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世界の昔話, トラになった王さま

トラ に なった 王さま

トラ に なった 王さま

むかし むかし 、 モンゴル の 草原 に 、 貧しい ヒツジ 飼い の 夫婦 が 住んで い ました 。 夫婦 に は 子ども が い ない ので 、 二 人 は さびしい 思い を して い ました が 、 ある 日 突然 、 男の子 が 生まれた のです 。 喜んだ 二 人 は 、 男の子 に グナン と いう 名前 を つけ ました 。

この グナン は とても 不思議な 子ども で 、 生まれる と すぐ に 歩き 出し ました 。 そして 見る見る うち に 成長 して 、 次の 日 に は 普通の 大人 より も 大きく なって しまった のです 。 お 父さん と お 母さん は 、 こんなに 大きな 子ども を 、 どう やって 育てたら いい の か 心配に なり ました 。 すると 三 日 目 に 、 グナン が 言い ました 。 「 お 母さん 、 家 は 貧乏です から 、 ぼく が いたら 食べ物 に 困る でしょう 。 だから 、 ぼく を どこ か へ 働き に 行か せて ください 」 「 そんな 、 生まれた ばかりの お前 を 、 働き に 行か せる なんて 」 でも 、 確かに このまま で は 、 家 の 食べ物 は すぐ に 無くなって しまい ます 。 お 母さん は 色々 と 考えた あげく 、 王さま なら グナン を 使って 下さる だろう と 思い ました 。 そして お 父さん と お 母さん は 、 涙 を 流し ながら グナン を 旅 に 出して やり ました 。

さて 、 旅 に 出た グナン は 、 途中 で お腹 が ペコペコ に なり ました 。 「 何 か 、 食べる 物 は ない か な ? 」 グナン が 思って いる と 、 ふいに 一 匹 の オオカミ が 飛び かかって き ました 。 「 やった ! お 昼 ご飯 が やって 来た 」 グナン は 大喜びで オオカミ を やっつける と 、 丸焼き に して 食べて しまい ました 。 それ から グナン は 、 どんどん 歩いて 王さま の ご殿 に つき ました 。 「 ほう 。 大きな 体 を して おる な 。 さぞかし 、 よく 食べる のであろう 」 グナン の 体 を 見て 王さま が 言う と 、 グナン は ひもじ そうに お腹 を 押さえて 言い ました 。 「 はい 。 先ほど オオカミ の 丸焼き を 食べた のです が 、 もう お腹 が 空いて き ました 」 「 何と 、 オオカミ の 丸焼き を 一 人 で 食べた の か ? 」 そこ で 王さま は グナン を 試して やろう と 、 ウシ の 丸焼き を 用意 し ました 。 すると グナン は ニコニコ し ながら 、 ウシ の 丸焼き を ペロリ と たいらげて しまった のです 。 これ を 見て 王さま は グナン を 気 に 入り 、 自分 の お 側 付き の 家来 に した のです 。 お 側 付き の 家来 に なった グナン は 、 それ から は いつも 王さま の お供 を して 狩り に 出かけて は 、 大きな 体 で 見事な 獲物 を 仕留めた のです 。

ある 日 の 事 、 グナン が 王さま と 一緒に 狩り に 行く と 、 しげみ の 中 から 目 を 光ら せた トラ が 飛び かかって き ました 。 王さま は ビックリ して 、 馬 に ムチ を あてる と 命からがら 逃げ 出し ました 。 けれど グナン は 落ち着いた もの で 、 飛び かかって きた トラ の 片足 を つかんで 、 ブルンブルン と 振り 回す と 、 そば の 大きな 木 に 叩きつけ ました 。 これ に は さすが の 大 トラ も 、 そのまま 死んで しまい ました 。

