×

Nous utilisons des cookies pour rendre LingQ meilleur. En visitant le site vous acceptez nos Politique des cookies.


image

世界の昔話, 雪の女王

雪 の 女王

雪 の 女王

むかし むかし 、 悪魔 ( あくま ) が カガミ を つくり ました 。 美しい もの は みにくく 、 まっすぐな もの は よじれて 見える カガミ です 。 「 よし よし 、 いい もの が できた ぞ 」 天使 ( てんし ) を からかい たく なった 悪魔 は 、 この カガミ を 持って 天 へ 向かい ました 。 ところが 途中 で 、 悪魔 は カガミ を 落として しまった のです 。 カガミ は くだけて ちらばり 、 その かけら の 一 つ が 、 大きな 町 に 住んで いる カイ と いう 男の子 の 目 に 入り ました 。 ちょうど 、 と なり の 家 の 仲よし の 女の子 ゲルダ と 屋根 の 上 で 絵本 を 見て いる とき でした 。 カガミ の かけら が 目 に ささった カイ は 、 ずっと 仲よし だった ゲルダ を にらみ つけて い い ます 。 「 おまえ なんか 、 大きらいだ ! 」 カイ は そういう と 、 走って いって 雪 の 女王 に 会い ました 。 「 おい で 。 おまえ を 待って いた んだ よ 」 女王 は カイ を そり に 乗せる と 、 北 の 国 めがけて 走って いき ました 。 ゲルダ は 力 イ が 帰って くる の を 待ち ました が 、 いつまで 待って も 、 カイ は 戻って き ませ ん 。 「 カイ ちゃん を さがし に いこう 」 ゲルダ は 決心 する と 、 人びと に カイ の 居場所 を たずね ました 。 「 ああ 、 カイ は 雪 の 女王 と いっしょに いった よ 」 「 雪 の 女王 ? その 人 は 、 どこ に いる の ? 」 「 ずっ ー と 北 の 、 世界 の 北 の 果て さ 」 ゲルダ は 、 雪 の 女王 の いる 世界 の 北 の 果て を めざして 、 ドンドン 歩いて いき ました 。 そして ようやく 、 雪 の 女王 の すんで いる お 城 に たどり着き ました 。 「 カイ ちゃん は 、 どこ に いる のだろう 」 ゲルダ が 城 の まわり を ウロウロ して いる と 、 一 羽 の カラス が やってきて い い ました 。 「 その 子 なら 、 王女 さま と 結婚 して 王子 さま に なって いる よ 。 つれて いって あげる よ 」 ゲルダ が カラス と 一緒に お 城 に 入って いく と 、 ご殿 の 奥 で 眠って いる 王子 が い ました 。 「 ああ 、 カイ ちゃん 」 ゲルダ が よぶ と 、 王子 は 目 を さまし ました 。 よく 似て は いる けれど 、 目 を あけた 王子 は カイ で は あり ませ ん 。 ゲルダ の 話 を 聞いた 王子 は 、 馬車 ( ばしゃ ) を 用意 して くれ ました 。 する と 、 馬車 で 進んで いく ゲルダ を 、 突然 山賊 ( さんぞく ) が おそい ました 。 「 金 を 出せ ! 」 山賊 は 、 ゲルダ を しばり あげ ました 。 「 放して お やり 」 ゲルダ の ロープ を 切った の は 、 山賊 の 娘 です 。 ゲルダ は 山賊 の 娘 に カイ の 話 を する と 、 こう いわ れ ました 。 「 北 の 女 の 家 に いって ごらん 」 娘 は ゲルダ を トナ 力 イ に 乗せて 、 北 の 女 の 家 に いき ました 。 「 雪 の 女王 の ご殿 に は 、 男の子 が ひと り いる 。 でも 、 その 子 は 、 なにもかも を 忘れて しまって いる のだ 。 だから その 子 が カイ だ と して も 、 あんた が だれ か わから ない だろう よ 。 それ でも いく の かい ? 」 北 の 家 の 女 の 言葉 に 、 ゲルダ は きっぱり と 答え ます 。 「 いき ます 。 大好きな 力 イ ちゃん に 会い に いく わ 」 カイ は 、 雪 の 女王 の ご殿 に い ました 。 「 ぼく は どうした の だろう 。 仲よし の 友だち が いた はずな のに 、 その 子 の 名 まえ も 思い出せ ない 」 つぶやく カイ に 、 女王 が いい ました 。 「 おまえ の 心 は 凍った のだ 。 ずっと 、 雪 の ご殿 に いる ほか ない の さ 」 ゲルダ は 、 やっと の こと で 雪 の ご殿 に 着いて 、 カイ を 見つけ ました 。 「 ああ 、 力 イ ちゃん 、 とうとう 見つけた わ 。 会い たかった 」 ゲルダ は 力 イ に とびつき ます 。 「 きみ は 、 だれ な の ? 」 たずねる 力 イ を 、 ゲルダ は ゆさぶり ました 。 「 ゲルダ よ 。 力 イ ちゃん の 仲よし の ゲルダ よ 」 ゲルダ の 目 から 涙 が あふれて 、 カイ の まぶた を ぬらし ます 。 する と その 涙 が 、 力 イ の 目 から 、 悪魔 の カガミ の かけら を 洗い 落とした のです 。 「 ああ 、 ゲルダ 。 ぼく は ここ で 、 なに を して いた んだろう 」 ふた り は 手 を つないで 、 雪 の ご殿 から 出て いき ました 。 「 あんた の 仲よし を 見つけた の ね 」 ゲルダ と カイ を 乗せた トナカイ に 、 手 を ふった の は 山賊 の 娘 です 。 「 もう 二度と 、 離ればなれに なって は いけない よ 。 ゲルダ ほど 、 あんた を 大切に 思って いる 子 は い ない んだ から 」 娘 は カイ に いい ました 。 「 わかった 。 ぼく は ずっと ゲルダ の そば に いる 」 カイ と ゲルダ は 、 自分 たち の 家 に 帰る まで 、 ずっと 手 を にぎりしめて い ました 。

