カメ の こうら は ヒビ だらけ
カメ の こうら は ヒビ だらけ
むかし むかし 、 ある ところ に 、 一 匹 の カメ が い ました 。
この カメ は 、 大変 知り た がり 屋 でした 。
ある 晩 の 事 です 。
カメ は 砂浜 に 出て 、 きれいな 星空 を ながめて い ました 。
「 ああ 、 何て きれいな 空 だろう 。
なんて 素敵な 星 だろう 。
あの 星 の そば は 、 どんなふうな ん だろう なあ 」 空 を 見上げて いる うち に 、 カメ は 星 の そば へ 行って み たく なり ました 。
カメ は ノッソリノッソリ と 、 空 を 目指して 歩き 始め ました 。
歩いて いる うち に 、 夜 が 明け ました 。
なお 歩き 続けて いる うち に 日 が 暮れて 、 また 夜 が 来 ました 。
カメ が 空 を 見上げて みる と 、 星 は あいかわらず 空 高く 輝いて い ます 。
カメ は ガッカリ し ました が 、 でも また 元気 を 出して ノロノロ と 歩き 始め ました 。
でも 、 歩いて も 歩いて も 、 星 は 近く なり ませ ん 。
カメ は 疲れ 切って 、 もう ひと 足 も 前 ヘ 進め なく なり ました 。
「 もう 駄目だ 。
星 の そば へ なんか 、 とうてい 行け ない んだ 」 カメ が 悲しんで いる と 、 灰色 の アオサギ が そば を 通り かかり ました 。
「 こんにちは 、 カメ さん 。
こんな ところ で 何 を して いる のです か ?
」 「 はい 。
星 の そば ヘ 行って み たい んだ けど 、 歩いて も 歩いて も 行け ない んだ よ 。
アオサギ さん 。
わたし を 空 へ 連れて 行って くれ ない かい ?
」 「 いい です と も 。
お 安い ご用 です 。
さあ 、 わたし の 背中 に お 乗り なさい 」 カメ は 大喜びで 、 アオサギ の 背中 に よじ登り ました 。
アオサギ は 、 翼 を 広げて 舞い上がり ました 。
アオサギ は 、 グングン 空 高く 昇って 行き ます 。
しばらく して 、 アオサギ は カメ に 聞き ました 。
「 カメ さん 、 カメ さん 。
地面 が 見え ます か ?
」 「 見える よ 。
ずいぶん 小さく はなった けど ね 」 と 、 カメ は 答え ました 。
アオサギ は 、 いっそう 高く 昇って 行き ました 。
しばらく 行く と 、 また カメ に 聞き ました 。
「 カメ さん 、 地面 は まだ 見え ます か ?
」 「 いや 、 アオサギ さん 。
もう 見え なく なって しまった よ 」 する と 突然 、 アオサギ は 大声 を あげて 笑い 出し ました 。
「 えっ へ へ へ 。
バカな カメ さん 、 バイバーイ 」 そして いきなり 高い 高い 空 の 上 で 、 クルリ と 宙返り を した のです 。
実は アオサギ は 、 悪い 魔法使い だった のです 。
カメ は アオサギ の 背中 から あっという間 に 放り 出さ れて 、 真っ 逆さまに 落ちて 行き ました 。
可愛 そうな カメ は 目 を しっかり 閉じて 、 一生懸命 神さま に お 祈り し ました 。
( 神さま 、 神さま 、 神さま 。
もしも 助けて くださったら 、 もう 二度と 空 ヘ 行き たい など と 申し ませ ん ) 地面 の 近く まで 来た 時 、 カメ は 目 を 開けて み ました 。
すぐ 近く に 、 森 や 山 が 見え ます 。
「 危ない !
みんな よけて くれ !
どいて くれ !
」 カメ は 、 夢 中 で 叫び ました 。
「 ぼく に ぶつかったら 、 みんな 潰れて しまう ぞ !
