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結城友奈は勇者である, Yuuki Yuuna wa Yuusha de Aru Episode 10

Yuuki Yuuna wa Yuusha de Aru Episode 10

( 爆発 音 )

( 犬 吠埼 風 ( い ぬ ぼう ざ き ふう ) の 泣き声 )

( アラーム 音 ) ( 結城 友 奈 ( ゆうき ゆう な )) う … 何 ?

( アラーム 音 )

( アラーム 音 )

( 東郷 美 森 ( とうごう み もり )) これ で … みんな を 助ける こと が できる

♪~

~♪

( 美 森 ) 小さい ころ 私 は いろいろな 史跡 に 連れて いって もらい

歴史 や 国 に 興味 を 持った

母 に よる と 私 たち 東郷 の 家 に も ―

大 赦 ( たいしゃ ) で 働く 一族 の 血 が 入って いる と か

もしかしたら 私 に も 神 樹 ( しんじゅ ) 様 に お 仕え できる 力 が ある かも しれ ない

もし そう なら とても うれしい と 私 の 母 は ほほ笑んだ

あ …

ここ は …

( 美 森 ) 医者 が 言う に は 事故 で ここ 2 年 ほど の 記憶 と

足 の 機能 が 失わ れて しまった らしい

記憶 が 戻る こと は なかった が ―

その 2 年間 も しっかり 生きて いた と ―

自慢 の 娘 だ と 母 は 言って くれた

車 椅子 で の 生活 が 慣れて きた 時 ―

親 の 仕事 の 都合 で 引っ越し が 決まった

わ あ 大きい

うち って ここ まで お 金持ち だった っけ ?

( 友 奈 ) こんにちは ! ( 美 森 ) あ …

もし かして あなた が ここの 家 に 住む の ?

え … ええ

( 友 奈 ) じゃあ 新しい お 隣 さん だ

あっ 私 は 結城 友 奈 よろしく ね

あ … 東郷 美 森

東郷 さん ! ああ カッコいい 名字 だ ね

あ … ありがとう

フッ そうだ この 辺 よく 分から ない でしょ

何 だったら 案内 する よ 任せて

あー ん … ん ん …

う っ ( 美 森 ) えっ ?

う ぐ … ぐ ぐ … う っ

ああ ー っ ! おいし ー い !

よかった 結城 さん が 気 に 入って くれて

車 椅子 で お 菓子 作る の に ようやく 慣れた の

( 友 奈 ) 東郷 さん

もし できれば 毎日 食べ たい 東郷 さん の お 菓子 !

えっ う … うん 分かった

ゆ … 友 奈 ちゃん

友 奈 ちゃん

チアリーディング 部 から 誘わ れた んでしょ ? 入ら ない の ?

( 友 奈 ) 押し花 部 から の 誘い だったら なあ

そんな 部活 存在 し ない でしょ ?

フッ そう だ ねえ

( 風 ) あなた たち に オススメ の 部活 は 他 に ある わ

あなた たち に オススメ の 部活 は 他 に ある わ !

なぜ 2 回 も ?

どちら の 勧誘 な んです か ?

私 は 2 年 の 犬 吠埼 風 勇者 部 ( ゆうしゃ ぶ ) の 部長 よ

(2 人 ) あ …

勇者 部 ?

何で すか ? それ とって も ワクワク する 響き です !

( 風 ) 分かる ? フィーリング 合う ねえ

勇者 部 の 活動 目的 は 世 の ため ―

人 の ため に なる こと を やっていく こと

各種 部活 の 助っ人 と か ボランティア 活動 と か

“ 世 の ため 人 の ため に なる こと ”

うん 神 樹 様 の ステキな 教えよ ね

と いって も 私ら の 年頃 は 何 か そういう こと し たい けど ―

恥ずかしい って 気持ち ある じゃ ない ?

そこ を 恥ずかし がら ず 勇んで やっていく から 勇者 部

なるほど あえて 勇者 と いう 外 連 味 ( けれ ん み ) の ある 言葉 を 使い ―

みんな の 興味 を 引く こと で 存在 感 を 確立 して いる の ね

いや そこ まで 深く 考えて ない って …

私 憧れて た んです よ ね 勇者 って 言葉 の 響き に

カッコいい な あって !

その 気持ち が あれば 君 も 勇者 だ !

( 友 奈 ) わ っ う おお 勇者 !

すごい ところ に 食いつく の ね

でも 何だか 友 奈 ちゃん らしい

2 人 が 入って くれた おかげ で 勇者 部 の 戦力 は ―

3 倍 に 膨れ上がった と 言って も 過言 で は ない わ !

聞き覚え が ない 部活 と 思ったら 一 から の スタート だった と は …

全部 これ から な んだ よ ね …

あっ この 間 立ち上げた ホームページ に ―

早速 依頼 が 来て い ます

ナイス 宣伝 東郷 !

( 美 森 ) 友 奈 ちゃん は 陸上 部 から 私 は 将棋 部 から

よし 頑張る ぞ 私 は 勇者 に なる !

フフッ 早速 空いて る 日 を 予定 で 埋めて おき ます ね

( 風 ) お 願い ね

“ 悩んだら 相談 ” と …

こういう 5 つ の 誓い みたいな の いい です ねえ

なんか 引き締まる 感じ する っ しょ ?

( 美 森 ) 残り 1 つ は どう し ます か ?

