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イタズラなKiss2〜Love in TOKYO, イタズラなKiss2〜Love in TOKYO#13 (2)

うん 術後 の 経過 いい です ね

( 原田 ) あ … そう です か

( 西垣 ) 傷 も きれい です よ

( 原田 ) よかった

( 西垣 ) 消毒

( 琴子 ) そーだ 入江 君 に 連絡 入れ なきゃ !―

驚く かな ~?

( 西垣 ) 消毒 !

消 …

( 男性 の 声 ) 消毒 !!

わ … はっ はい !

すいません …

( 直樹 ) ボケッと ニヤけて んな

( 西垣 ) こーら お前 研修 医 の 分際 で 偉そう に …

はっあ …

なっ な … なんで 入江 君 が ここ に いる の !?

本日 付け で 斗南 大学 第三 外科 に 配属 され ました ―

入江 直樹 です よろしく

おいっ “ 入江 ” って …

まさか 琴子 ちゃん の ?

じゃ じゃあ …

私 達 一緒に … 入江 君 と 私 一緒に …

やっと 一緒に 働ける な

琴子

入江 君 ~!

( 琴子 ) ここ に たどり着く まで の いろんな 思い が …―

フラッシュ の ように 頭 を よぎって …

私 …

一番 やり たい こと って ―

入江 君 の お 仕事 を お 手伝い する こと な の

つまり … 看護 師 …

( 琴子 ) 今 ここ に 入江 君 が いる こと が …―

とっても とっても ―

夢見て きた シーン だった ん だって 実感 した

身 を 捧げ ん

俺 の 勤める 病院 ―

神戸 の 病院 に しよう と 思って る んだ

( 琴子 ) 長かった よね 今 まで …

( 直樹 ) おい お前 ここ 病室 …

あっ はっ …

( 男性 ) 旦那 さん かい ? 琴子 ちゃん の

え へ そう な んです 私 の 旦那 様 な んです

( 男性 ) よかった ね

はいっ !

( 拍手 )

みなさん これ から 夫婦 ともども よろしく お 願い しまーす !

( 木村 ) あっ でも 琴子 ちゃん 神戸 に 行く ん じゃ …

へえ ~ そう な んだ また すれ違い か

あ … いや …

運 が ない な 俺 達 って

ま … あっち 行って も 頑張って

( 西垣 ) そろそろ いい か ? 回診 続ける ぞ

師ちょお ~! キャンセル お 願い しまーす !

ただいま

( 琴子 ) せーの

お かえり なさーい お 兄ちゃん !

( 紀子 ) ああ ~ よかった

長かった わ ね ー 琴子 ちゃん

はいっ !

お 兄ちゃん !

長い 間 琴子 ちゃん を

一人ぼっち に させて おいた んです から ね !

これ から は 妻 孝行 を 存分に して ちょうだい

わかった わ ね !

お 義母 ( かあ ) さん !

( 入江 重樹 ( しげき )) 直樹 が 我が家 に 帰って きて ―

ようやく 家族 が 全員 そろった わけ だ から

これ から は 夫婦 は もちろん 家族 みんな で 仲良く しよう ね !

( 琴子 ) はいっ !

よーし じゃあ あっち で 乾杯 しよう

はい 行こう !

はい 赤ちゃん も お 忘れ なく !

今夜 は 直樹 君 の お かえり なさい パーティー だ―

さあ どんどん いって よ ー

ありがとう ございます

これ から も 忙しく なる と 思う けど ―

琴子 ともども 頑張って いく つもり です

うん !

( 重樹 ) それじゃ 直樹 … ホントに おかえり !

カンパーイ !

( 一同 ) カンパーイ !!

( 紀子 ) お 料理 持ってこ なくっちゃ ~

( 重樹 ) 取り行こ 取り 行 こ

( 入江 裕樹 ( ゆうき )) お かえり お 兄ちゃん

大人っぽく なった な 裕樹

そ … そう ?

裕樹 君 この 1 年間 で 身長 10 センチ も 伸びた んだ よ ー

よかった ね ~ 好美 ( このみ ) ちゃん に 抜かれ なく って

うるさい 琴子

はあ ~? 喜んで あげてる ん じゃない !