ご殿 に 帰り着いた 王さま は 、 さっき の トラ が まだ 怖くて 、 馬 から 降りる 事 が 出来 ませ ん 。 そこ で 家来 たち が 、 何とか 王さま を 馬 から 降ろして やり ました 。 ちょうど そこ へ 、 グナン が 死んだ トラ を かついで 戻って きた のです 。 それ を 見る と 、 王さま は 腰 を 抜かす ほど 驚いて 、 家来 たち に 言い ました 。 「 皆 の 者 、 早く 入り口 を 守れ ! トラ を 中 に 入れる な 。 グナン ! お前 は それ 以上 近づく な ! 」 「 あのう 、 王さま 。 トラ は 死んで いる のです が 」 グナン が 、 そう 言う と 、 「 何 だ 、 それ なら そう と 、 早く 言え 」 と 、 王さま は その トラ の 皮 を 家来 に はが せて 、 立派な 敷物 を 作り ました 。 こんな 敷物 は 、 どの 国 の 王さま も 持って い ない でしょう 。 ( なかなか に 素晴らしい 敷物 だ 。 よし 、 今度 は トラ の 王 の 皮 で 、 わし の 着物 を 作って みよう 。 そう すれば 、 世界 中 の 王 たち に 威張 れる ぞ ) そこ で 王さま は 、 グナン を 呼んで 命令 し ました 。 「 三 日 の 間 に 、 トラ の 王 を 捕らえて 来い 。 捕らえて 来 なければ 、 お前 の 命 は ない ぞ 」 さあ 、 グナン は 困って しまい ました 。 何しろ 、 トラ の 王さま が どんな 姿 で 、 どこ に いる の か 分から ない のです 。 しかも 、 三 日 の 間 に 捕らえて 来 なければ 、 命 は ない のです 。 グナン が 、 ほとほと 困って いる と 、 「 グナン や 。 心配 する 事 は ない 。 この 、 あし 毛 の 馬 に 乗って いき なさい 」 と 、 言う 声 が し ました 。 振り返って みる と 、 一 人 の お じいさん が 、 あし 毛 の 馬 と 一緒に 立って い ました 。 「 トラ の 王 は 、 遠い 北 の 山 の ほら 穴 の 中 に いる 。 さあ 、 これ に 乗って 行き なさい 」 お じいさん は そう 言う と 、 煙 の ように 姿 が 消えて しまい ました 。 グナン は さっそく 、 その あし 毛 の ウマ に 乗って 出発 し ました 。 馬 は とても 足 の 速い 馬 で 、 まるで 放た れた 矢 の ように 走り ました 。 しばらく 走って 行く と 、 ふいに 、 「 助けて え ! 」 と 、 子ども の 声 が し ました 。 見る と 、 小さな 家 の そば に いる 女の子 に 、 一 匹 の オオカミ が 襲い かかろう と して い ました 。 グナン は ウマ に 乗った まま 、 急いで 弓 に 矢 を つが えて 放ち ました 。 矢 は 見事に オオカミ に 命中 して 、 女の子 は 無事に 助かり ました 。 この 時 、 家 の 中 から 女の子 の お 母さん が 駆け 出して き ました 。 そして 子ども を 助けて くれた お 礼 に 、 ヒツジ の 骨 を 差し出し ました 。 「 家 は 貧乏な ので 、 何も お 礼 を する 事 が 出来 ませ ん が 、 せめて 、 この ヒツジ の 骨 を お 持ち 下さい 。 きっと 、 お 役 に 立つ 時 が 来 ます 」 グナン は それ を 受け取る と 、 また 北 ヘ 向かって ウマ を 走ら せ ました 。 しばらく する と 、 グナン は 大きな 川 に 出 ました 。 川 に は 橋 も 、 船 も あり ませ ん 。 その 時 、 川 の 中 から 大きな カメ が 現れて 言い ました 。 「 お前 に は 、 この 川 は 渡れ ない だろう 。 早く 家 に 帰り なさい 」 「 いや 、 何とか して 、 渡って み せる 」 それ を 聞く と 、 大 ガメ は 川 の 中 から はい出 して 来て 、 グナン に 言い ました 。 「 なかなか 、 しっかり した 若者 だ な 。 ひと つ 、 お前 に 頼み が ある 」 「 はい 。 ぼく に 出来る 事 なら 」 「 実は 、 わし の 左 目 を 新しい 物 に 取り替え たい のだ が 、 どうしても 左 目 が 取れ ない んだ 。 どうか 取って くれ ない か ? 」 「 いい です と も 」 グナン は 、 カメ の 左 目 を ほじくり 出して やり ました 。 その とたん 、 カメ は 一 匹 の リュウ に なって 、 「 ありがとう 。 おかげ で 新しい の に 取り替え られる 。 お 礼 に 、 その 目玉 を 持って 川 を 進み なさい 」 と 、 言う と 、 天 高く 飛び 去って 行き ました 。 グナン が 手 の 中 の 目玉 を 見る と 、 目玉 は キラキラ と 光り輝く 水晶 の 玉 に 変わって い ました 。 グナン は 言わ れた 通り 玉 を 持って 、 馬 と 一緒に 川 に 飛び 込み ました 。 すると 不思議な 事 に 川 の 水 が 二 つ に 分かれて 、 川 の 真ん中 に 道 が 現れた のです 。 おかげ で グナン は 馬 に 乗った まま 、 川 を 渡る 事 が 出来 ました 。

