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Fairy Tales, 若狭姫(わかさひめ)

若狭 姫 (わか さ ひめ)

若狭 姫 ( わか さ ひめ )

1543 年 9 月 23 日 、 種子島 に 漂着 した ポルトガル 人 の 乗組員 から 、 二 挺 の 鉄砲 が 日本 へ 伝わり ました 。 当時 の 島 主 である 十六 歳 の 種子島 時 尭 ( たね が しま と きた か ) は 、 轟音 と ともに 、 はるか 遠く の 的 を 射 抜く 不思議な 武器 に 夢中に なり 、 種子島 に 漂着 した ポルトガル 人 から 、 今 の お 金 で 一億 以上 の 大金 で 二 挺 の 鉄砲 を 買い取った のです 。 そして 、 その 鉄砲 と 同じ 物 を 作ら せよう と 考えた 時 尭 ( と きた か ) は 、 鍛冶 屋 の 頭領 である 八板金兵衛 清 定 ( やいた きん べ えき よ さ だ ) に 白羽 の 矢 を 立て ました 。 「 これ は 鉄砲 と いって 、 弓矢 より も はるかに 強力な 武器 だ 。 使い 方 一 つ で は 、 日本 を 変える かも しれ ん 。 金 兵 衛 よ 、 これ と 同じ 物 を 作って くれ 」 島 主 から あずかった 一 挺 の 鉄砲 を 、 おそるおそる 分解 した 金 兵 衛 ( きん べ え ) は 、 寝食 を 忘れて 鉄砲 の 研究 を し ました 。 さて 、 金 兵 衛 に は 美しく 優しい 娘 が いて 、 名 を 若狭 ( わか さ ) と 言い ます 。 若狭 は 女 ながら 金 兵 衛 の 仕事 を ずいぶん と 助けて 、 鉄砲 の 研究 は どんどん 進み ました 。 しかし 、 どうしても 銃身 の 底 の 作り 方 が わから ない のです 。 さすが の 名人 に も どう する 事 も 出来 ず 、 異国 の ポルトガル 人 に その 製法 を 聞き ました 。 する と ポルトガル 人 は 、 「 あはは は は 。 銃身 の 底 を 作る 技術 は 、 われわれ ポルトガル 人 の 秘密の 技術 です 。 小さな 島国 の 原住民 に 開発 する の は 、 とうてい 無理でしょう 。 ですが 、 お嬢さん の 若狭 を 嫁 に くれる なら 、 製法 を 教えて も よい です よ 」 と 、 言って きた のです 。 銃身 の 底 を ふさいで いる の は 、 実は ただ の ネジ だった のです が 、 当時 の 日本 に は ネジ と いう 物 が なかった のです 。 「 大切な 娘 を 、 異国 の 人間 の 嫁 に は やれ ん ! 」 金 兵 衛 は 、 きっぱり と 断り 、 必死に 銃 底 の 改良 に 取り組み ました が 、 どう 頑張って も うまく いき ませ ん 。 その うち に その 話 が 、 若狭 の 耳 に 入って しまい ました 。 「 私 が 異人 の 嫁 に なれば 、 父 の 助け に なる 」 十七 歳 の 若狭 は 思い悩み ました が 、 父 の 為 に ポルトガル 人 の 妻 に なる 事 を 決心 した のです 。 こうして 銃 底 を 塞ぐ ネジ の 存在 を 知った 金 兵 衛 の 手 に よって 、 国産 第 一 号 の 鉄砲 である 『 種子島 銃 』 が 完成 した のです 。 一方 、 ポルトガル 人 の 妻 と なった 若狭 は 、 まもなく 日本 を 去り ました が 、 翌年 、 再び 島 に 帰って き ました 。 その 時 、 父 の 金 兵 衛 は 二度と 若狭 が 連れて 行か れ ない ように と 、 若狭 が 急死 した と 言って 、 うそ の 葬式 を 出した のです 。 ポルトガル 人 の 夫 は その うそ を 見抜き ました が 、 愛する 妻 の 若狭 が 故郷 に い たい の なら と 、 そのまま ポルトガル に 帰って いった そうです 。

