進撃 の 巨人 第一期 第一話
タイトル : 二千年後 の 君 へ ―シガンシナ 陥落 ① ―
アルミン (叙事 ):その 日 、人類 は 思い出した …奴 ら に 支配 されていた 恐怖 を …鳥籠 の 中 に とらわれていた 、屈辱 を 。
シャーディス :総員 、戦闘 用意 ! 目標 は 一体 だ ! 必ず 仕留め ― ! ここ を 我々 人類 、最初 の 壁外拠点 とする !
エルヴィン :あっ …目標 接近 !
シャーディス :訓練 どおり 五つ に 分かれろ ! 囮 は 我々 が 引き受ける !
全攻撃班 立体機動 に 移れ !
エルヴィン :全方向 から 同時に 叩く ぞ !
モーゼス :人類 の 力 を ―…思い知れ !
Seid ihr das Essen ?
Nein ,wir sind die Jäger !
Wir sind Jäger
Wir sind Jäger
踏まれた 花 の 名前 も 知らずに
地 に 堕ちた 鳥 は 風 を 待ち侘びる
祈った ところ で 何も 変わらない
今 を 変える の は 戦う 覚悟 だ ...
屍 踏み越えて 進む 意志 を 嗤う 豚 よ
家畜 の 安寧 ...虚偽 の 繁栄 ...死 せる 餓狼 「自由 」を !
囚われた 屈辱 は 反撃 の 嚆矢 だ
城壁 の 其の 彼方 獲物 を 屠る Jäger
迸る 殺意 に 其の 身 を 灼き ながら
黄昏 に 緋 を 穿つ 紅蓮 の 弓矢
Wir sind Jäger
Wir sind Jäger
Wir sind Jäger
Wir sind die Jäger
エレン :あれ …ミカサ ?
ミカサ :そろそろ 帰ろう 。
エレン :何で …ここ に ?
ミカサ :そんなに 寝ぼける まで 熟睡してた の ?
エレン :いや …なんか すっげー 長い 夢 を 見てた 気 が する ん だけど …何だった っけ ? 思い出せねえ な 。
ミカサ :エレン ? どうして 泣いてる の ?
エレン :え ?
ニック 司祭 :聞け ! 壁 は 神 の 英知 に よって 作られた ! 壁 こそ が 神 の 御業 である ! 何人 たり とも 、壁 を 汚して は ならない !
エレン :言うな よ 、誰にも 。 俺 が 泣いてた とか 。
ミカサ :言わない 。 でも 理由 も 無く 涙 が 出る なんて 、一度 おじさん に 見て もらったら ?
エレン :バカ 言え ! 親父 に 言える か 、そんな こと !
ハンネス :何 泣いてんだ ? エレン 。
エレン :ハンネス さん 。
ハンネス :ミカサ に 何か 怒られた のか ?
エレン :はっ ? 何で 俺 が 泣くんだ よ ? って …酒臭っ !
兵士 1:ヘヘヘッ ! いい じゃねえ かよ
エレン :あっ …また 飲んでる ?
ハンネス :お前ら も 一緒に どう だ ?
エレン :いや …あの …仕事 は ?
ハンネス :おう ! 今日 は 門兵 だ ! 一日中 ここ に いる わけだから 、やがて 腹 が 減り 、喉 も 渇く 。 飲み物 の 中 に たまたま 酒 が 混じっていた こと は ,些細 な 問題 に すぎねえ 。
エレン :そんな ん で 、いざって 時 に 戦えん の ?
ハンネス :あ ? いざって 時 って 何 だ ?
エレン :決まってんだろ ! 奴ら が 壁 を 壊して 、街 に 入ってきた 時 だ よ !
ハンネス :イテ …。 おい 、エレン 。 急 に 大声 出すん じゃねえ よ !
