×

LingQをより快適にするためCookieを使用しています。サイトの訪問により同意したと見なされます cookie policy.


image

盾の勇者成りがり02, 盾の勇者の成り上がり 02 Chapter 07

盾 の 勇者 の 成り 上がり 02 Chapter 07

七 話 変身 能力

「 親父 親父 親父 親父 ! 俺 は 閉店 して 閉まって いる 武器 屋 の 扉 を 何度 も 叩 たたく 。 すると やや 不機嫌な 様子 で 武器 屋 の 親父 が 渋々 扉 を 開けて くれた 。

「 いきなり どうした ん だ アン ちゃん 。 もう とっくに 店仕舞い だ ぞ 」

「 そんな 状況 じゃ ねえ んだ よ ! マント を 羽織ら せた 少女 の 姿 を した フィーロ を 親父 に 見せる 。

「 アン ちゃん 。 良い 奴隷 を 買えた からって 自慢 に 来る な よ 」 「 ちっげ ー よ ! 親父 は 俺 を 何 だ と 思って んだ ! 親父 の 中 の 俺 に 会ったら 迷い なく 殴り 殺せ そうだ 。 「 ご しゅじん さま ー ? どうした の ー ? 「 お前 は 黙って ろ 」

「 や だ ー 」

クソ ! 一体 どう なって いる と いう んだ !

あの 後 の 騒ぎ は 果てしなかった 。 奴隷 商 の 奴 が パクパク と 俺 を 指差して 驚く わ 。 その 部下 も 驚いて 言葉 が 出 ない わ 。 ラフタリア だって 絶句 して いる し 。 フィーロ に 至って は 俺 に 近づきたい が ため に 人 の 姿 に なる わ で 、 気 が 付いたら 親父 の 店 に フィーロ を 担いで やって 来て いた 。 「 へ …… ヘックシュン ! ボフン ! ビリイイイイ !

変身 して 、 羽織ら せて いた マント が 破れる 音 が 響く 。

一瞬にして フィーロ は フィロリアル ・ クイーン ( 仮 ) の 姿 に なった 。

この 鳥 が ! マント だって タダ じゃ ない んだ ぞ 。

「 な ……」

親父 の 奴 も 言葉 を 失い 、 フィーロ を 見上げる 。 フィーロ は また 人 型 に 戻って 俺 の 手 を 握った 。 その 頭 の 上 に は 辛うじて 原形 を とどめて いる マント が 落ちて くる 。

「…… 事情 は わかった か ? 「 あ …… ああ 」

親父 は 凄い 複雑な 顔 で 俺 を 店 内 に 案内 した 。

「 で 、 俺 に 会い に 来た 理由 は 、 その 子 の 装備 か ? 「 変身 して も 破れ ない 服 は ない か ? と いう か 何故 変身 する んだ ! 「 アン ちゃん 。 少し 落ち着け 」

そう だ 。 よく 考えて みれば 、 なんで フィーロ は 人 型 に なって いる んだ ?

背中 に は 名残 な の か 羽 が 生えて いて 、 金髪 碧 眼 の 少女 だ から か 天使っぽい 。 しかも 可愛い と いう の を 絵 に 描いた ように 顔 が 整って いる 。 年齢 は 一〇 歳 前後 。 初め の 頃 の ラフタリア より 少し 小さい 背 格好 だ 。

ぐう う う う ……。 随分 と 古典 的な 腹の虫 が 、 人 型 に なった フィーロ から 響く 。

「 ご しゅじん さま ー お腹 空いた 」

「 我慢 し なさい 」

「 や だ ー 」

「 とりあえず 、 うち の 晩 飯 を 食う か ? そう 言う と 親父 は 店 の 奥 から 鍋 を 持ってくる 。 汁 物っぽい な 。 「 やめ ──」

「 わ ぁ ああ 、 いただき ま ー す 」

フィーロ は 親父 から 鍋 を 奪う と 、 中身 を 全部 口 に 流し込んだ 。

「 ん ー …… 味 は あんまり かな ー 」

鍋 を 親父 に 返す 。 親父 も 唖然と して 俺 を 見つめた 。

「 その 、 すまない 」

「…… アン ちゃん 。 後 で 飯 おごれ よ 」

どんどん ドツボ に はまって いく !

「 そう だ なぁ …… 変身 技能 持ち の 亜人 の 服 が あった ような 気 は する んだ が …… と いう か 武器 屋 じゃ なくて 服 屋 に 行けよ アン ちゃん 」

「 見知らぬ 服 屋 に こんな 夜中 に 全裸 の 女の子 を 連れて 行けって か ? しかも 魔物 に 変わる 女の子 を だ ぞ ? 「…… それ も そう か 、 ちょっと 待って な 」

ゴソゴソ と 店 の 奥 の ほう に 、 親父 は 商品 を 漁り に 行く 。

「 サイズ が 合う か わから ない の と 、 かなり の キワモノ の 服 だ から あんまり 期待 する な よ 」

「 わかって いる 」

結局 、 親父 が 出て きた の は それ から しばらく 経って から だった 。

「 悪い 。 見た 感じ だ と 変身 後 の サイズ に 合う 服 が ねえ 」

「 なん 、 だ と ! 頼みの綱 だった と いう のに …… 俺 は どう したら 良い と 言う んだ 。 こんな いつ 全裸 に なって 俺 に 親し げ に 接して くる か わから ない 幼女 に 、 服 を 着せられ ない と いう の か 。 やっと 最近 なんとか 良く 見て もらえる ように なった 俺 へ の 評価 が 、 また 急 降下 して しまう 。

