クルミ割りのケート
くるみ わり り の ケート
Nut Cracking Keto
クルミ 割 り の ケート
くるみ|わり|||
Walnut cracker
むかし むかし 、 一 人 娘 を 持つ 王さま と 、 一 人 娘 を 持つ 女王 さま が 結婚 し ました 。
||ひと|じん|むすめ||もつ|おうさま||ひと|じん|むすめ||もつ|じょおう|||けっこん||
Once upon a time, the King, who has one daughter, and the Queen, who has one daughter, got married.
王さま の 娘 の 名 は 、 アン と いい ます 。
おうさま||むすめ||な|||||
The name of the King's daughter is Anne.
女王 さま の 娘 の 名 は 、 ケート です 。
じょおう|||むすめ||な|||
The name of the Queen's daughter is Kate.
アン と ケート は 、 本当の 姉妹 の 様 に 仲良し でした 。
||||ほんとうの|しまい||さま||なかよし|
Anne and Kate were close friends like their true sisters.
ところが 女王 は 、 自分 より 美しい アン を にくらしく 思って い ました 。
|じょおう||じぶん||うつくしい||||おもって||
However, the Queen was sick of Anne, who was more beautiful than herself.
そして アン を みにくく する に は どうした らい いか と 、 考え 続け ました 。
|||||||||||かんがえ|つづけ|
And I kept thinking about how to make Anne hard to see.
ある 日 、 女王 は ニワトリ 番 の 女 の ところ ヘ 、 相談 に 行き ました 。
|ひ|じょおう||にわとり|ばん||おんな||||そうだん||いき|
One day, the queen went to consult with the chicken queen.
実は この ニワトリ 番 の 女 は 、 魔法 を 使う 事 が 出来た のです 。
じつは||にわとり|ばん||おんな||まほう||つかう|こと||できた|
In fact, this chicken-numbered woman was able to use magic.
ニワトリ 番 の 女 が 、 言い ました 。
にわとり|ばん||おんな||いい|
The chicken number woman said.
「 明日 の 朝 、 アン が 何も 食べ ない うち に 、 ここ ヘ 来さ せ なさい 」
あした||あさ|||なにも|たべ||||||きたさ||
"Tomorrow morning, let Anne come here before Anne eats anything."
あくる 朝 はやく 、 アン は 女王 から 、 「 谷間 の ニワトリ 番 の ところ へ 行って 、 タマゴ を もらって 来 ておくれ 」 と 、 言わ れ ました 。
|あさ||||じょおう||たにま||にわとり|ばん||||おこなって|たまご|||らい|||いわ||
Early in the morning, Anne was told by the Queen, "Go to the chicken number in the valley and get an egg."
アン は さっそく 出かけ ました が 、 けれども アン は 台所 を 通る 時 に 、 パン の 皮 を つまみ食い した のです 。
|||でかけ||||||だいどころ||とおる|じ||ぱん||かわ||つまみぐい||
Ann went out at once, but as she passed through the kitchen, she picked up the bread crust and ate it.
そして それ を 食べ ながら 、 ニワトリ 番 の 女 の ところ ヘ 行き ました 。
|||たべ||にわとり|ばん||おんな||||いき|
And while eating it, I went to the chicken's turn.
アン を 見る と 、 ニワトリ 番 の 女 は 、 「 あそこ の ナベ の ふた を 開けて 、 中 を のぞいて ごらん 」 と 、 言い ました 。
||みる||にわとり|ばん||おんな||||なべ||||あけて|なか|||||いい|
When she saw Anne, the chicken keeper said, "Open the lid of the pan over there and look inside."
アン は 言わ れた 通り に し ました が 、 別に 変わった 事 は おこり ませ ん でした 。
||いわ||とおり|||||べつに|かわった|こと|||||
Ann tat genau das, was ihr gesagt wurde, aber nichts anderes änderte sich.
Ann did exactly what she was told, but nothing else changed.
「・・・・・・。
家 へ 帰ったら 『 食料 戸棚 に 、 カギ を かけて おき なさい 』 って 、 伝える んだ よ 」 と 、 ニワトリ 番 が 言い ました 。
いえ||かえったら|しょくりょう|とだな||かぎ||||||つたえる||||にわとり|ばん||いい|
When I got home, I told him, "Keep the key in the food cupboard," said the chicken keeper.
