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幼女戦記, Youjo Senki (The Saga of Tanya the Evil) Episode 12

Youjo Senki ( The Saga of Tanya the Evil ) Episode 12

( ターニャ ) 第 二 〇三 航空 魔 導 大隊 の ―

ターニャ ・ フォン ・ N デグレチャフ 少佐 で あり ます

( ターニャ ) ゼートゥーア 閣下 に お 取り次ぎ を

( 将校 ) ああ 少佐 殿

申し訳 あり ませ ん が 閣下 は 現在 外出 中 です

では ルーデルドルフ 閣下 を

( 将校 ) 失礼 し まし た

その … 参謀 連 は 皆様 そろって 外出 中 で し て

何 か 重大 な 会議 でも ?

恐らく ビアホール か と 思い ます が

ビアホール ?

でき れ ば 自分 も まざり たい ところ です が

これ ばかり は … フッ ( 将校 たち ) あ …

( レル ゲン ) 何 か あった の か ?

( 将校 ) は っ !

( レル ゲン ) デグレチャフ 少佐 だ

いえ 特に は …

ゼートゥーア 閣下 に

お 会い し たい と の こと で し た ので ―

ビアホール だ と お 伝え し まし た が

( レル ゲン ) デグレチャフ 少佐

確か ミルク と 砂糖 は …

はい 必要 あり ませ ん

( レル ゲン ) やはり 違う か ね ?

戦勝 記念 の ドル マイヤー だ

帝 室 の 御用達 だ ぞ

ゼートゥーア 閣下 を 訪問 さ れ た よう だ が ―

今回 の 勝利 に 貴 官 の 功績 は 計り知れない

何 か 進言 が ある の なら 忌憚 ( き た ん ) の ない 意見 を 聞か せ て ほしい

忌憚 の ない 意見 … です か

何 か ?

確かに 我が 軍 は 実に 見事 な 勝利 を 収め まし た

今や 世界 の 誰 も が 我が国 の 雄姿 に 瞠目 ( どう もく ) する しか ない でしょ う

帝国 の 勝利 と 栄光 も

この 瞬間 だけ は 本物 な の かも しれ ませ ん

この 瞬間 ?

( ターニャ ) 勝利 … それ は 何とも 魅惑 的 で あり ます

誰 も が その 美 酒 を 口 に し たい と 思う の は 当然 です

しかし なぜ 参謀 本部 は

その 勝利 を 活用 なさら ない の でしょ う ?

( ヴァイス ) 少佐 殿 が 参謀 本部 に ?

( ヴィー シャ ) あの 様子 だ と

もしかしたら どなり 込 ん でる の かも …

( ヴァイス ) まあ 心配 は 要 らん だ ろ う

( ヴィー シャ ) でも いつも と 明らか に …

( グランツ ) 大丈夫 です よ

( グランツ ) 少佐 殿 が ルール 違反 を 犯す なんて 考え られ ませ ん

( ノイマン ) どうせ 今頃 は 晩さん 室 で ワイン でも ―

… って それ は 無理 か あ

( ケーニッヒ ) 誰 か 塗り 薬 持って ない か ?

( ケーニッヒ ) 日焼け し すぎ た ( グランツ ) ああ 確か ―

タイヤ ネン 准尉 の 持ち物 に あり まし た よ

( ヴィー シャ ) ハァ …

ん …

勝利 を 活用 し ない ?

失礼 ながら 我ら が 参謀 本部 は 勝利 の しかた を 知って い て も

勝利 の 使い 方 は ご 存じ ない よう に 思わ れ まし た ので

どういう 意味 だ ね ?

参謀 本部 の 皆様 は 今

勝利 の 美 酒 に 酔いしれ て おら れる そう です ね

もちろん 前 戦 で 義務 を 十全 に 果たし た 将兵 たち に は ―

ひととき の 享 楽 を 謳歌 ( おう か ) する 権利 も あり ま しょ う

しかし 戦争 指導 に 当たる べき 上級 将校 まで も が ―

無邪気 に 勝利 に 沸き返って いる の で あれ ば ―

それ は 怠 惰 で あり 失策

犯罪 的 な 無為 無策 と 言う ほか あり ませ ん

少佐 その ぐらい に し て おけ さすが に 言葉 が 過ぎる

忌憚 の ない 意見 を と おっしゃら れ た の は

中佐 殿 で あり ます が ?

いくら 軍 神 マルス に 愛さ れ て いる と は いえ ―

さすが に ごう 慢 だ ろ う

お 言葉 です が 神 に 愛さ れ て いる など と は 微塵 ( みじん ) も …

( レル ゲン ) 貴 官 は 卓越 し た 先見 性 と 判断 力 を 有 し た ―

類い まれ なる 将校 だ が

やはり 人間 の 本性 は 変わら ない と いう わけ か

貴 官 の 抗 命 未遂 に つい て 西方 方面 軍 より 抗議 が あった そう だ

小 官 は 与え られ た 権限 内 で の 行動 を とろ う と し た まで です

( レル ゲン ) 規律 違反 を 犯す よう な 軍人 で ない こと は 分かって いる

と は 言え 参謀 本部 より 貴 官 に 与え られ た 権限 は

現場 で の 摩擦 を 生む ため の もの で は ない

武 勲 を 誇る の は 結構 だ が ―

1 人 で 打ち立て た と 思って もらって は 困る

共和 国 は 首都 を 制圧 さ れ た の だ

これ 以上 の 交戦 は 無意味 有害 で すら ある

この先 も 戦争 を 続けよ う と する 理由 が どこ に ある ?

近代 国家 に おい て 軍 と は 国家 の 暴力 装置 だ

国家 自体 を 犠牲 に し て まで 戦い 続ける など ―

狂気 の 沙汰 と しか 言え まい

いかにも その とおり です

で あれ ば 何故 貴 官 は 戦争 が 続く と の 主張 を ?

せ ん 越 ながら 申し上げ ます に ―

ゼートゥーア 閣下 や ルーデルドルフ 閣下 は ―

政治 と 軍事 に 優れ た 合理 的 な プラグマティスト

偉大 なる 軍人 です

この 点 中佐 殿 も 同類 で あら れる

論理 と 知識 の 牙城 ―

それ が 我が 帝国 の 参謀 本部 で あり ます

その ため に 誰 も が 合理 的 な 考え の 下 ―

戦争 の 終結 を 信じ て おら れる

しかし … それ は 不完全 な 合理 性 と 言わ ざる を え ませ ん

不完全 な … 合理 性 ?

