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イタズラなKiss2〜Love in TOKYO, イタズラなKiss2〜Love in TOKYO#7

イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #7

( 入江 琴子 ( いりえ ことこ )) 私 達 の せい で …

全然 関係ない のに …

( 鴨狩 啓太 ( かもがり けいた )) 関係ない なんて …

関係ない なんて 言う な よ

あんな 奴 …

やめ ちまえ

( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) ヤキモチ や

( 入江 直樹 ( なおき )) ヤキモチ ? 俺 が ?

入江 君 は ―

もう 私 の こと 好き じゃなくなった ん でしょ ?―

ううん 違う …

最初 から 好き じゃなかった ん でしょ ?

落ち着け !

やあだっ ! なんで …

なんで …

なんで 私 なんか と 結婚 した の ?

私 ばっかり … 私 ばっかり すごく 好きで …

もう 嫌 !!

琴子 !

( 琴子 ) 自分 が 一番 怖くて 聞け なかった こと を ―

でも ずっと 心 の どこか で ―

いつも 思って いた こと を 言って しまった

( 泣き声 )

( 琴子 ) 自分 で ピリオド を 打って しまった …

( 琴子 ) 私 達 … もう おしまい な の ?

( 金之助 ) いや ~ 今日 も 忙しかった な

( 戸 の 開閉 音 )

すんません もう 閉店 な んです わ ―

琴子 …?―

どない して ん 琴子

( クリスティーヌ ) 琴子 ~

( 泣き声 )

( 泣き声 )

おいおい …

( 泣き声 )

( 泣き声 )

大丈夫 か ?

大丈夫 か ?

( クリスティーヌ ・ ロビンス ) 茶 デモ 飲ミ ナハレ

直樹 ト ケンカ ヤリマクッテ ン デ ン カ ?

入江 の 野郎 琴子 泣か せたら 承知 せん て ゆーた やろ が !

( 相原 重雄 ( あいはら しげお )) まったく しょーがねえ なあ

あと で 俺 と 帰る ぞ

帰ら ない !

直樹 君 が 心配 する だ ろ ?

入江 君 は … 私 が 何 した って どうした って どうでもいい の

何 が あった か 知ら ねえ が こんな 時間 に …

( 琴子 ) お 願い ! ここ に いる こと も 言わ ないで

もう …

帰れ ない の

( 泣き声 )

琴子 ! ワタシ ノ ウチ オイデー ナ

いい の ?

いい の ?

ウン ! モチノロン デス !

ウン ! モチノロン デス !

琴子 わし の アパート でも えー で いつまで おって も ええ から な

( クリスティーヌ ) 金之助 !

あ … もしもし ? 琴子 今 来た よ

ああ 大丈夫 だ 構わ ん よ ―

今夜 は クリス の 家 に 泊めて もらう そうだ

うん … 少し 時間 が 経てば 落ち着く だろう

うん 心配 させた ね

( 直樹 ) ありがとう ございます

( 重雄 ) じゃ

♪~

♪~

( 琴子 ) うう …

( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) 食べ ない の ? 琴子 さん

ちょっと … 今 は …

( 智子 ) 大丈夫 ?

( 桔梗 幹 ( ききょう もとき )) 入江 さん と ケンカ して 家出 て ヤケ酒 した んだ って

琴子 さん つらい わ ね ~

うっ …

や ~ ね ~ 女 の 二日酔い なんて みっともない

( 啓太 ) ほら !

( 琴子 ) 啓太

これ が 一番 即効性 ある から 飲め よ

( 琴子 ) ありがと

おい クリス …

見え へん !

ナニ シテ ン ネン ?

ナニ シテ ン ネン ?

しーっ !

あいつ や あいつ !

( 幹 ) ふーん 琴子 に は 優しい の ね

にっが !

お前 家出 たって 本当 か ?

え ?

会話 丸聞こえ だ ぞ

そう そう 啓太 から も 何か 言って やって よ

入江 と ケンカ した んだ ろ ?

俺 ん とこ 来る か ?

え …?

狭い アパート だ けど …

ちょっ ちょっと 待って 何 言って ん の 啓太 !

言った だ ろ ? 本気 だって

俺 は お前 の こと が 好き だ

あいつ ! 何 言う …

ドコ 行ク ネン ? 金之助 !

お前 の こと が 気 に なって 目 が 離せ ない んだ

だ … だって わた … 私 は 入江 君 の …

だから 離婚 しろ よ !

あいつ は 追いかけて きて くれた の か よ

俺 の 存在 を 知って て も ヤキモチ も 焼か ない

あいつ は お前 に 何 して くれた んだ ?―

そんな の 夫婦 じゃない !

夫婦 っていう の は お互い が 必要 で なきゃ ダメ な んだ よ

お前 に は 俺 が 必要 な んだ

( 直樹 ) 違う な

全然 違う んだ よ

入江 君 …

今さら 何 言って んだ

これ だけ 琴子 の こと 悩ませ やがって ―

お前 に は 琴子 を 幸せ に でき ない んだ

結婚 する 資格 なんて なかった んだ よ !

( 学生 ) どう なって る の ?

( 学生 ) 鴨狩 と 琴子 が … 不倫 !?

( 直樹 ) 確かに そう だった かもしれない な

そう だった かも じゃない んだ …

そう だった んだ よ !

嫉妬 して た

俺 は 鴨狩 に 嫉妬 して た んだ

は ?

俺 は 今 まで 嫉妬 する とか 人 を ねたむ とか

つらい とか 悲しむ とか そういう 人間 の 持った ―

ドロドロ した 見苦しい 感情 を 持った こと が なかった

けど …

琴子 が 俺 の 前 に 現れて から 変わった ―

俺 の 中 に 隠れて いた そういう 感情 に 振り回され だして

自分 でも どう すれば いい の か わから なく なって …

随分 戸惑って イライラ した よ

だから 何 だって いう んだ よ !

鴨狩 お前 は 十分 すぎる ぐらい ―

ドロドロ した 見苦しい 感情 を 持った 人間 だ ろ ?

何 だ と てめえ ケンカ 売って ん の か ?

俺 は 褒めた つもり だ けど …

ま … うらやましく も ない けど ね ―

だから お前 に 琴子 は 必要 ない

必要 な の は 俺 だ

え …

俺 が 本当 の 自分 に なれる の は ―

琴子 が そば に いる 時 だけ だ

本当 ? 入江 君 …

ああ

最近 まで こんな こと も わから なくて

金之助 に 教えて もらった よ

金 ちゃん が ?

( 直樹 ) 今 も わざわざ 俺 を 呼び に 飛んで きた よ

あいつ … よく こんな 思い 6 年間 も して きた な

ホント すごい 奴 だ よ

人間 の 出来 が 違う ん や

入江 君 …

ん ?

私 …

私 …

本当に 入江 君 の そば に いて も いい の ?

だから そう だって 言って る だろ ?

もう 絶っ対 …

死ぬ まで 離れ ない から ね !

覚悟 してる よ

( 拍手 )

( 学生 ) おめでとー !

( 学生 ) 熱い ね !

ここ … 食堂 だった !

俺 は そういう 感情 も 少ない みたいだ

もう ~

( 学生 ) いい な ー

何 すんだ 幹 !

どー す ん の よ !

夫婦 の 絆 深め ちゃった だけ じゃない の

今 だけ だ よ …

あんた は さ …

かわいそう な 人 を 救って あげ たい ―

そう 思った だけ よ

不幸 に 思えた 琴子 を … ねっ 熱血 啓太 君 !

そういう こと に し とく かな

あんた が 救わ なきゃ いけない 患者 さん は ―

これ から たくさん いる んだ から ―

一人 に 構って る 暇 なんか ない わ よ

まっ あたし は 入江 さん の こと 諦め ない けど ね

( 琴子 ) ただいま ~!

( 入江 紀子 ( のりこ )) 琴子 ちゃんっ おかえりなさい !―

あら … あら ~

まあ ー ! どういう こと ? 仲直り できた の ?

お 義母 ( か あ ) さん いろいろ と ご 心配 お かけ し ました

無事 仲直り し ました

ああ …

ホント よかった わ ~

( 泣き声 )

いつまで ベタベタ して んだ よ !

さっ

( 紀子 ) で 何 が あった の ?

入江 君 が みんな の 前 で 私 に …

愛 の 告白 を して くれた んです !

ええ~っ ! お 兄ちゃん たら やる 時 は やる じゃない の ~

も ~ この この この !

( 入江 裕樹 ( ゆうき )) お 兄ちゃん が !?

本当 の 自分 に なれる の は 琴子 が そば に いる 時 だけ だ

… って !

… って !

おいっ !

おいっ !

おいっ !

いや ~ っ 何 その セリフ !

いや ~ っ 何 その セリフ !

琴子 ちゃん 愛さ れて る の ね ~

ケンカ して 仲直り して これ から 真 の 夫婦 に なる の ね !

ありがとう 琴子 ちゃん

え ?