( 友 奈 ) 最後 だ から ビシッと し たい よ ね

なせば 成る な さ ねば 成ら ぬ 何事 も

… と か どう ? 上杉 鷹 山 ( うえ すぎ よう ざん ) さん の お 言葉

よ … よう ざ … う … ちょっと 難しい 言葉 の ような …

“ なせば 大抵 何とか なる ” と か ?

それ なら ばっ ちり 分かる !

( 風 ) よ ー し じゃあ 決まり ね

緊張 し すぎよ 樹 ( いつき )

( 犬 吠埼 樹 ) い … 犬 吠埼 樹 です

よ … よ よい … よろしく お 願い し ます !

よろしく 樹 ちゃん !

は … は いっ

私 の 妹 に して は 女子 力 低い けど ―

それ 以外 は なかなか よ 占い と か できる し

おお すごい や !

あっ 占い 好き なら これ あげる 縁起物 だ よ

はっ … か かわいい

でしょう ? はい

あ … あっ えっ ?

あっ

ふ っ

ああ …

はい !

えー っ す すごい ! ど どう やった んです か ?

知り たい ?

( 樹 ) は いっ

( 美 森 ) それ は ね 帽子 の 構造 に 秘密 が ある の …

( 風 ) あり が と ね 2 人 と も

( 友 奈 ) おお 載って る !

恥ずかしい です

でも 認め られる の は うれしい わ ねえ

ユニーク って 褒め られて ます し

よ ー し 次 は 保育 園 で の レクリエーション 頑張ろう !

(3 人 ) オー !

( 子供 たち ) 早く して

いよいよ 本番 だ ね

やる からに は 最高の ひととき を 提供 して くれる わ

( 樹 ) お 姉ちゃん が もう 役 に 入って る …

東郷 つかみ は 頼んだ

( 美 森 ) 頼ま れ ました

我が 懸念 して いる は う ぬ と 樹 よ

私 たち なら

大丈夫

フフッ

( 風 ) 友 奈 が セット を 倒した 時 は ギャーッ と 思った けど ―

東郷 の 機転 で 助かった わ

逆に ウケ てま した もん ね

( 樹 ) うん うん

( 友 奈 ) フォロー あり が と 東郷 さん

( 風 ) ホント 東郷 に は 助け られ っぱなし ね

何だか 頼れる お 姉ちゃん が できた みたいです

( 風 ) う っ ここ に すばらしい 姉 が いる でしょ !

うわ ああ いい いい !

(2 人 の 笑い声 )

楽しかった し 結果 オーライ だ よ ね

うん

( 美 森 ) そして 私 たち は 本当の 勇者 に なった

勇者 の お 役目 は ―

攻めて くる 12 体 の バーテックス を 倒して いく こと

私 たち は みんな で 力 を 合わせて 使命 を 果たした

でも その あと に 待って いた の は 体 の 機能 の 欠損 だった

大 赦 の 意見 を 信じて いつか 治る と 願って いた

けれど 彼女 に 出会って ―

とても 大事な 過去 が あった こと が 分かった

同時に おぞましい 真実 を 予感 して しまった

調べて いく うち に その 予感 は やがて 確信 へ と 変わって いき ―

今に 至る

精霊 が 勇者 の お 役目 を 助ける だけ じゃ なく ―

勇者 と いう 役目 に 縛りつける もの なら …

( 乃木 園子 ( のぎ その こ )) その代わり 決して 勇者 は 死ぬ こと は ない んだ よ

ハア ハア ハア …

ハア ハア ハア ハア …

ハア ハア …

ハーッ … う っ !

