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世界の昔話, ヘビの魔法 – Text to read

世界の昔話, ヘビの魔法

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ヘビ の 魔法

ヘビ の 魔法

むかし むかし 、兄さん と 妹 の 二 人 の 兄弟 が いました 。 兄さん は いじわるで とても 欲張りでした が 、妹 は 美しくて 気 の 優しい 娘 でした 。 お 父さん が 死ぬ と 、兄さん は お 父さん の お 金 や 持ち物 を みんな 自分 一 人 の 物 に して しまい ました 。 妹 に は 、たった 一 粒 の トウモロコシ さえ 分けて やら なかった のです 。 仕方なく 妹 は 部屋 の すみ に 残って いた 、たった 一 つ の カボチャ の タネ を 裏庭 に 植えて 、大事に 育て ました 。 カボチャ は じきに 大きく なり 、毎日 毎日 、おいしい 実が いくつ も 出来 ました 。 妹 は その カボチャ を 売って 、なんとか 暮らして いました 。

ある 日 、兄さん が 妹 の 家 に やってきました 。 「おい 、カボチャ 畑 は どこ だ 」「あら 、兄さん 。 裏庭 です よ 。 でも 兄さん 、カボチャ を 見て どう する んです ? 」と 、妹 が 聞き ました 。 「根こそぎ 、抜いて やる の さ 。 こんな すばらしい カボチャ は 、お前 に は もったいない 」妹 は 兄さん の あとを 追って 、急いで カボチャ 畑 へ 行きました 。 兄さん は ナイフ を つかんで 、今にも カボチャ の くき を 切ろう と して い ます 。 「お 願い です 。 これ が なかったら 、明日 は 暮らして いけ ない んです ! 」妹 は カボチャ の 切ら れ ない よう 、くき を 手 で しっかり と にぎり ました 。 「ふん ! 関係 ない ね ! 」兄さん は かまわず カボチャ の つる と 一緒に 、妹 の 右手 を 切り落として しまい ました 。 右手 を 切り落とされた 妹 は 、ワッ と 泣き出す と 、むちゅうで 森 へ 逃げて いき ました 。 それから けもの に 襲われ ない ように 木 に のぼって 、シクシクと 泣き続けました 。 涙 が ほお を 伝って 、あとから あとから 流れました 。 そこへ よ その 国 の 王子 が 、狩り を する ために ここ を 通りかかりました 。 「ここで 、しばらく 休んで いこう 。 ひと休み して から 、また 狩り を 続けよう 」と 、言って 、王子 は 右手 の ない 娘 が 泣いて いる 木 の 下 に 腰 を おろし ました 。 娘 の 涙 が 、ポトン と 王子 の ほお に あたり ました 。 「おや 、雨 かな ? 」けれども 空 は 青く すんで いて 、雲 一 つ 見え ませ ん 。 ポトンと 、もう ひとしずく おちて 、王子の ほおを ぬらしました 。 「これは 不思議 。 きっと この 木の 上に 、何かが いるんだ な 」王子は 木に のぼって 、右手の ない 娘を 見つけました 。 その 娘が あまりにも 美しいので 、王子は すぐに 好きになりました 。 そして 、お嫁さん に しよう と 思いました 。 「さあ 、もう 怖がる 事 は ない よ 。 行く ところ が ない のなら 、ぼく の お城 へ 来なさい 」王子 は 大きな きれ に 娘 を 包んで 、お城 ヘ 帰りました 。 お城 で は 王さま も おきさきさま も 、美しい 娘 が 気に入りました 。 やがて 王子 と 右手 の ない 娘 は 結婚 して 、 お 城 で 楽しく 暮らし ました 。 国 中 の 人 が 、美しくて 若い お きさき を ほめ ました 。 それ と 一緒に 、若い お きさき に は 右手 が ない と いう うわさ が 国 中 に 広がり ました 。 王子 と 若い お きさき に は 、可愛らしい 男の子 が 生まれ ました 。 王子 と 若い おきさき は 、ますます 幸せでした 。