おしまい


若狭 姫 (わか さ ひめ) わかさ|ひめ|||

若狭 姫 ( わか さ ひめ ) わかさ|ひめ|||

1543 年 9 月 23 日 、 種子島 に 漂着 した ポルトガル 人 の 乗組員 から 、 二 挺 の 鉄砲 が 日本 へ 伝わり ました 。 とし|つき|ひ|たねがしま||ひょうちゃく||ぽるとがる|じん||のりくみいん||ふた|てい||てっぽう||にっぽん||つたわり| 当時 の 島 主 である 十六 歳 の 種子島 時 尭 ( たね が しま と きた か ) は 、 轟音 と ともに 、 はるか 遠く の 的 を 射 抜く 不思議な 武器 に 夢中に なり 、 種子島 に 漂着 した ポルトガル 人 から 、 今 の お 金 で 一億 以上 の 大金 で 二 挺 の 鉄砲 を 買い取った のです 。 とうじ||しま|おも||じゅうろく|さい||たねがしま|じ|たかし||||||||ごうおん||||とおく||てき||い|ぬく|ふしぎな|ぶき||むちゅうに||たねがしま||ひょうちゃく||ぽるとがる|じん||いま|||きむ||いちおく|いじょう||たいきん||ふた|てい||てっぽう||かいとった| そして 、 その 鉄砲 と 同じ 物 を 作ら せよう と 考えた 時 尭 ( と きた か ) は 、 鍛冶 屋 の 頭領 である 八板金兵衛 清 定 ( やいた きん べ えき よ さ だ ) に 白羽 の 矢 を 立て ました 。 ||てっぽう||おなじ|ぶつ||つくら|||かんがえた|じ|たかし|||||かじ|や||とうりょう||やっ いた かね ひょうえ|きよし|てい|||||||||しらは||や||たて| 「 これ は 鉄砲 と いって 、 弓矢 より も はるかに 強力な 武器 だ 。 ||てっぽう|||ゆみや||||きょうりょくな|ぶき| 使い 方 一 つ で は 、 日本 を 変える かも しれ ん 。 つかい|かた|ひと||||にっぽん||かえる||| 金 兵 衛 よ 、 これ と 同じ 物 を 作って くれ 」   島 主 から あずかった 一 挺 の 鉄砲 を 、 おそるおそる 分解 した 金 兵 衛 ( きん べ え ) は 、 寝食 を 忘れて 鉄砲 の 研究 を し ました 。 きむ|つわもの|まもる||||おなじ|ぶつ||つくって||しま|おも|||ひと|てい||てっぽう|||ぶんかい||きむ|つわもの|まもる|||||しんしょく||わすれて|てっぽう||けんきゅう||| さて 、 金 兵 衛 に は 美しく 優しい 娘 が いて 、 名 を 若狭 ( わか さ ) と 言い ます 。 |きむ|つわもの|まもる|||うつくしく|やさしい|むすめ|||な||わかさ||||いい| 若狭 は 女 ながら 金 兵 衛 の 仕事 を ずいぶん と 助けて 、 鉄砲 の 研究 は どんどん 進み ました 。 わかさ||おんな||きむ|つわもの|まもる||しごと||||たすけて|てっぽう||けんきゅう|||すすみ| しかし 、 どうしても 銃身 の 底 の 作り 方 が わから ない のです 。 ||じゅうしん||そこ||つくり|かた|||| さすが の 名人 に も どう する 事 も 出来 ず 、 異国 の ポルトガル 人 に その 製法 を 聞き ました 。 ||めいじん|||||こと||でき||いこく||ぽるとがる|じん|||せいほう||きき| する と ポルトガル 人 は 、 「 あはは は は 。 ||ぽるとがる|じん||あ は は|| 銃身 の 底 を 作る 技術 は 、 われわれ ポルトガル 人 の 秘密の 技術 です 。 じゅうしん||そこ||つくる|ぎじゅつ|||ぽるとがる|じん||ひみつの|ぎじゅつ| 小さな 島国 の 原住民 に 開発 する の は 、 とうてい 無理でしょう 。 ちいさな|しまぐに||げんじゅうみん||かいはつ|||||むりでしょう ですが 、 お嬢さん の 若狭 を 嫁 に くれる なら 、 製法 を 教えて も よい です よ 」 と 、 言って きた のです 。 |おじょうさん||わかさ||よめ||||せいほう||おしえて||||||いって|| 銃身 の 底 を ふさいで いる の は 、 実は ただ の ネジ だった のです が 、 当時 の 日本 に は ネジ と いう 物 が なかった のです 。 じゅうしん||そこ||||||じつは|||ねじ||||とうじ||にっぽん|||ねじ|||ぶつ||| 「 大切な 娘 を 、 異国 の 人間 の 嫁 に は やれ ん ! たいせつな|むすめ||いこく||にんげん||よめ|||| 」   金 兵 衛 は 、 きっぱり と 断り 、 必死に 銃 底 の 改良 に 取り組み ました が 、 どう 頑張って も うまく いき ませ ん 。 きむ|つわもの|まもる||||ことわり|ひっしに|じゅう|そこ||かいりょう||とりくみ||||がんばって||||| その うち に その 話 が 、 若狭 の 耳 に 入って しまい ました 。 ||||はなし||わかさ||みみ||はいって|| 「 私 が 異人 の 嫁 に なれば 、 父 の 助け に なる 」   十七 歳 の 若狭 は 思い悩み ました が 、 父 の 為 に ポルトガル 人 の 妻 に なる 事 を 決心 した のです 。 わたくし||いじん||よめ|||ちち||たすけ|||じゅうしち|さい||わかさ||おもいなやみ|||ちち||ため||ぽるとがる|じん||つま|||こと||けっしん|| こうして 銃 底 を 塞ぐ ネジ の 存在 を 知った 金 兵 衛 の 手 に よって 、 国産 第 一 号 の 鉄砲 である 『 種子島 銃 』 が 完成 した のです 。 |じゅう|そこ||ふさぐ|ねじ||そんざい||しった|きむ|つわもの|まもる||て|||こくさん|だい|ひと|ごう||てっぽう||たねがしま|じゅう||かんせい|| 一方 、 ポルトガル 人 の 妻 と なった 若狭 は 、 まもなく 日本 を 去り ました が 、 翌年 、 再び 島 に 帰って き ました 。 いっぽう|ぽるとがる|じん||つま|||わかさ|||にっぽん||さり|||よくねん|ふたたび|しま||かえって|| その 時 、 父 の 金 兵 衛 は 二度と 若狭 が 連れて 行か れ ない ように と 、 若狭 が 急死 した と 言って 、 うそ の 葬式 を 出した のです 。 |じ|ちち||きむ|つわもの|まもる||にどと|わかさ||つれて|いか|||||わかさ||きゅうし|||いって|||そうしき||だした| ポルトガル 人 の 夫 は その うそ を 見抜き ました が 、 愛する 妻 の 若狭 が 故郷 に い たい の なら と 、 そのまま ポルトガル に 帰って いった そうです 。 ぽるとがる|じん||おっと|||||みぬき|||あいする|つま||わかさ||こきょう||||||||ぽるとがる||かえって||そう です

おしまい