( ターニャ ) 参謀 本部 の 皆様 は あまりに 合理 的 すぎる の です

故に 完全 に 見落とし て おら れる の です

人間 と いう 存在 が 合理 性 だけ で は 動か ない ―

愚か な 生き物 で ある と いう こと を

貴 官 は 我々 人類 が ―

いまだ 理性 を 欠 い た 獣 だ と でも 言い たい の か ね

( ターニャ ) 語弊 を 恐れ ず に 申し上げる なら ば ―

まったく もって その とおり か と

( レル ゲン ) 何 を 根拠 に そう 言い 切れる !

( ターニャ ) 歴史 で あり ます

と 言って も 私 自身 の 歴史

個人 的 な 経験 で は あり ます が

聞か せ て もら お う

( ターニャ ) 私 は 見 て き まし た

憎しみ に とらわれ た 燃える よう な 人々 の 目 を

優秀 な 部下 が 怒り に 身 を 任せ 冷静 さ を 失った 瞬間 を

憎悪 のみ に 突き動かさ れる ―

復讐 ( ふく しゅう ) の 連鎖 を

そして 小 官 は 気づ い た の です

いや … 気づ い た と 言う より ―

思い出し た と 言う べき かも しれ ませ ん

私 は 以前 合理 主義 に 対 する 狂気 的 な 反発 を ー

身をもって 経験 し まし た

いかに 近代 化 が 進 も う と も ―

いかに 社会 規範 が 浸透 しよ う と も ―

人間 は 時として 合理 性 より も ―

感情 を 優先 する 愚か な 存在 で ある と いう こと を

憎悪 に とらわれ た 人間 は

打算 も 合理 性 も 損得 さえ 抜き に どこまでも 抗 い 続け ます

だからこそ 小 官 は 申し上げ ず に は い られ ない の です

我々 は かりそめ の 勝利 に なぞ 酔いしれる べき で は ない

憎悪 の 火 は 全て 消し去ら ね ば なら ない と

( ノック )

( 将校 ) し … 失礼 し ます

( 将校 ) まだ 調査 中 の 情報 で は あり ます が ―

南方 大陸 で 共和 国 軍 残党 に 動き が …

( ド ・ ルーゴ ) 私 は 自由 を 愛 する ―

共和 国 市民 と して ―

誇り ある 共和 国 市民 と して 誓う !

( ド ・ ルーゴ ) 勝利 の 日 まで 決して 武器 は 下ろさ ぬ と !

我が 戦友 諸君 も その 力 を 貸し て くれよ う と して いる !

我々 に 世界 の 命運 が 懸かって いる の だ !

よって 私 は 今

祖国 を 代表 する 自由 共和 国 の 一員 と して

帝国 へ の 徹底 抗戦 を ―

ここ に 宣言 する !

( 共和 国 兵士 たち の 歓声 )

( 男性 ) 共和 国 は 落ち た ん じゃ なかった の か ?

( 男性 ) クソッ 軍 の ヤツ ら は 何 やって ん だ !

( 女性 ) ヨハン もう ずっと 連絡 が ない の

( 女性 ) まだ 戦争 は 続く の かしら …

( ラジオ 音声 ) 帝国 陸軍 発表 午後 3 時 の 戦局 情報 です

( 男性 ) 早く 南方 大陸 攻めろ よ

( 男性 ) 早く 南方 大陸 攻めろ よ

( ラジオ 音声 ) ド ・ ルーゴ 将軍 率いる 共和 国 軍 の 残党 は ―

( ラジオ 音声 ) ド ・ ルーゴ 将軍 率いる 共和 国 軍 の 残党 は ―

( 男性 ) これほど 長期 化 し て いい の か ?

( ラジオ 音声 ) ド ・ ルーゴ 将軍 率いる 共和 国 軍 の 残党 は ―

( 男性 ) これほど 長期 化 し て いい の か ?

逃亡 先 の 南方 大陸 にて 自由 共和 国 を 称し ―

( 男性 ) これほど 長期 化 し て いい の か ?

逃亡 先 の 南方 大陸 にて 自由 共和 国 を 称し ―

我が 帝国 軍 に 対 する 徹底 抗戦 を 宣言 し まし た

( グランツ ) フゥ …

一体 いつまで こんな こと が 続く ん でしょ う か

次 の クリスマス まで に は 戦争 も 終わる

そう 聞い て い た のに な

結局 休み も ほとんど なし

また いつも の 最 前線 で

泥 だらけ に なって 冷め た ご はん か あ …

( ヴィー シャ たち ) ハァ …

( ヴァイス ) “ 至難 の 戦場 ”

“ わずか な 報酬 剣 林 弾 雨 ( けん りん だ ん う ) の 日々 ”

“ 絶え ざる 危険 ”

“ 生還 の 暁 に は 名誉 と 称賛 を 得る ”

大隊 の 募集 要項 です か ?

ああ 最後 の 文句 以外 は 真実 だった な

( ルーデルドルフ ) 浮か ない 顔 だ な

まだ 久しぶり の 酒 が 抜け て ない の か ?

自由 共和 国 軍 と やら は 着々 と 戦力 を 拡大 中 だ そう だ

協商 連合 の 生き残り や 連合 王国 も 合流 し 始め た らしい

本土 で 進 ん で い た 講和 の 件 が 白紙 撤回 さ れる の も 当然 だ な

ぐ …

( ゼートゥーア ) 結局 の ところ ―

敵 を 倒し きれ なかった こと が 問題 で あ ろ う

こう なった 以上 南方 に 派兵 する しか ある まい

( ゼートゥーア ) 我々 は 陸軍 国家 だ

海 を 渡った 外 征 は 戦力 基盤 に 相当 な 負荷 を 及ぼす

規模 は 最小 限 に とどめ ね ば なら ん ぞ

少数 精鋭 か で は 例の 大隊 に 出 て もら お う

( ゼートゥーア ) ああ そう だ な …

( ルーデルドルフ ) ん ? 何 だ ?

( ゼートゥーア ) いや … 何も ない はず だ

我々 の 仲 だ 何 が 言い たい

( ゼートゥーア ) 我々 は 何 か を 間違って い ない だ ろ う か

( ルーデルドルフ ) ん ?

