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幼女戦記, Youjo Senki (The Saga of Tanya the Evil) Episode 4

Youjo Senki ( The Saga of Tanya the Evil ) Episode 4

( ターニャ の 寝息 )

( 長針 が 動く 音 )

( ターニャ ) ん …

( あくび )

( ラジオ 音声 ) 帝国 陸軍 司令 部 午前 6 時 発表 の 戦局 情報 です

我が 軍 は 各 方面 および 中央 本隊 の 下 戦果 を 拡大 中 北方 ノル デン

次 ライン 戦線 西方 方面 軍 司令 部 の 報告

共和 国 の 夜襲 に 対 し 我が 軍 は 大規模 …

( 店員 ) 兵隊 さん 軍用 切符 で 買 っと くれ

( 兵士 ) 配給 で 間に合って る よ

( 女性 ) ヨハン もう 5 人 も 倒し た の ?

( 女性 ) うん クリスマス に は 戻って これ そう って

( ターニャ ) 前線 を 離れ 既に 半年 以上 が 過ぎ た

いまだ 血 と 硝煙 の におい は 鼻 の 奥 から 消え ない が ―

私 は 今 … N 喜々と して 学問 に 励 ん で いる

♪~

~♪

( ターニャ ) 教育 方針 に 相応 の 差異 は あれ ど ―

軍 大学 も 一般 の 大学 と 同じ いや それ 以上 の 待遇 と も 言え る

前線 帰り で 勲章 を 下げ て いる せい も あって か ―

こんな お 子 様 の 体 でも なじむ の に 苦労 は ない

あと は シグナリング 理論 に 基づき 人 的 価値 を アピール すれ ば ―

キャリア コース は 確約 さ れ ―

卒業 後 に は 安全 な 後方 勤務 が 待って いる

これ ぞ 順風満帆 な 人生 だ

( 教官 ) 隷下 部隊 の 逸脱 行為 に 対 し

士官 の 責任 は どう 解釈 さ れる べき か ね ?

( 教官 ) ヴィクトール ( ヴィクトール ) は っ !

直接 関与 し て おら ず と も

道義 的 な 責任 は 引き受ける べき か と …

法律 の 話 を し て いる の だ ぞ この 大 バカ 者 !

次 ! デグレチャフ

はっ !

前提 条件 と して 他の 先 任 将校 は いらっしゃる の でしょう か ?

( 教官 ) い ない もの と する

防止 鎮圧 の 義務 を 怠った 指揮 官 は 作為 義務 違反 に 問わ れ ます

最高 刑 は 銃殺 も あり うる でしょ う

うむ で は 先 任 将校 が い た 場合

当該 将校 に よる 不法 行為 が ない かぎり

原則 と して は 指揮 官 に 属 する 責 か と

ふむ よろしい

( 鐘 の 音 )

( 学生 ) 次 の 講義 は ?

( 鐘 の 音 )

( 鐘 の 音 )

( 鐘 の 音 )

( 学生 ) 兵 棋 ( へい ぎ ) 演習 だ 表 の 食堂 行く か

( 学生 ) 兵 棋 ( へい ぎ ) 演習 だ 表 の 食堂 行く か

( 学生 ) まだ 早い だ ろ う

( ウーガ ) あ …

( ウーガ ) デグレチャフ 君 ( ターニャ ) ん ?

ウーガ 大尉 殿

何 か ?

( ウーガ ) 君 は なぜ いつも ライフル を ?

いつ いかなる 時 に 自分 の 存在 意義 を 賭 す や も しれ ぬ 装具 で あり

日ごろ から 備え て おか ね ば 安堵 ( あんど ) でき ない から です

なるほど 前線 帰り は 違う な

( ターニャ ) これ は 尊厳 の 問題 で あり ―

敵 の 存在 を 再 確認 する 必要 行為 だ

あの 存在 X ( エックス ) を 撃ち 殺す 好機 が いつ 訪れる かも しれ ん

好機 へ の 備え は 怠る べき で は ない し ―

怠る こと など 不可能 !

( ターニャ ) ふん っ ぬ ぬ ぬ …

う う … ぬ ぬ …

はっ !

う っ …

あ …

( ゼートゥーア ) 「 カンネー に おける ハンニバル の 決断 」 か

勉強 熱心 な こと だ なあ

は あ ?

はっ ! し … 失礼 し まし た 准将 閣下

自分 は ターニャ ・ デグレチャフ 学生

帝国 軍 にて 魔 導 中尉 を 拝 命 し て おり ます

参謀 本部 戦 務 参謀 次長 の ゼートゥーア だ

( ターニャ ) 戦 務 参謀 と いえ ば 後方 の トップ !

企業 なら 経営 戦略 の 中枢 !

お目にかかり 光栄 で あり ます !

( ゼートゥーア ) 貴 官 の こと は 少し ばかり 耳 に し て いる

随分 な 活躍 の よう だ

( ターニャ ) はっ 過分 な 評価 を いた だい て おり ます

何 か 急ぎ の 用事 が なけ れ ば 少し いい か ね ?

はっ 喜んで !

( ターニャ ) まさに 千 載 一 遇 の 好機 !

図書 館 通い の かい が あった な

( 男性 ) さあ 飲 も う ぜ ! ( 男性 ) かん ぱ ~ い !

( 男性 ) 何 度 目 だ よ ? ( 男性 たち ) ハハハハ …

( ゼートゥーア ) 掛け たまえ ( ターニャ ) は っ 失礼 し ます

( ゼートゥーア ) 実は 貴 官 に 聞い て み たい こと が あって な

( ターニャ ) ん ?

( ゼートゥーア ) この 戦争 を どう 見る ?

( ターニャ ) 帝国 軍人 は 正確 さ に 偏 執 的 な まで に こだわる

お 言葉 です が 閣下 の お 言葉 は 含 意 が 広 すぎ ます

( ゼートゥーア ) ハッ で は 言いかえよ う

貴 官 は この 戦争 の 形態 を どう 予想 する ?

( ターニャ ) せ ん 越 ながら 自分 は 言及 す べき 立場 に ない と 思い ます

( ゼートゥーア ) 諮問 し て いる わけ で は ない

主観 で かまわ ん 自由 に 述べよ

( ターニャ ) これ 以上 の 固辞 は 失礼 に 当たる か …

では お 言葉 に 甘え て 失礼 いたし ます

この度 の 戦争 は 大戦 に 発展 する もの と 確信 いたし ます

( ゼートゥーア ) 大戦 ?

列強 の 大半 を 巻き込 ん だ 世界 規模 で の 総力 戦

世界 大戦 で あり ます

( ゼートゥーア ) ふむ その 根拠 は ?

