Clannad : After Story Episode 16 clannad|after|story|episode

また 　 ガラクタ を 拾って き た の ？ |||ひろって|||

すごく 冷たく なって る よ |つめたく|||

何も でき なく て 　 ごめん ね なにも|||||

もう 　 行く の ？ |いく|

そば に い て ほしい よ

ねぇ 　 ずっと 　 そば に いよ う

だからこそ 　 僕 は 行 か なけ れ ば なら ない |ぼく||ぎょう||||||

これ から 先 も 　 ずっと 二 人 で い られる よう に ||さき|||ふた|じん|||||

きみ だけ が 過ぎ去った 坂 の 途中 は |||すぎさった|さか||とちゅう|

あたたか な 日だまり が いく つ も でき て た ||ひだまり|||||||

僕 ひと り が ここ で 優しい ぼく||||||やさしい

温か さ を 思い返し てる あたたか|||おもいかえし|

きみ だけ を きみ だけ を

好き で い た よ すき||||

風 で 目 が 滲 ん で かぜ||め||しん||

遠く なる よ とおく||

いつ まで も 　 覚え てる |||おぼえ|

なにもかも 変わって も |かわって|

ひと つ だけ 　 ひと つ だけ

あり ふれた もの だ けど

見せ て やる 　 輝き に 満ち た その ひと つ だけ みせ|||かがやき||みち|||||

いつ まで も いつ まで も 守って いく ||||||まもって|

朋也 君 　 忘れ物 は ない です か ？ ともや|きみ|わすれもの||||

ああ 　 大丈夫 だ |だいじょうぶ|

し お ちゃん 　 お 見送り です ||||みおくり|

いって き ます

いって らっしゃい です

いって らっしゃい

昼間 　 渚 に は 早苗 さん が つい て いる ひるま|なぎさ|||さなえ|||||

お っ さん も しょっちゅう 顔 を 出す |||||かお||だす

渚 が 無事 に 汐 を 産め る よう なぎさ||ぶじ||しお||うめ||

みんな が できる 限り の こと を し て くれ て いる |||かぎり||||||||

渚 　 また 明日 ね なぎさ||あした|

はい 　 また 明日 です ||あした|

もしかしたら 　 早苗 さん は 俺 を 恨 ん でる ん じゃ な いか って |さなえ|||おれ||うら|||||||

思う こと が あり ます おもう||||

俺 と 出会わ なけ れ ば おれ||であわ|||

渚 は 危険 と 隣り合わせ の 出産 なんか し ない で 済 ん だ なぎさ||きけん||となりあわせ||しゅっさん|||||す||

俺 が 渚 を 変え て しまった ん です おれ||なぎさ||かえ||||

初めて 会った 時 の あいつ は 　 本当 に 弱々しく 見え た ん です はじめて|あった|じ||||ほんとう||よわよわしく|みえ|||

俺 が 声 を かけ なかったら おれ||こえ|||

ずっと 坂 の 下 に 立って た ん じゃ な いか って 思う ぐらい に |さか||した||たって|||||||おもう||

俺 は 　 うぬぼれ て い た ん です おれ|||||||

あいつ は 俺 と 出会った の が きっかけ で 強く なった ||おれ||であった|||||つよく|

俺 も あいつ の おかげ で 強く なれ た って おれ||||||つよく|||

その とおり です 　 朋也 さん |||ともや|

私 も 秋生 さん も 　 朋也 さん に どれ くらい 感謝 し てる か … わたくし||あきお|||ともや|||||かんしゃ|||

でも 　 俺 は わから なく なった ん です |おれ||||||

俺 が い なけ れ ば 　 あいつ は 今 でも 家 に い て おれ||||||||いま||いえ|||

友達 は 少なく て も 　 それなり に 幸せ だった かも しれ ない ともだち||すくなく|||||しあわせ||||

で なきゃ 　 俺 なんか より いい ヤツ と 出会って ||おれ||||やつ||であって

もっと 幸せ に なって い た かも しれ ない |しあわせ|||||||

そんな こと 考え られ ませ ん よ 　 朋也 さん ||かんがえ|||||ともや|

早苗 さん は 優しい 人 だ から さなえ|||やさしい|じん||