ヘヘーン 悪い けど …

( 佐川 ( さがわ ) 好美 ) 直樹 さん

お かえり なさい

私 まで お邪魔 し ちゃって すいません

好美 ちゃん 久しぶり 学校 どう ?

相変わらず 勉強 でき なくて 裕樹 君 に 怒ら れて ます

うまく いって る の ? 裕樹 と

勉強 を 教えて もらったり 映画館 行ったり して ます

ふーん …

裕樹 が ね

あっ ! お前 何 お 兄ちゃん に しゃべって んだ

( 金之助 ) よお 琴子 ~! 来た で ー

直樹 ~ オカエリ ナスッテ デス ワ

ゆっくり 食べよう

あっ メガネ が 下がって きた

お前 も そんな 年頃 に なった ん や な

金 チャン モウ ~!

なん や !

猿 ガ 邪魔 …

お前 が つけた ん やろ !

( 琴子 ) 風邪 ひく よ 入江 君

疲れ ちゃった ?

盛上がっ ちゃって る もん ね みんな

こんな 大騒ぎ この 1 年間 なかった から な

一人 暮らし だった し

でも ね みんな ね 入江 君 が 帰って きて ―

嬉しく って はしゃいでる んだ よ

お 義母 さん だって お 義父 ( とう ) さん だって 裕樹 君 だって …

ああ 言って る けど 金 ちゃん だって …

私 も 神戸 の 病院 に 行か ず に すんだ し

これ で 入江 君 と 離れ ないで すむ ん だって 思う と …

なんだか 幸せで … 幸せで …

すごく 騒々しく って ―

家 に 帰って きた ん だって 実感 した んだ

ただいま

お かえり 入江 君

もう ずっと 一緒に いられる んだ ね

♪~

215 の 木村 さん 明日 大腸 の ポリープ 摘出 手術 です

ああ

それと 横井 さん 抜糸 です

( 直樹 ) ああ

( 女性 ) かっこいい …

( 琴子 ) 入江 君 の 白衣 姿 を ずっと 見つめて いられる なんて …

シ ・ ア ・ ワ ・ セ ~

こりゃ 君 も 大変 だ な

彼 を 少し 甘く 見ていた ようだ

西垣 先生 西垣 先生 が 入江 く …

入江 先生 の 指導医 な んです よ ね ?

研修 医 が 指導 医 より 人気 が あって どう する ?

そういう 問題 じゃ …

入江 先生 ―

202 の 伊藤 ( いとう ) さん どう だった ?

ブスコパン プリンペラン で 経過 を 見て い ました が ―

症状 が 軽減 され ません でした

ふーん … で ? こういう 場合 ―

治療 は どういうふうに 進めたら いい と 思う ?

( 直樹 ) 注 腸 し 部位 確認 して 右 半 か 左 半 結腸 切除 術 が いい か と

ったく ソツのない 奴 だ な ー !

かわいく ない 指導 医 として つまらん

はっ !?

琴子 ちゃん

こんな 奴 すぐ 浮気 して ひどい 目 に 遭う の が オチ だ よ ?

そう なる 前 に 別れ ちゃった 方 が いい ん じゃない の ?

そしたら …

琴子 ちゃん は 僕 と 付き合う どう ?

ちょっと 西垣 先生 …

あたっ …

あたっ …

( 直樹 ) 西垣 先生

( 直樹 ) 西垣 先生

午後 から の オペ の 津田 ( つだ ) さん の 資料 です

おう

ったく シャレ の わからん 奴 だ な

お前 も 第 2 助手 なんだ から 用意 しとけ よ !

はい

ただいま 戻り ました ~

( 清水 ) 入江 さん !

ったく あなた いつまで ほっつき歩いて る の !

入江 先生 が いらっしゃって ―

あなた また たるんで きて る わ よ !

すいません …

こんな 人 に 本当に 任せて 大丈夫 かしら ?

え ?

入江 さん あなた 今日 の 午後 から

処置 の 介助 を して いただき ます

ええーっ !

( 清水 ) あなた 処置 は 初めて でしょ ?

気胸 の 患者 さん の 簡単な 処置 よ 大丈夫 ! 私 も つく から

は … はい !