「 ご しゅじん さま ー 」

「 お前 は 変身 する な ! 魔物 紋 を 使った と して も 人 に 変身 する の を 禁止 に する ような 項目 は 無い 。 さすが に 魔物 が 人 化 する こと 自体 が 珍しい のだろう 。

「 や だ ー 」

この 子 は 一体 何 が したい んだ ! しかも 俺 の 言う 事 を 尽く 拒否 する 。 反抗 期 か ? 生まれて 数 日 で 反抗 期 も ない だろう に 。

「 だって …… フィーロ が 本当の 姿 だ と ご しゅじん さま 、 一緒に 寝て くれ ない もん 」

ギュウっと フィーロ は 俺 の 手 を 握り締めて 満面 の 笑み を 浮かべる 。 「…… なんで 一緒に 寝 なきゃ いけない んだ ? 「 寂しい んだ もん 」

「 あー …… なんて いう か 、 アン ちゃん 。 大変だ な 」

俺 は 子守 を し に この 世界 に 来た わけじゃ ない のだ が …… まあ 、 ラフタリア の 親 代わり に は なって やりたい と 思って る けど さ 。 「 そう いえば ラフタリア は どこ だ ? 「 やっと 追いつきました 」 ラフタリア が 肩 で 息 を し ながら 店 の 中 に 入って くる 。 「 いきなり 走って いって しまう から …… 捜した んです よ 」

「 ああ 、 悪い 」

「 あー ラフタリア お 姉ちゃん 」

フィーロ が 元気に 手 を 振る 。

「 ご しゅじん さま は あげ ない よ ? 「 何 を 言って いる んです か 、 この 子 は ! 「 あげ ない よって 、 俺 は お前 等 の もの じゃ ない ぞ 」

「 だって ご しゅじん さま は フィーロ の お 父さん でしょ ? 「 違う …… 飼い主 だ 」

「 違う の ? じゃあ ラフタリア お 姉ちゃん は ? 「 ラフタリア は 俺 の 娘 みたいな もん だ 」

「 違います ! 「 ん ー ? よく わかん ない ……」

「 とりあえず 、 ぴったりの 服 が ない か 探して おく から 今日 は 帰って くれ 」

「 ああ 、 すまなかった な 」

「 ごちそうさま ー 」

「 まったく …… アン ちゃん に は いつも 驚か さ れる な 」

武器 屋 を 後 に して 、 ふらふら と 宿 の 方 へ 歩いて 行く と ラフタリア が 呼び止める 。

「 あ 、 奴隷 …… 魔物 商 さん が 呼んでました よ 」 「 ん ? わかった 」

テント に 戻った 俺 達 を 、 奴隷 商 は 待って いた と ばかり に 出迎えた 。

「 いや ぁ 、 驚き の 展開 でした ね 。 ハイ 」

「 ああ 」

マント を 羽織る フィーロ を 指差した 。

「 フィロリアル の 王 は 高度な 変身 能力 を 持って いる のです よ 。 ですから 同類 の フィロリアル に 化けて 人目 を 掻 い 潜って いた 、 と いう の が 私 共 の 認識 です 」

なるほど …… 一目 で フィロリアル の ボス である の を 見破ら せ ない ため に 化けて 隠れる 習性 を 持ち 、 その 習性 を 利用 して 人 型 に 変身 した 、 と いう わけ か 。

「 いやはや 、 研究 が 進んで いない フィロリアル の 王 を この 目 に する こと が できる と は 、 私 、 勇者 様 の 魔物 育成 能力 の 高 さ に 感服 です 。 ハイ 」

「 は ? 「 ただ の フィロリアル を 女王 に まで 育て上げる と は …… どのような 育て 方 を すれば 女王 に なる のでしょう か ? …… 奴隷 商 の 目的 が わかった ぞ 。

こいつ 、 フィロリアル を 王 に する 方法 を 俺 から 聞いて 量産 する 気 だ 。 かなり 珍しい 魔物 に 分類 さ れる だろう し 、 変身 能力 を 持って いる んだ 。 高く 売れば 大儲け だ 。

「 たぶん 、 伝説 の 盾 の 力って 奴 だ と 思う ぞ 」 成長 補正 の 力 で ここ まで 育った のだろう と 推理 する 。 そう で も ない と 説明 でき ない 。

「 そう やって うやむやに する 勇者 様 に 私 、 ゾクゾク して きました 。 どれ くらい 金銭 を 積めば 教えて くれます か な ? 「 そういう 意味 じゃ ねえ から ! 「 では 、 もう 一 匹 フィロリアル を 進呈 する ので 育てて みて ──」

「 結構だ ! これ 以上 増えたら 俺 の 財布 が 持た ない 。 ただ で さえ フィーロ の 服 と か どう する か を 考え なきゃ いけない のに これ 以上 食い 扶持 が 増えたら 碌 な 事 が ない 。

「 は ぁ …… 後 は 思い付く 可能 性 と いう と アレ だ な 」

「 なんで ございましょう 」

う …… 奴隷 商 の 奴 、 目 を 輝か せて いる ! 気持ち 悪い 。

「 波 で 倒さ れた 大物 の 肉 を コイツ は 食って いた 。 だから その 影響 を 受けて いる 可能 性 を 否定 でき ない 」

まあ 、 自分 でも 無理やり 捻り出した 感 は ある 。 だけど 実際 フィーロ は キメラ の 肉 を 食べて いた から なぁ 。 間違った 事 も 言って ない 。

「 ふむ …… それでは しょう が ありません ね 」 奴隷 商 の 奴 も 信じて いない が 俺 が 嫌がって いる のだ から しょうがないって 態度 で 引き下がる 。 「 いつでも フィロリアル は お 譲り します ので 試して ください 。 ハイ 」

