image

JIN-仁- 完结编, JIN-仁- 完结编 #10 (1)

( 東 ) うわ あー ッ !

( 仁 ) 龍 馬 さん ッ !

龍 馬 さん !  龍 馬 さん ッ !

( 榊原 ) 行く ぞ   橘 !

( 龍 馬 ) 東 …

私 の 兄 は …

あなた に 斬ら れた んです →

あなた が 久 坂 さん と 会った 帰り に

《( 侍 ) う ッ !》

あなた は   私 の 敵 な んです よ

初め から   この つもり で 近づいた んです

ずっと …

こう しよう と …

ほ いたら …

どう いて   わし を ここ まで 守り 続けて くれた んじゃ ?→

何 ぼ でも   折 は   あったろう に

う う ッ …

そんな 話 …

今さら   わし が 信じる と 思う か や

これ も …

わし を 守る ため じゃ ろう ?

違い ます ! やめて ください

咲 さ ん !  佐分利 先生 を 起こして きて ください

咲 さ ん ッ

( 咲 ) は ッ …  はい ッ

龍 馬 さん   大丈夫です か ?

南方 仁 が   おれば …

坂本 龍 馬 は

死な ん

ほうじ ゃろ ?

はい !

助け ます

俺 が

この 手 で

龍 馬 さん ッ !

左前 頭部 の 骨 が 陥没 その 下 の 硬 膜 が 破れ

さらに   その 下 に ある 大脳 の 一部 が 外 に 出 かかって い ます

開放 性   頭蓋 骨   陥没 骨折 脳 挫傷 に   急性 硬 膜 下血 腫

さらに は   外傷 性 くも膜 下 出血 の 疑い も あり ます

エーテル 麻酔 を 導入 ラリンジアルマスク を 挿入 して

気道 確保 して ください ( 咲 ・ 佐分利 ) はい

〈 俺 は   きっと この ため に   ここ に 来た のだ 〉

〈 この とき の ため に 〉

《 お まん は   あ ほか 》

《 頼む ぜ よ   南方 先生 》

《 ハハハ …》

〈 坂本 龍 馬 を よみがえら せる ため に 〉

始め ます

骨片 を 外し ます

これ から   硬 膜 を 切開 し ます

硬 膜 を 真ん中 の 大脳 鎌   上矢 状 洞 を 中心 に   蝶番 の ように

半分 ずつ   切開 し ます

脱出 した 挫 滅 脳 と 硬 膜 下血 腫 を 除去 し

洗浄 した 後   再び   硬 膜 を 閉じ ます

先生   脳 が 膨れて きて おり ます が

脳 挫傷 の せい です   後 で 処置 し ます

どんどん 腫れて きて ます けど 脳 圧 を 下げ ましょう

脳 室 ドレナージ で 血 性 髄 液 を 取り除き ます

鼻 根 部 から 正中 12 センチ 上 そこ から 右 へ  2~3 センチ ほど

よし

ドレナージ は い

脳 室 に 向かって  5 センチ ほど 穿 刺し ます

先生

難しい 方法 なんで っか ?

手ごたえ だけ が 頼り なんで

いき ます

よし   届いた

先生 ッ !

大丈夫です   ドレナージ は 成功 です

これ から 数 日 は チューブ を 脳 室 内 に 残し

排 液 を 続け ます

では   縫 合 に 移り ます

これ で   開 頭 手術 は 終了 です

続いて   大腿部 外側 を 切開 し ます

大腿部 って   ケガ して は る ように は 見え ま へん けど

さっき 頭 の 骨片 を 取り出し ました よ ね

回復 を 待って   頭蓋 骨 を 元どおりに する 手術 を する ので

それ まで それ を   この 大腿部 に 保存 して おく 必要 が ある んです

体 の 中 に 保存 する んで っか ? それ が 一 番   確かな んで

う ッ !

《 俺 は   お前 だ 》 《≪( 龍 馬 ) お まん は   わし じゃ 》

大丈夫です   すいません

う う ッ ! 先生 !

う う ッ …

私 が やり ます んで 指図 を お 願い でき ます か ?

大丈夫です … 指図 を お 願い し ます !