( 琴子 ) 介助 って … まさか … もしかして …

お前 も 第 2 助手 なんだ から 用意 し とけ よ !

はい

( 琴子 ) 私 初めて の 介助 …―

もしかして 入江 君 と …

( 清水 ) 手順 ! ちゃんと 頭 に 入って る ?

もう一度 確認 して おいて ね

( 琴子 ) はい あ … あの … 清水 主任

ちなみに 先生 は ?

先生 は …

( 大蛇森 ) なぜ 君 が ここ に いる ?

( 琴子 ) 介助 に 入る 入江 です よろしく お 願い し ます

( 大蛇森 ) ちょっと ちょっと 勘弁 して よ ~―

こんな 子 使いモン に なる の ー ?―

はい それじゃ 始める よ ~―

今日 は 要注意人物 が 交じって いる ので ―

細心 の 注意 を お 願い し ます よ ―

くれぐれも 清潔 と 不潔 の 区別 を する ように

( 清水 ) お 願い し ます

( 琴子 ) お 願い し ます …

( 琴子 ) とにかく 失敗 し ない ように し なきゃ !―

実習 で は 何度も 練習 した し 大丈夫 !―

大蛇森 先生 を 驚かせて やる !―

入江 君 ! 私 頑張る !

( 大蛇森 ) メス

( 琴子 ) はいっ

( 琴子 ) マ … マズい …―

冷や汗 が 出て きた …―

気ぼち悪 …

( 大蛇森 ) ガーゼ

( 琴子 ) あ … はい …

( 大蛇森 ) ちょっと 何 自分 に 拭いて ん のっ ―

私 に ちょーだい !

( 琴子 ) あっ ごめんなさい !

( 琴子 ) ダ … ダメ … 絶対 倒れ ちゃ …

( 大蛇森 ) ペアン

( 琴子 ) は … あ … はい …

( 大蛇森 ) はーやーく ペアン !

( 琴子 ) あっ はい ―

あり ました … お 待たせ し ました !

( ペアン が 刺さる 音 )

( 大蛇森 ) ああ ~!!

あなた って 人 は …

ふう ~ よくよく 騒動 を 起こして くれ ます ね !

す … すみません !

まっ 処置 は 無事に 終わり 大蛇森 先生 の ケガ も ―

大事に は 至らなかった から よかった ような もの の …

こんな 初歩的な ミス を 犯す なんて 困り ます ね !

あなた に は 少し 早 すぎた よう ね

こちら の 判断ミス だった わ

♪~

( 直樹 ) 夜勤 か ?

そっか …

入江 君 当直 だった ね

( 直樹 ) ああ ―

眠気覚まし に 飲む か ?

うん

あの ね …

私 実は ね …

( 直樹 ) 噂 の 傷害 事件 か ?

派手な 介助 デビュー した らしい な

さすが に 落ち込ん じゃって …

外科 の 先生 の 手 を ケガ させる なんて

看護 師 として 最低 だ よ ね

ヘタ したら 患者 さん の 命 だって

奪う こと に なり かね ない んだ って 思ったら ―

自分 の ドジ が 怖く なっ ちゃって …

入江 君 に 迷惑 かける ん じゃないか って

で ね …

入江 君 と 離れる の は 寂しい けど 私 ね …

外科 病棟 替えて もらった 方 が いい かも って …―

皮膚科 と か 耳鼻科 と か …

じゃあ 私 もう 行く ね ! ごちそうさま

( 携帯電話 の 着信音 )

はい 入江 です

わかり ました すぐ 行き ます

急患 ?

ああ 車 の 衝突 事故 で 3 人 運ばれて くる

3 人 !?

他の 病院 も 引き取って くれ ない らしい

ちょっと 行って くる

私 も 行く !

あっ 入江 先生 この 患者 さん を 病棟 まで 連れて いって くれ

今 は 安定 して る から オペ が 終わり 次第 僕 が 診る ―

大腿部 複雑骨折 だ

わかり ました

何 か あったら すぐ 知らせて くれ それ まで しっかり 頼んだ ぞ !