しばらく 行く と 、 ある 家 の 前 で 、 ヒツジ 飼い の お じいさん が 涙 を 流して い ました 。 「 お じいさん 。 どうか した のです か ? 」 「 はい 。 実は 昨日 、 娘 が トラ の 王 に さらわ れて しまい ました 」 「 トラ の 王 だって ? では 、 奴 の 住みか も 近い に ちがいない 。 お じいさん 、 わたし が きっと 、 娘 さん を 助け 出して あげ ます 」 そう 言う と グナン は 馬 に ムチ を 当てて 、 飛ぶ ように 駆けて いき ました 。

それ から しばらく して 、 グナン は トラ の 住みか を 見つけ ました 。 その 入り口 に は 、 何 十 匹 も の トラ が 見張り を して い ます 。 さすが の グナン でも 、 何 十 匹 の トラ を 相手 に する 事 は 出来 ませ ん 。 そこ で グナン は 、 持って いた ヒツジ の 骨 を トラ が 見える ところ に 投げ ました 。 すると トラ は 、 一斉に 骨 へ と 集まり ました 。 ( よし 、 今 の 間 だ ) グナン は その 隙 に 、 ほら 穴 の 中 へ と 飛び 込み ました 。 ほら 穴 の 奥 で は 、 一 人 の 美しい 娘 が 座って い ました 。 娘 は グナン を 見る と 、 ビックリ して 言い ました 。 「 早く 逃げて 下さい 。 トラ の 王 が 、 もう すぐ 帰って き ます 」 「 いや 、 あなた を 助ける の が 先 です 。 さあ 、 この 馬 に 乗って ください 」 二 人 が ほら 穴 を 出る と 、 見張り の トラ たち は 、 まだ ヒツジ の 骨 を 奪い 合って 食べて い ます 。 グナン は 馬 に ムチ を 当てて 、 風 の 様 に 山 を 駆け 下り ました 。 この 時 、 突然 あやしい 風 が 吹き出し ました 。 振り返る と 、 全身 に 光り輝く 金色 の 毛 が 生えて いる 、 大きな 体 の トラ が 追い かけて くる のです 。 これ が 、 トラ の 王 です 。 グナン は 馬 を 走ら せた まま 振り向く と 、 トラ 目 掛けて 矢 を 放ち ました 。 矢 は トラ 王 の 片 目 に 当たり ました が 、 怒った トラ 王 は ひと 声 吠える と 、 鋭い ツメ で グナン を 馬 から 引きずり 下ろし ました 。 しかし グナン は 怪力 で トラ 王 を 頭上 に 持ち 上げる と 、 トラ 王 の 体 を 地面 に 叩きつけ ました 。 そして 、 フラフラ と 起き上がった トラ 王 の 頭 の 上 に 、 そば に あった 大きな 岩 を 、 ドシン ! と 、 投げ つけた のです 。 これ に は さすが の トラ 王 も 、 死んで しまい ました 。

こうして トラ 王 を やっつけた グナン は 、 死んだ トラ 王 を 引きずって 娘 の 家 に 戻り ました 。 すると お じいさん は 、 「 娘 を 助けて くださって 、 お 礼 の 言葉 も あり ませ ん 。 どうか 、 この 娘 を 嫁 に もらって ください 」 と 、 言って 、 娘 を グナン の お 嫁 さん に して くれた のです 。 トラ 王 を 殺した グナン は 、 美しい お 嫁 さん を 連れて 王さま の 元 に 帰って き ました 。 王さま は それ を 見る と グナン の 美しい お 嫁 さん が 欲しく なり 、 グナン に 言いつけ ました 。 「 お前 の 妻 に 、 トラ 王 の 皮 で わし の 着物 を 作ら せろ 。 その 時 、 トラ の 毛 が 一 本 でも 抜け落ちたら 、 罰 と して 妻 を 差し出せ 」 グナン の お 嫁 さん は 、 その 命令 通り に 、 トラ 王 の 皮 で 着物 を 縫い 上げ ました 。 確かに 注文 通り の 着物 な ので 、 王さま は グナン の お 嫁 さん を 手 に 入れる 事 は 出来 ませ ん でした が 、 その トラ 王 の 皮 の 着物 を 見る と 、 すっかり 機嫌 を 直して 喜び ました 。 そして 国 中 の 人々 に 、 この 着物 を 着た 自分 の 姿 を 見せて やろう と 、 命令 を 出して 国 中 の 人々 を ご殿 に 呼び 集め ました 。