「 できれば 断りたい が なぁ ……」 「 もしも 扱い やすい 個体 に 育てて くださったら お 金 は 積みます よ 」 「 ふむ 、 余裕 が 出たら 考えて おこう 」 自分 でも 守 銭 奴 に なって きた 自覚 が あった けど 、 今 の 一言 で 確信 に 変わった 。 「 ところで どう しましょう 」 「 なに が ? フィーロ が 会話 に 入り込んで 疑問 符 を 浮かべる 。

「 アナタ の 処遇 です よ 」

「 ご しゅじん さま と 一緒に ねる ー 」

「 さ せません ! 「 あー ずる ー い ! ラフタリア お 姉ちゃん は ご しゅじん さま を 独り占め して る ー 」

「 してません ! 何 を 騒いで いる の やら ……。

「 さて 、 じゃあ フィーロ は 宿 に 備え付けられて いる 馬 小屋 で 寝よう な 」 「 や ー ! 鳥 の 分 際 で ハッキリ と 拒否 し や がった 。

「 ご しゅじん さま と ねる の ー ! …… これ は 子供 が 親 と 一緒に 寝たい と か 言う 駄々 と 同じだ な 。 「 そう か そう か 、 しょうがない 」

「 ナオフミ 様 !?」

「 ここ で 拒んだって ワガママ 言う んだ から ある 程度 合わせて やら なきゃ いけない だ ろ ? 「 まあ …… そう です けど 」

納得 し かねる と いった 様子 で ラフタリア が 呟く 。

「 でも 、 絶対 人前 で 裸 に なる んじゃ ない ぞ 」

「 は ー い ! 本当に わかって いる の か ? まあ 良い 。 明日 、 武器 屋 の 親父 が どうにか して くれる こと を 祈る しか ある まい 。

それ から 宿屋 に 戻り 、 店主 に 追加 の 宿泊 代 を 払って 部屋 に 帰って 来た 。

勉強 と か 調合 を する 余裕 は フィーロ が 人 型 に なった 所 為 で なく なって しまった な 。

「 わ ぁ ! 柔らかい 寝床 ー ! ポンポン と ベッド に 乗って 跳ねる フィーロ に 注意 を 促し つつ 、 今日 は 早 めに 寝る こと に した 。

…… 暑い ! なんで 暑い んだ !?

「 う う ……」

体 が 思い通りに 動か ない 。 どう なって いる んだ ?

恐る恐る 目 を 開ける と 視界 は 白 一色 。 羽毛 に 包まれて いた 。 「 す ー …… す ー ……」

この ベッド 、 呼吸 して いる ぞ !

徐に 顔 を 上げる と 寝て いた ところ は ベッド で は なく 本当の 姿 に 戻った フィーロ の 腹 の 上 だった 。 いつの間にか 元 の 姿 に 戻った フィーロ が ベッド から 転げ 落ちて 俺 を 抱き 枕 に して 寝入った ようだ 。

「 起きろ ! この デブ 鳥 ! 誰 が 本当の 姿 に 戻って 良い と 言った !

「 や ー ん 」

こいつ 、 本当の 姿 でも 喋れる ように なって や がる 。

「 な 、 なに を して いる んです か ! ラフタリア が 寝ぼけ 眼 で 俺 の 方 を 見て 叫ぶ 。

「 おお 、 ラフタリア 、 助けろ ! 殴って も コイツ は 起き やしない 。 単純に 俺 の 攻撃 力 が 足りない 所 為 だ 。

「 起き なさい フィーロ ! 「 むに ゃむ に ゃ …… ご しゅじん さま ー 」

ご ろん と フィーロ は 床 を 転がる 。

ミシミシ と 嫌な 音 が 床 から 聞こえて くる 。 木製 の 床 じゃ 耐久 限界 が 近い 。

「 起きろ ! しかし フィーロ は 俺 を 抱き締めた まま 起きる 気配 が ない 。

「 起き なさい ! ラフタリア が 俺 を 抱き締める フィーロ の 腕 を 力 技 で どうにか 開く 。 俺 は その 隙 を 逃さ ず に どうにか 脱出 した 。

「 ふう …… 朝 から 散々だ 」

「 んに ゃ ? 抱いて いた 俺 が 居 なく なった の を 察知 して 、 フィーロ が 目 を 覚ました 。 フィーロ は 俺 と ラフタリア が 睨んで いる の に 気付き 首 を 傾げる 。

「 どうした の ? 「 まずは 人 型 に なれ ! 「 えー おきて いきなり ー ? くっ! この 手 だけ は 使い たく なかった が しょうがない !

俺 は ステータス 魔法 から 魔物 の アイコン を 選び 、 禁 則 事項 の 俺 の 言う 事 は 絶対 と いう 部分 に チェック を 入れる 。 こう すれば どんな 命令 でも 従わ ざる を 得 ない 。

「 人 型 に なれ ! 命令 が フィーロ に 向かって 響く 。

「 えー …… もう ちょっと ご しゅじん さま と 寝たい ー 」 俺 の 命令 に 背いた 所 為 で フィーロ の 腹部 に 魔物 紋 が 浮かび上がる 。 「 え ? 「 聞か ねば 苦しく なる ぞ 」

赤く 輝く 魔物 紋 が フィーロ の 体 を 侵食 して いく 。

「 や ー ん 」

フィーロ の 翼 から なにやら 幾何学 模様 が 浮かび上がり 魔物 紋 へ 飛んで いく 。

スーッ と 音 を 立てて 魔物 紋 は 沈黙 した 。

「 は ? 俺 は 魔物 の アイコン を 確認 する 。 何故 か 禁 則 事項 に 設定 した 項目 が 外されて いる 。 再度 チェック を 入れよう と した けれど 、 幾ら 弄って も 変わら ない 。 言う 事 を 聞か ない 魔物 と は どういう 事 だ 。