( 直樹 ) はい

どう なる か と 思った けど 大丈夫 みたい ね

( アラーム )

どう しよう ! なんで 血圧 が 下がった の ?

( アラーム )

大腿部 が 破綻 して いる かも しれ ない

琴子 西垣 先生 に 知らせろ !

( 琴子 ) あ … はい !

西垣 先生 !

患者 さん の 容体 が 急変 して 血圧 が 50 台 まで 下がり ました !

だ … 大腿部 の 血管 が …

えっ … そっ そんな …

西垣 先生 ! もしもし もしもし …

もう 少し 待て って !―

あっち の オペ 今 手が離せない 状態 みたい

ダメだ これ 以上 時間 が かかる と 危ない

でっ でも …

ここ で 血管 縫合 する ぞ

俺 が やる

ダ … ダメだ よ 入江 君 研修 医 な んだ から !

西垣 先生 が 待て って …

( 直樹 ) 待って る 暇 は ない

でも そんな こと したら 入江 君 きっと 後 で …

俺 が 責任 を 取る

ダ … ダメ ! やっぱり 西垣 先生 に …

( 直樹 ) 琴子 ―

琴子 !

はい …

すぐ ガウン に 着替えろ

え …

俺 の 介助 を しろ

だ … だって 私 … 無理だ よ

きっと また … 今度 は 入江 君 に …

( 直樹 ) そんな こと 言って る 場合 か

患者 を 見捨てる 気 か

で … でも …

( 直樹 ) 今 やら なかったら ずっと そのまま だ ぞ

それ でも いい なら ―

皮膚 科 でも 耳鼻 科 でも どこ に でも 移り な

じゃあ いい 他 の 看護 師 呼んで くる

待って !

私 入江 君 の お 手伝い して この 患者 さん 助ける !

( アラーム )

よく 言った

♪~

( 琴子 ) 入江 君 の 介助 が できる んだ もん ―

ち … ちっとも 怖く なんか …―

怖く なんか ない よ !

( アラーム )

( 琴子 ) 入江 君 怖い だろう な …―

指導 医 も い なくて …―

この 間 の 大蛇森 先生 の 処置 ―

失敗 した 感触 が まだ 生々しく 残って る ―

でも ちゃんと 入江 君 の 介助 し なくちゃ !―

迷惑 かから ない ように !

( 直樹 ) メス

( 琴子 ) はい

( 直樹 ) ガーゼ

( 琴子 ) はい

( 琴子 ) 私 の せい で 誰 か に 万が一 の こと が あったら …―

怖い …―

それ に 全部 入江 君 の 責任 に なっ ちゃう なんて …

( 直樹 ) セッシ

( 琴子 ) はい

( 直樹 ) 琴子 バイタル

( 琴子 ) あっ はい

えっと … 血圧 が 50-30 で 心拍数 は 300 です

( 直樹 ) えっ ?―

心拍 数 160 だろ

( 琴子 ) あっ …

( 直樹 ) モスキート

( 琴子 ) はいっ

( 琴子 ) しっかり し なきゃ ! 入江 君 に 迷惑 かけちゃ ダメ !

( 直樹 ) モスキート !

( 琴子 ) あっ はっ … はい !

( 琴子 ) あっ !―

ごめんなさい !

( 琴子 ) 頭 が 真っ白 で もう ダメ …―

患者 さん が … 入江 君 が … 私 の せい で …―

どう しよう !!

♪~

( 直樹 ) 立て

( 琴子 ) 痛った …

( 直樹 ) お前 は 俺 の 言う こと だけ 聞いて ろ

( 清水 ) 何 して る んです か !

( 直樹 ) 俺 が やる こと に し ました ―

琴子 は 早く 行け

( 清水 ) 入江 さん 一人 に 介助 は 任せ られ ません

( 直樹 ) モスキート

( 琴子 ) はい

( 直樹 ) 血管 縫合 … 生食 の 準備 を お 願い し ます

( 医師 ) 前代未聞 です よ

( 医師 ) しっかり と 責任 の 所在 を

( 学生 ) 彼氏 と かって いたり し ます ?

( 好美 ) いません

( 裕樹 ) なんだか 彼女 みたいな こと する んだ な ―

彼女 で も ない くせ に

ごめん

どうした の ?