( ゼートゥーア ) 南方 作戦 とて ―

これ 以上 の 参 戦国 が 増え ない こと を 前提 に し た 計画 だ

もし 仮に 更 なる 国 が 戦争 に 参加 する と なる と …

う っ …

( ターニャ ) 戦火 の 絶え ない 呪わ れ た 世界 で ―

その 国 は “ 帝国 ” と 呼ば れ て い た

帝国 は 絶大 な 軍事 力 ―

卓越 し た 戦術 と 優れ た 機動 力 に より ―

ダキア 公 国 協商 連合 共和 国 を 圧倒

安全 保障 上 の 脅威 を 次々 に 退け 誰 も が 随喜 ( ず いき ) し た

だが それゆえ 彼ら は 想像 し え なかった

帝国 が 強大 無比 な 覇権 を 大陸 中央 に 確立 する と いう 事実 ―

その こと に 対 する 周辺 諸国 の 根本 的 な 恐怖 を …

( 将校 ) いやはや 信じ られ ん な ( 将校 ) まったく … 往生 際 の 悪い

( ターニャ ) 帝国 は 自ら が 握った 剣 の 鋭 さ を 誇示 する あまり ―

その 剣 に 対 する 恐怖 を 想像 し え ない で い た の だ

無論 誰 も が 平和 を 願って いる

そう あれ か し と …

そえ ゆえ 皆 平和 を 守る ため に 銃 を 取り ―

平和 を 願って 戦い に 身 を 投じる

( 人々 の 歓声 )

( ターニャ ) 過酷 な 戦争 を 終わら せる べく ―

帝国 以外 の 誰 も が 願って い た

帝国 と いう 邪悪 な 敵 が この 地 より 撃 滅 さ れ ん こと を

かくして 何たる 矛盾 だ ろ う か

皮肉 な こと に 平和 へ の 願い に よって ―

戦争 は 鎮まる どころ か 激化 の 一途 を たどって いく

( 徴兵 担当 官 ) 確かに 合衆国 軍 は 現在

友好 国 に 派遣 さ れる 義 勇 派兵 部隊 の 志願 を 募って い ます が …

メアリー ・ スー さん あなた は 志願 できる 最低 年齢 です

もっと じっくり 考え て から 決断 を し て も 遅く は …

( メアリー ) いえ 志願 し ます

心意気 は 大変 うれしく 思い ます が ―

戦場 に 出 れ ば ケガ を する かも しれ ませ ん し ―

命 を 落とす こと だって …

覚悟 は でき て い ます

( 徴兵 担当 官 ) お 母 様 …

それ に 亡くなら れ た お 父 様 も きっと

あなた が 平和 な 地 で 過ごさ れる こと を

願って おら れる はず です よ

それ は 分かって い ます

でも だ から こそ

私 は 自分 の できる こと を し たい の です

その 平和 を 守る ため に !

( 徴兵 担当 官 ) 決意 は 変わら ない よう です ね

分かり まし た で は 志願 に 際 し 宣誓 を !

宣誓 ! 私 は 守る べき 平和 の ため ―

何より 大切 な 家族 の ため

力 の 全て を 費やし ます !

もう 二 度 と 帝国 に よって 家族 を 失う 悲しみ が ―

繰り返さ れ ない 世界 を つくる ため に !

そして … 神 の 正義 を なす ため に !

主 を 信じる 善良 なる 心 に 誓って

神 の ご 加護 が あら ん こと を !

♪~

~♪

( ヴァイス ) 総員 傾注 !

大 隊長 より 訓示 !

諸君 やれ 停戦 だ 出撃 だ と まったく 上 も 勝手 な もの だ な

だが 仕事 で ある 以上 は やむ を えん

命令 に 従い 敵 を たたき 潰さ ね ば なる まい

と は 言え 今や 世界 の 全て が 我々 の 敵 だ

過酷 な 戦闘 は 避け られよ う も なく 泥沼 の 戦い に 終わり は 見え ない

だからこそ 諸君 ら に は 改めて 伝え て おき たい

この世 を つかさどる 神 が いる と すれ ば

どこまでも 厳格 で 限りなく 善良

あまり に も 偉大 な 存在 で あ ろ う

神 と やら は 非情 な 運命 ばかり を 突きつけ て くる

それ が 世界 に 課 せ られ た ルール の よう だ

( 将校 ) 派遣 でき た の は たった の 2 個 師団 と 支援 部 隊 のみ

( 将校 ) 共和 国 の 現地 警備 隊 で すら 対抗 可能 な 数 です

( 将校 ) ここ に 同盟 国 の 派兵 も 加わる と なる と …

( ゼートゥーア ) 現場 へ の 指示 は ?

既に 通達 済み だ

我が 軍 は 到着 と 同時に 徹底 し た 機動 戦 を 展開

分散 進撃 し て くる 敵 を 各 個 撃破 する 計画 です

その 先鋒 ( せ ん ぽ う ) と なる の が

デグレチャフ 少佐 の 率いる 二〇三 大隊

( 将校 ) しかし あの 少佐 とて この 程度 の 戦力 で は …

確かに ご もっとも な 意見 だ と 思い ます

( ターニャ ) そこ で だ 私 は 今 ここ に 改めて 宣言 する

おお 神 よ !

貴 様 を 切り 刻 ん で 豚 の エサ に でも して やる と !

( 隊員 たち の どよめき )

ですが 何一つ … 何一つ と して 心配 は ご 無用 でしょ う

クソッ タレ の 神 に 我ら が 戦場 は 不似合い だ !

今 こそ 神 の 仕事 を 肩代わり して やろ う で は ない か !

我ら 将兵 の ある うち は 我々 が 神 に 取って代わる の だ !

ごう 慢 な 神 と や ら を 失業 さ せ て やれ !

( 隊員 たち ) は っ !

( レル ゲン ) せ ん 越 ながら 申し上げ ます と ―

あれ は 幼女 の 皮 を かぶった ―

化 物 です !

では 戦友 諸君 …

戦争 の 時間 だ !