琴子 ちゃん に 出会って ―

お 兄ちゃん すごく 成長 した と 思う の

人 の 気持ち が わかる ように なった と いう か …

きっと 冷血な お 兄ちゃん の 氷 の ハート を

琴子 ちゃん の 愛で 溶かした の よ

私 の 愛 なんて … そんな …

これ から も お 兄ちゃん を 見捨て ないで やって ね

はい ! もちろん です

さあ 今夜 は 仲直り 記念日 の お 祝い を し なくっちゃ ~!

し ましょう ! 何 に し ます ?

ケーキ 作ろう かしら

( 琴子 ) あ ~! 一緒に 作り ましょう

( 教員 ) 入江 さん ―

注射 も ダメ バイタルサイン 測定 も ダメ ―

車 イス の 移乗 も ダメ …―

となると なかなか 厳しい です ね ―

来月 から 病院 へ 行って 実習 が 始まる んです よ

はい

( 教員 ) じゃあ 明日 再 テスト を 行い ましょう ―

それ に パス し なければ もう 一年 やり直し ―

いい です ね ?

そんなー !!

( 泣き声 )

ん ?

( 泣き声 )

琴子 !

何 して んだ こんな 朝 早く

あ … 啓太

私 今日 再 テスト で …

今 まで 習った もの の 抜き打ち って 言わ れて て

今朝 も 6 時 から 練習 して る んだ けど

ちっとも うまく いか なくて …

( 警告音 )

すげー 量 の 注射針 無駄 に し やがった な

私 何 やって も ダメ な んだ よ ね

注射 の 一本 も 打て なく って …

こんなん で 本当に 看護師 に なれる の か って 不安 で …

そしたら …

泣いて る 暇 なんか ねー だろ ?

え ?

いい よ 俺 の 腕 使え

こんな の 一回 でも コツ を 覚えたら こっち の もん だ

何回 失敗 して も いい から 思い切って やれ よ

いい の ?

おう

よし …

じゃあ やる よ

おいっ !

きんちゅう くん 巻け よ !

ごめん ね …―

えいっ

えいっ

( 警告音 )

( 警告音 )

ごめん ね 今度 こそ

( 琴子 ) えいっ

( 琴子 ) えいっ

( 警告音 )

( 警告音 )

( 警告音 )

しっかり 針 を 見ろ

しっかり 針 を 見ろ

はいっ ―

えいっ

( 警告音 )

( 警告音 )

琴子 肩 の 力 抜け !

なんか いつも 啓太 に そう 言わ れて る よ ね

お前 が 緊張 したら 患者 さん に も 伝わる だ ろ ?

リラックス な !

うん …

よしっ もう 一回 いけ !

はい

あー やった やったー ! できたー !

やった ぞ 琴子 !

やった できた よー ありがとう 啓太 !―

で ~ 甘え ついでに …

もう 一つ お 願い が ある んです けど …

( 啓太 ) え ?

琴子 力み すぎ だ

( 琴子 ) はい …

ゆっくり な

( 琴子 ) はいっ

おいっ 集中 しろ !

はい

慌てる な

ゆっくり な

ゆっくり な

( 琴子 ) はいっ

そう そうそう …

やった ー ! できた ー !

よかった な

啓太 の おかげ だ よ !

ああっ もう 絶対 この コツ 忘れ ない !

お前 さあ 何の ため に 看護師 に なり てー の ?

いろいろ ある だ ろ ? 子供 の 頃 から の 夢 だ と か

病気 の 人 を 助け たい と か

うん …

私 は ね …

入江 君 が お 医者 さん に なる から その お 手伝い が し たい の

それ だけ ?

ううん …

私 って ドジ だし いつも 失敗 ばっかり して

みんな に 迷惑 かけて る でしょ ?

そんな 私 でも 誰か の 役 に 立って

心細い 患者 さん の 支え に なり たい な って 最近 思う の

まあ 一番 は 入江 君 な んだ けど ね

ハハハ …

ったく かなわ ねー な お前 に は

入江 と 幸せ な んだ な

うん

テスト 頑張れ よ

ありがと … 啓太

( 啓太 ) よお !

朝っぱら から 何か用 か ?

今 まで あんた の 奥さん の 注射 の 練習台 に なって た んだ よ

今日 再 テスト って 言う から

ふーん それ は ご苦労 だった な

ったく お前 って 男 は …

俺 もう 追いかけ ない から 琴子 の こと

たとえ お前 が どんな ひどい 夫 でも 嫌 な 奴 でも …

琴子 が 幸せ なら ―

何も もう 言わ ない

あいつ の 俺 を 思う 強い 気持ち に ―

かなわない って 自覚 した んだ ろ ?

さっさと 気付けば よかった のに なあ

人 が 折れて やれば 調子 に 乗り やがって !―

この うぬぼれ やろ ー !

大事 に しろ よ

♪~

( 幹 ) 何 それ ?

ああ 再 テスト 合格 した って 言ったら

金 ちゃん が 張り切って くれて

よかった ! これ で みんな そろって 実習 だ ね

うん

ちょっと その 前 に …

いよいよ ね

何 が ?

やー ね 戴帽式 よ 決まって る じゃ ない

ああ 戴帽式 ね … って 何 だ っけ ?

あんた !

看護師 に なろう って 人間 が 戴帽式 知ら ない のお ?

だって 私 編入 組 だし …

んな もん 関係ない わ よ ! いい ? 戴帽式 って いう の は ね …

看護 学生 が 看護 師 に なる ため の 第一歩 目 の 儀式 …

看護 学生 に とって の 成人 式 の ような もの よ

ほお ~

師長 さん から 初めて ―

ナースキャップ を かぶせて もらえる の

( 品川 真里菜 ( しながわ まりな )) そう そう キャンドル 持って ね ロマンチック ~

( 幹 ) あたし は この 日 を どんなに 夢見て きた か …

自分 の ナースキャップ …

白衣 の 天使 に 近づく 最初 の 日 な の よ ね ~

あたし は この 日 の ため に ―

看護師 の 道 を 目指した と 言って も 過言 じゃない わ !

ふーん そんなに 素敵 な の ?

それ に 楽しみ は もう 1 つ ある の よ ね ー

何 ?

好き な 医学部 の 男 の 人 に

お 花 を もらう って いう の が ある の よ

( 琴子 ) お 花 ?

( 琴子 ) お 花 ?

そう

これ は 斗南 大 医学部 だけ の 伝統的 な 行事 な んだ けど ね

式 が 終わって 講堂 から 出て きた 時 に

好き な 医学生 が 待って て くれて

そこ で お 花 を もらう って いう の が ステータス な の !

なん たって 一生 に 一度 の 行事 だ し この 時期 みんな …

“ 当日 お 花 を もらう 権利 ” を 獲得 する ため に

必死 に なって る の よ

( 琴子 ) フフフ …

その 点 私 は 幸せ 者 !

( 直樹 ) 琴子 !

おめでとう―

ナースキャップ 似合って る な

惚れ直した よ

入江 君 …

( 琴子 ) 想像 した だけ でも ―

なんて なんて 素敵 な の ー !―

私 は 入江 君 に お 花 もらえる の ね

あ … ダメ だ わ あっち の 世界 に 行って る わ

あたし 誰 に 頼もっ かな ~

船津 さん に 頼めば ? 喜んで 来 そうだ けど

嫌 よ ! あんな 人

そう いえば 最近 船津 さん 見かけ ない けど …

( 船津 誠一 ( ふなつ せいいち )) 昨日 僕 の 行きつけ の 寄生虫 館 に 行ったら なんと 休館日 で …

噂 を すれば なんと やら …

( 船津 ) 入江 さん ?―

入江 さん 聞いて ます か ? 入江 さん

入江 さん !

船津 グチ が 長い

( 幹 ) 入江 さん !

入江 くーん !

( 船津 ) 入江 さん 体調 悪い です

( 琴子 ) 入江 君 ! あれ ? 船津 さん は ?

体調 悪く なった って

ウソ よ

どうした の ?

ねえ 入江 さん この間 の 試験 1 位 でした よ ね ?

ああ

最悪 の 出来 と 言って いた けど やっぱり 入江 さん は すごい …

さすが 私 の 旦那様

何 だ よ それ

やっぱり ね …

船津 さん

あんな 大口 叩いて た の に 結局 入江 さん に 負けた から ―

あたし の 所 に 来 られ なく なった の よ

ホント 意気地なし !

ちっちゃい 男 だ と 思わ ない !?

ねえ 入江 君 お 願い が ある んだ けど …

今度 戴帽式 が ある の 入江 君 も 知って る でしょ ?

医学科 の 人 が 看護 学科 の 女の子 に お 花 あげる って いう …

それ で 私 もう 嬉しく って … あ ~!

どの お 花 でも 嬉しい けど やっぱり 私 バラ が …

無理 だ な

え ?

その 日 に 教授 と 俺 で 名古屋 で 開か れる 医学 会 に 出る から 無理 だ

ええーっ !!

だって … だあって ~!