新興 の 列強 たる 帝国 は 従来 の 列強 と 比較 し

軍事 的 優位 を 誇って おり ます

その 軍事 力 は 絶大

1 対 1 なら ば 共和 国 に も 勝利 できる でしょ う

共和 国 に 勝利 し 平和 を 回復 し え た 場合 ―

我が国 は 大陸 に おける 絶対 的 優位 を 確立 し ます

しかし … です

その よう な 状況 を 他の 列強 ―

連合 王国 や ルーシー 連邦 が 座視 する と は 考え られ ませ ん

彼ら は 選択 を 迫ら れ て いる の です

覇権 国家 の 誕生 を 許容 する か 拒絶 する か の 選択 を …

なるほど 見え て き た

( ターニャ ) 共通 認識 を 確立 し ながら の 知的 な 対話 …

実に すばらしい

故に 他国 の 干渉 は 必然 です

共和 国 へ の 借款 から 始まり ―

武器 供与 や 義 勇 兵 派兵 も あり うる か と

( ゼートゥーア ) 面白い 意見 だ どう 対処 する ?

早期 の 講和 を 模索 し つつ

不可能 なら ば 消耗 の 抑制 を 第 一 に し ます

( ターニャ ) これ ぞ 有意義 な プレゼン

社会 人 の 醍醐味 ( だいごみ ) だ な

( ゼートゥーア ) つまり は … N ( ターニャ ) うん ?

勝利 を 目指さ ない と ?

( ターニャ ) しまった ! 大変 マズ い ! 実に マズ い !

うかつ な 口 を 撃ち抜き たい !

こ … 言葉 の 上 で は その とおり です が

消耗 を 抑え ながら 敵 の 血 を 流さ せる こと で ―

いずれ は 帝国 の 勝利 に 至る か と

具体 案 は ある の か ね ?

( ターニャ ) 臆病 者 は 前線 で 酷使 さ れる

ここ は 少し でも 勇ましい こと を …

歩兵 に よる 防御 戦 術 と

魔 導 師 に よる 攻勢 戦術 の 組み合わせ を 提案 いたし ます

魔 導 師 は 破壊 力 こそ あれ ど 絶対 数 が 少ない

拠点 制圧 に 不向き だ

肯定 し ます です が ―

火力 と 俊 敏 性 を 誇る 魔 導 師 は 敵 兵力 を 狩る のに 理想 的 な 兵 科 です

( ターニャ ) ここ だ ! ここ で 積極 性 を 示す しか ない !

( ターニャ ) いかなる 国 も ―

国力 や 人 的 資源 が 払 底 し て しまえ ば ―

戦争 を 続け られ ませ ん

自 軍 の 損 耗 を 抑制 し つつ 勝利 する と いう 点 を もって 言う なら ば ―

消耗 抑制 ドクトリン でしょう か

魔 導 師 の 最適 な 運用 形態 か と 愚 考 いたし ます

ふむ 面白い

( ターニャ ) 乗り切った あ ~ ! 自分 でも 驚く ほど の 弁舌 !

ハァ ~ 戦後 に 備え て 法律 関係 の 資格 を 取る の も 悪く ない なあ …

( ゼートゥーア ) で 実施 に 際 し て だ が ―

魔 導 部隊 は どの 程度 の 規模 が 必要 だ ?

だ … 大隊 が 適切 でしょ う

兵站 ( へ い た ん ) へ の 負荷 が 少なく かつ 戦力 と して 最低 限 の 単位 です

試験 的 に 試す の なら ば 最適 か と

なるほど 検討 しよ う

正式 な 書面 に まとめ て くれ た まえ

( ターニャ ) は っ 了解 いたし まし た !

失礼 いたし ます

( ドア の 開閉 音 )

( レル ゲン ) な っ … せ … “ 世界 大戦 ” ?

“ 国家 を 挙げて の 総力 戦 ” ! ?

( ルーデルドルフ ) 著者 など は 機密 だ が ―

ゼートゥーア から 渡さ れ た 論文 だ

( ルーデルドルフ ) 各 方面 軍 の 視察 で 忙しい だ ろ う が ―

移動 中 に でも 目 を 通し て おけ

( レル ゲン ) ハァ …

( レル ゲン ) 人命 すら 数字 と して 消費 する 狂気 の 戦争 …

それ が 国家 の 崩壊 まで 続く だ と ?

しかし なぜ だ なぜ 否定 でき ない ?

何 な の だ この 違和感 は …

それ に ―

この ロジック や 論文 全体 から 受ける 印象 は どこ か で …

( ターニャ ) 学 内 の 成績 と 評価 は 上々

参謀 本部 と の コネ も ある し ―

卒業 後 の 不安 材料 は 限りなく ゼロ に 近い な

( ターニャ ) ウーガ 大尉 殿 ( ウーガ ) あ …

珍しい 所 で お 会い し まし た

( ウーガ ) ライフル に 新聞 相変わらず だ な

まさに 軍 人 の 鑑 ( かがみ ) だ

( ターニャ ) そういう 大尉 殿 こそ ―

軍 大学 の 誉れ で ある “ 12 騎士 ” の ランク は 確実 だ と

大尉 殿 何 か ?

デグレチャフ 中尉 失礼 な こと を 聞く が

なぜ 君 は 軍 に 志願 し た ?

は ?

君 ほど の 才 幹 が あれ ば 道 は いく つ も ある だ ろ う

なぜ わざわざ …

私 の 父 は 軍人 で し た

“ でし た ” と いう こと は …

( ターニャ ) 母 に も 捨て られ 孤児 と なった 私 に は ―

軍隊 以外 の 道 など あり ませ ん で し た

しかし なん と 言って いい か 分から ない が ―

君 は まだ 子供 だ 軍人 は 辞める べき だ

大尉 殿 は 小 官 の 資質 を 疑わ れる の です か ?

それ は 違う ! 違う が …

子供 が 生まれ た 女の子 だ

それ は … おめでとう ございます

( ウーガ ) 中尉 を 見て いる と ふと 思う の だ

自分 の 娘 も 戦争 に 行く こと に なる の だ ろ う か … と な

かわいい 盛り の 子供 を 戦場 に 送る など どう かし て いる

そう は 思わ ない か ?

大尉 殿 あなた は 優しい 方 だ

理性 的 で 何より 良識 が ある

そんな …

でも だ から こそ 狂気 の 幕 が 開ける 前 に

後方 に 下がる べき です

それ は 許さ れ ない 行為 だ

大尉 殿 生きる こと も 戦い な の です

娘 さん を 戦場 へ 送ら ない ため に も

( ウーガ ) う …

( ターニャ ) よろし けれ ば 昼食 に し ませ ん か

ここ の ブル スト は なかなか です よ

( ウーガ ) ん …

いや すま ない が これ で 失礼 する

家人 が 待って いる もの で ね

( ターニャ ) これ で ウーガ 大尉 は 出世 コース から 脱落

なおかつ 戦場 を 知る 良識 人 を 味方 に つけ た わけ だ

“ 精神 的 に 無防備 に なった 相手 を 説得 す べき ”

そう 主張 し た ファシスト は 悪魔 的 天才 だ な フフッ

( 座長 ) 現在 ライン 戦線 は ―

中央 本隊 の 再 配置 に より ―

小康 状態 を 保って いる … と

ですが 西方 方面 軍 が 崩壊 寸前 に なった の も 事実

防衛 戦 力 の 増強 と 再編 が 急務 でしょ う

( 参謀 長 ) と は 言え 現状 で の 大規模 な 軍 管区 再編 は 困難 だ

それ は 重々 承知 し て おり ます そこ で 他の 案 を 提言 し たい と

何 か 妙案 が ?

