白いマス
しろい ます
white square
白い マス
しろい|ます
White trout
むかし むかし 、 たいへん 美しい お姫さま が 、 湖 の そば の お 城 で 暮らして い ました 。
|||うつくしい|おひめさま||こ|||||しろ||くらして||
Once upon a time, a very beautiful princess lived in a castle near the lake.
ある 日 の 事 、 お姫さま と 結婚 を する 事 に なって いた 王子 さま が 、 急な 病気 で 死んで しまい ました 。
|ひ||こと|おひめさま||けっこん|||こと||||おうじ|||きゅうな|びょうき||しんで||
One day, the prince, who was supposed to marry the princess, died from a sudden illness.
それ を 知った お姫さま は 悲しみ に たえ きれ ず 、 どこ か へ 姿 を 消して しまい ました 。
||しった|おひめさま||かなしみ||||||||すがた||けして||
The princess, who knew about it, was unable to endure her sadness and disappeared somewhere.
「 姫 さま は 、 どこ へ 行か れた のだろう ?
ひめ|||||いか||
"Where did the princess go?"
」 「 もしかすると 、 妖精 に 、 さらわ れて しまった のだろう か ?
|ようせい||||||
"Maybe I was kidnapped by a fairy?"
」 「 そう かも しれ ない な 」 人々 は 、 そう 噂 を し ました 。
|||||ひとびと|||うわさ|||
"Maybe it's true." People rumored so.
それ から しばらく たって 、 川 に 見た 事 も ない 白い マス が 現れ ました 。
||||かわ||みた|こと|||しろい|ます||あらわれ|
After a while, a white trout that had never been seen in a river appeared.
「 あの 白い マス は 、 妖精 に ちがいない 。
|しろい|ます||ようせい||
"That white trout must be a fairy.
捕ら ず に そっと して おこう 」 人々 は 白い マス を 大切に 見守って い ました が 、 ある 時 、 乱暴な 兵隊 が やって 来て 言い ました 。
とら||||||ひとびと||しろい|ます||たいせつに|みまもって|||||じ|らんぼうな|へいたい|||きて|いい|
Let's keep it, let's not get caught.” People watched the white trout carefully, but at one point a violent soldier came and said.
「 うま そうな マス だ な 。
|そう な|ます||
"It's a delicious mass.
おれ が 食べて やる 」 「 とんでもない 。
||たべて||
I'll eat it. "" It's ridiculous.
あれ は 妖精 な んです よ 」 人々 は 、 必死で 止め ました が 、 「 妖精 だ ?
||ようせい||||ひとびと||ひっしで|とどめ|||ようせい|
That's a fairy." People desperately stopped, but they said, "Are you a fairy?
馬鹿馬鹿しい !
ばかばかしい
It's silly!
」 と 、 兵隊 は マス を 捕まえて 家 へ 持って 帰った のです 。
|へいたい||ます||つかまえて|いえ||もって|かえった|
The troops captured the trout and took them home.
家 に 帰った 兵隊 は フライパン を 火 に かけて 、 ジュウジュウ と 煮えた 油 の 中 に マス を 放り 込み ました 。
いえ||かえった|へいたい||ふらいぱん||ひ|||||にえた|あぶら||なか||ます||はな り|こみ|
When the soldiers returned home, they struck a frying pan over the fire and threw the trout into the juju and the boiled oil.
すると フライパン の 中 から 、 人間 の 様 な 泣き声 が 聞こえ ました 。
|ふらいぱん||なか||にんげん||さま||なきごえ||きこえ|
Then I heard a human-like cry from inside the frying pan.
「 あはは は は はっ 、 おかしな マス だ な 」 少し たって から 、 兵隊 は マス を 裏返し ました 。
あ は は|||||ます|||すこし|||へいたい||ます||うらがえし|
"Ah ha ha ha ha, it's a strange trout." After a little while, the soldiers turned the trout inside out.
「 おや ?
"Ah?
変だ な 、 少しも 焼けて い ない 」 それ から しばらく して 、 もう 一 度 裏返し ました が 、 マス に は 焼けた 跡 が つき ませ ん 。
へんだ||すこしも|やけて||||||||ひと|たび|うらがえし|||ます|||やけた|あと||||
It's weird, it's not burned at all.” Then, after a while, I turned inside out again, but there is no burnt mark on the mass.
「 おかしい な ?
" that's strange ?
火 が 弱い の か ?
ひ||よわい||
Is the fire weak?
」 兵隊 は 火 を 強め ました が 、 やっぱり マス に は 焼けた 後 が つき ませ ん 。
へいたい||ひ||つよ め||||ます|||やけた|あと||||
The soldiers reinforced the fire, but the trout was still burnt.
「 ええ い 、 もう 待って い られ ない 。
|||まって|||
"Yes, I can't wait any longer.
生 焼け でも 良い から 、 食べて しまおう 」 兵隊 が マス に ナイフ を 突き 立てた その 瞬間 、 マス が フライパン から 飛び出し ました 。
せい|やけ||よい||たべて||へいたい||ます||ないふ||つき|たてた||しゅんかん|ます||ふらいぱん||とびだし|
It's okay to cook it raw, so let's eat it." At the moment when the soldiers pierced the trout with a knife, the trout jumped out of the frying pan.
「 わ ぁ !
"Wow!
」 驚く 兵隊 の 目の前 に 、 白い 服 を 着た 美しい お姫さま が 立って い ました 。
おどろく|へいたい||めのまえ||しろい|ふく||きた|うつくしい|おひめさま||たって||
A beautiful princess dressed in white stood in front of a surprising soldier.
美しい お姫さま は 、 兵士 を にらみ つけて 言い ました 。
うつくしい|おひめさま||へいし||||いい|
The beautiful princess glared at the soldier and said.
「 お前 、 わたし に 傷 を つけた わ ね !
おまえ|||きず||||
"You hurt me!
」 見て みる と 、 お姫さま の 腕 から 血 が 流れて い ます 。
みて|||おひめさま||うで||ち||ながれて||
As you can see, blood is flowing from the princess' arms.
「 大事な お 務め を して いた のに 、 よくも 邪魔 を を して くれた わ ね 。
だいじな||つとめ||||||じゃま||||||
"I was doing an important task, but I was often disturbed.
わたし は 水路 から 来て 下さる はずの あの お方 を 、 ずっと 待って いた のです 。
||すいろ||きて|くださる|||おかた|||まって||
I had been waiting for that man who was supposed to come from the waterway.
もし 、 わたし が い ない 間 に 来 られて 、 お 会い 出来 なかったら 、 お前 を トゲウオ に 変えて しまう から ね !
|||||あいだ||らい|||あい|でき||おまえ||||かえて|||
If I come without you and I can't meet you, I'll turn you into a flying fish!
」 兵隊 は お姫さま に 、 ひれ伏して 謝り ました 。
へいたい||おひめさま||ひれふして|あやまり|
The soldier bowed down and apologized to the princess.
「 あなた さま が お 務め を して い ら した と は 、 ちっとも 知り ませ ん でした 。
||||つとめ|||||||||しり|||
"I didn't know at all that you were on duty.
どうか お 許し 下さい !
||ゆるし|ください
Please forgive me!
」 「 では 、 早く わたし を 元 の 川 に 返し なさい 」 「 はっ 、 はい 。
|はやく|||もと||かわ||かえし|||
"Then, return me to the original river as soon as possible." "Hah, yes.
すぐ に !
Immediately !
」 ひれ伏して いた 兵隊 が 顔 を あげる と 、 目の前 に 美しい 白い マス が 横たわって い ます 。
ひれふして||へいたい||かお||||めのまえ||うつくしい|しろい|ます||よこたわって||
When the prostrate soldier looked up, there was a beautiful white trout lying in front of them.
「 大変だ !
たいへんだ
"It's hard!
こうして いる 間 に も 、 お姫さま の 待つ お方 が 訪ねて くる かも しれ ない 」 兵隊 は 白い マス を 皿 に のせる と 、 走って 走って 川 へ 行き ました 。
||あいだ|||おひめさま||まつ|おかた||たずねて|||||へいたい||しろい|ます||さら||||はしって|はしって|かわ||いき|
While doing this, the princess's waiter may come to visit. ”The soldiers put a white square on a plate and ran and ran to the river.
そして 川 へ 着く と 、 すぐ に マス を 放し ました 。
|かわ||つく||||ます||はなし|
And as soon as I got to the river, I let go of the trout.
『 ポチャン !
"Pochan!
』 その 時 、 川 の 水 が 少し の 間 、 血 の 様 に 赤く なり ました 。
|じ|かわ||すい||すこし||あいだ|ち||さま||あかく||
At that time, the water in the river turned red like blood for a while.
その後 、 お姫さま の マス が どう なった か は 誰 に も 分かり ませ ん 。
そのご|おひめさま||ます||||||だれ|||わかり||
After that, no one knows what happened to the princess's trout.
ただ その 時 から 、 マス の 脇腹 に は 赤い 印 が ついて いる のだ そうです 。
||じ||ます||わきばら|||あかい|いん|||||そう です
However, from that time on, it seems that there is a red mark on the flank of the square.
おしまい
The end