お前 を 待って た んだ よ !


うん 術後 の 経過 いい です ね

( 原田 ) あ … そう です か

( 西垣 ) 傷 も きれい です よ

( 原田 ) よかった

( 西垣 ) 消毒

( 琴子 ) そーだ 入江 君 に 連絡 入れ なきゃ !―

驚く かな ~?

( 西垣 ) 消毒 !

消 …

( 男性 の 声 ) 消毒 !!

わ … はっ はい !

すいません …

( 直樹 ) ボケッと ニヤけて んな

( 西垣 ) こーら お前 研修 医 の 分際 で 偉そう に …

はっあ …

なっ な … なんで 入江 君 が ここ に いる の !?

本日 付け で 斗南 大学 第三 外科 に 配属 され ました ―

入江 直樹 です よろしく

おいっ “ 入江 ” って …

まさか 琴子 ちゃん の ?

じゃ じゃあ …

私 達 一緒に … 入江 君 と 私 一緒に …

やっと 一緒に 働ける な

琴子

入江 君 ~!

( 琴子 ) ここ に たどり着く まで の いろんな 思い が …―

フラッシュ の ように 頭 を よぎって …

私 …

一番 やり たい こと って ―

入江 君 の お 仕事 を お 手伝い する こと な の

つまり … 看護 師 …

( 琴子 ) 今 ここ に 入江 君 が いる こと が …―

とっても とっても ―

夢見て きた シーン だった ん だって 実感 した

身 を 捧げ ん

俺 の 勤める 病院 ―

神戸 の 病院 に しよう と 思って る んだ

( 琴子 ) 長かった よね 今 まで …

( 直樹 ) おい お前 ここ 病室 …

あっ はっ …

( 男性 ) 旦那 さん かい ? 琴子 ちゃん の

え へ そう な んです 私 の 旦那 様 な んです

( 男性 ) よかった ね

はいっ !

( 拍手 )

みなさん これ から 夫婦 ともども よろしく お 願い しまーす !

( 木村 ) あっ でも 琴子 ちゃん 神戸 に 行く ん じゃ …

へえ ~ そう な んだ また すれ違い か

あ … いや …

運 が ない な 俺 達 って

ま … あっち 行って も 頑張って

( 西垣 ) そろそろ いい か ? 回診 続ける ぞ

師ちょお ~! キャンセル お 願い しまーす !

ただいま

( 琴子 ) せーの

お かえり なさーい お 兄ちゃん !

( 紀子 ) ああ ~ よかった

長かった わ ね ー 琴子 ちゃん

はいっ !

お 兄ちゃん !

長い 間 琴子 ちゃん を

一人ぼっち に させて おいた んです から ね !

これ から は 妻 孝行 を 存分に して ちょうだい

わかった わ ね !

お 義母 ( かあ ) さん !

( 入江 重樹 ( しげき )) 直樹 が 我が家 に 帰って きて ―

ようやく 家族 が 全員 そろった わけ だ から

これ から は 夫婦 は もちろん 家族 みんな で 仲良く しよう ね !

( 琴子 ) はいっ !

よーし じゃあ あっち で 乾杯 しよう

はい 行こう !

はい 赤ちゃん も お 忘れ なく !

今夜 は 直樹 君 の お かえり なさい パーティー だ―

さあ どんどん いって よ ー

ありがとう ございます

これ から も 忙しく なる と 思う けど ―

琴子 ともども 頑張って いく つもり です

うん !

( 重樹 ) それじゃ 直樹 … ホントに おかえり !

カンパーイ !

( 一同 ) カンパーイ !!

( 紀子 ) お 料理 持ってこ なくっちゃ ~

( 重樹 ) 取り行こ 取り 行 こ

( 入江 裕樹 ( ゆうき )) お かえり お 兄ちゃん

大人っぽく なった な 裕樹

そ … そう ?

裕樹 君 この 1 年間 で 身長 10 センチ も 伸びた んだ よ ー

よかった ね ~ 好美 ( このみ ) ちゃん に 抜かれ なく って

うるさい 琴子

はあ ~? 喜んで あげてる ん じゃない !