遅く なる から 泊まる だろう し …

まっ どっちみち ―

そんな こっぱずかしい こと 俺 は ごめん だ ね

くだらない

じゃあ な

ひどーい !

あ … あの ね 入江 さん 去年 も すっごい 人気 で …

先輩 達 何人 も 申し込んだ の よ

でも 全員 フラれて た し … だ から …

だから ?

( 教員 ) みなさん いよいよ 戴帽式 が 近づいて き ました

今日 は 戴帽式 で お 世話 を して いただける ―

斗南 大学 病院 看護師長 を お呼び し ました

細井 小百合 ( ほそい さゆり ) です どうぞ よろしく ね

ド 迫力 !

“ 太い のに 細井 ” って 有名 な 師長 よ

気 に 入ら ない 看護師 を ビシビシ いびる んだ って ~

うわっ 目え 付け られたら 大変 ね ~

( 細井 ) そう そう この クラス に 入江 さん って いる わ よ ね ?

はっ はい 私 が 入江 琴子 です

あら あなた が 入江 さん ?

あなた の ご主人 が ね うち の 病院 に 実習 に 来て る の よ

まー ! そりゃ 優秀 で ね 評判 な の

あなた も さぞや 優秀 な ん でしょう ね ?

あ … いや … そん …

はい とっても

( 細井 ) あら あら それ は 頼もしい わ ~!

では 本題 に 入り ます

来週 の 戴帽式 に

“ ナイチンゲール 誓詞 ” を 暗唱 して もらう 4 人 を 決め ましょう

( 幹 ) はいはい はい !

何か ?

あたし 桔梗 幹 と 言い ます 立候補 して も いい です か ?

あなた … 男 ね ?

ダメ よ !

え … えっ !? どうして 師長 !

我 が 校 で は 代々 “ ナイチンゲール 誓詞 ” は ―

女子 学生 が 暗唱 する こと に なって い ます

残念 ながら あなた の 役割 は ない わ ね !―

それ に 男子 学生 は ナースキャップ で は なく ―

ワッペン を 身 に つける こと に なって い ます

あたし の … 夢 …

今 まで この 日 の ため に …

( 泣き声 )

それでは 小倉 さん

( 智子 ) はい

森 ( もり ) さん

( 森 ) はい

品川 さん

( 真里菜 ) はい

それ に 入江 琴子 さん に やって もらい ましょう

えっ ?

期待 して い ます よ

ああ …

ちょっと モト ちゃん 飲みすぎ だって ~

だいたい なんで あんた 達 が

“ ナイチンゲール 誓詞 ” 読む の よ !

もう それ 何 度目 よ !

あたし だって 別に やり たい わけじゃない ない わ よ

そう よ

もと は と 言えば モト ちゃん が 私 の こと 優秀 だ と か 言う から

私 が 一番 長い 最後 の パート ―

暗唱 する ハメ に なった ん でしょう !?

あたし は ナースキャップ も かぶれ ない の よ !

あ … 電話 だ

うん

我が 任務 ( つとめ ) に あたり て

取り扱える 人々 の 私事 の 全て

我 が 知り 得 たる 一家 の 内事 の 全て

我 は 人 に 洩らさ ざる べし

すごーい モト ちゃん !

あんた 人一倍 物覚え が 悪い んだ から ―

しっかり 覚え なさい !

あたし の 分 も 頑張って もらわない と ね

それ に ―

入江 さん に 恥 かかせる ような 真似 しちゃ ダメ よ

わかって る けど … プレッシャー だ なあ

我 は 心 より 医師 を 助け

我が 手 に 託され たる 人々 の 幸 の ため に 身 を 捧げ ん

モト ちゃん !

何 ?

私 すごーい こと 思い付い ちゃった んだ けど …

何 よ ?

あの ね 戴帽式 で …

えーっ ?

( 琴子 ) そして 1 週間 後 ―

戴帽式 の 日 が やってきた のでした

( 教員 ) それ で は これ より ―

斗南 大学 医学部 看護 学科 戴帽式 を 行い ます

品川 真里奈

はい

( 細井 ) 頑張って ね

( 教員 ) 小倉 智子

はい

あれ ? 幹 の 奴 どこ 行った

( 教員 ) 鴨狩 啓太

はい

入江 琴子

はい

頑張って ね

( 琴子 ) 入江 君 …―

私 今 … 少し 入江 君 に 近づけた よ ―

見て ほしかった なあ 私 の ナースキャップ 姿

桔梗 幹

( 幹 ) はい

え ?

( 学生 達 ) えっ …

幹 !

な … な …―

な … なんて こと な の !

すぐに 着替えて き なさい ! 戴帽式 を 冒涜 する 気 です か ?

師長 ! 許して あげて ください !

モト ちゃん は この 日 の ため に 頑張って きた んです !

男 でも 女 でも ―

患者 さん を 思う 気持ち は 同じです お 願い し ます !

琴子 …

( 智子 ) 許して あげて ください 先生 !

私 達 から も お 願い し ます !

先生 ! 俺 は 遠慮 する けど ―

幹 に ナースキャップ を かぶら せて やって ください

( 学生 ) そうです よ !

( 学生 ) いい と 思い ます

ふう ~―

わかり ました

みなさん の 熱意 に 負けて ―

異例 です が 桔梗 君 に も ナースキャップ を

( 歓声 )

ホントです か ?

( 琴子 ) よかった ね モト ちゃん !

ありがとう 琴子 ! あなた の おかげ よ

みんな ありがとう ! 愛して る わ !

( 学生 達 ) おめでとう !

頑張って ね

♪~

ありがとう ございます 先生

( 琴子 ) 特例 と して モト ちゃん も 無事 ―

ナースキャップ を かぶる こと が でき ました

♪~

我 は ここ に 集い たる 人々 の 前 に 厳か に 神 に 誓わ ん

我が 生涯 を 清く 過ごし 我が 任務 を 忠実 に 尽くさん こと を

我 は 全て 毒 ある もの 害 ある もの を 断ち

悪しき 薬 を 用いる こと なく

また 知り つつ これ を すすめ ざる べし

我 は 我が 力 の 限り

我が 任務 の 標準 ( しるし ) を 高く せん こと を 努む べし

我が 任務 に あたり て 取り扱える 人々 の 私事 の 全て ―

我が 知り 得 たる 一家 の 内事 の 全て

我 は 人 に 洩らさ ざる べし

わ … 我 は …

( 琴子 ) 入江 君 …

心 より 医師 を 助け

( 琴子 ) 聞こえる ?

我が 手 に 託され たる ―

人々 の 幸 の ため に 身 を 捧げ ん

( 琴子 ) 一生懸命 入江 君 を 助ける から ね

( 琴子 ) どうせ 入江 君 今日 帰って こない んだ し ―

もう 少し ひたっ ちゃおう かな ―

看護師 って 勉強 も 人間 関係 も 体力 も ―

きっと すごく 大変 な ん だろう けど ―

なんか 今日 頑張れる 気 が した ―

くじけそう に なったら この 日 を 思い出して …

( 扉 が 開く 音 )

( 扉 が 開く 音 )

ん ?―

あっ はっ …―

だ … だっ 誰 ? もしかして オバケ !?

だ … だっ 誰 ? もしかして オバケ !?

( 足音 )

( 足音 )

( 直樹 ) バーカ

い … 入江 君 !?

ったく いつまで こんな 所 に いる んだ

( 琴子 ) どした の ? 名古屋 は ?

あれ ?

( 直樹 ) 新幹線 で 帰って きた んだ よ

帰って …

帰って きて くれた の ?

間に 合わ なかった けど な

花屋 も 閉まって た し

そんな の いい

いら ない

来て くれた だけ で …

言って みろ よ

お前 が 暗唱 した ところ

うん

我 は …

ここ よ … 心 より 医師 を 助け …

我が 手 に 託され たる ―

人々 の 幸 の ため に …

身 を 捧げ ん

もう 一度

( 琴子 ) 我 は 心 より 医師 を 助け

我が 手 に 託され たる …

人々 の …

人々 の 幸 の ため に …

身 を …

身 を 捧げ ん

♪~

( 琴子 ) ナイチンゲール 様 ―

これ から どんな つらい こと が 待ち受け よう と も ―

私 この 日 を 一生 忘れ ません

♪~

( 琴子 ) 来週 から 看護 実習 が 始まる んだ よ ね ―

緊張 する ~

( 琴子 ) きっと すご~く いい 感じ の おばあさん だ と 思う わ !

( 直樹 ) お前 と は 気 が 合う かも しれ ない な

( 吉田 ( よしだ ) トヨ ) 実習生 の 名前 な ぞ いちいち 覚えて られる かい

( 琴子 ) 午前中 だけ で ナースコール 8 回 !

