1.取り込み 神社
俺 の 嫁 ・アイ が 学生 の 頃 の 話 。オカルト 研究 サークル に 入って いた アイ と アイ の 友達
ケイコ が 、心霊 スポット に ついて の 噂 を 仕入れて きた 。東北 地方 某 県 の 山中 に 、周囲 を 注連縄 で 囲われている
廃 神社 が あり 、それを 一人 で またぐ と 帰って こられなく なる と 言う 。検証 する べく メンバー である 男子 学生 ・
ユウタ が 一人で その 場所に 向かった ところ 、果たして 彼とは 連絡が 取れなく なった 。
心配した サークルの メンバー 一同は 皆で 様子を 見に 行くことに した 。そして そこで アイと ケイコが 体験した のが 、次の ような もの 。
アイ は そこそこ 霊感 が ある もの の お祓い と か は さっぱり な ので 、 出発 の 時 、 霊感 が 強い 先輩 に 同行 して くれる よう 頼んだ 。
ケイコの 情報通り の 場所には 、確かに 注連縄で 囲まれた 神社らしき ものが あり 、ユウタが ここに 来た であろう ことも 間違いない ように 思われた 。
来て もらった 先輩 は その 神社 を 見る や 苦い 顔 を して 、
「ここ に いる の は 怖い 」と 入る の を 拒否 した 。
しかし 仲間 の 様子 が 心配な メンバー としては 、ここ で 引き下がる わけに も いかない 。
注 連 縄 を 越えて 進もう と する 彼ら に 先輩 が こう いった 。「 この 注 連 縄 の 中 に は 、 強力な 何 か が 満ち 溢れてる 。
これ に 一度 とらわれたら 自力 で 抜け出す のが 難しい 。この 力 に つけいる 隙 を 与え ない ために 、彼 を 連れ帰り
この 注連縄 を 超える まで 決して 会話 を 途切れ させて は いけない 。大人数 で 入って 会話 に 入れ ない 者 が いる の は 危険 だから 、
二人 で 入る のが 一番 だと 思う 」
その 場 に いた メンバー の 中 で アイ と ケイコ が 最年長 の 女性 であり 、おしゃべり を する なら 男性 より 女性 の ほう が 得意 だろう と いう こと で
2人 が ペアに なって 中に 入る ことに した 。話す 内容 は 何でも よく 、
2人 は 趣味 や スイーツ や ファッション など 、ありとあらゆる ことを 話し ながら 進んで いった が
「会話 を 途切れ させて は いけない 」と いう 義務感 や 、心霊 スポット の 只中 に いる と いう 緊張感 から 、精神的に かなり 苦しかった そうだ 。
鳥居 を くぐり 、拝殿 の ような ところに 辿り着いた アイが 戸 を 開く と 、ぼんやりした 暗闇 の 中 を 探していた ユウタが こちらに 背を 向けて 座り込んでいた 。
アイが 目を 凝らすと 、彼を コの字に 囲む 古びた 日本人形が 多数 見えて
そして ケイコの 声に 混じって
彼が ぶつぶつと 何かを 呟いている のが 聞こえる 。2人に 促されると 彼は ぼんやりしながらも 立ち上がり 、
のろのろと 外へ と 歩き出した 。そろそろ 話す ネタも 尽きてきた 2人は 焦り 始め
ケイコは ユウタの 腕を 掴んで 走りだし 、アイも 後に 続いた 。
息を 切らしながらも 会話を 続け 、ようやく 注連縄と 応援する 仲間たちの 姿が 見えてきた 。一足先に 縄を またいだ ケイコは 、話し続けなければならない という 緊張から 解放された ためか
一つ 大きな ため息を ついた 。そして 会話が 途切れた その 瞬間 、
愛は まだ 縄を くぐって いなかった 。
投げかけた 言葉 に 返答 が なかった その 時 、耳 の すぐ そば で 何人も の 人間 が 大声 で 怒鳴る ような 大騒音 が アイ の 耳 に 飛び込んできた 。
驚いて 耳 を 塞いだ が 声 は 全く 小さく ならず 、激しい 頭痛 と 恐怖 で 頭 が おかしく なりそうに なって 、思わず その 場 に しゃがみ込み そうに なった 時 、先輩 が めいいっぱいに 手 を 伸ばして
アイ の 腕 を 掴み
注連縄 の 外 に 引っ張り出して くれた 。縄 を 超えた 瞬間 その 声 は 嘘 の ように 消え去った と 言う 。
アイ は 呆然 と して 辺り を 見回した が 自分 たち 以外 の人間 の 姿 は 見え ず 、 そして その 場 に いた 誰 も 、 愛 が 耳 に した
声は 聞いていないと 言う 。ユウタは しばらく 呆然として いたが 、帰りの 車の 中で 徐々に 自分を 取り戻し
何が あったのかを 話してくれた 。といっても あの 注連縄を 超えた 途端
ひどい 耳鳴り と 頭痛 が して 、 その後 気 が ついたら 仲間 に 囲まれて 神社 の 外 に いた …… と いう こと しか 覚えて い なかった が 。
アイは 持ち前の 霊感の せいか 分からないが 、ユウタには 分からなかった 声の 内容が 引き取れた ようで 、
なんでも 「帰さん 」
「新参だ 」「ここにいろ 」
という ような ことを 言って いた らしい 。
ユウタ は その後 先輩 の 勧め で お祓い 権 お務め みたいな 感じ で 、夏休み いっぱい
どっか の 寺 で 過ごした と いう 。