新た な 即応 軍 の 創設 です

( 参謀 たち の ざわめき )

( 参謀 たち の ざわめき )

( 参謀 ) それでは 遊 兵 を つくって しまう の で は ない か

作戦 局 と して も 機動 性 を 持った 任意 に 使える 戦力 が 必要 です

数 日 前 貴 官 が 中心 と なって 提出 し た

“ 即応 魔 導 大隊 構想 ” か

はい 大隊 規模 なら 引き抜き に 差し障り は なく

展開 力 も 高い と

( 参謀 長 ) 構想 自体 は 理解 できる が …

( ゼートゥーア ) 既に 優秀 な 人材 も 確保 し て おり ます

戦 功 は もとより 提出 さ せ た 論文 が ―

卓越 し た 視野 と 判断 力 を 物語って おり まし た

( レル ゲン ) それ は 決定 事項 な の か ?

( 連絡 係 ) は っ 昨今 の 情勢 です

有能 な 軍人 を 遊ば せる 余裕 など ない と

小 官 が 両 閣下 へ 提出 し た 士官 学校 時代 の 報告 は

確認 いただ い た の か ?

はい です が 軍 大学 で 成長 し た と 判断 さ れ た よう です

( レル ゲン ) 成長 ?

人間 の 本性 は そう 簡単 に 変わる もの で は ない

あ …

これ を 読め と は そう いう わけ か !

( ターニャ ) 改めて 本日 は ご 招待 いただき ―

誠に ありがとう ござい ます

( コードル ) その 年 で 12 騎士 の ランク に 選抜 さ れる と は ―

まったく 驚き です な ゼートゥーア 閣下

ああ 見事 な もの だ

( ターニャ ) 過分 な お 言葉 恐れ入り ます

( コードル ) 育ち盛り だ ろ う 遠慮 は 無用 だ

( ターニャ ) はい 満喫 さ せ て いただき ます

( コードル ) どう だ ね ? 参謀 本部 の 名物 は

( ターニャ ) 前線 で は あまり 口 に でき ない 蒸し 料理 だ が ―

正直 海軍 の ガン ルーム で とる 食事 の ほう が マシ だ ろ う な

( ターニャ ) は … 素直 に 申し上げる なら ば ―

前線 を 思い出す 見事 な もの だ と

ほ ー う すばらしい 回答 だ

いっそ “ 常 在 戦場 の 食堂 ” と でも 名付け て みよ う か

( コードル ) ハハハハ … N ( ターニャ ) フフッ

( コードル ) さて そろそろ 本題 に 入 ろ う

分かって いる と は 思う が ―

来 て もらった の は 貴 官 の 卒業 後 の 配属 に つい て だ

( ターニャ ) どれ も 本国 の 安全 な 部隊 勤務

2 年 ほど 経験 を 積め ば 参謀 将校 本流 へ の 仲間 入り か

( コードル ) 貴 官 の 武 功 を 考慮 し 人事 局 は 選択 に 口 を 挟ま ない

好き に 選ぶ と よい

より 取り 見取り です ね 迷って しまい ます

これ は ?

実は 参謀 本部 から も 1 通 ある

さて 小 官 は これ にて 幸運 を 祈る よ デグレチャフ 君

( ターニャ ) あっ はい 大佐 殿

大佐 ご 苦労 で あった

( 扉 の 閉まる 音 )

( ターニャ ) 人事 の 書類 は 建前

初め から 選択肢 など なかった

( ゼートゥーア ) 貴 官 の こと だ 実務 的 な 話 の ほう が よか ろ う

デグレチャフ 中尉 貴 官 に は

新設 の 即応 魔 導 大隊 を 任せる つもり だ

だっ …

大隊 … で あり ます か ?

だ … 大隊 が 適切 でしょ う

( ターニャ ) あ … あの 時 か !

即応 大隊 を 率いる など 前線 以上 の リスク !

大隊 は 即応 の 観点 から 参謀 本部 直轄

基本 的 に 貴 官 の 上官 は い ない

し … しかし 小 官 は 中尉 です

大隊 を 率いる の に は 適切 で は ない と …

( ゼートゥーア ) 心配 は 要ら ん すぐに 編成 官 の 辞令 を 入れる

編成 官 ?

( ゼートゥーア ) もはや 形骸 化 し て 久しい 職務 だ が 制度 上 は 利用 できる

卒業 と 同時に 編成 官 と して 大尉 へ 昇進

その後 大隊 編成 の 功 で 無理やり 少佐 に ねじ込む 段取り だ

全て 手はず は 整え た

まさに 我が 世 の 春 です ね

( ターニャ ) どうして … N どうして こう なった ! ?

それ で 編成 の 期限 は ?

( ゼートゥーア ) 早い に 越し た こと は ない

48 名 以下 なら 好き に 編成 し たまえ

了解 し まし た で は 小 官 は これ で …

( ゼートゥーア ) 中尉 …

貴 官 は 人 を 選び すぎる と も 聞く

能力 を 疑う わけ で は ない が あまり よい 風評 で は ない

留意 し て おけ

ご 高 配 感謝 いたし ます

武運 を 祈る !

( 扉 の 閉まる 音 )

( ゼートゥーア ) 子供 を 戦争 に 送る … か

( ターニャ ) クソッ ! こう なったら 少し でも 選抜 に 時間 を かけ ―

出動 の 機会 を 引き延ばす ほか ある まい

( ターニャ ) 何 だ これ は …

募集 し て まだ 1 週間 だ ぞ

魔 導 師 は エリート だ ろ ? 普通 なら 好 待遇 を 望む はず

なのに どう 見 て も ブラック な 求人 広告 …

こんな 地獄 の 片道 ツアー に なぜ 応募 する ?

だいたい 1 人 で 決裁 できる 量 で は ない ぞ

無理 だ ぜ ~ った い に 無理 だ

よし 人手 不足 を 理由 に 時間 稼ぎ を …

よし 人手 不足 を 理由 に 時間 稼ぎ を …

( ノック )

( 女性 ) 失礼 し ます !

( 足音 )

( 足音 )

ん ? あ あっ

貴 官 が なぜ ここ に ! ?