( 看護師 ) 実習 生 いびり

( 琴子 ) 私 … 自信 なく しちゃった

( 直樹 ) やめる か 看護師

( トヨ ) 胸 が … 胸 が 痛い んだ よ

( 琴子 ) どうした の ? トヨ ばあちゃん


イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #7 いたずら||||| Mischievous Kiss 2 - Love in TOKYO #7 Озорной поцелуй 2 - Любовь в ТОКИО #7

( 入江 琴子 ( いりえ ことこ )) 私 達 の せい で … いりえ|ことこ||こと こ|わたくし|さとる|||

全然 関係ない のに … ぜんぜん|かんけいない|

( 鴨狩 啓太 ( かもがり けいた )) 関係ない なんて … かも か|あきら ふと|かも がり|け いた|かんけいない|

関係ない なんて 言う な よ かんけいない||いう||

あんな 奴 … |やつ

やめ ちまえ |ち まえ

( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) ヤキモチ や いけさわ|きんのすけ|いけ ざ わ|きん の すけ||

( 入江 直樹 ( なおき )) ヤキモチ ? 俺 が ? いりえ|なおき|な おき||おれ|

入江 君 は ― いりえ|きみ|

もう 私 の こと 好き じゃなくなった ん でしょ ?― |わたくし|||すき|じゃ なく なった||

ううん 違う … う うん|ちがう

最初 から 好き じゃなかった ん でしょ ? さいしょ||すき|じゃ なかった||

落ち着け ! おちつけ

やあだっ ! なんで … や あだっ|

なんで …

なんで 私 なんか と 結婚 した の ? |わたくし|||けっこん||

私 ばっかり … 私 ばっかり すごく 好きで … わたくし||わたくし|||すきで

もう 嫌 !! |いや

琴子 ! ことこ

( 琴子 ) 自分 が 一番 怖くて 聞け なかった こと を ― ことこ|じぶん||ひと ばん|こわくて|きけ|||

でも ずっと 心 の どこか で ― ||こころ||どこ か|

いつも 思って いた こと を 言って しまった |おもって||||いって|

( 泣き声 ) なきごえ

( 琴子 ) 自分 で ピリオド を 打って しまった … ことこ|じぶん||ぴりおど||うって|

( 琴子 ) 私 達 … もう おしまい な の ? ことこ|わたくし|さとる||||

( 金之助 ) いや ~ 今日 も 忙しかった な きんのすけ||きょう||いそがしかった|

( 戸 の 開閉 音 ) と||かいへい|おと

すんません もう 閉店 な んです わ ― す ん ません||へいてん||ん です|

琴子 …?― ことこ

どない して ん 琴子 |||ことこ

( クリスティーヌ ) 琴子 ~ |ことこ

( 泣き声 ) なきごえ

( 泣き声 ) なきごえ

おいおい …

( 泣き声 ) なきごえ

( 泣き声 ) なきごえ

大丈夫 か ? だいじょうぶ|

大丈夫 か ? だいじょうぶ|

( クリスティーヌ ・ ロビンス ) 茶 デモ 飲ミ ナハレ ||ちゃ|でも|いん ミ|

直樹 ト ケンカ ヤリマクッテ ン デ ン カ ? なおき||けんか|||||

入江 の 野郎 琴子 泣か せたら 承知 せん て ゆーた やろ が ! いりえ||やろう|ことこ|なか||しょうち|せ ん||ゆ - た||

( 相原 重雄 ( あいはら しげお )) まったく しょーがねえ なあ あいはら|しげお|あい はら|しげ お||しょ - が ねえ|

あと で 俺 と 帰る ぞ ||おれ||かえる|

帰ら ない ! かえら|

直樹 君 が 心配 する だ ろ ? なおき|きみ||しんぱい|||

入江 君 は … 私 が 何 した って どうした って どうでもいい の いりえ|きみ||わたくし||なん|||||どうでも いい|

何 が あった か 知ら ねえ が こんな 時間 に … なん||||しら||||じかん|

( 琴子 ) お 願い ! ここ に いる こと も 言わ ないで ことこ||ねがい||||||いわ|

もう …

帰れ ない の かえれ||

( 泣き声 ) なきごえ

琴子 ! ワタシ ノ ウチ オイデー ナ ことこ|||うち||

いい の ?

いい の ?

ウン ! モチノロン デス !

ウン ! モチノロン デス !

琴子 わし の アパート でも えー で いつまで おって も ええ から な ことこ|||あぱーと|||||||||

( クリスティーヌ ) 金之助 ! |きんのすけ

あ … もしもし ? 琴子 今 来た よ ||ことこ|いま|きた|

ああ 大丈夫 だ 構わ ん よ ― |だいじょうぶ||かまわ||

今夜 は クリス の 家 に 泊めて もらう そうだ こんや||くりす||いえ||とめて||そう だ

うん … 少し 時間 が 経てば 落ち着く だろう |すこし|じかん||たてば|おちつく|

うん 心配 させた ね |しんぱい|さ せた| Yeah I was worried

( 直樹 ) ありがとう ございます なおき||

( 重雄 ) じゃ しげお|

♪~

♪~

( 琴子 ) うう … ことこ|う う

( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) 食べ ない の ? 琴子 さん おぐら|さとこ|||たべ|||ことこ|

ちょっと … 今 は … |いま|

( 智子 ) 大丈夫 ? さとこ|だいじょうぶ

( 桔梗 幹 ( ききょう もとき )) 入江 さん と ケンカ して 家出 て ヤケ酒 した んだ って ききょう|みき||も とき|いりえ|||けんか||いえで||ヤケ さけ|||

琴子 さん つらい わ ね ~ ことこ||||

うっ …

や ~ ね ~ 女 の 二日酔い なんて みっともない ||おんな||ふつかよい||

( 啓太 ) ほら ! あきら ふと|

( 琴子 ) 啓太 ことこ|あきら ふと

これ が 一番 即効性 ある から 飲め よ ||ひと ばん|そっこう せい|||のめ|

( 琴子 ) ありがと ことこ|あり が と

おい クリス … |くりす

見え へん ! みえ|

ナニ シテ ン ネン ? |して||

ナニ シテ ン ネン ? |して||

しーっ ! し -っ

あいつ や あいつ !

( 幹 ) ふーん 琴子 に は 優しい の ね みき|ふ - ん|ことこ|||やさしい||

にっが !

お前 家出 たって 本当 か ? おまえ|いえで||ほんとう|

え ?

会話 丸聞こえ だ ぞ かいわ|まる きこえ||

そう そう 啓太 から も 何か 言って やって よ ||あきら ふと|||なん か|いって|| Oh yeah Keita also say something

入江 と ケンカ した んだ ろ ? いりえ||けんか|||

俺 ん とこ 来る か ? おれ|||くる|

え …?

狭い アパート だ けど … せまい|あぱーと||

ちょっ ちょっと 待って 何 言って ん の 啓太 ! ||まって|なん|いって|||あきら ふと

言った だ ろ ? 本気 だって いった|||ほんき|

俺 は お前 の こと が 好き だ おれ||おまえ||||すき|

あいつ ! 何 言う … |なん|いう

ドコ 行ク ネン ? 金之助 ! |ぎょう ク||きんのすけ

お前 の こと が 気 に なって 目 が 離せ ない んだ おまえ||||き|||め||はなせ||

だ … だって わた … 私 は 入江 君 の … |||わたくし||いりえ|きみ|

だから 離婚 しろ よ ! |りこん||

あいつ は 追いかけて きて くれた の か よ ||おいかけて||||| Did he chase after him?

俺 の 存在 を 知って て も ヤキモチ も 焼か ない おれ||そんざい||しって|||||やか|

あいつ は お前 に 何 して くれた んだ ?― ||おまえ||なん|||

そんな の 夫婦 じゃない ! ||ふうふ|じゃ ない

夫婦 っていう の は お互い が 必要 で なきゃ ダメ な んだ よ ふうふ|って いう|||おたがい||ひつよう|||だめ|||

お前 に は 俺 が 必要 な んだ おまえ|||おれ||ひつよう||

( 直樹 ) 違う な なおき|ちがう|

全然 違う んだ よ ぜんぜん|ちがう||

入江 君 … いりえ|きみ

今さら 何 言って んだ いまさら|なん|いって|

これ だけ 琴子 の こと 悩ませ やがって ― ||ことこ|||なやま せ|や がって

お前 に は 琴子 を 幸せ に でき ない んだ おまえ|||ことこ||しあわせ||||

結婚 する 資格 なんて なかった んだ よ ! けっこん||しかく||||

( 学生 ) どう なって る の ? がくせい||||

( 学生 ) 鴨狩 と 琴子 が … 不倫 !? がくせい|かも か||ことこ||ふりん

( 直樹 ) 確かに そう だった かもしれない な なおき|たしかに|||かも しれ ない|

そう だった かも じゃない んだ … |||じゃ ない|

そう だった んだ よ !

嫉妬 して た しっと||

俺 は 鴨狩 に 嫉妬 して た んだ おれ||かも か||しっと|||

は ?