くそっ! 俺 は 魔物 が 命令 を 聞く から 買った んだ ぞ 。

奴隷 商 …… 今 すぐ 貴 様 の 所 に 行く から な 。 首 を 洗って 待って いろ 。


盾 の 勇者 の 成り 上がり 02 Chapter 07 たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter Rise of the Shield Heroes 02 Kapitel 07 Rise of the Shield Heroes 02 Chapter 07

七 話 変身 能力 なな|はなし|へんしん|のうりょく

「 親父 親父 親父 親父 ! おやじ|おやじ|おやじ|おやじ 俺 は 閉店 して 閉まって いる 武器 屋 の 扉 を 何度 も 叩 たたく 。 おれ||へいてん||しまって||ぶき|や||とびら||なんど||たた| すると やや 不機嫌な 様子 で 武器 屋 の 親父 が 渋々 扉 を 開けて くれた 。 ||ふきげんな|ようす||ぶき|や||おやじ||しぶしぶ|とびら||あけて|

「 いきなり どうした ん だ アン ちゃん 。 もう とっくに 店仕舞い だ ぞ 」 ||みせじまい||

「 そんな 状況 じゃ ねえ んだ よ ! |じょうきょう|||| マント を 羽織ら せた 少女 の 姿 を した フィーロ を 親父 に 見せる 。 まんと||はおら||しょうじょ||すがた|||||おやじ||みせる

「 アン ちゃん 。 良い 奴隷 を 買えた からって 自慢 に 来る な よ 」 「 ちっげ ー よ ! よい|どれい||かえた|から って|じまん||くる|||ち っげ|-| 親父 は 俺 を 何 だ と 思って んだ ! おやじ||おれ||なん|||おもって| 親父 の 中 の 俺 に 会ったら 迷い なく 殴り 殺せ そうだ 。 おやじ||なか||おれ||あったら|まよい||なぐり|ころせ|そう だ 「 ご しゅじん さま ー ? |||- どうした の ー ? ||- 「 お前 は 黙って ろ 」 おまえ||だまって|

「 や だ ー 」 ||-

クソ ! くそ 一体 どう なって いる と いう んだ ! いったい||||||

あの 後 の 騒ぎ は 果てしなかった 。 |あと||さわぎ||はてしなかった 奴隷 商 の 奴 が パクパク と 俺 を 指差して 驚く わ 。 どれい|しょう||やつ||||おれ||ゆびさして|おどろく| その 部下 も 驚いて 言葉 が 出 ない わ 。 |ぶか||おどろいて|ことば||だ|| ラフタリア だって 絶句 して いる し 。 ||ぜっく||| フィーロ に 至って は 俺 に 近づきたい が ため に 人 の 姿 に なる わ で 、 気 が 付いたら 親父 の 店 に フィーロ を 担いで やって 来て いた 。 ||いたって||おれ||ちかづき たい||||じん||すがた|||||き||ついたら|おやじ||てん||||かついで||きて| 「 へ …… ヘックシュン ! ボフン ! ビリイイイイ !

変身 して 、 羽織ら せて いた マント が 破れる 音 が 響く 。 へんしん||はおら|||まんと||やぶれる|おと||ひびく

一瞬にして フィーロ は フィロリアル ・ クイーン ( 仮 ) の 姿 に なった 。 いっしゅんにして||||くいーん|かり||すがた||

この 鳥 が ! |ちょう| マント だって タダ じゃ ない んだ ぞ 。 まんと||ただ||||

「 な ……」

親父 の 奴 も 言葉 を 失い 、 フィーロ を 見上げる 。 おやじ||やつ||ことば||うしない|||みあげる フィーロ は また 人 型 に 戻って 俺 の 手 を 握った 。 |||じん|かた||もどって|おれ||て||にぎった その 頭 の 上 に は 辛うじて 原形 を とどめて いる マント が 落ちて くる 。 |あたま||うえ|||かろうじて|げんけい||||まんと||おちて|

「…… 事情 は わかった か ? じじょう||| 「 あ …… ああ 」

親父 は 凄い 複雑な 顔 で 俺 を 店 内 に 案内 した 。 おやじ||すごい|ふくざつな|かお||おれ||てん|うち||あんない|

「 で 、 俺 に 会い に 来た 理由 は 、 その 子 の 装備 か ? |おれ||あい||きた|りゆう|||こ||そうび| 「 変身 して も 破れ ない 服 は ない か ? へんしん|||やぶれ||ふく||| と いう か 何故 変身 する んだ ! |||なぜ|へんしん|| 「 アン ちゃん 。 少し 落ち着け 」 すこし|おちつけ

そう だ 。 よく 考えて みれば 、 なんで フィーロ は 人 型 に なって いる んだ ? |かんがえて|||||じん|かた||||

背中 に は 名残 な の か 羽 が 生えて いて 、 金髪 碧 眼 の 少女 だ から か 天使っぽい 。 せなか|||なごり||||はね||はえて||きんぱつ|みどり|がん||しょうじょ||||てんし っぽい しかも 可愛い と いう の を 絵 に 描いた ように 顔 が 整って いる 。 |かわいい|||||え||えがいた||かお||ととのって| 年齢 は 一〇 歳 前後 。 ねんれい||ひと|さい|ぜんご 初め の 頃 の ラフタリア より 少し 小さい 背 格好 だ 。 はじめ||ころ||||すこし|ちいさい|せ|かっこう|

