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JIN-仁-, JIN-仁- #11 (1)

JIN - 仁 - #11 (1)

≪( 仁 ) 死んで は いけ ませ ん 坂本 龍 馬 が …

こんな ところ で !

( 龍 馬 ) 戻る ぜ よ ! 先生

ああ ~ ッ !

龍 馬 さん ?

龍 馬 さん !

( 久 坂 ) 坂本 の 姿 が 消えた ?

倒れて いた の は あの 医者 一 人 で →

死体 と なって 流さ れた ので は ない か と 思う が

どう する ?

坂本 ごとき で

面倒な こと に なる の は ごめん じゃ

( 門 を たたく 音 )

私 は 助かった んです が 龍 馬 さん が

( 橘 ) 勝 先生 に 頼んで 探索 の 手 を 出して もらい ます

咲 南方 先生 に お 着替え を

( 咲 ) はい …

私 は この あたり から 川 を 上がり ました

ちょうど あの 崖 の 上 から この 川 に 落ち ました

龍 馬 さん は ここ より も 下流 に 流さ れた の か と

ちょっと 尋ねる が この あたり に 流れ 着いた 者 は おら ぬ か ?

≪( 勝 ) 龍 の 字 のだ な

長 州 の 人 達 に 仕組ま れ たって こと は

どう だろう な

( 門下 生 ) 勝 先生 久 坂 は →

何事 も なかった ように たった そうです →

周辺 に 死体 を 捨てた あと も なく

と なる と … 龍 馬 は 死んで 流さ れた か

どこ か へ 身 を 隠した か

それとも 神 隠し に でも あったか

どっち に しろ 海軍 は 当分 龍 馬 なし って ことか

日本 は 坂本 龍 馬 なし に 進む って こと です か !?

そう さ

だが 先生

あいつが なく なりゃ

あいつ の 代わり に なる 奴 が おのずと 出て きて

あいつ が やる はずだった こと を やる もん さ

世の中 って の は そういう もん だ と 俺 は 思う よ

まあ もう 少し 捜す さ

〈 心配 し ない わけで は なかった が 〉

〈 俺 は 半ば 確信 し つつ あった 〉

〈 龍 馬 さん は タイム スリップ して しまった ので は ない だろう か 〉

〈 そして あの 患者 と して 病院 に 運ば れて きて 〉

〈 もの珍しい 土産 と して 〉

〈 救急 医療 用 の パッキン や ホルマリン を 持ち出そう と した 〉

やり そうだ

〈 だけど 龍 馬 さん が 〉

〈 あの 患者 と して 戻った と いう こと は 〉

〈 俺 は もう 戻れ ない と いう こと だろう か 〉

《≪( 咲 ) 南方 先生 》

《 今 まで ありがとう ございました 》

〈 もう 誰一人 〉

〈 秘密 を 分かち合って くれる 人 も なく 〉

〈 ここ で 一 人 生きて いく のだろう か 〉

〈 見慣れて た はずの 江戸 が 〉

〈 別の 町 に 見えた 〉

〈 そして …〉

〈 坂本 龍 馬 だけ を どこ か へ 押しやった まま 〉

〈 時 の 川 は 再び 流れ 始めた 〉

〈 それぞれ を あるべき 運命 の 船 に 乗せ 〉

あの 方 が 蒲 毛 殿 だ

( 彦三郎 ) いよいよ だ な 野 風

《( 咲 ) 先生 は 野 風 さん を 》

《 見殺し に しよう と した んじゃ ない んです か !》

《 未来 さん の ため に !》

《 その 子 が 生まれ ん こと で 》

《 悲しむ もん も 困る もん も 誰 っちゃ おら ん ぜ よ 》

これ で いい んだ

≪( 佐分利 ) 南方 先生

どうした ん です か ?

( 佐分利 ) 乳 の 岩 の こと なら お 役 に 立てる かも しれ ま へん

〈 時 の 川 は 再び 流れ 始めた 〉

〈 それぞれ を あるべき 運命 の 船 に 乗せ 〉

〈 運んで いく 〉

〈 誰 も 見た こと の ない 〉

〈 時 の かなた へ 〉

〈 俺 の 知ら ない 未来 へ と 続く 〉

〈 運命 の 扉 〉

♪♪~

これ は 以前 私 が 乳 の 岩 に ついて 調べた もん です

すごい で すね これ 一体 どう やって こんな

女 郎達 に 金 を 払って 調べ させて もらって た んです

女 郎 ? つう と も 初め は →

これ が きっかけ で 知り合った んです

乳 の 岩 かも しれ へん 患者 さん が いる んです よ ね ?

私 に も その方 を 調べ させて もらえ ま へんか ?

