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盾の勇者成りがり02, 盾の勇者の成り上がり2 Chapter 10

盾 の 勇者 の 成り 上がり 2 Chapter 10

翌日 、 洋裁 屋 に 顔 を 出す と 、 あの オタクっぽい 子 が 笑顔 で 出迎えて くれた 。 「 はい は ー い 。 服 は 出来てますよ ー 。 久々に 徹夜 しちゃった 」 その 割に ギンギン と テンション が 高い 様子 の 洋裁 屋 。 その 洋裁 屋 は 、 店 の 奥 から フィーロ の 服 を 持ってきた 。

基本 色 が 白 の ワンピース だった 。 真ん中 に は 青い リボン が 付いて おり 、 所々 青い 色 を 使った コント ラスト が 効いて いる 。 素材 を 活 か して 綺麗に 作られて いる の が わかる 。 着る 相手 を 選び そうな シンプルイズベスト と いう 感じ だ 。

「 ご しゅじん さま ー 、 これ を 着る の ? 」 「 ああ 」 「 わ ー い ! 」 今 まで マント を 羽織って いた フィーロ は その場で 全裸 に なろう と する 。 「 ダメです 」

「 えー 」

それ を ラフタリア が 止めて 、 店 の 奥 へ と 案内 して もらう 。

「 じゃあ 魔物 の 姿 に も 変わって ね 」

洋裁 屋 の 声 が 店 の 奥 から 聞こえて くる 。

「 なんで ー ? 」 「 じゃ ない と リボン が 肉 に 食い込みます よ ー 」 「 や ー ! 」 微妙に 怖い 事 を 言う な 。 「 わかった ー 」

ボフン と 変身 する 時 に 聞こえる 音 が して 、 そして 。

「 うん 。 やっぱり 似合う わ ぁ ……」

なんとも うっとり する ような 声 が 聞こえた 。

「 じゃあ 行きましょう ね 」 「 うん ! 」 店 の 奥 から 女性 陣 が 出て きた 。 そして フィーロ の 方 へ 目 を 向けた 。

…… うん 。 元々 の 容姿 が 良い から か 本格 的に 天使 みたいに なって いる 。

白い ワンピース に 、 純白の 羽 …… 胸 に 青い リボン が アクセント と して 飾られて いる 。 なんて いう か 、 二 次元 の お 子 様 天使 ヒロイン みたいだ 。

「 ご しゅじん さま ー 」

「 あ ? 」 「 どう ? 似合う ? 」 「 まあ 、 似合う んじゃ ない か 」 ここ まで フィーロ の 外見 スペック を 生かした 服 を 作れる と は 、 オタクっぽい 洋裁 屋 、 お前 も なかなか の やり手 な のだろう 。 「 え へ へ 」

照れた フィーロ が 服 を ひらひら と 靡か せて 笑う 。

洋服 屋 を 出て 、 拠点 に して いる リユート 村 へ 戻る ため に 、 フィーロ に 荷車 を 引か せる 。

あの 服 は フィーロ が 魔物 の 姿 に なる と 消えて 、 リボン が フィーロ の 首輪 に 変わる と いう 離れ業 を かます ように なって いた 。 高い だけ あって 便利な 機能 が 備わって いる 。

「 あ 、 盾 の 勇者 様 」

城下町 を 出る 時 に 偶然 魔法 屋 に 会う 。

「 リユート 村 に 行く の かい ? 」 「 ああ 」 「 私 も ちょっと 用事 で 行く んで 。 ついでに 乗せてって くれ ない かい ? 」 魔法 屋 は 笑顔 で 提案 して きた 。 どうせ 目ざす 方向 は 一緒だ し 、 魔法 屋 に は 色々 厄介に なって いる から 断る の も どう か と 思う 。