俺 は 今 まで 嫉妬 する とか 人 を ねたむ とか おれ||いま||しっと||と か|じん|||と か

つらい とか 悲しむ とか そういう 人間 の 持った ― |と か|かなしむ|と か||にんげん||もった

ドロドロ した 見苦しい 感情 を 持った こと が なかった ||みぐるしい|かんじょう||もった|||

けど …

琴子 が 俺 の 前 に 現れて から 変わった ― ことこ||おれ||ぜん||あらわれて||かわった

俺 の 中 に 隠れて いた そういう 感情 に 振り回され だして おれ||なか||かくれて|||かんじょう||ふりまわさ れ|

自分 でも どう すれば いい の か わから なく なって … じぶん|||||||||

随分 戸惑って イライラ した よ ずいぶん|とまどって|いらいら||

だから 何 だって いう んだ よ ! |なん||||

鴨狩 お前 は 十分 すぎる ぐらい ― かも か|おまえ||じゅうぶん||

ドロドロ した 見苦しい 感情 を 持った 人間 だ ろ ? ||みぐるしい|かんじょう||もった|にんげん||

何 だ と てめえ ケンカ 売って ん の か ? なん|||て め え|けんか|うって|||

俺 は 褒めた つもり だ けど … おれ||ほめた|||

ま … うらやましく も ない けど ね ―

だから お前 に 琴子 は 必要 ない |おまえ||ことこ||ひつよう|

必要 な の は 俺 だ ひつよう||||おれ|

え …

俺 が 本当 の 自分 に なれる の は ― おれ||ほんとう||じぶん|||| I can be my true self-

琴子 が そば に いる 時 だけ だ ことこ|||||じ|| Only when Kotoko is by her side

本当 ? 入江 君 … ほんとう|いりえ|きみ

ああ

最近 まで こんな こと も わから なくて さいきん||||||

金之助 に 教えて もらった よ きんのすけ||おしえて||

金 ちゃん が ? きむ||

( 直樹 ) 今 も わざわざ 俺 を 呼び に 飛んで きた よ なおき|いま|||おれ||よび||とんで||

あいつ … よく こんな 思い 6 年間 も して きた な |||おもい|ねんかん||||

ホント すごい 奴 だ よ ほんと||やつ||

人間 の 出来 が 違う ん や にんげん||でき||ちがう||

入江 君 … いりえ|きみ

ん ?

私 … わたくし

私 … わたくし

本当に 入江 君 の そば に いて も いい の ? ほんとうに|いりえ|きみ|||||||

だから そう だって 言って る だろ ? |||いって||だ ろ

もう 絶っ対 … |たったい

死ぬ まで 離れ ない から ね ! しぬ||はなれ|||

覚悟 してる よ かくご|| I'm prepared

( 拍手 ) はくしゅ

( 学生 ) おめでとー ! がくせい|お めで と -

( 学生 ) 熱い ね ! がくせい|あつい|

ここ … 食堂 だった ! |しょくどう|

俺 は そういう 感情 も 少ない みたいだ おれ|||かんじょう||すくない|

もう ~

( 学生 ) いい な ー がくせい|||-

何 すんだ 幹 ! なん||みき

どー す ん の よ ! ど -||||

夫婦 の 絆 深め ちゃった だけ じゃない の ふうふ||きずな|ふかめ|||じゃ ない| It's not just that the couple's bond has been deepened

今 だけ だ よ … いま|||

あんた は さ …

かわいそう な 人 を 救って あげ たい ― ||じん||すくって||

そう 思った だけ よ |おもった||

不幸 に 思えた 琴子 を … ねっ 熱血 啓太 君 ! ふこう||おもえた|ことこ|||ねっけつ|あきら ふと|きみ Kotoko who seemed unhappy ... Nehetsu Keita-kun!

そういう こと に し とく かな I wonder if that is the case

あんた が 救わ なきゃ いけない 患者 さん は ― ||すくわ|||かんじゃ||

これ から たくさん いる んだ から ―

一人 に 構って る 暇 なんか ない わ よ ひとり||かまって||いとま||||

まっ あたし は 入江 さん の こと 諦め ない けど ね |||いりえ||||あきらめ|||

( 琴子 ) ただいま ~! ことこ|

( 入江 紀子 ( のりこ )) 琴子 ちゃんっ おかえりなさい !― いりえ|としこ||ことこ||お かえり なさい

あら … あら ~

まあ ー ! どういう こと ? 仲直り できた の ? |-|||なかなおり||

お 義母 ( か あ ) さん いろいろ と ご 心配 お かけ し ました |ぎぼ|||||||しんぱい||||

無事 仲直り し ました ぶじ|なかなおり||

ああ …

ホント よかった わ ~ ほんと||

( 泣き声 ) なきごえ

いつまで ベタベタ して んだ よ ! |べたべた|||

さっ

( 紀子 ) で 何 が あった の ? としこ||なん|||

入江 君 が みんな の 前 で 私 に … いりえ|きみ||||ぜん||わたくし|

愛 の 告白 を して くれた んです ! あい||こくはく||||ん です

ええ~っ ! お 兄ちゃん たら やる 時 は やる じゃない の ~ |||にいちゃん|||じ|||じゃ ない|

も ~ この この この !

( 入江 裕樹 ( ゆうき )) お 兄ちゃん が !? いりえ|ひろき|||にいちゃん|

本当 の 自分 に なれる の は 琴子 が そば に いる 時 だけ だ ほんとう||じぶん|||||ことこ|||||じ||

… って !

… って !

おいっ ! お いっ

おいっ ! お いっ

おいっ ! お いっ

いや ~ っ 何 その セリフ ! ||なん||せりふ No, what's that line!

いや ~ っ 何 その セリフ ! ||なん||せりふ

琴子 ちゃん 愛さ れて る の ね ~ ことこ||あいさ||||

ケンカ して 仲直り して これ から 真 の 夫婦 に なる の ね ! けんか||なかなおり||||まこと||ふうふ||||

ありがとう 琴子 ちゃん |ことこ|

え ?

琴子 ちゃん に 出会って ― ことこ|||であって

お 兄ちゃん すごく 成長 した と 思う の |にいちゃん||せいちょう|||おもう|

人 の 気持ち が わかる ように なった と いう か … じん||きもち|||よう に||||

きっと 冷血な お 兄ちゃん の 氷 の ハート を |れいけつな||にいちゃん||こおり||はーと|

琴子 ちゃん の 愛で 溶かした の よ ことこ|||めで|とかした||

私 の 愛 なんて … そんな … わたくし||あい||

これ から も お 兄ちゃん を 見捨て ないで やって ね ||||にいちゃん||みすて|||

はい ! もちろん です

さあ 今夜 は 仲直り 記念日 の お 祝い を し なくっちゃ ~! |こんや||なかなおり|きねんび|||いわい|||

し ましょう ! 何 に し ます ? ||なん|||

ケーキ 作ろう かしら けーき|つくろう|

( 琴子 ) あ ~! 一緒に 作り ましょう ことこ||いっしょに|つくり|

( 教員 ) 入江 さん ― きょういん|いりえ|

注射 も ダメ バイタルサイン 測定 も ダメ ― ちゅうしゃ||だめ||そくてい||だめ

車 イス の 移乗 も ダメ …― くるま|いす||うつ じょう||だめ

となると なかなか 厳しい です ね ― と なる と||きびしい||

来月 から 病院 へ 行って 実習 が 始まる んです よ らいげつ||びょういん||おこなって|じっしゅう||はじまる|ん です|

はい

( 教員 ) じゃあ 明日 再 テスト を 行い ましょう ― きょういん||あした|さい|てすと||おこない|

それ に パス し なければ もう 一年 やり直し ― ||ぱす||||ひと ねん|やり なおし

いい です ね ?

そんなー !! そんな -

( 泣き声 ) なきごえ

ん ?

( 泣き声 ) なきごえ

琴子 ! ことこ

何 して んだ こんな 朝 早く なん||||あさ|はやく

あ … 啓太 |あきら ふと

私 今日 再 テスト で … わたくし|きょう|さい|てすと|

今 まで 習った もの の 抜き打ち って 言わ れて て いま||ならった|||ぬきうち||いわ||

今朝 も 6 時 から 練習 して る んだ けど けさ||じ||れんしゅう||||

ちっとも うまく いか なくて …

( 警告音 ) けいこく おと

すげー 量 の 注射針 無駄 に し やがった な すげ -|りょう||ちゅうしゃ はり|むだ|||や がった|

私 何 やって も ダメ な んだ よ ね わたくし|なん|||だめ||||

注射 の 一本 も 打て なく って … ちゅうしゃ||ひと ほん||うて||

こんなん で 本当に 看護師 に なれる の か って 不安 で … ||ほんとうに|かんご し||||||ふあん|

そしたら … そ したら

泣いて る 暇 なんか ねー だろ ? ないて||いとま||ね -|だ ろ

え ?

いい よ 俺 の 腕 使え ||おれ||うで|つかえ

こんな の 一回 でも コツ を 覚えたら こっち の もん だ ||ひと かい||こつ||おぼえたら||||

何回 失敗 して も いい から 思い切って やれ よ なん かい|しっぱい|||||おもいきって||

いい の ?

