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イタズラなKiss2〜Love in TOKYO, イタズラなKiss2〜Love in TOKYO#12

イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #12

♪~

( 入江 琴子 ( いりえ ことこ )) うーん …

入江 君 …

そっか …

行っ ちゃった んだ

( 琴子 ) 入江 君 元気に して ます か ?―

そっち で の 生活 は もう 慣れ ました か ?

入江 く~ん ! おめでとう !

( 琴子 ) 入江 君 が 念願 の 医師国家試験 に 合格 して …

( 田辺 ( たなべ )) 悪い 話 で は ない から よく 考え なさい

( 入江 直樹 ( なおき )) 俺 の 勤める 病院 ―

神戸 の 病院 に しよう と 思って る んだ

お前 は 残れ

俺 一人 で 行く から ―

お前 は こっち に 残って ちゃんと 勉強 しろ

私 …

絶対 に 1 年 で 看護 師 に なる

それ から 神戸 に 行く

絶対 に 行く !―

だから …

待って て ね

ガンバレ ガンバレ 入江 君 !

( 琴子 ) そして 一人 で 神戸 に 行って しまって 2 か月 …

ガンバレ 琴子

ガンバレ …

私 達 …

( 琴子 ) 私 は …―

私 は …

もう …―

ダメ かも …

♪~

( 品川 真里菜 ( しながわ まりな )) ったくもう ―

ここんとこ ボケ てる わよ ねえ

( 桔梗 幹 ( ききょう もとき )) ここ ん とこ って いう より ―

いつもより さらに ひどく って いう の が 正解 ね

( 鴨狩 啓太 ( かもがり けいた )) お前 入江 と うまく いって ん の か

あ … あ … う …

うまく いって る わよお ~

あ … 当たり前 じゃない …

( 幹 ) やあだ 涙ぐんで る わ よ この 子

かなり ヤバい 状態 ね

( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) 無理 し ないで 会い に 行けば いい のに

そう よ これ 以上 失敗 され ちゃ かなわない わ よ

大丈夫 よ ! 入江 君 と 私 に は 夫婦 の 深ーい 絆 が …

( 幹 ) 男 って さ 妻 が い ない と 独身 気分 に なっ ちゃって

つい 羽伸ばし ちゃう もの よ

( 啓太 ) 確かに あいつ だって 男 な ん だ から

美人 の 看護 師 や 患者 さん に 迫られたら ―

悪い 気 は し ない だろう し な

琴子 が 行か ない ん だったら ―

あたし が 神戸 まで 行って 迫っ ちゃう って の も あり ね

ダメ よ そんな こと 言っ ちゃ …

大丈夫な んだ からあ ~!

あらら

( 琴子 ) みんな ひどい よ ! みんな ひどい …

私 が 必死に 入江 君 に 会い たい 気持ち …

抑えて る のに …

精一杯 考え まい としてる こと を ペラペラ と …

そりゃ 私 だって …

入江 君 と 会って …

キス して ギューッて 抱きしめて もらって …

ううん そんな 贅沢な こと は 言わ ない

遠く から 一目 だけ でも …

入江 君 を 見 たい …

ん ?

遠く から … 一目 だけ …

あ ~! そうだ !

♪~

や … やっちゃった 大胆 な こと を

でも 遠く から 入江 君 を 見る だけ なら

会い さえ し なければ …

約束 破った こと に なら ない よ ね

だって …

だって … 私 もう …

( 警笛 )

( 琴子 ) エネルギー 切れ な のーっ !

( 琴子 ) ここ が …―

この 街 が … 入江 君 の いる …

今 同じ 空気 吸って る んだ 私 …

( 看護 師 ) あっ 入江 先生 !

野間口 ( のまぐち ) 先生 が ご 相談 し たい こと が ある そう です

外来 の 診察室 の 方 に いらっしゃい ます

はい

失礼しまーす

( 琴子 ) 見つけたっ ! 入江 君 だーっ !―

ああ ~ 私 の エネルギー が どんどん 満たされて いく …―

これ で … これ で 東京 に 帰れ …

( 看護 師 ) きゃー ! 入江 先生 や で

( 看護 師 ) ホンマ や むっちゃ カッコええ わあ

( 看護 師 ) 研修医 で ダントツ や な

なあ 入江 先生 って 結婚 し とる ん かな ?

( 琴子 ) い ます よ ここ に 奥さん

( 看護 師 ) いや 彼女 も おら へん て 噂 や で

ウソ や ! 絶対 … モテる やん

そや な ! そや から 作る 必要 ない ねん て

( 琴子 ) おいおい …

( 看護 師 ) えー ほな ウチ 狙って みよう かな ?

無理 無理 むっちゃ 競争率 高い で

私 が 知って る だけ でも 10 人 は 猛 アタック かけて る し

うわ 10 人 ! どうしよ ウチ 11 人 目 …

( 看護 師 ) ホンマ に もう …

( 琴子 ) だ … 大丈夫 よ ―

これ くらい の こと ―

東京 でも しょっちゅう あった じゃない !―

私 の エネルギー が 満たさ れて いる うち に ―

早く 帰った 方 が いい かも … おおっ !―

いて !

( 椎名 奈美 ( しいな なみ )) もう 邪魔 や なあ

ボサッと 突っ立って る から や !

( 琴子 ) な … なんだ ―

この 関西 版 裕樹 ( ゆうき ) みたいな 女の子 ―

こういう 子 に は ビシッと 言わ なきゃ !

( 琴子 ) あの ね ぶつかった 時 に は ごめんなさい でしょ ?―

お願い 言って ちょうだい

( 奈美 ) ハハハ …

アホ やっ !

( 琴子 ) こ … この ガキ―ッ !

お母ちゃん 怖い … 口 裂け 女 や !

( 椎名 明美 ( あけみ )) これ !

ごめんなさい ねえ この 子 口悪う て …

( 琴子 ) うわあ きれいな お 母さん 若い し …

ほれ !

ごめん … 口 裂け 女 なんか と ちゃうかった

( 琴子 ) あら かわいい ~ いい の よ

おばちゃん くいだおれ 人形 に 似て る わ

アハハ …

( 明美 ) これ ! 奈美 …

( 奈美 ) そっくり や ! そっくり ! そっくり そっくり …

( 明美 ) 待ち なさい ! 走ったら …

( 奈美 ) 入江 先生 や !

( 琴子 ) あ … あ … あわ わ …

奈美 ちゃん 病院 で 走っ ちゃダメ だろ

( 奈美 ) はーい―

なあ 先生 さっき そこ で ―

くいだおれ 人形 に ごっつ 似た おばちゃん いて ん でえ

くいだおれ人形 の おばちゃん ?

それ は 見 たかった なあ

あれ どこ 行った かなあ ?

先生 こんにちは

こんにち は 今日 いらして た んです ね

( 琴子 ) なになに あの 親子 入江 君 と 知り合い な わけ ?

キャッ ―

あっ …

何 す ん の 奈美 !

すいません 先生 嫌や わ もう この 子 ったら …

お 母ちゃん って ―

入江 先生 に 会う 日 は 化粧 長い ねん な ー !

( 明美 ) はあ ? もう 何 ゆうて ん の この 子 …

( 奈美 ) ホンマ ホンマ !―

お 母ちゃん 入江 先生 に ホ の 字 なん や な ー !

もう ええ 加減 に し なさい ―

すいません

入江 先生 あの … 今日 お 時間 大丈夫 でしょう か ?

ええ もちろん

よかった じゃあ 5 時 に 中央 公園 で

ええ

( 琴子 ) ええーっ !

( 奈美 ) なにー ?

入江 先生 また お 母ちゃん と デート す ん の ?

まあ ね

( 琴子 ) い … い …―

入江 … く~ん …

( 琴子 ) あー あ―

すっかり 日 も 暮れて きちゃった 私 って …―

なんで こんな 所 で こんな 惨め な こと して なきゃ なん ない の

先生 まだ かなあ

( 琴子 ) でも あの 人妻 と の 関係 を はっきり させ なきゃ ―

帰る に 帰れ ない じゃない !―

き … 来た !

( 明美 ) 先生

( 明美 ) 先生

( 奈美 ) あっ 入江 先生 や !

( 奈美 ) あっ 入江 先生 や !

お待たせしました

( 明美 ) いつも すいません

( 琴子 ) 入江 く~ん …

( 奈美 ) 入江 先生 行こ ~ すべり台 !

( 明美 ) これ 奈美 !

なあ あっち 行こう

奈美 これ で ジュース でも 買ってき

はいはい 私 は お邪魔 なん や な

しゃあない 気い 利かせ たる わあ

( 明美 ) よう 言う わ

( 琴子 ) 利かす な 利かす な

( 琴子 ) 何 この ムード ! えっ ?―

えっ 何 ? いや これ は …―

何か の 間違い よ ね ? ね …―

入江 君 …

( 奈美 ) 見いつけた !

( 琴子 ) あっ !

入江 先生 ! 来て 来てっ !

早くーっ ! くいだおれ 人形 の 姉ちゃん …

( 琴子 ) 静かに しろー ! バレる でしょ !?

琴子

お前 何 やって んだ

( 琴子 ) あ … あ …

( 琴子 ) ひええ ~

( 直樹 ) あの 親子 椎名 さん って いう んだ けど ―

娘 さん の 奈美 ちゃん が 俺 の 担当 患者 で な

まあ 主治医 は 別に いる んだ けど な

あんなに 元気な のに ?

ああ 今 は 元気 そうな んだ けど ―

生まれつき 心臓 に 問題 が あって

今 まで も 何度 か 発作 を 起こして る

心臓 に …

5 歳 の 時 一度 手術 は 受けて る んだ けど

心臓 って の は そう 簡単に いく もん で なくて な

ある 程度 大きく なったら もう 一度 手術 する 必要 が あって

主治医 も 俺 も ―

時期 的に 今 が いい ん じゃないか って 思って る んだ

ただ―

一昨年 奈美 ちゃん の お 父さん が 亡くなった らしくて な

奈美 ちゃん 今度 の 手術 じゃ ―

もしかしたら 自分 も 死ぬ ん じゃない か って 怖がって て

お 母さん も 心細い らしく って な

それ で いろいろ 相談 に 乗って た んだ

そ … そう だった んだ 私 ったら …

ていうか 入江 君 小児科 に 行く の !?

そう だ けど … 知ら なかった ?

知ら なかった …

私 てっきり 外科 に 行く もん だ と ばっかり

できれば 小児 外科 に 行き たい

あの 病院 は その 分野 で 成果 を あげて る んだ

最初 は 外科 に 行く か 迷った けど …

自分 が 何 を し たい の か

何 目 指して 医者 に なった の か

そう 思う と ―

意外 と 簡単に 答え は 出た

( 琴子 ) 入江 君 が お 医者 さん に なろう とした きっかけ ?

まあ 些細 な こと だ けど な

わーっ なっ 何 何 何 ?

( 直樹 ) 教え ない もう 寝る ぞ

( 琴子 ) ね ~ 聞き たい ~ ねっ 聞き …

おやすみ

( 琴子 ) 入江 君 が 小児 科 …―

うん ―

いい かも !

じゃあ 帰る ね

ああ 悪い けど 送れ ない から

ううん 平気 もう パワー 全開 だし

それ に きっと お 義母 ( かあ ) さん 達 も 心配 して る だろう から

入江 君 も お 仕事 頑張って ね

( 奈美 ) あーっ くいだおれ 姉ちゃん やっ !

また 入江 先生 と おる !

昨日 から ずっと 一緒 やった ん か ?

奈美 ちゃん …

入江 先生 と くいだおれ 姉ちゃん どういう 関係 なん ?

( 明美 ) ちょっと 奈美

絶対 あり得 へん けど 一応 聞い とく わ

もし かして 彼女 ?

あ … えっと 彼女 というか …

( 明美 ) 奈美 お 姉ちゃん に 失礼 や で

違う よ

え ?

え ?

( 奈美 ) やっぱり な

絶対 それ だけ は あり 得 へん 思う た わ

思って て も 言う たら あかん !

ホンマ ごめんなさい ね

奥さん だ よ

(2 人 ) えっ !?

俺 の 奥さん だ よ

ウソ …

本当だ よ

アハハ …

そんなん ウソ や 信じられ へん

奈美 ちゃん

だって …

入江 先生 は ウチ の お 母ちゃん と 結婚 して もらう ん や もん !

ウチ の お 母ちゃん の 方 が ずっと きれい や し

料理 かて ごっつ うまい し …

それ に …

奈美 ちゃん

それ は でき ない んだ よ

先生 の アホ !

( 直樹 ) 奈美 ちゃん 走る な !

( 明美 ) 奈美 !

ハァ … ハッ …

奈美 !―

奈美 ?

あの 子 …

父親 が 亡くなった 上 に 自分 も 病気 で

心細い ん や と 思う んです

だから 入江 先生 が 父親 やったら って ―

自分 の 憧れ の 人 を つい …

でも 大丈夫 です

3 日 後 の 手術 まで に は きっと 説得 し ます から

僕 も できる 限り の こと は やってみ ます

( 琴子 ) 私 も ! お 母さん 私 に 任せて ください

奈美 ちゃん を きっと 手術 さ せて みせ ます !

何 言って んだ お前

お前 今 から 帰る ん じゃない の か ?

このまま 帰れる わけない じゃない !

お前 は 帰った 方 が いい んだ

だって 私 に だって 責任 は ある んだ から !

それ に 入江 君 の さっき の 態度 だって

子供 に は ストレート すぎる と 思う の

もっと 子供 の 気持ち を 考える べき よ !

お 母さん 大丈夫 です !

私 こう 見えて も 看護 師 の 卵 な んです

将来 小児 病棟 で 看護 師 に なる って

昨日 決めた んです !

お前 そんな こと できる わけない だろ

( 明美 ) じゃあ お願い しよう かな

はい !

( 明美 ) あの 子 に は 少し 荒療治 が 必要な ん かもしれ へん し ね

そう です よ ~ 私 “ あら りょう し ” です !

お前 意味 わかって ない だろ

私 3 日間 全力 で 奈美 ちゃん を 説得 し ます !

そして 一日 も 早く よく なって もらって ―

入江 君 の こと 諦めて もらい ます !

じゃーん ! お見舞い に 来た … よ …

( 琴子 ) 奈美 ちゃん …

( 男性 ) 違い ます

何 し に 来た ん ?

( 琴子 ) 奈美 ちゃん

あっ あの ね は い

お 花 あげよう と 思って 持ってきた の ~

そしたら なんか ちょっと 間違え ちゃって … お 花 好き ?

( 奈美 ) いら ない !

せっかく だ し さ …

( 奈美 ) いら ない !

バラ ね すごく 好きな んだ けど …

( 琴子 ) わんわん ! わん わん !

また 来た ん ?

また 来た よ ~ わん わん !

しかも それ キツネ や

( 琴子 ) え ? 犬 じゃ ない の ?

犬 ちゃう わ ! 犬 って いう の は な …

こう す ん の

( 琴子 ) どうすん の ?

これ で わん わん て 言う の わん わん

( 琴子 ) こうして 私 は ―

神戸 に 居残る こと に なった もの の …―

何の 成果 も ない まま ―

あっという間に 2 日 が 過ぎた

( 琴子 ) やっほーっ

なん や また お 姉ちゃん か

たいやき 買って きた よ ー 一緒に 食べよう ね ?

どう ? 手術 して 元気に なる 気 なった ?

お 姉ちゃん こそ ―

入江 先生 と 別れる 気 に なった ん か ?

それ だけ は できひん 相談 や なあ

なん や その 関西 弁

ホンマ よう こんな 人 が 入江 先生 ゲット できた なあ

そこ だけ は 感心 する わ

まあ さすが の 入江 君 も ?

私 の 魅力 に は かなわ ん かった ん や なあ

あかん 感心 す ん の やめる さっき の 感心 返して

ウソ ! ウソ ! まあ …

入江 君 と 結婚 できる まで は 苦労 の 連続 だった よ

そりゃそう やろ

高 1 で 一目ぼれ して 高 3 で 告白 でしょ ?

で いろいろ あって ―

入江 君 の 家 に 同居 する こと に なって …

ええっ なんで そんな トントン拍子 な ん ? ずるい わ !

まあ それ こそ 運命 って やつ ?

そう 運命 …

そして それ から 少しずつ 二人 は 愛 を 育んで いった の よ

そや けど ライバル とか おった やろ ?

入江 先生 絶対 モテ る はず や もん

まあ ね 強敵 は 多かった わ よ

でも 私 が ずーっと “ 入江 君 大好き 光線 ”…

放って た から ね

私 の 情熱 に は 勝て なかった わっ !

うわ ~ それ ちょっと 周り の 人間 引く で …

でも 入江 君 を 好き って パワー は

誰 に も 負け ない 自信 ある んだ から !―

奈美 ちゃん だって もう少し 大きく なったら ―

素敵な 人 に 恋 を して

私 みたいに 根性 で ゲット する ため に

パワー つけ なきゃ !―

そしたら 入江 君 みたいな 彼氏 できる よ ―

奈美 ちゃん は さあ …

お 母さん の こと は 口実 で 実は 奈美 ちゃん 自身 が

入江 君 の こと 好きな んでしょ ?

な … 何 言う てん の ! ウチ は お 母ちゃん の ため に

( 琴子 ) いい って いい って !―

入江 君 って スーパーマン みたいな 人 な の

ピンチ の 人 が いたら 必ず 助けて くれる

研修 医 だ けど 実力 は みんな 認めて る し

絶対 奈美 ちゃん の ピンチ に は 助けて くれる よ

だって 少なくとも 奈美 ちゃん は 入江 君 の こと 信じて る でしょ ?

うん …

そや けど ウチ が 手術 して 元気に なった って …

入江 先生 お 姉ちゃん の 旦那 や し …

お 姉ちゃん かて 絶対 離れ そう に ない し

あー あ ! どっか に もう 一人 …

入江 先生 に そっくりな 人 おら ん か なあ ―

そしたら ウチ 頑張 ん ねん けど

奈美 ちゃん !

もの は 相談 な んだ けど …

( 明美 ) 手術 受ける って ホンマ に ? 奈美

うん ! ウチ 頑張る わ

( 野間口 ) ホンマ か !

( 明美 ) よかった ~―

偉い なあ 奈美 ありがとう …

よっしゃ ! 任せ とき 奈美 ちゃん

僕 と 入江 先生 で 頑張る から な

なっ 入江 先生

はい

よく 決心 して くれた ね 何か あった の

お 姉ちゃん と 約束 した ん や 手術 終わったら …

なっ !

うん … ねーっ !

お前 何 企んで んだ よ

いやいや 別に 何にも …

二人 だけ の 秘密 や なーっ !

うん …

アハハ … ハハ …

じゃあ よろしく お 願い し ます

じゃあ 準備 できたら 始めよう か

どんな 手 を 使った か 知ら ない が

恐れ入った よ

入江 先生

どうした ? 怖く なった ?

大丈夫 寝て る 間 に すぐ 済む から ね

ううん 全然 怖 ない

だって 私 入江 先生 の こと 信用 して る もん

ありがとう

先生 は なんで お 医者 さん に なろう と 思った ん ?

自分 が 将来 …

何 を すれば いい の か わからなくて 苦しんで いた 時

ある 人 に “ 医者 に なれば ” って 言わ れた の を 思い出して ね

それ も いい なって ね …

それ って も しか して お 姉ちゃん ?

ま … 言った 本人 も 覚えて ない だろう けど ね

♪~

( ドア が 開く 音 )

奈美 は …

ええ !

ありがとう ございました !

よかった …

( 泣き声 )

ごめん ね 約束 破っ ちゃって …

でも 私 の 小児 科 っぷり まんざら で も なかった でしょ ?

あ … そうだ

これ … 奈美 ちゃん から 預かって た んだ

奈美 ちゃん ! 奈美 ちゃん 術後 どう ?

順調だ よ 子供 の 回復力 は すごい よ

そっかあ

なんて 書いて あん だろ ?―

“ ねえちゃん え バリバリ げんきに なって きた で ー ”―

“ もう すぐ とうきょう いく で ー ”―

“ やくそく やぶったら ブッコロす …”―

“ なみ ”

こえー

お前 何 約束 した んだ

あ … いや … あのう …

何 だ よ 言って みろ よ

実は …

( 直樹 ) 裕樹 を 奈美 ちゃん の 結婚 相手 !?

( 琴子 ) だって ! だって …

入江 君 と そっくりな 人 が いい って 言う から …

だから って 入江 君 じゃ ヤダ もん ―

奈美 ちゃん ―

“ だったら 手術 受ける ” って 言って くれて …

私 “ やったーっ !” って 思って

そしたら もう 引き返せ なく って …

( 直樹 ) それ で …

それ 約束 した の か ?

( 直樹 ) バッカやろう ! この ウソつき 女 !

ったく その場限り の でき ない 約束 し やがって !

奈美 ちゃん に 何て 言い訳 する んだ !

だから それ は その …

天才 入江 君 の アイデア に すがろう か と …

そんな もの は ない ―

だいたい 好美 ( このみ ) ちゃん に 悪い だ ろ !

お前 応援 して た んじゃ なかった の か

あ … だから それ は ホントに 大変 申し訳ない と 思って て …

って 言う か すぐに 忘れる だろう って 思って た もん で …

はぁ …

( 琴子 ) あーあ 気まずい まま の お 別れ に なっ ちゃった …

じゃあ な

うん 送って くれて ありがとう

( 琴子 ) ったく 私 ったら どうして いっつも いっつも …―

こう な んだ …

国家 試験 絶対 一回 で 合格 しろ よ

入江 君 !

私 …

私 頑張る から ね !

( 琴子 ) 待って て ね 入江 君 ―

私 入江 君 に ふさわしい 日本一 の 看護 師 に なる から ね !

♪~

( 琴子 ) 季節 は あれ から 巡り巡って 夏 が 過ぎ ―

そして 秋 も 過ぎ …

( 琴子 ) 長ーい 長ーい 冬 も ―

果たして 無事に 終わって くれる の か

よしっ !

よし ! 2 時 だ

ほら 琴子 早く !

えっ

ダメ ! 私 に は 押せ ない !

( 啓太 達 ) おいっ

( 真里菜 ) ちょっと

( 入江 紀子 ( のりこ )) 琴子 ちゃん 大丈夫 よ

あんなに 勉強 した じゃない ?

でも お 義母 さん 私 の 受験 番号 794 番 な んです

“ なく よ ” な んです ! ああ ~ 不吉な …

( 紀子 ) そう な の ? あらあ ~

( 幹 ) はいはい 00794 番 ね

じゃあ ついでに 見て あげる わ

あたし 受かって る ~!

あたし の も あった !

俺 の も !

私 の も !

( 琴子 ) モト ちゃん 真里奈 啓太 智子 ちゃん も …―

そう か … みんな 受かった んだ …

( 幹 達 ) あーっ !!

ん ?

あ … ああ ~! あったあ !

( 一同 ) よっしゃ ー

( 紀子 ) おめでとう ~!

( 智子 ) ホントに すごい わ 琴子 さん !

奇跡 でも 偶然 でも 合格 は 合格 よ

( 真里菜 ) ホント 奇跡 よ !

琴子 が 一回 で 国家 試験 パス する なんて

あんた ホント は 入江 さん に 試験 受け させた んでしょ ?

もう ひどい ~!

でも 琴子 は もう 5 年 ぐらい 勉強 した 方 が いい と 思う ぜ

患者 の ため に も な !

( 相原 重雄 ( あいはら しげお )・ 入江 重樹 ( しげき )) うーん 確かに ―

おっ ハモった ね ~

もう ! お 父さん 達 まで ~

でも ―

これ で 晴れて みんな … 看護 師 ね !

( 琴子 ) うん …

はあ … やった !

さあ みんな で お 祝い し ましょう !

( 一同 ) はいっ !

( 琴子 ) ほんっと に 長かった 冬 が 終わって ―

ようやく 待ちに待った 春 が 私 に 訪れ ました

( 電話 の 呼び出し音 )

( 琴子 ) なのに …

( アナウンス ) 留守番 電話 に つなぎ ます ―

発信 音 が 鳴ったら お 名前 と メッセージ を …

何 回 かけて も 出 ない !

あーっ ! どうして ~?

夜勤 な の !? あ ~! せっかく 合格 した のに ~

こんな こと 留守電 クン に 言い たく ない よお ~ もう !

あ …

よしっ …

今から 神戸 に 行って ―

会って 直接 報告 する んだ おっ し !―

シャーッ

琴子 ちゃん 本当に 大丈夫 ? 道 ちゃんと 覚えて る ?

大丈夫 です !

( 琴子 ) 入江 君 私 の 最初の 看護 師 姿 …―

見て ねーっ !!

( 琴子 ) ああ …

寒い …

もう ~ なんで こんな こと に なっ ちゃった の ?

無事 終電 で 着いた は いい けど …

あーあ やっぱり 見当 つか ない や …

地図 が ない から 方向 わかんない し 携帯 ない から 電話 でき ない し

寒い し …

こんな 日 あって いい の ?

しょうがない

今晩 は あの 酔っ払い の おじさん を 見習って …

すいません おじさん

私 こういう の 慣れて ない もん で シキタリ と か 知ら なくて …

ひょっとしたら あれ かも しれ ない んです けど

私 今晩 こちら に 泊まら せて もらい ます ね

あっ うるさかったら ごめんなさい ね …

なにぶん 野宿 … なんて 初めて な もん で

あ … この 格好 は 気 に し ないで ください ね

コスプレ と か そう いう ん じゃない んで

いろいろ と 事情 が あり まして … ホント いろいろ 事情 が …

私 の 話 聞いて くれ ます !?

あっ 寝て て くださって いい んです よ

私 一人 で しゃべり ます から …

私 の 旦那 さん …

とっても 優秀な お 医者 さん で

こっち の 病院 で 働いて る んです けど

で 私 東京 で 頑張って 頑張って 看護 師 目指して

ようやく 今日 …

あっ もう 昨日 か …

看護 師 の 国家 試験 受かった んです よ !

それ で 入江 … ああ …

旦那 様 に 一番 に 報告 し たく って ―

急いで 新幹線 に 乗った んです ―

会った 時 に 驚いて もらおう と 思って ―

こんな 格好 して たら ―

車 内 で 急病 の 人 に 会っ ちゃって ―

新大阪 で 慌てて 救急隊 に 引き継いだ んです ―

そしたら 新幹線 行っ ちゃって て …―

しかも コート が 新幹線 の 中 で …―

その 中 に 携帯 と 地図 入れ っぱなし で ―

気 を 取り直して 乗った 次の 新幹線 が ―

新神戸 止ま ん なく って …

もう … まるで … まるで 悪夢 の ような …

( 男性 ) フフフ …

ちょっと !

笑わ ないで ください よ 私 だって …

( 男性 ) そりゃ 大変 だった な

よお

いっ ! い … い …

( 直樹 ) 何 が 寝て て ください だ よ

でかい 声 で しゃべり まくり やがって

この 3 日間 オペ 続き で 寝て ない んだ ぞ

ホント は 私 の 方 が 驚か そう と 思って た のに …

( 直樹 ) 十分 驚いた よ その 格好

な … なんで こんな とこ に いる の !?

お袋 が 病院 まで 連絡 して きた んだ よ

お前 が こっち に 向かって る けど ―

絶対 道 に 迷う から 駅 まで 迎え に 行け って

まさか 道 じゃなくて 電車 に 迷う と は な

いつも いつも …

なんで 連絡 が つながって から 来ねえ んだ よ

だって 入江 君 …

携帯 も … 留守電 も …

それ に 少し でも 早く 入江 君 に …

入江 君 に … 報告 を …

やっと 一緒に 働ける な

1 年間 よく 頑張った な

入江 君 !

結構 いい じゃん その 格好

うん …

( 琴子 ) で ね で ね 新大阪 で 降り ちゃって ~

( 直樹 ) さっき 聞いた

( 琴子 ) そしたら コート と 携帯 と 新幹線 行っ ちゃって ~!

( 直樹 ) さっき 聞いた

さっき の は おじさん 用 に 話して た の よ

( 琴子 ) 岡山 で ね …

( 直樹 ) お前 さっき の 方 が うまく しゃべって た ぞ

( 琴子 ) そう な の よ ~―

“ 新神戸 どっち です か ” って 言ったら ―

“ あっ もう 終電 です よ ” って 言われ ちゃって ~

( 直樹 ) さっき 聞いた

( 琴子 ) で 新神戸 が ホーム が どっち な の か わかんなく って ―

駅員 さん に 聞いて も …

♪~

神戸 の 病院 に ―

欠員 なし で 断られる なんて …

( 西垣 ( にしがき )) 入江 くーん

じっくり 注射 を 教えて あげる よ

( 大蛇森 ) ガーゼ

( 琴子 ) あ … はい

( 細井 小百合 ( ほそい さゆり )) 入江 先生 の 迷惑に なり かね ません よ !

( クリスティーヌ ・ ロビンス ) 琴子 ナラ …―

花 モ 嵐 モ 踏ミ越エテ

( 琴子 ) そうだ よ ね 頑張る しか ない んだ よ ね

( 直樹 ) やっと 一緒に 働ける な ―

すぐ 行き ます ―

ここ で 血管 縫合 する ぞ

( 琴子 ) ダメ ! やっぱり …

( 直樹 ) 琴子 !

すぐ ガウン に 着替えろ


イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #12 いたずら||||| Mischievous Kiss 2 - Love in TOKYO #12

♪~

( 入江 琴子 ( いりえ ことこ )) うーん … いりえ|ことこ||こと こ|

入江 君 … いりえ|きみ

そっか …

行っ ちゃった んだ ぎょうっ||

( 琴子 ) 入江 君 元気に して ます か ?― ことこ|いりえ|きみ|げんきに|||

そっち で の 生活 は もう 慣れ ました か ? |||せいかつ|||なれ||

入江 く~ん ! おめでとう ! いりえ|||

( 琴子 ) 入江 君 が 念願 の 医師国家試験 に 合格 して … ことこ|いりえ|きみ||ねんがん||いし こっか しけん||ごうかく|

( 田辺 ( たなべ )) 悪い 話 で は ない から よく 考え なさい たなべ|た な べ|わるい|はなし||||||かんがえ|

( 入江 直樹 ( なおき )) 俺 の 勤める 病院 ― いりえ|なおき|な おき|おれ||つとめる|びょういん

神戸 の 病院 に しよう と 思って る んだ こうべ||びょういん||||おもって||

お前 は 残れ おまえ||のこれ

俺 一人 で 行く から ― おれ|ひとり||いく|

お前 は こっち に 残って ちゃんと 勉強 しろ おまえ||||のこって||べんきょう|

私 … わたくし

絶対 に 1 年 で 看護 師 に なる ぜったい||とし||かんご|し||

それ から 神戸 に 行く ||こうべ||いく

絶対 に 行く !― ぜったい||いく

だから …

待って て ね まって||

ガンバレ ガンバレ 入江 君 ! ||いりえ|きみ

( 琴子 ) そして 一人 で 神戸 に 行って しまって 2 か月 … ことこ||ひとり||こうべ||おこなって||かげつ

ガンバレ 琴子 |ことこ

ガンバレ …

私 達 … わたくし|さとる

( 琴子 ) 私 は …― ことこ|わたくし|

私 は … わたくし|

もう …―

ダメ かも … だめ|

♪~

( 品川 真里菜 ( しながわ まりな )) ったくもう ― しなかわ|まり な|しな がわ|まり な|った くもう

ここんとこ ボケ てる わよ ねえ ここ ん とこ|||わ よ|

( 桔梗 幹 ( ききょう もとき )) ここ ん とこ って いう より ― ききょう|みき||も とき||||||

いつもより さらに ひどく って いう の が 正解 ね いつも より|||||||せいかい|

( 鴨狩 啓太 ( かもがり けいた )) お前 入江 と うまく いって ん の か かも か|あきら ふと|かも がり|け いた|おまえ|いりえ||||||

あ … あ … う …

うまく いって る わよお ~ |||わ よ お

あ … 当たり前 じゃない … |あたりまえ|じゃ ない

( 幹 ) やあだ 涙ぐんで る わ よ この 子 みき|や あだ|なみだぐんで|||||こ

かなり ヤバい 状態 ね |ヤバ い|じょうたい|

( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) 無理 し ないで 会い に 行けば いい のに おぐら|さとこ|||むり|||あい||いけば||

そう よ これ 以上 失敗 され ちゃ かなわない わ よ |||いじょう|しっぱい|さ れ|||| Yeah, I can't afford to fail anymore

大丈夫 よ ! 入江 君 と 私 に は 夫婦 の 深ーい 絆 が … だいじょうぶ||いりえ|きみ||わたくし|||ふうふ||ふかし - い|きずな|

( 幹 ) 男 って さ 妻 が い ない と 独身 気分 に なっ ちゃって みき|おとこ|||つま|||||どくしん|きぶん|||

つい 羽伸ばし ちゃう もの よ |はね のばし|ちゃ う||

( 啓太 ) 確かに あいつ だって 男 な ん だ から あきら ふと|たしかに|||おとこ||||

美人 の 看護 師 や 患者 さん に 迫られたら ― びじん||かんご|し||かんじゃ|||せまられたら

悪い 気 は し ない だろう し な わるい|き||||||

琴子 が 行か ない ん だったら ― ことこ||いか|||

あたし が 神戸 まで 行って 迫っ ちゃう って の も あり ね ||こうべ||おこなって|さこっ|ちゃ う|||||

ダメ よ そんな こと 言っ ちゃ … だめ||||げんっ|

大丈夫な んだ からあ ~! だいじょうぶな||から あ

あらら あら ら

( 琴子 ) みんな ひどい よ ! みんな ひどい … ことこ|||||

私 が 必死に 入江 君 に 会い たい 気持ち … わたくし||ひっしに|いりえ|きみ||あい||きもち

抑えて る のに … おさえて||

精一杯 考え まい としてる こと を ペラペラ と … せいいっぱい|かんがえ||と してる||||

そりゃ 私 だって … |わたくし|

入江 君 と 会って … いりえ|きみ||あって

キス して ギューッて 抱きしめて もらって … きす||ギューッ て|だきしめて|

ううん そんな 贅沢な こと は 言わ ない う うん||ぜいたくな|||いわ|

遠く から 一目 だけ でも … とおく||いちもく||

入江 君 を 見 たい … いりえ|きみ||み|

ん ?

遠く から … 一目 だけ … とおく||いちもく|

あ ~! そうだ ! |そう だ

♪~

や … やっちゃった 大胆 な こと を ||だいたん|||

でも 遠く から 入江 君 を 見る だけ なら |とおく||いりえ|きみ||みる||

会い さえ し なければ … あい|||

約束 破った こと に なら ない よ ね やくそく|やぶった||||||

だって …

だって … 私 もう … |わたくし|

( 警笛 ) けいてき

( 琴子 ) エネルギー 切れ な のーっ ! ことこ|えねるぎー|きれ||の -っ

( 琴子 ) ここ が …― ことこ||

この 街 が … 入江 君 の いる … |がい||いりえ|きみ||

今 同じ 空気 吸って る んだ 私 … いま|おなじ|くうき|すって|||わたくし

( 看護 師 ) あっ 入江 先生 ! かんご|し||いりえ|せんせい

野間口 ( のまぐち ) 先生 が ご 相談 し たい こと が ある そう です のまぐち|の まぐち|せんせい|||そうだん|||||||

外来 の 診察室 の 方 に いらっしゃい ます がいらい||しんさつ しつ||かた|||

はい

失礼しまーす しつれい しま - す

( 琴子 ) 見つけたっ ! 入江 君 だーっ !― ことこ|みつけたっ|いりえ|きみ|だ -っ

ああ ~ 私 の エネルギー が どんどん 満たされて いく …― |わたくし||えねるぎー|||みたされて|

これ で … これ で 東京 に 帰れ … ||||とうきょう||かえれ

( 看護 師 ) きゃー ! 入江 先生 や で かんご|し|き ゃ -|いりえ|せんせい||

( 看護 師 ) ホンマ や むっちゃ カッコええ わあ かんご|し||||かっこ ええ|わ あ

( 看護 師 ) 研修医 で ダントツ や な かんご|し|けんしゅう い||だんとつ||

なあ 入江 先生 って 結婚 し とる ん かな ? |いりえ|せんせい||けっこん||||

( 琴子 ) い ます よ ここ に 奥さん ことこ||||||おくさん

( 看護 師 ) いや 彼女 も おら へん て 噂 や で かんご|し||かのじょ|||||うわさ||

ウソ や ! 絶対 … モテる やん うそ||ぜったい|モテ る|や ん

そや な ! そや から 作る 必要 ない ねん て ||||つくる|ひつよう|||

( 琴子 ) おいおい … ことこ|

( 看護 師 ) えー ほな ウチ 狙って みよう かな ? かんご|し||ほ な|うち|ねらって||

無理 無理 むっちゃ 競争率 高い で むり|むり||きょうそう りつ|たかい|

私 が 知って る だけ でも 10 人 は 猛 アタック かけて る し わたくし||しって||||じん||もう|あたっく|||

うわ 10 人 ! どうしよ ウチ 11 人 目 … |じん|どう しよ|うち|じん|め

( 看護 師 ) ホンマ に もう … かんご|し|||

( 琴子 ) だ … 大丈夫 よ ― ことこ||だいじょうぶ|

これ くらい の こと ―

東京 でも しょっちゅう あった じゃない !― とうきょう||||じゃ ない

私 の エネルギー が 満たさ れて いる うち に ― わたくし||えねるぎー||みたさ||||

早く 帰った 方 が いい かも … おおっ !― はやく|かえった|かた||||

いて !

( 椎名 奈美 ( しいな なみ )) もう 邪魔 や なあ しいな|なみ|しい な|||じゃま||

ボサッと 突っ立って る から や ! ボサッ と|つったって|||

( 琴子 ) な … なんだ ― ことこ||

この 関西 版 裕樹 ( ゆうき ) みたいな 女の子 ― |かんさい|はん|ひろき|||おんなのこ

こういう 子 に は ビシッと 言わ なきゃ ! |こ|||びしっと|いわ|

( 琴子 ) あの ね ぶつかった 時 に は ごめんなさい でしょ ?― ことこ||||じ||||

お願い 言って ちょうだい お ねがい|いって|

( 奈美 ) ハハハ … なみ|

アホ やっ !

( 琴子 ) こ … この ガキ―ッ ! ことこ|||がき|

お母ちゃん 怖い … 口 裂け 女 や ! お かあちゃん|こわい|くち|さけ|おんな|

( 椎名 明美 ( あけみ )) これ ! しいな|めいび||

ごめんなさい ねえ この 子 口悪う て … |||こ|くち わるう|

( 琴子 ) うわあ きれいな お 母さん 若い し … ことこ|うわ あ|||かあさん|わかい|

ほれ !

ごめん … 口 裂け 女 なんか と ちゃうかった |くち|さけ|おんな|||ちゃ うかった

( 琴子 ) あら かわいい ~ いい の よ ことこ|||||

おばちゃん くいだおれ 人形 に 似て る わ |くい だ おれ|にんぎょう||にて||

アハハ …

( 明美 ) これ ! 奈美 … めいび||なみ

( 奈美 ) そっくり や ! そっくり ! そっくり そっくり … なみ|||||

( 明美 ) 待ち なさい ! 走ったら … めいび|まち||はしったら

( 奈美 ) 入江 先生 や ! なみ|いりえ|せんせい|

( 琴子 ) あ … あ … あわ わ … ことこ||||

奈美 ちゃん 病院 で 走っ ちゃダメ だろ なみ||びょういん||はしっ|ちゃ だめ|だ ろ

( 奈美 ) はーい― なみ|は - い

なあ 先生 さっき そこ で ― |せんせい|||

くいだおれ 人形 に ごっつ 似た おばちゃん いて ん でえ くい だ おれ|にんぎょう|||にた||||で え

くいだおれ人形 の おばちゃん ? くい だ おれ にんぎょう||

それ は 見 たかった なあ ||み||

あれ どこ 行った かなあ ? ||おこなった|か なあ

先生 こんにちは せんせい|

こんにち は 今日 いらして た んです ね ||きょう|いら して||ん です|

( 琴子 ) なになに あの 親子 入江 君 と 知り合い な わけ ? ことこ|なに なに||おやこ|いりえ|きみ||しりあい||

キャッ ―

あっ …

何 す ん の 奈美 ! なん||||なみ

すいません 先生 嫌や わ もう この 子 ったら … |せんせい|いや や||||こ|

お 母ちゃん って ― |かあちゃん|

入江 先生 に 会う 日 は 化粧 長い ねん な ー ! いりえ|せんせい||あう|ひ||けしょう|ながい|||-

( 明美 ) はあ ? もう 何 ゆうて ん の この 子 … めいび|は あ||なん|ゆう て||||こ

( 奈美 ) ホンマ ホンマ !― なみ||

お 母ちゃん 入江 先生 に ホ の 字 なん や な ー ! |かあちゃん|いりえ|せんせい||||あざ||||-

もう ええ 加減 に し なさい ― ||かげん|||

すいません

入江 先生 あの … 今日 お 時間 大丈夫 でしょう か ? いりえ|せんせい||きょう||じかん|だいじょうぶ||

ええ もちろん

よかった じゃあ 5 時 に 中央 公園 で ||じ||ちゅうおう|こうえん|

ええ

( 琴子 ) ええーっ ! ことこ|ええ -っ

( 奈美 ) なにー ? なみ|なに -

入江 先生 また お 母ちゃん と デート す ん の ? いりえ|せんせい|||かあちゃん||でーと|||

まあ ね

( 琴子 ) い … い …― ことこ||

入江 … く~ん … いりえ||

( 琴子 ) あー あ― ことこ||

すっかり 日 も 暮れて きちゃった 私 って …― |ひ||くれて||わたくし|

なんで こんな 所 で こんな 惨め な こと して なきゃ なん ない の ||しょ|||みじめ|||||||

先生 まだ かなあ せんせい||か なあ

( 琴子 ) でも あの 人妻 と の 関係 を はっきり させ なきゃ ― ことこ|||ひとづま|||かんけい|||さ せ|

帰る に 帰れ ない じゃない !― かえる||かえれ||じゃ ない You can't go home! ―

き … 来た ! |きた

( 明美 ) 先生 めいび|せんせい

( 明美 ) 先生 めいび|せんせい

( 奈美 ) あっ 入江 先生 や ! なみ||いりえ|せんせい|

( 奈美 ) あっ 入江 先生 や ! なみ||いりえ|せんせい|

お待たせしました お また せ しました

( 明美 ) いつも すいません めいび||

( 琴子 ) 入江 く~ん … ことこ|いりえ||

( 奈美 ) 入江 先生 行こ ~ すべり台 ! なみ|いりえ|せんせい|ぎょう こ|すべりだい

( 明美 ) これ 奈美 ! めいび||なみ

なあ あっち 行こう ||いこう

奈美 これ で ジュース でも 買ってき なみ|||じゅーす||かって き

はいはい 私 は お邪魔 なん や な は いはい|わたくし||おじゃま|||

しゃあない 気い 利かせ たる わあ し ゃあ ない|き い|きかせ||わ あ

( 明美 ) よう 言う わ めいび||いう|

( 琴子 ) 利かす な 利かす な ことこ|きかす||きかす|

( 琴子 ) 何 この ムード ! えっ ?― ことこ|なん||むーど|

えっ 何 ? いや これ は …― |なん|||

何か の 間違い よ ね ? ね …― なん か||まちがい|||

入江 君 … いりえ|きみ

( 奈美 ) 見いつけた ! なみ|み い つけた

( 琴子 ) あっ ! ことこ|

入江 先生 ! 来て 来てっ ! いりえ|せんせい|きて|らい てっ

早くーっ ! くいだおれ 人形 の 姉ちゃん … はやく -っ|くい だ おれ|にんぎょう||ねえちゃん

( 琴子 ) 静かに しろー ! バレる でしょ !? ことこ|しずかに|しろ -|バレ る|

琴子 ことこ

お前 何 やって んだ おまえ|なん||

( 琴子 ) あ … あ … ことこ||

( 琴子 ) ひええ ~ ことこ|ひえ え

( 直樹 ) あの 親子 椎名 さん って いう んだ けど ― なおき||おやこ|しいな|||||

娘 さん の 奈美 ちゃん が 俺 の 担当 患者 で な むすめ|||なみ|||おれ||たんとう|かんじゃ||

まあ 主治医 は 別に いる んだ けど な |しゅじい||べつに||||

あんなに 元気な のに ? |げんきな|

ああ 今 は 元気 そうな んだ けど ― |いま||げんき|そう な||

生まれつき 心臓 に 問題 が あって うまれつき|しんぞう||もんだい||

今 まで も 何度 か 発作 を 起こして る いま|||なんど||ほっさ||おこして|

心臓 に … しんぞう|

5 歳 の 時 一度 手術 は 受けて る んだ けど さい||じ|ひと ど|しゅじゅつ||うけて|||

心臓 って の は そう 簡単に いく もん で なくて な しんぞう|||||かんたんに|||||

ある 程度 大きく なったら もう 一度 手術 する 必要 が あって |ていど|おおきく|||ひと ど|しゅじゅつ||ひつよう||

主治医 も 俺 も ― しゅじい||おれ|

時期 的に 今 が いい ん じゃないか って 思って る んだ じき|てきに|いま||||じゃない か||おもって||

ただ―

一昨年 奈美 ちゃん の お 父さん が 亡くなった らしくて な いっさくねん|なみ||||とうさん||なくなった||

奈美 ちゃん 今度 の 手術 じゃ ― なみ||こんど||しゅじゅつ|

もしかしたら 自分 も 死ぬ ん じゃない か って 怖がって て |じぶん||しぬ||じゃ ない|||こわがって|

お 母さん も 心細い らしく って な |かあさん||こころぼそい|||

それ で いろいろ 相談 に 乗って た んだ |||そうだん||のって||

そ … そう だった んだ 私 ったら … ||||わたくし|

ていうか 入江 君 小児科 に 行く の !? てい うか|いりえ|きみ|しょうに か||いく|

そう だ けど … 知ら なかった ? |||しら|

知ら なかった … しら|

私 てっきり 外科 に 行く もん だ と ばっかり わたくし||げか||いく||||

できれば 小児 外科 に 行き たい |しょうに|げか||いき|

あの 病院 は その 分野 で 成果 を あげて る んだ |びょういん|||ぶんや||せいか||||

最初 は 外科 に 行く か 迷った けど … さいしょ||げか||いく||まよった|

自分 が 何 を し たい の か じぶん||なん|||||

何 目 指して 医者 に なった の か なん|め|さして|いしゃ||||

そう 思う と ― |おもう|

意外 と 簡単に 答え は 出た いがい||かんたんに|こたえ||でた

( 琴子 ) 入江 君 が お 医者 さん に なろう とした きっかけ ? ことこ|いりえ|きみ|||いしゃ||||と した|

まあ 些細 な こと だ けど な |ささい|||||

わーっ なっ 何 何 何 ? わ -っ||なん|なん|なん

( 直樹 ) 教え ない もう 寝る ぞ なおき|おしえ|||ねる|

( 琴子 ) ね ~ 聞き たい ~ ねっ 聞き … ことこ||きき|||きき

おやすみ お やすみ

( 琴子 ) 入江 君 が 小児 科 …― ことこ|いりえ|きみ||しょうに|か

うん ―

いい かも !

じゃあ 帰る ね |かえる|

ああ 悪い けど 送れ ない から |わるい||おくれ||

ううん 平気 もう パワー 全開 だし う うん|へいき||ぱわー|ぜんかい|

それ に きっと お 義母 ( かあ ) さん 達 も 心配 して る だろう から ||||ぎぼ|か あ||さとる||しんぱい||||

入江 君 も お 仕事 頑張って ね いりえ|きみ|||しごと|がんばって|

( 奈美 ) あーっ くいだおれ 姉ちゃん やっ ! なみ||くい だ おれ|ねえちゃん|

また 入江 先生 と おる ! |いりえ|せんせい||

昨日 から ずっと 一緒 やった ん か ? きのう|||いっしょ|||

奈美 ちゃん … なみ|

入江 先生 と くいだおれ 姉ちゃん どういう 関係 なん ? いりえ|せんせい||くい だ おれ|ねえちゃん||かんけい|

( 明美 ) ちょっと 奈美 めいび||なみ

絶対 あり得 へん けど 一応 聞い とく わ ぜったい|あり え|||いちおう|ききい||

もし かして 彼女 ? ||かのじょ

あ … えっと 彼女 というか … ||かのじょ|と いう か

( 明美 ) 奈美 お 姉ちゃん に 失礼 や で めいび|なみ||ねえちゃん||しつれい||

違う よ ちがう|

え ?

え ?

( 奈美 ) やっぱり な なみ||

絶対 それ だけ は あり 得 へん 思う た わ ぜったい|||||とく||おもう||

思って て も 言う たら あかん ! おもって|||いう||あか ん

ホンマ ごめんなさい ね

奥さん だ よ おくさん||

(2 人 ) えっ !? じん|

俺 の 奥さん だ よ おれ||おくさん||

ウソ … うそ

本当だ よ ほんとうだ|

アハハ …

そんなん ウソ や 信じられ へん そんな ん|うそ||しんじられ|

奈美 ちゃん なみ|

だって …

入江 先生 は ウチ の お 母ちゃん と 結婚 して もらう ん や もん ! いりえ|せんせい||うち|||かあちゃん||けっこん|||||

ウチ の お 母ちゃん の 方 が ずっと きれい や し うち|||かあちゃん||かた|||||

料理 かて ごっつ うまい し … りょうり||||

それ に …

奈美 ちゃん なみ|

それ は でき ない んだ よ

先生 の アホ ! せんせい||

( 直樹 ) 奈美 ちゃん 走る な ! なおき|なみ||はしる|

( 明美 ) 奈美 ! めいび|なみ

ハァ … ハッ …

奈美 !― なみ

奈美 ? なみ

あの 子 … |こ

父親 が 亡くなった 上 に 自分 も 病気 で ちちおや||なくなった|うえ||じぶん||びょうき|

心細い ん や と 思う んです こころぼそい||||おもう|ん です

だから 入江 先生 が 父親 やったら って ― |いりえ|せんせい||ちちおや||

自分 の 憧れ の 人 を つい … じぶん||あこがれ||じん||

でも 大丈夫 です |だいじょうぶ|

3 日 後 の 手術 まで に は きっと 説得 し ます から ひ|あと||しゅじゅつ|||||せっとく|||

僕 も できる 限り の こと は やってみ ます ぼく|||かぎり||||やって み|

( 琴子 ) 私 も ! お 母さん 私 に 任せて ください ことこ|わたくし|||かあさん|わたくし||まかせて|

奈美 ちゃん を きっと 手術 さ せて みせ ます ! なみ||||しゅじゅつ||||

何 言って んだ お前 なん|いって||おまえ

お前 今 から 帰る ん じゃない の か ? おまえ|いま||かえる||じゃ ない||

このまま 帰れる わけない じゃない ! |かえれる||じゃ ない

お前 は 帰った 方 が いい んだ おまえ||かえった|かた|||

だって 私 に だって 責任 は ある んだ から ! |わたくし|||せきにん||||

それ に 入江 君 の さっき の 態度 だって ||いりえ|きみ||||たいど|

子供 に は ストレート すぎる と 思う の こども|||すとれーと|||おもう|

もっと 子供 の 気持ち を 考える べき よ ! |こども||きもち||かんがえる||

お 母さん 大丈夫 です ! |かあさん|だいじょうぶ|

私 こう 見えて も 看護 師 の 卵 な んです わたくし||みえて||かんご|し||たまご||ん です

将来 小児 病棟 で 看護 師 に なる って しょうらい|しょうに|びょうとう||かんご|し|||

昨日 決めた んです ! きのう|きめた|ん です

お前 そんな こと できる わけない だろ おまえ|||||だ ろ

( 明美 ) じゃあ お願い しよう かな めいび||お ねがい||

はい !

( 明美 ) あの 子 に は 少し 荒療治 が 必要な ん かもしれ へん し ね めいび||こ|||すこし|あらりょうじ||ひつような||かも しれ|||

そう です よ ~ 私 “ あら りょう し ” です ! |||わたくし||||

お前 意味 わかって ない だろ おまえ|いみ|||だ ろ

私 3 日間 全力 で 奈美 ちゃん を 説得 し ます ! わたくし|にち かん|ぜんりょく||なみ|||せっとく||

そして 一日 も 早く よく なって もらって ― |ひと にち||はやく|||

入江 君 の こと 諦めて もらい ます ! いりえ|きみ|||あきらめて||

じゃーん ! お見舞い に 来た … よ … じゃ - ん|お みまい||きた|

( 琴子 ) 奈美 ちゃん … ことこ|なみ|

( 男性 ) 違い ます だんせい|ちがい|

何 し に 来た ん ? なん|||きた|

( 琴子 ) 奈美 ちゃん ことこ|なみ|

あっ あの ね は い

お 花 あげよう と 思って 持ってきた の ~ |か|||おもって|もってきた|

そしたら なんか ちょっと 間違え ちゃって … お 花 好き ? そ したら|||まちがえ|||か|すき

( 奈美 ) いら ない ! なみ||

せっかく だ し さ …

( 奈美 ) いら ない ! なみ||

バラ ね すごく 好きな んだ けど … ばら|||すきな||

( 琴子 ) わんわん ! わん わん ! ことこ|わん わん||

また 来た ん ? |きた|

また 来た よ ~ わん わん ! |きた|||

しかも それ キツネ や ||きつね|

( 琴子 ) え ? 犬 じゃ ない の ? ことこ||いぬ|||

犬 ちゃう わ ! 犬 って いう の は な … いぬ|ちゃ う||いぬ|||||

こう す ん の

( 琴子 ) どうすん の ? ことこ|どう す ん|

これ で わん わん て 言う の わん わん |||||いう|||

( 琴子 ) こうして 私 は ― ことこ||わたくし|

神戸 に 居残る こと に なった もの の …― こうべ||いのこる|||||

何の 成果 も ない まま ― なんの|せいか|||

あっという間に 2 日 が 過ぎた あっというま に|ひ||すぎた

( 琴子 ) やっほーっ ことこ|やっほ -っ

なん や また お 姉ちゃん か ||||ねえちゃん|

たいやき 買って きた よ ー 一緒に 食べよう ね ? |かって|||-|いっしょに|たべよう|

どう ? 手術 して 元気に なる 気 なった ? |しゅじゅつ||げんきに||き|

お 姉ちゃん こそ ― |ねえちゃん|

入江 先生 と 別れる 気 に なった ん か ? いりえ|せんせい||わかれる|き||||

それ だけ は できひん 相談 や なあ |||で きひん|そうだん||

なん や その 関西 弁 |||かんさい|べん

ホンマ よう こんな 人 が 入江 先生 ゲット できた なあ |||じん||いりえ|せんせい|げっと||

そこ だけ は 感心 する わ |||かんしん||

まあ さすが の 入江 君 も ? |||いりえ|きみ|

私 の 魅力 に は かなわ ん かった ん や なあ わたくし||みりょく||||||||

あかん 感心 す ん の やめる さっき の 感心 返して あか ん|かんしん|||||||かんしん|かえして

ウソ ! ウソ ! まあ … うそ|うそ|

入江 君 と 結婚 できる まで は 苦労 の 連続 だった よ いりえ|きみ||けっこん||||くろう||れんぞく||

そりゃそう やろ そりゃ そう|

高 1 で 一目ぼれ して 高 3 で 告白 でしょ ? たか||いちもく ぼ れ||たか||こくはく|

で いろいろ あって ―

入江 君 の 家 に 同居 する こと に なって … いりえ|きみ||いえ||どうきょ||||

ええっ なんで そんな トントン拍子 な ん ? ずるい わ ! え えっ|||とんとんびょうし||||

まあ それ こそ 運命 って やつ ? |||うんめい||

そう 運命 … |うんめい

そして それ から 少しずつ 二人 は 愛 を 育んで いった の よ |||すこしずつ|ふた り||あい||はぐくんで|||

そや けど ライバル とか おった やろ ? ||らいばる|と か||

入江 先生 絶対 モテ る はず や もん いりえ|せんせい|ぜったい|||||

まあ ね 強敵 は 多かった わ よ ||きょうてき||おおかった||

でも 私 が ずーっと “ 入江 君 大好き 光線 ”… |わたくし|||いりえ|きみ|だいすき|こうせん

放って た から ね はなって|||

私 の 情熱 に は 勝て なかった わっ ! わたくし||じょうねつ|||かて||

うわ ~ それ ちょっと 周り の 人間 引く で … |||まわり||にんげん|ひく|

でも 入江 君 を 好き って パワー は |いりえ|きみ||すき||ぱわー|

誰 に も 負け ない 自信 ある んだ から !― だれ|||まけ||じしん|||

奈美 ちゃん だって もう少し 大きく なったら ― なみ|||もう すこし|おおきく|

素敵な 人 に 恋 を して すてきな|じん||こい||

私 みたいに 根性 で ゲット する ため に わたくし||こんじょう||げっと|||

パワー つけ なきゃ !― ぱわー||

そしたら 入江 君 みたいな 彼氏 できる よ ― そ したら|いりえ|きみ||かれ し||

奈美 ちゃん は さあ … なみ|||

お 母さん の こと は 口実 で 実は 奈美 ちゃん 自身 が |かあさん||||こうじつ||じつは|なみ||じしん|

入江 君 の こと 好きな んでしょ ? いりえ|きみ|||すきな|

な … 何 言う てん の ! ウチ は お 母ちゃん の ため に |なん|いう|||うち|||かあちゃん|||

( 琴子 ) いい って いい って !― ことこ||||

入江 君 って スーパーマン みたいな 人 な の いりえ|きみ||||じん||

ピンチ の 人 が いたら 必ず 助けて くれる ぴんち||じん|||かならず|たすけて|

研修 医 だ けど 実力 は みんな 認めて る し けんしゅう|い|||じつりょく|||みとめて||

絶対 奈美 ちゃん の ピンチ に は 助けて くれる よ ぜったい|なみ|||ぴんち|||たすけて||

だって 少なくとも 奈美 ちゃん は 入江 君 の こと 信じて る でしょ ? |すくなくとも|なみ|||いりえ|きみ|||しんじて||

うん …

そや けど ウチ が 手術 して 元気に なった って … ||うち||しゅじゅつ||げんきに||

入江 先生 お 姉ちゃん の 旦那 や し … いりえ|せんせい||ねえちゃん||だんな||

お 姉ちゃん かて 絶対 離れ そう に ない し |ねえちゃん||ぜったい|はなれ||||

あー あ ! どっか に もう 一人 … |||||ひとり

入江 先生 に そっくりな 人 おら ん か なあ ― いりえ|せんせい|||じん||||

そしたら ウチ 頑張 ん ねん けど そ したら|うち|がんば|||

奈美 ちゃん ! なみ|

もの は 相談 な んだ けど … ||そうだん|||

( 明美 ) 手術 受ける って ホンマ に ? 奈美 めいび|しゅじゅつ|うける||||なみ

うん ! ウチ 頑張る わ |うち|がんばる|

( 野間口 ) ホンマ か ! のまぐち||

( 明美 ) よかった ~― めいび|

偉い なあ 奈美 ありがとう … えらい||なみ|

よっしゃ ! 任せ とき 奈美 ちゃん |まかせ||なみ|

僕 と 入江 先生 で 頑張る から な ぼく||いりえ|せんせい||がんばる||

なっ 入江 先生 |いりえ|せんせい

はい

よく 決心 して くれた ね 何か あった の |けっしん||||なん か||

お 姉ちゃん と 約束 した ん や 手術 終わったら … |ねえちゃん||やくそく||||しゅじゅつ|おわったら

なっ !

うん … ねーっ ! |ね -っ

お前 何 企んで んだ よ おまえ|なん|たくらんで||

いやいや 別に 何にも … |べつに|なんにも

二人 だけ の 秘密 や なーっ ! ふた り|||ひみつ||な -っ

うん …

アハハ … ハハ …

じゃあ よろしく お 願い し ます |||ねがい||

じゃあ 準備 できたら 始めよう か |じゅんび||はじめよう|

どんな 手 を 使った か 知ら ない が |て||つかった||しら||

恐れ入った よ おそれいった|

入江 先生 いりえ|せんせい

どうした ? 怖く なった ? |こわく|

大丈夫 寝て る 間 に すぐ 済む から ね だいじょうぶ|ねて||あいだ|||すむ||

ううん 全然 怖 ない う うん|ぜんぜん|こわ|

だって 私 入江 先生 の こと 信用 して る もん |わたくし|いりえ|せんせい|||しんよう|||

ありがとう

先生 は なんで お 医者 さん に なろう と 思った ん ? せんせい||||いしゃ|||||おもった|

自分 が 将来 … じぶん||しょうらい

何 を すれば いい の か わからなくて 苦しんで いた 時 なん||||||わから なくて|くるしんで||じ

ある 人 に “ 医者 に なれば ” って 言わ れた の を 思い出して ね |じん||いしゃ||||いわ||||おもいだして|

それ も いい なって ね …

それ って も しか して お 姉ちゃん ? ||||||ねえちゃん

ま … 言った 本人 も 覚えて ない だろう けど ね |いった|ほんにん||おぼえて||||

♪~

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

奈美 は … なみ|

ええ !

ありがとう ございました !

よかった …

( 泣き声 ) なきごえ

ごめん ね 約束 破っ ちゃって … ||やくそく|やぶっ|

でも 私 の 小児 科 っぷり まんざら で も なかった でしょ ? |わたくし||しょうに|か||||||

あ … そうだ |そう だ

これ … 奈美 ちゃん から 預かって た んだ |なみ|||あずかって||

奈美 ちゃん ! 奈美 ちゃん 術後 どう ? なみ||なみ||じゅつご|

順調だ よ 子供 の 回復力 は すごい よ じゅんちょうだ||こども||かいふく ちから|||

そっかあ そっか あ

なんて 書いて あん だろ ?― |かいて||だ ろ

“ ねえちゃん え バリバリ げんきに なって きた で ー ”― ||ばりばり|||||-

“ もう すぐ とうきょう いく で ー ”― ||とう きょう|||-

“ やくそく やぶったら ブッコロす …”― ||ブッコロ す

“ なみ ”

こえー こえ -

お前 何 約束 した んだ おまえ|なん|やくそく||

あ … いや … あのう … ||あの う

何 だ よ 言って みろ よ なん|||いって||

実は … じつは

( 直樹 ) 裕樹 を 奈美 ちゃん の 結婚 相手 !? なおき|ひろき||なみ|||けっこん|あいて

( 琴子 ) だって ! だって … ことこ||

入江 君 と そっくりな 人 が いい って 言う から … いりえ|きみ|||じん||||いう|

だから って 入江 君 じゃ ヤダ もん ― ||いりえ|きみ|||

奈美 ちゃん ― なみ|

“ だったら 手術 受ける ” って 言って くれて … |しゅじゅつ|うける||いって|

私 “ やったーっ !” って 思って わたくし|やった -っ||おもって

そしたら もう 引き返せ なく って … そ したら||ひきかえせ||

( 直樹 ) それ で … なおき||

それ 約束 した の か ? |やくそく|||

( 直樹 ) バッカやろう ! この ウソつき 女 ! なおき|バッカ やろう||うそつき|おんな

ったく その場限り の でき ない 約束 し やがって ! った く|そのばかぎり||||やくそく||や がって

奈美 ちゃん に 何て 言い訳 する んだ ! なみ|||なんて|いい わけ||

だから それ は その …

天才 入江 君 の アイデア に すがろう か と … てんさい|いりえ|きみ||あいであ||||

そんな もの は ない ―

だいたい 好美 ( このみ ) ちゃん に 悪い だ ろ ! |よしみ||||わるい||

お前 応援 して た んじゃ なかった の か おまえ|おうえん||||||

あ … だから それ は ホントに 大変 申し訳ない と 思って て … ||||ほんとに|たいへん|もうし わけない||おもって|

って 言う か すぐに 忘れる だろう って 思って た もん で … |いう|||わすれる|||おもって|||

はぁ … は ぁ

( 琴子 ) あーあ 気まずい まま の お 別れ に なっ ちゃった … ことこ|あー あ|きまずい||||わかれ|||

じゃあ な

うん 送って くれて ありがとう |おくって||

( 琴子 ) ったく 私 ったら どうして いっつも いっつも …― ことこ|った く|わたくし|||いっつ も|いっつ も

こう な んだ …

国家 試験 絶対 一回 で 合格 しろ よ こっか|しけん|ぜったい|ひと かい||ごうかく||

入江 君 ! いりえ|きみ

私 … わたくし

私 頑張る から ね ! わたくし|がんばる||

( 琴子 ) 待って て ね 入江 君 ― ことこ|まって|||いりえ|きみ

私 入江 君 に ふさわしい 日本一 の 看護 師 に なる から ね ! わたくし|いりえ|きみ|||にっぽん ひと||かんご|し||||

♪~

( 琴子 ) 季節 は あれ から 巡り巡って 夏 が 過ぎ ― ことこ|きせつ||||めぐり めぐって|なつ||すぎ

そして 秋 も 過ぎ … |あき||すぎ

( 琴子 ) 長ーい 長ーい 冬 も ― ことこ|ちょう - い|ちょう - い|ふゆ|

果たして 無事に 終わって くれる の か はたして|ぶじに|おわって|||

よしっ !

よし ! 2 時 だ |じ|

ほら 琴子 早く ! |ことこ|はやく

えっ

ダメ ! 私 に は 押せ ない ! だめ|わたくし|||おせ| No good ! I can't press it!

( 啓太 達 ) おいっ あきら ふと|さとる|お いっ

( 真里菜 ) ちょっと まり な|

( 入江 紀子 ( のりこ )) 琴子 ちゃん 大丈夫 よ いりえ|としこ||ことこ||だいじょうぶ|

あんなに 勉強 した じゃない ? |べんきょう||じゃ ない

でも お 義母 さん 私 の 受験 番号 794 番 な んです ||ぎぼ||わたくし||じゅけん|ばんごう|ばん||ん です

“ なく よ ” な んです ! ああ ~ 不吉な … |||ん です||ふきつな

( 紀子 ) そう な の ? あらあ ~ としこ||||あら あ

( 幹 ) はいはい 00794 番 ね みき|は いはい|ばん|

じゃあ ついでに 見て あげる わ ||みて||

あたし 受かって る ~! |うかって|

あたし の も あった !

俺 の も ! おれ||

私 の も ! わたくし||

( 琴子 ) モト ちゃん 真里奈 啓太 智子 ちゃん も …― ことこ|もと||まこと りな|あきら ふと|さとこ||

そう か … みんな 受かった んだ … |||うかった|

( 幹 達 ) あーっ !! みき|さとる|

ん ?

あ … ああ ~! あったあ ! ||あった あ

( 一同 ) よっしゃ ー いちどう||-

( 紀子 ) おめでとう ~! としこ|

( 智子 ) ホントに すごい わ 琴子 さん ! さとこ|ほんとに|||ことこ|

奇跡 でも 偶然 でも 合格 は 合格 よ きせき||ぐうぜん||ごうかく||ごうかく| Whether it's a miracle or a coincidence, a pass is a pass

( 真里菜 ) ホント 奇跡 よ ! まり な|ほんと|きせき|

琴子 が 一回 で 国家 試験 パス する なんて ことこ||ひと かい||こっか|しけん|ぱす||

あんた ホント は 入江 さん に 試験 受け させた んでしょ ? |ほんと||いりえ|||しけん|うけ|さ せた|

もう ひどい ~!

でも 琴子 は もう 5 年 ぐらい 勉強 した 方 が いい と 思う ぜ |ことこ|||とし||べんきょう||かた||||おもう|

患者 の ため に も な ! かんじゃ|||||

( 相原 重雄 ( あいはら しげお )・ 入江 重樹 ( しげき )) うーん 確かに ― あいはら|しげお|あい はら|しげ お|いりえ|しげき|||たしかに

おっ ハモった ね ~

もう ! お 父さん 達 まで ~ ||とうさん|さとる|

でも ―

これ で 晴れて みんな … 看護 師 ね ! ||はれて||かんご|し|

( 琴子 ) うん … ことこ|

はあ … やった ! は あ|

さあ みんな で お 祝い し ましょう ! ||||いわい||

( 一同 ) はいっ ! いちどう|は いっ

( 琴子 ) ほんっと に 長かった 冬 が 終わって ― ことこ|||ながかった|ふゆ||おわって

ようやく 待ちに待った 春 が 私 に 訪れ ました |まちにまった|はる||わたくし||おとずれ|

( 電話 の 呼び出し音 ) でんわ||よびだし おと

( 琴子 ) なのに … ことこ|

( アナウンス ) 留守番 電話 に つなぎ ます ― あなうんす|るすばん|でんわ|||

発信 音 が 鳴ったら お 名前 と メッセージ を … はっしん|おと||なったら||なまえ||めっせーじ|

何 回 かけて も 出 ない ! なん|かい|||だ|

あーっ ! どうして ~?

夜勤 な の !? あ ~! せっかく 合格 した のに ~ やきん|||||ごうかく||

こんな こと 留守電 クン に 言い たく ない よお ~ もう ! ||るす いなずま|||いい|||よ お|

あ …

よしっ …

今から 神戸 に 行って ― いま から|こうべ||おこなって

会って 直接 報告 する んだ おっ し !― あって|ちょくせつ|ほうこく||||

シャーッ

琴子 ちゃん 本当に 大丈夫 ? 道 ちゃんと 覚えて る ? ことこ||ほんとうに|だいじょうぶ|どう||おぼえて|

大丈夫 です ! だいじょうぶ|

( 琴子 ) 入江 君 私 の 最初の 看護 師 姿 …― ことこ|いりえ|きみ|わたくし||さいしょの|かんご|し|すがた

見て ねーっ !! みて|ね -っ

( 琴子 ) ああ … ことこ|

寒い … さむい

もう ~ なんで こんな こと に なっ ちゃった の ?

無事 終電 で 着いた は いい けど … ぶじ|しゅうでん||ついた|||

あーあ やっぱり 見当 つか ない や … あー あ||けんとう|||

地図 が ない から 方向 わかんない し 携帯 ない から 電話 でき ない し ちず||||ほうこう|わかん ない||けいたい|||でんわ|||

寒い し … さむい|

こんな 日 あって いい の ? |ひ|||

しょうがない しょうが ない

今晩 は あの 酔っ払い の おじさん を 見習って … こんばん|||よっぱらい||||みならって

すいません おじさん

私 こういう の 慣れて ない もん で シキタリ と か 知ら なくて … わたくし|||なれて|||||||しら|

ひょっとしたら あれ かも しれ ない んです けど |||||ん です|

私 今晩 こちら に 泊まら せて もらい ます ね わたくし|こんばん|||とまら||||

あっ うるさかったら ごめんなさい ね …

なにぶん 野宿 … なんて 初めて な もん で |のじゅく||はじめて|||

あ … この 格好 は 気 に し ないで ください ね ||かっこう||き|||||

コスプレ と か そう いう ん じゃない んで ||||||じゃ ない|

いろいろ と 事情 が あり まして … ホント いろいろ 事情 が … ||じじょう||||ほんと||じじょう|

私 の 話 聞いて くれ ます !? わたくし||はなし|きいて||

あっ 寝て て くださって いい んです よ |ねて||||ん です|

私 一人 で しゃべり ます から … わたくし|ひとり||||

私 の 旦那 さん … わたくし||だんな|

とっても 優秀な お 医者 さん で |ゆうしゅうな||いしゃ||

こっち の 病院 で 働いて る んです けど ||びょういん||はたらいて||ん です|

で 私 東京 で 頑張って 頑張って 看護 師 目指して |わたくし|とうきょう||がんばって|がんばって|かんご|し|めざして

ようやく 今日 … |きょう

あっ もう 昨日 か … ||きのう|

看護 師 の 国家 試験 受かった んです よ ! かんご|し||こっか|しけん|うかった|ん です|

それ で 入江 … ああ … ||いりえ|

旦那 様 に 一番 に 報告 し たく って ― だんな|さま||ひと ばん||ほうこく|||

急いで 新幹線 に 乗った んです ― いそいで|しんかんせん||のった|ん です

会った 時 に 驚いて もらおう と 思って ― あった|じ||おどろいて|||おもって

こんな 格好 して たら ― |かっこう||

車 内 で 急病 の 人 に 会っ ちゃって ― くるま|うち||きゅうびょう||じん||かいっ|

新大阪 で 慌てて 救急隊 に 引き継いだ んです ― しんおおさか||あわてて|きゅうきゅうたい||ひきついだ|ん です

そしたら 新幹線 行っ ちゃって て …― そ したら|しんかんせん|ぎょうっ||

しかも コート が 新幹線 の 中 で …― |こーと||しんかんせん||なか|

その 中 に 携帯 と 地図 入れ っぱなし で ― |なか||けいたい||ちず|いれ||

気 を 取り直して 乗った 次の 新幹線 が ― き||とり なおして|のった|つぎの|しんかんせん|

新神戸 止ま ん なく って … しん こうべ|やま|||

もう … まるで … まるで 悪夢 の ような … |||あくむ||

( 男性 ) フフフ … だんせい|

ちょっと !

笑わ ないで ください よ 私 だって … わらわ||||わたくし|

( 男性 ) そりゃ 大変 だった な だんせい||たいへん||

よお よ お

いっ ! い … い …

( 直樹 ) 何 が 寝て て ください だ よ なおき|なん||ねて||||

でかい 声 で しゃべり まくり やがって で かい|こえ||||や がって

この 3 日間 オペ 続き で 寝て ない んだ ぞ |にち かん||つづき||ねて|||

ホント は 私 の 方 が 驚か そう と 思って た のに … ほんと||わたくし||かた||おどろか|||おもって||

( 直樹 ) 十分 驚いた よ その 格好 なおき|じゅうぶん|おどろいた|||かっこう

な … なんで こんな とこ に いる の !?

お袋 が 病院 まで 連絡 して きた んだ よ おふくろ||びょういん||れんらく||||

お前 が こっち に 向かって る けど ― おまえ||||むかって||

絶対 道 に 迷う から 駅 まで 迎え に 行け って ぜったい|どう||まよう||えき||むかえ||いけ|

まさか 道 じゃなくて 電車 に 迷う と は な |どう|じゃ なくて|でんしゃ||まよう|||

いつも いつも …

なんで 連絡 が つながって から 来ねえ んだ よ |れんらく||||らい ねえ||

だって 入江 君 … |いりえ|きみ

携帯 も … 留守電 も … けいたい||るす いなずま|

それ に 少し でも 早く 入江 君 に … ||すこし||はやく|いりえ|きみ|

入江 君 に … 報告 を … いりえ|きみ||ほうこく|

やっと 一緒に 働ける な |いっしょに|はたらける|

1 年間 よく 頑張った な ねんかん||がんばった|

入江 君 ! いりえ|きみ

結構 いい じゃん その 格好 けっこう||じゃ ん||かっこう

うん …

( 琴子 ) で ね で ね 新大阪 で 降り ちゃって ~ ことこ|||||しんおおさか||ふり|

( 直樹 ) さっき 聞いた なおき||きいた

( 琴子 ) そしたら コート と 携帯 と 新幹線 行っ ちゃって ~! ことこ|そ したら|こーと||けいたい||しんかんせん|ぎょうっ|

( 直樹 ) さっき 聞いた なおき||きいた

さっき の は おじさん 用 に 話して た の よ ||||よう||はなして|||

( 琴子 ) 岡山 で ね … ことこ|おかやま||

( 直樹 ) お前 さっき の 方 が うまく しゃべって た ぞ なおき|おまえ|||かた|||||

( 琴子 ) そう な の よ ~― ことこ||||

“ 新神戸 どっち です か ” って 言ったら ― しん こうべ|||||いったら

“ あっ もう 終電 です よ ” って 言われ ちゃって ~ ||しゅうでん||||いわ れ|

( 直樹 ) さっき 聞いた なおき||きいた

( 琴子 ) で 新神戸 が ホーム が どっち な の か わかんなく って ― ことこ||しん こうべ||ほーむ||||||わかん なく|

駅員 さん に 聞いて も … えきいん|||きいて|

♪~

神戸 の 病院 に ― こうべ||びょういん|

欠員 なし で 断られる なんて … けついん|||ことわら れる|

( 西垣 ( にしがき )) 入江 くーん にしがき|にし が き|いりえ|く - ん

じっくり 注射 を 教えて あげる よ |ちゅうしゃ||おしえて||

( 大蛇森 ) ガーゼ だい へび もり|がーぜ

( 琴子 ) あ … はい ことこ||

( 細井 小百合 ( ほそい さゆり )) 入江 先生 の 迷惑に なり かね ません よ ! ほそい|さゆり|||いりえ|せんせい||めいわくに|||ませ ん|

( クリスティーヌ ・ ロビンス ) 琴子 ナラ …― ||ことこ|

花 モ 嵐 モ 踏ミ越エテ か||あらし||ふ ミ こ エテ

( 琴子 ) そうだ よ ね 頑張る しか ない んだ よ ね ことこ|そう だ|||がんばる|||||

( 直樹 ) やっと 一緒に 働ける な ― なおき||いっしょに|はたらける|

すぐ 行き ます ― |いき|

ここ で 血管 縫合 する ぞ ||けっかん|ぬ ごう||

( 琴子 ) ダメ ! やっぱり … ことこ|だめ|

( 直樹 ) 琴子 ! なおき|ことこ

すぐ ガウン に 着替えろ |がうん||きがえろ