おしまい


雪 の 女王 ゆき||じょおう Snow Queen

雪 の 女王 ゆき||じょおう The snow queen

むかし むかし 、 悪魔 ( あくま ) が カガミ を つくり ました 。 ||あくま|||||| Once upon a time, the devil (Akuma) made a kagami. 美しい もの は みにくく 、 まっすぐな もの は よじれて 見える カガミ です 。 うつくしい||||||||みえる|| Beautiful things are hard to see, and straight things are kinked. 「 よし よし 、 いい もの が できた ぞ 」   天使 ( てんし ) を からかい たく なった 悪魔 は 、 この カガミ を 持って 天 へ 向かい ました 。 |||||||てんし||||||あくま|||||もって|てん||むかい| "Okay, I've made something good." The devil, who wanted to make fun of the angel, took this Kagami and headed to heaven. ところが 途中 で 、 悪魔 は カガミ を 落として しまった のです 。 |とちゅう||あくま||||おとして|| However, on the way, the devil dropped the Kagami. カガミ は くだけて ちらばり 、 その かけら の 一 つ が 、 大きな 町 に 住んで いる カイ と いう 男の子 の 目 に 入り ました 。 |||||||ひと|||おおきな|まち||すんで|||||おとこのこ||め||はいり| Kagami was just a glimpse, and one of the pieces caught the eye of a boy named Kai, who lives in a big town. ちょうど 、 と なり の 家 の 仲よし の 女の子 ゲルダ と 屋根 の 上 で 絵本 を 見て いる とき でした 。 ||||いえ||なかよし||おんなのこ|||やね||うえ||えほん||みて||| It was just when I was looking at a picture book on the roof with Gerda, a good friend of my friend's house. カガミ の かけら が 目 に ささった カイ は 、 ずっと 仲よし だった ゲルダ を にらみ つけて い い ます 。 ||||め||||||なかよし|||||||| Kai, with a piece of Kagami in his eyes, is glaring at Gerda, who has always been a good friend. 「 おまえ なんか 、 大きらいだ ! ||だいきらいだ "You're big! 」   カイ は そういう と 、 走って いって 雪 の 女王 に 会い ました 。 ||||はしって||ゆき||じょおう||あい| Kai then ran and met the Snow Queen. 「 おい で 。 " come . おまえ を 待って いた んだ よ 」   女王 は カイ を そり に 乗せる と 、 北 の 国 めがけて 走って いき ました 。 ||まって||||じょおう||||||のせる||きた||くに||はしって|| I was waiting for you. ”The Queen put Kai on a sleigh and ran towards the northern country. ゲルダ は 力 イ が 帰って くる の を 待ち ました が 、 いつまで 待って も 、 カイ は 戻って き ませ ん 。 ||ちから|||かえって||||まち||||まって||||もどって||| Gerda waited for the power to come back, but no matter how long he waited, Kai wouldn't come back. 「 カイ ちゃん を さがし に いこう 」   ゲルダ は 決心 する と 、 人びと に カイ の 居場所 を たずね ました 。 ||||||||けっしん|||ひとびと||||いばしょ||| "Let's go find Kai-chan." Gerda decided and asked people where Kai was. 「 ああ 、 カイ は 雪 の 女王 と いっしょに いった よ 」 「 雪 の 女王 ? |||ゆき||じょおう|||||ゆき||じょおう "Oh, Kai went with the Snow Queen." "Snow Queen? その 人 は 、 どこ に いる の ? |じん||||| Where is that person? 」 「 ずっ ー と 北 の 、 世界 の 北 の 果て さ 」   ゲルダ は 、 雪 の 女王 の いる 世界 の 北 の 果て を めざして 、 ドンドン 歩いて いき ました 。 |-||きた||せかい||きた||はて||||ゆき||じょおう|||せかい||きた||はて|||どんどん|あるいて|| "All the way to the north, the northern end of the world." Gerda walked steadily toward the northern end of the world, where the Snow Queen is. そして ようやく 、 雪 の 女王 の すんで いる お 城 に たどり着き ました 。 ||ゆき||じょおう|||||しろ||たどりつき| Finally, I arrived at the castle where the Snow Queen lived. 「 カイ ちゃん は 、 どこ に いる のだろう 」   ゲルダ が 城 の まわり を ウロウロ して いる と 、 一 羽 の カラス が やってきて い い ました 。 |||||||||しろ||||うろうろ||||ひと|はね||からす||||| "Where is Kai-chan?" As Gerda was wandering around the castle, a crow was coming. 「 その 子 なら 、 王女 さま と 結婚 して 王子 さま に なって いる よ 。 |こ||おうじょ|||けっこん||おうじ||||| "If you're that child, you're married to a princess and you're a prince. つれて いって あげる よ 」   ゲルダ が カラス と 一緒に お 城 に 入って いく と 、 ご殿 の 奥 で 眠って いる 王子 が い ました 。 ||||||からす||いっしょに||しろ||はいって|||ごてん||おく||ねむって||おうじ||| I'll take you with me. ”As Gerda entered the castle with the crow, there was a prince sleeping in the back of the palace. 「 ああ 、 カイ ちゃん 」   ゲルダ が よぶ と 、 王子 は 目 を さまし ました 。 |||||||おうじ||め||| "Oh, Kai-chan," Gerda called, and the prince woke up. よく 似て は いる けれど 、 目 を あけた 王子 は カイ で は あり ませ ん 。 |にて||||め|||おうじ||||||| It's very similar, but the prince who opened his eyes isn't Kai. ゲルダ の 話 を 聞いた 王子 は 、 馬車 ( ばしゃ ) を 用意 して くれ ました 。 ||はなし||きいた|おうじ||ばしゃ|||ようい||| The prince who heard Gerda's story prepared a carriage. する と 、 馬車 で 進んで いく ゲルダ を 、 突然 山賊 ( さんぞく ) が おそい ました 。 ||ばしゃ||すすんで||||とつぜん|さんぞく|||| Then, a bandit suddenly slowed down Gerda, who was traveling in a horse-drawn carriage. 「 金 を 出せ ! きむ||だせ "Give me money! 」   山賊 は 、 ゲルダ を しばり あげ ました 。 さんぞく|||||| The bandits squeezed Gerda. 「 放して お やり 」   ゲルダ の ロープ を 切った の は 、 山賊 の 娘 です 。 はなして|||||ろーぷ||きった|||さんぞく||むすめ| "Let's go" It was the daughter of a bandit who cut the rope of Gerda. ゲルダ は 山賊 の 娘 に カイ の 話 を する と 、 こう いわ れ ました 。 ||さんぞく||むすめ||||はなし||||||| Gerda told the bandit's daughter about Kai. 「 北 の 女 の 家 に いって ごらん 」   娘 は ゲルダ を トナ 力 イ に 乗せて 、 北 の 女 の 家 に いき ました 。 きた||おんな||いえ||||むすめ|||||ちから|||のせて|きた||おんな||いえ||| "Go to the woman's house in the north." The daughter carried Gerda on the power of Tona and went to the woman's house in the north. 「 雪 の 女王 の ご殿 に は 、 男の子 が ひと り いる 。 ゆき||じょおう||ごてん|||おとこのこ|||| "There is a boy in the Snow Queen's palace. でも 、 その 子 は 、 なにもかも を 忘れて しまって いる のだ 。 ||こ||||わすれて||| But the child has forgotten everything. だから その 子 が カイ だ と して も 、 あんた が だれ か わから ない だろう よ 。 ||こ|||||||||||||| So even if the child is Kai, you won't know who you are. それ でも いく の かい ? Is it still going? 」   北 の 家 の 女 の 言葉 に 、 ゲルダ は きっぱり と 答え ます 。 