そう 言って くれる の は わかって まし た 　 でも … |いって|||||||

本心 です よ ほんしん||

すみません 　 少し 甘え て しまい まし た |すこし|あまえ|||| I'm sorry I'm a little spoiled

僕 は 仕事 を 続け た ぼく||しごと||つづけ|

空 を 飛べ る 機械 から||とべ||きかい

僕 と 彼女 を 　 ここ から 連れ出し て くれる はず の 機械 を つくる の だ ぼく||かのじょ||||つれだし|||||きかい||||

もう すぐ クリスマス です ||くりすます|

同時に 　 お前 の 誕生日 だ な どうじに|おまえ||たんじょうび||

今年 は 何 が 欲しい ？ ことし||なん||ほしい

だんご 大 家族 です |だい|かぞく|

あんな もん 　 これ 以上 増やし て も しかたない だ ろ |||いじょう|ふやし|||||

大体 も う 　 どこ に も 売って ない って だいたい||||||うって||

難しい でしょう か ？ むずかしい||

まず 無理 だ ろ |むり||

そう です か

しかし 　 よく 見つかった な ||みつかった|

朋也 君 　 すごく 苦労 し て 探し て くれ まし た ともや|きみ||くろう|||さがし||||

一 年 に 一 つ ずつ 増やし て いく と いう の は どう でしょ う ？ ひと|とし||ひと|||ふやし|||||||||

その うち 　 ホント に 大 家族 に なり ます よ ||ほんと||だい|かぞく||||

古い ヤツ ら が ヤキ モチ や くん じゃ な いす か ね ふるい|やつ||||もち|||||||

でも 　 三 つ いっぺんに は 抱け ない です |みっ||||いだけ||

な の で 朋也 君 に 抱 い て ほしい です |||ともや|きみ||いだ||||

俺 ？ おれ

はい 　 どうぞ

朋也 君 　 とっても かわいい です ともや|きみ|||

渚 の 　 に おい が する なぎさ|||||

よっ 　 久しぶり ！ |ひさしぶり

誰 だ 　 お前 ？ だれ||おまえ

お前 ね 　 去年 の 四 月 も 同じ やりとり し た よ おまえ||きょねん||よっ|つき||おなじ||||

春原 さん 　 明け まして おめでとう ございます すのはら||あけ|||

渚 ちゃん 　 久しぶり 　 … って なぎさ||ひさしぶり|

お っ きく なる もん だ ねぇ

ちょっと 恥ずかしい です |はずかしい|

なんか 不思議 な 感じ |ふしぎ||かんじ

はい 　 そこ まで ー っ |||-|

デリカシー の ない ことし てん じゃ ない の

社会 人 に なって も 　 行動 パターン は 同じ ね しゃかい|じん||||こうどう|ぱたーん||おなじ|

お 姉ちゃん 　 人 の こと 言え ない と 思う |ねえちゃん|じん|||いえ|||おもう

杏 　 藤林 　 来 て くれ た の か あんず|ふじばやし|らい|||||

明け まして 　 おめでとう ございます あけ|||

私 も アメリカ から 帰って き た の わたくし||あめりか||かえって|||

みんな 　 明け まして おめでとう ございます な の |あけ|||||

ことみ ちゃん 　 明け まして おめでとう ございます ||あけ|||

ホント に 大きい の ほんと||おおきい|

はい

触って も いい ？ さわって||

もちろん です

なんだか 　 とっても ステキ な の ||すてき||

はい 　 次 　 僕 ！ |つぎ|ぼく

あんた は いい の

どうして さ ？

これ が 智代 の 家族 か ||ちよ||かぞく|

弟 も 元気 そう だ よ な おとうと||げんき||||

宮沢 さん から も 来 て ます 　 皆さん 　 仲 が 良 さ そう です みやさわ||||らい|||みなさん|なか||よ|||

こっち は 仁科 さん と 杉坂 さん な の ||にしな|||すぎさか|||

元気 な 赤ちゃん を 産 ん で ください って 書 い て ある の げんき||あかちゃん||さん|||||しょ||||

あっ 　 そうだ |そう だ

これ 　 芽 衣 ちゃん に 渡し て くれ |め|ころも|||わたし||

何 　 これ ？ なん|

芳野 さん の 新曲 だ よ 　 インディーズ で 活動 再開 し た ん だ よしの|||しんきょく|||||かつどう|さいかい||||