いや … 先方 から は

これ 以上 調べて ほしい と は 言わ れて ませ ん し

らしゅう お ま へんな

「 切る な 」 言う て も 切る の が 南方 先生 で っし ゃろ

もう いっぺん 調べて み ま へんか ?

ほん ま に 岩 やったら あれ です けど …

岩 や ない って 分かる こと も ある わけです し

( 野 風 ) なぜ …

≪( 禿 ) 花魁 →

南方 先生 より 文 であり ん す

ガン じゃ ない こと だって あり える んだ よ な

佐分利 先生 お 願い し ます

はい

野 風 さん 乳 より 汁 など は 出た こと は あり ます か ?

乳首 の まわり を 押したり した とき など に

あり ん す

≪( 佐分利 ) しこり は 硬く 周囲 と 癒着 が あり ます

熱 や 疼 痛 も なく その他 の 様子 から も

乳 ようと は 思え ま へん →

まだ わき の 下 に しこり は 見え ませ ん が

乳 の 岩 特有の 汁 も 出る

私 の 経験 で は まず 岩 に 間違い あり ま へん

そう と も 言い切れ ない んじゃ ない でしょう か ?

え ッ !

乳 頭 分泌 は 悪性 の 岩 に 限った こと で は あり ませ ん し

良性 の もの であれば 取り出す 必要 も ない でしょう し

先生 間違い なく たち の 悪い 岩 で すって !

乳房 に メス を 入れる の は 大変な こと な んです

切る こと に なれば …

身 請け 話 も つぶして しまう こと に なる

私 に は まだ 判断 が … しかし !

南方 先生 が そう おっしゃる の なら

切ら ぬ 方 が よい のであり ん しょう

私 の 診 立て は 信用 して もらえ へん って こと です よ ね

そう じゃ ない んです

確定 が でき ない 以上 私 に 切る 勇気 が ない って だけ で

だから それ は 信用 して もらえ なかった っ ちゅうこ と です

≪( 山田 ) こない だ 打ち明け られた のです が →

佐分利 殿 は 以前 華岡 流 にて 学び

乳 の 岩 の 研究 が 「 合 水 堂 」 の 当主 華岡 良平 先生 に 認め られて

あの 若 さ で 何と

華岡 流 の 免許 皆 伝 に なった そうで ございます

が ある とき 研究 に 協力 した 女 郎 から

乳 の 岩 の 手術 を 頼ま れ まして

まあ 手術 に は 成功 した のです が

その 女 郎 感染 症 が もと で 亡くなって しまった そうです

佐分利 殿 を 面白く 思わ ない 者 達 に

ここぞとばかり に 「 人斬り 医者 」 と やられた そうで

身の上 を 隠し 逃げる ように して こちら に 来た そうです

佐分利 先生 は 私 の ため に 身の上 を 明かす 決心 を

ええ 手術 と なれば

エーテル より 深く 長く 効く 麻酔 が 必要であろう と

すでに 華岡 流 秘伝 の 麻酔 薬

「 通 仙散 」 を 作る 準備 も 始めて

秘伝 の もの なんか … いい んです か ?

佐分利 先生 は 以前 の 腑分 け の こと を

つぐない たい のだ と 思い ます

《 よい もの は 流派 を 超え 広めて いく べきです 》

《 それ が 医 の 道 の ため です から 》

喜ば れる でしょう ね

緒方 先生

生きて いら したら

( 茜 ) もう 何 か ある たび うらぶれ ん の やめて くれる !?

こら ッ !

( 物音 )

もう い ない んだ よ な

坂本 殿 から 連絡 が ない か

先生 に 聞き に いこう と 思う のだ が ともに

行って らっしゃい ませ

( 初音 ) 何 ゆえ の ご 登 楼 … で ?

妹 に 縁談 が きた →

よい 話 だ

家 格 は 当 家 より も 上 人物 も 申し分 ない

何より 咲 を 気 に 入って くださって おる

が … 咲 に は 別に 慕って いる 男 が おる

あいつ の 性分 で は うまく やれ ぬ 気 が する

もしや あ ちき に 仕返し に ?

とはいえ 実際 は もう 断れる 時期 で も ない のじゃ

どうした もの か と 思って の

あの 方 なら どう な さ りんしょう か

あの 奇 策 の 得意な

何 か いつの間にか 一 人 だ な

「 緒方 先生 の 墓参り に 行って き ます 」

「 夕刻 まで に は 戻る つもりです 」

二日酔い か

ORS じゃ す ん ま へん

南方 先生 とて 人間 な のだ 自信 の ない とき も あら れよう

( 横 松 ) や … 山田 先生 あれ は !

坂本 殿 !

おう ! 久しい のう

( 福田 ) ま こ … まことに 坂本 殿 で ございます か !?