」 森 の 木 も 、 山 の 岩 も 、 急いで わき ヘ よけ ました 。
ドシーン !
カメ は 地面 に 、 ものすごい 勢い で ぶつかり ました 。
でも 、 カメ は 死に ませ ん でした 。
けれども カメ の こうら は 、 コナゴナ に 砕け 散って しまい ました 。
それ を 、 一 人 の 良い 魔法使い が 見て い ました 。
魔法使い は カメ を 可愛 そうに 思い 、 こうら の かけら を 集めて つないで やり ました 。
この 時 から カメ の こうら は 、 ひび だらけ に なって しまった のです 。
おしまい
カメ の こうら は ヒビ だらけ
かめ||||ひび|
the tortoise's fur is full of cracks
カメ の こうら は ヒビ だらけ
かめ||||ひび|
As tartarugas estão cheias de rachaduras
むかし むかし 、 ある ところ に 、 一 匹 の カメ が い ました 。
|||||ひと|ひき||かめ|||
この カメ は 、 大変 知り た がり 屋 でした 。
|かめ||たいへん|しり|||や|
ある 晩 の 事 です 。
|ばん||こと|
カメ は 砂浜 に 出て 、 きれいな 星空 を ながめて い ました 。
かめ||すなはま||でて||ほしぞら||||
「 ああ 、 何て きれいな 空 だろう 。
|なんて||から|
なんて 素敵な 星 だろう 。
|すてきな|ほし|
あの 星 の そば は 、 どんなふうな ん だろう なあ 」 空 を 見上げて いる うち に 、 カメ は 星 の そば へ 行って み たく なり ました 。
|ほし||||||||から||みあげて||||かめ||ほし||||おこなって||||
カメ は ノッソリノッソリ と 、 空 を 目指して 歩き 始め ました 。
かめ||||から||めざして|あるき|はじめ|
歩いて いる うち に 、 夜 が 明け ました 。
あるいて||||よ||あけ|
なお 歩き 続けて いる うち に 日 が 暮れて 、 また 夜 が 来 ました 。
|あるき|つづけて||||ひ||くれて||よ||らい|
カメ が 空 を 見上げて みる と 、 星 は あいかわらず 空 高く 輝いて い ます 。
かめ||から||みあげて|||ほし|||から|たかく|かがやいて||
カメ は ガッカリ し ました が 、 でも また 元気 を 出して ノロノロ と 歩き 始め ました 。
かめ||がっかり||||||げんき||だして|のろのろ||あるき|はじめ|
でも 、 歩いて も 歩いて も 、 星 は 近く なり ませ ん 。
|あるいて||あるいて||ほし||ちかく|||
カメ は 疲れ 切って 、 もう ひと 足 も 前 ヘ 進め なく なり ました 。
かめ||つかれ|きって|||あし||ぜん||すすめ|||
「 もう 駄目だ 。
|だめだ
星 の そば へ なんか 、 とうてい 行け ない んだ 」 カメ が 悲しんで いる と 、 灰色 の アオサギ が そば を 通り かかり ました 。
ほし||||||いけ|||かめ||かなしんで|||はいいろ||||||とおり||
「 こんにちは 、 カメ さん 。
|かめ|
こんな ところ で 何 を して いる のです か ?
|||なん||||の です|
」 「 はい 。
星 の そば ヘ 行って み たい んだ けど 、 歩いて も 歩いて も 行け ない んだ よ 。
ほし||||おこなって|||||あるいて||あるいて||いけ|||
アオサギ さん 。
わたし を 空 へ 連れて 行って くれ ない かい ?
||から||つれて|おこなって|||
」 「 いい です と も 。
お 安い ご用 です 。
|やすい|ごよう|
さあ 、 わたし の 背中 に お 乗り なさい 」 カメ は 大喜びで 、 アオサギ の 背中 に よじ登り ました 。
|||せなか|||のり||かめ||おおよろこびで|||せなか||よじのぼり|
アオサギ は 、 翼 を 広げて 舞い上がり ました 。
||つばさ||ひろげて|まいあがり|
アオサギ は 、 グングン 空 高く 昇って 行き ます 。
||ぐんぐん|から|たかく|のぼって|いき|
しばらく して 、 アオサギ は カメ に 聞き ました 。
||||かめ||きき|
「 カメ さん 、 カメ さん 。
かめ||かめ|
地面 が 見え ます か ?
