G ) あが ひ ひ っ が が が ひ っ が が が が ああ あ あっ ああ … けん|おう|ぐんぴょう||||||||||||||||||

あっ あっ ああ

回り 方 が まだ 足りない か まわり|かた|||たりない|

あ あっ いいえ 言わ せ て いただき ます |||いわ||||

拳 王様 は この 城 を 捨て て フドウ の 村 へ ! けん|おうさま|||しろ||すて||||むら|

( ケンシロウ ) う っ ユリア は ?

ほ … ほか の お 城 へ 移さ れ た どこ だ か 知ら ねえ ||||しろ||うつさ||||||しら|

ホ … ホント に 知ら ねえ ん だ よ |ほんと||しら||||

ユリア

( フドウ ) う お っ

( ラオウ ) うりゃ あ !

( フドウ ) う わ お っ ど わ っ !

あっ

アッ ウッ ふん っ

お 父さん ! |とうさん

フドウ さん !

( キラ ) おのれ !

( リハク ) 待て ( オル ) なぜ なぜ です か ! |まて|||||

今 手助け を すれ ば 拳 王 部隊 は 必ず 子ども たち を 襲う いま|てだすけ||||けん|おう|ぶたい||かならず|こども|||おそう

( フドウ ) おお っ ウウッ

( ラオウ ) フフフ フフ フフ

フドウ 俺 の 血 を すする 気 で こい ! |おれ||ち|||き||

さもなくば 貴 様 に 勝ち目 は ない ぞ |とうと|さま||かちめ|||

( フドウ ) おのれ !

う お !

う うりゃ あ !

( ラオウ ) うん が あ !

( フドウ ) う わ あっ

ウウッ

( 子ども A ) あ あっ ( 子ども B ) 父ちゃん ! こども||||こども||とうちゃん

フドウ の 父さん ! ||とうさん

この 拳 王 かつて の ラオウ と は 違う |けん|おう||||||ちがう

鬼 の フドウ の 恐怖 など みじんも 感じ ぬ おに||||きょうふ|||かんじ|

やはり ケンシロウ に 感じ た 恐怖 など 気 の 迷い に すぎ ぬ |||かんじ||きょうふ||き||まよい|||

フドウ よ

もはや お前 に は 用 は ない |おまえ|||よう||

子ども たち と 共に 死 に 果てる が よい こども|||ともに|し||はてる||

( フドウ ) ハア … どう かな

貴 様 が 俺 の 中 に 鬼 を 見る の は ― とうと|さま||おれ||なか||おに||みる||

これ から だ !

あ あっ

ああ …

ああ …

と おお っ

( ラオウ ) う い いや あ !

父さん … とうさん

( フドウ ) アアッ

これ が 鬼 の 拳 か ||おに||けん|

やはり 情け は 拳 を 曇ら す のみ か |なさけ||けん||くもら|||

( フドウ ) うん っ

( ラオウ ) おわ っ 抜け ぬ ! |||ぬけ|

( フドウ ) は あ ああ …

( ラオウ ) うん ?

この 目 だ |め|

この 悲しき 目 の 光 こそ |かなしき|め||ひかり|

俺 が ケンシロウ に 感じ た 同じ 光 おれ||||かんじ||おなじ|ひかり

これ だ これ が 恐怖 だ ||||きょうふ|

( フドウ ) う うん

( ラオウ ) ぬ ああ ああ …

うん っ グアア

フドウ !

今 こそ 貴 様 の 血 と 共に 恐怖 を 飲み込 ん で くれる わ いま||とうと|さま||ち||ともに|きょうふ||のみこ||||

ど りゃ あ !

( リン ) キャー ! りん|

( ケンシロウ ) あ あっ

フドウ !

♪ ~

~ ♪

( ナレーター ) ラオウ よ 汚れ なき 涙 の 力 を 知れ なれーたー|||けがれ||なみだ||ちから||しれ

たとえ この 身 は 砕け て も まこと の 勝利 我 に あり ||み||くだけ|||||しょうり|われ||

次回 北斗 の 拳 じかい|ほくと||けん

「 やさしき 勇者 フドウ ! 」 |ゆうしゃ|

「 その 涙 は 熱き 心 を 呼びさます ! ! 」 |なみだ||あつき|こころ||よびさます

( ケンシロウ ) 北斗 の 掟 ( おきて ) は 俺 が 守る |ほくと||おきて|||おれ||まもる