( ヴィー シャ ) お 久しぶり です

デグレチャフ 大尉 殿

フフッ

♪~

~♪

( ゼートゥーア の 鼻歌 )

( ゼートゥーア ) これ は … いい 品 だ な


Youjo Senki ( The Saga of Tanya the Evil ) Episode 4 Youjo Senki (The Saga of Tanya the Evil) Episode 4

( ターニャ の 寝息 ) ||ねいき

( 長針 が 動く 音 ) ちょうしん||うごく|おと

( ターニャ ) ん …

( あくび )

( ラジオ 音声 ) 帝国 陸軍 司令 部 午前 6 時 発表 の 戦局 情報 です らじお|おんせい|ていこく|りくぐん|しれい|ぶ|ごぜん|じ|はっぴょう||せんきょく|じょうほう|

我が 軍 は 各 方面 および 中央 本隊 の 下 戦果 を 拡大 中 北方 ノル デン わが|ぐん||かく|ほうめん||ちゅうおう|ほんたい||した|せんか||かくだい|なか|ほっぽう||

次 ライン 戦線 西方 方面 軍 司令 部 の 報告 つぎ|らいん|せんせん|せいほう|ほうめん|ぐん|しれい|ぶ||ほうこく

共和 国 の 夜襲 に 対 し 我が 軍 は 大規模 … きょうわ|くに||やしゅう||たい||わが|ぐん||だいきぼ

( 店員 ) 兵隊 さん 軍用 切符 で 買 っと くれ てんいん|へいたい||ぐんよう|きっぷ||か||

( 兵士 ) 配給 で 間に合って る よ へいし|はいきゅう||まにあって||

( 女性 ) ヨハン もう 5 人 も 倒し た の ? じょせい|||じん||たおし||

( 女性 ) うん クリスマス に は 戻って これ そう って じょせい||くりすます|||もどって|||

( ターニャ ) 前線 を 離れ 既に 半年 以上 が 過ぎ た |ぜんせん||はなれ|すでに|はんとし|いじょう||すぎ|

いまだ 血 と 硝煙 の におい は 鼻 の 奥 から 消え ない が ― |ち||しょうえん||||はな||おく||きえ||

私 は 今 …\ N 喜々と して 学問 に 励 ん で いる わたくし||いま||ききと||がくもん||はげ|||

♪~

~♪

( ターニャ ) 教育 方針 に 相応 の 差異 は あれ ど ― |きょういく|ほうしん||そうおう||さい|||

軍 大学 も 一般 の 大学 と 同じ いや それ 以上 の 待遇 と も 言え る ぐん|だいがく||いっぱん||だいがく||おなじ|||いじょう||たいぐう|||いえ|

前線 帰り で 勲章 を 下げ て いる せい も あって か ― ぜんせん|かえり||くんしょう||さげ||||||

こんな お 子 様 の 体 でも なじむ の に 苦労 は ない ||こ|さま||からだ|||||くろう||

あと は シグナリング 理論 に 基づき 人 的 価値 を アピール すれ ば ― |||りろん||もとづき|じん|てき|かち||あぴーる||

キャリア コース は 確約 さ れ ― きゃりあ|こーす||かくやく||

卒業 後 に は 安全 な 後方 勤務 が 待って いる そつぎょう|あと|||あんぜん||こうほう|きんむ||まって|

これ ぞ 順風満帆 な 人生 だ ||じゅんぷうまんぱん||じんせい|

( 教官 ) 隷下 部隊 の 逸脱 行為 に 対 し きょうかん|れいか|ぶたい||いつだつ|こうい||たい|

士官 の 責任 は どう 解釈 さ れる べき か ね ? しかん||せきにん|||かいしゃく|||||

( 教官 ) ヴィクトール ( ヴィクトール ) は っ ! きょうかん||||

直接 関与 し て おら ず と も ちょくせつ|かんよ||||||

道義 的 な 責任 は 引き受ける べき か と … どうぎ|てき||せきにん||ひきうける|||

法律 の 話 を し て いる の だ ぞ この 大 バカ 者 ! ほうりつ||はなし|||||||||だい|ばか|もの

次 ! デグレチャフ つぎ|

はっ !

前提 条件 と して 他の 先 任 将校 は いらっしゃる の でしょう か ? ぜんてい|じょうけん|||たの|さき|にん|しょうこう|||||

( 教官 ) い ない もの と する きょうかん|||||

防止 鎮圧 の 義務 を 怠った 指揮 官 は 作為 義務 違反 に 問わ れ ます ぼうし|ちんあつ||ぎむ||おこたった|しき|かん||さくい|ぎむ|いはん||とわ||

最高 刑 は 銃殺 も あり うる でしょ う さいこう|けい||じゅうさつ|||||

うむ で は 先 任 将校 が い た 場合 |||さき|にん|しょうこう||||ばあい

当該 将校 に よる 不法 行為 が ない かぎり とうがい|しょうこう|||ふほう|こうい|||

原則 と して は 指揮 官 に 属 する 責 か と げんそく||||しき|かん||ぞく||せき||

ふむ よろしい

( 鐘 の 音 ) かね||おと

( 学生 ) 次 の 講義 は ? がくせい|つぎ||こうぎ|

( 鐘 の 音 ) かね||おと

( 鐘 の 音 ) かね||おと

( 鐘 の 音 ) かね||おと

( 学生 ) 兵 棋 ( へい ぎ ) 演習 だ 表 の 食堂 行く か がくせい|つわもの|き|||えんしゅう||ひょう||しょくどう|いく|

( 学生 ) 兵 棋 ( へい ぎ ) 演習 だ 表 の 食堂 行く か がくせい|つわもの|き|||えんしゅう||ひょう||しょくどう|いく|

( 学生 ) まだ 早い だ ろ う がくせい||はやい|||

( ウーガ ) あ …

( ウーガ ) デグレチャフ 君 ( ターニャ ) ん ? ||きみ||

ウーガ 大尉 殿 |たいい|しんがり

何 か ? なん|

( ウーガ ) 君 は なぜ いつも ライフル を ? |きみ||||らいふる|

いつ いかなる 時 に 自分 の 存在 意義 を 賭 す や も しれ ぬ 装具 で あり ||じ||じぶん||そんざい|いぎ||かけ||||||そうぐ||

日ごろ から 備え て おか ね ば 安堵 ( あんど ) でき ない から です ひごろ||そなえ|||||あんど|||||

なるほど 前線 帰り は 違う な |ぜんせん|かえり||ちがう|

( ターニャ ) これ は 尊厳 の 問題 で あり ― |||そんげん||もんだい||

敵 の 存在 を 再 確認 する 必要 行為 だ てき||そんざい||さい|かくにん||ひつよう|こうい|

あの 存在 X ( エックス ) を 撃ち 殺す 好機 が いつ 訪れる かも しれ ん |そんざい||||うち|ころす|こうき|||おとずれる|||

好機 へ の 備え は 怠る べき で は ない し ― こうき|||そなえ||おこたる|||||

怠る こと など 不可能 ! おこたる|||ふかのう

( ターニャ ) ふん っ ぬ ぬ ぬ …

う う … ぬ ぬ …

はっ !

う っ …

あ …

( ゼートゥーア ) 「 カンネー に おける ハンニバル の 決断 」 か ||||||けつだん|

勉強 熱心 な こと だ なあ べんきょう|ねっしん||||

は あ ?