そして 国 中 の 人々 が 注目 する 中 、 王さま は 台 の 上 に 登る と 、 家来 たち に 命じて 金色 に 光る トラ 王 の 皮 の 着物 を 持って こ させ ました 。 そして 王さま の 体 に 、 家来 たち が 金色 に 光る トラ 王 の 着物 を 着せた とたん 、 王さま の 口 が 見る見る 大きく 裂けて 、 王さま は 本物 の トラ に なって しまった のです 。 「 ウォーッ ! 」 トラ に なった 王さま は 、 大きく 吠える と 、 びっくり して 逃げ 出す 人々 を 次々 と 襲い ました 。 「 あなた 、 人々 を 助けて あげて 」 「 よし 、 わかった ! 」 グナン は 、 お 嫁 さん の 言葉 に 飛び出し ました が 、 この 時 の グナン は 、 弓矢 を 持って い ませ ん 。 どう しよう か と 思って いる うち に 、 その トラ が グナン 目 掛けて 襲い かかって き ました 。 けれど グナン は 、 少しも 恐れ ませ ん 。 グナン は トラ の 尻尾 を 両手 で 捕まえる と 、 トラ を ブンブン と 振り 回して 地面 へ と 叩きつけ ました 。 そして グナン は トラ の 頭 を 踏み つけて 、 トラ に なった 王さま を やっつけた のです 。

それ から のち 、 この 国 の 新しい 王さま に なった 若い 王さま は 、 グナン を 英雄 だ と 褒め称えて 、 グナン に 山 の 様 な 褒美 を 与え ました 。 そして グナン は 、 美しい 妻 と あし 毛 の 馬 に 乗って 、 お 父さん お 母さん の 待って いる 我が家 へ と 帰り 、 新しい 王さま に もらった 褒美 で いつまでも 幸せに 暮らした のです 。

おしまい


トラ に なった 王さま とら|||おうさま The king who became a tiger

トラ に なった 王さま とら|||おうさま King who became a tiger

むかし むかし 、 モンゴル の 草原 に 、 貧しい ヒツジ 飼い の 夫婦 が 住んで い ました 。 ||もんごる||そうげん||まずしい|ひつじ|かい||ふうふ||すんで|| Once upon a time, a couple of poor shepherds lived in the grasslands of Mongolia. 夫婦 に は 子ども が い ない ので 、 二 人 は さびしい 思い を して い ました が 、 ある 日 突然 、 男の子 が 生まれた のです 。 ふうふ|||こども|||||ふた|じん|||おもい|||||||ひ|とつぜん|おとこのこ||うまれた| The couple had no children, so they felt lonely, but one day suddenly a boy was born. 喜んだ 二 人 は 、 男の子 に グナン と いう 名前 を つけ ました 。 よろこんだ|ふた|じん||おとこのこ|||||なまえ||| The two delighted named the boy Gunan.

この グナン は とても 不思議な 子ども で 、 生まれる と すぐ に 歩き 出し ました 。 ||||ふしぎな|こども||うまれる||||あるき|だし| This Gunan was a very mysterious child, and he started walking as soon as he was born. そして 見る見る うち に 成長 して 、 次の 日 に は 普通の 大人 より も 大きく なって しまった のです 。 |みるみる|||せいちょう||つぎの|ひ|||ふつうの|おとな|||おおきく||| And as I saw it, I grew up, and the next day it became bigger than a normal adult. お 父さん と お 母さん は 、 こんなに 大きな 子ども を 、 どう やって 育てたら いい の か 心配に なり ました 。 |とうさん|||かあさん|||おおきな|こども||||そだてたら||||しんぱいに|| Dad and mom were worried about how to raise such a big child. すると 三 日 目 に 、 グナン が 言い ました 。 |みっ|ひ|め||||いい| Then, on the third day, Gunnan said. 「 お 母さん 、 家 は 貧乏です から 、 ぼく が いたら 食べ物 に 困る でしょう 。 |かあさん|いえ||びんぼうです|||||たべもの||こまる| "Mom, my house is poor, so if I were there, I would have trouble with food. だから 、 ぼく を どこ か へ 働き に 行か せて ください 」 「 そんな 、 生まれた ばかりの お前 を 、 働き に 行か せる なんて 」   でも 、 確かに このまま で は 、 家 の 食べ物 は すぐ に 無くなって しまい ます 。 ||||||はたらき||いか||||うまれた||おまえ||はたらき||いか||||たしかに||||いえ||たべもの||||なくなって|| So, let me go to work somewhere. "" That's right, let's send you to work, "but it's true that the food at home will soon run out. お 母さん は 色々 と 考えた あげく 、 王さま なら グナン を 使って 下さる だろう と 思い ました 。 |かあさん||いろいろ||かんがえた||おうさま||||つかって|くださる|||おもい| After thinking a lot, I thought that the King would use Gunan. そして お 父さん と お 母さん は 、 涙 を 流し ながら グナン を 旅 に 出して やり ました 。 ||とうさん|||かあさん||なみだ||ながし||||たび||だして|| And dad and mom went on a journey with tears in Gunnan.