( 八木 ) 行方 知れ ず と 聞いて ました が

おう 刺客 に 襲わ れ 川 に 落ちた ん じゃけん ど …

《( 子供 達 ) うわ ~ ッ !》

≪( 龍 馬 ) 気づいたら 海 近く の 漁師 小屋 に おって →

出さ れる 魚 は 絶品 で の う つい 土佐 を 思い出し …

《≪( 海女 ) 土 左 衛 門 起きた って ?》

≪( 龍 馬 ) 出て くる 女子 は →

浅黒い はち きん で こりゃ また 土佐 を 思い出し

いつの間に やら こんなに 日 が たって しもう た わけじゃ

浦島 太郎 か …

ほん で 南方 先生 は ?→

どう し とる が じゃ ?

緒方 先生 私 は 今 まで

未来 の こと は あまり 考え ない ように して き ました

目の前 の 命 を 救う こと だけ を 正義 と して

だけど … 今 私 は

野 風 さん の 乳 ガン を 見て 見 ぬ ふり を しよう と して ます

理由 は …

ただ の 身勝手です

野 風 さん は たぶん …

私 の 婚約 者 だった 未来 と いう 女性 の 祖先 で

野 風 さん が 身 請け に 行か なければ

未来 は 生まれ なく なる かも しれ ない んです

咲 さん に 軽べつ さ れ

龍 馬 さん に は 未来 が 生まれ なく なって

一体 誰 が 悲しむ の か と 言わ れ

佐分利 先生 の 気持ち を 踏みにじり

野 風 さん の 気持ち に 甘え

最低です …

私 は

だけど …

やっぱり でき ませ ん よ

でき ないで す 私 に は

( 物音 )

のう 先生

たとえば 目の前 で 先生 の 子 が 死に か か っち ょる

けん ど その 子 を 助ければ

代わり に 先生 の 別の 子 が 殺さ れる

そん とき 先生 は 目の前 の 子 を 助ける かえ ?

俺 は そんな ヘタ は 打た ねえ よ

たとえば じゃ

いっそ 誰 か に 決めて もらう かな

決めて もらう !?

銭 を 投げて もらって 決める と かな

どっち を 取って も 後悔 が 残 ん なら

運 を 天 に 任せる の も 一 つ の 手 さ

≪( 男 A ) じゃあ 野 風 花魁 は

( B ) 今日 が しまい の 宴 だって よ 寂しく なる な

ありがとう な 野 風

ご 家 門 の 妾 に なる など 女 郎 と して は 最高の 栄華

お前 の おかげ で →

これ から また 皆 夢 が 見 られる

菩薩 に は なれ ん した けん どな

行き と お ない と 居座って おり ん す

煩悩 が

ちょ っ …

はは は …

龍 馬 さん です よ ね !?

ほれ 足 もつ いち ょる ぜ よ

ほんとに 龍 馬 さん です よ ね !?

嘘 ついて ないで す よ ね !?

ワン ! わしゃ 犬 じゃ ない ぜ よ

今 まで どこ 行って た んです か !?

漁師 ん とこ で 世話に な っち ょっ たが ぜ よ

漁師 って … あの 江戸 の 漁師 です ね !?

先生 ち っく と 龍 馬 さん !

どこ 行く んです か !? 龍 馬 さん 待って ください って

何 な んです か ? 龍 馬 さん

野 風 を 助け と ~ せ !

聞いた が じゃ

野 風 が 乳 の 岩 かも しれん が じゃ ろう ?

先生 が 迷う 気持ち は 分かる

けん ど ここ は 一 つ どう か わし の ため に

手術 を して くれ ん かえ

わし の … ため ?

わしゃ 考えた ぜ よ ここ で 野 風 の 乳 を 切れば

野 風 の 身 請け が 流れる

女 郎 と して も お払い 箱 に なる

さすが の 野 風 も この先 頼り の うなる ろう

そこ で わし の 出番 じゃ こう 言う が じゃ

「 乳 な ん ぞ あろう が なかろう が かまわ ん !」

「 わし が お まん の 面倒 を 見る !」 これ は 効く ~

さすが の 野 風 も 「 は は ~ ん 」 ちゅう て 落ちる ぜ よ

ちゅう わけで 先生 頼む !

龍 馬 さん お 気持ち は 分かり ます が …

やかましい が じゃ !

切れ っ ちゅう たら 切れ !

ええ かい

切って ち いい 言う が は わし じゃ

先生 は ただ 黙って わし の 頼み を 聞けば ええ が じゃ

手術 の 後 の こと は 何 が 起ころう と も

何も かん も ぜ ~ ん ぶ わし の せい じゃ

わし の せい じゃ

そう やき 野 風 を 助け と ~ せ

辰五郎 さん うん ?