はっ ! し … 失礼 し まし た 准将 閣下 ||しつれい||||じゅんしょう|かっか

自分 は ターニャ ・ デグレチャフ 学生 じぶん||||がくせい

帝国 軍 にて 魔 導 中尉 を 拝 命 し て おり ます ていこく|ぐん||ま|みちび|ちゅうい||おが|いのち||||

参謀 本部 戦 務 参謀 次長 の ゼートゥーア だ さんぼう|ほんぶ|いくさ|つとむ|さんぼう|じちょう|||

( ターニャ ) 戦 務 参謀 と いえ ば 後方 の トップ ! |いくさ|つとむ|さんぼう||||こうほう||とっぷ

企業 なら 経営 戦略 の 中枢 ! きぎょう||けいえい|せんりゃく||ちゅうすう

お目にかかり 光栄 で あり ます ! おめにかかり|こうえい|||

( ゼートゥーア ) 貴 官 の こと は 少し ばかり 耳 に し て いる |とうと|かん||||すこし||みみ||||

随分 な 活躍 の よう だ ずいぶん||かつやく|||

( ターニャ ) はっ 過分 な 評価 を いた だい て おり ます ||かぶん||ひょうか||||||

何 か 急ぎ の 用事 が なけ れ ば 少し いい か ね ? なん||いそぎ||ようじ|||||すこし|||

はっ 喜んで ! |よろこんで

( ターニャ ) まさに 千 載 一 遇 の 好機 ! ||せん|の|ひと|ぐう||こうき

図書 館 通い の かい が あった な としょ|かん|かよい|||||

( 男性 ) さあ 飲 も う ぜ ! ( 男性 ) かん ぱ ~ い ! だんせい||いん||||だんせい|||

( 男性 ) 何 度 目 だ よ ? ( 男性 たち ) ハハハハ … だんせい|なん|たび|め|||だんせい||

( ゼートゥーア ) 掛け たまえ ( ターニャ ) は っ 失礼 し ます |かけ|||||しつれい||

( ゼートゥーア ) 実は 貴 官 に 聞い て み たい こと が あって な |じつは|とうと|かん||ききい|||||||

( ターニャ ) ん ?

( ゼートゥーア ) この 戦争 を どう 見る ? ||せんそう|||みる

( ターニャ ) 帝国 軍人 は 正確 さ に 偏 執 的 な まで に こだわる |ていこく|ぐんじん||せいかく|||へん|と|てき||||

お 言葉 です が 閣下 の お 言葉 は 含 意 が 広 すぎ ます |ことば|||かっか|||ことば||ふく|い||ひろ||

( ゼートゥーア ) ハッ で は 言いかえよ う ||||いいかえよ|

貴 官 は この 戦争 の 形態 を どう 予想 する ? とうと|かん|||せんそう||けいたい|||よそう|

( ターニャ ) せ ん 越 ながら 自分 は 言及 す べき 立場 に ない と 思い ます |||こ||じぶん||げんきゅう|||たちば||||おもい|

( ゼートゥーア ) 諮問 し て いる わけ で は ない |しもん|||||||

主観 で かまわ ん 自由 に 述べよ しゅかん||||じゆう||のべよ

( ターニャ ) これ 以上 の 固辞 は 失礼 に 当たる か … ||いじょう||こじ||しつれい||あたる|

では お 言葉 に 甘え て 失礼 いたし ます ||ことば||あまえ||しつれい||

この度 の 戦争 は 大戦 に 発展 する もの と 確信 いたし ます このたび||せんそう||たいせん||はってん||||かくしん||

( ゼートゥーア ) 大戦 ? |たいせん

列強 の 大半 を 巻き込 ん だ 世界 規模 で の 総力 戦 れっきょう||たいはん||まきこ|||せかい|きぼ|||そうりょく|いくさ

世界 大戦 で あり ます せかい|たいせん|||

( ゼートゥーア ) ふむ その 根拠 は ? |||こんきょ|

新興 の 列強 たる 帝国 は 従来 の 列強 と 比較 し しんこう||れっきょう||ていこく||じゅうらい||れっきょう||ひかく|

軍事 的 優位 を 誇って おり ます ぐんじ|てき|ゆうい||ほこって||

その 軍事 力 は 絶大 |ぐんじ|ちから||ぜつだい

1 対 1 なら ば 共和 国 に も 勝利 できる でしょ う たい|||きょうわ|くに|||しょうり|||

共和 国 に 勝利 し 平和 を 回復 し え た 場合 ― きょうわ|くに||しょうり||へいわ||かいふく||||ばあい

我が国 は 大陸 に おける 絶対 的 優位 を 確立 し ます わがくに||たいりく|||ぜったい|てき|ゆうい||かくりつ||

しかし … です

その よう な 状況 を 他の 列強 ― |||じょうきょう||たの|れっきょう

連合 王国 や ルーシー 連邦 が 座視 する と は 考え られ ませ ん れんごう|おうこく|||れんぽう||ざし||||かんがえ|||

彼ら は 選択 を 迫ら れ て いる の です かれら||せんたく||せまら|||||

覇権 国家 の 誕生 を 許容 する か 拒絶 する か の 選択 を … はけん|こっか||たんじょう||きょよう|||きょぜつ||||せんたく|

なるほど 見え て き た |みえ|||

( ターニャ ) 共通 認識 を 確立 し ながら の 知的 な 対話 … |きょうつう|にんしき||かくりつ||||ちてき||たいわ

実に すばらしい じつに|

故に 他国 の 干渉 は 必然 です ゆえに|たこく||かんしょう||ひつぜん|

共和 国 へ の 借款 から 始まり ― きょうわ|くに|||しゃっかん||はじまり

武器 供与 や 義 勇 兵 派兵 も あり うる か と ぶき|きょうよ||ただし|いさみ|つわもの|はへい|||||

( ゼートゥーア ) 面白い 意見 だ どう 対処 する ? |おもしろい|いけん|||たいしょ|

早期 の 講和 を 模索 し つつ そうき||こうわ||もさく||

不可能 なら ば 消耗 の 抑制 を 第 一 に し ます ふかのう|||しょうもう||よくせい||だい|ひと|||

( ターニャ ) これ ぞ 有意義 な プレゼン |||ゆういぎ||

社会 人 の 醍醐味 ( だいごみ ) だ な しゃかい|じん||だいごみ|||

( ゼートゥーア ) つまり は …\ N ( ターニャ ) うん ?