おう

よし …

じゃあ やる よ

おいっ ! お いっ

きんちゅう くん 巻け よ ! きん ちゅう||まけ|

ごめん ね …―

えいっ え いっ

えいっ え いっ

( 警告音 ) けいこく おと

( 警告音 ) けいこく おと

ごめん ね 今度 こそ ||こんど|

( 琴子 ) えいっ ことこ|え いっ

( 琴子 ) えいっ ことこ|え いっ

( 警告音 ) けいこく おと

( 警告音 ) けいこく おと

( 警告音 ) けいこく おと

しっかり 針 を 見ろ |はり||みろ

しっかり 針 を 見ろ |はり||みろ

はいっ ― は いっ

えいっ え いっ

( 警告音 ) けいこく おと

( 警告音 ) けいこく おと

琴子 肩 の 力 抜け ! ことこ|かた||ちから|ぬけ

なんか いつも 啓太 に そう 言わ れて る よ ね ||あきら ふと|||いわ||||

お前 が 緊張 したら 患者 さん に も 伝わる だ ろ ? おまえ||きんちょう||かんじゃ||||つたわる||

リラックス な ! りらっくす|

うん …

よしっ もう 一回 いけ ! ||ひと かい|

はい

あー やった やったー ! できたー ! ||やった -|できた -

やった ぞ 琴子 ! ||ことこ

やった できた よー ありがとう 啓太 !― ||よ -||あきら ふと

で ~ 甘え ついでに … |あまえ|

もう 一つ お 願い が ある んです けど … |ひと つ||ねがい|||ん です|

( 啓太 ) え ? あきら ふと|

琴子 力み すぎ だ ことこ|りきみ||

( 琴子 ) はい … ことこ|

ゆっくり な

( 琴子 ) はいっ ことこ|は いっ

おいっ 集中 しろ ! お いっ|しゅうちゅう|

はい

慌てる な あわてる|

ゆっくり な

ゆっくり な

( 琴子 ) はいっ ことこ|は いっ

そう そうそう … |そう そう

やった ー ! できた ー ! |-||-

よかった な

啓太 の おかげ だ よ ! あきら ふと||||

ああっ もう 絶対 この コツ 忘れ ない ! ||ぜったい||こつ|わすれ|

お前 さあ 何の ため に 看護師 に なり てー の ? おまえ||なんの|||かんご し|||て -|

いろいろ ある だ ろ ? 子供 の 頃 から の 夢 だ と か ||||こども||ころ|||ゆめ|||

病気 の 人 を 助け たい と か びょうき||じん||たすけ|||

うん …

私 は ね … わたくし||

入江 君 が お 医者 さん に なる から その お 手伝い が し たい の いりえ|きみ|||いしゃ|||||||てつだい||||

それ だけ ?

ううん … う うん

私 って ドジ だし いつも 失敗 ばっかり して わたくし|||||しっぱい||

みんな に 迷惑 かけて る でしょ ? ||めいわく|||

そんな 私 でも 誰か の 役 に 立って |わたくし||だれ か||やく||たって

心細い 患者 さん の 支え に なり たい な って 最近 思う の こころぼそい|かんじゃ|||ささえ||||||さいきん|おもう|

まあ 一番 は 入江 君 な んだ けど ね |ひと ばん||いりえ|きみ||||

ハハハ …

ったく かなわ ねー な お前 に は った く||ね -||おまえ||

入江 と 幸せ な んだ な いりえ||しあわせ|||

うん

テスト 頑張れ よ てすと|がんばれ|

ありがと … 啓太 あり が と|あきら ふと

( 啓太 ) よお ! あきら ふと|よ お

朝っぱら から 何か用 か ? あさっぱら||なん か よう|

今 まで あんた の 奥さん の 注射 の 練習台 に なって た んだ よ いま||||おくさん||ちゅうしゃ||れんしゅう だい|||||

今日 再 テスト って 言う から きょう|さい|てすと||いう|

ふーん それ は ご苦労 だった な ふ - ん|||ご くろう||

ったく お前 って 男 は … った く|おまえ||おとこ|

俺 もう 追いかけ ない から 琴子 の こと おれ||おいかけ|||ことこ||

たとえ お前 が どんな ひどい 夫 でも 嫌 な 奴 でも … |おまえ||||おっと||いや||やつ|

琴子 が 幸せ なら ― ことこ||しあわせ|

何も もう 言わ ない なにも||いわ|

あいつ の 俺 を 思う 強い 気持ち に ― ||おれ||おもう|つよい|きもち| I think of him with a strong feeling-

かなわない って 自覚 した んだ ろ ? ||じかく||| Did you realize that you couldn't do it?

さっさと 気付けば よかった のに なあ |きづけば||| I wish I had noticed it quickly

人 が 折れて やれば 調子 に 乗り やがって !― じん||おれて||ちょうし||のり|や がって

この うぬぼれ やろ ー ! |||-

大事 に しろ よ だいじ|||

♪~

( 幹 ) 何 それ ? みき|なん|

ああ 再 テスト 合格 した って 言ったら |さい|てすと|ごうかく|||いったら

金 ちゃん が 張り切って くれて きむ|||はりきって|

よかった ! これ で みんな そろって 実習 だ ね |||||じっしゅう||

うん

ちょっと その 前 に … ||ぜん|

いよいよ ね

何 が ? なん|

やー ね 戴帽式 よ 決まって る じゃ ない や -||たいぼう しき||きまって|||

ああ 戴帽式 ね … って 何 だ っけ ? |たいぼう しき|||なん||

あんた !

看護師 に なろう って 人間 が 戴帽式 知ら ない のお ? かんご し||||にんげん||たいぼう しき|しら||の お

だって 私 編入 組 だし … |わたくし|へんにゅう|くみ|

んな もん 関係ない わ よ ! いい ? 戴帽式 って いう の は ね … ||かんけいない||||たいぼう しき|||||

看護 学生 が 看護 師 に なる ため の 第一歩 目 の 儀式 … かんご|がくせい||かんご|し|||||だい ひと ほ|め||ぎしき

看護 学生 に とって の 成人 式 の ような もの よ かんご|がくせい||||せいじん|しき||||

ほお ~

師長 さん から 初めて ― もろなが|||はじめて

ナースキャップ を かぶせて もらえる の

( 品川 真里菜 ( しながわ まりな )) そう そう キャンドル 持って ね ロマンチック ~ しなかわ|まり な|しな がわ|まり な|||きゃんどる|もって||ろまんちっく

( 幹 ) あたし は この 日 を どんなに 夢見て きた か … みき||||ひ|||ゆめみて||

自分 の ナースキャップ … じぶん||

白衣 の 天使 に 近づく 最初 の 日 な の よ ね ~ はくい||てんし||ちかづく|さいしょ||ひ||||

あたし は この 日 の ため に ― |||ひ|||

看護師 の 道 を 目指した と 言って も 過言 じゃない わ ! かんご し||どう||めざした||いって||かごん|じゃ ない|

ふーん そんなに 素敵 な の ? ふ - ん||すてき||

それ に 楽しみ は もう 1 つ ある の よ ね ー ||たのしみ||||||||-

何 ? なん

好き な 医学部 の 男 の 人 に すき||いがくぶ||おとこ||じん|

お 花 を もらう って いう の が ある の よ |か|||||||||

( 琴子 ) お 花 ? ことこ||か

( 琴子 ) お 花 ? ことこ||か

そう

これ は 斗南 大 医学部 だけ の 伝統的 な 行事 な んだ けど ね ||と みなみ|だい|いがくぶ|||でんとう てき||ぎょうじ||||

式 が 終わって 講堂 から 出て きた 時 に しき||おわって|こうどう||でて||じ|

好き な 医学生 が 待って て くれて すき||い がくせい||まって||

そこ で お 花 を もらう って いう の が ステータス な の ! |||か|||||||||

なん たって 一生 に 一度 の 行事 だ し この 時期 みんな … ||いっしょう||ひと ど||ぎょうじ||||じき|

“ 当日 お 花 を もらう 権利 ” を 獲得 する ため に とうじつ||か|||けんり||かくとく||| To acquire the "right to receive flowers on the day"

必死 に なって る の よ ひっし||||| I'm desperate

( 琴子 ) フフフ … ことこ|

その 点 私 は 幸せ 者 ! |てん|わたくし||しあわせ|もの

( 直樹 ) 琴子 ! なおき|ことこ

おめでとう―

ナースキャップ 似合って る な |にあって||

惚れ直した よ ほれ なおした|

入江 君 … いりえ|きみ

( 琴子 ) 想像 した だけ でも ― ことこ|そうぞう|||

なんて なんて 素敵 な の ー !― ||すてき|||-

私 は 入江 君 に お 花 もらえる の ね わたくし||いりえ|きみ|||か|||

あ … ダメ だ わ あっち の 世界 に 行って る わ |だめ|||||せかい||おこなって||

あたし 誰 に 頼もっ かな ~ |だれ||たの もっ|

船津 さん に 頼めば ? 喜んで 来 そうだ けど ふなつ|||たのめば|よろこんで|らい|そう だ|

嫌 よ ! あんな 人 いや|||じん

そう いえば 最近 船津 さん 見かけ ない けど … ||さいきん|ふなつ||みかけ||

( 船津 誠一 ( ふなつ せいいち )) 昨日 僕 の 行きつけ の 寄生虫 館 に 行ったら なんと 休館日 で … ふなつ|せいいち|ふな つ|せい いち|きのう|ぼく||ゆきつけ||きせい ちゅう|かん||おこなったら||きゅうかん にち|

噂 を すれば なんと やら … うわさ||||

( 船津 ) 入江 さん ?― ふなつ|いりえ|

入江 さん 聞いて ます か ? 入江 さん いりえ||きいて|||いりえ|

入江 さん ! いりえ|

船津 グチ が 長い ふなつ|||ながい

( 幹 ) 入江 さん ! みき|いりえ|

入江 くーん ! いりえ|く - ん

( 船津 ) 入江 さん 体調 悪い です ふなつ|いりえ||たいちょう|わるい|

( 琴子 ) 入江 君 ! あれ ? 船津 さん は ? ことこ|いりえ|きみ||ふなつ||

体調 悪く なった って たいちょう|わるく||

ウソ よ うそ|

どうした の ?