ところが 間もなく 、王子 は 遠い 地方 を おさめる ために 長い 旅 に 出かける ことに なりました 。 若い おきさき は 、赤ちゃん と 一緒に お城 に 残りました 。 ちょうど その 頃 、 お 城 の ある 町 へ 、 よそ の 国 の 男 が やって 来ました 。 その 男 と いう の は 、若い お きさき の 兄さん だった のです 。 兄さん は ちっとも 働か なかった ので 、お 父さん から もらった お 金 も 持ち物 も 、すっかり 使い 切って しまって い ました 。 そして 、あっち の 村 、こっち の 町 と 歩き まわって は 、人 を だまして お 金 を 取って いた のでした 。 お 城 の 近く に 来た 兄さん は 、若い お きさき に は 右手 が ない と いう うわさ を 聞き ました 。 そして 王子 が 、旅 に 出て いる 事 を たしかめる と 、「こいつ は しめた 。 その 若い おきさき と いう の は 、妹 の 奴 に ちがいない 。 こりゃあ 、運 が いい ぞ 」と 、つぶやいて 、お城 へ 出かけて いきました 。 「王さま 、おきさきさま 。 わたくし は 王子 さま を 、お 救い し に まいり ました 」と 、兄さん は 言い ました 。 「 若い お きさき に なられた 方 は 、 魔女 ( まじょ ) です 。 わたし の 国 で 六 度 も 結婚 して 、六 度 も 夫 を 殺した 女 です 。 王子 さま も 旅 から お 帰り に なれば 、きっと この 恐ろしい 魔女 に 殺されて しまい ます 。 早く 若い おきさき を 殺して しまう ほう が 、よろしゅう ございます 」と 、さも 、本当 らしく 話し ました 。 王さま も 、おきさきさま も 、始め は 信じよう と し ませんでした が 、でも 兄さん が 繰り返し繰り返し 言い ます ので 、とうとう 若い おきさき を 恐ろしい 魔女 だ と 思い込んで しまった のです 。 そこ で 王さま と お きさき さま は 兵士 に 言いつけて 、 若い お きさき と 赤ちゃん を 森 へ 追い 出て しまいました 。 そして 、「王子 が 帰ったら 、若い おきさき は 死んだ と 言いましょう 」と 、言って 、空っぽの お墓 を 二つ つくり ました 。 兄さん は 王さま を だまして お金 を たくさん もらう と 、お城 の そば に 大きな 家 を 建てました 。 お城 から 追い出された 右手 の ない 若い おきさき は 、ツボ を 一つ 持った まま 、あてもなく 森 を さまよい 歩きました 。 「ああ 、これから 、どうしたらいいのかしら ? 」と 、若い おきさき は 草 の 上 に すわって 、深い ためいき を つきました 。 すると そば の 草むら から 、ヘビ が 出て きて 言い ました 。 「助けて ください 。 あなた の ツボ に 隠して ください 。 追い かけ られて いる んです 」若い お きさき は 、ツボ を 転がして やり ました 。 ヘビ は 、ツボ の 奥 に とぐろ を まく と 、「日 の 光 から 、ぼく を 守って ください 。 その代わり 、あなた を 雨 から 守り ます から 」と 、わけ の 分からない 事 を 言いました 。 若い おきさき が 聞き返す ひまもなく 、もう 一匹 の ヘビ が 現れました 。 そして 、「おれ の 仲間 を 、見かけなかった か ね ? 」と 、たずねました 。 「あっち へ 、行きました よ 」若い おきさき は 、森 の 奥 を 指さして 言いました 。 すると あと から 出てきた ヘビ は 、木 の 間 を すべり抜けて 行って しまいました 。 ツボ の 中 の ヘビ が 、ツボ から 出てきて 言いました 。 「ありがとう ございます 。 ご恩 は 決して 忘れ ませ ん 。 でも 、どうして こんな ところ に いる のです か ? 」 そこ で 若い お きさき は 、今 まで の 事 を 残らず ヘビ に 話し ました 。 すると ヘビ は 、「ぼく の 国 へ 、いらっしゃい 。 ちょっと 遠い です が 、しんぼう して ください 。 ぼく を 日 の 光 から 守って くださったら 、あなた を 雨 から 守り ます 。 きっと 、ご 恩返し を いたし ます 」と 、言い ました 。 若い おきさき は 赤ん坊 を 抱いて 、ヘビ の あと から 歩いて いき ました 。 やがて 、広い 湖 に つき ました 。 「ここ で 、しばらく 休みましょう 。 水 を あびて いらっしゃい 。 ぼく は ここ で ひと 眠り し ます 」と 、ヘビ が 言い ました 。 湖 の 水 は 透き通って いて とても きれいだった ので 、若い お きさき は 子ども の 体 を 洗い ました 。 気持ち が いい の か 、子ども は 手足 を バタバタ さ せて 喜び ます 。 ところが あんまり 暴れた ので 、あっという間 に 若い お きさき の 左手 から すべり落ちて 、湖 の 底 に 沈んで しまい ました 。 その とたん 、透き通って いた 湖 の 水 が 黒く にごり ました 。 若い おきさき は 腰 まで 水 に つかって 左手 で 探し ました が 、どんなに 探して も 子ども は 見つかり ませ ん 。 若い おきさき は 涙 を ふこう と も しないで 、ヨロヨロ と ヘビ の そば に 近寄り ました 。 「どっち の 手 で 、探した のです か ? 」と 、ヘビ が 尋ねました 。 「まあ 、左手 に 決まって いる じゃ ありません か 。 右手 は 手首 まで しか ない んです から 、子ども を つかまえ られません もの 」「では 、右手 も 水 に つけ なさい 。 きっと 、お子さん が 見つかります よ 」ヘビ に 言われて 、若い おきさき は 湖 に 戻りました 。 腰 を かがめて 、右手 と 左手 を 水 に つけました 。 すると 子ども が 両手 の あいだ に 、スルリと 入りました 。 若い おきさき は 大喜びで 、子ども を 抱き上げました 。 子ども は 、キャッキャッ ! と 、声 を あげて 笑い ます 。 まだ 、おぼれて い なかった のです 。 若い おきさき は 、子ども を 何度 も 何度 も 抱きしめ ました 。 その うち に 、ふと 右手 を 見 ました 。 「あら ! 」若い おきさき は 、ビックリ 。 右手 が いつの間にか 、ちゃんと 元通りに 治って いる で は あり ませ ん か 。 「まあ 、うれしい 。 ヘビ さん 、ありがとう 」若い お きさき は 、おどりあがって 喜び ました 。 「さあ 、出かけましょう 。 ヘビ の 国 の 父 と 母 は 、 ぼく を 助けて くださった あなた に お 礼 を いう でしょう 」 「 まあ 、 お 礼 なら 、 もう たっぷり いただいた わ 。 子ども を 助けて くださった し 、右手 も 治して くださった し 」「いいえ 、『日 の 光 から 守って くださったら 、あなた を 雨 から 守ります 』って 、言いました ね 。 まだ その 約束 を 果たして ない のです 」と 、ヘビ が 言い ました 。