「 乗り 心地 は 保証 し ない が 良い か ? 」 「 一昨日 も 乗った じゃ ない の 」 「 そう だった な 」

ラフタリア は 既に 乗り物酔い と 戦う ため に なんか 遠く を 見て いる 。

「 じゃあ 失礼 して 」

魔法 屋 の おばちゃん は 荷車 に 乗る 。

「 よし 、 フィーロ 。 あんまり 速度 を 出さ ない ように 進めよ 」

「 は ー い 」

通りかかった 通行人 が 、 フィーロ の 方 を 見て 驚いて いる 。 喋る 魔物 は 珍しい のだろう 。

トコトコ と 荷車 は 道 を 進んで いく 。

ここ 数 日 は とても 忙しく 感じた 。 いや 、 普段 から 忙しい けど 特に 忙しい と いう か 。

その 全て が フィーロ に 集約 されて いる と いう の が なんとも 。 魔法 屋 か ー …… 魔法 を 覚えたい が 、 ここ で 聞いて も 何 を 言って いる の か わから ない だろう 。 俺 は 自身 の 勉強 不足 を 酷 く 嘆いた 。

俺 は やられた 事 は やり返す 。 良い 意味 でも 悪い 意味 でも な 。

だ から 魔法 屋 から 善意 を 受けた なら それ に 報いたい 。 なるべく 、 覚え なくて は いけない 。

あの クソ 勇者 共 の ような 知識 は 俺 に は 無い のだ 。 だからこそ 、 俺 は 常に 学び 続け なければ いけない のだ 。 文字 翻訳 と か レシピ の 解放 の 可能 性 は この際 考え から 外そう 。

時間 は 掛かる だろう けど 、 覚えて みよう と 決めた 。 じゃ ない と 不便だ 。

「 ふ ぁ …… 軽い 」

トコトコ と 荷車 を 運び ながら 、 フィーロ は 欠 伸 交じり に 呟いた 。

三 人 も 乗って いる 荷車 が 軽い の か 。

良い 傾向 だ 。 俺 に は とある 考え が 既に ある 。 フィーロ が い なくて は でき ない 事 だ 。

リユート 村 に 到着 する と 魔法 屋 は 俺 に 銅貨 二五 枚 を くれた 。

「 これ は ? 」 「 運んで くれた 料金 よ 」 「 ああ 、 なるほど 」

これ も 考え の 一 つ に 入れて おこう 。

リユート 村 は 相 も 変わら ず 復興 中 だ 。 宿屋 に 顔 を 出す と 店主 が 快く 俺 達 を 出迎えて くれる 。

「 さて 、 これ から ラフタリア の 乗り物酔い 克服 訓練 と 材木 運び に 出かける 」

肉 の 代償 と して 復興 の 手伝い を する と 約束 した のだ 。

「 え !?」

ラフタリア が 渋い 顔 を する 。 まあ 、 苦手の 克服 と なったら しょうがない か 。

「 これ から 俺 達 の 移動 手段 は フィーロ の 引く 荷車 に なる んだ ぞ 、 慣れろ 」

「 は 、 はい 」

「 は ー い ! 」 「 フィーロ 、 お前 は 引く 側 だ 」 「 うん ! 」 フィロリアル は 本当に 荷車 を 引く の が 好きな んだ な 。 フィーロ の 目 が メチャクチャ 輝いて る 。

「 あの …… 何 か 考え が ? 」 「 ああ 、 これ から 俺 達 は 行商 を 始めよう と 思う んだ 。 ここ の 領主 に 勧められて な 」 「 行商 、 です か ? 」 「 あんまり 品揃え は 良く ない が 薬 を 基本 に な 。 後 は 運び 屋 と か だ な 。 手広く 行きたい 」 「 は ぁ ……」

ラフタリア は ピンと 来 ない ようだ 。 俺 自身 も 成功 する の か 見通し は 立た ない 。 けど 、 どうせ そろそろ 色々 と 回ら なくちゃ いけない 頃合 な のだ 。