兵士 1:元気 が いい な 、医者 の せがれ 。 奴ら が 壁 を 壊す こと が あったら 、そりゃ しっかり やる さ 。 しかし な 、そんな こと 100年間 で 一度 も 無いんだ ぜ !
エレン :でも ! そうやって 安心 してる 時 が 一番 危ない って 、父さん が 言ってたん だ !
ハンネス :イエーガー 先生 か …。 まあ 、確かに な …。 前 に 、先生 が 流行病 から 、この 街 を 救って くれた 。 先生 に は 頭 が 上がら ねえ 。 でも な 、それ と 奴ら は 別 だ よ …。 兵士 に なれば 壁 の 補強 とか で 、外 を うろつく 奴ら を 見かける 機会 が あるんだ が …奴ら に この 五十メートル の 壁 を どうこう できる とは 思えねえ んだ 。
エレン :じゃ …じゃあ ―…そもそも 奴ら と 戦う 覚悟 なんて ねえ んだ な ?
ハンネス :ねえ なあ 。
エレン :何だ よ ! もう 「駐屯兵団 」なんて 名乗る の やめて ―、「壁工事団 」に しろ よ !
ハンネス :それ も 悪く ねえ ! しかし なあ 、エレン …兵士 が 活躍 するって こと は 、それ こそ 最悪 の 時 だ 。 俺たち が 役立たず の タダ 飯 食らい だって 、バカに されてる 時 の ほうが 、みんな は 平和 に 暮らせるんだ ぞ 。
エレン :一生 …壁 の 中 から 出られなくても ―、飯 食って 寝てりゃ 生きていける よ …。 でも 、 それ じゃ 、 まるで … まるで 家畜 じゃない か …?
兵士 2 :子供 が 勇ましい こった !
兵士 3 :何も できやしえねえ くせに な ? ハンネス 。
ハンネス :お ? ああ …おい 、エレン !
兵士 1 : へ ッ ! おかしな 奴 だ な !
ハンネス :まさか 、あいつ …調査兵団 に 入りたい の か ?
ミカサ :エレン 、調査兵団 は やめた ほうが いい 。
エレン :何だ よ ! お前 も 調査兵団 を バカ に すん のか ?
ミカサ :バカ に する とか 、そういう 問題 じゃ …。
エレン :調査兵団 が 帰ってきたんだ ! 正面 の 門 が 開く ぞ ! 行く ぞ ミカサ ! 英雄 の 凱旋 だ !
エレン :クソッ ! 見え ねえ !
住民 1: これ だけ しか 帰って 来 なかった の か よ …。
住民 2:みんな 食われちまった ん だろ 。 わざわざ 壁 の 外 に 出る から 、こう なるんだ よ 。
モーゼス の 母 : モーゼス ? モーゼス ? あの …息子 が …モーゼス が 見当たらない んです が …息子 は どこ でしょうか ?
シャーディス :モーゼス の 母親 だ 。 持って 来い 。 それ だけ しか 取り返せませんでした 。
モーゼス の 母 :でも 息子 は ―…役に立った んです よね ? 何か 直接 の 手柄 は なくても 、息子 の 死 は 人類 の 反撃 の 糧 に なった んです よね ?
シャーディス :もちろん ! いや …今回 の 調査 で 我々 は …いや …今回 も …。 何の 成果 も …得られませんでした ! 私 が 無能 な ばかりに 、ただ いたずらに 兵 を 死なせ ! 奴ら の 正体 を 突き止める こと が できませんでした !
住民 1:ひでえ もんだな ?
住民 2 :全く だ 。 これ じゃあ 俺ら の 税 で 奴ら に エサ を やって 太らせてる ような もん だ ? うわっ! あ …何 すんだ 、クソガキ ?
エレン :うう ! うわっ! おい ! 何だ よ ミカサ !
住民 2 :おい ! 戻って こい 、コラー !
エレン :ミカサ 、もう いい だろ ! うわ ーっ ! 何 すんだ よ ! 薪 が 散っちゃった じゃねえ か !