Youjo Senki ( The Saga of Tanya the Evil ) Episode 12

( ターニャ ) 第 二 〇三 航空 魔 導 大隊 の ― |だい|ふた|みっ|こうくう|ま|みちび|だいたい|

ターニャ ・ フォン ・\ N デグレチャフ 少佐 で あり ます ||||しょうさ|||

( ターニャ ) ゼートゥーア 閣下 に お 取り次ぎ を ||かっか|||とりつぎ|

( 将校 ) ああ 少佐 殿 しょうこう||しょうさ|しんがり

申し訳 あり ませ ん が 閣下 は 現在 外出 中 です もうし わけ|||||かっか||げんざい|がいしゅつ|なか|

では ルーデルドルフ 閣下 を ||かっか|

( 将校 ) 失礼 し まし た しょうこう|しつれい|||

その … 参謀 連 は 皆様 そろって 外出 中 で し て |さんぼう|れん||みなさま||がいしゅつ|なか|||

何 か 重大 な 会議 でも ? なん||じゅうだい||かいぎ|

恐らく ビアホール か と 思い ます が おそらく||||おもい||

ビアホール ?

でき れ ば 自分 も まざり たい ところ です が |||じぶん||||||

これ ばかり は … フッ ( 将校 たち ) あ … ||||しょうこう||

( レル ゲン ) 何 か あった の か ? ||なん||||

( 将校 ) は っ ! しょうこう||

( レル ゲン ) デグレチャフ 少佐 だ |||しょうさ|

いえ 特に は … |とくに|

ゼートゥーア 閣下 に |かっか|

お 会い し たい と の こと で し た ので ― |あい|||||||||

ビアホール だ と お 伝え し まし た が ||||つたえ||||

( レル ゲン ) デグレチャフ 少佐 |||しょうさ

確か ミルク と 砂糖 は … たしか|みるく||さとう|

はい 必要 あり ませ ん |ひつよう|||

( レル ゲン ) やはり 違う か ね ? |||ちがう||

戦勝 記念 の ドル マイヤー だ せんしょう|きねん||どる||

帝 室 の 御用達 だ ぞ みかど|しつ||ごようたし||

ゼートゥーア 閣下 を 訪問 さ れ た よう だ が ― |かっか||ほうもん||||||

今回 の 勝利 に 貴 官 の 功績 は 計り知れない こんかい||しょうり||とうと|かん||こうせき||はかりしれない

何 か 進言 が ある の なら 忌憚 ( き た ん ) の ない 意見 を 聞か せ て ほしい なん||しんげん|||||きたん||||||いけん||きか|||

忌憚 の ない 意見 … です か きたん|||いけん||

何 か ? なん|

確かに 我が 軍 は 実に 見事 な 勝利 を 収め まし た たしかに|わが|ぐん||じつに|みごと||しょうり||おさめ||

今や 世界 の 誰 も が 我が国 の 雄姿 に 瞠目 ( どう もく ) する しか ない でしょ う いまや|せかい||だれ|||わがくに||ゆうし||どうもく|||||||

帝国 の 勝利 と 栄光 も ていこく||しょうり||えいこう|

この 瞬間 だけ は 本物 な の かも しれ ませ ん |しゅんかん|||ほんもの||||||

この 瞬間 ? |しゅんかん

( ターニャ ) 勝利 … それ は 何とも 魅惑 的 で あり ます |しょうり|||なんとも|みわく|てき|||

誰 も が その 美 酒 を 口 に し たい と 思う の は 当然 です だれ||||び|さけ||くち|||||おもう|||とうぜん|

しかし なぜ 参謀 本部 は ||さんぼう|ほんぶ|

その 勝利 を 活用 なさら ない の でしょ う ? |しょうり||かつよう|||||

( ヴァイス ) 少佐 殿 が 参謀 本部 に ? |しょうさ|しんがり||さんぼう|ほんぶ|

( ヴィー シャ ) あの 様子 だ と |||ようす||

もしかしたら どなり 込 ん でる の かも … ||こみ||||

( ヴァイス ) まあ 心配 は 要 らん だ ろ う ||しんぱい||かなめ||||

( ヴィー シャ ) でも いつも と 明らか に … |||||あきらか|

( グランツ ) 大丈夫 です よ |だいじょうぶ||

( グランツ ) 少佐 殿 が ルール 違反 を 犯す なんて 考え られ ませ ん |しょうさ|しんがり||るーる|いはん||おかす||かんがえ|||

( ノイマン ) どうせ 今頃 は 晩さん 室 で ワイン でも ― ||いまごろ||ばんさん|しつ||わいん|

… って それ は 無理 か あ |||むり||

( ケーニッヒ ) 誰 か 塗り 薬 持って ない か ? |だれ||ぬり|くすり|もって||

( ケーニッヒ ) 日焼け し すぎ た ( グランツ ) ああ 確か ― |ひやけ||||||たしか

タイヤ ネン 准尉 の 持ち物 に あり まし た よ たいや||じゅんい||もちもの|||||

( ヴィー シャ ) ハァ …

ん …

勝利 を 活用 し ない ? しょうり||かつよう||

失礼 ながら 我ら が 参謀 本部 は 勝利 の しかた を 知って い て も しつれい||われら||さんぼう|ほんぶ||しょうり||||しって|||

勝利 の 使い 方 は ご 存じ ない よう に 思わ れ まし た ので しょうり||つかい|かた|||ぞんじ||||おもわ||||

どういう 意味 だ ね ? |いみ||

参謀 本部 の 皆様 は 今 さんぼう|ほんぶ||みなさま||いま

勝利 の 美 酒 に 酔いしれ て おら れる そう です ね しょうり||び|さけ||よいしれ||||||

もちろん 前 戦 で 義務 を 十全 に 果たし た 将兵 たち に は ― |ぜん|いくさ||ぎむ||じゅうぜん||はたし||しょうへい|||

ひととき の 享 楽 を 謳歌 ( おう か ) する 権利 も あり ま しょ う ||あきら|がく||おうか||||けんり|||||

しかし 戦争 指導 に 当たる べき 上級 将校 まで も が ― |せんそう|しどう||あたる||じょうきゅう|しょうこう|||

無邪気 に 勝利 に 沸き返って いる の で あれ ば ― むじゃき||しょうり||わきかえって|||||

それ は 怠 惰 で あり 失策 ||おこた|だ|||しっさく

犯罪 的 な 無為 無策 と 言う ほか あり ませ ん はんざい|てき||ぶい|むさく||いう||||

少佐 その ぐらい に し て おけ さすが に 言葉 が 過ぎる しょうさ|||||||||ことば||すぎる

忌憚 の ない 意見 を と おっしゃら れ た の は きたん|||いけん|||||||

中佐 殿 で あり ます が ? ちゅうさ|しんがり||||

いくら 軍 神 マルス に 愛さ れ て いる と は いえ ― |ぐん|かみ|||あいさ||||||

さすが に ごう 慢 だ ろ う |||まん|||

お 言葉 です が 神 に 愛さ れ て いる など と は 微塵 ( みじん ) も … |ことば|||かみ||あいさ|||||||みじん||

( レル ゲン ) 貴 官 は 卓越 し た 先見 性 と 判断 力 を 有 し た ― ||とうと|かん||たくえつ|||せんけん|せい||はんだん|ちから||ゆう||