「 と 言う わけで 、 運び 屋 も する と なる と 、 フィーロ の 最 高速で 荷車 を 引いて いく こと も ある だろう 。 その 度 に 乗り物酔い で 倒れられたら 俺 も 困る んだ 」 「 理由 は わかりました けど ……」 「 何 …… 酔い にくい と 言わ れる 場所 を 知っている 。 最初 は そこ で 慣れる と いい さ 」

「 そんな 所 が ある んです か ? 」 「 ああ 」 と 、 本日 の 仕事 を 始める 前 に 、 俺 は ラフタリア を 酔い にくい 場所 …… フィーロ の 背中 に 乗せる 。

「 ご しゅじん さま が 良い のに 、 なんで お 姉ちゃん を 背中 に 乗せ なきゃ いけない の ……」

フィーロ は ラフタリア を 背中 に 乗せて ブツブツ と 呟く 。

「 それ は こちら も 同じです 。 これ 、 かなり 恥ずかしい んです よ 」

フクロウ みたいな 体形 を して いる フィーロ が 中腰 で ラフタリア を 乗せる と なんか 変な 感じ だ な 。

「 きつく は ない か ? 」 「 うん 。 楽だ よ ー 」

元々 の 体形 に 近い から な の か 、 フィーロ 自身 は 問題 ない らしい 。

「 じゃあ 行く か 」

「 うん ! フィーロ の 方 が 役 に 立つ もん ! お 姉ちゃん に は 負け ない よ ー 」

「 何 を 競って いる のです か ! 」 「 ご しゅじん さま は フィーロ の 方 が 大事だ もん ! 」 「 負けません ! 」 フィーロ は ラフタリア を 乗せ ながら 荷車 を 引いて 行く 。 荷車 と 合わせて 結構な 重量 が ある はずな のに 、 本人 曰 く そこ まで 重く ない と か 。 と いう か 何 を 言い争って いる の やら 。 俺 は その 間 に 、 翻訳 し ながら 中級 レシピ の 本 の 解読 を 始めた 。

…… ゴトゴト 。

………… ゴトゴト 。

心地 の 好 い 車輪 音 を バック ミュージック に 難解な 異 世界 言語 に 集中 して いる と 。

「 あの …… 何故 その 姿 に ? 」 「 えー ? こうした 方 が ご しゅじん さま 喜ぶ でしょ ? 」 ……………… ゴトゴト 。 「 絶対 に 怒ります から 、 やめ なさい 」 「 でも ご しゅじん さま 、 お 姉ちゃん みたいな の が 好きな んでしょ ? 」 ん ? ふと 気 が 付いて フィーロ の 方 を 見る と 、 何故 か 人 型 に なって ラフタリア を 背負って いる 。 ラフタリア が 困り 顔 で 話し掛けて いた のだった 。

ヒソヒソ と 通りすがり の 冒険 者 が 俺 達 を 指差し ながら 囁き 合って いる 。

「 変な 噂 が 出る ような 事 を する んじゃ ない ! 」 奴隷 の 女の子 に 女の子 を 背負わ せた 挙句 、 荷車 を 引か せて 強制 労働 さ せて いる …… なんて おかしな 噂 が 流れたら やっと 良く なって きた 俺 の 風聞 が 、 また 悪く なる 。 「 えー …… ダメな の ? 」 「 荷車 を 引いて いる 時 も 人 化 する な 」 「 は ぁい 」

不満 そうに フィーロ は 頷き 、 魔物 の 姿 に 戻る 。 たぶん 、 退屈な んだろう 。

ラフタリア も まだ 乗り物酔い を して いない ようだ 。 ならば 少し ハードに して も 大丈夫 か 。

「 よし 、 じゃあ スピード アップ だ 」

「 わ ー い ! 」 俺 の 指示 に フィーロ は テンション を 上げて 頷き 、 走り出す 。 ガラガラ と 荷車 の 車輪 が 音 を 立てて 回る 。