勝利 を 目指さ ない と ? しょうり||めざさ||

( ターニャ ) しまった ! 大変 マズ い ! 実に マズ い ! ||たいへん|||じつに||

うかつ な 口 を 撃ち抜き たい ! ||くち||うちぬき|

こ … 言葉 の 上 で は その とおり です が |ことば||うえ||||||

消耗 を 抑え ながら 敵 の 血 を 流さ せる こと で ― しょうもう||おさえ||てき||ち||ながさ|||

いずれ は 帝国 の 勝利 に 至る か と ||ていこく||しょうり||いたる||

具体 案 は ある の か ね ? ぐたい|あん|||||

( ターニャ ) 臆病 者 は 前線 で 酷使 さ れる |おくびょう|もの||ぜんせん||こくし||

ここ は 少し でも 勇ましい こと を … ||すこし||いさましい||

歩兵 に よる 防御 戦 術 と ほへい|||ぼうぎょ|いくさ|じゅつ|

魔 導 師 に よる 攻勢 戦術 の 組み合わせ を 提案 いたし ます ま|みちび|し|||こうせい|せんじゅつ||くみあわせ||ていあん||

魔 導 師 は 破壊 力 こそ あれ ど 絶対 数 が 少ない ま|みちび|し||はかい|ちから||||ぜったい|すう||すくない

拠点 制圧 に 不向き だ きょてん|せいあつ||ふむき|

肯定 し ます です が ― こうてい||||

火力 と 俊 敏 性 を 誇る 魔 導 師 は 敵 兵力 を 狩る のに 理想 的 な 兵 科 です かりょく||しゆん|さとし|せい||ほこる|ま|みちび|し||てき|へいりょく||かる||りそう|てき||つわもの|か|

( ターニャ ) ここ だ ! ここ で 積極 性 を 示す しか ない ! |||||せっきょく|せい||しめす||

( ターニャ ) いかなる 国 も ― ||くに|

国力 や 人 的 資源 が 払 底 し て しまえ ば ― こくりょく||じん|てき|しげん||はら|そこ||||

戦争 を 続け られ ませ ん せんそう||つづけ|||

自 軍 の 損 耗 を 抑制 し つつ 勝利 する と いう 点 を もって 言う なら ば ― じ|ぐん||そん|もう||よくせい|||しょうり||||てん|||いう||

消耗 抑制 ドクトリン でしょう か しょうもう|よくせい|||

魔 導 師 の 最適 な 運用 形態 か と 愚 考 いたし ます ま|みちび|し||さいてき||うんよう|けいたい|||ぐ|こう||

ふむ 面白い |おもしろい

( ターニャ ) 乗り切った あ ~ ! 自分 でも 驚く ほど の 弁舌 ! |のりきった||じぶん||おどろく|||べんぜつ

ハァ ~ 戦後 に 備え て 法律 関係 の 資格 を 取る の も 悪く ない なあ … |せんご||そなえ||ほうりつ|かんけい||しかく||とる|||わるく||

( ゼートゥーア ) で 実施 に 際 し て だ が ― ||じっし||さい||||

魔 導 部隊 は どの 程度 の 規模 が 必要 だ ? ま|みちび|ぶたい|||ていど||きぼ||ひつよう|

だ … 大隊 が 適切 でしょ う |だいたい||てきせつ||

兵站 ( へ い た ん ) へ の 負荷 が 少なく かつ 戦力 と して 最低 限 の 単位 です へいたん|||||||ふか||すくなく||せんりょく|||さいてい|げん||たんい|

試験 的 に 試す の なら ば 最適 か と しけん|てき||ためす||||さいてき||

なるほど 検討 しよ う |けんとう||

正式 な 書面 に まとめ て くれ た まえ せいしき||しょめん||||||

( ターニャ ) は っ 了解 いたし まし た ! |||りょうかい|||

失礼 いたし ます しつれい||

( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

( レル ゲン ) な っ … せ … “ 世界 大戦 ” ? |||||せかい|たいせん

“ 国家 を 挙げて の 総力 戦 ” ! ? こっか||あげて||そうりょく|いくさ

( ルーデルドルフ ) 著者 など は 機密 だ が ― |ちょしゃ|||きみつ||

ゼートゥーア から 渡さ れ た 論文 だ ||わたさ|||ろんぶん|

( ルーデルドルフ ) 各 方面 軍 の 視察 で 忙しい だ ろ う が ― |かく|ほうめん|ぐん||しさつ||いそがしい||||

移動 中 に でも 目 を 通し て おけ いどう|なか|||め||とおし||

( レル ゲン ) ハァ …

( レル ゲン ) 人命 すら 数字 と して 消費 する 狂気 の 戦争 … ||じんめい||すうじ|||しょうひ||きょうき||せんそう

それ が 国家 の 崩壊 まで 続く だ と ? ||こっか||ほうかい||つづく||

しかし なぜ だ なぜ 否定 でき ない ? ||||ひてい||

何 な の だ この 違和感 は … なん|||||いわかん|

それ に ―

この ロジック や 論文 全体 から 受ける 印象 は どこ か で … |||ろんぶん|ぜんたい||うける|いんしょう||||

( ターニャ ) 学 内 の 成績 と 評価 は 上々 |まな|うち||せいせき||ひょうか||じょうじょう

参謀 本部 と の コネ も ある し ― さんぼう|ほんぶ|||こね|||

卒業 後 の 不安 材料 は 限りなく ゼロ に 近い な そつぎょう|あと||ふあん|ざいりょう||かぎりなく|||ちかい|

( ターニャ ) ウーガ 大尉 殿 ( ウーガ ) あ … ||たいい|しんがり||

珍しい 所 で お 会い し まし た めずらしい|しょ|||あい|||

( ウーガ ) ライフル に 新聞 相変わらず だ な |らいふる||しんぶん|あいかわらず||

まさに 軍 人 の 鑑 ( かがみ ) だ |ぐん|じん||かがみ||

( ターニャ ) そういう 大尉 殿 こそ ― ||たいい|しんがり|

軍 大学 の 誉れ で ある “ 12 騎士 ” の ランク は 確実 だ と ぐん|だいがく||ほまれ|||きし||らんく||かくじつ||

大尉 殿 何 か ? たいい|しんがり|なん|

デグレチャフ 中尉 失礼 な こと を 聞く が |ちゅうい|しつれい||||きく|

なぜ 君 は 軍 に 志願 し た ? |きみ||ぐん||しがん||

は ?