類い まれ なる 将校 だ が たぐい|||しょうこう||

やはり 人間 の 本性 は 変わら ない と いう わけ か |にんげん||ほんしょう||かわら|||||

貴 官 の 抗 命 未遂 に つい て 西方 方面 軍 より 抗議 が あった そう だ とうと|かん||こう|いのち|みすい||||せいほう|ほうめん|ぐん||こうぎ||||

小 官 は 与え られ た 権限 内 で の 行動 を とろ う と し た まで です しょう|かん||あたえ|||けんげん|うち|||こうどう||||||||

( レル ゲン ) 規律 違反 を 犯す よう な 軍人 で ない こと は 分かって いる ||きりつ|いはん||おかす|||ぐんじん|||||わかって|

と は 言え 参謀 本部 より 貴 官 に 与え られ た 権限 は ||いえ|さんぼう|ほんぶ||とうと|かん||あたえ|||けんげん|

現場 で の 摩擦 を 生む ため の もの で は ない げんば|||まさつ||うむ||||||

武 勲 を 誇る の は 結構 だ が ― ぶ|いさお||ほこる|||けっこう||

1 人 で 打ち立て た と 思って もらって は 困る じん||うちたて|||おもって|||こまる

共和 国 は 首都 を 制圧 さ れ た の だ きょうわ|くに||しゅと||せいあつ|||||

これ 以上 の 交戦 は 無意味 有害 で すら ある |いじょう||こうせん||むいみ|ゆうがい|||

この先 も 戦争 を 続けよ う と する 理由 が どこ に ある ? このさき||せんそう||つづけよ||||りゆう||||

近代 国家 に おい て 軍 と は 国家 の 暴力 装置 だ きんだい|こっか||||ぐん|||こっか||ぼうりょく|そうち|

国家 自体 を 犠牲 に し て まで 戦い 続ける など ― こっか|じたい||ぎせい|||||たたかい|つづける|

狂気 の 沙汰 と しか 言え まい きょうき||さた|||いえ|

いかにも その とおり です

で あれ ば 何故 貴 官 は 戦争 が 続く と の 主張 を ? |||なぜ|とうと|かん||せんそう||つづく|||しゅちょう|

せ ん 越 ながら 申し上げ ます に ― ||こ||もうしあげ||

ゼートゥーア 閣下 や ルーデルドルフ 閣下 は ― |かっか|||かっか|

政治 と 軍事 に 優れ た 合理 的 な プラグマティスト せいじ||ぐんじ||すぐれ||ごうり|てき||

偉大 なる 軍人 です いだい||ぐんじん|

この 点 中佐 殿 も 同類 で あら れる |てん|ちゅうさ|しんがり||どうるい|||

論理 と 知識 の 牙城 ― ろんり||ちしき||がじょう

それ が 我が 帝国 の 参謀 本部 で あり ます ||わが|ていこく||さんぼう|ほんぶ|||

その ため に 誰 も が 合理 的 な 考え の 下 ― |||だれ|||ごうり|てき||かんがえ||した

戦争 の 終結 を 信じ て おら れる せんそう||しゅうけつ||しんじ|||

しかし … それ は 不完全 な 合理 性 と 言わ ざる を え ませ ん |||ふかんぜん||ごうり|せい||いわ|||||

不完全 な … 合理 性 ? ふかんぜん||ごうり|せい

( ターニャ ) 参謀 本部 の 皆様 は あまりに 合理 的 すぎる の です |さんぼう|ほんぶ||みなさま|||ごうり|てき|||

故に 完全 に 見落とし て おら れる の です ゆえに|かんぜん||みおとし|||||

人間 と いう 存在 が 合理 性 だけ で は 動か ない ― にんげん|||そんざい||ごうり|せい||||うごか|

愚か な 生き物 で ある と いう こと を おろか||いきもの||||||

貴 官 は 我々 人類 が ― とうと|かん||われわれ|じんるい|

いまだ 理性 を 欠 い た 獣 だ と でも 言い たい の か ね |りせい||けつ|||けだもの||||いい||||

( ターニャ ) 語弊 を 恐れ ず に 申し上げる なら ば ― |ごへい||おそれ|||もうしあげる||

まったく もって その とおり か と

( レル ゲン ) 何 を 根拠 に そう 言い 切れる ! ||なん||こんきょ|||いい|きれる

( ターニャ ) 歴史 で あり ます |れきし|||

と 言って も 私 自身 の 歴史 |いって||わたくし|じしん||れきし

個人 的 な 経験 で は あり ます が こじん|てき||けいけん|||||

聞か せ て もら お う きか|||||

( ターニャ ) 私 は 見 て き まし た |わたくし||み||||

憎しみ に とらわれ た 燃える よう な 人々 の 目 を にくしみ||||もえる|||ひとびと||め|

優秀 な 部下 が 怒り に 身 を 任せ 冷静 さ を 失った 瞬間 を ゆうしゅう||ぶか||いかり||み||まかせ|れいせい|||うしなった|しゅんかん|

憎悪 のみ に 突き動かさ れる ― ぞうお|||つきうごかさ|

復讐 ( ふく しゅう ) の 連鎖 を ふくしゅう||||れんさ|

そして 小 官 は 気づ い た の です |しょう|かん||きづ||||

いや … 気づ い た と 言う より ― |きづ||||いう|

思い出し た と 言う べき かも しれ ませ ん おもいだし|||いう|||||

私 は 以前 合理 主義 に 対 する 狂気 的 な 反発 を ー わたくし||いぜん|ごうり|しゅぎ||たい||きょうき|てき||はんぱつ||-

身をもって 経験 し まし た みをもって|けいけん|||

いかに 近代 化 が 進 も う と も ― |きんだい|か||すすむ||||

いかに 社会 規範 が 浸透 しよ う と も ― |しゃかい|きはん||しんとう||||

人間 は 時として 合理 性 より も ― にんげん||ときとして|ごうり|せい||