「 わ ! 」 ラフタリア が 驚き の 声 を 出し 、 フィーロ に しがみつく 。 まあ 、 目的 地 まで 早く 辿り着ける だろう 。

このあと も 、 ラフタリア の 乗り物酔い 克服 訓練 は しばらく 続いた 。


盾 の 勇者 の 成り 上がり 2 Chapter 10 たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter Rise of the Shield Heroes 2 Kapitel 10 Rise of the Shield Heroes 2 Chapter 10

翌日 、 洋裁 屋 に 顔 を 出す と 、 あの オタクっぽい 子 が 笑顔 で 出迎えて くれた 。 よくじつ|ようさい|や||かお||だす|||おたく っぽい|こ||えがお||でむかえて| 「 はい は ー い 。 ||-| 服 は 出来てますよ ー 。 ふく||できて ます よ|- 久々に 徹夜 しちゃった 」 ひさびさに|てつや|しちゃ った その 割に ギンギン と テンション が 高い 様子 の 洋裁 屋 。 |わりに|ぎんぎん||てんしょん||たかい|ようす||ようさい|や その 洋裁 屋 は 、 店 の 奥 から フィーロ の 服 を 持ってきた 。 |ようさい|や||てん||おく||||ふく||もってきた

基本 色 が 白 の ワンピース だった 。 きほん|いろ||しろ||わんぴーす| 真ん中 に は 青い リボン が 付いて おり 、 所々 青い 色 を 使った コント ラスト が 効いて いる 。 まんなか|||あおい|りぼん||ついて||ところどころ|あおい|いろ||つかった|こんと|らすと||きいて| 素材 を 活 か して 綺麗に 作られて いる の が わかる 。 そざい||かつ|||きれいに|つくら れて|||| 着る 相手 を 選び そうな シンプルイズベスト と いう 感じ だ 。 きる|あいて||えらび|そう な||||かんじ|

「 ご しゅじん さま ー 、 これ を 着る の ? |||-|||きる| 」 「 ああ 」 「 わ ー い ! |-| 」 今 まで マント を 羽織って いた フィーロ は その場で 全裸 に なろう と する 。 いま||まんと||はおって||||そのばで|ぜんら|||| 「 ダメです 」 だめです

「 えー 」

それ を ラフタリア が 止めて 、 店 の 奥 へ と 案内 して もらう 。 ||||とどめて|てん||おく|||あんない||

「 じゃあ 魔物 の 姿 に も 変わって ね 」 |まもの||すがた|||かわって|

洋裁 屋 の 声 が 店 の 奥 から 聞こえて くる 。 ようさい|や||こえ||てん||おく||きこえて|

「 なんで ー ? |- 」 「 じゃ ない と リボン が 肉 に 食い込みます よ ー 」 |||りぼん||にく||くいこみ ます||- 「 や ー ! |- 」 微妙に 怖い 事 を 言う な 。 びみょうに|こわい|こと||いう| 「 わかった ー 」 |-

ボフン と 変身 する 時 に 聞こえる 音 が して 、 そして 。 ||へんしん||じ||きこえる|おと|||

「 うん 。 やっぱり 似合う わ ぁ ……」 |にあう||

なんとも うっとり する ような 声 が 聞こえた 。 ||||こえ||きこえた

「 じゃあ 行きましょう ね 」 |いき ましょう| 「 うん ! 」 店 の 奥 から 女性 陣 が 出て きた 。 てん||おく||じょせい|じん||でて| そして フィーロ の 方 へ 目 を 向けた 。 |||かた||め||むけた

…… うん 。 元々 の 容姿 が 良い から か 本格 的に 天使 みたいに なって いる 。 もともと||ようし||よい|||ほんかく|てきに|てんし|||

白い ワンピース に 、 純白の 羽 …… 胸 に 青い リボン が アクセント と して 飾られて いる 。 しろい|わんぴーす||じゅんぱくの|はね|むね||あおい|りぼん||あくせんと|||かざら れて| なんて いう か 、 二 次元 の お 子 様 天使 ヒロイン みたいだ 。 |||ふた|じげん|||こ|さま|てんし|ひろいん|