前 に 好きだった 女性 の いる 家 を そう と は 知ら ず に


JIN - 仁 - #11 (1) |しとし

≪( 仁 ) 死んで は いけ ませ ん 坂本 龍 馬 が … しとし|しんで|||||さかもと|りゅう|うま|

こんな ところ で !

( 龍 馬 ) 戻る ぜ よ !  先生 りゅう|うま|もどる|||せんせい

ああ ~ ッ !

龍 馬 さん ? りゅう|うま|

龍 馬 さん ! りゅう|うま|

( 久 坂 ) 坂本 の 姿 が 消えた ? ひさ|さか|さかもと||すがた||きえた

倒れて いた の は   あの 医者 一 人 で → たおれて|||||いしゃ|ひと|じん|

死体 と なって 流さ れた ので は ない か と 思う が したい|||ながさ|||||||おもう|

どう する ?

坂本 ごとき で さかもと||

面倒な こと に なる の は   ごめん じゃ めんどうな|||||||

( 門 を たたく 音 ) もん|||おと

私 は 助かった んです が 龍 馬 さん が わたくし||たすかった|ん です||りゅう|うま||

( 橘 ) 勝 先生 に 頼んで 探索 の 手 を 出して もらい ます たちばな|か|せんせい||たのんで|たんさく||て||だして||

咲   南方 先生 に お 着替え を さ|なんぽう|せんせい|||きがえ|

( 咲 ) はい … さ|

私 は   この あたり から 川 を 上がり ました わたくし|||||かわ||あがり|

ちょうど   あの 崖 の 上 から この 川 に 落ち ました ||がけ||うえ|||かわ||おち|

龍 馬 さん は ここ より も 下流 に 流さ れた の か と りゅう|うま||||||かりゅう||ながさ||||

ちょっと 尋ねる が   この あたり に 流れ 着いた 者 は おら ぬ か ? |たずねる|||||ながれ|ついた|もの||||

≪( 勝 ) 龍 の 字 のだ な か|りゅう||あざ||

長 州 の 人 達 に 仕組ま れ たって こと は ちょう|しゅう||じん|さとる||しくま||||

どう だろう な

( 門下 生 ) 勝 先生   久 坂 は → もんか|せい|か|せんせい|ひさ|さか|

何事 も なかった ように たった そうです → なにごと|||よう に||そう です

周辺 に 死体 を 捨てた あと も なく しゅうへん||したい||すてた|||

と なる と … 龍 馬 は 死んで 流さ れた か |||りゅう|うま||しんで|ながさ||

どこ か へ 身 を 隠した か |||み||かくした|

それとも   神 隠し に でも あったか |かみ|かくし|||

どっち に しろ   海軍 は 当分 龍 馬 なし って ことか |||かいぐん||とうぶん|りゅう|うま|||

日本 は 坂本 龍 馬 なし に 進む って こと です か !? にっぽん||さかもと|りゅう|うま|||すすむ||||

そう さ

だが   先生 |せんせい

あいつが なく なりゃ あいつ が||

あいつ の 代わり に なる 奴 が おのずと 出て きて ||かわり|||やつ|||でて|

あいつ が   やる はずだった こと を やる もん さ

世の中 って の は そういう もん だ と 俺 は 思う よ よのなか||||||||おれ||おもう|

まあ   もう 少し 捜す さ ||すこし|さがす|

〈 心配 し ない わけで は なかった が 〉 しんぱい||||||

〈 俺 は   半ば 確信 し つつ あった 〉 おれ||なかば|かくしん|||

〈 龍 馬 さん は   タイム スリップ して しまった ので は ない だろう か 〉 りゅう|うま|||たいむ|すりっぷ|||||||

〈 そして   あの 患者 と して 病院 に 運ば れて きて 〉 ||かんじゃ|||びょういん||はこば||

〈 もの珍しい 土産 と して 〉 ものめずらしい|みやげ||

〈 救急 医療 用 の パッキン や ホルマリン を 持ち出そう と した 〉 きゅうきゅう|いりょう|よう||||ほるまりん||もちだそう||

やり そうだ |そう だ

〈 だけど   龍 馬 さん が 〉 |りゅう|うま||

〈 あの 患者 と して 戻った と いう こと は 〉 |かんじゃ|||もどった||||

〈 俺 は もう 戻れ ない と いう こと だろう か 〉 おれ|||もどれ||||||

《≪( 咲 ) 南方 先生 》 さ|なんぽう|せんせい

《 今 まで ありがとう ございました 》 いま|||

〈 もう   誰一人 〉 |だれひとり

〈 秘密 を 分かち合って くれる 人 も なく 〉 ひみつ||わかちあって||じん||

〈 ここ で   一 人 生きて いく のだろう か 〉 ||ひと|じん|いきて|||