ねえ 入江 さん この間 の 試験 1 位 でした よ ね ? |いりえ||この あいだ||しけん|くらい|||

ああ

最悪 の 出来 と 言って いた けど やっぱり 入江 さん は すごい … さいあく||でき||いって||||いりえ|||

さすが 私 の 旦那様 |わたくし||だんな さま

何 だ よ それ なん|||

やっぱり ね …

船津 さん ふなつ|

あんな 大口 叩いて た の に 結局 入江 さん に 負けた から ― |おおぐち|たたいて||||けっきょく|いりえ|||まけた|

あたし の 所 に 来 られ なく なった の よ ||しょ||らい||||| I can't come to my place anymore

ホント 意気地なし ! ほんと|いくじなし

ちっちゃい 男 だ と 思わ ない !? ちっちゃ い|おとこ|||おもわ|

ねえ 入江 君 お 願い が ある んだ けど … |いりえ|きみ||ねがい||||

今度 戴帽式 が ある の 入江 君 も 知って る でしょ ? こんど|たいぼう しき||||いりえ|きみ||しって||

医学科 の 人 が 看護 学科 の 女の子 に お 花 あげる って いう … いがく か||じん||かんご|がっか||おんなのこ|||か|||

それ で 私 もう 嬉しく って … あ ~! ||わたくし||うれしく||

どの お 花 でも 嬉しい けど やっぱり 私 バラ が … ||か||うれしい|||わたくし|ばら|

無理 だ な むり||

え ?

その 日 に 教授 と 俺 で 名古屋 で 開か れる 医学 会 に 出る から 無理 だ |ひ||きょうじゅ||おれ||なごや||あか||いがく|かい||でる||むり|

ええーっ !! ええ -っ

だって … だあって ~! |だ あって

遅く なる から 泊まる だろう し … おそく|||とまる||

まっ どっちみち ―

そんな こっぱずかしい こと 俺 は ごめん だ ね |こっぱ ず か しい||おれ||||

くだらない

じゃあ な

ひどーい ! ひど - い

あ … あの ね 入江 さん 去年 も すっごい 人気 で … |||いりえ||きょねん||すっご い|にんき|

先輩 達 何人 も 申し込んだ の よ せんぱい|さとる|なん り||もうしこんだ||

でも 全員 フラれて た し … だ から … |ぜんいん|||||

だから ?

( 教員 ) みなさん いよいよ 戴帽式 が 近づいて き ました きょういん|||たいぼう しき||ちかづいて||

今日 は 戴帽式 で お 世話 を して いただける ― きょう||たいぼう しき|||せわ|||

斗南 大学 病院 看護師長 を お呼び し ました と みなみ|だいがく|びょういん|かんご もろなが||および||

細井 小百合 ( ほそい さゆり ) です どうぞ よろしく ね ほそい|さゆり||||||

ド 迫力 ! |はくりょく

“ 太い のに 細井 ” って 有名 な 師長 よ ふとい||ほそい||ゆうめい||もろなが|

気 に 入ら ない 看護師 を ビシビシ いびる んだ って ~ き||はいら||かんご し||びしびし|||

うわっ 目え 付け られたら 大変 ね ~ |め え|つけ||たいへん|

( 細井 ) そう そう この クラス に 入江 さん って いる わ よ ね ? ほそい||||くらす||いりえ||||||

はっ はい 私 が 入江 琴子 です ||わたくし||いりえ|ことこ|

あら あなた が 入江 さん ? |||いりえ|

あなた の ご主人 が ね うち の 病院 に 実習 に 来て る の よ ||ご あるじ|||||びょういん||じっしゅう||きて|||

まー ! そりゃ 優秀 で ね 評判 な の ま -||ゆうしゅう|||ひょうばん||

あなた も さぞや 優秀 な ん でしょう ね ? |||ゆうしゅう||||

あ … いや … そん …

はい とっても

( 細井 ) あら あら それ は 頼もしい わ ~! ほそい|||||たのもしい|

では 本題 に 入り ます |ほんだい||はいり|

来週 の 戴帽式 に らいしゅう||たいぼう しき|

“ ナイチンゲール 誓詞 ” を 暗唱 して もらう 4 人 を 決め ましょう |ちか し||あんしょう|||じん||きめ|

( 幹 ) はいはい はい ! みき|は いはい|

何か ? なん か

あたし 桔梗 幹 と 言い ます 立候補 して も いい です か ? |ききょう|みき||いい||りっこうほ|||||

あなた … 男 ね ? |おとこ|

ダメ よ ! だめ|

え … えっ !? どうして 師長 ! |||もろなが

我 が 校 で は 代々 “ ナイチンゲール 誓詞 ” は ― われ||こう|||だいだい||ちか し|

女子 学生 が 暗唱 する こと に なって い ます じょし|がくせい||あんしょう||||||

残念 ながら あなた の 役割 は ない わ ね !― ざんねん||||やくわり||||

それ に 男子 学生 は ナースキャップ で は なく ― ||だんし|がくせい||||| And boys aren't nurse caps-

ワッペン を 身 に つける こと に なって い ます わっぺん||み|||||||

あたし の … 夢 … ||ゆめ

今 まで この 日 の ため に … いま|||ひ|||

( 泣き声 ) なきごえ

それでは 小倉 さん |おぐら|

( 智子 ) はい さとこ|

森 ( もり ) さん しげる||

( 森 ) はい しげる|

品川 さん しなかわ|

( 真里菜 ) はい まり な|

それ に 入江 琴子 さん に やって もらい ましょう ||いりえ|ことこ|||||

えっ ?

期待 して い ます よ きたい||||

ああ …

ちょっと モト ちゃん 飲みすぎ だって ~ |もと||のみすぎ|

だいたい なんで あんた 達 が |||さとる|

“ ナイチンゲール 誓詞 ” 読む の よ ! |ちか し|よむ||

もう それ 何 度目 よ ! ||なん|たび め|

あたし だって 別に やり たい わけじゃない ない わ よ ||べつに|||わけじゃ ない||| I don't want to do it separately

そう よ

もと は と 言えば モト ちゃん が 私 の こと 優秀 だ と か 言う から |||いえば|もと|||わたくし|||ゆうしゅう||||いう| Originally, Moto-chan said that I was excellent.

私 が 一番 長い 最後 の パート ― わたくし||ひと ばん|ながい|さいご||ぱーと

暗唱 する ハメ に なった ん でしょう !? あんしょう||||||

あたし は ナースキャップ も かぶれ ない の よ !

あ … 電話 だ |でんわ|

うん

我が 任務 ( つとめ ) に あたり て わが|にんむ||||

取り扱える 人々 の 私事 の 全て とり あつかえる|ひとびと||わたくしごと||すべて

我 が 知り 得 たる 一家 の 内事 の 全て われ||しり|とく||いっか||うち こと||すべて

我 は 人 に 洩らさ ざる べし われ||じん||もらさ||

すごーい モト ちゃん ! すご - い|もと|

あんた 人一倍 物覚え が 悪い んだ から ― |ひといちばい|ものおぼえ||わるい||

しっかり 覚え なさい ! |おぼえ|

あたし の 分 も 頑張って もらわない と ね ||ぶん||がんばって|もらわ ない|| I have to do my best for me

それ に ―

入江 さん に 恥 かかせる ような 真似 しちゃ ダメ よ いりえ|||はじ|||まね||だめ| Don't imitate Irie-san's shame

わかって る けど … プレッシャー だ なあ |||ぷれっしゃー||

我 は 心 より 医師 を 助け われ||こころ||いし||たすけ

我が 手 に 託され たる 人々 の 幸 の ため に 身 を 捧げ ん わが|て||たくさ れ||ひとびと||こう||||み||ささげ|

モト ちゃん ! もと|

何 ? なん

私 すごーい こと 思い付い ちゃった んだ けど … わたくし|すご - い||おもいつ い|||

何 よ ? なん|

あの ね 戴帽式 で … ||たいぼう しき|

えーっ ?