「 ご しゅじん さま ー 」 |||-

「 あ ? 」 「 どう ? 似合う ? にあう 」 「 まあ 、 似合う んじゃ ない か 」     ここ まで フィーロ の 外見 スペック を 生かした 服 を 作れる と は 、 オタクっぽい 洋裁 屋 、 お前 も なかなか の やり手 な のだろう 。 |にあう||||||||がいけん|||いかした|ふく||つくれる|||おたく っぽい|ようさい|や|おまえ||||やりて|| 「 え へ へ 」

照れた フィーロ が 服 を ひらひら と 靡か せて 笑う 。 てれた|||ふく||||なびか||わらう

洋服 屋 を 出て 、 拠点 に して いる リユート 村 へ 戻る ため に 、 フィーロ に 荷車 を 引か せる 。 ようふく|や||でて|きょてん|||||むら||もどる|||||にぐるま||ひか|

あの 服 は フィーロ が 魔物 の 姿 に なる と 消えて 、 リボン が フィーロ の 首輪 に 変わる と いう 離れ業 を かます ように なって いた 。 |ふく||||まもの||すがた||||きえて|りぼん||||くびわ||かわる|||はなれわざ||||| 高い だけ あって 便利な 機能 が 備わって いる 。 たかい|||べんりな|きのう||そなわって|

「 あ 、 盾 の 勇者 様 」 |たて||ゆうしゃ|さま

城下町 を 出る 時 に 偶然 魔法 屋 に 会う 。 じょうかまち||でる|じ||ぐうぜん|まほう|や||あう

「 リユート 村 に 行く の かい ? |むら||いく|| 」 「 ああ 」 「 私 も ちょっと 用事 で 行く んで 。 わたくし|||ようじ||いく| ついでに 乗せてって くれ ない かい ? |のせて って||| 」 魔法 屋 は 笑顔 で 提案 して きた 。 まほう|や||えがお||ていあん|| どうせ 目ざす 方向 は 一緒だ し 、 魔法 屋 に は 色々 厄介に なって いる から 断る の も どう か と 思う 。 |めざす|ほうこう||いっしょだ||まほう|や|||いろいろ|やっかいに||||ことわる||||||おもう

「 乗り 心地 は 保証 し ない が 良い か ? のり|ここち||ほしょう||||よい| 」 「 一昨日 も 乗った じゃ ない の 」 いっさくじつ||のった||| 「 そう だった な 」

ラフタリア は 既に 乗り物酔い と 戦う ため に なんか 遠く を 見て いる 。 ||すでに|のりものよい||たたかう||||とおく||みて|

「 じゃあ 失礼 して 」 |しつれい|

魔法 屋 の おばちゃん は 荷車 に 乗る 。 まほう|や||||にぐるま||のる

「 よし 、 フィーロ 。 あんまり 速度 を 出さ ない ように 進めよ 」 |そくど||ださ|||すすめよ

「 は ー い 」 |-|

通りかかった 通行人 が 、 フィーロ の 方 を 見て 驚いて いる 。 とおりかかった|つうこうにん||||かた||みて|おどろいて| 喋る 魔物 は 珍しい のだろう 。 しゃべる|まもの||めずらしい|

トコトコ と 荷車 は 道 を 進んで いく 。 ||にぐるま||どう||すすんで|

ここ 数 日 は とても 忙しく 感じた 。 |すう|ひ|||いそがしく|かんじた いや 、 普段 から 忙しい けど 特に 忙しい と いう か 。 |ふだん||いそがしい||とくに|いそがしい|||