ヘヘーン 悪い けど …

( 佐川 ( さがわ ) 好美 ) 直樹 さん

お かえり なさい

私 まで お邪魔 し ちゃって すいません

好美 ちゃん 久しぶり 学校 どう ?

相変わらず 勉強 でき なくて 裕樹 君 に 怒ら れて ます

うまく いって る の ? 裕樹 と

勉強 を 教えて もらったり 映画館 行ったり して ます

ふーん …

裕樹 が ね

あっ ! お前 何 お 兄ちゃん に しゃべって んだ

( 金之助 ) よお 琴子 ~! 来た で ー

直樹 ~ オカエリ ナスッテ デス ワ

ゆっくり 食べよう

あっ メガネ が 下がって きた

お前 も そんな 年頃 に なった ん や な

金 チャン モウ ~!

なん や !

猿 ガ 邪魔 …

お前 が つけた ん やろ !

( 琴子 ) 風邪 ひく よ 入江 君

疲れ ちゃった ?

盛上がっ ちゃって る もん ね みんな

こんな 大騒ぎ この 1 年間 なかった から な

一人 暮らし だった し

でも ね みんな ね 入江 君 が 帰って きて ―

嬉しく って はしゃいでる んだ よ

お 義母 さん だって お 義父 ( とう ) さん だって 裕樹 君 だって …

ああ 言って る けど 金 ちゃん だって …

私 も 神戸 の 病院 に 行か ず に すんだ し

これ で 入江 君 と 離れ ないで すむ ん だって 思う と …

なんだか 幸せで … 幸せで …

すごく 騒々しく って ―

家 に 帰って きた ん だって 実感 した んだ

ただいま

お かえり 入江 君

もう ずっと 一緒に いられる んだ ね

♪~

215 の 木村 さん 明日 大腸 の ポリープ 摘出 手術 です

ああ

それと 横井 さん 抜糸 です

( 直樹 ) ああ

( 女性 ) かっこいい …

( 琴子 ) 入江 君 の 白衣 姿 を ずっと 見つめて いられる なんて …

シ ・ ア ・ ワ ・ セ ~

こりゃ 君 も 大変 だ な

彼 を 少し 甘く 見ていた ようだ

西垣 先生 西垣 先生 が 入江 く …

入江 先生 の 指導医 な んです よ ね ?

研修 医 が 指導 医 より 人気 が あって どう する ?

そういう 問題 じゃ …

入江 先生 ―

202 の 伊藤 ( いとう ) さん どう だった ?

ブスコパン プリンペラン で 経過 を 見て い ました が ―

症状 が 軽減 され ません でした

ふーん … で ? こういう 場合 ―

治療 は どういうふうに 進めたら いい と 思う ?

( 直樹 ) 注 腸 し 部位 確認 して 右 半 か 左 半 結腸 切除 術 が いい か と

ったく ソツのない 奴 だ な ー !

かわいく ない 指導 医 として つまらん

はっ !?

琴子 ちゃん

こんな 奴 すぐ 浮気 して ひどい 目 に 遭う の が オチ だ よ ?

そう なる 前 に 別れ ちゃった 方 が いい ん じゃない の ?

そしたら …

琴子 ちゃん は 僕 と 付き合う どう ?

ちょっと 西垣 先生 …

あたっ …

あたっ …

( 直樹 ) 西垣 先生

( 直樹 ) 西垣 先生

午後 から の オペ の 津田 ( つだ ) さん の 資料 です

おう

ったく シャレ の わからん 奴 だ な

お前 も 第 2 助手 なんだ から 用意 しとけ よ !

はい

ただいま 戻り ました ~

( 清水 ) 入江 さん !

ったく あなた いつまで ほっつき歩いて る の !

入江 先生 が いらっしゃって ―

あなた また たるんで きて る わ よ !

すいません …

こんな 人 に 本当に 任せて 大丈夫 かしら ?

え ?

入江 さん あなた 今日 の 午後 から

処置 の 介助 を して いただき ます

ええーっ !

( 清水 ) あなた 処置 は 初めて でしょ ?

気胸 の 患者 さん の 簡単な 処置 よ 大丈夫 ! 私 も つく から

は … はい !