長い 長い 旅 を して 、やっと ヘビ 王国 に つき ました 。 若い おきさき を 案内 して きた の は 、ヘビ 王国 の 王子 だった のです 。 ヘビ の 王さま と おきさきさま は 、若い おきさき と その 子ども を あつく もてなして くれ ました 。 二人 は ヘビ 王国 で 、楽しい 毎日 を 送り ました 。 何 ヶ月 も 過ぎて 、若い おきさき は そろそろ 人間 の 国 ヘ 帰ら なければ なら ない と 思い ました 。 「おや 、もう お帰り です か ? おなごりおしい です ね 。 父 と 母 が 、きっと いろいろな おみやげ を さしあげる でしょう 。 でも 決して 、それを 受け取って は いけません 。 父 から は 指輪 を 、母 から は 小箱 を もらって ください 」と 、ヘビ の 王子 が 教え ました 。 若い おきさき が ヘビ の 王さま と おきさき の ところ へ お別れの あいさつ に 行くと 、二人 は 金 や 銀 や 宝石 を 若い おきさき の 前 に つみあげました 。 「ありがとう ございます 。 でも 、こんなに たくさん おみやげ を いただいて も 、わたくし 一人 で は 持って まいれ ませ ん 。 王さま から は 指輪 を 、おきさきさま から は 小箱 を いただきとうございます 」と 、若い おきさき が 言いました 。 「おや ? 息子 が 話した のです ね 。 いい です と も 。 あなた は 息子 の 命 を すくって くださった のです から 」と 、いって 、ヘビ の 王さま は 指輪 を くれ ました 。 「何 か 食べ物 が いりようでしたら 、この 指輪 に 言って ください 。 きっと 、お 役 に 立ち ます よ 」すると ヘビ の お きさき が 、小 箱 を 取り出して 、「着る 物 や 家 が ほしかったら 、この 小 箱 に 言って ください 。 きっと 、のぞみ が かなえ られ ます よ 」と 、言い ました 。 若い お きさき は 何度 も お 礼 を 言って 、指輪 を 指 に はめ 小 箱 を ふところ に かくし ました 。