その 全て が フィーロ に 集約 されて いる と いう の が なんとも 。 |すべて||||しゅうやく|さ れて|||||| 魔法 屋 か ー …… 魔法 を 覚えたい が 、 ここ で 聞いて も 何 を 言って いる の か わから ない だろう 。 まほう|や||-|まほう||おぼえ たい||||きいて||なん||いって|||||| 俺 は 自身 の 勉強 不足 を 酷 く 嘆いた 。 おれ||じしん||べんきょう|ふそく||こく||なげいた

俺 は やられた 事 は やり返す 。 おれ|||こと||やりかえす 良い 意味 でも 悪い 意味 でも な 。 よい|いみ||わるい|いみ||

だ から 魔法 屋 から 善意 を 受けた なら それ に 報いたい 。 ||まほう|や||ぜんい||うけた||||むくい たい なるべく 、 覚え なくて は いけない 。 |おぼえ|||

あの クソ 勇者 共 の ような 知識 は 俺 に は 無い のだ 。 |くそ|ゆうしゃ|とも|||ちしき||おれ|||ない| だからこそ 、 俺 は 常に 学び 続け なければ いけない のだ 。 |おれ||とわに|まなび|つづけ||| 文字 翻訳 と か レシピ の 解放 の 可能 性 は この際 考え から 外そう 。 もじ|ほんやく|||れしぴ||かいほう||かのう|せい||このさい|かんがえ||がいそう

時間 は 掛かる だろう けど 、 覚えて みよう と 決めた 。 じかん||かかる|||おぼえて|||きめた じゃ ない と 不便だ 。 |||ふべんだ

「 ふ ぁ …… 軽い 」 ||かるい

トコトコ と 荷車 を 運び ながら 、 フィーロ は 欠 伸 交じり に 呟いた 。 ||にぐるま||はこび||||けつ|しん|まじり||つぶやいた

三 人 も 乗って いる 荷車 が 軽い の か 。 みっ|じん||のって||にぐるま||かるい||

良い 傾向 だ 。 よい|けいこう| 俺 に は とある 考え が 既に ある 。 おれ||||かんがえ||すでに| フィーロ が い なくて は でき ない 事 だ 。 |||||||こと|

リユート 村 に 到着 する と 魔法 屋 は 俺 に 銅貨 二五 枚 を くれた 。 |むら||とうちゃく|||まほう|や||おれ||どうか|にご|まい||

「 これ は ? 」 「 運んで くれた 料金 よ 」 はこんで||りょうきん| 「 ああ 、 なるほど 」

これ も 考え の 一 つ に 入れて おこう 。 ||かんがえ||ひと|||いれて|

リユート 村 は 相 も 変わら ず 復興 中 だ 。 |むら||そう||かわら||ふっこう|なか| 宿屋 に 顔 を 出す と 店主 が 快く 俺 達 を 出迎えて くれる 。 やどや||かお||だす||てんしゅ||こころよく|おれ|さとる||でむかえて|

「 さて 、 これ から ラフタリア の 乗り物酔い 克服 訓練 と 材木 運び に 出かける 」 |||||のりものよい|こくふく|くんれん||ざいもく|はこび||でかける

肉 の 代償 と して 復興 の 手伝い を する と 約束 した のだ 。 にく||だいしょう|||ふっこう||てつだい||||やくそく||

「 え !?」

ラフタリア が 渋い 顔 を する 。 ||しぶい|かお|| まあ 、 苦手の 克服 と なったら しょうがない か 。 |にがての|こくふく||||

「 これ から 俺 達 の 移動 手段 は フィーロ の 引く 荷車 に なる んだ ぞ 、 慣れろ 」 ||おれ|さとる||いどう|しゅだん||||ひく|にぐるま|||||なれろ

「 は 、 はい 」

「 は ー い ! |-| 」 「 フィーロ 、 お前 は 引く 側 だ 」 |おまえ||ひく|がわ| 「 うん ! 」 フィロリアル は 本当に 荷車 を 引く の が 好きな んだ な 。 ||ほんとうに|にぐるま||ひく|||すきな|| フィーロ の 目 が メチャクチャ 輝いて る 。 ||め|||かがやいて|