大腿部 外側 15 センチ ほど

皮下 まで 縦 切開

はい ッ

( 榊原 ) 江戸 へ 戻ったら   妹 と 医者 に 他言 無用 と 言い含めて おけよ

( 橘 ) はい

( お 登 勢 ) さ …  坂本 はん は   これ で

助から はり ます の や ろか ?

手術 自体 は   うまく いき ました が これ から   脳 浮腫   脳 腫脹 と の

闘い が 待って ます の …  のうふ …

脳 が ケガ を し 腫れて しまって いる のです

脳 の 中 の 髄 液 を 排除 する こと で 脳 圧 を 下げ

アンビュバッグ で 自発 呼吸 が 戻る まで 人工 呼吸 を 続け

その 間   ペニシリン を 投与 し 栄養 は 栄養 液 で 与え ます

何 や   よう …  分から しま へん けど

生きて はり ます の やろ な ? はい

へえ

あの …  それ …

私 に   で けし ま へん や ろか ?

いえ   私 が …

今   下 で ご飯 の 支度   して ます さかい に

少し   お 休み に なら はった 方 が よろし お すえ

長い …  闘い に なり ます の やろ ?

ありがとう ございます

ご 自分 の 息継ぎ に 合わせて 押して ください

今さら です けど …

何 が 起こった んで っか ?

兄 の お 役目 は

おそらく   坂本 様 の 暗殺 だった ので ございます

ほ な   斬り はった ん は …

いえ

斬った の は   東 様 です

え ッ !?

え ッ ? 東 様 は   かつて

坂本 様 に   兄 上 を 斬ら れた と

おっしゃって おら れ ました

あだ討ち …  って こと で っか ?

で   そのまま   恭 太郎 さん は 逃げ はった んで っか ?

今 は   龍 馬 さん を 助ける こと だけ を 考え ませ ん か ?

はい

す ん ま へん

大丈夫です か ?  咲 さん も

私 も

医者 の 端くれ で ございます

はい

( アンビュバッグ を 押す 音 が 響く )

( 八木 ) に せ 薬 の 罪 が 晴れ ぬ 場合 どう なる のであろう な ?

( 横 松 ) 最も 重い とき は 死罪 と 聞いた こと が あり ます

死罪 !?

先ほど から 何 を して おる のだ ? このような とき に

前 から 思って いた ので ございます が …

( 与力 ) 講義 を 受けた 五 人 の 医者 より   訴状 が 出さ れて おる のだ

ペニシリン の 偽り の 作り 方 を 教え られた と な

その 結果   十三 人 も の 病人 を 死に 至ら しめて しまった と →

その 医者 達 は ペニシリン の 製造 を 認める 免許 状 も 持って おった のだ →

この 文字 は   間違い なく 南方 仁 の 手 であろう ?

( 山田 ) に せ 薬 の 作り 方 を 教える わけない と 思う のです が

礼 が 払え なかった から だ と その 医者 達 は 申して おる

仁 友 堂 は

一 文 も 払え ぬ 老婆 とて 治療 を いたし ます

金 ごとき で   に せ 薬 を 教える など …

天地 が 逆 さ に なろう と も いたし ませ ぬ !

あー ッ …

( 多紀 ) わし は   この 騒ぎ   和 宮様 の とき と 同じに おい を 感じて おる

( 良 順 ) 私 も で ございます ( 多紀 ) 仕組んだ 者 は

和 宮様 が あの 日   寺 に 行く こと を 知り 得

奥 女 中 と 接する こと の できる 身の上 の 者

おそらくは 奥 医師 か   それ に 近い 身 分の 者 で →

南方 医師 に   強い 恨み を 抱く 者 で は ある まい か と 思う て おる のだ が

≪( 彦三郎 ) 恐れ ながら   旦那 様 方

( 彦三郎 ) 野 風 の 身 請け の お 調べ の 際

南方 先生 に 面目 を つぶさ れた お 医者 様 が   お 一 人

〈 手術 から 四 日 〉

〈 龍 馬 さん の 容態 は なかなか 好転 し なかった 〉

代わり ましょう か ?  佐分利 先生

もう 少し …  大丈夫です

先生

これ を 坂本 様 に 読んで み ませ ん か ?