ハア ハア … やっぱり …

( 美 森 ) どの 方法 でも 必ず 介入 して くる

端末 の 電池 が 切れて いて も …

あ …

何が何でも 私 を 生かそう と して いる

これ が ただ の 緊急 安全 装置 だったら ―

すばらしい こと だ けど …

でも 私 の 出した 結論 は 違う

彼女 に 会わ なくちゃ

やっぱり 来て くれ た あ 分かって たよ

この 前 は うれし すぎて 話 が とび とび だった けど ―

今日 は ちゃんと まとめて ある から ね わ っし ー

あっ 東郷 さん か

わ っし ー で も いい わ 記憶 は 飛んじゃ って る けど

その 約 2 年間 私 は 鷲尾 ( わし お ) と いう 名字 だった のだ から

ああ すごい よく 分かった ね

適性 検査 で 勇者 の 資格 を 持って いる と 判断 さ れた 私 は ―

大 赦 の 中 でも 力 を 持つ ―

鷲尾 家 に 養女 と して 入る こと に なり ―

そこ で お 役目 に ついた

鷲尾 家 は 立派な 家柄 だ から ね

高い 適性 値 を 出した あなた を 娘 に 欲しかった んだ よ

( 美 森 ) 私 の 両親 は それ を 承知 した の ね

神聖なる お 役目 の ため だ から ね

私 は あなた たち と 一緒に 戦い ―

散 華 ( さん げ ) して 記憶 の 一部 と 足 の 機能 を 失った

敵 を せ ん 滅 できる 力 の 代償 と して ―

体 の 一部 を 供物 と して 神 樹 様 に ささげる 勇者 システム

うん 私 は もっと 派手に やっちゃ って ―

今 は こんな 感じ だ けど ね エヘヘッ

( 美 森 ) 私 は …

大 赦 は 身内 だけ じゃ やって いけ なく なって ―

勇者 の 素質 を 持つ 人 を 全国 で 調べた んだ よ

東郷 の 家 に 戻さ れて ―

両親 も 事実 を 知って て 黙って いた …

事故 で 記憶 喪失 と ウソ まで ついて

引っ越し の 場所 が 友 奈 ちゃん の 家 の 隣 だった の も ―

仕組ま れた もの …

( 園子 ) 彼女 検査 で 勇者 の 適性 値 が 一 番 高かった ん だって

大 赦側 も 彼女 が 神 樹 様 に 選ば れる って ―

分かって た んだろう ね

満開 して から は 家 の 食事 の 質 が 上がった わ

大 赦 が 手当 と して ―

家 に 十分な 援助 を して いる んだろう ね

思えば 合宿 で の 料理 も 豪華な もの だった

あれ は ねぎらって いた んじゃ なくて ―

祀 ( まつ ) って いた の ね 私 たち を

そして 親 たち は 事情 を 分かって て 今 も 黙って いる

( 園子 ) 神 樹 様 に 選ば れた んだ から 喜ばしい こと だって

納得 した んだろう ね

( 美 森 ) う っ …

どうして 私 たち が こんな …

神 樹 様 は 人類 の 味方 じゃ なかった の ?

味方 で は ある けど 神様 だ から ね そういう 面 も ある よ

そもそも … あ … ん …

落ち着いて 聞いて ね

ハッ

壁 の 外 の 秘密

この 世界 の 成り立ち を 教えて あげる

( 美 森 ) え … ( 園子 ) あの ね …

( 着信 音 )

( 友 奈 ) もしもし 東郷 さん ?

昨日 の 話 私 ショック だった けど ―

樹 ちゃん の こと も ある し 風 先輩 が 心配に なって

大丈夫 かな ? また 連絡 する ね

( 通話 が 切れる 音 )

真実 は あなた 自身 の 目 で 確かめる と いい と 思う よ

( 美 森 ) あ …

どういう 結論 を 出して も 私 は 味方 だ から ね

本当 は 私 は 今 の 勇者 たち が ―

何 か の 形 で 暴走 したら 抑える 役目 な んだ

抑える って その 体 で ?

私 の 精霊 の 数 は 21 体

( 美 森 ) ハッ ! ( 園子 ) エヘヘッ

すごく 強い んだ よ

戦い に なったら 大量の 武器 で ズガーン だ よ

ふだん は 怖がら れて 手元 に スマホ が ない から ―

変身 でき ない んだ けど ね

( 美 森 ) つらい … でしょ 20 回 も 散 華 して …

( 園子 ) うん 何も でき ない から ね

神 樹 様 の 体 に 近づいた から って ―

こんなに 祀 られた ところ で 私 は …

でも 今 は ね 不思議 と つらく ない んだ よ

もう ちょっと だけ ここ に いて くれる ?

( 美 森 ) うん …

( 波 の 音 )

( 美 森 ) きれいな 景色 だ けれど …

えっ ?

( 園子 ) 壁 を 越えれば

神 樹 様 が 見せて いた 幻 が 消えて 真実 が 姿 を 現す よ

( 美 森 ) なんて こと な の …

あの 子 が 言った とおり これ が 本当の … 世界 …

世界 は 宇宙 規模 の 結 界 の 中

あっ

( 園子 ) 人類 を 滅亡 寸前 に 追いやった の は

ウイルス なんか じゃ ない んだ よ

天 の 神様 が 粛清 の ため に 使わ した ―

生物 の 頂点 バーテックス

西暦 の 時代 世界 は 彼ら に 突如 襲わ れた

人類 に 味方 して くれた 他 の 神様 たち は ―

力 を 合わせ 1 本 の 大樹 と なり 四国 に 防御 結 界 を 張った

その 時 神様 の 声 を 聞いた の が 今 の 大 赦

神 樹 様 を 管理 して いる 人 たち

まるで 地獄 じゃ ない ! あっ

あれ って …

友 奈 ちゃん が 倒した はずの …

バーテックス が 生まれて る !

こいつ ら が また 次々 と 攻めて くる の を ―

私 たち が 迎え撃つ の ?

何 回 も 体 の 機能 を 失い ながら 何 回 も …

( 園子 ) 体 が 樹木 の ように 動か なく なって ―

最後 は こうして 祀 られる

う っ う っ

ハア ハア ハア

ゲホッ う っ う っ う っ …

う っ ハア ハア …

( 泣き声 )

こ … この 苦し み を 一つ一つ また 味わう ! それ も みんな が …

絶対 … 絶対 ダメ よ そんな の …

どう すれば いい の ?

考え なきゃ 考え なきゃ みんな を 助け なきゃ

( 泣き声 )

ハッ … あった …

たった 1 つ だけ …

( アラーム 音 )

( 友 奈 ) 何 ? ( 三好 夏 凜 ( みよし かり ん )) なんで 敵 が 来る の よ

( 友 奈 ) おかし いよ アラーム が 鳴りやま ない よ

( アラーム 音 )

そんな … バーテックス は 全部 倒した はずじゃ !

落ち着き なさい まずは 現状 確認

想定 外 の 敵 が 来よう が 私 が … う っ

何 これ …

( 美 森 ) 私 1 人 だけ が いけにえ なら まだ よかった

友 奈 ちゃん たち まで 供物 に する なんて ―

許さ ない

みんな を もう 苦しめ ない

待って て 友 奈 ちゃん みんな

神 樹 様 を 倒して しまえば 苦し み から 解放 さ れる

生き 地獄 を 味わう こと も ない !