( 琴子 ) そして 1 週間 後 ― ことこ||しゅうかん|あと

戴帽式 の 日 が やってきた のでした たいぼう しき||ひ|||

( 教員 ) それ で は これ より ― きょういん|||||

斗南 大学 医学部 看護 学科 戴帽式 を 行い ます と みなみ|だいがく|いがくぶ|かんご|がっか|たいぼう しき||おこない|

品川 真里奈 しなかわ|まこと りな

はい

( 細井 ) 頑張って ね ほそい|がんばって|

( 教員 ) 小倉 智子 きょういん|おぐら|さとこ

はい

あれ ? 幹 の 奴 どこ 行った |みき||やつ||おこなった

( 教員 ) 鴨狩 啓太 きょういん|かも か|あきら ふと

はい

入江 琴子 いりえ|ことこ

はい

頑張って ね がんばって|

( 琴子 ) 入江 君 …― ことこ|いりえ|きみ

私 今 … 少し 入江 君 に 近づけた よ ― わたくし|いま|すこし|いりえ|きみ||ちかづけた| I'm now ... I'm a little closer to Irie-kun

見て ほしかった なあ 私 の ナースキャップ 姿 みて|||わたくし|||すがた

桔梗 幹 ききょう|みき

( 幹 ) はい みき|

え ?

( 学生 達 ) えっ … がくせい|さとる|

幹 ! みき

な … な …―

な … なんて こと な の !

すぐに 着替えて き なさい ! 戴帽式 を 冒涜 する 気 です か ? |きがえて|||たいぼう しき||ぼうとく||き||

師長 ! 許して あげて ください ! もろなが|ゆるして||

モト ちゃん は この 日 の ため に 頑張って きた んです ! もと||||ひ||||がんばって||ん です

男 でも 女 でも ― おとこ||おんな|

患者 さん を 思う 気持ち は 同じです お 願い し ます ! かんじゃ|||おもう|きもち||おなじ です||ねがい||

琴子 … ことこ

( 智子 ) 許して あげて ください 先生 ! さとこ|ゆるして|||せんせい

私 達 から も お 願い し ます ! わたくし|さとる||||ねがい||

先生 ! 俺 は 遠慮 する けど ― せんせい|おれ||えんりょ||

幹 に ナースキャップ を かぶら せて やって ください みき|||||||

( 学生 ) そうです よ ! がくせい|そう です|

( 学生 ) いい と 思い ます がくせい|||おもい|

ふう ~―

わかり ました

みなさん の 熱意 に 負けて ― ||ねつい||まけて

異例 です が 桔梗 君 に も ナースキャップ を いれい|||ききょう|きみ||||

( 歓声 ) かんせい

ホントです か ? ほんと です|

( 琴子 ) よかった ね モト ちゃん ! ことこ|||もと|

ありがとう 琴子 ! あなた の おかげ よ |ことこ||||

みんな ありがとう ! 愛して る わ ! ||あいして||

( 学生 達 ) おめでとう ! がくせい|さとる|

頑張って ね がんばって|

♪~

ありがとう ございます 先生 ||せんせい

( 琴子 ) 特例 と して モト ちゃん も 無事 ― ことこ|とくれい|||もと|||ぶじ

ナースキャップ を かぶる こと が でき ました

♪~

我 は ここ に 集い たる 人々 の 前 に 厳か に 神 に 誓わ ん われ||||つどい||ひとびと||ぜん||おごそか||かみ||ちかわ|

我が 生涯 を 清く 過ごし 我が 任務 を 忠実 に 尽くさん こと を わが|しょうがい||きよく|すごし|わが|にんむ||ちゅうじつ||つくさ ん||

我 は 全て 毒 ある もの 害 ある もの を 断ち われ||すべて|どく|||がい||||たち

悪しき 薬 を 用いる こと なく あく しき|くすり||もちいる||

また 知り つつ これ を すすめ ざる べし |しり||||||

我 は 我が 力 の 限り われ||わが|ちから||かぎり

我が 任務 の 標準 ( しるし ) を 高く せん こと を 努む べし わが|にんむ||ひょうじゅん|||たかく|せ ん|||つとむ む|

我が 任務 に あたり て 取り扱える 人々 の 私事 の 全て ― わが|にんむ||||とり あつかえる|ひとびと||わたくしごと||すべて

我が 知り 得 たる 一家 の 内事 の 全て わが|しり|とく||いっか||うち こと||すべて

我 は 人 に 洩らさ ざる べし われ||じん||もらさ||

わ … 我 は … |われ|

( 琴子 ) 入江 君 … ことこ|いりえ|きみ

心 より 医師 を 助け こころ||いし||たすけ

( 琴子 ) 聞こえる ? ことこ|きこえる

我が 手 に 託され たる ― わが|て||たくさ れ|

人々 の 幸 の ため に 身 を 捧げ ん ひとびと||こう||||み||ささげ|

( 琴子 ) 一生懸命 入江 君 を 助ける から ね ことこ|いっしょうけんめい|いりえ|きみ||たすける||

( 琴子 ) どうせ 入江 君 今日 帰って こない んだ し ― ことこ||いりえ|きみ|きょう|かえって|||

もう 少し ひたっ ちゃおう かな ― |すこし||ちゃ おう|

看護師 って 勉強 も 人間 関係 も 体力 も ― かんご し||べんきょう||にんげん|かんけい||たいりょく|

きっと すごく 大変 な ん だろう けど ― ||たいへん||||

なんか 今日 頑張れる 気 が した ― |きょう|がんばれる|き||

くじけそう に なったら この 日 を 思い出して … くじけ そう||||ひ||おもいだして

( 扉 が 開く 音 ) とびら||あく|おと

( 扉 が 開く 音 ) とびら||あく|おと

ん ?―

あっ はっ …―

だ … だっ 誰 ? もしかして オバケ !? ||だれ|もし かして|

だ … だっ 誰 ? もしかして オバケ !? ||だれ|もし かして|

( 足音 ) あしおと

( 足音 ) あしおと

( 直樹 ) バーカ なおき|

い … 入江 君 !? |いりえ|きみ

ったく いつまで こんな 所 に いる んだ った く|||しょ|||

( 琴子 ) どした の ? 名古屋 は ? ことこ|ど した||なごや|

あれ ?

( 直樹 ) 新幹線 で 帰って きた んだ よ なおき|しんかんせん||かえって|||

帰って … かえって

帰って きて くれた の ? かえって|||

間に 合わ なかった けど な あいだ に|あわ|||

花屋 も 閉まって た し はなや||しまって||

そんな の いい

いら ない

来て くれた だけ で … きて|||

言って みろ よ いって||

お前 が 暗唱 した ところ おまえ||あんしょう||

うん

我 は … われ|

ここ よ … 心 より 医師 を 助け … ||こころ||いし||たすけ

我が 手 に 託され たる ― わが|て||たくさ れ|

人々 の 幸 の ため に … ひとびと||こう|||

身 を 捧げ ん み||ささげ|

もう 一度 |ひと ど

( 琴子 ) 我 は 心 より 医師 を 助け ことこ|われ||こころ||いし||たすけ

我が 手 に 託され たる … わが|て||たくさ れ|

人々 の … ひとびと|

人々 の 幸 の ため に … ひとびと||こう|||

身 を … み|

身 を 捧げ ん み||ささげ|

♪~

( 琴子 ) ナイチンゲール 様 ― ことこ||さま

これ から どんな つらい こと が 待ち受け よう と も ― ||||||まちうけ|||

私 この 日 を 一生 忘れ ません わたくし||ひ||いっしょう|わすれ|ませ ん

♪~

( 琴子 ) 来週 から 看護 実習 が 始まる んだ よ ね ― ことこ|らいしゅう||かんご|じっしゅう||はじまる|||

緊張 する ~ きんちょう|

( 琴子 ) きっと すご~く いい 感じ の おばあさん だ と 思う わ ! ことこ|||||かんじ||おばあ さん|||おもう|

( 直樹 ) お前 と は 気 が 合う かも しれ ない な なおき|おまえ|||き||あう||||

( 吉田 ( よしだ ) トヨ ) 実習生 の 名前 な ぞ いちいち 覚えて られる かい よしだ|よし だ|とよ|じっしゅう せい||なまえ||||おぼえて||

( 琴子 ) 午前中 だけ で ナースコール 8 回 ! ことこ|ごぜん ちゅう||||かい

( 看護師 ) 実習 生 いびり かんご し|じっしゅう|せい|

( 琴子 ) 私 … 自信 なく しちゃった ことこ|わたくし|じしん||

( 直樹 ) やめる か 看護師 なおき|||かんご し

( トヨ ) 胸 が … 胸 が 痛い んだ よ とよ|むね||むね||いたい||

( 琴子 ) どうした の ? トヨ ばあちゃん ことこ|||とよ|