( 琴子 ) 介助 って … まさか … もしかして …

お前 も 第 2 助手 なんだ から 用意 し とけ よ !

はい

( 琴子 ) 私 初めて の 介助 …―

もしかして 入江 君 と …

( 清水 ) 手順 ! ちゃんと 頭 に 入って る ?

もう一度 確認 して おいて ね

( 琴子 ) はい あ … あの … 清水 主任

ちなみに 先生 は ?

先生 は …

( 大蛇森 ) なぜ 君 が ここ に いる ?

( 琴子 ) 介助 に 入る 入江 です よろしく お 願い し ます

( 大蛇森 ) ちょっと ちょっと 勘弁 して よ ~―

こんな 子 使いモン に なる の ー ?―

はい それじゃ 始める よ ~―

今日 は 要注意人物 が 交じって いる ので ―

細心 の 注意 を お 願い し ます よ ―

くれぐれも 清潔 と 不潔 の 区別 を する ように

( 清水 ) お 願い し ます

( 琴子 ) お 願い し ます …

( 琴子 ) とにかく 失敗 し ない ように し なきゃ !―

実習 で は 何度も 練習 した し 大丈夫 !―

大蛇森 先生 を 驚かせて やる !―

入江 君 ! 私 頑張る !

( 大蛇森 ) メス

( 琴子 ) はいっ

( 琴子 ) マ … マズい …―

冷や汗 が 出て きた …―

気ぼち悪 …

( 大蛇森 ) ガーゼ

( 琴子 ) あ … はい …

( 大蛇森 ) ちょっと 何 自分 に 拭いて ん のっ ―

私 に ちょーだい !

( 琴子 ) あっ ごめんなさい !

( 琴子 ) ダ … ダメ … 絶対 倒れ ちゃ …

( 大蛇森 ) ペアン

( 琴子 ) は … あ … はい …

( 大蛇森 ) はーやーく ペアン !

( 琴子 ) あっ はい ―

あり ました … お 待たせ し ました !

( ペアン が 刺さる 音 )

( 大蛇森 ) ああ ~!!

あなた って 人 は …

ふう ~ よくよく 騒動 を 起こして くれ ます ね !

す … すみません !

まっ 処置 は 無事に 終わり 大蛇森 先生 の ケガ も ―

大事に は 至らなかった から よかった ような もの の …

こんな 初歩的な ミス を 犯す なんて 困り ます ね !

あなた に は 少し 早 すぎた よう ね

こちら の 判断ミス だった わ

♪~

( 直樹 ) 夜勤 か ?

そっか …

入江 君 当直 だった ね

( 直樹 ) ああ ―

眠気覚まし に 飲む か ?

うん

あの ね …

私 実は ね …

( 直樹 ) 噂 の 傷害 事件 か ?

派手な 介助 デビュー した らしい な

さすが に 落ち込ん じゃって …

外科 の 先生 の 手 を ケガ させる なんて

看護 師 として 最低 だ よ ね

ヘタ したら 患者 さん の 命 だって

奪う こと に なり かね ない んだ って 思ったら ―

自分 の ドジ が 怖く なっ ちゃって …

入江 君 に 迷惑 かける ん じゃないか って

で ね …

入江 君 と 離れる の は 寂しい けど 私 ね …

外科 病棟 替えて もらった 方 が いい かも って …―

皮膚科 と か 耳鼻科 と か …

じゃあ 私 もう 行く ね ! ごちそうさま

( 携帯電話 の 着信音 )

はい 入江 です

わかり ました すぐ 行き ます

急患 ?

ああ 車 の 衝突 事故 で 3 人 運ばれて くる

3 人 !?

他の 病院 も 引き取って くれ ない らしい

ちょっと 行って くる

私 も 行く !

あっ 入江 先生 この 患者 さん を 病棟 まで 連れて いって くれ

今 は 安定 して る から オペ が 終わり 次第 僕 が 診る ―

大腿部 複雑骨折 だ

わかり ました

何 か あったら すぐ 知らせて くれ それ まで しっかり 頼んだ ぞ !

( 直樹 ) はい

どう なる か と 思った けど 大丈夫 みたい ね

( アラーム )

どう しよう ! なんで 血圧 が 下がった の ?