感情 を 優先 する 愚か な 存在 で ある と いう こと を かんじょう||ゆうせん||おろか||そんざい||||||

憎悪 に とらわれ た 人間 は ぞうお||||にんげん|

打算 も 合理 性 も 損得 さえ 抜き に どこまでも 抗 い 続け ます ださん||ごうり|せい||そんとく||ぬき|||こう||つづけ|

だからこそ 小 官 は 申し上げ ず に は い られ ない の です |しょう|かん||もうしあげ||||||||

我々 は かりそめ の 勝利 に なぞ 酔いしれる べき で は ない われわれ||||しょうり|||よいしれる||||

憎悪 の 火 は 全て 消し去ら ね ば なら ない と ぞうお||ひ||すべて|けしさら|||||

( ノック )

( 将校 ) し … 失礼 し ます しょうこう||しつれい||

( 将校 ) まだ 調査 中 の 情報 で は あり ます が ― しょうこう||ちょうさ|なか||じょうほう|||||

南方 大陸 で 共和 国 軍 残党 に 動き が … なんぽう|たいりく||きょうわ|くに|ぐん|ざんとう||うごき|

( ド ・ ルーゴ ) 私 は 自由 を 愛 する ― ||わたくし||じゆう||あい|

共和 国 市民 と して ― きょうわ|くに|しみん||

誇り ある 共和 国 市民 と して 誓う ! ほこり||きょうわ|くに|しみん|||ちかう

( ド ・ ルーゴ ) 勝利 の 日 まで 決して 武器 は 下ろさ ぬ と ! ||しょうり||ひ||けっして|ぶき||おろさ||

我が 戦友 諸君 も その 力 を 貸し て くれよ う と して いる ! わが|せんゆう|しょくん|||ちから||かし||||||

我々 に 世界 の 命運 が 懸かって いる の だ ! われわれ||せかい||めいうん||かかって|||

よって 私 は 今 |わたくし||いま

祖国 を 代表 する 自由 共和 国 の 一員 と して そこく||だいひょう||じゆう|きょうわ|くに||いちいん||

帝国 へ の 徹底 抗戦 を ― ていこく|||てってい|こうせん|

ここ に 宣言 する ! ||せんげん|

( 共和 国 兵士 たち の 歓声 ) きょうわ|くに|へいし|||かんせい

( 男性 ) 共和 国 は 落ち た ん じゃ なかった の か ? だんせい|きょうわ|くに||おち||||||

( 男性 ) クソッ 軍 の ヤツ ら は 何 やって ん だ ! だんせい||ぐん||やつ|||なん|||

( 女性 ) ヨハン もう ずっと 連絡 が ない の じょせい||||れんらく|||

( 女性 ) まだ 戦争 は 続く の かしら … じょせい||せんそう||つづく||

( ラジオ 音声 ) 帝国 陸軍 発表 午後 3 時 の 戦局 情報 です らじお|おんせい|ていこく|りくぐん|はっぴょう|ごご|じ||せんきょく|じょうほう|

( 男性 ) 早く 南方 大陸 攻めろ よ だんせい|はやく|なんぽう|たいりく|せめろ|

( 男性 ) 早く 南方 大陸 攻めろ よ だんせい|はやく|なんぽう|たいりく|せめろ|

( ラジオ 音声 ) ド ・ ルーゴ 将軍 率いる 共和 国 軍 の 残党 は ― らじお|おんせい|||しょうぐん|ひきいる|きょうわ|くに|ぐん||ざんとう|

( ラジオ 音声 ) ド ・ ルーゴ 将軍 率いる 共和 国 軍 の 残党 は ― らじお|おんせい|||しょうぐん|ひきいる|きょうわ|くに|ぐん||ざんとう|

( 男性 ) これほど 長期 化 し て いい の か ? だんせい||ちょうき|か|||||

( ラジオ 音声 ) ド ・ ルーゴ 将軍 率いる 共和 国 軍 の 残党 は ― らじお|おんせい|||しょうぐん|ひきいる|きょうわ|くに|ぐん||ざんとう|

( 男性 ) これほど 長期 化 し て いい の か ? だんせい||ちょうき|か|||||

逃亡 先 の 南方 大陸 にて 自由 共和 国 を 称し ― とうぼう|さき||なんぽう|たいりく||じゆう|きょうわ|くに||そやし

( 男性 ) これほど 長期 化 し て いい の か ? だんせい||ちょうき|か|||||

逃亡 先 の 南方 大陸 にて 自由 共和 国 を 称し ― とうぼう|さき||なんぽう|たいりく||じゆう|きょうわ|くに||そやし

我が 帝国 軍 に 対 する 徹底 抗戦 を 宣言 し まし た わが|ていこく|ぐん||たい||てってい|こうせん||せんげん|||

( グランツ ) フゥ …

一体 いつまで こんな こと が 続く ん でしょ う か いったい|||||つづく||||

次 の クリスマス まで に は 戦争 も 終わる つぎ||くりすます||||せんそう||おわる

そう 聞い て い た のに な |ききい|||||

結局 休み も ほとんど なし けっきょく|やすみ|||

また いつも の 最 前線 で |||さい|ぜんせん|

泥 だらけ に なって 冷め た ご はん か あ … どろ||||さめ|||||

( ヴィー シャ たち ) ハァ …

( ヴァイス ) “ 至難 の 戦場 ” |しなん||せんじょう

“ わずか な 報酬 剣 林 弾 雨 ( けん りん だ ん う ) の 日々 ” ||ほうしゅう|けん|りん|たま|あめ|||||||ひび

“ 絶え ざる 危険 ” たえ||きけん

“ 生還 の 暁 に は 名誉 と 称賛 を 得る ” せいかん||あかつき|||めいよ||しょうさん||える

大隊 の 募集 要項 です か ? だいたい||ぼしゅう|ようこう||

ああ 最後 の 文句 以外 は 真実 だった な |さいご||もんく|いがい||しんじつ||

( ルーデルドルフ ) 浮か ない 顔 だ な |うか||かお||

まだ 久しぶり の 酒 が 抜け て ない の か ? |ひさしぶり||さけ||ぬけ||||

自由 共和 国 軍 と やら は 着々 と 戦力 を 拡大 中 だ そう だ じゆう|きょうわ|くに|ぐん||||ちゃくちゃく||せんりょく||かくだい|なか|||