〈 見慣れて た はずの 江戸 が 〉 みなれて|||えど|

〈 別の 町 に 見えた 〉 べつの|まち||みえた

〈 そして …〉

〈 坂本 龍 馬 だけ を どこ か へ 押しやった まま 〉 さかもと|りゅう|うま||||||おしやった|

〈 時 の 川 は 再び   流れ 始めた 〉 じ||かわ||ふたたび|ながれ|はじめた

〈 それぞれ を あるべき 運命 の 船 に 乗せ 〉 |||うんめい||せん||のせ

あの 方 が 蒲 毛 殿 だ |かた||がま|け|しんがり|

( 彦三郎 ) いよいよ だ な   野 風 ひこさぶろう||||の|かぜ

《( 咲 ) 先生 は   野 風 さん を 》 さ|せんせい||の|かぜ||

《 見殺し に しよう と した んじゃ ない んです か !》 みごろし|||||||ん です|

《 未来 さん の ため に !》 みらい||||

《 その 子 が 生まれ ん こと で 》 |こ||うまれ|||

《 悲しむ もん も   困る もん も 誰 っちゃ おら ん ぜ よ 》 かなしむ|||こまる|||だれ|||||

これ で いい んだ

≪( 佐分利 ) 南方 先生 さぶり|なんぽう|せんせい

どうした ん です か ?

( 佐分利 ) 乳 の 岩 の こと なら お 役 に 立てる かも しれ ま へん さぶり|ちち||いわ|||||やく||たてる||||

〈 時 の 川 は 再び   流れ 始めた 〉 じ||かわ||ふたたび|ながれ|はじめた

〈 それぞれ を あるべき 運命 の 船 に 乗せ 〉 |||うんめい||せん||のせ

〈 運んで いく 〉 はこんで|

〈 誰 も 見た こと の ない 〉 だれ||みた|||

〈 時 の かなた へ 〉 じ|||

〈 俺 の 知ら ない   未来 へ と 続く 〉 おれ||しら||みらい|||つづく

〈 運命 の 扉 〉 うんめい||とびら

♪♪~

これ は 以前   私 が 乳 の 岩 に ついて 調べた もん です ||いぜん|わたくし||ちち||いわ|||しらべた||

すごい で すね   これ 一体   どう やって   こんな ||||いったい|||

女 郎達 に 金 を 払って 調べ させて もらって た んです おんな|ろうとおる||きむ||はらって|しらべ|さ せて|||ん です

女 郎 ? つう と も   初め は → おんな|ろう||||はじめ|

これ が きっかけ で 知り合った んです ||||しりあった|ん です

乳 の 岩 かも しれ へん 患者 さん が いる んです よ ね ? ちち||いわ||||かんじゃ||||ん です||

私 に も   その方 を 調べ させて もらえ ま へんか ? わたくし|||そのほう||しらべ|さ せて|||

いや …  先方 から は |せんぽう||

これ 以上   調べて ほしい と は 言わ れて ませ ん し |いじょう|しらべて||||いわ||||

らしゅう お ま へんな

「 切る な 」 言う て も 切る の が 南方 先生 で っし ゃろ きる||いう|||きる|||なんぽう|せんせい|||

もう いっぺん 調べて み ま へんか ? ||しらべて|||

ほん ま に 岩 やったら あれ です けど … |||いわ||||

岩 や ない って 分かる こと も ある わけです し いわ||||わかる||||わけ です|

( 野 風 ) なぜ … の|かぜ|

≪( 禿 ) 花魁 → はげ|おいらん

南方 先生 より   文 であり ん す なんぽう|せんせい||ぶん|||

ガン じゃ ない こと だって あり える んだ よ な がん|||||||||

佐分利 先生   お 願い し ます さぶり|せんせい||ねがい||

はい

野 風 さん   乳 より 汁 など は 出た こと は あり ます か ? の|かぜ||ちち||しる|||でた|||||

乳首 の まわり を 押したり した とき など に ちくび||||おしたり||||

あり ん す

≪( 佐分利 ) しこり は 硬く 周囲 と 癒着 が あり ます さぶり|||かたく|しゅうい||ゆちゃく|||

熱 や 疼 痛 も なく その他 の 様子 から も ねつ||うず|つう|||そのほか||ようす||

乳 ようと は 思え ま へん → ちち|||おもえ||

まだ   わき の 下 に しこり は 見え ませ ん が |||した||||みえ|||

乳 の 岩   特有の 汁 も 出る ちち||いわ|とくゆうの|しる||でる

私 の 経験 で は まず 岩 に 間違い あり ま へん わたくし||けいけん||||いわ||まちがい|||

そう と も   言い切れ ない んじゃ ない でしょう か ? |||いいきれ|||||

え ッ !