ミカサ :エレン 、調査兵団 に 入りたい って 気持ち は 変わった ?
エレン :手伝えよ 、拾う の 。
ミカサ :手伝う ほど ない じゃない 。
エレン :ただいま 。
カルラ :おかえりなさい 。 あら 、エレン ! 今日 は 珍しく 頑張った じゃない
エレン :ああ … 何だ よ ?
カルラ :耳 が 赤かった 。 ウソ 吐いた 証拠 。 ミカサ に 手伝って もらった の ね ?
エレン :あれ ? 父さん 出かける の ? 仕事 ?
グリシャ :ああ 。 内地 へ 診療 だ 。 2、3日 かかる かな 。
ミカサ :エレン が …調査兵団 に 入りたい って 。
エレン :ミカサ ! 言う なって !
カルラ :エレン ! 何 を 考えている の ? 壁 の 外 に 出た 人類 が どれだけ 死んだ か 、分かってる の ?
エレン :分かってる よ !
カルラ :だったら …!
グリシャ :エレン …どうして 外 に 出たい んだ ?
エレン :知りたい んだ 、外 の 世界 が どうなっている のか 。 何も 知らずに 、一生 壁 の 中 で 過ごす なんて イヤだ ! それに 、ここ で 誰も 続く 人 が いなかったら …今までに 死んだ 人たち の 命 が 無駄 に なる !
グリシャ :そうか …。 船 の 時間 だ 。 そろそろ 行く よ 。
カルラ :ちょっと ,あなた ! エレン を 説得 して !
グリシャ :カルラ 、人間 の 探究心 とは …誰か に 言われて 抑えられる もの では ない よ 。 エレン …帰ったら 、ずっと 秘密 に していた 地下室 を 見せて やろう 。
エレン :ホ …ホントに ? いって らっしゃー い !
カルラ :ダメ だから ね 。 調査兵団 なんて バカな マネ !
エレン :はあ ? バカ だって ? 俺 には 、家畜 でも 平気で いられる 人間 の ほう が 、よっぽど マヌケ に 見える ね !
カルラ :エレン ! ミカサ 、あの 子 は だいぶ 危なっかしい から 、困った とき は 2人で助け合うんだよ!
ミカサ :うん 。
男子 1:どうした 異端者 ? 悔しかったら 、殴り 返して みろ よ !
アルミン :そんな こと する もんか ? それじゃ お前ら と 同 レベル だ !
男子 1:何 だ と ?
アルミン :僕 が 言った こと を 正しい と 認めている から 、言い返せなくて 殴る こと しか できない んだろう ? それ は 僕 に 降参 したって こと じゃない のか ?
男子 1:うる せ え ぞ 、この 屁理屈 野郎 !
エレン :やめろ !
男子 1 :エレン だ !
男子 2 :バカ め ! また 来やがった !
男子 1 :ブチ の めされて え の か ?
男子 3 :カモ に して やる ! ん ? ミ …ミカサ が いる ぞ !
男子 1 :ダ …ダメ だ ! ここ は 引け ~!
エレン :あいつ ら 、俺 を 見て 逃げ やがった ぞ !
アルミン :いや …ミカサ を 見て 逃げた んだろ …。 イテテテ …。
エレン :大丈夫 か ? アルミン 。
アルミン :一人 で 立てる よ 。
エレン :そうか 。
アルミン :それ で ―、人類 は いずれ 外 の 世界 に 行く べき だって 言ったら 、殴られた 異端 だって …。
エレン :クソッ ! 外 に 出たい って だけ で 。 何で 白い 目 で 見られる んだ ?
アルミン :そりゃ …壁 の 中 に いる だけ で ―、100年 ずっと 平和 だった から だ 。 ヘタ に 外 に 出よう と して 、奴ら を 壁 の 中 に 招く こと が ない ように 、王政府 の 方針 として 、外 の 世界 に 興味 を 持つ こと 自体 を タブー に したんだ 。
エレン :自分 の 命 を 懸ける んだ 。 俺ら の 勝手 だろ !
ミカサ :絶対 ダメ ! ダメ …。
エレン :そういや 、お前 ! よくも 親 に バラした な !
ミカサ :協力 した 覚え は ない 。
アルミン :で …どう だった ?
エレン :そりゃ …喜ばれ は しない 。
アルミン :ああ …だろう ね 。 確かに 、この 壁 の 中 は 未来永劫 安全 だ と 信じきってる 人 は 、どうか と 思う よ 。 100年壁が壊されなかったからといって、今日壊されない保証なんか…どこにもないのに…。
アルミン :な …何 だ ?
エレン :爆発 か ?
住民 1:あっち だ !
住民 2 :何 か 落ちた らしい な ?
住民 3 :わから ねえ 。
エレン :おい 、アルミン ! どうした ? 一体 何 が 見える って んだ よ ?
アルミン :そんな …あの 壁 は …50メートル だ ぞ !
エレン :奴 だ …巨人 だ !
アルミン :ああ …。 か …壁 に …穴 を 空けられた !
住民 4 :入って来る ぞ !
住民 5 :巨人たち が 入って来る !
アルミン :僕たち も …あっ 、エレン !
エレン :あっち に は 家 が …母さん が !
アルミン :あっ 、ミカサ !
アルミン :もう ダメ なんだ …。 この 街 は …もう …無数 の 巨人 に 占領される !
エレン :家 に 当たってる わけ が ない …。 あの 角 を 曲がれば 、いつも の …家 が ! 母さん ! 母さん !
カルラ :エレン !
エレン :ミカサ 、そっち を 持て ! 柱 を どかす ぞ ! 急げ ミカサ !
ミカサ :分かってる !
カルラ :巨人 が …入ってきた んだろう ? エレン ! ミカサ を 連れて 逃げなさい ! 早く !
エレン :逃げたい よ 、俺 も ! 早く 出て くれ よ ー !
カルラ :母さん の 足 は …がれき に 潰されて …。 ここ から 出られた と しても 、走れない 。 分かる だろう ?
エレン :俺 が 担いで 逃げる よ !
カルラ :どうして いつも 母さん の 言う こと を 聞かない の ? 最後 ぐらい 言う こと を 聞いて よ ! ミカサ !
ミカサ :イヤだ …イヤだ !
カルラ :このまま じゃ 、3人 とも …。 ハンネス ! 子供たち を 連れて 逃げて !
ハンネス :見くびって もらっちゃ 困る ぜ 、カルラ 。 俺 は 巨人 を ぶっ殺して 、きっちり 3人 とも 助ける !
カルラ :待って ! 戦って は ダメ !
ハンネス :確かに 2人 だけ なら 助けられる …。 だが 今 こそ 、俺 は 俺の 恩返し を 通す !
エレン :おい 、ハンネス さん ! 何 やって んだ よ !
カルラ :ありがとう …。
エレン :母さん が まだ !
カルラ :エレン ! ミカサ ! 生き延びる の よ ! 行か ないで …。
エレン :やめろ ー !
アルミン (叙事 ):その 日 、人類 は 思い出した … 奴 ら に 支配 されて いた 恐怖 を …鳥籠 の 中 に とらわれて いた 、屈辱 を 。
その 夢 は 心 の 居場所
命 より 壊れ やすき もの
何度でも 捨てて は 見つけ
安らか に さぁ 眠れ
脈打つ 衝動 に 願い は 犯され
忘れてしまう ほど また 想い出す よ
この 美しき 残酷な 世界 では
まだ 生きている こと 「何故 」と 問う ばかりで …
嗚呼 ボクたち は この 強さ 弱さ で
何 を 護る の だろう もう 理性 など
無い ならば