( アラーム )

大腿部 が 破綻 して いる かも しれ ない

琴子 西垣 先生 に 知らせろ !

( 琴子 ) あ … はい !

西垣 先生 !

患者 さん の 容体 が 急変 して 血圧 が 50 台 まで 下がり ました !

だ … 大腿部 の 血管 が …

えっ … そっ そんな …

西垣 先生 ! もしもし もしもし …

もう 少し 待て って !―

あっち の オペ 今 手が離せない 状態 みたい

ダメだ これ 以上 時間 が かかる と 危ない

でっ でも …

ここ で 血管 縫合 する ぞ

俺 が やる

ダ … ダメだ よ 入江 君 研修 医 な んだ から !

西垣 先生 が 待て って …

( 直樹 ) 待って る 暇 は ない

でも そんな こと したら 入江 君 きっと 後 で …

俺 が 責任 を 取る

ダ … ダメ ! やっぱり 西垣 先生 に …

( 直樹 ) 琴子 ―

琴子 !

はい …

すぐ ガウン に 着替えろ

え …

俺 の 介助 を しろ

だ … だって 私 … 無理だ よ

きっと また … 今度 は 入江 君 に …

( 直樹 ) そんな こと 言って る 場合 か

患者 を 見捨てる 気 か

で … でも …

( 直樹 ) 今 やら なかったら ずっと そのまま だ ぞ

それ でも いい なら ―

皮膚 科 でも 耳鼻 科 でも どこ に でも 移り な

じゃあ いい 他 の 看護 師 呼んで くる

待って !

私 入江 君 の お 手伝い して この 患者 さん 助ける !

( アラーム )

よく 言った

♪~

( 琴子 ) 入江 君 の 介助 が できる んだ もん ―

ち … ちっとも 怖く なんか …―

怖く なんか ない よ !

( アラーム )

( 琴子 ) 入江 君 怖い だろう な …―

指導 医 も い なくて …―

この 間 の 大蛇森 先生 の 処置 ―

失敗 した 感触 が まだ 生々しく 残って る ―

でも ちゃんと 入江 君 の 介助 し なくちゃ !―

迷惑 かから ない ように !

( 直樹 ) メス

( 琴子 ) はい

( 直樹 ) ガーゼ

( 琴子 ) はい

( 琴子 ) 私 の せい で 誰 か に 万が一 の こと が あったら …―

怖い …―

それ に 全部 入江 君 の 責任 に なっ ちゃう なんて …

( 直樹 ) セッシ

( 琴子 ) はい

( 直樹 ) 琴子 バイタル

( 琴子 ) あっ はい

えっと … 血圧 が 50-30 で 心拍数 は 300 です

( 直樹 ) えっ ?―

心拍 数 160 だろ

( 琴子 ) あっ …

( 直樹 ) モスキート

( 琴子 ) はいっ

( 琴子 ) しっかり し なきゃ ! 入江 君 に 迷惑 かけちゃ ダメ !

( 直樹 ) モスキート !

( 琴子 ) あっ はっ … はい !

( 琴子 ) あっ !―

ごめんなさい !

( 琴子 ) 頭 が 真っ白 で もう ダメ …―

患者 さん が … 入江 君 が … 私 の せい で …―

どう しよう !!

♪~

( 直樹 ) 立て

( 琴子 ) 痛った …

( 直樹 ) お前 は 俺 の 言う こと だけ 聞いて ろ

( 清水 ) 何 して る んです か !

( 直樹 ) 俺 が やる こと に し ました ―

琴子 は 早く 行け

( 清水 ) 入江 さん 一人 に 介助 は 任せ られ ません

( 直樹 ) モスキート

( 琴子 ) はい

( 直樹 ) 血管 縫合 … 生食 の 準備 を お 願い し ます

( 医師 ) 前代未聞 です よ

( 医師 ) しっかり と 責任 の 所在 を

( 学生 ) 彼氏 と かって いたり し ます ?

( 好美 ) いません

( 裕樹 ) なんだか 彼女 みたいな こと する んだ な ―

彼女 で も ない くせ に

ごめん

どうした の ?

お前 を 待って た んだ よ !