乳 頭 分泌 は 悪性 の 岩 に 限った こと で は あり ませ ん し ちち|あたま|ぶんぴつ||あくせい||いわ||かぎった|||||||

良性 の もの であれば 取り出す 必要 も ない でしょう し りょうせい||||とりだす|ひつよう||||

先生   間違い なく たち の 悪い 岩 で すって ! せんせい|まちがい||||わるい|いわ||

乳房 に メス を 入れる の は 大変な こと な んです ちぶさ||めす||いれる|||たいへんな|||ん です

切る こと に なれば … きる|||

身 請け 話 も つぶして しまう こと に なる み|うけ|はなし||||||

私 に は   まだ 判断 が … しかし ! わたくし||||はんだん||

南方 先生 が   そう おっしゃる の なら なんぽう|せんせい|||||

切ら ぬ 方 が   よい のであり ん しょう きら||かた|||||

私 の 診 立て は   信用 して もらえ へん って こと です よ ね わたくし||み|たて||しんよう||||||||

そう じゃ ない んです |||ん です

確定 が でき ない 以上 私 に 切る 勇気 が ない って だけ で かくてい||||いじょう|わたくし||きる|ゆうき|||||

だから   それ は   信用 して もらえ なかった っ ちゅうこ と です |||しんよう|||||||

≪( 山田 ) こない だ 打ち明け られた のです が → やまだ|||うちあけ||の です|

佐分利 殿 は 以前   華岡 流 にて 学び さぶり|しんがり||いぜん|はなおか|りゅう||まなび

乳 の 岩 の 研究 が  「 合 水 堂 」 の 当主 華岡 良平 先生 に 認め られて ちち||いわ||けんきゅう||ごう|すい|どう||とうしゅ|はなおか|りょうへい|せんせい||みとめ|

あの 若 さ で   何と |わか|||なんと

華岡 流 の 免許 皆 伝 に なった そうで ございます はなおか|りゅう||めんきょ|みな|つたい|||そう で|

が   ある とき 研究 に 協力 した 女 郎 から |||けんきゅう||きょうりょく||おんな|ろう|

乳 の 岩 の 手術 を 頼ま れ まして ちち||いわ||しゅじゅつ||たのま||

まあ   手術 に は 成功 した のです が |しゅじゅつ|||せいこう||の です|

その 女 郎   感染 症 が もと で 亡くなって しまった そうです |おんな|ろう|かんせん|しょう||||なくなって||そう です

佐分利 殿 を 面白く 思わ ない 者 達 に さぶり|しんがり||おもしろく|おもわ||もの|さとる|

ここぞとばかり に 「 人斬り 医者 」 と やられた そうで ||ひときり|いしゃ|||そう で

身の上 を 隠し   逃げる ように して こちら に 来た そうです みのうえ||かくし|にげる|よう に||||きた|そう です

佐分利 先生 は 私 の ため に 身の上 を 明かす 決心 を さぶり|せんせい||わたくし||||みのうえ||あかす|けっしん|

ええ   手術 と なれば |しゅじゅつ||

エーテル より 深く 長く 効く 麻酔 が 必要であろう と ||ふかく|ながく|きく|ますい||ひつようであろう|

すでに   華岡 流 秘伝 の 麻酔 薬 |はなおか|りゅう|ひでん||ますい|くすり

「 通 仙散 」 を 作る 準備 も 始めて つう|せんさん||つくる|じゅんび||はじめて

秘伝 の もの なんか … いい んです か ? ひでん|||||ん です|

佐分利 先生 は 以前 の 腑分 け の こと を さぶり|せんせい||いぜん||ふぶん||||

つぐない たい のだ と 思い ます ||||おもい|

《 よい もの は 流派 を 超え 広めて いく べきです 》 |||りゅうは||こえ|ひろめて||べき です

《 それ が   医 の 道 の ため です から 》 ||い||どう||||

喜ば れる でしょう ね よろこば|||

緒方 先生 おがた|せんせい

生きて いら したら いきて||

( 茜 ) もう   何 か ある たび うらぶれ ん の やめて くれる !? あかね||なん||||||||

こら ッ !