君 ほど の 才 幹 が あれ ば 道 は いく つ も ある だ ろ う きみ|||さい|みき||||どう||||||||

なぜ わざわざ …

私 の 父 は 軍人 で し た わたくし||ちち||ぐんじん|||

“ でし た ” と いう こと は …

( ターニャ ) 母 に も 捨て られ 孤児 と なった 私 に は ― |はは|||すて||こじ|||わたくし||

軍隊 以外 の 道 など あり ませ ん で し た ぐんたい|いがい||どう|||||||

しかし なん と 言って いい か 分から ない が ― |||いって|||わから||

君 は まだ 子供 だ 軍人 は 辞める べき だ きみ|||こども||ぐんじん||やめる||

大尉 殿 は 小 官 の 資質 を 疑わ れる の です か ? たいい|しんがり||しょう|かん||ししつ||うたがわ||||

それ は 違う ! 違う が … ||ちがう|ちがう|

子供 が 生まれ た 女の子 だ こども||うまれ||おんなのこ|

それ は … おめでとう ございます

( ウーガ ) 中尉 を 見て いる と ふと 思う の だ |ちゅうい||みて||||おもう||

自分 の 娘 も 戦争 に 行く こと に なる の だ ろ う か … と な じぶん||むすめ||せんそう||いく||||||||||

かわいい 盛り の 子供 を 戦場 に 送る など どう かし て いる |さかり||こども||せんじょう||おくる|||||

そう は 思わ ない か ? ||おもわ||

大尉 殿 あなた は 優しい 方 だ たいい|しんがり|||やさしい|かた|

理性 的 で 何より 良識 が ある りせい|てき||なにより|りょうしき||

そんな …

でも だ から こそ 狂気 の 幕 が 開ける 前 に ||||きょうき||まく||あける|ぜん|

後方 に 下がる べき です こうほう||さがる||

それ は 許さ れ ない 行為 だ ||ゆるさ|||こうい|

大尉 殿 生きる こと も 戦い な の です たいい|しんがり|いきる|||たたかい|||

娘 さん を 戦場 へ 送ら ない ため に も むすめ|||せんじょう||おくら||||

( ウーガ ) う …

( ターニャ ) よろし けれ ば 昼食 に し ませ ん か ||||ちゅうしょく|||||

ここ の ブル スト は なかなか です よ ||ぶる|すと||||

( ウーガ ) ん …

いや すま ない が これ で 失礼 する ||||||しつれい|

家人 が 待って いる もの で ね かじん||まって||||

( ターニャ ) これ で ウーガ 大尉 は 出世 コース から 脱落 ||||たいい||しゅっせ|こーす||だつらく

なおかつ 戦場 を 知る 良識 人 を 味方 に つけ た わけ だ |せんじょう||しる|りょうしき|じん||みかた|||||

“ 精神 的 に 無防備 に なった 相手 を 説得 す べき ” せいしん|てき||むぼうび|||あいて||せっとく||

そう 主張 し た ファシスト は 悪魔 的 天才 だ な フフッ |しゅちょう|||ふぁしすと||あくま|てき|てんさい|||

( 座長 ) 現在 ライン 戦線 は ― ざちょう|げんざい|らいん|せんせん|

中央 本隊 の 再 配置 に より ― ちゅうおう|ほんたい||さい|はいち||

小康 状態 を 保って いる … と しょうこう|じょうたい||たもって||

ですが 西方 方面 軍 が 崩壊 寸前 に なった の も 事実 |せいほう|ほうめん|ぐん||ほうかい|すんぜん|||||じじつ

防衛 戦 力 の 増強 と 再編 が 急務 でしょ う ぼうえい|いくさ|ちから||ぞうきょう||さいへん||きゅうむ||

( 参謀 長 ) と は 言え 現状 で の 大規模 な 軍 管区 再編 は 困難 だ さんぼう|ちょう|||いえ|げんじょう|||だいきぼ||ぐん|かんく|さいへん||こんなん|

それ は 重々 承知 し て おり ます そこ で 他の 案 を 提言 し たい と ||じゅうじゅう|しょうち|||||||たの|あん||ていげん|||

何 か 妙案 が ? なん||みょうあん|

新た な 即応 軍 の 創設 です あらた||そくおう|ぐん||そうせつ|

( 参謀 たち の ざわめき ) さんぼう|||

( 参謀 たち の ざわめき ) さんぼう|||

( 参謀 ) それでは 遊 兵 を つくって しまう の で は ない か さんぼう||あそ|つわもの||||||||

作戦 局 と して も 機動 性 を 持った 任意 に 使える 戦力 が 必要 です さくせん|きょく||||きどう|せい||もった|にんい||つかえる|せんりょく||ひつよう|