こんな 世界 … 私 が 終わら せる

♪~

~♪

これ が 世界 の 真実の 姿 …

いつの間にか 前 に 立って る じゃ ない

勇者 部 五 箇条 一 つ !


Yuuki Yuuna wa Yuusha de Aru Episode 10

( 爆発 音 ) ばくはつ|おと

( 犬 吠埼 風 ( い ぬ ぼう ざ き ふう ) の 泣き声 ) いぬ|ばいさき|かぜ||||||||なきごえ

( アラーム 音 ) ( 結城 友 奈 ( ゆうき ゆう な )) う … 何 ? |おと|ゆうき|とも|な|||||なん

( アラーム 音 ) |おと

( アラーム 音 ) |おと

( 東郷 美 森 ( とうごう み もり )) これ で … みんな を 助ける こと が できる とうごう|び|しげる||||||||たすける|||

♪~

~♪

( 美 森 ) 小さい ころ 私 は いろいろな 史跡 に 連れて いって もらい び|しげる|ちいさい||わたくし|||しせき||つれて||

歴史 や 国 に 興味 を 持った れきし||くに||きょうみ||もった

母 に よる と 私 たち 東郷 の 家 に も ― はは||||わたくし||とうごう||いえ||

大 赦 ( たいしゃ ) で 働く 一族 の 血 が 入って いる と か だい|しゃ|||はたらく|いちぞく||ち||はいって|||

もしかしたら 私 に も 神 樹 ( しんじゅ ) 様 に お 仕え できる 力 が ある かも しれ ない |わたくし|||かみ|き||さま|||つかえ||ちから|||||

もし そう なら とても うれしい と 私 の 母 は ほほ笑んだ ||||||わたくし||はは||ほほえんだ

あ …

ここ は …

( 美 森 ) 医者 が 言う に は 事故 で ここ 2 年 ほど の 記憶 と び|しげる|いしゃ||いう|||じこ|||とし|||きおく|

足 の 機能 が 失わ れて しまった らしい あし||きのう||うしなわ|||

記憶 が 戻る こと は なかった が ― きおく||もどる||||

その 2 年間 も しっかり 生きて いた と ― |ねんかん|||いきて||

自慢 の 娘 だ と 母 は 言って くれた じまん||むすめ|||はは||いって|

車 椅子 で の 生活 が 慣れて きた 時 ― くるま|いす|||せいかつ||なれて||じ

親 の 仕事 の 都合 で 引っ越し が 決まった おや||しごと||つごう||ひっこし||きまった

わ あ 大きい ||おおきい

うち って ここ まで お 金持ち だった っけ ? |||||かねもち||

( 友 奈 ) こんにちは ! ( 美 森 ) あ … とも|な||び|しげる|

もし かして あなた が ここの 家 に 住む の ? ||||ここ の|いえ||すむ|

え … ええ

( 友 奈 ) じゃあ 新しい お 隣 さん だ とも|な||あたらしい||となり||

あっ 私 は 結城 友 奈 よろしく ね |わたくし||ゆうき|とも|な||

あ … 東郷 美 森 |とうごう|び|しげる

東郷 さん ! ああ カッコいい 名字 だ ね とうごう|||かっこいい|みょうじ||

あ … ありがとう

フッ そうだ この 辺 よく 分から ない でしょ |そう だ||ほとり||わから||

何 だったら 案内 する よ 任せて なん||あんない|||まかせて

あー ん … ん ん …

う っ ( 美 森 ) えっ ? ||び|しげる|

う ぐ … ぐ ぐ … う っ

ああ ー っ ! おいし ー い ! |-|||-|

よかった 結城 さん が 気 に 入って くれて |ゆうき|||き||はいって|

車 椅子 で お 菓子 作る の に ようやく 慣れた の くるま|いす|||かし|つくる||||なれた|

( 友 奈 ) 東郷 さん とも|な|とうごう|

もし できれば 毎日 食べ たい 東郷 さん の お 菓子 ! ||まいにち|たべ||とうごう||||かし

えっ う … うん 分かった |||わかった

ゆ … 友 奈 ちゃん |とも|な|

友 奈 ちゃん とも|な|

チアリーディング 部 から 誘わ れた んでしょ ? 入ら ない の ? |ぶ||さそわ|||はいら||

( 友 奈 ) 押し花 部 から の 誘い だったら なあ とも|な|おしばな|ぶ|||さそい||

そんな 部活 存在 し ない でしょ ? |ぶかつ|そんざい|||

フッ そう だ ねえ

( 風 ) あなた たち に オススメ の 部活 は 他 に ある わ かぜ||||||ぶかつ||た|||

あなた たち に オススメ の 部活 は 他 に ある わ ! |||||ぶかつ||た|||

なぜ 2 回 も ? |かい|

どちら の 勧誘 な んです か ? ||かんゆう||ん です|

私 は 2 年 の 犬 吠埼 風 勇者 部 ( ゆうしゃ ぶ ) の 部長 よ わたくし||とし||いぬ|ばいさき|かぜ|ゆうしゃ|ぶ||||ぶちょう|

(2 人 ) あ … じん|

勇者 部 ? ゆうしゃ|ぶ

何で すか ? それ とって も ワクワク する 響き です ! なんで|||||わくわく||ひびき|

( 風 ) 分かる ? フィーリング 合う ねえ かぜ|わかる||あう|

勇者 部 の 活動 目的 は 世 の ため ― ゆうしゃ|ぶ||かつどう|もくてき||よ||

人 の ため に なる こと を やっていく こと じん||||||||

各種 部活 の 助っ人 と か ボランティア 活動 と か かくしゅ|ぶかつ||すけっと|||ぼらんてぃあ|かつどう||

“ 世 の ため 人 の ため に なる こと ” よ|||じん|||||

うん 神 樹 様 の ステキな 教えよ ね |かみ|き|さま||すてきな|おしえよ|

と いって も 私ら の 年頃 は 何 か そういう こと し たい けど ― |||わたしら||としごろ||なん||||||

恥ずかしい って 気持ち ある じゃ ない ? はずかしい||きもち|||

そこ を 恥ずかし がら ず 勇んで やっていく から 勇者 部 ||はずかし|||いさんで|||ゆうしゃ|ぶ

なるほど   あえて 勇者 と いう 外 連 味 ( けれ ん み ) の ある 言葉 を 使い ― ||ゆうしゃ|||がい|れん|あじ||||||ことば||つかい

みんな の 興味 を 引く こと で 存在 感 を 確立 して いる の ね ||きょうみ||ひく|||そんざい|かん||かくりつ||||

いや そこ まで 深く 考えて ない って … |||ふかく|かんがえて||

私 憧れて た んです よ ね 勇者 って 言葉 の 響き に わたくし|あこがれて||ん です|||ゆうしゃ||ことば||ひびき|

カッコいい な あって ! かっこいい||

その 気持ち が あれば 君 も 勇者 だ ! |きもち|||きみ||ゆうしゃ|

( 友 奈 ) わ っ う おお 勇者 ! とも|な|||||ゆうしゃ

すごい ところ に 食いつく の ね |||くいつく||

でも 何だか 友 奈 ちゃん らしい |なんだか|とも|な||

2 人 が 入って くれた おかげ で 勇者 部 の 戦力 は ― じん||はいって||||ゆうしゃ|ぶ||せんりょく|

3 倍 に 膨れ上がった と 言って も 過言 で は ない わ ! ばい||ふくれあがった||いって||かごん||||

聞き覚え が ない 部活 と 思ったら 一 から の スタート だった と は … ききおぼえ|||ぶかつ||おもったら|ひと|||すたーと|||

全部 これ から な んだ よ ね … ぜんぶ||||||

あっ この 間 立ち上げた ホームページ に ― ||あいだ|たちあげた|ほーむぺーじ|

早速 依頼 が 来て い ます さっそく|いらい||きて||

ナイス 宣伝 東郷 ! |せんでん|とうごう

( 美 森 ) 友 奈 ちゃん は 陸上 部 から 私 は 将棋 部 から び|しげる|とも|な|||りくじょう|ぶ||わたくし||しょうぎ|ぶ|

よし 頑張る ぞ 私 は 勇者 に なる ! |がんばる||わたくし||ゆうしゃ||

フフッ 早速 空いて る 日 を 予定 で 埋めて おき ます ね |さっそく|あいて||ひ||よてい||うずめて|||

( 風 ) お 願い ね かぜ||ねがい|

“ 悩んだら 相談 ” と … なやんだら|そうだん|

こういう 5 つ の 誓い みたいな の いい です ねえ |||ちかい|||||

なんか 引き締まる 感じ する っ しょ ? |ひきしまる|かんじ|||

( 美 森 ) 残り 1 つ は どう し ます か ? び|しげる|のこり||||||

( 友 奈 ) 最後 だ から ビシッと し たい よ ね とも|な|さいご|||びしっと||||

なせば 成る な さ ねば 成ら ぬ 何事 も |なる||||なら||なにごと|

… と か どう ? 上杉 鷹 山 ( うえ すぎ よう ざん ) さん の お 言葉 |||うえすぎ|たか|やま||||||||ことば

よ … よう ざ … う … ちょっと 難しい 言葉 の ような … |||||むずかしい|ことば||

“ なせば 大抵 何とか なる ” と か ? |たいてい|なんとか|||

それ なら ばっ ちり 分かる ! ||||わかる

( 風 ) よ ー し じゃあ 決まり ね かぜ||-|||きまり|

緊張 し すぎよ 樹 ( いつき ) きんちょう|||き|

( 犬 吠埼 樹 ) い … 犬 吠埼 樹 です いぬ|ばいさき|き||いぬ|ばいさき|き|

よ … よ よい … よろしく お 願い し ます ! |||||ねがい||

よろしく 樹 ちゃん ! |き|

は … は いっ

私 の 妹 に して は 女子 力 低い けど ― わたくし||いもうと||||じょし|ちから|ひくい|

それ 以外 は なかなか よ 占い と か できる し |いがい||||うらない||||

おお すごい や !

あっ 占い 好き なら これ あげる 縁起物 だ よ |うらない|すき||||えんぎもの||

はっ … か かわいい

でしょう ? はい

あ … あっ えっ ?

あっ

ふ っ

ああ …

はい !

えー っ す すごい ! ど どう やった んです か ? |||||||ん です|

知り たい ? しり|

( 樹 ) は いっ き||

( 美 森 ) それ は ね 帽子 の 構造 に 秘密 が ある の … び|しげる||||ぼうし||こうぞう||ひみつ|||

( 風 ) あり が と ね 2 人 と も かぜ|||||じん||

( 友 奈 ) おお 載って る ! とも|な||のって|

恥ずかしい です はずかしい|

でも 認め られる の は うれしい わ ねえ |みとめ||||||

ユニーク って 褒め られて ます し ゆにーく||ほめ|||

よ ー し 次 は 保育 園 で の レクリエーション 頑張ろう ! |-||つぎ||ほいく|えん|||れくりえーしょん|がんばろう

(3 人 ) オー ! じん|おー

( 子供 たち ) 早く して こども||はやく|

いよいよ 本番 だ ね |ほんばん||

やる からに は 最高の ひととき を 提供 して くれる わ |||さいこうの|||ていきょう|||

( 樹 ) お 姉ちゃん が もう 役 に 入って る … き||ねえちゃん|||やく||はいって|

東郷 つかみ は 頼んだ とうごう|||たのんだ

( 美 森 ) 頼ま れ ました び|しげる|たのま||

我が 懸念 して いる は う ぬ と 樹 よ わが|けねん|||||||き|

私 たち なら わたくし||

大丈夫 だいじょうぶ

フフッ

( 風 ) 友 奈 が セット を 倒した 時 は ギャーッ と 思った けど ― かぜ|とも|な||せっと||たおした|じ||||おもった|

東郷 の 機転 で 助かった わ とうごう||きてん||たすかった|

逆に ウケ てま した もん ね ぎゃくに|||||

( 樹 ) うん うん き||

( 友 奈 ) フォロー あり が と 東郷 さん とも|な|ふぉろー||||とうごう|

( 風 ) ホント 東郷 に は 助け られ っぱなし ね かぜ|ほんと|とうごう|||たすけ|||

何だか 頼れる お 姉ちゃん が できた みたいです なんだか|たよれる||ねえちゃん|||みたい です

( 風 ) う っ ここ に すばらしい 姉 が いる でしょ ! かぜ||||||あね|||

うわ ああ いい いい !

(2 人 の 笑い声 ) じん||わらいごえ

楽しかった し 結果 オーライ だ よ ね たのしかった||けっか|おーらい|||

うん

( 美 森 ) そして 私 たち は 本当の 勇者 に なった び|しげる||わたくし|||ほんとうの|ゆうしゃ||

勇者 の お 役目 は ― ゆうしゃ|||やくめ|

攻めて くる 12 体 の バーテックス を 倒して いく こと せめて||からだ||||たおして||

私 たち は みんな で 力 を 合わせて 使命 を 果たした わたくし|||||ちから||あわせて|しめい||はたした

でも その あと に 待って いた の は 体 の 機能 の 欠損 だった ||||まって||||からだ||きのう||けっそん|

大 赦 の 意見 を 信じて いつか 治る と 願って いた だい|しゃ||いけん||しんじて||なおる||ねがって|

けれど 彼女 に 出会って ― |かのじょ||であって

とても 大事な 過去 が あった こと が 分かった |だいじな|かこ|||||わかった

同時に おぞましい 真実 を 予感 して しまった どうじに||しんじつ||よかん||

調べて いく うち に その 予感 は やがて 確信 へ と 変わって いき ― しらべて|||||よかん|||かくしん|||かわって|

今に 至る いまに|いたる

精霊 が 勇者 の お 役目 を 助ける だけ じゃ なく ― せいれい||ゆうしゃ|||やくめ||たすける|||

勇者 と いう 役目 に 縛りつける もの なら … ゆうしゃ|||やくめ||しばりつける||

( 乃木 園子 ( のぎ その こ )) その代わり 決して 勇者 は 死ぬ こと は ない んだ よ のぎ|そのこ||||そのかわり|けっして|ゆうしゃ||しぬ|||||

ハア ハア ハア …

ハア ハア ハア ハア …

ハア ハア …

ハーッ … う っ !

ハア ハア … やっぱり …

( 美 森 ) どの 方法 でも 必ず 介入 して くる び|しげる||ほうほう||かならず|かいにゅう||

端末 の 電池 が 切れて いて も … たんまつ||でんち||きれて||

あ …

何が何でも 私 を 生かそう と して いる なにがなんでも|わたくし||いかそう|||

これ が ただ の 緊急 安全 装置 だったら ― ||||きんきゅう|あんぜん|そうち|

すばらしい こと だ けど …

でも 私 の 出した 結論 は 違う |わたくし||だした|けつろん||ちがう

彼女 に 会わ なくちゃ かのじょ||あわ|

やっぱり 来て くれ た あ 分かって たよ |きて||||わかって|

この 前 は うれし すぎて 話 が とび とび だった けど ― |ぜん||||はなし|||||

今日 は ちゃんと まとめて ある から ね わ っし ー きょう|||||||||-

あっ 東郷 さん か |とうごう||

わ っし ー で も いい わ 記憶 は 飛んじゃ って る けど ||-|||||きおく||とんじゃ|||

その 約 2 年間 私 は 鷲尾 ( わし お ) と いう 名字 だった のだ から |やく|ねんかん|わたくし||わしお|||||みょうじ|||

ああ すごい よく 分かった ね |||わかった|

適性 検査 で 勇者 の 資格 を 持って いる と 判断 さ れた 私 は ― てきせい|けんさ||ゆうしゃ||しかく||もって|||はんだん|||わたくし|

大 赦 の 中 でも 力 を 持つ ― だい|しゃ||なか||ちから||もつ

鷲尾 家 に 養女 と して 入る こと に なり ― わしお|いえ||ようじょ|||はいる|||

そこ で お 役目 に ついた |||やくめ||

鷲尾 家 は 立派な 家柄 だ から ね わしお|いえ||りっぱな|いえがら|||

高い 適性 値 を 出した あなた を 娘 に 欲しかった んだ よ たかい|てきせい|あたい||だした|||むすめ||ほしかった||

( 美 森 ) 私 の 両親 は それ を 承知 した の ね び|しげる|わたくし||りょうしん||||しょうち|||

神聖なる お 役目 の ため だ から ね しんせいなる||やくめ|||||

私 は あなた たち と 一緒に 戦い ― わたくし|||||いっしょに|たたかい

散 華 ( さん げ ) して 記憶 の 一部 と 足 の 機能 を 失った ち|はな||||きおく||いちぶ||あし||きのう||うしなった

敵 を せ ん 滅 できる 力 の 代償 と して ― てき||||めつ||ちから||だいしょう||

体 の 一部 を 供物 と して 神 樹 様 に ささげる 勇者 システム からだ||いちぶ||くもつ|||かみ|き|さま|||ゆうしゃ|しすてむ

うん   私 は もっと 派手に やっちゃ って ― |わたくし|||はでに||

今 は こんな 感じ だ けど ね エヘヘッ いま|||かんじ||||

( 美 森 ) 私 は … び|しげる|わたくし|

大 赦 は 身内 だけ じゃ やって いけ なく なって ― だい|しゃ||みうち||||||

勇者 の 素質 を 持つ 人 を 全国 で 調べた んだ よ ゆうしゃ||そしつ||もつ|じん||ぜんこく||しらべた||

東郷 の 家 に 戻さ れて ― とうごう||いえ||もどさ|

両親 も 事実 を 知って て 黙って いた … りょうしん||じじつ||しって||だまって|

事故 で 記憶 喪失 と ウソ まで ついて じこ||きおく|そうしつ||うそ||

引っ越し の 場所 が 友 奈 ちゃん の 家 の 隣 だった の も ― ひっこし||ばしょ||とも|な|||いえ||となり|||

仕組ま れた もの … しくま||

( 園子 ) 彼女 検査 で 勇者 の 適性 値 が 一 番 高かった ん だって そのこ|かのじょ|けんさ||ゆうしゃ||てきせい|あたい||ひと|ばん|たかかった||

大 赦側 も 彼女 が 神 樹 様 に 選ば れる って ― だい|しゃがわ||かのじょ||かみ|き|さま||えらば||

分かって た んだろう ね わかって|||

満開 して から は 家 の 食事 の 質 が 上がった わ まんかい||||いえ||しょくじ||しち||あがった|

大 赦 が 手当 と して ― だい|しゃ||てあて||

家 に 十分な 援助 を して いる んだろう ね いえ||じゅうぶんな|えんじょ|||||

思えば 合宿 で の 料理 も 豪華な もの だった おもえば|がっしゅく|||りょうり||ごうかな||

あれ は ねぎらって いた んじゃ なくて ―

祀 ( まつ ) って いた の ね 私 たち を し||||||わたくし||

そして 親 たち は 事情 を 分かって て 今 も 黙って いる |おや|||じじょう||わかって||いま||だまって|

( 園子 ) 神 樹 様 に 選ば れた んだ から 喜ばしい こと だって そのこ|かみ|き|さま||えらば||||よろこばしい||

納得 した んだろう ね なっとく|||

( 美 森 ) う っ … び|しげる||

どうして 私 たち が こんな … |わたくし|||

神 樹 様 は 人類 の 味方 じゃ なかった の ? かみ|き|さま||じんるい||みかた|||

味方 で は ある けど 神様 だ から ね そういう 面 も ある よ みかた|||||かみさま|||||おもて|||

そもそも … あ … ん …

落ち着いて 聞いて ね おちついて|きいて|

ハッ

壁 の 外 の 秘密 かべ||がい||ひみつ

この 世界 の 成り立ち を 教えて あげる |せかい||なりたち||おしえて|

( 美 森 ) え … ( 園子 ) あの ね … び|しげる||そのこ||

( 着信 音 ) ちゃくしん|おと

( 友 奈 ) もしもし 東郷 さん ? とも|な||とうごう|

昨日 の 話 私 ショック だった けど ― きのう||はなし|わたくし|しょっく||

樹 ちゃん の こと も ある し 風 先輩 が 心配に なって き|||||||かぜ|せんぱい||しんぱいに|

大丈夫 かな ? また 連絡 する ね だいじょうぶ|||れんらく||

( 通話 が 切れる 音 ) つうわ||きれる|おと

真実 は あなた 自身 の 目 で 確かめる と いい と 思う よ しんじつ|||じしん||め||たしかめる||||おもう|

( 美 森 ) あ … び|しげる|

どういう 結論 を 出して も 私 は 味方 だ から ね |けつろん||だして||わたくし||みかた|||

本当 は 私 は 今 の 勇者 たち が ― ほんとう||わたくし||いま||ゆうしゃ||

何 か の 形 で 暴走 したら 抑える 役目 な んだ なん|||かた||ぼうそう||おさえる|やくめ||

抑える って その 体 で ? おさえる|||からだ|

私 の 精霊 の 数 は 21 体 わたくし||せいれい||すう||からだ

( 美 森 ) ハッ ! ( 園子 ) エヘヘッ び|しげる||そのこ|

すごく 強い んだ よ |つよい||

戦い に なったら 大量の 武器 で ズガーン だ よ たたかい|||たいりょうの|ぶき||||

ふだん は 怖がら れて 手元 に スマホ が ない から ― ||こわがら||てもと|||||

変身 でき ない んだ けど ね へんしん|||||

( 美 森 ) つらい … でしょ 20 回 も 散 華 して … び|しげる|||かい||ち|はな|

( 園子 ) うん 何も でき ない から ね そのこ||なにも||||

神 樹 様 の 体 に 近づいた から って ― かみ|き|さま||からだ||ちかづいた||

こんなに 祀 られた ところ で 私 は … |し||||わたくし|

でも 今 は ね 不思議 と つらく ない んだ よ |いま|||ふしぎ|||||

もう ちょっと だけ ここ に いて くれる ?

( 美 森 ) うん … び|しげる|

( 波 の 音 ) なみ||おと

( 美 森 ) きれいな 景色 だ けれど … び|しげる||けしき||

えっ ?

( 園子 ) 壁 を 越えれば そのこ|かべ||こえれば

神 樹 様 が 見せて いた 幻 が 消えて 真実 が 姿 を 現す よ かみ|き|さま||みせて||まぼろし||きえて|しんじつ||すがた||あらわす|

( 美 森 ) なんて こと な の … び|しげる||||

あの 子 が 言った とおり これ が 本当の … 世界 … |こ||いった||||ほんとうの|せかい

世界 は 宇宙 規模 の 結 界 の 中 せかい||うちゅう|きぼ||けつ|かい||なか

あっ

( 園子 ) 人類 を 滅亡 寸前 に 追いやった の は そのこ|じんるい||めつぼう|すんぜん||おいやった||

ウイルス なんか じゃ ない んだ よ ういるす|||||

天 の 神様 が 粛清 の ため に 使わ した ― てん||かみさま||しゅくせい||||つかわ|

生物 の 頂点 バーテックス せいぶつ||ちょうてん|

西暦 の 時代 世界 は 彼ら に 突如 襲わ れた せいれき||じだい|せかい||かれら||とつじょ|おそわ|

人類 に 味方 して くれた 他 の 神様 たち は ― じんるい||みかた|||た||かみさま||

力 を 合わせ 1 本 の 大樹 と なり 四国 に 防御 結 界 を 張った ちから||あわせ|ほん||たいじゅ|||しこく||ぼうぎょ|けつ|かい||はった

その 時 神様 の 声 を 聞いた の が 今 の 大 赦 |じ|かみさま||こえ||きいた|||いま||だい|しゃ

神 樹 様 を 管理 して いる 人 たち かみ|き|さま||かんり|||じん|

まるで 地獄 じゃ ない ! あっ |じごく|||

あれ って …

友 奈 ちゃん が 倒した はずの … とも|な|||たおした|

バーテックス が 生まれて る ! ||うまれて|

こいつ ら が また 次々 と 攻めて くる の を ― ||||つぎつぎ||せめて|||

私 たち が 迎え撃つ の ? わたくし|||むかえうつ|

何 回 も 体 の 機能 を 失い ながら 何 回 も … なん|かい||からだ||きのう||うしない||なん|かい|

( 園子 ) 体 が 樹木 の ように 動か なく なって ― そのこ|からだ||じゅもく||よう に|うごか||

最後 は こうして 祀 られる さいご|||し|

う っ う っ

ハア ハア ハア

ゲホッ う っ う っ う っ …

う っ ハア ハア …

( 泣き声 ) なきごえ

こ … この 苦し み を 一つ一つ また 味わう ! それ も みんな が … ||にがし|||ひとつひとつ||あじわう||||

絶対 … 絶対 ダメ よ そんな の … ぜったい|ぜったい|だめ|||

どう すれば いい の ?

考え なきゃ 考え なきゃ みんな を 助け なきゃ かんがえ||かんがえ||||たすけ|

( 泣き声 ) なきごえ

ハッ … あった …

たった 1 つ だけ …

( アラーム 音 ) |おと

( 友 奈 ) 何 ? ( 三好 夏 凜 ( みよし かり ん )) なんで 敵 が 来る の よ とも|な|なん|みよし|なつ|りん|||||てき||くる||

( 友 奈 ) おかし いよ アラーム が 鳴りやま ない よ とも|な|||||なりやま||

( アラーム 音 ) |おと

そんな … バーテックス は 全部 倒した はずじゃ ! |||ぜんぶ|たおした|

落ち着き なさい まずは 現状 確認 おちつき|||げんじょう|かくにん

想定 外 の 敵 が 来よう が 私 が … う っ そうてい|がい||てき||こよう||わたくし|||

何 これ … なん|

( 美 森 ) 私 1 人 だけ が いけにえ なら まだ よかった び|しげる|わたくし|じん||||||

友 奈 ちゃん たち まで 供物 に する なんて ― とも|な||||くもつ|||

許さ ない ゆるさ|

みんな を もう 苦しめ ない |||くるしめ|

待って て 友 奈 ちゃん みんな まって||とも|な||

神 樹 様 を 倒して しまえば 苦し み から 解放 さ れる かみ|き|さま||たおして||にがし|||かいほう||

生き 地獄 を 味わう こと も ない ! いき|じごく||あじわう|||

こんな 世界 … 私 が 終わら せる |せかい|わたくし||おわら|

♪~

~♪

これ が 世界 の 真実の 姿 … ||せかい||しんじつの|すがた

いつの間にか 前 に 立って る じゃ ない いつのまにか|ぜん||たって|||

勇者 部 五 箇条 一 つ ! ゆうしゃ|ぶ|いつ|かじょう|ひと|