アン は 女王 の ところ に 帰って 、 ニワトリ 番 に 言わ れた 通り を 伝え ました 。
||じょおう||||かえって|にわとり|ばん||いわ||とおり||つたえ|
Ann returned to the Queen and told her what the chickens had told her to do.
女王 は これ で 、 アン が 何 か 食べて いた 事 を 知り ました 。
じょおう||||||なん||たべて||こと||しり|
The Queen now knows that Anne was eating something.
次の 朝 、 アン は 何も 食べ ない うち に 、 ニワトリ 番 の ところ へ 使い に やら さ れ ました 。
つぎの|あさ|||なにも|たべ||||にわとり|ばん||||つかい|||||
The next morning, Anne was sent to the chicken number before she ate anything.
アン は 途中 で 、 マメ を 取り入れて いる お 百姓 に 会い ました 。
||とちゅう||まめ||とりいれて|||ひゃくしょう||あい|
Along the way, Anne met a peasant who was incorporating beans.
アン は お 百姓 に マメ を ひとにぎり 分けて もらって 、 食べ ながら 歩いて 行き ました 。
|||ひゃくしょう||まめ|||わけて||たべ||あるいて|いき|
Ann had the peasant divide the beans into pieces and walked while eating.
ニワトリ 番 の ところ へ 着く と 、 また 、 「 ナベ の ふた を 開けて 、 中 を のぞいて ごらん 」 と 、 言わ れ ました 。
にわとり|ばん||||つく|||なべ||||あけて|なか|||||いわ||
When I got to the chicken number, I was told, "Open the lid of the pan and look inside."
アン は その 通り に し ました が 、 別に 変わった 事 は おこり ませ ん でした 。
|||とおり|||||べつに|かわった|こと|||||
Ann did exactly that, but nothing else changed.
ニワトリ 番 の 女 は 、 きげん を 悪く して 、 「 帰ったら 、『 火 が なきゃ 、 何にも 煮え やしない 』 って 、 伝える んだ よ !
にわとり|ばん||おんな||||わるく||かえったら|ひ|||なんにも|にえ|||つたえる||
The chicken-turned woman made her sick and said, "When I get home, I'll say,'If there's no fire, I won't boil anything.'"
」 と 、 言い ました 。
|いい|
アン は 女王 に 、 その 通り に 話し ました 。
||じょおう|||とおり||はなし|
Ann told the Queen that way.
さて 、 三 日 目 の 朝 に なり ました 。
|みっ|ひ|め||あさ|||
Well, it's the morning of the third day.
女王 は 何も 食べて い ない アン の 手 を 引いて 、 ニワトリ 番 の ところ ヘ 急ぎ ました 。
じょおう||なにも|たべて|||||て||ひいて|にわとり|ばん||||いそぎ|
The Queen pulled Anne, who hadn't eaten anything, and hurried to the chicken's turn.
アン は 言わ れた 通り に 、 ナベ の ふた を 持ち 上げ ました 。
||いわ||とおり||なべ||||もち|あげ|
Ann lifted the lid of the pan as he was told.
すると あっという間 に 、 アン の かわいらしい 首 が ヒツジ の 首 に 変わって しまった のです 。
|あっというま|||||くび||ひつじ||くび||かわって||
In a blink of an eye, Anne's pretty neck turned into a sheep's neck.
女王 は まんぞく して 、 お 城 へ 帰り ました 。
じょおう|||||しろ||かえり|
女王 の 娘 の ケート は 仲良し の アン の 頭 が ヒツジ に 変わって しまった 事 に ビックリ し ました が 、 アン の 頭 を 布 で スッポリ 包む と 、 アン と 一緒に 幸せ を 探す 旅 に 出かけた のです 。
じょおう||むすめ||||なかよし||||あたま||ひつじ||かわって||こと||びっくり||||||あたま||ぬの|||つつむ||||いっしょに|しあわせ||さがす|たび||でかけた|
Kate, the Queen's daughter, was surprised that her good friend Anne's head had turned into a sheep, but when she wrapped Anne's head in a cloth, she went on a journey to find happiness with Anne.