何で すか ?  これ 野 風 さん の 文 です

本来 は   開けて は なら ぬ もの です が

やって み ましょう か

「 坂本 様 お 元気で ござい ん しょうか ?」

( 野 風 )「 私事 であり ん す が 」

「 あ ちき は   このたび 母 と なり ん した 」

「 仁 友 堂 の 皆様 の お 力 で 」

「 取り上げて い ただ きん した 」

「 けん ど   ふと 振り返れば 」

「 実のところ 旦那 様 と 出会う まで の 間 」

「 あ ちき は ずっと   坂本 様 の お 心 に 」

「 支え られて きた 気 が いたし ん す 」

「 かなわ ぬ 思い に やけに なら ず に い られた の は 」

《 わし ん とこ に 来る かえ ?》

「 坂本 様 が   あ ちき な ん ぞ に 好きだ   ほれた と 」

「 言って くださった から こそ 」

「 女子 は   ずるう ござ りん すな 」

《 こう すれば   顔   見え ん 》

《 雪 に …  なり とう あり ん す 》

「 胸 を 貸して いただいた あの 日 の ご恩 は 」

「 一生   忘れ ん せん 」

「 いつか フランス に   いらっしゃら れる 折 に は 」

「 何とぞ   お 知らせ ください まし 」

「 心 より   お もてなし いた しん す 」

「 野 風 」

龍 馬 さん

野 風 さん から   待ちに待った あ いびき の お 誘い です よ

行か ないで どう する んです か ?

え ッ ?

( 呼吸 を する )

これ は …

自発 呼吸 ! はい !

いやいや いや   こんな …  え ッ ?

これ で 意識 が 戻れば … 望み は 持てる と 思い ます

もう 一息 です よ

龍 馬 さん !

( 呼吸 を 続ける 龍 馬 )

( 男 ) ウチ の 蔵 に 何 か ?

ここ で 命拾い を した のです

長 州 が 御所 に 押し入った と きど す か ?

あん とき は 何 や 変わった お 医者 はん 方 が

ぎょう さん の ケガ 人 治さ はり まして な

《 やり 残した こと は ない が かえ ?》

《 ひと つ だけ …》

拾って は なら ぬ 命 だった の かも しれ ませ ん ね

坂本 さん

〈 あれ から   俺 は 〉

〈 龍 馬 さん が 食いついて き そうな 未来 の 話 を 語り 続けた 〉

その 携帯 電話 って の は どこ に いて も 話 が できる んです

他 に も   メール って いう の が あって

文 を 遠く 離れた 相手 に

一瞬 で 届ける こと が できる んです よ

龍 馬 さん が   携帯   持ったら きっと 一 日 中   鳴り っぱなし です よ

旅 も   ずっと 楽に なる んです

新幹線 って いう   電気 で 動く 車 …

あ ッ   箱 …

まあ   そんな の に 乗れば 江戸 から 京都 まで

一刻 と 少し です

飛行機 って いう   空 飛ぶ …

船 !

その 船 は   もっと 速い んです

海 の 向こう だって 地球 の 裏側 だって

どこ に だって 行ける ように なる んです よ

また   頭痛 で ございます か ?

遠い 未来 の 話 の とき は こ ない んだ よ なあ

どう な んだ っけ ? この後 すぐ の 歴史

俺   地理 だった んだ よ なあ

あの …  頭痛 を 起こし たい ので ございます か ?

頭痛 が 起こったら

龍 馬 さん   まだ 生き られる って こと じゃ ないで す か

龍 馬 さん !

龍 馬 さん …

( くぐもった 声 で ) 先生 …

佐分利 先生 を 呼んで まいり ます ! はい ッ

妙な もん を

見 よった ぜ よ

妙 ?

箱 を 連ねた ような

巨大な 蛇 が   はい 回り

空 に は

巨大な 鳥 の ような もん が

雲 を 連れ

みんな

西洋 人 の ような   いでたち で …

こん まい 箱 に 向こう て

独り言   しゃべり いう が じゃ

あり ゃあ …

先生 の 住 ん じょ った 世界 かえ ?

はい

やっぱり のう …

大丈夫な ようです から 少し 待ち ましょう

えいのう

わし も

先生 の ように

別の 時代 に 行き たい ね や

龍 馬 さん

未来 に 行ったら

どこ に 行って みたいです か ?

吉原

すいません   もう ない んです

島原 は ?

すいません

他 に は ?

ほう じゃ

保険 は ? ああ

民間 の 保険 会社 なら   あり ます

会社 ?

カンパニー が あり ます

カンパニー かえ

そっち は 分かる んです ね

早う   わし も

保険 の カンパニー を

つくら ん と いかんの う

そう です よ

ほんとに

先生 に は

この 時代 は   どう 見えた が じゃ ?

愚かな こと も

山ほど あったろう ?

教わる こと だらけ でした

例えば …

えっ と …

未来 は   夜 でも

そこら じゅう に 明かり が ついて いて

昼 みたいに 歩ける んです

でも   ここ で は

ちょうちん を   さげ ない と 歩く こと も でき ない し

ちょうちん の 火 が   消えたら 誰 か に   もらわ なきゃ いけなくて

一 人 で 生きて いける なんて …

文明 が つくった 幻想 だ なあ   と か

離れて しまったら 手紙 しか   頼る 方法 ないし

ちゃんと 届いた か どう かも 分から ない し

人生 って …

ほんと …

一期一会 だ なあ   と か

あ ッ   あと …

笑った 人 が 多い です

ここ の 人 達 は   笑う の が 上手です

コロリ の 治療 の とき   覚えて ます か ?

誰 も   私 を 信じて くれ ない とこ に

龍 馬 さん

一 人 で 患者 を 担いで きて くれた じゃ ないで す か

あれ で …

私 に 対する 風向き が 変わった んです よ ね

ペニシリン の お 金 が 足りない とき も

龍 馬 さん   千 両 箱   担いで 戻って きて くれた じゃ ないで す か

本物 の 行動 力 って いう か

教わり ました よ   龍 馬 さん に

龍 馬 さん は

親友 で …

悪友 で

私 の ヒーロー でした

でし たち …

わしゃ

まだ 生 きち ょる ぜ よ

あ ッ   すいません



Vous voulez apprendre une langue?


Apprenez à partir de ce texte et de milliers d'autres comme celui-ci sur LingQ.

  • Une immense bibliothèque de leçons audio toutes accompagnées du texte.
  • Des outils d'apprentissage révolutionnaires.
  • Une communauté mondiale et interactive d'étudiants.

Apprendre les langues en ligne @LingQ

( 東 ) うわ あー ッ !

( 仁 ) 龍 馬 さん ッ !

龍 馬 さん !  龍 馬 さん ッ !

( 榊原 ) 行く ぞ   橘 !

( 龍 馬 ) 東 …

私 の 兄 は …

あなた に 斬ら れた んです →

あなた が 久 坂 さん と 会った 帰り に

《( 侍 ) う ッ !》

あなた は   私 の 敵 な んです よ

初め から   この つもり で 近づいた んです

ずっと …

こう しよう と …

ほ いたら …

どう いて   わし を ここ まで 守り 続けて くれた んじゃ ?→

何 ぼ でも   折 は   あったろう に

う う ッ …

そんな 話 …

今さら   わし が 信じる と 思う か や

これ も …

わし を 守る ため じゃ ろう ?

違い ます ! やめて ください

咲 さ ん !  佐分利 先生 を 起こして きて ください

咲 さ ん ッ

( 咲 ) は ッ …  はい ッ

龍 馬 さん   大丈夫です か ?

南方 仁 が   おれば …

坂本 龍 馬 は

死な ん

ほうじ ゃろ ?

はい !

助け ます

俺 が

この 手 で

龍 馬 さん ッ !

左前 頭部 の 骨 が 陥没 その 下 の 硬 膜 が 破れ

さらに   その 下 に ある 大脳 の 一部 が 外 に 出 かかって い ます

開放 性   頭蓋 骨   陥没 骨折 脳 挫傷 に   急性 硬 膜 下血 腫

さらに は   外傷 性 くも膜 下 出血 の 疑い も あり ます

エーテル 麻酔 を 導入 ラリンジアルマスク を 挿入 して

気道 確保 して ください ( 咲 ・ 佐分利 ) はい

〈 俺 は   きっと この ため に   ここ に 来た のだ 〉

〈 この とき の ため に 〉

《 お まん は   あ ほか 》

《 頼む ぜ よ   南方 先生 》

《 ハハハ …》

〈 坂本 龍 馬 を よみがえら せる ため に 〉

始め ます

骨片 を 外し ます

これ から   硬 膜 を 切開 し ます

硬 膜 を 真ん中 の 大脳 鎌   上矢 状 洞 を 中心 に   蝶番 の ように

半分 ずつ   切開 し ます

脱出 した 挫 滅 脳 と 硬 膜 下血 腫 を 除去 し

洗浄 した 後   再び   硬 膜 を 閉じ ます

先生   脳 が 膨れて きて おり ます が

脳 挫傷 の せい です   後 で 処置 し ます

どんどん 腫れて きて ます けど 脳 圧 を 下げ ましょう

脳 室 ドレナージ で 血 性 髄 液 を 取り除き ます

鼻 根 部 から 正中 12 センチ 上 そこ から 右 へ  2~3 センチ ほど

よし

ドレナージ は い

脳 室 に 向かって  5 センチ ほど 穿 刺し ます

先生

難しい 方法 なんで っか ?

手ごたえ だけ が 頼り なんで

いき ます

よし   届いた

先生 ッ !

大丈夫です   ドレナージ は 成功 です

これ から 数 日 は チューブ を 脳 室 内 に 残し

排 液 を 続け ます

では   縫 合 に 移り ます

これ で   開 頭 手術 は 終了 です

続いて   大腿部 外側 を 切開 し ます

大腿部 って   ケガ して は る ように は 見え ま へん けど

さっき 頭 の 骨片 を 取り出し ました よ ね

回復 を 待って   頭蓋 骨 を 元どおりに する 手術 を する ので

それ まで それ を   この 大腿部 に 保存 して おく 必要 が ある んです

体 の 中 に 保存 する んで っか ? それ が 一 番   確かな んで

う ッ !

《 俺 は   お前 だ 》 《≪( 龍 馬 ) お まん は   わし じゃ 》

大丈夫です   すいません

う う ッ ! 先生 !

う う ッ …

私 が やり ます んで 指図 を お 願い でき ます か ?

大丈夫です … 指図 を お 願い し ます !

大腿部 外側 15 センチ ほど

皮下 まで 縦 切開

はい ッ

( 榊原 ) 江戸 へ 戻ったら   妹 と 医者 に 他言 無用 と 言い含めて おけよ

( 橘 ) はい

( お 登 勢 ) さ …  坂本 はん は   これ で

助から はり ます の や ろか ?

手術 自体 は   うまく いき ました が これ から   脳 浮腫   脳 腫脹 と の

闘い が 待って ます の …  のうふ …

脳 が ケガ を し 腫れて しまって いる のです

脳 の 中 の 髄 液 を 排除 する こと で 脳 圧 を 下げ

アンビュバッグ で 自発 呼吸 が 戻る まで 人工 呼吸 を 続け

その 間   ペニシリン を 投与 し 栄養 は 栄養 液 で 与え ます

何 や   よう …  分から しま へん けど

生きて はり ます の やろ な ? はい

へえ

あの …  それ …

私 に   で けし ま へん や ろか ?

いえ   私 が …

今   下 で ご飯 の 支度   して ます さかい に

少し   お 休み に なら はった 方 が よろし お すえ

長い …  闘い に なり ます の やろ ?

ありがとう ございます

ご 自分 の 息継ぎ に 合わせて 押して ください

今さら です けど …

何 が 起こった んで っか ?

兄 の お 役目 は

おそらく   坂本 様 の 暗殺 だった ので ございます

ほ な   斬り はった ん は …

いえ

斬った の は   東 様 です

え ッ !?

え ッ ? 東 様 は   かつて

坂本 様 に   兄 上 を 斬ら れた と

おっしゃって おら れ ました

あだ討ち …  って こと で っか ?

で   そのまま   恭 太郎 さん は 逃げ はった んで っか ?

今 は   龍 馬 さん を 助ける こと だけ を 考え ませ ん か ?

はい

す ん ま へん

大丈夫です か ?  咲 さん も

私 も

医者 の 端くれ で ございます

はい

( アンビュバッグ を 押す 音 が 響く )

( 八木 ) に せ 薬 の 罪 が 晴れ ぬ 場合 どう なる のであろう な ?

( 横 松 ) 最も 重い とき は 死罪 と 聞いた こと が あり ます

死罪 !?

先ほど から 何 を して おる のだ ? このような とき に

前 から 思って いた ので ございます が …

( 与力 ) 講義 を 受けた 五 人 の 医者 より   訴状 が 出さ れて おる のだ

ペニシリン の 偽り の 作り 方 を 教え られた と な

その 結果   十三 人 も の 病人 を 死に 至ら しめて しまった と →

その 医者 達 は ペニシリン の 製造 を 認める 免許 状 も 持って おった のだ →

この 文字 は   間違い なく 南方 仁 の 手 であろう ?

( 山田 ) に せ 薬 の 作り 方 を 教える わけない と 思う のです が

礼 が 払え なかった から だ と その 医者 達 は 申して おる

仁 友 堂 は

一 文 も 払え ぬ 老婆 とて 治療 を いたし ます

金 ごとき で   に せ 薬 を 教える など …

天地 が 逆 さ に なろう と も いたし ませ ぬ !

あー ッ …

( 多紀 ) わし は   この 騒ぎ   和 宮様 の とき と 同じに おい を 感じて おる

( 良 順 ) 私 も で ございます ( 多紀 ) 仕組んだ 者 は

和 宮様 が あの 日   寺 に 行く こと を 知り 得

奥 女 中 と 接する こと の できる 身の上 の 者

おそらくは 奥 医師 か   それ に 近い 身 分の 者 で →

南方 医師 に   強い 恨み を 抱く 者 で は ある まい か と 思う て おる のだ が

≪( 彦三郎 ) 恐れ ながら   旦那 様 方

( 彦三郎 ) 野 風 の 身 請け の お 調べ の 際

南方 先生 に 面目 を つぶさ れた お 医者 様 が   お 一 人

〈 手術 から 四 日 〉

〈 龍 馬 さん の 容態 は なかなか 好転 し なかった 〉

代わり ましょう か ?  佐分利 先生

もう 少し …  大丈夫です

先生

これ を 坂本 様 に 読んで み ませ ん か ?

何で すか ?  これ 野 風 さん の 文 です

本来 は   開けて は なら ぬ もの です が

やって み ましょう か

「 坂本 様 お 元気で ござい ん しょうか ?」

( 野 風 )「 私事 であり ん す が 」

「 あ ちき は   このたび 母 と なり ん した 」

「 仁 友 堂 の 皆様 の お 力 で 」

「 取り上げて い ただ きん した 」

「 けん ど   ふと 振り返れば 」

「 実のところ 旦那 様 と 出会う まで の 間 」

「 あ ちき は ずっと   坂本 様 の お 心 に 」

「 支え られて きた 気 が いたし ん す 」

「 かなわ ぬ 思い に やけに なら ず に い られた の は 」

《 わし ん とこ に 来る かえ ?》

「 坂本 様 が   あ ちき な ん ぞ に 好きだ   ほれた と 」

「 言って くださった から こそ 」

「 女子 は   ずるう ござ りん すな 」

《 こう すれば   顔   見え ん 》

《 雪 に …  なり とう あり ん す 》

「 胸 を 貸して いただいた あの 日 の ご恩 は 」

「 一生   忘れ ん せん 」

「 いつか フランス に   いらっしゃら れる 折 に は 」

「 何とぞ   お 知らせ ください まし 」

「 心 より   お もてなし いた しん す 」

「 野 風 」

龍 馬 さん

野 風 さん から   待ちに待った あ いびき の お 誘い です よ

行か ないで どう する んです か ?

え ッ ?

( 呼吸 を する )

これ は …

自発 呼吸 ! はい !

いやいや いや   こんな …  え ッ ?

これ で 意識 が 戻れば … 望み は 持てる と 思い ます

もう 一息 です よ

龍 馬 さん !

( 呼吸 を 続ける 龍 馬 )

( 男 ) ウチ の 蔵 に 何 か ?

ここ で 命拾い を した のです

長 州 が 御所 に 押し入った と きど す か ?

あん とき は 何 や 変わった お 医者 はん 方 が

ぎょう さん の ケガ 人 治さ はり まして な

《 やり 残した こと は ない が かえ ?》

《 ひと つ だけ …》

拾って は なら ぬ 命 だった の かも しれ ませ ん ね

坂本 さん

〈 あれ から   俺 は 〉

〈 龍 馬 さん が 食いついて き そうな 未来 の 話 を 語り 続けた 〉

その 携帯 電話 って の は どこ に いて も 話 が できる んです

他 に も   メール って いう の が あって

文 を 遠く 離れた 相手 に

一瞬 で 届ける こと が できる んです よ

龍 馬 さん が   携帯   持ったら きっと 一 日 中   鳴り っぱなし です よ

旅 も   ずっと 楽に なる んです

新幹線 って いう   電気 で 動く 車 …

あ ッ   箱 …

まあ   そんな の に 乗れば 江戸 から 京都 まで

一刻 と 少し です

飛行機 って いう   空 飛ぶ …

船 !

その 船 は   もっと 速い んです

海 の 向こう だって 地球 の 裏側 だって

どこ に だって 行ける ように なる んです よ

また   頭痛 で ございます か ?

遠い 未来 の 話 の とき は こ ない んだ よ なあ

どう な んだ っけ ? この後 すぐ の 歴史

俺   地理 だった んだ よ なあ

あの …  頭痛 を 起こし たい ので ございます か ?

頭痛 が 起こったら

龍 馬 さん   まだ 生き られる って こと じゃ ないで す か

龍 馬 さん !

龍 馬 さん …

( くぐもった 声 で ) 先生 …

佐分利 先生 を 呼んで まいり ます ! はい ッ

妙な もん を

見 よった ぜ よ

妙 ?

箱 を 連ねた ような

巨大な 蛇 が   はい 回り

空 に は

巨大な 鳥 の ような もん が

雲 を 連れ

みんな

西洋 人 の ような   いでたち で …

こん まい 箱 に 向こう て

独り言   しゃべり いう が じゃ

あり ゃあ …

先生 の 住 ん じょ った 世界 かえ ?

はい

やっぱり のう …

大丈夫な ようです から 少し 待ち ましょう

えいのう

わし も

先生 の ように

別の 時代 に 行き たい ね や

龍 馬 さん

未来 に 行ったら

どこ に 行って みたいです か ?

吉原

すいません   もう ない んです

島原 は ?

すいません

他 に は ?

ほう じゃ

保険 は ? ああ

民間 の 保険 会社 なら   あり ます

会社 ?

カンパニー が あり ます

カンパニー かえ

そっち は 分かる んです ね

早う   わし も

保険 の カンパニー を

つくら ん と いかんの う

そう です よ

ほんとに

先生 に は

この 時代 は   どう 見えた が じゃ ?

愚かな こと も

山ほど あったろう ?

教わる こと だらけ でした

例えば …

えっ と …

未来 は   夜 でも

そこら じゅう に 明かり が ついて いて

昼 みたいに 歩ける んです

でも   ここ で は

ちょうちん を   さげ ない と 歩く こと も でき ない し

ちょうちん の 火 が   消えたら 誰 か に   もらわ なきゃ いけなくて

一 人 で 生きて いける なんて …

文明 が つくった 幻想 だ なあ   と か

離れて しまったら 手紙 しか   頼る 方法 ないし

ちゃんと 届いた か どう かも 分から ない し

人生 って …

ほんと …

一期一会 だ なあ   と か

あ ッ   あと …

笑った 人 が 多い です

ここ の 人 達 は   笑う の が 上手です

コロリ の 治療 の とき   覚えて ます か ?

誰 も   私 を 信じて くれ ない とこ に

龍 馬 さん

一 人 で 患者 を 担いで きて くれた じゃ ないで す か

あれ で …

私 に 対する 風向き が 変わった んです よ ね

ペニシリン の お 金 が 足りない とき も

龍 馬 さん   千 両 箱   担いで 戻って きて くれた じゃ ないで す か

本物 の 行動 力 って いう か

教わり ました よ   龍 馬 さん に

龍 馬 さん は

親友 で …

悪友 で

私 の ヒーロー でした

でし たち …

わしゃ

まだ 生 きち ょる ぜ よ

あ ッ   すいません


×

Nous utilisons des cookies pour rendre LingQ meilleur. En visitant le site vous acceptez nos Politique des cookies.