じめん||みえ||
」 「 見える よ 。
みえる|
ずいぶん 小さく はなった けど ね 」 と 、 カメ は 答え ました 。
|ちいさく|||||かめ||こたえ|
アオサギ は 、 いっそう 高く 昇って 行き ました 。
|||たかく|のぼって|いき|
しばらく 行く と 、 また カメ に 聞き ました 。
|いく|||かめ||きき|
「 カメ さん 、 地面 は まだ 見え ます か ?
かめ||じめん|||みえ||
」 「 いや 、 アオサギ さん 。
もう 見え なく なって しまった よ 」 する と 突然 、 アオサギ は 大声 を あげて 笑い 出し ました 。
|みえ|||||||とつぜん|||おおごえ|||わらい|だし|
「 えっ へ へ へ 。
バカな カメ さん 、 バイバーイ 」 そして いきなり 高い 高い 空 の 上 で 、 クルリ と 宙返り を した のです 。
ばかな|かめ|||||たかい|たかい|から||うえ||くるり||ちゅうがえり|||の です
実は アオサギ は 、 悪い 魔法使い だった のです 。
じつは|||わるい|まほうつかい||の です
カメ は アオサギ の 背中 から あっという間 に 放り 出さ れて 、 真っ 逆さまに 落ちて 行き ました 。
かめ||||せなか||あっというま||はな り|ださ||まっ|さかさまに|おちて|いき|
可愛 そうな カメ は 目 を しっかり 閉じて 、 一生懸命 神さま に お 祈り し ました 。
かわい|そう な|かめ||め|||とじて|いっしょうけんめい|かみさま|||いのり||
( 神さま 、 神さま 、 神さま 。
かみさま|かみさま|かみさま
もしも 助けて くださったら 、 もう 二度と 空 ヘ 行き たい など と 申し ませ ん ) 地面 の 近く まで 来た 時 、 カメ は 目 を 開けて み ました 。
|たすけて|||にどと|から||いき||||もうし|||じめん||ちかく||きた|じ|かめ||め||あけて||
すぐ 近く に 、 森 や 山 が 見え ます 。
|ちかく||しげる||やま||みえ|
「 危ない !
あぶない
みんな よけて くれ !
どいて くれ !
ど いて|
」 カメ は 、 夢 中 で 叫び ました 。
かめ||ゆめ|なか||さけび|
「 ぼく に ぶつかったら 、 みんな 潰れて しまう ぞ !
||||つぶれて||
」 森 の 木 も 、 山 の 岩 も 、 急いで わき ヘ よけ ました 。
しげる||き||やま||いわ||いそいで||||
ドシーン !
カメ は 地面 に 、 ものすごい 勢い で ぶつかり ました 。
かめ||じめん|||いきおい|||
でも 、 カメ は 死に ませ ん でした 。
|かめ||しに|||
けれども カメ の こうら は 、 コナゴナ に 砕け 散って しまい ました 。
|かめ||||||くだけ|ちって||
それ を 、 一 人 の 良い 魔法使い が 見て い ました 。
||ひと|じん||よい|まほうつかい||みて||
魔法使い は カメ を 可愛 そうに 思い 、 こうら の かけら を 集めて つないで やり ました 。
まほうつかい||かめ||かわい|そう に|おもい|||||あつめて|||
この 時 から カメ の こうら は 、 ひび だらけ に なって しまった のです 。
|じ||かめ|||||||||の です
おしまい
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