協商 連合 の 生き残り や 連合 王国 も 合流 し 始め た らしい きょうしょう|れんごう||いきのこり||れんごう|おうこく||ごうりゅう||はじめ||

本土 で 進 ん で い た 講和 の 件 が 白紙 撤回 さ れる の も 当然 だ な ほんど||すすむ|||||こうわ||けん||はくし|てっかい|||||とうぜん||

ぐ …

( ゼートゥーア ) 結局 の ところ ― |けっきょく||

敵 を 倒し きれ なかった こと が 問題 で あ ろ う てき||たおし|||||もんだい||||

こう なった 以上 南方 に 派兵 する しか ある まい ||いじょう|なんぽう||はへい||||

( ゼートゥーア ) 我々 は 陸軍 国家 だ |われわれ||りくぐん|こっか|

海 を 渡った 外 征 は 戦力 基盤 に 相当 な 負荷 を 及ぼす うみ||わたった|がい|すすむ||せんりょく|きばん||そうとう||ふか||およぼす

規模 は 最小 限 に とどめ ね ば なら ん ぞ きぼ||さいしょう|げん|||||||

少数 精鋭 か で は 例の 大隊 に 出 て もら お う しょうすう|せいえい||||れいの|だいたい||だ||||

( ゼートゥーア ) ああ そう だ な …

( ルーデルドルフ ) ん ? 何 だ ? ||なん|

( ゼートゥーア ) いや … 何も ない はず だ ||なにも|||

我々 の 仲 だ 何 が 言い たい われわれ||なか||なん||いい|

( ゼートゥーア ) 我々 は 何 か を 間違って い ない だ ろ う か |われわれ||なん|||まちがって||||||

( ルーデルドルフ ) ん ?

( ゼートゥーア ) 南方 作戦 とて ― |なんぽう|さくせん|

これ 以上 の 参 戦国 が 増え ない こと を 前提 に し た 計画 だ |いじょう||さん|せんごく||ふえ||||ぜんてい||||けいかく|

もし 仮に 更 なる 国 が 戦争 に 参加 する と なる と … |かりに|こう||くに||せんそう||さんか||||

う っ …

( ターニャ ) 戦火 の 絶え ない 呪わ れ た 世界 で ― |せんか||たえ||のろわ|||せかい|

その 国 は “ 帝国 ” と 呼ば れ て い た |くに||ていこく||よば||||

帝国 は 絶大 な 軍事 力 ― ていこく||ぜつだい||ぐんじ|ちから

卓越 し た 戦術 と 優れ た 機動 力 に より ― たくえつ|||せんじゅつ||すぐれ||きどう|ちから||

ダキア 公 国 協商 連合 共和 国 を 圧倒 |おおやけ|くに|きょうしょう|れんごう|きょうわ|くに||あっとう

安全 保障 上 の 脅威 を 次々 に 退け 誰 も が 随喜 ( ず いき ) し た あんぜん|ほしょう|うえ||きょうい||つぎつぎ||しりぞけ|だれ|||ずいき||||

だが それゆえ 彼ら は 想像 し え なかった ||かれら||そうぞう|||

帝国 が 強大 無比 な 覇権 を 大陸 中央 に 確立 する と いう 事実 ― ていこく||きょうだい|むひ||はけん||たいりく|ちゅうおう||かくりつ||||じじつ

その こと に 対 する 周辺 諸国 の 根本 的 な 恐怖 を … |||たい||しゅうへん|しょこく||こんぽん|てき||きょうふ|

( 将校 ) いやはや 信じ られ ん な ( 将校 ) まったく … 往生 際 の 悪い しょうこう||しんじ||||しょうこう||おうじょう|さい||わるい

( ターニャ ) 帝国 は 自ら が 握った 剣 の 鋭 さ を 誇示 する あまり ― |ていこく||おのずから||にぎった|けん||するど|||こじ||

その 剣 に 対 する 恐怖 を 想像 し え ない で い た の だ |けん||たい||きょうふ||そうぞう||||||||

無論 誰 も が 平和 を 願って いる むろん|だれ|||へいわ||ねがって|

そう あれ か し と …

そえ ゆえ 皆 平和 を 守る ため に 銃 を 取り ― ||みな|へいわ||まもる|||じゅう||とり

平和 を 願って 戦い に 身 を 投じる へいわ||ねがって|たたかい||み||とうじる

( 人々 の 歓声 ) ひとびと||かんせい

( ターニャ ) 過酷 な 戦争 を 終わら せる べく ― |かこく||せんそう||おわら||

帝国 以外 の 誰 も が 願って い た ていこく|いがい||だれ|||ねがって||

帝国 と いう 邪悪 な 敵 が この 地 より 撃 滅 さ れ ん こと を ていこく|||じゃあく||てき|||ち||う|めつ|||||

かくして 何たる 矛盾 だ ろ う か |なんたる|むじゅん||||

皮肉 な こと に 平和 へ の 願い に よって ― ひにく||||へいわ|||ねがい||

戦争 は 鎮まる どころ か 激化 の 一途 を たどって いく せんそう||しずまる|||げきか||いっと|||

( 徴兵 担当 官 ) 確かに 合衆国 軍 は 現在 ちょうへい|たんとう|かん|たしかに|がっしゅうこく|ぐん||げんざい

友好 国 に 派遣 さ れる 義 勇 派兵 部隊 の 志願 を 募って い ます が … ゆうこう|くに||はけん|||ただし|いさみ|はへい|ぶたい||しがん||つのって|||