( 物音 ) ものおと

もう   い ない んだ よ な

坂本 殿 から 連絡 が ない か さかもと|しんがり||れんらく|||

先生 に 聞き に いこう と 思う のだ が   ともに せんせい||きき||||おもう|||

行って らっしゃい ませ おこなって||

( 初音 ) 何 ゆえ の ご 登 楼 …  で ? はつね|なん||||のぼる|ろう|

妹 に 縁談 が きた → いもうと||えんだん||

よい 話 だ |はなし|

家 格 は 当 家 より も 上 人物 も 申し分 ない いえ|かく||とう|いえ|||うえ|じんぶつ||もうしぶん|

何より   咲 を 気 に 入って くださって おる なにより|さ||き||はいって||

が …  咲 に は 別に 慕って いる 男 が おる |さ|||べつに|したって||おとこ||

あいつ の 性分 で は うまく やれ ぬ 気 が する ||しょうぶん||||||き||

もしや   あ ちき に 仕返し に ? ||||しかえし|

とはいえ   実際 は もう 断れる 時期 で も ない のじゃ |じっさい|||ことわれる|じき||||

どうした もの か と 思って の ||||おもって|

あの 方 なら どう な さ りんしょう か |かた||||||

あの 奇 策 の 得意な |き|さく||とくいな

何 か   いつの間にか 一 人 だ な なん||いつのまにか|ひと|じん||

「 緒方 先生 の 墓参り に 行って き ます 」 おがた|せんせい||はかまいり||おこなって||

「 夕刻 まで に は 戻る つもりです 」 ゆうこく||||もどる|つもり です

二日酔い か ふつかよい|

ORS じゃ す ん ま へん

南方 先生 とて 人間 な のだ 自信 の ない とき も あら れよう なんぽう|せんせい||にんげん|||じしん||||||

( 横 松 ) や …  山田 先生   あれ は ! よこ|まつ||やまだ|せんせい||

坂本 殿 ! さかもと|しんがり

おう !  久しい のう |ひさしい|

( 福田 ) ま こ …  まことに 坂本 殿 で ございます か !? ふくた||||さかもと|しんがり|||

( 八木 ) 行方 知れ ず と 聞いて ました が やぎ|ゆくえ|しれ|||きいて||

おう   刺客 に 襲わ れ 川 に 落ちた ん じゃけん ど … |しかく||おそわ||かわ||おちた|||

《( 子供 達 ) うわ ~ ッ !》 こども|さとる||

≪( 龍 馬 ) 気づいたら 海 近く の 漁師 小屋 に おって → りゅう|うま|きづいたら|うみ|ちかく||りょうし|こや||

出さ れる 魚 は 絶品 で の う つい 土佐 を 思い出し … ださ||ぎょ||ぜっぴん|||||とさ||おもいだし

《≪( 海女 ) 土 左 衛 門   起きた って ?》 あま|つち|ひだり|まもる|もん|おきた|

≪( 龍 馬 ) 出て くる 女子 は → りゅう|うま|でて||じょし|

浅黒い   はち きん で こりゃ また 土佐 を 思い出し あさぐろい||||||とさ||おもいだし

いつの間に やら   こんなに 日 が たって しもう た わけじゃ いつのまに|||ひ|||||

浦島 太郎 か … うらしま|たろう|

ほん で   南方 先生 は ?→ ||なんぽう|せんせい|

どう し とる が じゃ ?