ぐう う う う ……。 随分 と 古典 的な 腹の虫 が 、 人 型 に なった フィーロ から 響く 。 ずいぶん||こてん|てきな|はらのむし||じん|かた|||||ひびく

「 ご しゅじん さま ー お腹 空いた 」 |||-|おなか|あいた

「 我慢 し なさい 」 がまん||

「 や だ ー 」 ||-

「 とりあえず 、 うち の 晩 飯 を 食う か ? |||ばん|めし||くう| そう 言う と 親父 は 店 の 奥 から 鍋 を 持ってくる 。 |いう||おやじ||てん||おく||なべ||もってくる 汁 物っぽい な 。 しる|ぶつ っぽい| 「 やめ ──」

「 わ ぁ ああ 、 いただき ま ー す 」 |||||-|

フィーロ は 親父 から 鍋 を 奪う と 、 中身 を 全部 口 に 流し込んだ 。 ||おやじ||なべ||うばう||なかみ||ぜんぶ|くち||ながしこんだ

「 ん ー …… 味 は あんまり かな ー 」 |-|あじ||||-

鍋 を 親父 に 返す 。 なべ||おやじ||かえす 親父 も 唖然と して 俺 を 見つめた 。 おやじ||あぜんと||おれ||みつめた

「 その 、 すまない 」

「…… アン ちゃん 。 後 で 飯 おごれ よ 」 あと||めし||

どんどん ドツボ に はまって いく !

「 そう だ なぁ …… 変身 技能 持ち の 亜人 の 服 が あった ような 気 は する んだ が …… と いう か 武器 屋 じゃ なくて 服 屋 に 行けよ アン ちゃん 」 |||へんしん|ぎのう|もち||あにん||ふく||||き||||||||ぶき|や|||ふく|や||いけよ||

「 見知らぬ 服 屋 に こんな 夜中 に 全裸 の 女の子 を 連れて 行けって か ? みしらぬ|ふく|や|||よなか||ぜんら||おんなのこ||つれて|いけ って| しかも 魔物 に 変わる 女の子 を だ ぞ ? |まもの||かわる|おんなのこ||| 「…… それ も そう か 、 ちょっと 待って な 」 |||||まって|

ゴソゴソ と 店 の 奥 の ほう に 、 親父 は 商品 を 漁り に 行く 。 ||てん||おく||||おやじ||しょうひん||あさり||いく

「 サイズ が 合う か わから ない の と 、 かなり の キワモノ の 服 だ から あんまり 期待 する な よ 」 さいず||あう||||||||||ふく||||きたい|||

「 わかって いる 」

結局 、 親父 が 出て きた の は それ から しばらく 経って から だった 。 けっきょく|おやじ||でて|||||||たって||

「 悪い 。 わるい 見た 感じ だ と 変身 後 の サイズ に 合う 服 が ねえ 」 みた|かんじ|||へんしん|あと||さいず||あう|ふく||

「 なん 、 だ と ! 頼みの綱 だった と いう のに …… 俺 は どう したら 良い と 言う んだ 。 たのみのつな|||||おれ||||よい||いう| こんな いつ 全裸 に なって 俺 に 親し げ に 接して くる か わから ない 幼女 に 、 服 を 着せられ ない と いう の か 。 ||ぜんら|||おれ||したし|||せっして|||||ようじょ||ふく||きせ られ||||| やっと 最近 なんとか 良く 見て もらえる ように なった 俺 へ の 評価 が 、 また 急 降下 して しまう 。 |さいきん||よく|みて||||おれ|||ひょうか|||きゅう|こうか||

「 ご しゅじん さま ー 」 |||-

「 お前 は 変身 する な ! おまえ||へんしん|| 魔物 紋 を 使った と して も 人 に 変身 する の を 禁止 に する ような 項目 は 無い 。 まもの|もん||つかった||||じん||へんしん||||きんし||||こうもく||ない さすが に 魔物 が 人 化 する こと 自体 が 珍しい のだろう 。 ||まもの||じん|か|||じたい||めずらしい|

「 や だ ー 」 ||-

この 子 は 一体 何 が したい んだ ! |こ||いったい|なん||し たい| しかも 俺 の 言う 事 を 尽く 拒否 する 。 |おれ||いう|こと||つく|きょひ| 反抗 期 か ? はんこう|き| 生まれて 数 日 で 反抗 期 も ない だろう に 。 うまれて|すう|ひ||はんこう|き||||

「 だって …… フィーロ が 本当の 姿 だ と ご しゅじん さま 、 一緒に 寝て くれ ない もん 」 |||ほんとうの|すがた||||||いっしょに|ねて|||

ギュウっと フィーロ は 俺 の 手 を 握り締めて 満面 の 笑み を 浮かべる 。 ギュウ っと|||おれ||て||にぎりしめて|まんめん||えみ||うかべる 「…… なんで 一緒に 寝 なきゃ いけない んだ ? |いっしょに|ね||| 「 寂しい んだ もん 」 さびしい||

「 あー …… なんて いう か 、 アン ちゃん 。 大変だ な 」 たいへんだ|

俺 は 子守 を し に この 世界 に 来た わけじゃ ない のだ が …… まあ 、 ラフタリア の 親 代わり に は なって やりたい と 思って る けど さ 。 おれ||こもり|||||せかい||きた||||||||おや|かわり||||やり たい||おもって||| 「 そう いえば ラフタリア は どこ だ ? 「 やっと 追いつきました 」 ラフタリア が 肩 で 息 を し ながら 店 の 中 に 入って くる 。 |おいつき ました|||かた||いき||||てん||なか||はいって| 「 いきなり 走って いって しまう から …… 捜した んです よ 」 |はしって||||さがした||