メアリー ・ スー さん あなた は 志願 できる 最低 年齢 です |||||しがん||さいてい|ねんれい|

もっと じっくり 考え て から 決断 を し て も 遅く は … ||かんがえ|||けつだん|||||おそく|

( メアリー ) いえ 志願 し ます ||しがん||

心意気 は 大変 うれしく 思い ます が ― こころいき||たいへん||おもい||

戦場 に 出 れ ば ケガ を する かも しれ ませ ん し ― せんじょう||だ|||けが|||||||

命 を 落とす こと だって … いのち||おとす||

覚悟 は でき て い ます かくご|||||

( 徴兵 担当 官 ) お 母 様 … ちょうへい|たんとう|かん||はは|さま

それ に 亡くなら れ た お 父 様 も きっと ||なくなら||||ちち|さま||

あなた が 平和 な 地 で 過ごさ れる こと を ||へいわ||ち||すごさ|||

願って おら れる はず です よ ねがって|||||

それ は 分かって い ます ||わかって||

でも だ から こそ

私 は 自分 の できる こと を し たい の です わたくし||じぶん||||||||

その 平和 を 守る ため に ! |へいわ||まもる||

( 徴兵 担当 官 ) 決意 は 変わら ない よう です ね ちょうへい|たんとう|かん|けつい||かわら||||

分かり まし た で は 志願 に 際 し 宣誓 を ! わかり|||||しがん||さい||せんせい|

宣誓 ! 私 は 守る べき 平和 の ため ― せんせい|わたくし||まもる||へいわ||

何より 大切 な 家族 の ため なにより|たいせつ||かぞく||

力 の 全て を 費やし ます ! ちから||すべて||ついやし|

もう 二 度 と 帝国 に よって 家族 を 失う 悲しみ が ― |ふた|たび||ていこく|||かぞく||うしなう|かなしみ|

繰り返さ れ ない 世界 を つくる ため に ! くりかえさ|||せかい||||

そして … 神 の 正義 を なす ため に ! |かみ||せいぎ||||

主 を 信じる 善良 なる 心 に 誓って おも||しんじる|ぜんりょう||こころ||ちかって

神 の ご 加護 が あら ん こと を ! かみ|||かご|||||

♪~

~♪

( ヴァイス ) 総員 傾注 ! |そういん|けいちゅう

大 隊長 より 訓示 ! だい|たいちょう||くんじ

諸君 やれ 停戦 だ 出撃 だ と まったく 上 も 勝手 な もの だ な しょくん||ていせん||しゅつげき||||うえ||かって||||

だが 仕事 で ある 以上 は やむ を えん |しごと|||いじょう||||

命令 に 従い 敵 を たたき 潰さ ね ば なる まい めいれい||したがい|てき|||つぶさ||||

と は 言え 今や 世界 の 全て が 我々 の 敵 だ ||いえ|いまや|せかい||すべて||われわれ||てき|

過酷 な 戦闘 は 避け られよ う も なく 泥沼 の 戦い に 終わり は 見え ない かこく||せんとう||さけ|||||どろぬま||たたかい||おわり||みえ|

だからこそ 諸君 ら に は 改めて 伝え て おき たい |しょくん||||あらためて|つたえ|||

この世 を つかさどる 神 が いる と すれ ば このよ|||かみ|||||

どこまでも 厳格 で 限りなく 善良 |げんかく||かぎりなく|ぜんりょう

あまり に も 偉大 な 存在 で あ ろ う |||いだい||そんざい||||

神 と やら は 非情 な 運命 ばかり を 突きつけ て くる かみ||||ひじょう||うんめい|||つきつけ||

それ が 世界 に 課 せ られ た ルール の よう だ ||せかい||か||||るーる|||

( 将校 ) 派遣 でき た の は たった の 2 個 師団 と 支援 部 隊 のみ しょうこう|はけん|||||||こ|しだん||しえん|ぶ|たい|

( 将校 ) 共和 国 の 現地 警備 隊 で すら 対抗 可能 な 数 です しょうこう|きょうわ|くに||げんち|けいび|たい|||たいこう|かのう||すう|

( 将校 ) ここ に 同盟 国 の 派兵 も 加わる と なる と … しょうこう|||どうめい|くに||はへい||くわわる|||

( ゼートゥーア ) 現場 へ の 指示 は ? |げんば|||しじ|

既に 通達 済み だ すでに|つうたつ|すみ|

我が 軍 は 到着 と 同時に 徹底 し た 機動 戦 を 展開 わが|ぐん||とうちゃく||どうじに|てってい|||きどう|いくさ||てんかい

分散 進撃 し て くる 敵 を 各 個 撃破 する 計画 です ぶんさん|しんげき||||てき||かく|こ|げきは||けいかく|

その 先鋒 ( せ ん ぽ う ) と なる の が |せんぽう||||||||

デグレチャフ 少佐 の 率いる 二〇三 大隊 |しょうさ||ひきいる|ふた|みっ|だいたい

( 将校 ) しかし あの 少佐 とて この 程度 の 戦力 で は … しょうこう|||しょうさ|||ていど||せんりょく||

確かに ご もっとも な 意見 だ と 思い ます たしかに||||いけん|||おもい|

( ターニャ ) そこ で だ 私 は 今 ここ に 改めて 宣言 する ||||わたくし||いま|||あらためて|せんげん|

おお 神 よ ! |かみ|

貴 様 を 切り 刻 ん で 豚 の エサ に でも して やる と ! とうと|さま||きり|きざ|||ぶた||えさ|||||

( 隊員 たち の どよめき ) たいいん|||

ですが 何一つ … 何一つ と して 心配 は ご 無用 でしょ う |なにひとつ|なにひとつ|||しんぱい|||むよう||

クソッ タレ の 神 に 我ら が 戦場 は 不似合い だ ! |たれ||かみ||われら||せんじょう||ふにあい|

今 こそ 神 の 仕事 を 肩代わり して やろ う で は ない か ! いま||かみ||しごと||かたがわり|||||||

我ら 将兵 の ある うち は 我々 が 神 に 取って代わる の だ ! われら|しょうへい|||||われわれ||かみ||とってかわる||

ごう 慢 な 神 と や ら を 失業 さ せ て やれ ! |まん||かみ|||||しつぎょう||||

( 隊員 たち ) は っ ! たいいん|||

( レル ゲン ) せ ん 越 ながら 申し上げ ます と ― ||||こ||もうしあげ||

あれ は 幼女 の 皮 を かぶった ― ||ようじょ||かわ||

化 物 です ! か|ぶつ|

では 戦友 諸君 … |せんゆう|しょくん

戦争 の 時間 だ ! せんそう||じかん|