きた||いえ||おんな||ことば||||||こたえ| Gerda replies flatly to the words of the woman in the northern house. 「 いき ます 。 " To go . 大好きな 力 イ ちゃん に 会い に いく わ 」   カイ は 、 雪 の 女王 の ご殿 に い ました 。 だいすきな|ちから||||あい||||||ゆき||じょおう||ごてん||| I'm going to meet my favorite power, I-chan. ”Kai was at the Snow Queen's palace. 「 ぼく は どうした の だろう 。 "What happened to me? 仲よし の 友だち が いた はずな のに 、 その 子 の 名 まえ も 思い出せ ない 」   つぶやく カイ に 、 女王 が いい ました 。 なかよし||ともだち||||||こ||な|||おもいだせ|||||じょおう||| I should have had a good friend, but I can't even remember the name of the child. " 「 おまえ の 心 は 凍った のだ 。 ||こころ||こおった| "Your heart is frozen. ずっと 、 雪 の ご殿 に いる ほか ない の さ 」   ゲルダ は 、 やっと の こと で 雪 の ご殿 に 着いて 、 カイ を 見つけ ました 。 |ゆき||ごてん|||||||||||||ゆき||ごてん||ついて|||みつけ| I have no choice but to stay in the Snow Palace all the time. ”Gerda finally arrived at the Snow Palace and found Kai. 「 ああ 、 力 イ ちゃん 、 とうとう 見つけた わ 。 |ちから||||みつけた| "Oh, Rikii-chan, I finally found it. 会い たかった 」   ゲルダ は 力 イ に とびつき ます 。 あい||||ちから|||| I wanted to see you. ”Gerda jumps at the force. 「 きみ は 、 だれ な の ? "Who are you? 」   たずねる 力 イ を 、 ゲルダ は ゆさぶり ました 。 |ちから|||||| Gerda shook the power to ask. 「 ゲルダ よ 。 "Gerda. 力 イ ちゃん の 仲よし の ゲルダ よ 」   ゲルダ の 目 から 涙 が あふれて 、 カイ の まぶた を ぬらし ます 。 ちから||||なかよし||||||め||なみだ|||||||| Rikii-chan's good friend Gerda. ”Tears overflow from Gerda's eyes and wet Kai's eyelids. する と その 涙 が 、 力 イ の 目 から 、 悪魔 の カガミ の かけら を 洗い 落とした のです 。 |||なみだ||ちから|||め||あくま||||||あらい|おとした| Then the tears washed away the fragments of the devil's Kagami from his eyes. 「 ああ 、 ゲルダ 。 "Oh, Gerda. ぼく は ここ で 、 なに を して いた んだろう 」   ふた り は 手 を つないで 、 雪 の ご殿 から 出て いき ました 。 ||||||||||||て|||ゆき||ごてん||でて|| What were I doing here? ”They held hands and went out of the snow palace. 「 あんた の 仲よし を 見つけた の ね 」   ゲルダ と カイ を 乗せた トナカイ に 、 手 を ふった の は 山賊 の 娘 です 。 ||なかよし||みつけた|||||||のせた|となかい||て|||||さんぞく||むすめ| "You've found your good friend." It was the daughter of a bandit who shook the reindeer with Gerda and Kai on it. 「 もう 二度と 、 離ればなれに なって は いけない よ 。 |にどと|はなればなれに|||| "Never be separated again. ゲルダ ほど 、 あんた を 大切に 思って いる 子 は い ない んだ から 」   娘 は カイ に いい ました 。 ||||たいせつに|おもって||こ||||||むすめ||||| No child cares about you as much as Gerda. ”My daughter said to Kai. 「 わかった 。 " all right . ぼく は ずっと ゲルダ の そば に いる 」   カイ と ゲルダ は 、 自分 たち の 家 に 帰る まで 、 ずっと 手 を にぎりしめて い ました 。 ||||||||||||じぶん|||いえ||かえる|||て|||| I've been by Gerda all the time. ”Kai and Gerda were squeezing their hands all the way back to their homes.

おしまい The end