緒方 先生   私 は 今 まで おがた|せんせい|わたくし||いま|

未来 の こと は   あまり 考え ない ように して き ました みらい|||||かんがえ||よう に|||

目の前 の 命 を 救う こと だけ を 正義 と して めのまえ||いのち||すくう||||せいぎ||

だけど …  今   私 は |いま|わたくし|

野 風 さん の 乳 ガン を 見て 見 ぬ ふり を しよう と して ます の|かぜ|||ちち|がん||みて|み|||||||

理由 は … りゆう|

ただ の 身勝手です ||みがって です

野 風 さん は   たぶん … の|かぜ|||

私 の 婚約 者 だった 未来 と いう 女性 の 祖先 で わたくし||こんやく|もの||みらい|||じょせい||そせん|

野 風 さん が 身 請け に 行か なければ の|かぜ|||み|うけ||いか|

未来 は 生まれ なく なる かも しれ ない んです みらい||うまれ||||||ん です

咲 さん に 軽べつ さ れ さ|||けいべつ||

龍 馬 さん に は 未来 が 生まれ なく なって りゅう|うま||||みらい||うまれ||

一体   誰 が 悲しむ の か と 言わ れ いったい|だれ||かなしむ||||いわ|

佐分利 先生 の 気持ち を 踏みにじり さぶり|せんせい||きもち||ふみにじり

野 風 さん の 気持ち に 甘え の|かぜ|||きもち||あまえ

最低です … さいてい です

私 は わたくし|

だけど …

やっぱり   でき ませ ん よ

でき ないで す   私 に は |||わたくし||

( 物音 ) ものおと

のう   先生 |せんせい

たとえば   目の前 で 先生 の 子 が 死に か か っち ょる |めのまえ||せんせい||こ||しに||||

けん ど   その 子 を 助ければ |||こ||たすければ

代わり に 先生 の 別の 子 が 殺さ れる かわり||せんせい||べつの|こ||ころさ|

そん とき   先生 は 目の前 の 子 を 助ける かえ ? ||せんせい||めのまえ||こ||たすける|

俺 は   そんな ヘタ は 打た ねえ よ おれ|||へた||うた||

たとえば じゃ

いっそ   誰 か に 決めて もらう かな |だれ|||きめて||

決めて もらう !? きめて|

銭 を 投げて もらって 決める と かな せん||なげて||きめる||

どっち を 取って も 後悔 が 残 ん なら ||とって||こうかい||ざん||

運 を 天 に 任せる の も   一 つ の 手 さ うん||てん||まかせる|||ひと|||て|

≪( 男 A ) じゃあ   野 風 花魁 は おとこ|||の|かぜ|おいらん|

( B ) 今日 が   しまい の 宴 だって よ 寂しく なる な |きょう||||えん|||さびしく||

ありがとう な   野 風 ||の|かぜ

ご 家 門 の 妾 に なる など 女 郎 と して は 最高の 栄華 |いえ|もん||めかけ||||おんな|ろう||||さいこうの|えいが

お前 の おかげ で → おまえ|||

これ から また 皆   夢 が 見 られる |||みな|ゆめ||み|

菩薩 に は なれ ん した けん どな ぼさつ|||||||

行き と お ない と   居座って おり ん す いき|||||いすわって|||

煩悩 が ぼんのう|

ちょ っ …

はは は … は は|

龍 馬 さん です よ ね !? りゅう|うま||||

ほれ   足 もつ いち ょる ぜ よ |あし|||||

ほんとに 龍 馬 さん です よ ね !? |りゅう|うま||||

嘘 ついて ないで す よ ね !? うそ|||||

ワン ! わしゃ 犬 じゃ ない ぜ よ わん||いぬ||||

今 まで どこ 行って た んです か !? いま|||おこなって||ん です|

漁師 ん とこ で 世話に な っち ょっ たが ぜ よ りょうし||||せわに||||||

漁師 って …  あの 江戸 の 漁師 です ね !? りょうし|||えど||りょうし||

先生   ち っく と 龍 馬 さん ! せんせい||||りゅう|うま|

どこ 行く んです か !?  龍 馬 さん 待って ください って |いく|ん です||りゅう|うま||まって||

何 な んです か ?  龍 馬 さん なん||ん です||りゅう|うま|

野 風 を 助け と ~ せ ! の|かぜ||たすけ||

聞いた が じゃ きいた||

野 風 が 乳 の 岩 かも しれん が じゃ ろう ? の|かぜ||ちち||いわ|||||

先生 が 迷う 気持ち は 分かる せんせい||まよう|きもち||わかる

けん ど   ここ は 一 つ どう か   わし の ため に ||||ひと|||||||

手術 を して くれ ん かえ しゅじゅつ|||||

わし の …  ため ?

わしゃ   考えた ぜ よ ここ で 野 風 の 乳 を 切れば |かんがえた|||||の|かぜ||ちち||きれば

野 風 の 身 請け が 流れる の|かぜ||み|うけ||ながれる

女 郎 と して も お払い 箱 に なる おんな|ろう||||おはらい|はこ||

さすが の 野 風 も この先   頼り の うなる ろう ||の|かぜ||このさき|たより|||

そこ で   わし の 出番 じゃ こう 言う が じゃ ||||でばん|||いう||

「 乳 な ん ぞ   あろう が なかろう が かまわ ん !」 ちち|||||||||

「 わし が   お まん の 面倒 を 見る !」 これ は 効く ~ |||||めんどう||みる|||きく

さすが の 野 風 も 「 は は ~ ん 」 ちゅう て 落ちる ぜ よ ||の|かぜ|||||||おちる||

ちゅう わけで   先生   頼む ! ||せんせい|たのむ

龍 馬 さん お 気持ち は 分かり ます が … りゅう|うま|||きもち||わかり||

やかましい が じゃ !

切れ っ ちゅう たら   切れ ! きれ||||きれ

ええ かい

切って ち いい 言う が は わし じゃ きって|||いう||||

先生 は   ただ 黙って わし の 頼み を 聞けば ええ が じゃ せんせい|||だまって|||たのみ||きけば|||

手術 の 後 の こと は 何 が 起ころう と も しゅじゅつ||あと||||なん||おころう||

何も かん も   ぜ ~ ん ぶ わし の せい じゃ なにも|||||||||

わし の せい じゃ

そう やき   野 風 を 助け と ~ せ ||の|かぜ||たすけ||

辰五郎 さん うん ? たつごろう||

前 に   好きだった 女性 の いる 家 を そう と は 知ら ず に ぜん||すきだった|じょせい|||いえ|||||しら||