×

Ми використовуємо файли cookie, щоб зробити LingQ кращим. Відвідавши сайт, Ви погоджуєтесь з нашими cookie policy.


image

江戸小話, 話半分

話 半分

話 半分

京都 へ 商売 に 行く 江戸 の 男 に 、 物知り の 男 が 注意 を し ました 。 「 京 へ 商い に 行く そうだ が 、 くれぐれも 油断 する な よ 。 京 の 商人 は みんな 曲者 で 、 とんでもない 値段 を ふっかけて くる から な 。 だから 京 で は 、 何でも 値切った ほう が 良い ぞ 。 例えば 二 両 の 値段 なら 、 本当 は 一 両 の 品 だ と 思え 」 「 おお 、 では 、 その 通り に しよう 」 男 は 喜んで 、 京都 へ 出かけて 行き ました 。 さて 京都 に 着く と 、 やっぱり 教え られた 通り 、 何でもかんでも 、 とんでもなく 高い 値段 です 。 「 なるほど 、 言わ れた 通り 、 ここ は 恐ろしい ところ だ 。 でも これ は みな 、 半分 ずつ に 聞いて おけば よい のだ な 」 それ から しばらく 立つ と 、 男 に も 京都 の 友だち が 出来 ました 。 「 お前 さん の 名前 は 、 何と 申す 」 江戸 の 男 が 聞く と 、 京 の 男 は 、 「 六 兵衛 ( ろ くべ え ) と 、 言 いま する 」 それ を 聞いた 男 は 、 こう 思い ました 。 ( さて さて 、 京 の 人 は 、 かけ値 を する から 、 これ は さし づめ 三 兵衛 だろう ) 「 して 、 お家 は 、 どの ぐらい の 広 さ で ございます ? 」 「 五 間 (→ 一 間 は 、1.8 メートル ) の 間口 ( まぐち → 家 の 正面 の 長 さ ) の 家 で ございます 」 ( よし よし 、 ならば 本当 は 、 二 間 半 の 間口 の 家 だ な ) 「 して 、 何 人 で 暮らして おいで です かな ? 」 「 ただいま は 、 わたし 一 人 で ございます 」 ( よし よし 、 これ も 半分 か 。 ・・・ おや ? ) 江戸 の 男 は 、 京 の 男 を じろじろ ながめ まわし ました 。 ( はて 、 どう 見て も 半分 に は 見え ぬ が ) 江戸 の 男 は 、 思わず 首 を 傾げて 尋ね ました 。 「 して 、 もう 半分 は 、 どなた で ございます ? ♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


話 半分 はなし|はんぶん

話 半分 はなし|はんぶん

京都 へ 商売 に 行く 江戸 の 男 に 、 物知り の 男 が 注意 を し ました 。 みやこ||しょうばい||いく|えど||おとこ||ものしり||おとこ||ちゅうい||| 「 京 へ 商い に 行く そうだ が 、 くれぐれも 油断 する な よ 。 けい||あきない||いく|そう だ|||ゆだん||| 京 の 商人 は みんな 曲者 で 、 とんでもない 値段 を ふっかけて くる から な 。 けい||しょうにん|||くせもの|||ねだん||||| だから 京 で は 、 何でも 値切った ほう が 良い ぞ 。 |けい|||なんでも|ねぎった|||よい| 例えば 二 両 の 値段 なら 、 本当 は 一 両 の 品 だ と 思え 」 「 おお 、 では 、 その 通り に しよう 」   男 は 喜んで 、 京都 へ 出かけて 行き ました 。 たとえば|ふた|りょう||ねだん||ほんとう||ひと|りょう||しな|||おもえ||||とおり|||おとこ||よろこんで|みやこ||でかけて|いき| さて 京都 に 着く と 、 やっぱり 教え られた 通り 、 何でもかんでも 、 とんでもなく 高い 値段 です 。 |みやこ||つく|||おしえ||とおり|なんでもかんでも||たかい|ねだん| 「 なるほど 、 言わ れた 通り 、 ここ は 恐ろしい ところ だ 。 |いわ||とおり|||おそろしい|| でも これ は みな 、 半分 ずつ に 聞いて おけば よい のだ な 」   それ から しばらく 立つ と 、 男 に も 京都 の 友だち が 出来 ました 。 ||||はんぶん|||きいて||||||||たつ||おとこ|||みやこ||ともだち||でき| 「 お前 さん の 名前 は 、 何と 申す 」   江戸 の 男 が 聞く と 、 京 の 男 は 、 「 六 兵衛 ( ろ くべ え ) と 、 言 いま する 」   それ を 聞いた 男 は 、 こう 思い ました 。 おまえ|||なまえ||なんと|もうす|えど||おとこ||きく||けい||おとこ||むっ|ひょうえ|||||げん|||||きいた|おとこ|||おもい| ( さて さて 、 京 の 人 は 、 かけ値 を する から 、 これ は さし づめ 三 兵衛 だろう ) 「 して 、 お家 は 、 どの ぐらい の 広 さ で ございます ? ||けい||じん||かけね||||||||みっ|ひょうえ|||おいえ|||||ひろ||| 」 「 五 間 (→ 一 間 は 、1.8 メートル ) の 間口 ( まぐち → 家 の 正面 の 長 さ ) の 家 で ございます 」 ( よし よし 、 ならば 本当 は 、 二 間 半 の 間口 の 家 だ な ) 「 して 、 何 人 で 暮らして おいで です かな ? いつ|あいだ|ひと|あいだ||めーとる||まぐち||いえ||しょうめん||ちょう|||いえ||||||ほんとう||ふた|あいだ|はん||まぐち||いえ||||なん|じん||くらして||| 」 「 ただいま は 、 わたし 一 人 で ございます 」 ( よし よし 、 これ も 半分 か 。 |||ひと|じん|||||||はんぶん| ・・・ おや ? )   江戸 の 男 は 、 京 の 男 を じろじろ ながめ まわし ました 。 えど||おとこ||けい||おとこ||||| ( はて 、 どう 見て も 半分 に は 見え ぬ が )   江戸 の 男 は 、 思わず 首 を 傾げて 尋ね ました 。 ||みて||はんぶん|||みえ|||えど||おとこ||おもわず|くび||かしげて|たずね| 「 して 、 もう 半分 は 、 どなた で ございます ? ||はんぶん|||| ♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )