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JIN-仁- 完结编, JIN-仁- 完结编 #01 (2)

JIN - 仁 - 完结 编 #01 (2)

( 女 ) あんた が いる と 亭主 達 が 浮き足だ っち まって ねえ →

あんた み たい の が 男 も つくら ず こんな 所 に 独り 身 で 暮らさ れちゃ

色めき だつ なって 方 が 無理な んだ よ

( 野 風 ) あ ちき は 子 ら に 読み書き を 教えて いる だけ であり ん す

ほら 出た その 言葉

吉原 で 有名な 花魁 だった ん だって ね あんた →

早く 引き払 っと くれよ

流 龍 ?

坂本 様 ?

何 じゃ ーッ こりゃ ー ! うまい !

うまい !

福田 先生 何 か ?

あの どう やって お 届け すれば よい の か と 思い

仁 友 堂 が からんで る と 分かれば

栄 様 は お 召し上がり に なら ぬ ので は …

そう です よ ね

≪( 橘 ) ひと 芝居 うって は いかがでしょう か ?

兄 上

私 に も 一 枚 かま せて いただけ ませ ぬ か ?

よろしく お 願い し ます

あのような こと うまく いく のでしょう か ?

信じて 待ち ましょう

実は 大吉 屋 の 子供 が 持って まいった もの が ございまして

菓子 だ そうです が

≪( 喜市 ) 大吉 屋 で 新しい 菓子 を 作る こと に なって

おい ら も 何 か 作れ って 言わ れた んです

奥 方 様 は お 菓子 に 詳しい って 聞いて さ

味見 して もらおう と 思って

これ は ? ドーナツ と いう もの らしい です

どうぞ 召し上がって みて ください

私 は 味 など 分かり ませ ん から 別の 方 に

子供 の 気持ち が ございます

どうか

では 一口 だけ

母上 もう 少し いただか れて は … もう 十分です

喜市 ちゃん 大変 おいしゅう ございました よ

面目ない

喜市 ちゃん ?

お っ 母さん この 辺 で 斬ら れた んだ よ な

ごめん な 思い出さ せちゃ った な

明日 も 持って こう !

明日 も あさって も

食べて くださる まで 持って こう よ

おい ら もう 見送る の 嫌だ から よ

ありがとう 喜市 ちゃん

うまく いく と よい のです が

母 は 気づいた かも しれ ぬ と ?

ええ

どう しよう か なあ …

え ッ !?

何 ? ( 男 ) ホールドアップ じゃ →

先生

龍 馬 さん !

ハッハッハッハ … ハッハッハッハ …

お手上げ な んじゃ 先生

どう です か ? 海軍 操 練 所 の 方 は

おう 先月 の 初め

会津 藩 お 抱え の 新 撰組 が

尊 王 攘夷 派 を 池田 屋 で 急襲 した 事件 は 聞 いち ょる かえ ?

はい 何となく

そこ で 操 練 所 の 仲間 も

うた れて のう

それ は それ と し 先生

京 に のぼって ほしい が じゃ

京都 です か ?

そこ で ある 人物 を 治療 して ほしい が じゃ

佐久間 …

象 山 ぜ よ

佐久間

象 山 さん …

と いう の は ?

知ら ん が かえ ?

佐久間 象 山 っ ちゅう が は 蘭 方 医 であり

蘭学 の 権威 で も あり 一方 で

砲術 に も 通じ ち ょる 当代 一 の 大学 者 じゃ

わし も ち っく と 習う たこ と が あるけ ん ど

そりゃ まあ すごい お 人 ぜ よ

その方 が 何 か ご 病気 に ? 襲わ れて

首 を 三条 河原 に さらさ れた ぜ よ

けん ど

それ どうも

偽物 の 首 じゃ っ ちゅう 話 で

本物 は 弟子 の 医者 達 が 匿 うて 治療 し →

ひん死 の 重傷 じゃ っ ちゅうけん ど

まだ 生 きちゅう っ ちゅう 話 ぜ よ

その方 を

助けろ って こと です か ?

象 山 先生 は 勝 先生 の 師匠 で

妹 君 の 旦那 で も ある が じゃ

京 は 物騒じゃ き

勝 先生 は 南方 先生 に は 知らせる な っ ちゅう たが じゃ

本心 で は

助けて ほしい と 思う ぜ よ

助け られる と したら

先生 しか おら ん が じゃ

少し 時間 を もらえ ませ ん か ?

今日 明日 に も 象 山 先生 は 死んで しまう かも しれ ん き

実は

栄 さん が 脚気 な んです

ああ … いつ 心臓 …

心 の 臓 が 止まって も おかしく ない 状態 で

今 ここ を 離れる わけに は …

ほう かえ

ほ いたら のう …

すいません

母 の こと なら どう か お 気 に なさら ないで ください

いざ と なり ましたら 私 が 口 を こじ開けて でも 食べ させ ます から

それ だけ じゃ ない んです

龍 馬 さん が あれ だけ 言う んだ から 佐久間 象 山 先生 って いう の は

すごく 影響 力 の ある 方 だ と 思う んです

そんな 方 を 助けて いい もん な んです か ね …

歴史 は 大きく 変わって しまったり する んじゃ ない でしょう か ?

あ ッ …

今 まで やってきた こと だって

回り 回って 未来 を 変えて る の かも しれ ない し

今さら 悩む こと で は ない の かも しれ ない けど

ですが

先生 は 医者 な ので ございましょう

黙って 見て いる だけ と いう の は 違う ので は ない でしょう か ?

京都 か …

急ぐ ぜ よ

橘 の 家 に 行って まいり ます

お 願い し ます

( 佐分利 ) 先生 ペニシリン どうし はる んで っか ?

この 暑 さ で は 運べ ん でしょう ? ペニシリン は 熱 や 湿気 に 弱い し

考え が あり ます

ペ … ペニシリン を 乾燥 さ せる と ? はい

ろ紙 クロマトグラフィー を した この 状態 の まま で は

ペニシリン は 長 期間 効力 を 保つ こと は でき ませ ん ですが

ここ から 熱 を 加え ず 水分 だけ を 抜き

湿気 に 気 を つけて 運べば 何とか なる と 思う んです

しかし 明日 から 薮入り で 職人 達 は 休み に

ああ 金 は いつも の 倍 払う き 何 ちゃ あ 言わ ん と 乾かす が じゃ

分かり ました

お 願い し ます

同じ もの で は ないで す か

〈 こうして 俺 は 京都 に 出発 する こと に なった 〉

先生 京 は 荒れて いる と 聞いて おり ます

お 気 を つけて はい

では 行って き ます

ほ いたら 行く か や ≪( 同 行者 達 ) はい

〈 が この 時代 の 旅 は 過酷な もの だった 〉

〈 陸上 の 移動 手段 は 徒歩 〉

〈 それ も 大 荷物 を 背負った 上 で 〉

( 龍 馬 ) ど で かい 船 が 待 っ ちゅうき に や

( 山田 ) どうぞ

咲 さ ん あんこ のっけた の か

では 「 あん ドーナツ 」 で ございます な

どうぞ

あん ドーナツ か …

〈 そして 船 は 蒸気 船 〉

〈 その 揺れ は まさに 想像 を 絶し …〉

すっきり した が や はい

あ ッ 龍 馬 さん

少し 教えて ほしい んです が おう

象 山 先生 を 襲った の は 誰 な んです か ?

首 の 横 の 斬 奸状 に は

攘夷 派 が 天 誅 を 下し たっちゅう 声明 が あった けん ど

実は それ は 見せかけ で

襲う たが は 象 山 先生 を 抱える 松代 藩 の

家老 一派 じゃ ない か っ ちゅう 噂 も ある が ぜ よ

何で そんな ?

象 山 先生 は 「 百 年 先 まで 見通せる 」 と いわ れる 天才 じゃ

《 西洋 諸国 に できる こと が 我が国 に でき ぬ はず が ない 》

《 今 こそ 大砲 を 鋳造 し 砲術 を 広める こと こそ 急務 である !》

≪( 龍 馬 ) けん ど それゆえに 傲慢で 敵 も 多い お 人 じゃ った き

《 今 こそ 旧弊 を 打破 し 賢 者 を 登用 す べき と 存ずる !》

現に 後ろ 傷 を 負って 死んだ が は 武士 に あるまじき 醜態 じゃ と

佐久間 家 は 屋敷 を 召し 上げ られた ぜ よ

じゃあ 偽 の 首 は ?

松代 藩 が 攘夷 派 に 罪 を なすりつける ため の

見せかけ に した っ ちゅうと こじ ゃろ

象 山 先生 は 熱心な 開国 主義 者 じゃ った し

攘夷 派 の もん ら は 天 誅 じゃ と 人 を 襲い まわ っち ょっ た

疑う もん も おら ん が じゃ

そん 攘夷 派 を 国 賊 っ ちゅう て 斬り まわ っ ちゅう が が

新 撰組 じゃき

まっ こと 今 の こん 国 は

兄弟 ゲンカ ばっかり しちゅう

海 の 向こう に は

とんでもない 敵 が こ じゃ ん と おる っ ちゅう に

この 国 は どう なる が ぜ よ

〈 詳しい こと は 覚えて ない が 〉

〈 龍 馬 さん は 確か この後 〉

〈 この 国 を まとめる べく 奔走 し 〉

〈 そして 明治 を 見 ず に 〉

〈 非業 の 死 を 遂げる 〉

《 南方 仁 が おれば 坂本 龍 馬 は 死な ん 》

《 助け ます よ 俺 が この 手 で 》

〈 だが 俺 に そんな こと が できる んだろう か ?〉

〈 神 は 〉

〈 俺 に それ を 許す んだろう か ?〉

( 蟻 川 ) お 待ち 申し上げて おり ました 坂本 様

待た せた ね や 先 生ぜよ ( 蟻 川 ) 南方 先生

あれ は ? 長 州 の 連中 です →

こない だの 池田 屋 で 尊 王 攘夷 派 の 指導 者 達 を 新 撰組 に 殺さ れ

いきりたって る んでしょう 長 州 の 人 って どうして そんなに

いじめ られて る と いう か 尊 王 攘夷 を 掲げて いる 長 州 は

それ を おもしろく 思わ ない 薩摩 に はめ られた んです

薩摩 と 長 州 って そんなに 仲 悪かった んです か

犬 と 猿 ぜ よ

( 蟻 川 ) その 結果 長 州 は 都 を 追わ れ →

藩主 父子 に は 処罰 が 下され ました それ から 長 州 は →

国 賊 と さげすま れる ように なった んです →

久 坂 玄 瑞 など が 藩主 父子 の 免罪 を 求めて →

嘆願 を 重ねて おり ました が 果たせ ぬ うち に 池田 屋 です →

長 州 と して は もう 我慢 が なら ぬ と いう ところ で ございましょう

長 州 は 何 を どう する つもりな んです か ?

天子 様 の 身柄 を 奪い 我 こそ は 官軍 じゃ っ ちゅう て

国 賊 の 汚名 を 一気に 返上 する と か いい んです か ? そんな こと して

( 長 州 藩士 A ) 止まれ !

この 方 ら は 高名な 医師 です さる お方 の 治療 の ため

江戸 から 来て くださった んです ( A ) お ぬし ら 蘭 方 医 か ?

はい 蘭 方 医 など 皆 西洋 かぶれ の

国 賊 じゃ ! 荷 を すべて あらためよ

( 長 州 藩士 達 ) は ッ !

ちょっと 待って ください 開け ないで ください

( 久 坂 ) その くらい に して おけ !

≪( A ) 久 坂 殿 …

《 ペニシリン が 瘡毒 の 菌 を 殺した んです 瘡毒 を 治す こと が でき ます 》

《 いくら で 買い取れる のじゃ ?》

( A ) しかし 幕府 方 の 者 ら かも しれ ませ ん

私 は その者 に 会った こと が ある

幕府 と は 関係 の ない 風変わりな 医者 じゃ

≪( A ) おい

あの とき の 詫び じゃ 南方 殿

《 先生 !》

ペニシリン は この 国 を 救う 薬 じゃ

どう いた が じゃ ? 久 坂

お まん らしゅう も ない ぜ よ

私 は 元々 医者 だ ぞ

坂本

お前 は 間違える な よ

何 を じゃ ?

早く 行け

薩摩 が 京 に 到着 した そうです 他 に も 幕府 は 会津 大垣 桑名 ら に

京都 出兵 を うながし 長 州 の 進撃 を 迎え撃つ 備え を 始めて い ます

恐れ ながら これ で は 自滅 し に 行く ような もの か と

( 来 島 ) この 期 に 及び 進軍 を 躊躇 する と は 何事 じゃ ?

無実 の 罪 を はらす ため 嘆願 を 重ねて おり ます

我が 方 から 手 を 出し 戦 を 始めて は すべて が 水 の 泡

まして や こちら の 兵 は 二千 幕府 方 は 二万 どう あがいて も

勝ち目 は あり ませ ぬ 勝て ぬ 戦 は せ ぬ か

御所 に 攻め 入り 勝て なかった で は 正真正銘 の 国 賊 と なり ま する !

医者 坊主 に 戦 の こと が 分かる か !

こちら で ございます

狭くて 申し訳 ございませ ぬ

敵 の 目 から 逃れる ため このような 場所 に 匿 って おり ます

先生 …

失礼 し ます

これ は 先生 が お 作り に ?

さあ 昔 から ずっと 身 に つけ られて おら れる もの です が

どういう こと な んだ …

≪( 龍 馬 ) どう いた が じゃ ? 先生 →

早う 診 とう せ はい

いかがで ございましょう ?

象 山 先生 は あまりに も 血 を 失い すぎて い ます

出血 性 の ショック で 血圧 は 低下 意識 も あり ませ ん

DIC 凝固 障害 も 合併 し 傷 も 膿 み はじめて い ます

あの …

この 状態 で 生きて いる の が 奇跡 だ と ご 理解 いただければ …

最善 は 尽くし ます

ペニシリン 紙片 を 蒸留 水 で 戻して は い

〈 この 袋 の 素材 は この 時代 の もの で は ない 〉


JIN - 仁 - 完结 编 #01 (2) |しとし|かん结|

( 女 ) あんた が いる と   亭主 達 が 浮き足だ っち まって ねえ → おんな|||||ていしゅ|さとる||うきあしだ|||

あんた み たい の が   男 も つくら ず こんな 所 に 独り 身 で 暮らさ れちゃ |||||おとこ|||||しょ||ひとり|み||くらさ|

色めき だつ なって 方 が 無理な んだ よ いろめき|||かた||むりな||

( 野 風 ) あ ちき は   子 ら に 読み書き を 教えて いる だけ であり ん す の|かぜ||||こ|||よみかき||おしえて|||||

ほら 出た   その 言葉 |でた||ことば

吉原 で 有名な 花魁 だった ん だって ね   あんた → よしはら||ゆうめいな|おいらん|||||

早く   引き払 っと くれよ はやく|ひきはら||

流 龍 ? りゅう|りゅう

坂本 様 ? さかもと|さま

何 じゃ ーッ   こりゃ ー ! うまい ! なん||-ッ||-|

うまい !

福田 先生   何 か ? ふくた|せんせい|なん|

あの   どう やって お 届け すれば よい の か と 思い ||||とどけ||||||おもい

仁 友 堂 が   からんで る と 分かれば しとし|とも|どう|||||わかれば

栄 様 は お 召し上がり に なら ぬ ので は … さかい|さま|||めしあがり|||||

そう です よ ね

≪( 橘 ) ひと 芝居 うって は   いかがでしょう か ? たちばな||しばい||||

兄 上 あに|うえ

私 に も 一 枚   かま せて いただけ ませ ぬ か ? わたくし|||ひと|まい||||||

よろしく お 願い し ます ||ねがい||

あのような こと うまく いく のでしょう か ?

信じて 待ち ましょう しんじて|まち|

実は   大吉 屋 の 子供 が   持って まいった もの が ございまして じつは|だいきち|や||こども||もって||||

菓子 だ そうです が かし||そう です|

≪( 喜市 ) 大吉 屋 で   新しい 菓子 を 作る こと に なって きいち|だいきち|や||あたらしい|かし||つくる|||

おい ら も   何 か 作れ って 言わ れた んです |||なん||つくれ||いわ||ん です

奥 方 様 は お 菓子 に 詳しい って 聞いて さ おく|かた|さま|||かし||くわしい||きいて|

味見 して もらおう と 思って あじみ||||おもって

これ は ? ドーナツ と いう もの らしい です ||どーなつ|||||

どうぞ   召し上がって みて ください |めしあがって||

私 は   味 など 分かり ませ ん から 別の 方 に わたくし||あじ||わかり||||べつの|かた|

子供 の 気持ち が ございます こども||きもち||

どうか

では   一口 だけ |ひとくち|

母上   もう 少し   いただか れて は … もう 十分です ははうえ||すこし|||||じゅうぶん です

喜市 ちゃん 大変 おいしゅう ございました よ きいち||たいへん|||

面目ない めんぼくない

喜市 ちゃん ? きいち|

お っ 母さん この 辺 で   斬ら れた んだ よ な ||かあさん||ほとり||きら||||

ごめん な 思い出さ せちゃ った な ||おもいださ|||

明日 も   持って こう ! あした||もって|

明日 も   あさって も あした|||

食べて くださる まで   持って こう よ たべて|||もって||

おい ら   もう 見送る の   嫌だ から よ |||みおくる||いやだ||

ありがとう   喜市 ちゃん |きいち|

うまく いく と よい のです が ||||の です|

母 は   気づいた かも しれ ぬ と ? はは||きづいた||||

ええ

どう しよう か なあ …

え ッ !?

何 ? ( 男 ) ホールドアップ じゃ → なん|おとこ||

先生 せんせい

龍 馬 さん ! りゅう|うま|

ハッハッハッハ … ハッハッハッハ …

お手上げ な んじゃ   先生 おてあげ|||せんせい

どう です か ?  海軍 操 練 所 の 方 は |||かいぐん|みさお|ね|しょ||かた|

おう   先月 の 初め |せんげつ||はじめ

会津 藩 お 抱え の 新 撰組 が あいず|はん||かかえ||しん|せんくみ|

尊 王 攘夷 派 を 池田 屋 で 急襲 した 事件 は   聞 いち ょる かえ ? とうと|おう|じょうい|は||いけだ|や||きゅうしゅう||じけん||き|||

はい   何となく |なんとなく

そこ で   操 練 所 の 仲間 も ||みさお|ね|しょ||なかま|

うた れて のう

それ は   それ と し   先生 |||||せんせい

京 に   のぼって ほしい が じゃ けい|||||

京都 です か ? みやこ||

そこ で ある 人物 を 治療 して ほしい が じゃ |||じんぶつ||ちりょう||||

佐久間 … さくま

象 山 ぜ よ ぞう|やま||

佐久間 さくま

象 山 さん … ぞう|やま|

と いう の は ?

知ら ん が かえ ? しら|||

佐久間 象 山 っ ちゅう が は 蘭 方 医 であり さくま|ぞう|やま|||||らん|かた|い|

蘭学 の 権威 で も あり   一方 で らんがく||けんい||||いっぽう|

砲術 に も 通じ ち ょる 当代 一 の 大学 者 じゃ ほうじゅつ|||つうじ|||とうだい|ひと||だいがく|もの|

わし も   ち っく と 習う たこ と が あるけ ん ど |||||ならう||||||

そりゃ まあ   すごい お 人 ぜ よ ||||じん||

その方 が   何 か   ご 病気 に ? 襲わ れて そのほう||なん|||びょうき||おそわ|

首 を 三条 河原 に   さらさ れた ぜ よ くび||みっじょう|かわはら|||||

けん ど

それ   どうも

偽物 の 首 じゃ っ ちゅう 話 で にせもの||くび||||はなし|

本物 は   弟子 の 医者 達 が 匿 うて 治療 し → ほんもの||でし||いしゃ|さとる||とく||ちりょう|

ひん死 の 重傷 じゃ っ ちゅうけん ど ひんし||じゅうしょう||||

まだ   生 きちゅう っ ちゅう 話 ぜ よ |せい||||はなし||

その方 を そのほう|

助けろ って こと です か ? たすけろ||||

象 山 先生 は   勝 先生 の 師匠 で ぞう|やま|せんせい||か|せんせい||ししょう|

妹 君 の 旦那 で も ある が じゃ いもうと|きみ||だんな|||||

京 は   物騒じゃ き けい||ぶっそうじゃ|

勝 先生 は   南方 先生 に は 知らせる な っ ちゅう たが じゃ か|せんせい||なんぽう|せんせい|||しらせる|||||

本心 で は ほんしん||

助けて ほしい と 思う ぜ よ たすけて|||おもう||

助け られる と したら たすけ|||

先生 しか   おら ん が じゃ せんせい|||||

少し   時間 を もらえ ませ ん か ? すこし|じかん|||||

今日   明日 に も   象 山 先生 は 死んで しまう かも しれ ん き きょう|あした|||ぞう|やま|せんせい||しんで|||||

実は じつは

栄 さん が   脚気 な んです さかい|||かっけ||ん です

ああ … いつ   心臓 … ||しんぞう

心 の 臓 が 止まって も おかしく ない 状態 で こころ||ぞう||とまって||||じょうたい|

今   ここ を 離れる わけに は … いま|||はなれる||

ほう かえ

ほ いたら のう …

すいません

母 の こと なら   どう か お 気 に なさら ないで ください はは|||||||き||||

いざ と なり ましたら   私 が 口 を こじ開けて でも   食べ させ ます から ||||わたくし||くち||こじあけて||たべ|さ せ||

それ だけ じゃ ない んです ||||ん です

龍 馬 さん が   あれ だけ 言う んだ から 佐久間 象 山 先生 って いう の は りゅう|うま|||||いう|||さくま|ぞう|やま|せんせい||||

すごく 影響 力 の ある 方 だ と 思う んです |えいきょう|ちから|||かた|||おもう|ん です

そんな 方 を 助けて いい もん な んです か ね … |かた||たすけて||||ん です||

歴史 は   大きく 変わって しまったり する んじゃ ない でしょう か ? れきし||おおきく|かわって||||||

あ ッ …

今 まで   やってきた こと だって いま||||

回り 回って 未来 を 変えて る の かも しれ ない し まわり|まわって|みらい||かえて||||||

今さら 悩む こと で は ない の かも しれ ない けど いまさら|なやむ|||||||||

ですが

先生 は   医者 な ので ございましょう せんせい||いしゃ|||

黙って 見て いる だけ と いう の は 違う ので は ない でしょう か ? だまって|みて|||||||ちがう|||||

京都 か … みやこ|

急ぐ ぜ よ いそぐ||

橘 の 家 に 行って まいり ます たちばな||いえ||おこなって||

お 願い し ます |ねがい||

( 佐分利 ) 先生 ペニシリン   どうし はる んで っか ? さぶり|せんせい||どう し|||

この 暑 さ で は 運べ ん でしょう ? ペニシリン は   熱 や 湿気 に 弱い し |あつ||||はこべ|||||ねつ||しっけ||よわい|

考え が あり ます かんがえ|||

ペ …  ペニシリン を 乾燥 さ せる と ? はい |||かんそう||||

ろ紙 クロマトグラフィー を した この 状態 の まま で は ろし|||||じょうたい||||

ペニシリン は   長 期間   効力 を 保つ こと は でき ませ ん   ですが ||ちょう|きかん|こうりょく||たもつ||||||

ここ から 熱 を 加え ず   水分 だけ を 抜き ||ねつ||くわえ||すいぶん|||ぬき

湿気 に 気 を つけて 運べば 何とか なる と 思う んです しっけ||き|||はこべば|なんとか|||おもう|ん です

しかし   明日 から 薮入り で 職人 達 は   休み に |あした||やぶいり||しょくにん|さとる||やすみ|

ああ   金 は   いつも の 倍   払う き 何 ちゃ あ 言わ ん と   乾かす が じゃ |きむ||||ばい|はらう||なん|||いわ|||かわかす||

分かり ました わかり|

お 願い し ます |ねがい||

同じ もの で は ないで す か おなじ||||||

〈 こうして   俺 は   京都 に 出発 する こと に なった 〉 |おれ||みやこ||しゅっぱつ||||

先生 京 は 荒れて いる と 聞いて おり ます せんせい|けい||あれて|||きいて||

お 気 を つけて はい |き|||

では   行って き ます |おこなって||

ほ いたら   行く か や ≪( 同 行者 達 ) はい ||いく|||どう|ぎょうじゃ|さとる|

〈 が   この 時代 の 旅 は 過酷な もの だった 〉 ||じだい||たび||かこくな||

〈 陸上 の 移動 手段 は   徒歩 〉 りくじょう||いどう|しゅだん||とほ

〈 それ も   大 荷物 を 背負った 上 で 〉 ||だい|にもつ||せおった|うえ|

( 龍 馬 ) ど で かい 船 が 待 っ ちゅうき に や りゅう|うま||||せん||ま||||

( 山田 ) どうぞ やまだ|

咲 さ ん   あんこ   のっけた の か さ||||||

では  「 あん ドーナツ 」 で ございます な ||どーなつ|||

どうぞ

あん ドーナツ か … |どーなつ|

〈 そして   船 は 蒸気 船 〉 |せん||じょうき|せん

〈 その 揺れ は   まさに 想像 を 絶し …〉 |ゆれ|||そうぞう||ぜっし

すっきり した が や はい

あ ッ   龍 馬 さん ||りゅう|うま|

少し 教えて ほしい んです が おう すこし|おしえて||ん です||

象 山 先生 を 襲った の は 誰 な んです か ? ぞう|やま|せんせい||おそった|||だれ||ん です|

首 の 横 の 斬 奸状 に は くび||よこ||き|かんじょう||

攘夷 派 が   天 誅 を 下し たっちゅう 声明 が あった けん ど じょうい|は||てん|ちゅう||くだし||せいめい||||

実は   それ は 見せかけ で じつは|||みせかけ|

襲う たが は 象 山 先生 を 抱える 松代 藩 の おそう|||ぞう|やま|せんせい||かかえる|まつしろ|はん|

家老 一派 じゃ ない か っ ちゅう 噂 も   ある が ぜ よ かろう|いっぱ||||||うわさ|||||

何で   そんな ? なんで|

象 山 先生 は  「 百 年 先 まで 見通せる 」 と いわ れる 天才 じゃ ぞう|やま|せんせい||ひゃく|とし|さき||みとおせる||||てんさい|

《 西洋 諸国 に   できる こと が 我が国 に   でき ぬ はず が ない 》 せいよう|しょこく|||||わがくに||||||

《 今 こそ   大砲 を 鋳造 し   砲術 を 広める こと こそ   急務 である !》 いま||たいほう||ちゅうぞう||ほうじゅつ||ひろめる|||きゅうむ|

≪( 龍 馬 ) けん ど   それゆえに 傲慢で 敵 も 多い   お 人 じゃ った き りゅう|うま||||ごうまんで|てき||おおい||じん|||

《 今 こそ   旧弊 を 打破 し 賢 者 を 登用 す べき と 存ずる !》 いま||きゅうへい||だは||かしこ|もの||とうよう||||ぞんずる

現に   後ろ 傷 を 負って 死んだ が は 武士 に あるまじき 醜態 じゃ と げんに|うしろ|きず||おって|しんだ|||ぶし|||しゅうたい||

佐久間 家 は 屋敷 を 召し 上げ られた ぜ よ さくま|いえ||やしき||めし|あげ|||

じゃあ   偽 の 首 は ? |ぎ||くび|

松代 藩 が 攘夷 派 に 罪 を なすりつける ため の まつしろ|はん||じょうい|は||ざい||||

見せかけ に した っ ちゅうと こじ ゃろ みせかけ||||||

象 山 先生 は 熱心な 開国 主義 者 じゃ った し ぞう|やま|せんせい||ねっしんな|かいこく|しゅぎ|もの|||

攘夷 派 の もん ら は   天 誅 じゃ と 人 を 襲い まわ っち ょっ た じょうい|は|||||てん|ちゅう|||じん||おそい||||

疑う もん も   おら ん が じゃ うたがう||||||

そん 攘夷 派 を   国 賊 っ ちゅう て 斬り まわ っ ちゅう が が |じょうい|は||くに|ぞく||||きり|||||

新 撰組 じゃき しん|せんくみ|

まっ こと   今 の   こん 国 は ||いま|||くに|

兄弟 ゲンカ ばっかり しちゅう きょうだい|げんか||

海 の 向こう に は うみ||むこう||

とんでもない 敵 が こ じゃ ん と   おる っ ちゅう に |てき|||||||||

この 国 は   どう なる が ぜ よ |くに||||||

〈 詳しい こと は 覚えて ない が 〉 くわしい|||おぼえて||

〈 龍 馬 さん は   確か   この後 〉 りゅう|うま|||たしか|このあと

〈 この 国 を まとめる べく 奔走 し 〉 |くに||||ほんそう|

〈 そして   明治 を 見 ず に 〉 |めいじ||み||

〈 非業 の 死 を 遂げる 〉 ひごう||し||とげる

《 南方 仁 が   おれば 坂本 龍 馬 は   死な ん 》 なんぽう|しとし|||さかもと|りゅう|うま||しな|

《 助け ます よ   俺 が   この 手 で 》 たすけ|||おれ|||て|

〈 だが   俺 に   そんな こと が できる んだろう か ?〉 |おれ|||||||

〈 神 は 〉 かみ|

〈 俺 に   それ を 許す んだろう か ?〉 おれ||||ゆるす||

( 蟻 川 ) お 待ち 申し上げて おり ました   坂本 様 あり|かわ||まち|もうしあげて|||さかもと|さま

待た せた ね や   先 生ぜよ ( 蟻 川 ) 南方 先生 また||||さき|しょうぜよ|あり|かわ|なんぽう|せんせい

あれ は ? 長 州 の 連中 です → ||ちょう|しゅう||れんちゅう|

こない だの 池田 屋 で   尊 王 攘夷 派 の 指導 者 達 を 新 撰組 に 殺さ れ ||いけだ|や||とうと|おう|じょうい|は||しどう|もの|さとる||しん|せんくみ||ころさ|

いきりたって る んでしょう 長 州 の 人 って   どうして そんなに |||ちょう|しゅう||じん|||

いじめ られて る と いう か 尊 王 攘夷 を 掲げて いる 長 州 は ||||||とうと|おう|じょうい||かかげて||ちょう|しゅう|

それ を おもしろく 思わ ない 薩摩 に はめ られた んです |||おもわ||さつま||||ん です

薩摩 と 長 州 って そんなに 仲 悪かった んです か さつま||ちょう|しゅう|||なか|わるかった|ん です|

犬 と 猿 ぜ よ いぬ||さる||

( 蟻 川 ) その 結果   長 州 は 都 を 追わ れ → あり|かわ||けっか|ちょう|しゅう||と||おわ|

藩主 父子 に は   処罰 が 下され ました それ から 長 州 は → はんしゅ|ふし|||しょばつ||くだされ||||ちょう|しゅう|

国 賊 と   さげすま れる ように なった んです → くに|ぞく||||よう に||ん です

久 坂 玄 瑞 など が 藩主 父子 の 免罪 を 求めて → ひさ|さか|げん|ずい|||はんしゅ|ふし||めんざい||もとめて

嘆願 を 重ねて おり ました が 果たせ ぬ うち に   池田 屋 です → たんがん||かさねて||||はたせ||||いけだ|や|

長 州 と して は   もう 我慢 が なら ぬ と いう ところ で ございましょう ちょう|しゅう|||||がまん||||||||

長 州 は 何 を どう する つもりな んです か ? ちょう|しゅう||なん|||||ん です|

天子 様 の 身柄 を 奪い 我 こそ は 官軍 じゃ っ ちゅう て てんし|さま||みがら||うばい|われ|||かんぐん||||

国 賊 の 汚名 を 一気に 返上 する と か いい んです か ?  そんな こと して くに|ぞく||おめい||いっきに|へんじょう|||||ん です||||

( 長 州 藩士 A ) 止まれ ! ちょう|しゅう|はんし||とどまれ

この 方 ら は   高名な 医師 です さる お方 の 治療 の ため |かた|||こうめいな|いし|||おかた||ちりょう||

江戸 から   来て くださった んです ( A ) お ぬし ら   蘭 方 医 か ? えど||きて||ん です|||||らん|かた|い|

はい 蘭 方 医 など   皆   西洋 かぶれ の |らん|かた|い||みな|せいよう||

国 賊 じゃ ! 荷 を すべて   あらためよ くに|ぞく||に|||

( 長 州 藩士 達 ) は ッ ! ちょう|しゅう|はんし|さとる||

ちょっと 待って ください 開け ないで ください |まって||あけ||

( 久 坂 ) その くらい に して おけ ! ひさ|さか|||||

≪( A ) 久 坂 殿 … |ひさ|さか|しんがり

《 ペニシリン が 瘡毒 の 菌 を 殺した んです 瘡毒 を 治す こと が でき ます 》 ||かさどく||きん||ころした|ん です|かさどく||なおす||||

《 いくら で 買い取れる のじゃ ?》 ||かいとれる|

( A ) しかし 幕府 方 の 者 ら かも しれ ませ ん ||ばくふ|かた||もの|||||

私 は   その者 に 会った こと が ある わたくし||そのもの||あった|||

幕府 と は 関係 の ない 風変わりな 医者 じゃ ばくふ|||かんけい|||ふうがわりな|いしゃ|

≪( A ) おい

あの とき の 詫び じゃ   南方 殿 |||わび||なんぽう|しんがり

《 先生 !》 せんせい

ペニシリン は   この 国 を 救う 薬 じゃ |||くに||すくう|くすり|

どう いた が じゃ ?  久 坂 ||||ひさ|さか

お まん らしゅう も ない ぜ よ

私 は 元々   医者 だ ぞ わたくし||もともと|いしゃ||

坂本 さかもと

お前 は 間違える な よ おまえ||まちがえる||

何 を じゃ ? なん||

早く 行け はやく|いけ

薩摩 が   京 に 到着 した そうです 他 に も 幕府 は   会津   大垣   桑名 ら に さつま||けい||とうちゃく||そう です|た|||ばくふ||あいず|おおがき|くわな||

京都 出兵 を うながし   長 州 の 進撃 を 迎え撃つ 備え を 始めて い ます みやこ|しゅっぺい|||ちょう|しゅう||しんげき||むかえうつ|そなえ||はじめて||

恐れ ながら   これ で は 自滅 し に 行く ような もの か と おそれ|||||じめつ|||いく||||

( 来 島 ) この 期 に 及び 進軍 を 躊躇 する と は 何事 じゃ ? らい|しま||き||および|しんぐん||ちゅうちょ||||なにごと|

無実 の 罪 を はらす ため 嘆願 を 重ねて おり ます むじつ||ざい||||たんがん||かさねて||

我が 方 から 手 を 出し   戦 を 始めて は すべて が 水 の 泡 わが|かた||て||だし|いくさ||はじめて||||すい||あわ

まして や   こちら の 兵 は 二千 幕府 方 は 二万   どう あがいて も ||||つわもの||にせん|ばくふ|かた||にまん|||

勝ち目 は あり ませ ぬ 勝て ぬ 戦 は   せ ぬ か かちめ|||||かて||いくさ||||

御所 に 攻め 入り   勝て なかった で は 正真正銘 の 国 賊 と なり ま する ! ごしょ||せめ|はいり|かて||||しょうしんしょうめい||くに|ぞく||||

医者 坊主 に 戦 の こと が 分かる か ! いしゃ|ぼうず||いくさ||||わかる|

こちら で ございます

狭くて 申し訳 ございませ ぬ せまくて|もうし わけ||

敵 の 目 から 逃れる ため このような 場所 に 匿 って おり ます てき||め||のがれる|||ばしょ||とく|||

先生 … せんせい

失礼 し ます しつれい||

これ は   先生 が   お 作り に ? ||せんせい|||つくり|

さあ   昔 から ずっと 身 に つけ られて おら れる もの です が |むかし|||み||||||||

どういう こと な んだ …

≪( 龍 馬 ) どう いた が じゃ ?  先生 → りゅう|うま|||||せんせい

早う   診 とう せ はい はやう|み|||

いかがで ございましょう ?

象 山 先生 は   あまりに も 血 を 失い すぎて い ます ぞう|やま|せんせい||||ち||うしない|||

出血 性 の ショック で   血圧 は 低下 意識 も あり ませ ん しゅっけつ|せい||しょっく||けつあつ||ていか|いしき||||

DIC   凝固 障害 も 合併 し 傷 も 膿 み はじめて い ます |ぎょうこ|しょうがい||がっぺい||きず||うみ||||

あの …

この 状態 で 生きて いる の が 奇跡 だ と   ご 理解 いただければ … |じょうたい||いきて||||きせき||||りかい|

最善 は 尽くし ます さいぜん||つくし|

ペニシリン 紙片 を 蒸留 水 で 戻して は い |しへん||じょうりゅう|すい||もどして||

〈 この 袋 の 素材 は この 時代 の もの で は ない 〉 |ふくろ||そざい|||じだい|||||