数 日 前 貴 官 が 中心 と なって 提出 し た すう|ひ|ぜん|とうと|かん||ちゅうしん|||ていしゅつ||

“ 即応 魔 導 大隊 構想 ” か そくおう|ま|みちび|だいたい|こうそう|

はい 大隊 規模 なら 引き抜き に 差し障り は なく |だいたい|きぼ||ひきぬき||さしさわり||

展開 力 も 高い と てんかい|ちから||たかい|

( 参謀 長 ) 構想 自体 は 理解 できる が … さんぼう|ちょう|こうそう|じたい||りかい||

( ゼートゥーア ) 既に 優秀 な 人材 も 確保 し て おり ます |すでに|ゆうしゅう||じんざい||かくほ||||

戦 功 は もとより 提出 さ せ た 論文 が ― いくさ|いさお|||ていしゅつ||||ろんぶん|

卓越 し た 視野 と 判断 力 を 物語って おり まし た たくえつ|||しや||はんだん|ちから||ものがたって|||

( レル ゲン ) それ は 決定 事項 な の か ? ||||けってい|じこう|||

( 連絡 係 ) は っ 昨今 の 情勢 です れんらく|かかり|||さっこん||じょうせい|

有能 な 軍人 を 遊ば せる 余裕 など ない と ゆうのう||ぐんじん||あそば||よゆう|||

小 官 が 両 閣下 へ 提出 し た 士官 学校 時代 の 報告 は しょう|かん||りょう|かっか||ていしゅつ|||しかん|がっこう|じだい||ほうこく|

確認 いただ い た の か ? かくにん|||||

はい です が 軍 大学 で 成長 し た と 判断 さ れ た よう です |||ぐん|だいがく||せいちょう||||はんだん|||||

( レル ゲン ) 成長 ? ||せいちょう

人間 の 本性 は そう 簡単 に 変わる もの で は ない にんげん||ほんしょう|||かんたん||かわる||||

あ …

これ を 読め と は そう いう わけ か ! ||よめ||||||

( ターニャ ) 改めて 本日 は ご 招待 いただき ― |あらためて|ほんじつ|||しょうたい|

誠に ありがとう ござい ます まことに|||

( コードル ) その 年 で 12 騎士 の ランク に 選抜 さ れる と は ― ||とし||きし||らんく||せんばつ||||

まったく 驚き です な ゼートゥーア 閣下 |おどろき||||かっか

ああ 見事 な もの だ |みごと|||

( ターニャ ) 過分 な お 言葉 恐れ入り ます |かぶん|||ことば|おそれいり|

( コードル ) 育ち盛り だ ろ う 遠慮 は 無用 だ |そだちざかり||||えんりょ||むよう|

( ターニャ ) はい 満喫 さ せ て いただき ます ||まんきつ|||||

( コードル ) どう だ ね ? 参謀 本部 の 名物 は ||||さんぼう|ほんぶ||めいぶつ|

( ターニャ ) 前線 で は あまり 口 に でき ない 蒸し 料理 だ が ― |ぜんせん||||くち||||むし|りょうり||

正直 海軍 の ガン ルーム で とる 食事 の ほう が マシ だ ろ う な しょうじき|かいぐん||がん|るーむ|||しょくじ||||||||

( ターニャ ) は … 素直 に 申し上げる なら ば ― ||すなお||もうしあげる||

前線 を 思い出す 見事 な もの だ と ぜんせん||おもいだす|みごと||||

ほ ー う すばらしい 回答 だ |-|||かいとう|

いっそ “ 常 在 戦場 の 食堂 ” と でも 名付け て みよ う か |とわ|ざい|せんじょう||しょくどう|||なづけ||||

( コードル ) ハハハハ …\ N ( ターニャ ) フフッ

( コードル ) さて そろそろ 本題 に 入 ろ う |||ほんだい||はい||

分かって いる と は 思う が ― わかって||||おもう|

来 て もらった の は 貴 官 の 卒業 後 の 配属 に つい て だ らい|||||とうと|かん||そつぎょう|あと||はいぞく||||

( ターニャ ) どれ も 本国 の 安全 な 部隊 勤務 |||ほんごく||あんぜん||ぶたい|きんむ

2 年 ほど 経験 を 積め ば 参謀 将校 本流 へ の 仲間 入り か とし||けいけん||つめ||さんぼう|しょうこう|ほんりゅう|||なかま|はいり|

( コードル ) 貴 官 の 武 功 を 考慮 し 人事 局 は 選択 に 口 を 挟ま ない |とうと|かん||ぶ|いさお||こうりょ||じんじ|きょく||せんたく||くち||はさま|

好き に 選ぶ と よい すき||えらぶ||

より 取り 見取り です ね 迷って しまい ます |とり|みとり|||まよって||

これ は ?

実は 参謀 本部 から も 1 通 ある じつは|さんぼう|ほんぶ|||つう|

さて 小 官 は これ にて 幸運 を 祈る よ デグレチャフ 君 |しょう|かん||||こううん||いのる|||きみ

( ターニャ ) あっ はい 大佐 殿 |||たいさ|しんがり

大佐 ご 苦労 で あった たいさ||くろう||

( 扉 の 閉まる 音 ) とびら||しまる|おと

( ターニャ ) 人事 の 書類 は 建前 |じんじ||しょるい||たてまえ

初め から 選択肢 など なかった はじめ||せんたくし||

( ゼートゥーア ) 貴 官 の こと だ 実務 的 な 話 の ほう が よか ろ う |とうと|かん||||じつむ|てき||はなし||||||

デグレチャフ 中尉 貴 官 に は |ちゅうい|とうと|かん||

新設 の 即応 魔 導 大隊 を 任せる つもり だ しんせつ||そくおう|ま|みちび|だいたい||まかせる||

だっ …

大隊 … で あり ます か ? だいたい||||

だ … 大隊 が 適切 でしょ う |だいたい||てきせつ||

( ターニャ ) あ … あの 時 か ! |||じ|

即応 大隊 を 率いる など 前線 以上 の リスク ! そくおう|だいたい||ひきいる||ぜんせん|いじょう||りすく

大隊 は 即応 の 観点 から 参謀 本部 直轄 だいたい||そくおう||かんてん||さんぼう|ほんぶ|ちょっかつ

基本 的 に 貴 官 の 上官 は い ない きほん|てき||とうと|かん||じょうかん|||

し … しかし 小 官 は 中尉 です ||しょう|かん||ちゅうい|

大隊 を 率いる の に は 適切 で は ない と … だいたい||ひきいる||||てきせつ||||

( ゼートゥーア ) 心配 は 要ら ん すぐに 編成 官 の 辞令 を 入れる |しんぱい||いら|||へんせい|かん||じれい||いれる

編成 官 ? へんせい|かん

( ゼートゥーア ) もはや 形骸 化 し て 久しい 職務 だ が 制度 上 は 利用 できる ||けいがい|か|||ひさしい|しょくむ|||せいど|うえ||りよう|

卒業 と 同時に 編成 官 と して 大尉 へ 昇進 そつぎょう||どうじに|へんせい|かん|||たいい||しょうしん

その後 大隊 編成 の 功 で 無理やり 少佐 に ねじ込む 段取り だ そのご|だいたい|へんせい||いさお||むりやり|しょうさ||ねじこむ|だんどり|

全て 手はず は 整え た すべて|てはず||ととのえ|

まさに 我が 世 の 春 です ね |わが|よ||はる||

( ターニャ ) どうして …\ N どうして こう なった ! ?

それ で 編成 の 期限 は ? ||へんせい||きげん|

( ゼートゥーア ) 早い に 越し た こと は ない |はやい||こし||||

48 名 以下 なら 好き に 編成 し たまえ な|いか||すき||へんせい||

了解 し まし た で は 小 官 は これ で … りょうかい||||||しょう|かん|||

( ゼートゥーア ) 中尉 … |ちゅうい

貴 官 は 人 を 選び すぎる と も 聞く とうと|かん||じん||えらび||||きく

能力 を 疑う わけ で は ない が あまり よい 風評 で は ない のうりょく||うたがう||||||||ふうひょう|||

留意 し て おけ りゅうい|||

ご 高 配 感謝 いたし ます |たか|はい|かんしゃ||

武運 を 祈る ! ぶうん||いのる

( 扉 の 閉まる 音 ) とびら||しまる|おと

( ゼートゥーア ) 子供 を 戦争 に 送る … か |こども||せんそう||おくる|

( ターニャ ) クソッ ! こう なったら 少し でも 選抜 に 時間 を かけ ― ||||すこし||せんばつ||じかん||

出動 の 機会 を 引き延ばす ほか ある まい しゅつどう||きかい||ひきのばす|||

( ターニャ ) 何 だ これ は … |なん|||

募集 し て まだ 1 週間 だ ぞ ぼしゅう||||しゅうかん||

魔 導 師 は エリート だ ろ ? 普通 なら 好 待遇 を 望む はず ま|みちび|し||えりーと|||ふつう||よしみ|たいぐう||のぞむ|

なのに どう 見 て も ブラック な 求人 広告 … ||み|||ぶらっく||きゅうじん|こうこく

こんな 地獄 の 片道 ツアー に なぜ 応募 する ? |じごく||かたみち|つあー|||おうぼ|

だいたい 1 人 で 決裁 できる 量 で は ない ぞ |じん||けっさい||りょう||||

無理 だ ぜ ~ った い に 無理 だ むり||||||むり|

よし 人手 不足 を 理由 に 時間 稼ぎ を … |ひとで|ふそく||りゆう||じかん|かせぎ|

よし 人手 不足 を 理由 に 時間 稼ぎ を … |ひとで|ふそく||りゆう||じかん|かせぎ|

( ノック )

( 女性 ) 失礼 し ます ! じょせい|しつれい||

( 足音 ) あしおと

( 足音 ) あしおと

ん ? あ あっ

貴 官 が なぜ ここ に ! ? とうと|かん||||

( ヴィー シャ ) お 久しぶり です |||ひさしぶり|

デグレチャフ 大尉 殿 |たいい|しんがり

フフッ

♪~

~♪

( ゼートゥーア の 鼻歌 ) ||はなうた

( ゼートゥーア ) これ は … いい 品 だ な ||||しな||