二 人 は ドンドン 歩いて 、 ある お 城 に たどりつき ました 。
ふた|じん||どんどん|あるいて|||しろ|||
The two walked dong dong and arrived at a castle.
ケート は 、 お 城 の 戸 を 叩いて 、 「 病気 の 妹 と 一緒に 、 ひと 晩 とめて ください 」 と 、 頼み ました 。
|||しろ||と||たたいて|びょうき||いもうと||いっしょに||ばん||||たのみ|
Kate knocked on the door of the castle and asked, "Please stay overnight with your sick sister."
その お 城 に は 、 二 人 の 王子 が い ました 。
||しろ|||ふた|じん||おうじ|||
There were two princes in the castle.
一 人 の 王子 は 重い 病気 に かかって いて 、 誰 も その 病気 を 治す 事 が 出来 ませ ん でした 。
ひと|じん||おうじ||おもい|びょうき||||だれ|||びょうき||なおす|こと||でき|||
One prince had a serious illness and no one was able to cure the illness.
そして 不思議な 事 に 、 ひと 晩 でも 王子 に つきそって 看病 ( かんびょう ) した 者 は 、 みんな 姿 を 消して しまう と いう のです 。
|ふしぎな|こと|||ばん||おうじ|||かんびょう|||もの|||すがた||けして||||
And, strangely enough, all the people who followed the prince and took care of him even overnight disappeared.
「 王子 を 看病 する と 、 魔物 が 出る の かも しれ ない 」 と 、 言って 、 人々 は おそれ ました 。
おうじ||かんびょう|||まもの||でる||||||いって|ひとびと|||
People were afraid, saying, "Nursing the prince may result in demons."
そして いま で は 、 誰 も 看病 しよう と し ませ ん でした 。
||||だれ||かんびょう||||||
And now, no one was trying to take care of them.
そこ で 王さま は 、 《 一晩 中 、 王子 を 看病 した 者 に は 、 ほうび と して 銀貨 を 与えよう 》 と 、 いう 、 おふれ を 出し ました 。
||おうさま||ひとばん|なか|おうじ||かんびょう||もの||||||ぎんか||あたえよう|||||だし|
There, the King said, "I will give silver coins as a reward to those who have cared for the prince all night long."
ケート は 勇気 の ある 娘 でした から 、 王子 の 看病 を 申し出 ました 。
||ゆうき|||むすめ|||おうじ||かんびょう||もうしで|
Kate was a courageous daughter, so she offered to take care of the prince.
ケート が 部屋 に 入る と 、 王子 は べ ッド で 眠って い ました 。
||へや||はいる||おうじ|||||ねむって||
「 ボーン 、 ボーン 」 時計 が 、 十二 時 を うち ました 。
||とけい||じゅうに|じ|||
"Bone, Bone" The clock has reached twelve o'clock.
すると 病気 の 王子 は 起き上がって 服 を 着て 、 階段 を 滑る ように おりて いき ました 。
|びょうき||おうじ||おきあがって|ふく||きて|かいだん||すべる||||
Then the sick prince got up, put on his clothes, and slipped down the stairs.
ケート は 、 あと を 追い ました 。
||||おい|
Kate chased after.
王子 は 、 ケート に 気 が ついた 様子 も あり ませ ん 。
おうじ||||き|||ようす||||
The prince also seemed to be aware of Kate.
王子 は ウマ 小屋 へ 行って くら を つける と 、 ウマ に またがり ました 。
おうじ|||こや||おこなって||||||||
The prince went to the horse hut and put on a kura, and he straddled the horse.
ケート も 王子 の うしろ へ 、 そっと とび乗り ました 。
||おうじ|||||とびのり|
Kate also gently jumped behind the prince.
王子 は 、 イヌ を 呼び ました 。
おうじ||いぬ||よび|
ウマ に 乗った 王子 と ケート は 、 みどり の 森 を 通り ました 。
||のった|おうじ||||||しげる||とおり|
The prince and Kate on horseback passed through the green forest.
通り ながら ケート は クルミ の 実 を いく つ も 取って 、 エプロン の ポケット に しまい ました 。
とおり||||くるみ||み|||||とって|えぷろん||ぽけっと|||
As he passed, Kate took a number of walnuts and put them in his apron pocket.