「 ああ 、 悪い 」 |わるい

「 あー ラフタリア お 姉ちゃん 」 |||ねえちゃん

フィーロ が 元気に 手 を 振る 。 ||げんきに|て||ふる

「 ご しゅじん さま は あげ ない よ ? 「 何 を 言って いる んです か 、 この 子 は ! なん||いって|||||こ| 「 あげ ない よって 、 俺 は お前 等 の もの じゃ ない ぞ 」 |||おれ||おまえ|とう|||||

「 だって ご しゅじん さま は フィーロ の お 父さん でしょ ? ||||||||とうさん| 「 違う …… 飼い主 だ 」 ちがう|かいぬし|

「 違う の ? ちがう| じゃあ ラフタリア お 姉ちゃん は ? |||ねえちゃん| 「 ラフタリア は 俺 の 娘 みたいな もん だ 」 ||おれ||むすめ|||

「 違います ! ちがい ます 「 ん ー ? |- よく わかん ない ……」

「 とりあえず 、 ぴったりの 服 が ない か 探して おく から 今日 は 帰って くれ 」 ||ふく||||さがして|||きょう||かえって|

「 ああ 、 すまなかった な 」

「 ごちそうさま ー 」 |-

「 まったく …… アン ちゃん に は いつも 驚か さ れる な 」 ||||||おどろか|||

武器 屋 を 後 に して 、 ふらふら と 宿 の 方 へ 歩いて 行く と ラフタリア が 呼び止める 。 ぶき|や||あと|||||やど||かた||あるいて|いく||||よびとめる

「 あ 、 奴隷 …… 魔物 商 さん が 呼んでました よ 」 「 ん ? |どれい|まもの|しょう|||よんで ました|| わかった 」

テント に 戻った 俺 達 を 、 奴隷 商 は 待って いた と ばかり に 出迎えた 。 てんと||もどった|おれ|さとる||どれい|しょう||まって|||||でむかえた

「 いや ぁ 、 驚き の 展開 でした ね 。 ||おどろき||てんかい|| ハイ 」 はい

「 ああ 」

マント を 羽織る フィーロ を 指差した 。 まんと||はおる|||ゆびさした

「 フィロリアル の 王 は 高度な 変身 能力 を 持って いる のです よ 。 ||おう||こうどな|へんしん|のうりょく||もって||| ですから 同類 の フィロリアル に 化けて 人目 を 掻 い 潜って いた 、 と いう の が 私 共 の 認識 です 」 |どうるい||||ばけて|ひとめ||か||くぐって||||||わたくし|とも||にんしき|

なるほど …… 一目 で フィロリアル の ボス である の を 見破ら せ ない ため に 化けて 隠れる 習性 を 持ち 、 その 習性 を 利用 して 人 型 に 変身 した 、 と いう わけ か 。 |いちもく||||ぼす||||みやぶら|||||ばけて|かくれる|しゅうせい||もち||しゅうせい||りよう||じん|かた||へんしん|||||

「 いやはや 、 研究 が 進んで いない フィロリアル の 王 を この 目 に する こと が できる と は 、 私 、 勇者 様 の 魔物 育成 能力 の 高 さ に 感服 です 。 |けんきゅう||すすんで||||おう|||め||||||||わたくし|ゆうしゃ|さま||まもの|いくせい|のうりょく||たか|||かんぷく| ハイ 」 はい

「 は ? 「 ただ の フィロリアル を 女王 に まで 育て上げる と は …… どのような 育て 方 を すれば 女王 に なる のでしょう か ? ||||じょおう|||そだてあげる||||そだて|かた|||じょおう|||| …… 奴隷 商 の 目的 が わかった ぞ 。 どれい|しょう||もくてき|||

こいつ 、 フィロリアル を 王 に する 方法 を 俺 から 聞いて 量産 する 気 だ 。 |||おう|||ほうほう||おれ||きいて|りょうさん||き| かなり 珍しい 魔物 に 分類 さ れる だろう し 、 変身 能力 を 持って いる んだ 。 |めずらしい|まもの||ぶんるい|||||へんしん|のうりょく||もって|| 高く 売れば 大儲け だ 。 たかく|うれば|おおもうけ|

「 たぶん 、 伝説 の 盾 の 力って 奴 だ と 思う ぞ 」 成長 補正 の 力 で ここ まで 育った のだろう と 推理 する 。 |でんせつ||たて||ちから って|やつ|||おもう||せいちょう|ほせい||ちから||||そだった|||すいり| そう で も ない と 説明 でき ない 。 |||||せつめい||

「 そう やって うやむやに する 勇者 様 に 私 、 ゾクゾク して きました 。 ||||ゆうしゃ|さま||わたくし|||き ました どれ くらい 金銭 を 積めば 教えて くれます か な ? ||きんせん||つめば|おしえて|くれ ます|| 「 そういう 意味 じゃ ねえ から ! |いみ||| 「 では 、 もう 一 匹 フィロリアル を 進呈 する ので 育てて みて ──」 ||ひと|ひき|||しんてい|||そだてて|

「 結構だ ! けっこうだ これ 以上 増えたら 俺 の 財布 が 持た ない 。 |いじょう|ふえたら|おれ||さいふ||もた| ただ で さえ フィーロ の 服 と か どう する か を 考え なきゃ いけない のに これ 以上 食い 扶持 が 増えたら 碌 な 事 が ない 。 |||||ふく|||||||かんがえ|||||いじょう|くい|ふち||ふえたら|ろく||こと||

