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江戸小話, タイのおかわり

タイ の おかわり

タイ の おかわり

ある 国 に 、 タイ が 大好きな 殿さま が い ました 。 ごはん の 時 に タイ が ない と 、 とても きげん が 悪く なって しまい ます 。 そこ で 家来 たち は タイ を きらさ ない よう 、 毎日 毎日 気 を 使って い ました 。

ところが ある 日 の 事 、 ひどい 嵐 で 海 が 荒れて 、 タイ が 一 匹 しか 手 に 入り ませ ん でした 。 「 一 匹 しか ない と は 困った な 。 殿 が おかわり を 言わ ねば よい が 」 家来 たち が 心配 し ながら タイ を 焼いて 出す と 、 殿さま は 、 「 こりゃ あ 、 うまい ! 」 と 、 たちまち タイ の 表 側 を 食べて しまい 、 「 おかわり を 持って まいれ 」 と 、 家来 たち に 言いつけ ました 。 この 殿さま は いつも 、 タイ を 表 側 しか 食べ ない のです 。 「 これ は もう 、 さげて よい ぞ 」 「 は は ー っ 」

さて 、 家来 たち は 困り ました 。 代わり の タイ など 、 あり ませ ん 。 「 どう しよう ? 」 家来 たち が 相談 して いる と 、 台所 で 働いて いた 女 中 ( じょ ちゅう ) が 、 「 お め え さん たち 、 お さむらい の くせ して 頭 の 悪い なあ 。 お 殿さま は どうせ タイ の 片側 しか 食べ ない のだ から 、 ひっくり返して 出せば いい のに 」 と 、 言い ました 。 「 なるほど 、 その 手 が あった か 」 家来 たち は タイ の 裏側 を 表 に して 、 おそるおそる 差し出した ところ 、 「 おお 、 ずいぶん と 早く 出来た 。 けっこう 、 けっこう 。 ・・・ おお っ 、 今度 の タイ は さっき より も うまい ぞ ! 」 と 、 殿さま は ごきげんで 、 タイ を 食べ ました 。

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )

タイ の おかわり たい||

タイ の おかわり たい||

ある 国 に 、 タイ が 大好きな 殿さま が い ました 。 |くに||たい||だいすきな|とのさま||| ごはん の 時 に タイ が ない と 、 とても きげん が 悪く なって しまい ます 。 ||じ||たい|||||||わるく||| そこ で 家来 たち は タイ を きらさ ない よう 、 毎日 毎日 気 を 使って い ました 。 ||けらい|||たい|||||まいにち|まいにち|き||つかって||

ところが ある 日 の 事 、 ひどい 嵐 で 海 が 荒れて 、 タイ が 一 匹 しか 手 に 入り ませ ん でした 。 ||ひ||こと||あらし||うみ||あれて|たい||ひと|ひき||て||はいり||| 「 一 匹 しか ない と は 困った な 。 ひと|ひき|||||こまった| 殿 が おかわり を 言わ ねば よい が 」   家来 たち が 心配 し ながら タイ を 焼いて 出す と 、 殿さま は 、 「 こりゃ あ 、 うまい ! しんがり||||いわ||||けらい|||しんぱい|||たい||やいて|だす||とのさま|||| 」 と 、 たちまち タイ の 表 側 を 食べて しまい 、 「 おかわり を 持って まいれ 」 と 、 家来 たち に 言いつけ ました 。 ||たい||ひょう|がわ||たべて||||もって|||けらい|||いいつけ| この 殿さま は いつも 、 タイ を 表 側 しか 食べ ない のです 。 |とのさま|||たい||ひょう|がわ||たべ||の です 「 これ は もう 、 さげて よい ぞ 」 「 は は ー っ 」 ||||||||-|

さて 、 家来 たち は 困り ました 。 |けらい|||こまり| 代わり の タイ など 、 あり ませ ん 。 かわり||たい|||| 「 どう しよう ? 」   家来 たち が 相談 して いる と 、 台所 で 働いて いた 女 中 ( じょ ちゅう ) が 、 「 お め え さん たち 、 お さむらい の くせ して 頭 の 悪い なあ 。 けらい|||そうだん||||だいどころ||はたらいて||おんな|なか||||||||||||||あたま||わるい| お 殿さま は どうせ タイ の 片側 しか 食べ ない のだ から 、 ひっくり返して 出せば いい のに 」 と 、 言い ました 。 |とのさま|||たい||かたがわ||たべ||||ひっくりかえして|だせば||||いい| 「 なるほど 、 その 手 が あった か 」   家来 たち は タイ の 裏側 を 表 に して 、 おそるおそる 差し出した ところ 、 「 おお 、 ずいぶん と 早く 出来た 。 ||て||||けらい|||たい||うらがわ||ひょう||||さしだした|||||はやく|できた けっこう 、 けっこう 。 ・・・ おお っ 、 今度 の タイ は さっき より も うまい ぞ ! ||こんど||たい|||||| 」 と 、 殿さま は ごきげんで 、 タイ を 食べ ました 。 |とのさま|||たい||たべ|

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )