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JIN-仁- 完结编, JIN-仁- 完结编 #03

JIN - 仁 - 完结 编 #03

( 男 A ) この 野郎 ッ …

≪( 牢 名主 ) あー ッ !→

あー ッ む … 虫 が 耳 に …

( 苦しむ 牢 名主 )

( 仁 ) 耳 の 中 に 油 を たらし 虫 を 殺して しまえば いい んです

( B ) できる の か ? お前

( 苦しむ 牢 名主 )

しっかり 押さえて いて ください

あー ッ ! あ ッ あ ッ …

虫 の 最後 の あがき です すぐに おさまり ます

《( 山田 ) 大 牢 の 中 で は お 裁き に よら ず →》

《 無法に 殺さ れる 者 も 多い と 聞く →》

《 ツル が あれば 免れる や も しれ ぬ が 》

( 橘 ) 板倉 周防 守 様 は 何と ? ( 勝 ) 和 宮様 の 毒殺 嫌疑 だ から な →

表沙汰 に なり ゃあ 公 武 合体 も 吹っ飛び

幕府 は 絶対 絶命 の 危機 に 陥る

極秘 裏 に 始末 し たい って とこ だ な

( 橘 ) 南方 先生 と 咲 に すべて を なすりつけ

闇 に 葬り去る と いう こと でしょう か ?

京 に 上る こと は できる かい ? 京 へ ?

一 人 だけ 力 に なって くれる かも しん ねえ お方 が いる

( せき を する 男 達 )

〈 だんだん 分かって きた こと が ある 〉

〈 牢内 に は 御 頭 と 呼ば れる 牢 名主 を 筆頭 に 〉

〈 様々な 役 が あり …〉

〈 金庫 番 の …〉

〈 囚人 の 出入り を 見張る …〉

〈 食事 の 世話 を する …〉

〈 そして 使う 畳 の 数 が その 序列 を 示す 〉

〈 その 最 下層 が …〉

〈 一 枚 の 畳 に 四 人 が 寝起き して いる 〉

〈 寝る と いって も 横 に なる こと は でき ない 24 時間 座った まま だ 〉

≪( 男 ) カッコミー

( 牢同 心 ) 名主 に 申す 今日 は 全員 に 干し 魚 が つく ぞ

お ありがとう ご ぜ え ます

干し 魚 の 含んだ もの は 新 入り の 宿 から の もの だ

二 分 だ と 全部 で ツル は

百 両 に

待って ください

これ は 一体 誰 が ?

商人 風 の 男 が 持ってきた が … 商人 風 ?

あの … 名前 は ? 名 など 知ら ぬ が

お前 の 宿 の 者 で は ない の か ?

濱口 様 ?

( 牢 名主 ) おい 新 入り

お前 を 添 役 に 取り立てて やろう

これ で もう 座って 寝る こと も ない ぞ →

ヘッヘッヘッヘ …

私 は 平 囚 の まま で 結構です

そのかわり …

皆さん の 畳 を 敷き詰めて もらえ ない でしょう か ?

せめて 夜 だけ でも 眠れる ように

ハッハッハッハッハ …

おう 医者 って の は もっと 賢い もんか と 思った ぜ

畳 を 増やさ なくて も

おう

平 囚 の 数 減らし ゃあ いい 話 じゃ ねえ か

そんな …

おい ! こいつ が い なく なりゃ あ

新しく 添 役 に なる やつ が 一 人 出る ぞ

≪( 牢 名主 ) おい どうした

や っち ま えっ つって んだ よ !

( 平 囚 A ) お前 ら は 人 を 殺し すぎ だ !

( B ) そうだ ! 俺 も もう 人殺し は 嫌だ !

( C ) この 医者 は お前 を 助けた んじゃ ねえ の かよ ?

( 手下 ) 座ら ねえ と ぶ っ 殺す ぞ やれる もん なら やって みろ !

ちょ ッ … ちょっと 暴力 は …

この ッ

この 野郎 ッ !

おい どうした ?→

おい ! おい ッ

何 を した んです か ? 胸 を 突いた だけ だ よ

ない … ( 穴 の 隠居 ) 御 頭 は 死んだ の か ?

おい ッ どう な んだ ? 医者

ど いて ください

何 やって んだ ?

( どよめく 一同 )

≪( 手下 ) おい 何 やって んだ ?

ひょっとして … 心 室 頻脈 か ?

≪( 手下 ) 何 やって ん だっ つって んだ よ !

いち かば ちか …

( 一同 ) おお ッ …

ああ ッ …

よし ! 助けた の か ?→

二 度 も 殺そう と した やつ を

もう 大丈夫です

お前 様 は

仏 じゃ ーッ

( 一同 ) は は ーッ

え ッ ?

( 咲 ) 誠 で ございます か ? で は 先生 の お 命 は ?

殺さ れる こと は もう ねえ んじゃ ねえ か

左 様 で …

大 牢 の 中 で は な

え ッ ?

旗本 の 娘 さん は 座敷 牢 揚がり 座敷 だ →

こんな 目 に は あわ ねえ よ あ ッ … そう な んだ

けど 妙な 話 だ な 医者 なら あんた 揚がり 屋 の はずだ ぜ

え ッ ? 何 やった か 知 ん ねえ けど

はめ られた んじゃ ねえ の か ? はめ られた ?

〈 確かに ヒ素 が 盛ら れて いた の は 陰謀 の に おい が する 〉

〈 だ と すれば 調査 に よって 罪 が 晴れる こと など 〉

〈 はな から 期待 でき ない のだろう か ?〉

《≪( 象 山 ) お前 の やった こと が 意 に そわ ぬ こと であったら →》

《 神 は 容赦 なく お前 の やった こと を 取り消す 》

〈 俺 は このまま 和 宮 毒殺 未遂 の 犯人 と して 〉

〈 闇 に 葬り去ら れる のだろう か ?〉

〈 現代 に 戻れる 最後 の チャンス を 〉

〈 俺 は ふいに して しまった の かも しれ ない 〉

〈 だけど 〉

〈 何一つ 動く こと も でき ない なら 〉

〈 信じよう 〉

( 龍 馬 ) 何 じゃあ こりゃ ーッ

〈 今 まで 何度 も 自分 を 救って くれた 江戸 の 人 達 の 善意 を 〉

〈 神 は …〉

〈 乗り越え られる 試練 しか 〉

〈 与え ない はずな のだ から 〉

勝 先生 の 話 は 誠 で ございます か ?

慶 喜 公 の 肝 入り で 南方 先生 が 西郷 を 助け たっちゅう が は 誠 じゃ

けん ど 薩摩 から 慶 喜 公 へ

南方 先生 の 偉業 が 伝わ っち ょる か どう か は 分から ん が じゃき

では 改めて 薩摩 藩 を 通し 取り次ぎ を

うーん …

ほれ ほれ 飲ま ん かえ 坂本 殿 !

どういう 事態 か 分かって おら れる のです か ?

ほう じゃき 今 会 うて くださら ん か と

お 願い に 行って もろ うち ょる ぜ よ まさか ここ に 一橋 様 が ?

一 人 だけ おる が じゃ ろう 町人 で あり ながら

ともに 上洛 する ほど 慶 喜 公 に 近しく

その 娘 が 公 の 妾 である

おやじ が

≪( 橘 ) 新 門 の 大 親分 !? この 話 は 本当 か ?

こちら より 伺う べき 筋 を … この 話 は 本当 か どう か

それ を 聞いて る んだ →

どうか しち まって んじゃ ねえ の か お上 は

あの 男 は 江戸 の 宝 だ ぜ

左右 に …

裏 を 見 して ください

はい ありがとう ございます

おい ら シャバ でも 医者 に かかった こと なんか ねえ や

≪( 牢同 心 ) 南方 仁 牢 問い だ

出ろ

( 良 順 ) 医学 館 の お 調べ の 次第 が 伝え られて きた →

南方 殿 の 持参 した 菓子 の 一 つ から

ヒ素 が 見つかって しまった そうだ ( 佐分利 ) 一 つ で っか ?

うん そんな …

そんな おかしな 話 が あり まっか ? 毒 を 盛って 殺す のに 一 つ や なんて

それ こそ 南方 先生 が やった ん や ない って 証し や

無論 我ら も そう 思う だ が この度 の 一 件 は

幕府 と して は 決して 表沙汰 に し たく ない 事態

誠 の 下手人 を 突き止める より 早く 終わら せて しまい たい と

考える や も しれ ぬ ほ な 先生 は …

南方 先生 は どう なり ます ん や ?

( 吟味 与力 ) 南方 仁 医学 館 の お 調べ に より

その方 の 持参 した 菓子 より ヒ素 の 毒 が 見つかった と の →

報告 が あった 違い ます

私 は 何も して ませ ん で は なぜ 毒 が 出て きた のじゃ ?

ホントに 知ら ない んです って あくまで シラ を きり とおす の か

私 は ホントに … その者 を 釣 責め に いたせ !

ちょっと …

( 役人 ) おい ッ →

おい ッ はけ !

はけ !→

は かんか !

はけ !

《 茶碗 が あれば この 話 を 覆せる かも しれ ぬ 》

《 茶碗 ?》 《 確か 宮様 は あの とき 》

《 茶 を 飲んで おら れた 》

《 菓子 から 出た 毒 も その 茶 が かかった もの だ と すれば 》

《 一 つ だけ から 出た こと も つじつま が 合おう 》

《 では その 茶碗 から 毒 が 見つかれば …》

《 だが この お 調べ に は その 茶碗 の 話 は まったく 出て きて おら ぬ 》

《 見つから ぬ の か 見つから ぬ こと に して ある の か 》

《 いずれ に しろ 医学 館 が 我ら の ため に 茶碗 を 捜し出し 》

《 お 調べ を して くれる と は とうてい 思え ぬ 》

《 もし 仕組んで おった 者 が おる と すれば なおさら じゃ 》

南方 先生 …

死に はる で

お前 の せい や ーッ !

福田 先生 は 脅さ れて いた だけ であろう

南方 先生 は 医学 館 に 殺さ れる ん や お前 の 命 を 救って くれた 先生 を

殺す ん や !→

お ー い ッ

南方 先生 は やって おり ませ ん !

何とぞ !

公正な お 調べ を お 願い いたし ます

お 助け いただければ この後 私 は …

いかなる こと でも いたし ます です から … 何とぞ !

( 多紀 ) まるで わし が

公正な 調べ を して い ない か の ような 言い 草 じゃ のう

前 に も 言う た はずじゃ この 元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 多紀 家 に 生まれ

みだりに 人 の 命 を 奪う ような こと は せ ぬ と

しかし 元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 様 は 私 に …

不愉快じゃ 去れ !

元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 様 ーッ

( 牢 名主 ) 先生 よ 次 は 石 抱き が 待って ん ぞ

早 え と こ 認め ち まった 方 が いい んじゃ ねえ か ?

何も …

やって ない んです

〈 これ は 神 の 手 に よって 巧妙に 仕組ま れた 罠 で 〉

〈 あらがう 余地 など ない 出来事 な のだろう か ?〉

〈 だ と すれば できる こと は …〉

なぜ 使わ ぬ ?

先生 の 罪 が

晴れ ま する まで は

〈 せめて 咲 さん を 道連れ に し ない こと 〉

〈 この 身 一 つ に 罪 を 背負う こと じゃ ない だろう か 〉

〈 せめて できる こと は …〉

うわ ーッ

≪( 吟味 与力 ) はか ぬ の なら あの 女 も 同じ 目 に あわす ぞ

あの 人 は

何も 知り ませ ん

では お ぬし は 何 か 知って おる と いう こと だ な ?

私 が …

≪( 吟味 与力 ) 待て い !

その者 に 奉行 所 より 呼び出し が あった

すでに 沙汰 が 決まった そう じゃ

死 …

死罪 って こと です か ?

橘 咲 さん は どう なった んでしょう か ?

教えて ください

咲 さん は …

教えて ください !

教えて ください

すいません … 皆さん

先生

龍 馬 さん …

≪( 役人 A ) 狼藉 者 ッ ≪( B ) 離れ ん か !

おお ッ …

何 を する ぜ よ

これ を ご 覧 ください 一橋 様 の 一筆 で ございます

この 者 の 嘆願 の 旨 が 書か れて おり ます

何とぞ お 取り次ぎ を ! ( 町 与力 ) 偽物 に 決まって おる

行け !

ち っく と 待ち !

これ は 本物 な が じゃ もら っと う ぜ

その方 が お まん の 身 の ため で も ある が じゃき

無礼 者 ! う ッ …

坂本 殿 !

その 先生 は …

江戸 の 町 を コロリ から 救う て くれた が ぜ よ

文 久二 年 の …

夏 の こと じゃ

《 頼む ぜ よ 南方 先生 》

火事 場 で は 火 に 巻か れ ながら

江戸 の 民 を 救う たが じゃき

文 久三 年 の 秋 の こと ぜ よ !

みんな の … みんな の 親 兄弟 を

こん 国 の 民 を 救う たが は

あん 篭 の 中 の

先生 じゃ !

こん 国 は …

いつ から そんな 恩知らずに なった が じゃ ーッ !

≪( 奉行 ) 面 を あげよ

南方 仁 毒薬 投与 の 件

≪( 奉行 ) 構い なし

え ッ ?

これ にて 落着 この 者 を ただちに 放 免 せよ

( 佐分利 ) 南方 先生 !

咲 さ ん …

先生

あの …

今 宵 は …

今 宵 は

何 を お 食べ に なり とう ございます か ?

あげ だし …

あげ だし

( 山田 ) 南方 先生 !

お 帰り なさい ませ

では 野 風 さん は ?

( 八木 ) 働き 口 が 見つかった と 出て 行か れて しまい ました

そう です か …

それでは 福田 先生 は ?

あんな やつ おら ん 方 が ええ んです

( 山田 ) 実は …

茶碗 から ヒ素 が 出た んです か ? 宮様 の 使わ れた 茶碗 が

寺 の 仏壇 の 奥 から 見つかり まして その 茶碗 から ヒ素 が

菓子 の ヒ素 も この 茶 が かかった もの と 判断 さ れた 次第 です

お茶 に 毒 を 入れた の は 一体 誰 だった んです か ?

ある 奥 女 中 に 疑い が かかった のです が →

吟味 を 受ける 前 に ヒ素 を 飲んで 自害 を

じゃあ 何 を 目的 と して 和 宮様 に 毒 を 盛った の かも …

黒幕 は 不明の まま です

この度 は 誠に とんだ こと に 巻き込んで しまい …

あ ッ … 納得 して 受けた こと です から

それ より 茶碗 を 見つけて くれた 人 に 感謝 です よ

伝え聞いた ところ に より ます と お 調べ の 内容 に 納得 が ゆか ぬ ゆえ

茶碗 を 捜して み たい と 言いだした の は 何と 医学 館 の

多 紀元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 殿 だ そう な のです

多紀 先生 が !?

《 何とぞ 我ら に さらなる お 調べ を お 許し ください ませ 》

《( 和 宮 ) 私 も そのように ある べきだ と 》

《 思って おり ました 》

医学 所 は 医学 館 に 大きな 借 り が でき ました

もし かして ツル も 多紀 先生 が ?

わし は 後々 医学 館 が 恥 を かか ぬ ため に 調べた だけ じゃ

その方 ら の ため で は ない

しかし その方 も もう

仁 友 堂 に は い にくかろう

医学 館 へ 戻って まいる か ?

≪( 多紀 ) 何事 じゃ ?

先生 …

すいません こんな 格好 で 突然

ありがとう ございます

多紀 先生

あの …

ありがとう ございました !

( 多紀 ) これ は ?

ペニシリン の 製造 方法 です

よかったら 今度 製造 所 を 見 に 来て ください

使い 方 も お 教え し ます

しかし これ は お ぬし ら の 秘伝 の 妙薬 の はず

他 に お 礼 も でき ませ ん し

それ に

本道 の 先生 に も

ペニシリン を 使える ように なって ほしい んです

この 国 の 医療 の ため に も

この 国 の 医 ?

はい

ですが

福田 先生 は お返し いただけ ます でしょう か ?

稼ぎ 頭 が おら ん と うち は 死活 問題 なんで すわ

フッフ …

間 諜 も いら ぬ ように なった 今 さして 役 に も 立ち ませ ぬ

どうぞ お 持ち帰り くだされ

ありがとう ございます

多紀 先生

ひょっとして ツル も 先生 が ? ツル ?

何の こと じゃ ?

あ ッ … いえ 何でも あり ませ ん

( 弟子 ) それにしても 誰 が 何の ため に 毒 を 盛った のでしょう ?

さあ な しかし …

あの 男 に 嫉妬 せ ぬ 医者 は おら ぬ であろう

流れ を 同じく する 者 に とって は いっそう

目障りであろう な

《( 三隅 ) 特に 問題 は 見当たり ませ ぬ 健やかな お 体 か と 》

《( 隠居 ) 三隅 そち は 岩 を まったく 見抜け なかった と …》

まあ よい また 折 も あろう

♪♪~ 土佐 の 高知 の はり ま や 橋 で

♪♪~ 坊さん かんざし

じゃあ お 礼 は みんな 済んだ の かい ?

はい でも

まだ ツル を 送って くれた の が 誰 な の か 分から なくて

鈴 屋 さん でも 濱口 様 でも

多紀 先生 で も ない と なる と

他 に お 金 を 出して くれ そうな 方 も 分から ず

( 山田 ) あれ は …

野 風 さん で は ない でしょう か ?

冷たく 去って いか れた の は

我ら に 止め だて さ せ ぬ ため に やった こと な ので は ない か と

捜す が じゃ 先生 捜す った って …

野 風 が 金 を つくる 方法 ら 一 つ しか ない ろう

野 風 さん …

( 町人 A ) おい …

( B ) 馬 よ 馬

お 気 を つけて すいません

じゃあ 何 日 か お 願い し ます 行って くる き

≪( 男 ) ら しゃめん だ ー !

おお ーッ !

≪( 龍 馬 ) どう いた ぜ よ ? 野 風 →

異人 に 身 請け して もろう た っ ちゅうこ と かえ ?

( 野 風 ) いずれ は 正式な 夫婦 に と

主 さん は おっしゃって くださって おり ん す

そんな こと … 信じる アホ が どこ に おる が じゃ

実は … 身売り を しよう と

横浜 の 遊郭 を 訪ねた であり ん すよ →

そこ で 主 さん の 手 の 者 に 声 を かけ られ ん した →

何でも い なく なった あ ちき を 捜して くださって いた そうで

《( 使用人 ) お 待た せ し ました 》

《( ルロン ) ジュ … ジュテーム 》

《 じゅ ?》 《 お … お 慕い して い ます 》

《( フランス 語 で 語る )》

≪( 野 風 ) 細かな こと は 分か りんせん が 気持ち だけ は →

伝わって きん して なあ

《 あの … お 名前 は 何と ?》

《 ルロン 》 《 へえ 》

《 ルロン 様 ?》

《 こりゃ あ 「 ルロン 」 さん と ?》

《 異人 から と 分かって は 気味 悪 がり →》

《 受け取って もらえ ぬ かも しれ ぬ と 》

あ ちき は ルロン さん と 一緒に なる こと を 決め

お 金持ち だ と いう ので 支度 金 を いただいた であり ん すよ

それ を もし かして 私 達 の ツル に ?

あ ちき は 言わ ぬ が 花 と 思って おり ん した が

主 さん が →

相手 は 大金 の 出所 を 捜し まわり →

困って いる かも しれ ぬ と

きちんと 告げる の も 思いやり だ と

おっしゃら れ ん して なあ

それ も そう か と …

何 じゃ その … 言いなり は !

意地 を 張る が が お まん の 信条 じゃ ろう が

ちゃんと した 方 な んです ね ルロン さん は

頼もしき お方 であり ん す

けん ど お まん は それ で よかった が かえ ?→

あ ッ ?

主 さん と いる と …

あ ちき は いつの間に やら

笑って いる のであり ん すよ

あ ちき は

幸せに なれる 気 が … ちゃ ーッ ! ちゃ ッ ちゃ ッ …

あー ッ …

南方 先生

はい

あ ちき は これ より

女子 の 幸せ は すべて

手 に 入れる つもりで お りん す

故に

これ より 先 の 心配 は ご 無用であり ん す

先生 も

我が身 の お 幸せ だけ を お 考え ください

はい

《 野 風 さん の 人生 に よって は 新しい 未来 が 生まれる 可能 性 も 》

《 ある かも しれ ない し 》

《 私 ども で 変え られ なかった お 気持ち を 野 風 さん …》

《 いえ 未来 さん は 》

《 たやすく 変えて おしまい に なら れる のだ と 思う と …》

お 気 を つけて

グッバイ じゃき

ボン ボヤージュ か …

野 風 さん は

あの 日 の 話 を お 聞き に ?

せっかく お 助け できた お 二 人 であり ん す

あ ちき の ため に も 幸せに なって くだ さん し

先生 と

幸せに なる と

約束 して くだ さん し

あの …

≪( 使用人 ) そろそろ 出 ます

では 咲 様

お さらば え

ごめん な

未来

咲 さ ん

あ ッ はい

ちょっと お 話 が ある んです けど

未来 に 戻れ そうに なら れた のです か ?

殺さ れ そうに なった とき に …

まあ 幻 かも しれ ない んです けど

でも …

その とき その …

私 は …

戻り たく ない って 思った んです

未来 に 会え なく なる より …

咲 さん に 会え なく なる 方 が つらい って 思って しまった んです

あ ッ …

戻り たく ない って 思って も いつか 戻さ れて しまう かも しれ ない し

そんな 人間 が …

こんな こと 言って いい の か 分かり ませ ん けど …

咲 さ ん

私 と 一緒に なって もらえ ませ ん か ?

美しい 夕日 です ね

こんなに 美しくて

よい のでしょう か ?

《 先生 と 幸せに なる と 》

《 約束 して くだ さん し 》

お 断り 申し上げ ます

私 の 幸せ は

先生 と 一緒に なる こと で ございませ ぬ

私 の 幸せ は …

後 の 世に

仁 友 堂 を 残す こと で ございます

私 は

先生 が いつか お 戻り に なる 世 の こと を 考えて いらっしゃる の が

情けなく 感じる とき が ございました

それ は 何故 か と

心 に 問うて み ま すれば

先生 が お 戻り に なる 未来 に

私 が い ない から な ので ございます

ならば 残せば よい と 思い ました

私 が …

私 達 が

つかの間 先生 と 生きた 日々 を

戻ら ない かも …

しれ ませ ん よ

いいえ

きっと お 戻り に なり ます

実は それ も 大きゅう ございます

いつか おら れ なく なる と 分かって いる 方 と

人生 を ともに する 勇気 は

やはり 私 に は ございませ ぬ

親不孝 ばかりの 身

せめて 結婚 は

母 も 兄 も 素直に 喜べる お 相手 と と も 思って おり ます

なれ ど 今 まで どおり

先生 の 弟子 と して

できる かぎり の こと を いたし ます ので これ から も …

よろしく お 願い いたし ます

では 食事 の 支度 が ございます ゆえ 先 に

おお 咲

何 か あった の か ?

どうした の だ ? 咲

何 が …

私 だけ …

など …

私 だけ 幸せに など

なれる わけ が ない で は ございませ ぬ か

〈 咲 さん は 大人 だった 〉

〈 俺 が 思って いた より も ずっと 〉

〈 だけど ふら れた ところ で 〉

〈 みんな を 幸せに し たい と 思った あの 気持ち は 嘘 じゃ ない 〉

〈 だったら 〉

〈 やる こと は 一 つ だ 〉

〈 全力 で 今 を 生きる 〉

〈 自分 自身 の 志 を 持って 〉

〈 この 時代 の 明日 を 変えて いく んだ 〉

しばらく 薩摩 藩 の やっかいに なろう と 思う ち ょる が ぜ よ

操 錬所 も つぶれて しもう たき の

薩摩 で 何 を する んです か ? これ を 足がかり に

ゆくゆくは 薩摩 と 長 州 を 結びつける つもり ぜ よ

この 二 大雄 藩 を 結びつけたら

必ず こん 国 を 生まれ変わら せる こと が できる

こん 国 は 変わら ねば なら ん が じゃ ね や ? 先生

張り切 ん の は いい が おい ら の こと も ちゃんと 考えて くれ

これ でも 一応 旗本 なんだ から よ おう そう だった かい のう ?

≪( 勝 ) まったく よ …

( 龍 馬 ) 勝 先生 に は 一生 頭 が 上がら ん が じゃき

私 も

ペニシリン を もっと 扱い やすく しよう と 思って ます

扱い が 簡単に なれば 京都 の とき の ような 悔しい こと も ない だろう し

それ を きっかけ に 医学 の 色 んな 垣根 も なくなる かも しれ ない し

この 国 に 新しい 医術 が 生まれる かも しれ ない

初めて 聞いた ぜ よ

いや だって 初めて 言い ました から

違う き

先生 が 自分 の 考え を 聞か れ も せ ん うち に

話す っ ちゅう が を 初めて 聞い たち 言う とる が じゃ

ちょっと 言って み たく なった んです よ

ほ いたら 先生

また はい

〈 だけど この とき 〉

〈 すべて は すでに 始まって いた んだ 〉

〈 残酷で 優しい 未来 へ と 〉

〈 時 は 動きだして いた 〉


JIN - 仁 - 完结 编 #03 |しとし|かん结|

( 男 A ) この 野郎 ッ … おとこ|||やろう|

≪( 牢 名主 ) あー ッ !→ ろう|なぬし||

あー ッ   む …  虫 が 耳 に … |||ちゅう||みみ|

( 苦しむ 牢 名主 ) くるしむ|ろう|なぬし

( 仁 ) 耳 の 中 に 油 を たらし 虫 を 殺して しまえば いい んです しとし|みみ||なか||あぶら|||ちゅう||ころして|||ん です

( B ) できる の か ?  お前 ||||おまえ

( 苦しむ 牢 名主 ) くるしむ|ろう|なぬし

しっかり   押さえて いて ください |おさえて||

あー ッ !  あ ッ   あ ッ …

虫 の 最後 の あがき です すぐに   おさまり ます ちゅう||さいご||||||

《( 山田 ) 大 牢 の 中 で は お 裁き に よら ず →》 やまだ|だい|ろう||なか||||さばき|||

《 無法に 殺さ れる 者 も 多い と 聞く →》 むほうに|ころさ||もの||おおい||きく

《 ツル が あれば 免れる や も しれ ぬ が 》 つる|||まぬがれる|||||

( 橘 ) 板倉 周防 守 様 は 何と ? ( 勝 ) 和 宮様 の 毒殺 嫌疑 だ から な → たちばな|いたくら|すおう|しゅ|さま||なんと|か|わ|みやさま||どくさつ|けんぎ|||

表沙汰 に なり ゃあ 公 武 合体 も 吹っ飛び おもてざた||||おおやけ|ぶ|がったい||ふっとび

幕府 は   絶対 絶命 の 危機 に 陥る ばくふ||ぜったい|ぜつめい||きき||おちいる

極秘 裏 に 始末 し たい って とこ だ な ごくひ|うら||しまつ||||||

( 橘 ) 南方 先生 と 咲 に すべて を なすりつけ たちばな|なんぽう|せんせい||さ||||

闇 に 葬り去る と いう こと でしょう か ? やみ||ほうむりさる|||||

京 に 上る こと は できる かい ? 京 へ ? けい||のぼる|||||けい|

一 人 だけ   力 に なって くれる かも しん ねえ   お方 が いる ひと|じん||ちから|||||||おかた||

( せき を する 男 達 ) |||おとこ|さとる

〈 だんだん 分かって きた こと が ある 〉 |わかって||||

〈 牢内 に は   御 頭 と 呼ば れる 牢 名主 を 筆頭 に 〉 ろうない|||ご|あたま||よば||ろう|なぬし||ひっとう|

〈 様々な 役 が あり …〉 さまざまな|やく||

〈 金庫 番 の …〉 きんこ|ばん|

〈 囚人 の 出入り を 見張る …〉 しゅうじん||でいり||みはる

〈 食事 の 世話 を する …〉 しょくじ||せわ||

〈 そして   使う 畳 の 数 が その 序列 を 示す 〉 |つかう|たたみ||すう|||じょれつ||しめす

〈 その 最 下層 が …〉 |さい|かそう|

〈 一 枚 の 畳 に 四 人 が   寝起き して いる 〉 ひと|まい||たたみ||よっ|じん||ねおき||

〈 寝る と いって も   横 に なる こと は でき ない  24 時間   座った まま だ 〉 ねる||||よこ|||||||じかん|すわった||

≪( 男 ) カッコミー おとこ|

( 牢同 心 ) 名主 に 申す 今日 は 全員 に   干し 魚 が つく ぞ ろうどう|こころ|なぬし||もうす|きょう||ぜんいん||ほし|ぎょ|||

お ありがとう ご ぜ え ます

干し 魚 の 含んだ もの は 新 入り の 宿 から の もの だ ほし|ぎょ||ふくんだ|||しん|はいり||やど||||

二 分 だ と   全部 で ツル は ふた|ぶん|||ぜんぶ||つる|

百 両 に ひゃく|りょう|

待って ください まって|

これ は 一体   誰 が ? ||いったい|だれ|

商人 風 の 男 が 持ってきた が … 商人 風 ? しょうにん|かぜ||おとこ||もってきた||しょうにん|かぜ

あの …  名前 は ? 名 など 知ら ぬ が |なまえ||な||しら||

お前 の 宿 の 者 で は ない の か ? おまえ||やど||もの|||||

濱口 様 ? はまぐち|さま

( 牢 名主 ) おい   新 入り ろう|なぬし||しん|はいり

お前 を 添 役 に 取り立てて やろう おまえ||そえ|やく||とりたてて|

これ で もう 座って 寝る こと も ない ぞ → |||すわって|ねる||||

ヘッヘッヘッヘ …

私 は   平 囚 の まま で 結構です わたくし||ひら|しゅう||||けっこう です

そのかわり …

皆さん の 畳 を 敷き詰めて もらえ ない でしょう か ? みなさん||たたみ||しきつめて||||

せめて 夜 だけ でも   眠れる ように |よ|||ねむれる|よう に

ハッハッハッハッハ …

おう   医者 って の は もっと 賢い もんか と 思った ぜ |いしゃ|||||かしこい|||おもった|

畳 を 増やさ なくて も たたみ||ふやさ||

おう

平 囚 の 数 減らし ゃあ いい 話 じゃ ねえ か ひら|しゅう||すう|へらし|||はなし|||

そんな …

おい ! こいつ が   い なく なりゃ あ

新しく 添 役 に なる やつ が 一 人   出る ぞ あたらしく|そえ|やく|||||ひと|じん|でる|

≪( 牢 名主 ) おい   どうした ろう|なぬし||

や っち ま えっ つって んだ よ !

( 平 囚 A ) お前 ら は 人 を 殺し すぎ だ ! ひら|しゅう||おまえ|||じん||ころし||

( B ) そうだ ! 俺 も もう   人殺し は 嫌だ ! |そう だ|おれ|||ひとごろし||いやだ

( C ) この 医者 は お前 を 助けた んじゃ ねえ の かよ ? ||いしゃ||おまえ||たすけた||||

( 手下 ) 座ら ねえ と   ぶ っ 殺す ぞ やれる もん なら   やって みろ ! てした|すわら|||||ころす||||||

ちょ ッ …  ちょっと   暴力 は … |||ぼうりょく|

この ッ

この 野郎 ッ ! |やろう|

おい   どうした ?→

おい !  おい ッ

何 を した んです か ? 胸 を 突いた だけ だ よ なん|||ん です||むね||ついた|||

ない … ( 穴 の 隠居 ) 御 頭 は 死んだ の か ? |あな||いんきょ|ご|あたま||しんだ||

おい ッ   どう な んだ ?  医者 |||||いしゃ

ど いて ください

何 やって んだ ? なん||

( どよめく 一同 ) |いちどう

≪( 手下 ) おい   何 やって んだ ? てした||なん||

ひょっとして …  心 室 頻脈 か ? |こころ|しつ|ひんみゃく|

≪( 手下 ) 何 やって ん だっ つって んだ よ ! てした|なん||||||

いち かば ちか …

( 一同 ) おお ッ … いちどう||

ああ ッ …

よし ! 助けた の か ?→ |たすけた||

二 度 も 殺そう と した やつ を ふた|たび||ころそう||||

もう 大丈夫です |だいじょうぶ です

お前 様 は おまえ|さま|

仏 じゃ ーッ ふつ||-ッ

( 一同 ) は は ーッ いちどう|||-ッ

え ッ ?

( 咲 ) 誠 で ございます か ? で は   先生 の お 命 は ? さ|まこと||||||せんせい|||いのち|

殺さ れる こと は もう   ねえ んじゃ ねえ か ころさ||||||||

左 様 で … ひだり|さま|

大 牢 の 中 で は な だい|ろう||なか|||

え ッ ?

旗本 の 娘 さん は   座敷 牢 揚がり 座敷 だ → はたもと||むすめ|||ざしき|ろう|あがり|ざしき|

こんな 目 に は   あわ ねえ よ あ ッ …  そう な んだ |め||||||||||

けど   妙な 話 だ な   医者 なら あんた   揚がり 屋 の はずだ ぜ |みょうな|はなし|||いしゃ|||あがり|や|||

え ッ ? 何 やった か 知 ん ねえ けど ||なん|||ち|||

はめ られた んじゃ ねえ の か ? はめ られた ?

〈 確かに   ヒ素 が 盛ら れて いた の は 陰謀 の に おい が する 〉 たしかに|ひそ||もら|||||いんぼう|||||

〈 だ と すれば   調査 に よって 罪 が 晴れる こと など 〉 |||ちょうさ|||ざい||はれる||

〈 はな から 期待 でき ない のだろう か ?〉 ||きたい||||

《≪( 象 山 ) お前 の やった こと が 意 に そわ ぬ こと であったら →》 ぞう|やま|おまえ|||||い|||||

《 神 は   容赦 なく お前 の やった こと を 取り消す 》 かみ||ようしゃ||おまえ|||||とりけす

〈 俺 は   このまま 和 宮 毒殺 未遂 の 犯人 と して 〉 おれ|||わ|みや|どくさつ|みすい||はんにん||

〈 闇 に 葬り去ら れる のだろう か ?〉 やみ||ほうむりさら|||

〈 現代 に 戻れる 最後 の チャンス を 〉 げんだい||もどれる|さいご||ちゃんす|

〈 俺 は   ふいに して しまった の かも しれ ない 〉 おれ||||||||

〈 だけど 〉

〈 何一つ   動く こと も でき ない なら 〉 なにひとつ|うごく|||||

〈 信じよう 〉 しんじよう

( 龍 馬 ) 何 じゃあ   こりゃ ーッ りゅう|うま|なん|||-ッ

〈 今 まで 何度 も 自分 を 救って くれた 江戸 の 人 達 の 善意 を 〉 いま||なんど||じぶん||すくって||えど||じん|さとる||ぜんい|

〈 神 は …〉 かみ|

〈 乗り越え られる 試練 しか 〉 のりこえ||しれん|

〈 与え ない はずな のだ から 〉 あたえ||||

勝 先生 の 話 は 誠 で ございます か ? か|せんせい||はなし||まこと|||

慶 喜 公 の 肝 入り で   南方 先生 が 西郷 を 助け たっちゅう が は 誠 じゃ けい|よろこ|おおやけ||かん|はいり||なんぽう|せんせい||さいごう||たすけ||||まこと|

けん ど   薩摩 から 慶 喜 公 へ ||さつま||けい|よろこ|おおやけ|

南方 先生 の 偉業 が 伝わ っち ょる か どう か は   分から ん が じゃき なんぽう|せんせい||いぎょう||つたわ|||||||わから|||

では   改めて 薩摩 藩 を 通し 取り次ぎ を |あらためて|さつま|はん||とおし|とりつぎ|

うーん …

ほれ ほれ   飲ま ん かえ 坂本 殿 ! ||のま|||さかもと|しんがり

どういう 事態 か 分かって おら れる のです か ? |じたい||わかって|||の です|

ほう じゃき 今   会 うて くださら ん か と ||いま|かい|||||

お 願い に 行って もろ うち ょる ぜ よ まさか   ここ に 一橋 様 が ? |ねがい||おこなって|||||||||いちのはし|さま|

一 人 だけ おる が じゃ ろう 町人 で あり ながら ひと|じん||||||ちょうにん|||

ともに 上洛 する ほど 慶 喜 公 に 近しく |じょうらく|||けい|よろこ|おおやけ||ちかしく

その 娘 が   公 の 妾 である |むすめ||おおやけ||めかけ|

おやじ が

≪( 橘 ) 新 門 の 大 親分 !? この 話 は 本当 か ? たちばな|しん|もん||だい|おやぶん||はなし||ほんとう|

こちら より   伺う べき 筋 を … この 話 は 本当 か どう か ||うかがう||すじ|||はなし||ほんとう|||

それ を 聞いて る んだ → ||きいて||

どうか しち まって んじゃ ねえ の か お上 は |||||||おかみ|

あの 男 は   江戸 の 宝 だ ぜ |おとこ||えど||たから||

左右 に … さゆう|

裏 を 見 して ください うら||み||

はい   ありがとう ございます

おい ら   シャバ でも 医者 に   かかった こと なんか ねえ や ||||いしゃ||||||

≪( 牢同 心 ) 南方 仁   牢 問い だ ろうどう|こころ|なんぽう|しとし|ろう|とい|

出ろ でろ

( 良 順 ) 医学 館 の お 調べ の 次第 が 伝え られて きた → よ|じゅん|いがく|かん|||しらべ||しだい||つたえ||

南方 殿 の 持参 した 菓子 の 一 つ から なんぽう|しんがり||じさん||かし||ひと||

ヒ素 が 見つかって しまった そうだ ( 佐分利 ) 一 つ で っか ? ひそ||みつかって||そう だ|さぶり|ひと|||

うん そんな …

そんな おかしな 話 が あり まっか ? 毒 を 盛って 殺す のに   一 つ や なんて ||はなし||||どく||もって|ころす||ひと|||

それ こそ   南方 先生 が やった ん や ない って 証し や ||なんぽう|せんせい|||||||しょうし|

無論   我ら も   そう 思う だ が   この度 の 一 件 は むろん|われら|||おもう|||このたび||ひと|けん|

幕府 と して は   決して 表沙汰 に し たく ない 事態 ばくふ||||けっして|おもてざた|||||じたい

誠 の 下手人 を 突き止める より 早く 終わら せて しまい たい と まこと||げしゅにん||つきとめる||はやく|おわら||||

考える や も しれ ぬ ほ な   先生 は … かんがえる|||||||せんせい|

南方 先生 は   どう なり ます ん や ? なんぽう|せんせい||||||

( 吟味 与力 ) 南方 仁 医学 館 の お 調べ に より ぎんみ|よりき|なんぽう|しとし|いがく|かん|||しらべ||

その方 の 持参 した 菓子 より ヒ素 の 毒 が 見つかった と の → そのほう||じさん||かし||ひそ||どく||みつかった||

報告 が あった 違い ます ほうこく|||ちがい|

私 は 何も して ませ ん で は なぜ   毒 が 出て きた のじゃ ? わたくし||なにも|||||||どく||でて||

ホントに 知ら ない んです って あくまで シラ を きり とおす の か ほんとに|しら||ん です||||||||

私 は   ホントに … その者 を 釣 責め に いたせ ! わたくし||ほんとに|そのもの||つり|せめ||

ちょっと …

( 役人 ) おい ッ → やくにん||

おい ッ   はけ !

はけ !→

は かんか !

はけ !

《 茶碗 が あれば この 話 を 覆せる かも しれ ぬ 》 ちゃわん||||はなし||くつがえせる|||

《 茶碗 ?》 《 確か   宮様 は   あの とき 》 ちゃわん|たしか|みやさま|||

《 茶 を 飲んで おら れた 》 ちゃ||のんで||

《 菓子 から 出た 毒 も   その 茶 が かかった もの だ と すれば 》 かし||でた|どく|||ちゃ||||||

《 一 つ だけ から 出た こと も つじつま が 合おう 》 ひと||||でた|||||あおう

《 では   その 茶碗 から 毒 が 見つかれば …》 ||ちゃわん||どく||みつかれば

《 だが   この お 調べ に は   その 茶碗 の 話 は   まったく 出て きて おら ぬ 》 |||しらべ||||ちゃわん||はなし|||でて|||

《 見つから ぬ の か 見つから ぬ こと に して ある の か 》 みつから||||みつから|||||||

《 いずれ に しろ   医学 館 が 我ら の ため に 茶碗 を 捜し出し 》 |||いがく|かん||われら||||ちゃわん||さがしだし

《 お 調べ を して くれる と は とうてい 思え ぬ 》 |しらべ|||||||おもえ|

《 もし   仕組んで おった 者 が おる と すれば   なおさら じゃ 》 |しくんで||もの||||||

南方 先生 … なんぽう|せんせい

死に はる で しに||

お前 の せい や ーッ ! おまえ||||-ッ

福田 先生 は 脅さ れて いた だけ であろう ふくた|せんせい||おどさ||||

南方 先生 は   医学 館 に 殺さ れる ん や お前 の 命 を 救って くれた 先生 を なんぽう|せんせい||いがく|かん||ころさ||||おまえ||いのち||すくって||せんせい|

殺す ん や !→ ころす||

お ー い ッ |-||

南方 先生 は   やって おり ませ ん ! なんぽう|せんせい|||||

何とぞ ! なにとぞ

公正な お 調べ を お 願い いたし ます こうせいな||しらべ|||ねがい||

お 助け いただければ この後   私 は … |たすけ||このあと|わたくし|

いかなる こと でも いたし ます です から …  何とぞ ! |||||||なにとぞ

( 多紀 ) まるで   わし が たき|||

公正な 調べ を して い ない か の ような 言い 草 じゃ のう こうせいな|しらべ||||||||いい|くさ||

前 に も 言う た はずじゃ この 元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556]  多紀 家 に 生まれ ぜん|||いう||||もと|がい|||||||たき|いえ||うまれ

みだりに 人 の 命 を 奪う ような こと は せ ぬ と |じん||いのち||うばう||||||

しかし   元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 様 は   私 に … |もと|がい|||||||さま||わたくし|

不愉快じゃ   去れ ! ふゆかいじゃ|され

元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 様 ーッ もと|がい|||||||さま|-ッ

( 牢 名主 ) 先生 よ 次 は   石 抱き が 待って ん ぞ ろう|なぬし|せんせい||つぎ||いし|いだき||まって||

早 え と こ 認め ち まった 方 が いい んじゃ ねえ か ? はや||||みとめ|||かた|||||

何も … なにも

やって ない んです ||ん です

〈 これ は   神 の 手 に よって 巧妙に 仕組ま れた 罠 で 〉 ||かみ||て|||こうみょうに|しくま||わな|

〈 あらがう 余地 など ない 出来事 な のだろう か ?〉 |よち|||できごと|||

〈 だ と すれば   できる こと は …〉

なぜ   使わ ぬ ? |つかわ|

先生 の 罪 が せんせい||ざい|

晴れ ま する まで は はれ||||

〈 せめて 咲 さん を 道連れ に し ない こと 〉 |さ|||みちづれ||||

〈 この 身 一 つ に   罪 を 背負う こと じゃ ない だろう か 〉 |み|ひと|||ざい||せおう|||||

〈 せめて   できる こと は …〉

うわ ーッ |-ッ

≪( 吟味 与力 ) はか ぬ の なら あの 女 も 同じ 目 に あわす ぞ ぎんみ|よりき||||||おんな||おなじ|め|||

あの 人 は |じん|

何も 知り ませ ん なにも|しり||

では   お ぬし は   何 か 知って おる と いう こと だ な ? ||||なん||しって||||||

私 が … わたくし|

≪( 吟味 与力 ) 待て い ! ぎんみ|よりき|まて|

その者 に 奉行 所 より   呼び出し が あった そのもの||ぶぎょう|しょ||よびだし||

すでに 沙汰 が 決まった そう じゃ |さた||きまった||

死 …

死罪 って こと です か ? しざい||||

橘 咲 さん は どう なった んでしょう か ? たちばな|さ||||||

教えて ください おしえて|

咲 さん は … さ||

教えて ください ! おしえて|

教えて ください おしえて|

すいません …  皆さん |みなさん

先生 せんせい

龍 馬 さん … りゅう|うま|

≪( 役人 A ) 狼藉 者 ッ ≪( B ) 離れ ん か ! やくにん||ろうぜき|もの|||はなれ||

おお ッ …

何 を する ぜ よ なん||||

これ を ご 覧 ください 一橋 様 の 一筆 で ございます |||み||いちのはし|さま||いっぴつ||

この 者 の 嘆願 の 旨 が 書か れて おり ます |もの||たんがん||むね||かか|||

何とぞ   お 取り次ぎ を ! ( 町 与力 ) 偽物 に 決まって おる なにとぞ||とりつぎ||まち|よりき|にせもの||きまって|

行け ! いけ

ち っく と 待ち ! |||まち

これ は   本物 な が じゃ もら っと う ぜ ||ほんもの|||||||

その方 が   お まん の 身 の ため で も ある が じゃき そのほう|||||み|||||||

無礼 者 ! う ッ … ぶれい|もの||

坂本 殿 ! さかもと|しんがり

その 先生 は … |せんせい|

江戸 の 町 を コロリ から 救う て くれた が ぜ よ えど||まち||||すくう|||||

文 久二 年 の … ぶん|きゅうじ|とし|

夏 の こと じゃ なつ|||

《 頼む ぜ よ   南方 先生 》 たのむ|||なんぽう|せんせい

火事 場 で は   火 に 巻か れ ながら かじ|じょう|||ひ||まか||

江戸 の 民 を 救う たが じゃき えど||たみ||すくう||

文 久三 年 の   秋 の こと ぜ よ ! ぶん|きゅうぞう|とし||あき||||

みんな の …  みんな の 親 兄弟 を ||||おや|きょうだい|

こん 国 の 民 を 救う たが は |くに||たみ||すくう||

あん 篭 の 中 の |かご||なか|

先生 じゃ ! せんせい|

こん 国 は … |くに|

いつ から   そんな 恩知らずに なった が じゃ ーッ ! |||おんしらずに||||-ッ

≪( 奉行 ) 面 を あげよ ぶぎょう|おもて||

南方 仁   毒薬 投与 の 件 なんぽう|しとし|どくやく|とうよ||けん

≪( 奉行 ) 構い なし ぶぎょう|かまい|

え ッ ?

これ にて 落着 この 者 を ただちに 放 免 せよ ||らくちゃく||もの|||はな|めん|

( 佐分利 ) 南方 先生 ! さぶり|なんぽう|せんせい

咲 さ ん … さ||

先生 せんせい

あの …

今 宵 は … いま|よい|

今 宵 は いま|よい|

何 を お 食べ に なり とう ございます か ? なん|||たべ|||||

あげ だし …

あげ だし

( 山田 ) 南方 先生 ! やまだ|なんぽう|せんせい

お 帰り なさい ませ |かえり||

では   野 風 さん は ? |の|かぜ||

( 八木 ) 働き 口 が 見つかった と 出て 行か れて しまい ました やぎ|はたらき|くち||みつかった||でて|いか|||

そう です か …

それでは   福田 先生 は ? |ふくた|せんせい|

あんな やつ おら ん 方 が ええ んです ||||かた|||ん です

( 山田 ) 実は … やまだ|じつは

茶碗 から   ヒ素 が 出た んです か ? 宮様 の 使わ れた 茶碗 が ちゃわん||ひそ||でた|ん です||みやさま||つかわ||ちゃわん|

寺 の 仏壇 の 奥 から 見つかり まして その 茶碗 から ヒ素 が てら||ぶつだん||おく||みつかり|||ちゃわん||ひそ|

菓子 の ヒ素 も   この 茶 が   かかった もの と 判断 さ れた 次第 です かし||ひそ|||ちゃ|||||はんだん|||しだい|

お茶 に 毒 を 入れた の は 一体   誰 だった んです か ? おちゃ||どく||いれた|||いったい|だれ||ん です|

ある 奥 女 中 に 疑い が かかった のです が → |おく|おんな|なか||うたがい|||の です|

吟味 を 受ける 前 に ヒ素 を 飲んで 自害 を ぎんみ||うける|ぜん||ひそ||のんで|じがい|

じゃあ   何 を 目的 と して 和 宮様 に 毒 を 盛った の かも … |なん||もくてき|||わ|みやさま||どく||もった||

黒幕 は   不明の まま です くろまく||ふめいの||

この度 は   誠に   とんだ こと に 巻き込んで しまい … このたび||まことに||||まきこんで|

あ ッ … 納得 して 受けた こと です から ||なっとく||うけた|||

それ より   茶碗 を 見つけて くれた 人 に 感謝 です よ ||ちゃわん||みつけて||じん||かんしゃ||

伝え聞いた ところ に より ます と お 調べ の 内容 に   納得 が ゆか ぬ ゆえ つたえきいた|||||||しらべ||ないよう||なっとく||||

茶碗 を 捜して み たい と 言いだした の は   何と   医学 館 の ちゃわん||さがして||||いいだした|||なんと|いがく|かん|

多 紀元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 殿 だ そう な のです おお|きげん|がい|||||||しんがり||||の です

多紀 先生 が !? たき|せんせい|

《 何とぞ   我ら に   さらなる お 調べ を お 許し ください ませ 》 なにとぞ|われら||||しらべ|||ゆるし||

《( 和 宮 ) 私 も そのように ある べきだ と 》 わ|みや|わたくし||そのよう に|||

《 思って おり ました 》 おもって||

医学 所 は   医学 館 に 大きな 借 り が でき ました いがく|しょ||いがく|かん||おおきな|かり||||

もし かして   ツル も 多紀 先生 が ? ||つる||たき|せんせい|

わし は   後々   医学 館 が 恥 を かか ぬ ため に 調べた だけ じゃ ||あとあと|いがく|かん||はじ||||||しらべた||

その方 ら の ため で は ない そのほう||||||

しかし   その方 も   もう |そのほう||

仁 友 堂 に は   い にくかろう しとし|とも|どう||||

医学 館 へ 戻って まいる か ? いがく|かん||もどって||

≪( 多紀 ) 何事 じゃ ? たき|なにごと|

先生 … せんせい

すいません   こんな 格好 で 突然 ||かっこう||とつぜん

ありがとう ございます

多紀 先生 たき|せんせい

あの …

ありがとう ございました !

( 多紀 ) これ は ? たき||

ペニシリン の 製造 方法 です ||せいぞう|ほうほう|

よかったら 今度 製造 所 を 見 に 来て ください |こんど|せいぞう|しょ||み||きて|

使い 方 も   お 教え し ます つかい|かた|||おしえ||

しかし これ は   お ぬし ら の 秘伝 の 妙薬 の はず |||||||ひでん||みょうやく||

他 に   お 礼 も でき ませ ん し た|||れい|||||

それ に

本道 の 先生 に も ほんどう||せんせい||

ペニシリン を 使える ように なって ほしい んです ||つかえる|よう に|||ん です

この 国 の 医療 の ため に も |くに||いりょう||||

この 国 の 医 ? |くに||い

はい

ですが

福田 先生 は お返し いただけ ます でしょう か ? ふくた|せんせい||おかえし||||

稼ぎ 頭 が   おら ん と うち は 死活 問題 なんで すわ かせぎ|あたま|||||||しかつ|もんだい||

フッフ …

間 諜 も いら ぬ ように なった 今 さして 役 に も 立ち ませ ぬ あいだ|ちょう||||よう に||いま||やく|||たち||

どうぞ   お 持ち帰り くだされ ||もちかえり|

ありがとう ございます

多紀 先生 たき|せんせい

ひょっとして   ツル も 先生 が ? ツル ? |つる||せんせい||つる

何の こと じゃ ? なんの||

あ ッ …  いえ   何でも あり ませ ん |||なんでも|||

( 弟子 ) それにしても   誰 が 何の ため に   毒 を 盛った のでしょう ? でし||だれ||なんの|||どく||もった|

さあ な   しかし …

あの 男 に 嫉妬 せ ぬ 医者 は おら ぬ であろう |おとこ||しっと|||いしゃ||||

流れ を 同じく する 者 に とって は いっそう ながれ||おなじく||もの||||

目障りであろう な めざわりであろう|

《( 三隅 ) 特に 問題 は 見当たり ませ ぬ 健やかな お 体 か と 》 みすみ|とくに|もんだい||みあたり|||すこやかな||からだ||

《( 隠居 ) 三隅   そち は 岩 を まったく 見抜け なかった と …》 いんきょ|みすみ|||いわ|||みぬけ||

まあ   よい   また 折 も あろう |||お||

♪♪~ 土佐 の 高知 の   はり ま や 橋 で とさ||こうち|||||きょう|

♪♪~ 坊さん   かんざし ぼうさん|

じゃあ お 礼 は   みんな 済んだ の かい ? ||れい|||すんだ||

はい   でも

まだ   ツル を 送って くれた の が 誰 な の か 分から なくて |つる||おくって||||だれ||||わから|

鈴 屋 さん でも   濱口 様 でも すず|や|||はまぐち|さま|

多紀 先生 で も ない と なる と たき|せんせい||||||

他 に   お 金 を 出して くれ そうな 方 も 分から ず た|||きむ||だして||そう な|かた||わから|

( 山田 ) あれ は … やまだ||

野 風 さん で は ない でしょう か ? の|かぜ||||||

冷たく 去って いか れた の は つめたく|さって||||

我ら に 止め だて さ せ ぬ ため に やった こと な ので は ない か と われら||とどめ||||||||||||||

捜す が じゃ   先生 捜す った って … さがす|||せんせい|さがす||

野 風 が 金 を つくる 方法 ら 一 つ しか ない ろう の|かぜ||きむ|||ほうほう||ひと||||

野 風 さん … の|かぜ|

( 町人 A ) おい … ちょうにん||

( B ) 馬 よ   馬 |うま||うま

お 気 を つけて すいません |き|||

じゃあ   何 日 か   お 願い し ます 行って くる き |なん|ひ|||ねがい|||おこなって||

≪( 男 ) ら しゃめん だ ー ! おとこ||||-

おお ーッ ! |-ッ

≪( 龍 馬 ) どう いた ぜ よ ?  野 風 → りゅう|うま|||||の|かぜ

異人 に 身 請け して もろう た っ ちゅうこ と かえ ? いじん||み|うけ|||||||

( 野 風 ) いずれ は   正式な 夫婦 に と の|かぜ|||せいしきな|ふうふ||

主 さん は おっしゃって くださって おり ん す おも|||||||

そんな こと … 信じる アホ が   どこ に おる が じゃ ||しんじる|||||||

実は …  身売り を しよう と じつは|みうり|||

横浜 の 遊郭 を 訪ねた であり ん すよ → よこはま||ゆうかく||たずねた|||

そこ で   主 さん の 手 の 者 に 声 を かけ られ ん した → ||おも|||て||もの||こえ|||||

何でも   い なく なった あ ちき を 捜して くださって いた そうで なんでも|||||||さがして|||そう で

《( 使用人 ) お 待た せ し ました 》 しよう にん||また|||

《( ルロン ) ジュ …  ジュテーム 》

《 じゅ ?》 《 お …  お 慕い して い ます 》 |||したい|||

《( フランス 語 で 語る )》 ふらんす|ご||かたる

≪( 野 風 ) 細かな こと は 分か りんせん が   気持ち だけ は → の|かぜ|こまかな|||わか|||きもち||

伝わって きん して なあ つたわって|||

《 あの …  お 名前 は   何と ?》 ||なまえ||なんと

《 ルロン 》 《 へえ 》

《 ルロン 様 ?》 |さま

《 こりゃ あ  「 ルロン 」 さん と ?》

《 異人 から と 分かって は 気味 悪 がり →》 いじん|||わかって||きみ|あく|

《 受け取って もらえ ぬ かも しれ ぬ と 》 うけとって||||||

あ ちき は   ルロン さん と 一緒に なる こと を 決め ||||||いっしょに||||きめ

お 金持ち だ と いう ので 支度 金 を いただいた であり ん すよ |かねもち|||||したく|きむ|||||

それ を   もし かして 私 達 の ツル に ? ||||わたくし|さとる||つる|

あ ちき は   言わ ぬ が 花 と 思って おり ん した が |||いわ|||か||おもって||||

主 さん が → おも||

相手 は   大金 の 出所 を 捜し まわり → あいて||たいきん||しゅっしょ||さがし|

困って いる かも しれ ぬ と こまって|||||

きちんと 告げる の も 思いやり だ と |つげる|||おもいやり||

おっしゃら れ ん して なあ

それ も そう か と …

何 じゃ   その …  言いなり は ! なん|||いいなり|

意地 を 張る が が お まん の 信条 じゃ ろう が いじ||はる||||||しんじょう|||

ちゃんと した 方 な んです ね ルロン さん は ||かた||ん です||||

頼もしき お方 であり ん す たのもしき|おかた|||

けん ど   お まん は   それ で よかった が かえ ?→

あ ッ ?

主 さん と いる と … おも||||

あ ちき は   いつの間に やら |||いつのまに|

笑って いる のであり ん すよ わらって||||

あ ちき は

幸せに なれる 気 が … ちゃ ーッ !  ちゃ ッ   ちゃ ッ … しあわせに||き|||-ッ||||

あー ッ …

南方 先生 なんぽう|せんせい

はい

あ ちき は   これ より

女子 の 幸せ は   すべて じょし||しあわせ||

手 に 入れる つもりで お りん す て||いれる||||

故に ゆえに

これ より 先 の 心配 は ご 無用であり ん す ||さき||しんぱい|||むようであり||

先生 も せんせい|

我が身 の お 幸せ だけ を お 考え ください わがみ|||しあわせ||||かんがえ|

はい

《 野 風 さん の 人生 に よって は 新しい 未来 が 生まれる 可能 性 も 》 の|かぜ|||じんせい||||あたらしい|みらい||うまれる|かのう|せい|

《 ある かも しれ ない し 》

《 私 ども で 変え られ なかった お 気持ち を   野 風 さん …》 わたくし|||かえ||||きもち||の|かぜ|

《 いえ   未来 さん は 》 |みらい||

《 たやすく 変えて おしまい に なら れる のだ と 思う と …》 |かえて|||||||おもう|

お 気 を つけて |き||

グッバイ じゃき

ボン   ボヤージュ か … ぼん||

野 風 さん は の|かぜ||

あの 日 の 話 を   お 聞き に ? |ひ||はなし|||きき|

せっかく お 助け できた お 二 人 であり ん す ||たすけ|||ふた|じん|||

あ ちき の ため に も 幸せに なって くだ さん し ||||||しあわせに||||

先生 と せんせい|

幸せに なる と しあわせに||

約束 して くだ さん し やくそく||||

あの …

≪( 使用人 ) そろそろ 出 ます しよう にん||だ|

では   咲 様 |さ|さま

お さらば え

ごめん な

未来 みらい

咲 さ ん さ||

あ ッ   はい

ちょっと   お 話 が ある んです けど ||はなし|||ん です|

未来 に 戻れ そうに なら れた のです か ? みらい||もどれ|そう に|||の です|

殺さ れ そうに なった とき に … ころさ||そう に|||

まあ   幻 かも しれ ない んです けど |まぼろし||||ん です|

でも …

その とき   その …

私 は … わたくし|

戻り たく ない って 思った んです もどり||||おもった|ん です

未来 に 会え なく なる より … みらい||あえ|||

咲 さん に 会え なく なる 方 が   つらい って 思って しまった んです さ|||あえ|||かた||||おもって||ん です

あ ッ …

戻り たく ない って 思って も   いつか 戻さ れて しまう かも しれ ない し もどり||||おもって|||もどさ||||||

そんな 人間 が … |にんげん|

こんな こと 言って いい の か 分かり ませ ん けど … ||いって||||わかり|||

咲 さ ん さ||

私 と 一緒に なって もらえ ませ ん か ? わたくし||いっしょに|||||

美しい 夕日 です ね うつくしい|ゆうひ||

こんなに 美しくて |うつくしくて

よい のでしょう か ?

《 先生 と   幸せに なる と 》 せんせい||しあわせに||

《 約束 して くだ さん し 》 やくそく||||

お 断り 申し上げ ます |ことわり|もうしあげ|

私 の 幸せ は わたくし||しあわせ|

先生 と 一緒に なる こと で ございませ ぬ せんせい||いっしょに|||||

私 の 幸せ は … わたくし||しあわせ|

後 の 世に あと||よに

仁 友 堂 を 残す こと で ございます しとし|とも|どう||のこす|||

私 は わたくし|

先生 が   いつか   お 戻り に なる 世 の こと を 考えて いらっしゃる の が せんせい||||もどり|||よ||||かんがえて|||

情けなく 感じる とき が ございました なさけなく|かんじる|||

それ は 何故 か と ||なぜ||

心 に 問うて み ま すれば こころ||とうて|||

先生 が   お 戻り に なる 未来 に せんせい|||もどり|||みらい|

私 が   い ない から な ので ございます わたくし|||||||

ならば   残せば よい と 思い ました |のこせば|||おもい|

私 が … わたくし|

私 達 が わたくし|さとる|

つかの間 先生 と 生きた 日々 を つかのま|せんせい||いきた|ひび|

戻ら ない かも … もどら||

しれ ませ ん よ

いいえ

きっと   お 戻り に なり ます ||もどり|||

実は   それ も 大きゅう ございます じつは|||おおきゅう|

いつか   おら れ なく なる と 分かって いる 方 と ||||||わかって||かた|

人生 を ともに する 勇気 は じんせい||||ゆうき|

やはり   私 に は   ございませ ぬ |わたくし||||

親不孝 ばかりの 身 おやふこう||み

せめて 結婚 は |けっこん|

母 も   兄 も   素直に 喜べる お 相手 と と も 思って おり ます はは||あに||すなおに|よろこべる||あいて||||おもって||

なれ ど   今 まで どおり ||いま||

先生 の 弟子 と して せんせい||でし||

できる かぎり の こと を いたし ます ので   これ から も …

よろしく お 願い いたし ます ||ねがい||

では   食事 の 支度 が ございます ゆえ 先 に |しょくじ||したく||||さき|

おお   咲 |さ

何 か   あった の か ? なん||||

どうした の だ ?  咲 |||さ

何 が … なん|

私 だけ … わたくし|

など …

私 だけ 幸せに など わたくし||しあわせに|

なれる わけ が ない で は ございませ ぬ か

〈 咲 さん は   大人 だった 〉 さ|||おとな|

〈 俺 が 思って いた より も   ずっと 〉 おれ||おもって||||

〈 だけど   ふら れた ところ で 〉

〈 みんな を 幸せに し たい と 思った あの 気持ち は 嘘 じゃ ない 〉 ||しあわせに||||おもった||きもち||うそ||

〈 だったら 〉

〈 やる こと は 一 つ だ 〉 |||ひと||

〈 全力 で   今 を 生きる 〉 ぜんりょく||いま||いきる

〈 自分 自身 の 志 を 持って 〉 じぶん|じしん||こころざし||もって

〈 この 時代 の 明日 を 変えて いく んだ 〉 |じだい||あした||かえて||

しばらく   薩摩 藩 の やっかいに なろう と 思う ち ょる が ぜ よ |さつま|はん|||||おもう|||||

操 錬所 も   つぶれて しもう たき の みさお|錬ところ|||||

薩摩 で 何 を する んです か ? これ を 足がかり に さつま||なん|||ん です||||あしがかり|

ゆくゆくは   薩摩 と 長 州 を 結びつける つもり ぜ よ |さつま||ちょう|しゅう||むすびつける|||

この 二 大雄 藩 を 結びつけたら |ふた|たいゆう|はん||むすびつけたら

必ず   こん 国 を 生まれ変わら せる こと が できる かならず||くに||うまれかわら||||

こん 国 は   変わら ねば なら ん が じゃ ね や ?  先生 |くに||かわら||||||||せんせい

張り切 ん の は いい が   おい ら の こと も   ちゃんと 考えて くれ はりき||||||||||||かんがえて|

これ でも 一応   旗本 なんだ から よ おう   そう だった かい のう ? ||いちおう|はたもと||||||||

≪( 勝 ) まったく よ … か||

( 龍 馬 ) 勝 先生 に は 一生   頭 が 上がら ん が じゃき りゅう|うま|か|せんせい|||いっしょう|あたま||あがら|||

私 も わたくし|

ペニシリン を もっと 扱い やすく しよう と 思って ます |||あつかい||||おもって|

扱い が 簡単に なれば   京都 の とき の ような   悔しい こと も ない だろう し あつかい||かんたんに||みやこ|||||くやしい|||||

それ を きっかけ に   医学 の 色 んな 垣根 も   なくなる かも しれ ない し ||||いがく||いろ||かきね||||||

この 国 に   新しい 医術 が 生まれる かも しれ ない |くに||あたらしい|いじゅつ||うまれる|||

初めて 聞いた ぜ よ はじめて|きいた||

いや   だって 初めて 言い ました から ||はじめて|いい||

違う き ちがう|

先生 が   自分 の 考え を 聞か れ も せ ん うち に せんせい||じぶん||かんがえ||きか||||||

話す っ ちゅう が を 初めて 聞い たち 言う とる が じゃ はなす|||||はじめて|ききい||いう|||

ちょっと 言って み たく なった んです よ |いって||||ん です|

ほ いたら   先生 ||せんせい

また はい

〈 だけど   この とき 〉

〈 すべて は   すでに 始まって いた んだ 〉 |||はじまって||

〈 残酷で   優しい 未来 へ と 〉 ざんこくで|やさしい|みらい||

〈 時 は   動きだして いた 〉 じ||うごきだして|