子ども を 抱いて ヘビ 王国 を 出た 若い お きさき は 、お 城 を 追われた 時 と は 見違える ほど 生き生き と して い ました 。 若い お きさき は 、王子 と 暮らした お 城 を めざして 歩いて いき ました 。 ちょうど その 頃 、王子 は 長い 旅 から お 城 へ 戻った ところ でした 。 そして 若い お きさき も 子ども も 、死んで しまった と 聞か さ れた 王子 は 、「ああ 、わたし さえ 旅 に 出 なかったら 、死んだり は し なかった だろう に 」と 、言って 悲しみ ました 。 王子 は 朝 から 晩 まで 何も 食べ ず に 、若い お きさき と 子ども の 名 を 呼んで 部屋 に 閉じこもった きり でした 。 王さま と おきさきさま は 、王子 が 死んで しまう ので は ない か と 心配 し ました 。

ある 日 の 朝 早く 、王子 は つめたい 空気 を すって みよう と 窓 を 開け ました 。 すると 向こう に 、見た 事 の ない 立派な 家 が 見え ました 。 (あれ は 、誰 の 家 だろう ? あんなに 大きな 家 に 住んで いる の なら 、きっと 金持ち に ちがいない )王子 は 、召使い に 尋ねました 。 「王子さま 、わたくし も 昨日 、初めて 気がついた ので ございます 。 人の うわさ で は 、美しい 女 の 人 と 子ども が 百 人 の 召使い と 暮らして いる そうでございます 」と 、召使い が 言いました 。 「今夜 、あの 家 へ 行って みよう 」王子 が 外 へ 出かける 気に なった と 聞いて 、王さま も おきさきさま も ホッと しました 。 太陽 が 沈んで すずしい 風 が ふき はじめた とき 、王子 は 新しく 建った 家 に 出かけて いき ました 。 王子 の あと に は 、王さま と おきさき さま が 続き ました 。 その うしろ に は 、大臣 たち が 行列 を つくり ました 。 新しい 家 と いう の は 、若い おきさき が 小箱 に 頼んで つくって もらった 家 だった のです 。 行列 の 足音 を 聞いて 、若い おきさき は 窓 の そば に かけよりました 。 王子 たち が 来る の を 見ると 、今度 は 指輪 に 頼んで ごちそう の 用意 を しました 。 若い おきさき は 、王子 たち を 玄関 に 出むかえました 。 王子 は 若い おきさき を 見て 、夢か とばかり 喜びました 。 「おお 、生きて いて くれた のか ! いったい 、どこ に いた のだ ? 」と 、王子 が 尋ねました 。 若い おきさき は 、お城 を 追われて から の 出来事 を ありのまま 話しました 。 「だが どうして 、城 から 追い出された のだ ? 」と 、王子 が 再び 尋ねました 。 すると 王さま と おきさきさま が 、はずかしそうに 、「よその 国 の 男 が 来て 、若い おきさき を 恐ろしい 魔女 だ と 言った ので 」と 、言って 、うつむいて しまいました 。 若い おきさき に は 、その 男 は 兄さん だ と いう こと が すぐに わかりました 。 若い お きさき が 姿 を 消した の は 悪い 兄さん の ため だった と いう 事 が 、国 中 に 知れ渡りました 。 意地悪で うそつきで 欲張りの 兄さん は 、すぐさま 国 を 追い出されました 。 それからというもの 、若い お きさき は 誰 に も じゃま されずに 王子 と 子ども と 三 人 で 幸せに 暮らしました 。 その 国 に は 今 でも 『ヘビ を 殺しては 、いけない 』と いう 決まり が ある そうです 。

おしまい

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