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火星の記憶 (The Memory of Mars) by Raymond F. Jones, パート27

パート 27

彼 は 床 に くずおれた 。 痛み は 大きく なかった が 、死に つつ ある こと は わかった 。 彼 は みぞおち の 大きな 傷 を 押さえている 手 を 見た 。 なに か が おかしい 。

べとべと して いる が 、赤い 血 が あふれて は い なかった 。 かわり に ねっとり した 緑色 の 液体 が ごぼごぼ と 湧きだし 、服 や 手 に 広がって いた 。 人間 の もの と は 思え ない 異常な 緑色 。

それ は この 前 、一度 見た こと が あった 。

アリス 。

彼 は 驚いた ように 目 を 見開いて コネモーラ を 見た 。

「なにもかも 失敗 して しまった のだ よ 、アンドロイド 」と コネモーラ は やさしく 言った 。 「君 の 元 に なった 人間 を この 船 に 連れて きた あと 、いつも 通り 記憶 内容 を アンドロイド に 刻印 しなければ ならなかった 。 ただし マーシャン ・プリンセス 号 から 逃げだそう と した 記憶 は 消した うえで 。 それ が うまく いか なかった のだ 。 君 が 体験 した 悪夢 に 記憶 が 残って いた 。 そして 精神 復元 が すべて を 引っ張り出して しまった 。

われわれ は 前もって つくって あった 火星 旅行 の 記憶 を いつも 通り に 植え付ける ので は なく 、記憶 喪失 状態 を つくりだして 君 の 記憶 を 覆って しまおう と した 。 これ で うまく いく はずだった のだ 、アリス の アンドロイド まで 欠陥 品 で なければ 。 正常な アンドロイド に は 事故 や その後 の 発見 を 防ぐ 防御 メカニズム が ある 。 しかし アリス の アンドロイド は それが 働かず 、君 は われわれ の 存在 を 暴露 しようと 乗り出した 。 わたし は 君 を 破壊する 手立て を ――殺す 手立て を 見つけなければならなかった 。

本当に 申し訳ない と 思う よ 。 わたし に は アンドロイド の 考え方 や 感じ方 は わからない 。 ときどき 君 たち が 怖く なる んだ 。 人間 に そっくり だ から な 。 しかし わたし は 君 たち が 生産 さ れる 工場 を 見た こと が ある 。 わたし が 知らない こと は たくさん ある が 、ただ はっきり している の は 、わたし が 銀河系 評議会 に 従わなければ 、地球 は とうの 昔 に 破壊されていた だろう と 言う こと だ 。 そう だ 、ほか に も 知っている こと が ある 。 アリス と メル ・ヘイスティングス は 幸せに 、満ち足りた 生活 を している よ 。 彼ら は セントラル ・バレー に よく 似た 、すてきな 世界 に いる 」

彼 は 目 を 閉じた 。 命 だ か なんだか わからない もの が 身体 から 漏れ出していく の を 感じながら 。 結局 は めでたし めでたし で 終わる の か 、と 彼 は 思った 。

木 で できた 笑顔 の 兵隊 の おもちゃ が 棚 から 落ちた ように 、彼 は 身 を よじった まま 床 の 上 に 横たわって いた 。

終わり

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