王子 たち は どんどん 進んで 、 みどり の 丘 に つき ました 。
おうじ||||すすんで|||おか|||
The princes went on and on, and reached the green hills.
王子 は たづな を ひいて 、 ウマ を とめ ました 。
おうじ||||||||
そして 、 「 開け 、 開け 、 みどり の 丘 よ 。
|あけ|あけ|||おか|
And, "Open, open, Midorinooka.
入れ ておくれ 、 王子 と 、 ウマ と 、 イヌ 」 と 、 言う と 、 ケート が 、 「 と 、 王子 の うしろ に いる 娘 を 」 と 、 続け ました 。
いれ||おうじ||||いぬ||いう|||||おうじ|||||むすめ|||つづけ|
Put me in, the prince, the horse, the dog, "said Kate," and, the daughter behind the prince. "
たちまち 、 みどり の 丘 が パカッ と 半分 に われて 、 王子 たち は 中 に 入り ました 。
|||おか||||はんぶん|||おうじ|||なか||はいり|
Immediately, the green hill was cut in half, and the princes went inside.
中 に は たいまつ が 赤々 と ともさ れて いる 、 とても 立派な 広間 が あり ました 。
なか|||||あかあか||||||りっぱな|ひろま|||
広間 の 奥 から 美しい 妖精 ( ようせい ) たち が 現れ 、 王子 を かこんで 一緒に おどり はじめ ました 。
ひろま||おく||うつくしい|ようせい||||あらわれ|おうじ|||いっしょに|||
ケート は 見つから ない ように 戸 の かげ に 隠れて 、 王子 と 妖精 たち の おどり を 見て い ました 。
||みつから|||と||||かくれて|おうじ||ようせい|||||みて||
Kate was hiding behind the door so that she couldn't find her, watching the dance of the prince and the fairies.
王子 は いつまでも いつまでも おどり 続けて 、 とうとう 倒れて しまい ました が 、 妖精 たち に かいほう さ れる と 王子 は 立ち 上がって また おどり はじめ ました 。
おうじ|||||つづけて||たおれて||||ようせい|||||||おうじ||たち|あがって||||
The prince continued to dance forever, and finally fell down, but when the fairies struck him, he stood up and began to dance again.
倒れて は 妖精 に かいほう さ れて おどり 、 また 倒れて は 妖精 たち に かいほう さ れて おどり だす 。
たおれて||ようせい|||||||たおれて||ようせい|||||||
If you fall down, you will be danced by the fairies, and if you fall down, you will be danced by the fairies.
そんな 事 が 何度 も くり返さ れ 、 やがて 朝 を 告げる ニワトリ が 鳴き ました 。
|こと||なんど||くりかえさ|||あさ||つげる|にわとり||なき|
Such a thing was repeated many times, and then the chicken that announced the morning rang.
すると 王子 は 、 あわてて ウマ に またがり ました 。
|おうじ||||||
ケート も あわてて 、 うしろ へ 飛び乗り ました 。
|||||とびのり|
やがて 王子 たち は 、 お 城 へ 戻り ました 。
|おうじ||||しろ||もどり|
朝日 が 登る と 、 お 城 の 人 たち は 王子 の 部屋 を のぞき に 来 ました 。
あさひ||のぼる|||しろ||じん|||おうじ||へや||||らい|
As the Asahi climbed, the people of the castle came to look into the prince's room.
そして ケート が だんろ の そば で ニッコリ 笑い ながら クルミ を 割って いる の を 見て 、 ビックリ し ました 。
|||||||にっこり|わらい||くるみ||わって||||みて|びっくり||
And I was surprised to see Kate cracking the walnuts with a grin by the side of the danro.
ケート は 、 王さま が ご ほうび の 銀貨 を くれる と いう の を 断って 、 「 もう 一晩 、 王子 さま の お そば に おり ましょう 。
||おうさま|||||ぎんか|||||||たって||ひとばん|おうじ|||||||
Kate refused to say that the King would give him a silver coin as a reward, and said, "Let's stay by the Prince's side for another night.
明日 の 晩 、 銀貨 を いただき ます 」 と 、 言い ました 。
あした||ばん|ぎんか|||||いい|
二 日 目 の 夜 も 、 同じ 事 が おこり ました 。
ふた|ひ|め||よ||おなじ|こと|||
The same thing happened on the second night.