ロベ 　 アンド スパ ニャー |あんど||

それ 　 ラブ 　 アンド 　 スパナ な の |らぶ|あんど|||

あんた 　 ホント に 高校 出 た の ？ |ほんと||こうこう|だ||

変わった 曲名 です ね かわった|きょくめい||

芳野 さん と 　 俺 と で 考え た ん だ よしの|||おれ|||かんがえ|||

これ でも 　 だいぶ まとも に なった ん だ けど な

なあ 　 岡崎 |おかざき

はい ？

何 だ ？ なん|

って 　 どっち も 岡崎 でしょ |||おかざき|

じゃあ 　 男 の 岡崎 |おとこ||おかざき

どういう 呼び 方 だ よ |よび|かた||

父親 に なる って 　 どんな 気分 だ ？ ちちおや|||||きぶん|

妙 な こと 聞く ん だ な たえ|||きく|||

私 も 興味 ある わたくし||きょうみ|

親 に なる って 　 どんな 感じ なん でしょう か ？ おや|||||かんじ|||

僕 は さ 　 親 に なる なんて まだ 先 の 話 だ と 思って た ん だ ぼく|||おや|||||さき||はなし|||おもって|||

でも さ 　 お前 ら が そう なる って 聞い て ||おまえ||||||ききい|

いきなり 身近 な こと に 思え て き た ん だ よ |みぢか||||おもえ||||||

お前 ら の 前 で 　 こんな こと 言う の も 何 な ん だ けど さ おまえ|||ぜん||||いう|||なん|||||

父親 なんて 　 好き で なる もん じゃ ない と 思う ん だ ちちおや||すき|||||||おもう||

地震 と か 雷 と か 　 そういう 天災 みたい な もん だ と 思って る じしん|||かみなり||||てんさい||||||おもって|

だから

どんな 気分 で そんな もの に な ろ う と し てる の か 知り たい ん だ よ |きぶん|||||||||||||しり||||

さあ な 　 わ っか ん ねぇ

そんな ん で いい の ？

正直 　 まだ 実感 だって ある ん だ か ない ん だ か 分 ら ない しょうじき||じっかん||||||||||ぶん||

ただ 　 好き な 人 が でき て |すき||じん|||

そい つ の ため に 生き て たら 　 こう なった |||||いき||||

それ だけ だ よ

結局 　 岡崎 けっきょく|おかざき

お前 　 何も 変わっちゃ い ない な おまえ|なにも|かわっちゃ|||

そう か ？

ああ

なん か さ 　 渚 ちゃん と お前 が 遠く に 行っちゃ っ た と 思った けど |||なぎさ|||おまえ||とおく||おこなっちゃ||||おもった|

でも 　 案外 近く に い た |あんがい|ちかく|||

それ が わかった よ

そう よ ね

ホント は 私 も ちょっと 会う 前 　 緊張 し て た の よ ほんと||わたくし|||あう|ぜん|きんちょう|||||

二 人 が 人生 ずっと 先 に 行っちゃ っ た 気 が し て さ ふた|じん||じんせい||さき||おこなっちゃ|||き||||

命 って 不思議 です よ ね いのち||ふしぎ|||

どこ から 来 て 　 どこ へ 行く ん でしょ う か ||らい||||いく||||

私 ね 　 今 お 父さん と お 母さん と 同じ こと を 研究 し て いる の わたくし||いま||とうさん|||かあさん||おなじ|||けんきゅう||||

隠さ れ た 世界 の こと 　 で し た っけ ？ かくさ|||せかい||||||

うん 　 この 世界 の すぐ 隣 に あって ||せかい|||となり||

だけど 　 見る こと も 感じる こと も でき ない 　 もう 一 つ の 世界 |みる|||かんじる||||||ひと|||せかい

でも ね

意外 と そう じゃ ない かも しれ ない って いう こと が 　 わかって き た の いがい|||||||||||||||

そう なん です か ？

うん 　 それ は 多分 　 余剰 次元 と 関係 し て いる の |||たぶん|よじょう|じげん||かんけい||||

現在 の 学説 で は げんざい||がくせつ||

私 達 の 知る 物質 は 高 次元 世界 の ブレーン に はり つい て い て わたくし|さとる||しる|ぶっしつ||たか|じげん|せかい||ぶれーん||||||

その 存在 形式 の 限界 から 逃れ られ ない けど |そんざい|けいしき||げんかい||のがれ|||

例えば 重力 エネルギー は たとえば|じゅうりょく|えねるぎー|

時空 を 超え て 行き来 する こと が できる と 言わ れ て いる の じくう||こえ||ゆきき||||||いわ||||

それ と 同じ ように … ||おなじ|よう に

ストップ ！ すとっぷ

わかる よう に 教え て |||おしえ|

今 の は 　 とっても とって も やさしい 説明 な の いま|||||||せつめい||

つまり 　 この 世界 と 隠さ れ た 世界 は ||せかい||かくさ|||せかい|

深く 結び つい てる ん じゃ ない か って こ と か ふかく|むすび||||||||||

そう

時間 や 空間 や 人 の 意識 が 不思議 な 形 で 響き あって じかん||くうかん||じん||いしき||ふしぎ||かた||ひびき|

両方 の 世界 を つくり かえ た り りょうほう||せかい|||||

新しい 世界 を 生み出し た り あたらしい|せかい||うみだし||

そんな ふう に 影響 し あって いる の かも しれ ない |||えいきょう|||||||

そういう こと な の

私 達 の 命 も 　 その 世界 と 何 か 関係 が ある ん でしょ う か ？ わたくし|さとる||いのち|||せかい||なん||かんけい||||||

そう かもし れ ない けど 　 違う かも しれ ない の |||||ちがう||||

本当 に 　 この 世界 は わから ない こと だらけ ほんとう|||せかい|||||

どんな ところ な ん でしょ う ね 　 隠さ れ た 世界 って |||||||かくさ|||せかい|

何 だ ？ 　 どうして 急に あの とき の こと なんか 思いだし た ん だ ？ なん|||きゅうに||||||おもいだし|||

終わった 世界 の 女の子 おわった|せかい||おんなのこ

なぜ 俺 は あの 物語 を 知って い た ん だ ろ う |おれ|||ものがたり||しって||||||

朋也 君 ？ ともや|きみ

いや 　 ちょっと 考え て た ん だ ||かんがえ||||

そっち の 世界 でも 俺 達 み たい な 連中 が ||せかい||おれ|さとる||||れんちゅう|

にぎやか に やって る の かも しれ ない って

隠さ れ た 世界 は 一 つ じゃ ない かも しれ ない の かくさ|||せかい||ひと|||||||

いろんな 世界 が たくさん ある って いう 説 も ある の |せかい||||||せつ|||

藤林 ふじばやし

お前 いつ だった か 占い の 話 を し てる 時 に 　 そんな こと 言って た よ な おまえ||||うらない||はなし||||じ||||いって|||

はい 　 決まった 未来 が 一 つ だけ ある ん じゃ なく て |きまった|みらい||ひと|||||||

いろんな 可能 性 が ある |かのう|せい||

今 でも そう 思って ます いま|||おもって|

じゃあ 　 ひょっとしたら さ

この 中 の 誰 か が 僕 と つきあって る みたい な |なか||だれ|||ぼく|||||

そんな 世の中 が ある かも しれ な いよ ね |よのなか|||||||

私 と だけ は 　 絶対 に あり え ない から わたくし||||ぜったい|||||

僕 だって 　 お前 と は お 断り だ よっ ぼく||おまえ||||ことわり||

僕 に は 何 か を 作り出す こと が でき ない ぼく|||なん|||つくりだす||||

できる の は ガラクタ を 積み重ねる こと だけ |||||つみかさねる||

どんなに 努力 し て も ムダ だった |どりょく||||むだ|

僕 は 　 いつしか 作業 を やめ て い た ぼく|||さぎょう|||||

お め ぇ も 来 て た の か ||||らい||||

お っ さん

町 は 変わり 続け て いく まち||かわり|つづけ||

何もかも 変ら ず に は い られ ない ん だ なにもかも|かわら||||||||

人 が 生き て いく って いう の は そういう こと な ん だ よ じん||いき||||||||||||

でも 　 ここ は あんた に とって 大事 な 場所 な ん だ ろ ？ ||||||だいじ||ばしょ||||

もし 　 この 工事 を 妨害 し たら ||こうじ||ぼうがい||

渚 は 元気 で い られる の か な なぎさ||げんき||||||

は あっ ？

なんか 　 そんな 気 が ふと し て さ ||き|||||

バカ いう な ばか||

ここ に 大きな 病院 が できる の は 町 の 住人 に とって 　 いい こと だ ||おおきな|びょういん|||||まち||じゅうにん|||||

俺 達 の 感傷 で どうこう できる 問題 じゃ ねぇ おれ|さとる||かんしょう||||もんだい||

俺 　 この 町 が 嫌い に なり そう だ よ おれ||まち||きらい|||||

実は な じつは|

関係 者 に 頼み込 ん で かんけい|もの||たのみこ||

木 は 何 本 か 残し て もらう こと に なって る ん だ き||なん|ほん||のこし||||||||

智 ぴょ ん が やった ん だ ろ ？ 　 似 た よう な こと さとし||||||||に||||

智 ぴょ ん ？ さとし||

ああ 　 智代 の こ と か |ちよ||||

病院 で 産む こと に し た ん だって な びょういん||うむ|||||||

ああ 　 やっぱり 設備 が 整って る 方 が 安心 だ から な ||せつび||ととのって||かた||あんしん|||

人事 を 尽くし て 　 何と やら … 　 か じんじ||つくし||なんと||

降って き そう だ な ふって||||

その 日 　 大雪 が 降った |ひ|おおゆき||ふった

車 も 電車 も 動け ず くるま||でんしゃ||うごけ|

町 の 機能 が まるで 　 病 に 落ち た か の よう に マヒ する 中 まち||きのう|||びょう||おち||||||まひ||なか

渚 は 熱 を 出し 　 同時に 陣痛 が 始まった なぎさ||ねつ||だし|どうじに|じんつう||はじまった

予定 より ２ 週間 早い 出産 だった よてい||しゅうかん|はやい|しゅっさん|

渚 　 しっかり しろ なぎさ||

渚 ！ なぎさ

渚 大丈夫 です 　 私 ちゃん と しお ちゃん 産み ます なぎさ|だいじょうぶ||わたくし|||||うみ| 朋也 君 と しお ちゃん と 三 人 で 暮らす ん です ともや|きみ|||||みっ|じん||くらす||

八木 さん が 来 て ください まし た やぎ|||らい||||

車 は まだ 動け ねぇ そう だ くるま|||うごけ|||

より に よって 　 こんな とき に よ

古河 さん は お 湯 を わかし て ください こが||||ゆ||||

なるべく たくさん

わかった

岡崎 さん は 　 奥さん を 励まし て あげて ください おかざき|||おくさん||はげまし|||

手 を 　 にぎって て も いい ん です よ ね て|||||||||

もちろん です 　 そうして あげて ください

渚 　 俺 は ここ に いる から な なぎさ|おれ||||||

負ける な よ 　 渚 まける|||なぎさ

無事 に 産 ん で 始めよ う な ぶじ||さん|||はじめよ||

汐 と 三 人 で 新しい 生活 しお||みっ|じん||あたらしい|せいかつ

落ち着 い て 　 大丈夫 よ おちつ|||だいじょうぶ|

はい 　 フーッ 　 息 吐 い て み て ||いき|は||||

そう 　 上手 ね 　 はい 　 フーッ |じょうず|||

そう 　 力 を 逃がす の |ちから||にがす|

上手 　 上手 じょうず|じょうず

ちょっと 見 て みよ う かな |み||||

渚 は 何度 も 意識 を 失った なぎさ||なんど||いしき||うしなった

そして 　 また 痛み で 目 を 覚ます ||いたみ||め||さます

目 を 覆い たく なる ほど 　 残酷 な 光景 だった め||おおい||||ざんこく||こうけい|

長く て 　 出口 の 見え ない 時間 が 永遠 に 続く か と 思った ながく||でぐち||みえ||じかん||えいえん||つづく|||おもった

俺 自身 が 意識 を 失い そう に なった おれ|じしん||いしき||うしない|||

心 が 耐え られ なく なった の だ ろ う か こころ||たえ||||||||

すべて に 絶望 し て しまった の だ ろ う か ||ぜつぼう||||||||

渚 ？ なぎさ

渚 ？ なぎさ

渚 … なぎさ

渚 ！ なぎさ

朋也 … 君 ともや|きみ

ここ だ ！

渚 ここ に いる ぞ なぎさ|||| 聞こえる だ ろ きこえる||

俺 達 の 子供 の 泣き声 おれ|さとる||こども||なきごえ

はい

ほら 　 最初 に 抱 い てる 俺 |さいしょ||いだ|||おれ

はい 　 かわいい です

俺 達 の 子 だ ぞ おれ|さとる||こ||

汐 だ しお|

し お ちゃん

女の子 だ 　 元気 な 女の子 だ ぞ おんなのこ||げんき||おんなのこ||

はい 　 お ウチ で 産 ん で あげ られ て よかった です ||うち||さん|||||||

し お ちゃん に は 大変 な 思い を さ せ て しまい まし た けど |||||たいへん||おもい||||||||

よく やった 　 本当 に ||ほんとう|

でも 　 少し 疲れ て しまい まし た |すこし|つかれ||||

ちょっと だけ 　 休ま せ て ください ||やすま|||

渚 クソッ 　 医者 は まだ 来 ねぇ の か ？ なぎさ||いしゃ|||らい||| 車 は まだ 使え ない ん です か ！ ？ くるま|||つかえ||||

渚 待って くれよ 　 渚 なぎさ|まって||なぎさ もう 少し 　 話 を しよ う |すこし|はなし|||

聞い て くれ てる だけ で 　 いい から ききい|||||||

ほら 　 俺 達 の 子 だ |おれ|さとる||こ|

サル み たい な 顔 だ よ な さる||||かお|||

す ん げ ー 　 小さい |||-|ちいさい

呼 ん で みる から な 　 俺 よ||||||おれ

汐 パパ だ ぞ 　 汐 しお|ぱぱ|||しお こっち が ママ だ ||まま|

ほら

無視 さ れ た むし|||

わかる わけ な いよ な

きっと 　 すぐ 大きく なって さ ||おおきく||

小学校 に 入って しょうがっこう||はいって

俺 と お前 が つきそって おれ||おまえ||

授業 参観 と か 　 運動 会 と か さ じゅぎょう|さんかん|||うんどう|かい|||

家族 で やる ん だ ぜ かぞく|||||

俺 　 そんな こと 一 番 バカ に する ヤツ だった のに な おれ|||ひと|ばん|ばか|||やつ|||

渚 ？ なぎさ

渚 っ なぎさ|

ほら 　 汐 の ほっぺた |しお||

ほら 　 な っ ？

渚 ずっと そば に い て くれる って 言った よ な なぎさ||||||||いった|| ずっと 一緒 だって |いっしょ|

何度 も なんど|

何度 も 　 そう 約束 し た よ な なんど|||やくそく||||

それ が 俺 の 夢 だった ||おれ||ゆめ|

生き て た って 　 いい こと なんて 何も ない いき|||||||なにも|

クソ おもしろく も ない 人生 だって 　 そう 思って た ヤツ が くそ||||じんせい|||おもって||やつ|

やっと 見つけ た 夢 な ん だ |みつけ||ゆめ|||

なあ 　 渚 |なぎさ

渚 … なぎさ

渚 ！ なぎさ

この 学校 は 好き です か ？ |がっこう||すき||

わたし は とって も とって も 好き です ||||||すき|

でも 何もかも 　 変わら ず に は い られ ない です |なにもかも|かわら|||||||

楽しい こと と か 　 うれしい こと と か 全部 … たのしい||||||||ぜんぶ

変わら ず に は い られ ない です かわら|||||||

それ でも 　 この 場所 が 好き で い られ ます か ？ |||ばしょ||すき|||||

出会わ なけ れ ば よかった ん だ であわ||||||

このまま 　 別々 の 道 を 歩 い て い れ ば よかった |べつべつ||どう||ふ||||||

俺 は 渚 と つきあわ ず おれ||なぎさ|||

渚 と 結婚 も し ない なぎさ||けっこん|||

そして 　 汐 も 生まれ ない |しお||うまれ|

そう すれ ば 　 こんな 悲し み は 生まれ なかった のに ||||かなし|||うまれ||

出会わ なけ れ ば 　 よかった であわ||||

見つめ て い た 流れる 雲 を みつめ||||ながれる|くも|

感じ て い た 変わる 空 の 色 を かんじ||||かわる|から||いろ|

立ち止まった 僕ら は 気付く たちどまった|ぼくら||きづく

移ろい ゆく 世界 が 紡ぐ 唄 に うつろい||せかい||つむぐ|うた|

伸ばし た 指 で 手繰る よう に のばし||ゆび||たぐる||

ただ 一 つ 変わら ない もの 探す |ひと||かわら|||さがす

かざす 手 に 灯火 を |て||とうか|

明日 へ と 続く 小さな 標 あした|||つづく|ちいさな|しるべ

今 も まだ こだま する いま||||

あの 日 の 言葉 誓い に 変え |ひ||ことば|ちかい||かえ

僕 は 行く ぼく||いく