「 は ぁ …… 後 は 思い付く 可能 性 と いう と アレ だ な 」 ||あと||おもいつく|かのう|せい||||||

「 なんで ございましょう 」

う …… 奴隷 商 の 奴 、 目 を 輝か せて いる ! |どれい|しょう||やつ|め||かがやか|| 気持ち 悪い 。 きもち|わるい

「 波 で 倒さ れた 大物 の 肉 を コイツ は 食って いた 。 なみ||たおさ||おおもの||にく||||くって| だから その 影響 を 受けて いる 可能 性 を 否定 でき ない 」 ||えいきょう||うけて||かのう|せい||ひてい||

まあ 、 自分 でも 無理やり 捻り出した 感 は ある 。 |じぶん||むりやり|ひねりだした|かん|| だけど 実際 フィーロ は キメラ の 肉 を 食べて いた から なぁ 。 |じっさい|||||にく||たべて||| 間違った 事 も 言って ない 。 まちがった|こと||いって|

「 ふむ …… それでは しょう が ありません ね 」 奴隷 商 の 奴 も 信じて いない が 俺 が 嫌がって いる のだ から しょうがないって 態度 で 引き下がる 。 ||||あり ませ ん||どれい|しょう||やつ||しんじて|||おれ||いやがって||||しょうがない って|たいど||ひきさがる 「 いつでも フィロリアル は お 譲り します ので 試して ください 。 ||||ゆずり|し ます||ためして| ハイ 」 はい

「 できれば 断りたい が なぁ ……」 「 もしも 扱い やすい 個体 に 育てて くださったら お 金 は 積みます よ 」 「 ふむ 、 余裕 が 出たら 考えて おこう 」 自分 でも 守 銭 奴 に なって きた 自覚 が あった けど 、 今 の 一言 で 確信 に 変わった 。 |ことわり たい||||あつかい||こたい||そだてて|||きむ||つみ ます|||よゆう||でたら|かんがえて||じぶん||しゅ|せん|やつ||||じかく||||いま||いちげん||かくしん||かわった 「 ところで どう しましょう 」 「 なに が ? ||し ましょう|| フィーロ が 会話 に 入り込んで 疑問 符 を 浮かべる 。 ||かいわ||はいりこんで|ぎもん|ふ||うかべる

「 アナタ の 処遇 です よ 」 ||しょぐう||

「 ご しゅじん さま と 一緒に ねる ー 」 ||||いっしょに||-

「 さ せません ! |せま せ ん 「 あー ずる ー い ! ||-| ラフタリア お 姉ちゃん は ご しゅじん さま を 独り占め して る ー 」 ||ねえちゃん||||||ひとりじめ|||-

「 してません ! して ませ ん 何 を 騒いで いる の やら ……。 なん||さわいで|||

「 さて 、 じゃあ フィーロ は 宿 に 備え付けられて いる 馬 小屋 で 寝よう な 」 「 や ー ! ||||やど||そなえつけ られて||うま|こや||ねよう|||- 鳥 の 分 際 で ハッキリ と 拒否 し や がった 。 ちょう||ぶん|さい||はっきり||きょひ|||

「 ご しゅじん さま と ねる の ー ! ||||||- …… これ は 子供 が 親 と 一緒に 寝たい と か 言う 駄々 と 同じだ な 。 ||こども||おや||いっしょに|ね たい|||いう|だだ||おなじだ| 「 そう か そう か 、 しょうがない 」

「 ナオフミ 様 !?」 |さま

「 ここ で 拒んだって ワガママ 言う んだ から ある 程度 合わせて やら なきゃ いけない だ ろ ? ||こばんだ って||いう||||ていど|あわせて||||| 「 まあ …… そう です けど 」

納得 し かねる と いった 様子 で ラフタリア が 呟く 。 なっとく|||||ようす||||つぶやく

「 でも 、 絶対 人前 で 裸 に なる んじゃ ない ぞ 」 |ぜったい|ひとまえ||はだか|||||

「 は ー い ! |-| 本当に わかって いる の か ? ほんとうに|||| まあ 良い 。 |よい 明日 、 武器 屋 の 親父 が どうにか して くれる こと を 祈る しか ある まい 。 あした|ぶき|や||おやじ|||||||いのる|||

それ から 宿屋 に 戻り 、 店主 に 追加 の 宿泊 代 を 払って 部屋 に 帰って 来た 。 ||やどや||もどり|てんしゅ||ついか||しゅくはく|だい||はらって|へや||かえって|きた

勉強 と か 調合 を する 余裕 は フィーロ が 人 型 に なった 所 為 で なく なって しまった な 。 べんきょう|||ちょうごう|||よゆう||||じん|かた|||しょ|ため|||||

「 わ ぁ ! 柔らかい 寝床 ー ! やわらかい|ねどこ|- ポンポン と ベッド に 乗って 跳ねる フィーロ に 注意 を 促し つつ 、 今日 は 早 めに 寝る こと に した 。 ぽんぽん||べっど||のって|はねる|||ちゅうい||うながし||きょう||はや||ねる|||

…… 暑い ! あつい なんで 暑い んだ !? |あつい|

「 う う ……」

体 が 思い通りに 動か ない 。 からだ||おもいどおりに|うごか| どう なって いる んだ ?