王子 は 十二 時 に 起きて 、 みどり の 丘 で 開か れる 妖精 たち の 舞踏 会 に 出かけて いき ました 。
おうじ||じゅうに|じ||おきて|||おか||あか||ようせい|||ぶとう|かい||でかけて||
ケート も 王子 の うしろ に くっついて ウマ に 乗り 、 途中 で クルミ を 取って エプロン の ポケツト に いっぱい 入れ ました 。
||おうじ|||||||のり|とちゅう||くるみ||とって|えぷろん|||||いれ|
ケート が 戸 の かげ に 隠れて いる と 妖精 の 赤ちゃん が つえ を 持って 、 ヨチヨチ 歩き ながら やって 来 ました 。
||と||||かくれて|||ようせい||あかちゃん||||もって||あるき|||らい|
When Kate was hiding behind the door, a baby fairy came with a stick and walked around.
その 時 、 妖精 たち が 、 「 あの つえ で 三 回 なでれば 、 アン の 病気 が 治って 前 の 様 に 美しく なれる のに ね 」 と 、 話して いる の が 聞こえ ました 。
|じ|ようせい||||||みっ|かい||||びょうき||なおって|ぜん||さま||うつくしく|||||はなして||||きこえ|
At that time, I heard the fairies saying, "If you stroke three times with that stick, Anne's illness will be cured and you will be as beautiful as before."
そこ で ケート は 妖精 の 赤ちゃん の 足下 に 、 クルミ を いく つ も いく つ も 転がし ました 。
||||ようせい||あかちゃん||あしもと||くるみ||||||||ころがし|
There, Kate rolled a number of walnuts under the feet of the fairy baby.
すると 妖精 の 赤ちゃん は つえ を 放り 出して 、 クルミ の 実 を 追い かけ ました 。
|ようせい||あかちゃん||||はな り|だして|くるみ||み||おい||
Then the baby fairy threw a stick and chased the walnut fruit.
その 間 に ケート は つえ を 拾って 、 エプロン の ポケット に しまい ました 。
|あいだ||||||ひろって|えぷろん||ぽけっと|||
ニワトリ が 鳴いた ので 、 王子 たち は お 城 ヘ 帰り ました 。
にわとり||ないた||おうじ||||しろ||かえり|
The chickens rang, and the princes returned to the castle.
ケート は 急いで 、 アン の ところ へ 行き ました 。
||いそいで|||||いき|
そして 妖精 の 赤ちゃん の 持って いた つえ で 、 アン の ほお を 三 回 なで ました 。
|ようせい||あかちゃん||もって||||||||みっ|かい|な で|
すると たちまち ヒツジ の 首 が 落ちて 、 もと の 美しい アン の 首 に 戻った のです 。
||ひつじ||くび||おちて|||うつくしい|||くび||もどった|
三 日 目 の 晩 に 、 なり ました 。
みっ|ひ|め||ばん|||
ケート は 、 「 もし 病気 の 王子 さま と 結婚 さ せて くださる の なら 、 もう 一晩 、 看病 いたし ましょう 」 と 、 言い ました 。
|||びょうき||おうじ|||けっこん|||||||ひとばん|かんびょう||||いい|
Kate said, "If you want to marry a sick prince, I'll take care of you for another night."
その 晩 も 、 前 の 晩 と 同じでした 。
|ばん||ぜん||ばん||おなじでした
That night was the same as the night before.
今度 は 妖精 の 赤ちゃん が 、 小鳥 と 遊んで い ました 。
こんど||ようせい||あかちゃん||ことり||あそんで||
妖精 たち が 、 「 あの 鳥 を 三 口 食べれば 、 王子 さま の 病気 は 治って しまう のに ね 」 と 、 話して いる の を 聞き ました 。
ようせい||||ちょう||みっ|くち|たべれば|おうじ|||びょうき||なおって|||||はなして||||きき|
I heard the fairies say, "If you eat three of those birds, the prince's illness will be cured."
ケート は 妖精 の 赤ちゃん の 足下 に 、 クルミ を いく つ も 転がし ました 。
||ようせい||あかちゃん||あしもと||くるみ|||||ころがし|
妖精 の 赤ちゃん は 小鳥 を はなして 、 ヨチヨチ と クルミ を 追い かけ ました 。
ようせい||あかちゃん||ことり|||||くるみ||おい||
The baby fairy flew off the little bird and chased the yochiyochi and the walnuts.
その 間 に ケート は 小鳥 を 捕まえて 、 エプロン の ポケツト に しまい ました 。
|あいだ||||ことり||つかまえて|えぷろん|||||
ニワトリ が 鳴いて 、 王子 は お 城 に 帰り ました 。
にわとり||ないて|おうじ|||しろ||かえり|
ケート は すぐ に お 城 の 厨房 ( ちゅうぼう ) に 行く と 、 その 小鳥 で 料理 を 作り ました 。
|||||しろ||ちゅうぼう|||いく|||ことり||りょうり||つくり|
間もなく 、 とても おいし そうな に おい が 王子 の 部屋 に まで ただよって くる と 、 「 ああ 、 あの 小鳥 が 食べ たい なあ 」 と 、 王子 が べ ッド に 寝た まま で つぶやき ました 。
まもなく|||そう な||||おうじ||へや||||||||ことり||たべ||||おうじ|||||ねた||||
Soon after, a very tasty sardine came to the prince's room, and he muttered, "Oh, that little bird wants to eat," while lying on the bed.
「 はい 。
どうぞ 、 食べて ください 」 料理 を つくり 終えた ケート は 、 王子 に 小鳥 の 料理 を 差し出し ました 。
|たべて||りょうり|||おえた|||おうじ||ことり||りょうり||さしだし|
王子 が 、 その 料理 を 一口 食べ ました 。
おうじ|||りょうり||ひとくち|たべ|
すると ベッド に 寝て いた 王子 が 、 べ ッド の 上 に ひじ を ついて 頭 を 持ち 上げ ました 。
|べっど||ねて||おうじ|||||うえ|||||あたま||もち|あげ|
Then the prince, who was sleeping on the bed, lifted his head with his elbows on the bed.
しばらく する と 、 「 ああ 、 もう 一口 、 あの 小鳥 が 食べ たい 」 と 、 言い ました 。
|||||ひとくち||ことり||たべ|||いい|
ケート の 差し出す 小鳥 を 二 口 食べる と 、 王子 は べ ッド の 上 に 起き上がり ました 。
||さしだす|ことり||ふた|くち|たべる||おうじ|||||うえ||おきあがり|
また 、 しばらく する と 、 「 ああ 、 もう 一口 だけ 、 あの 小鳥 が 食べ たい なあ 」 と 、 言い ました 。
||||||ひとくち|||ことり||たべ||||いい|
After a while, he said, "Oh, I just want to eat that little bird."
ケート の 差し出す 小鳥 を 三 口 食べる と 、 王子 は ついに べ ッド から 出て きた のです 。
||さしだす|ことり||みっ|くち|たべる||おうじ||||||でて||
After eating three mouthfuls of Kate's little bird, the prince finally came out of the bed.
翌朝 に なり 、 お 城 の 人 が 王子 の 部屋 ヘ やってき ました 。
よくあさ||||しろ||じん||おうじ||へや|||
The next morning, a man from the castle came to the prince's room.
そして 王子 が ケート と 一緒に 、 クルミ を 割って いる の を 見て ビックリ です 。
|おうじ||||いっしょに|くるみ||わって||||みて|びっくり|
And I was surprised to see the prince breaking the walnuts with Kate.
さて 、 ケート と 王子 が そう こうして いる うち に 、 もう 一 人 の 王子 が 美しい アン を すっかり 好きに なり ました 。
|||おうじ||||||||ひと|じん||おうじ||うつくしい||||すきに||
Now, while Kate and the prince were doing so, another prince fell in love with the beautiful Anne.
こうして 病気 だった 王子 は ケート と 結婚 し 、 もう 一 人 の 王子 は 病気 だった アン と 結婚 した のです 。
|びょうき||おうじ||||けっこん|||ひと|じん||おうじ||びょうき||||けっこん||
それ から は 四 人 と も 、 いつまでも 幸せに 暮らした と いう こと です 。
|||よっ|じん||||しあわせに|くらした||||
おしまい