「 あの …… 何 か 考え が ? |なん||かんがえ| 」 「 ああ 、 これ から 俺 達 は 行商 を 始めよう と 思う んだ 。 |||おれ|さとる||ぎょうしょう||はじめよう||おもう| ここ の 領主 に 勧められて な 」 ||りょうしゅ||すすめ られて| 「 行商 、 です か ? ぎょうしょう|| 」 「 あんまり 品揃え は 良く ない が 薬 を 基本 に な 。 |しなぞろえ||よく|||くすり||きほん|| 後 は 運び 屋 と か だ な 。 あと||はこび|や|||| 手広く 行きたい 」 てびろく|いき たい 「 は ぁ ……」

ラフタリア は ピンと 来 ない ようだ 。 ||ぴんと|らい|| 俺 自身 も 成功 する の か 見通し は 立た ない 。 おれ|じしん||せいこう||||みとおし||たた| けど 、 どうせ そろそろ 色々 と 回ら なくちゃ いけない 頃合 な のだ 。 |||いろいろ||まわら|||ころあい||

「 と 言う わけで 、 運び 屋 も する と なる と 、 フィーロ の 最 高速で 荷車 を 引いて いく こと も ある だろう 。 |いう||はこび|や||||||||さい|こうそくで|にぐるま||ひいて||||| その 度 に 乗り物酔い で 倒れられたら 俺 も 困る んだ 」 |たび||のりものよい||たおれ られたら|おれ||こまる| 「 理由 は わかりました けど ……」 りゆう||わかり ました| 「 何 …… 酔い にくい と 言わ れる 場所 を 知っている 。 なん|よい|||いわ||ばしょ||しっている 最初 は そこ で 慣れる と いい さ 」 さいしょ||||なれる|||

「 そんな 所 が ある んです か ? |しょ|||| 」 「 ああ 」 と 、 本日 の 仕事 を 始める 前 に 、 俺 は ラフタリア を 酔い にくい 場所 …… フィーロ の 背中 に 乗せる 。 |ほんじつ||しごと||はじめる|ぜん||おれ||||よい||ばしょ|||せなか||のせる

「 ご しゅじん さま が 良い のに 、 なんで お 姉ちゃん を 背中 に 乗せ なきゃ いけない の ……」 ||||よい||||ねえちゃん||せなか||のせ|||

フィーロ は ラフタリア を 背中 に 乗せて ブツブツ と 呟く 。 ||||せなか||のせて|ぶつぶつ||つぶやく

「 それ は こちら も 同じです 。 ||||おなじです これ 、 かなり 恥ずかしい んです よ 」 ||はずかしい||

フクロウ みたいな 体形 を して いる フィーロ が 中腰 で ラフタリア を 乗せる と なんか 変な 感じ だ な 。 ふくろう||たいけい||||||ちゅうごし||||のせる|||へんな|かんじ||

「 きつく は ない か ? 」 「 うん 。 楽だ よ ー 」 らくだ||-

元々 の 体形 に 近い から な の か 、 フィーロ 自身 は 問題 ない らしい 。 もともと||たいけい||ちかい||||||じしん||もんだい||

「 じゃあ 行く か 」 |いく|

「 うん ! フィーロ の 方 が 役 に 立つ もん ! ||かた||やく||たつ| お 姉ちゃん に は 負け ない よ ー 」 |ねえちゃん|||まけ|||-

「 何 を 競って いる のです か ! なん||きそって||| 」 「 ご しゅじん さま は フィーロ の 方 が 大事だ もん ! ||||||かた||だいじだ| 」 「 負けません ! まけ ませ ん 」 フィーロ は ラフタリア を 乗せ ながら 荷車 を 引いて 行く 。 ||||のせ||にぐるま||ひいて|いく 荷車 と 合わせて 結構な 重量 が ある はずな のに 、 本人 曰 く そこ まで 重く ない と か 。 にぐるま||あわせて|けっこうな|じゅうりょう|||||ほんにん|いわく||||おもく||| と いう か 何 を 言い争って いる の やら 。 |||なん||いいあらそって||| 俺 は その 間 に 、 翻訳 し ながら 中級 レシピ の 本 の 解読 を 始めた 。 おれ|||あいだ||ほんやく|||ちゅうきゅう|れしぴ||ほん||かいどく||はじめた