恐る恐る 目 を 開ける と 視界 は 白 一色 。 おそるおそる|め||あける||しかい||しろ|いっしょく 羽毛 に 包まれて いた 。 うもう||つつま れて| 「 す ー …… す ー ……」 |-||-

この ベッド 、 呼吸 して いる ぞ ! |べっど|こきゅう|||

徐に 顔 を 上げる と 寝て いた ところ は ベッド で は なく 本当の 姿 に 戻った フィーロ の 腹 の 上 だった 。 おもむろに|かお||あげる||ねて||||べっど||||ほんとうの|すがた||もどった|||はら||うえ| いつの間にか 元 の 姿 に 戻った フィーロ が ベッド から 転げ 落ちて 俺 を 抱き 枕 に して 寝入った ようだ 。 いつのまにか|もと||すがた||もどった|||べっど||ころげ|おちて|おれ||いだき|まくら|||ねいった|

「 起きろ ! おきろ この デブ 鳥 ! ||ちょう 誰 が 本当の 姿 に 戻って 良い と 言った ! だれ||ほんとうの|すがた||もどって|よい||いった

「 や ー ん 」 |-|

こいつ 、 本当の 姿 でも 喋れる ように なって や がる 。 |ほんとうの|すがた||しゃべれる||||

「 な 、 なに を して いる んです か ! ラフタリア が 寝ぼけ 眼 で 俺 の 方 を 見て 叫ぶ 。 ||ねぼけ|がん||おれ||かた||みて|さけぶ

「 おお 、 ラフタリア 、 助けろ ! ||たすけろ 殴って も コイツ は 起き やしない 。 なぐって||||おき| 単純に 俺 の 攻撃 力 が 足りない 所 為 だ 。 たんじゅんに|おれ||こうげき|ちから||たりない|しょ|ため|

「 起き なさい フィーロ ! おき|| 「 むに ゃむ に ゃ …… ご しゅじん さま ー 」 |||||||-

ご ろん と フィーロ は 床 を 転がる 。 |||||とこ||ころがる

ミシミシ と 嫌な 音 が 床 から 聞こえて くる 。 ||いやな|おと||とこ||きこえて| 木製 の 床 じゃ 耐久 限界 が 近い 。 もくせい||とこ||たいきゅう|げんかい||ちかい

「 起きろ ! おきろ しかし フィーロ は 俺 を 抱き締めた まま 起きる 気配 が ない 。 |||おれ||だきしめた||おきる|けはい||

「 起き なさい ! おき| ラフタリア が 俺 を 抱き締める フィーロ の 腕 を 力 技 で どうにか 開く 。 ||おれ||だきしめる|||うで||ちから|わざ|||あく 俺 は その 隙 を 逃さ ず に どうにか 脱出 した 。 おれ|||すき||のがさ||||だっしゅつ|

「 ふう …… 朝 から 散々だ 」 |あさ||さんざんだ

「 んに ゃ ? 抱いて いた 俺 が 居 なく なった の を 察知 して 、 フィーロ が 目 を 覚ました 。 いだいて||おれ||い|||||さっち||||め||さました フィーロ は 俺 と ラフタリア が 睨んで いる の に 気付き 首 を 傾げる 。 ||おれ||||にらんで||||きづき|くび||かしげる

「 どうした の ? 「 まずは 人 型 に なれ ! |じん|かた|| 「 えー おきて いきなり ー ? |||- くっ! この 手 だけ は 使い たく なかった が しょうがない ! |て|||つかい||||

俺 は ステータス 魔法 から 魔物 の アイコン を 選び 、 禁 則 事項 の 俺 の 言う 事 は 絶対 と いう 部分 に チェック を 入れる 。 おれ|||まほう||まもの||||えらび|きん|そく|じこう||おれ||いう|こと||ぜったい|||ぶぶん||ちぇっく||いれる こう すれば どんな 命令 でも 従わ ざる を 得 ない 。 |||めいれい||したがわ|||とく|

「 人 型 に なれ ! じん|かた|| 命令 が フィーロ に 向かって 響く 。 めいれい||||むかって|ひびく

「 えー …… もう ちょっと ご しゅじん さま と 寝たい ー 」 俺 の 命令 に 背いた 所 為 で フィーロ の 腹部 に 魔物 紋 が 浮かび上がる 。 |||||||ね たい|-|おれ||めいれい||そむいた|しょ|ため||||ふくぶ||まもの|もん||うかびあがる 「 え ? 「 聞か ねば 苦しく なる ぞ 」 きか||くるしく||

赤く 輝く 魔物 紋 が フィーロ の 体 を 侵食 して いく 。 あかく|かがやく|まもの|もん||||からだ||しんしょく||

「 や ー ん 」 |-|

フィーロ の 翼 から なにやら 幾何学 模様 が 浮かび上がり 魔物 紋 へ 飛んで いく 。 ||つばさ|||きかがく|もよう||うかびあがり|まもの|もん||とんで|

スーッ と 音 を 立てて 魔物 紋 は 沈黙 した 。 ||おと||たてて|まもの|もん||ちんもく|

「 は ? 俺 は 魔物 の アイコン を 確認 する 。 おれ||まもの||||かくにん| 何故 か 禁 則 事項 に 設定 した 項目 が 外されて いる 。 なぜ||きん|そく|じこう||せってい||こうもく||はずさ れて| 再度 チェック を 入れよう と した けれど 、 幾ら 弄って も 変わら ない 。 さいど|ちぇっく||いれよう||||いくら|いじって||かわら| 言う 事 を 聞か ない 魔物 と は どういう 事 だ 。 いう|こと||きか||まもの||||こと|

くそっ! くそ っ 俺 は 魔物 が 命令 を 聞く から 買った んだ ぞ 。 おれ||まもの||めいれい||きく||かった||

奴隷 商 …… 今 すぐ 貴 様 の 所 に 行く から な 。 どれい|しょう|いま||とうと|さま||しょ||いく|| 首 を 洗って 待って いろ 。 くび||あらって|まって|