…… ゴトゴト 。

………… ゴトゴト 。

心地 の 好 い 車輪 音 を バック ミュージック に 難解な 異 世界 言語 に 集中 して いる と 。 ここち||よしみ||しゃりん|おと||ばっく|みゅーじっく||なんかいな|い|せかい|げんご||しゅうちゅう|||

「 あの …… 何故 その 姿 に ? |なぜ||すがた| 」 「 えー ? こうした 方 が ご しゅじん さま 喜ぶ でしょ ? |かた|||||よろこぶ| 」 ……………… ゴトゴト 。 「 絶対 に 怒ります から 、 やめ なさい 」 ぜったい||いかり ます||| 「 でも ご しゅじん さま 、 お 姉ちゃん みたいな の が 好きな んでしょ ? |||||ねえちゃん||||すきな| 」 ん ? ふと 気 が 付いて フィーロ の 方 を 見る と 、 何故 か 人 型 に なって ラフタリア を 背負って いる 。 |き||ついて|||かた||みる||なぜ||じん|かた|||||せおって| ラフタリア が 困り 顔 で 話し掛けて いた のだった 。 ||こまり|かお||はなしかけて||

ヒソヒソ と 通りすがり の 冒険 者 が 俺 達 を 指差し ながら 囁き 合って いる 。 ひそひそ||とおりすがり||ぼうけん|もの||おれ|さとる||ゆびさし||ささやき|あって|

「 変な 噂 が 出る ような 事 を する んじゃ ない ! へんな|うわさ||でる||こと|||| 」 奴隷 の 女の子 に 女の子 を 背負わ せた 挙句 、 荷車 を 引か せて 強制 労働 さ せて いる …… なんて おかしな 噂 が 流れたら やっと 良く なって きた 俺 の 風聞 が 、 また 悪く なる 。 どれい||おんなのこ||おんなのこ||せおわ||あげく|にぐるま||ひか||きょうせい|ろうどう||||||うわさ||ながれたら||よく|||おれ||ふうぶん|||わるく| 「 えー …… ダメな の ? |だめな| 」 「 荷車 を 引いて いる 時 も 人 化 する な 」 にぐるま||ひいて||じ||じん|か|| 「 は ぁい 」

不満 そうに フィーロ は 頷き 、 魔物 の 姿 に 戻る 。 ふまん|そう に|||うなずき|まもの||すがた||もどる たぶん 、 退屈な んだろう 。 |たいくつな|

ラフタリア も まだ 乗り物酔い を して いない ようだ 。 |||のりものよい|||| ならば 少し ハードに して も 大丈夫 か 。 |すこし|はーどに|||だいじょうぶ|

「 よし 、 じゃあ スピード アップ だ 」 ||すぴーど|あっぷ|

「 わ ー い ! |-| 」 俺 の 指示 に フィーロ は テンション を 上げて 頷き 、 走り出す 。 おれ||しじ||||てんしょん||あげて|うなずき|はしりだす ガラガラ と 荷車 の 車輪 が 音 を 立てて 回る 。 ||にぐるま||しゃりん||おと||たてて|まわる

「 わ ! 」 ラフタリア が 驚き の 声 を 出し 、 フィーロ に しがみつく 。 ||おどろき||こえ||だし||| まあ 、 目的 地 まで 早く 辿り着ける だろう 。 |もくてき|ち||はやく|たどりつける|

このあと も 、 ラフタリア の 乗り物酔い 克服 訓練 は しばらく 続いた 。 ||||のりものよい|こくふく|くんれん|||つづいた