さて 、 旅 に 出た グナン は 、 途中 で お腹 が ペコペコ に なり ました 。 |たび||でた|||とちゅう||おなか||||| By the way, Gunnan, who went on a trip, became hungry on the way. 「 何 か 、 食べる 物 は ない か な ? なん||たべる|ぶつ|||| "Is there anything to eat? 」   グナン が 思って いる と 、 ふいに 一 匹 の オオカミ が 飛び かかって き ました 。 ||おもって||||ひと|ひき||おおかみ||とび||| When Gunnan thought, a wolf suddenly jumped at him. 「 やった ! " Hooray ! お 昼 ご飯 が やって 来た 」   グナン は 大喜びで オオカミ を やっつける と 、 丸焼き に して 食べて しまい ました 。 |ひる|ごはん|||きた|||おおよろこびで|おおかみ||||まるやき|||たべて|| Lunch has arrived. ”Gnan was overjoyed when he beat the wolf and ate it roasted. それ から グナン は 、 どんどん 歩いて 王さま の ご殿 に つき ました 。 |||||あるいて|おうさま||ごてん||| Then Gunnan walked steadily to the King's palace. 「 ほう 。 "How. 大きな 体 を して おる な 。 おおきな|からだ|||| You have a big body. さぞかし 、 よく 食べる のであろう 」   グナン の 体 を 見て 王さま が 言う と 、 グナン は ひもじ そうに お腹 を 押さえて 言い ました 。 ||たべる||||からだ||みて|おうさま||いう|||||そう に|おなか||おさえて|いい| I'm sure you'll eat a lot. ”Looking at Gunan's body, the King said, Gunan squeezed his stomach and said. 「 はい 。 " Okay . 先ほど オオカミ の 丸焼き を 食べた のです が 、 もう お腹 が 空いて き ました 」 「 何と 、 オオカミ の 丸焼き を 一 人 で 食べた の か ? さきほど|おおかみ||まるやき||たべた||||おなか||あいて|||なんと|おおかみ||まるやき||ひと|じん||たべた|| I ate a roasted wolf earlier, but I'm hungry. "" How did you eat the roasted wolf alone? 」   そこ で 王さま は グナン を 試して やろう と 、 ウシ の 丸焼き を 用意 し ました 。 ||おうさま||||ためして|||うし||まるやき||ようい|| So the King prepared a roasted beef to try Gunnan. すると グナン は ニコニコ し ながら 、 ウシ の 丸焼き を ペロリ と たいらげて しまった のです 。 |||にこにこ|||うし||まるやき||ぺろり|||| Then Gunnan smiled and ate the roasted beef. これ を 見て 王さま は グナン を 気 に 入り 、 自分 の お 側 付き の 家来 に した のです 。 ||みて|おうさま||||き||はいり|じぶん|||がわ|つき||けらい||| Seeing this, the King liked Gunan and made him a servant with his side. お 側 付き の 家来 に なった グナン は 、 それ から は いつも 王さま の お供 を して 狩り に 出かけて は 、 大きな 体 で 見事な 獲物 を 仕留めた のです 。 |がわ|つき||けらい|||||||||おうさま||おとも|||かり||でかけて||おおきな|からだ||みごとな|えもの||しとめた| Gunnan, who became a servant with a side, then always went hunting with the King's companion and killed his splendid prey with a large body.

ある 日 の 事 、 グナン が 王さま と 一緒に 狩り に 行く と 、 しげみ の 中 から 目 を 光ら せた トラ が 飛び かかって き ました 。 |ひ||こと|||おうさま||いっしょに|かり||いく||||なか||め||ひから||とら||とび||| One day, when Gunnan went hunting with the King, a tiger with an eye on him jumped from inside the sword. 王さま は ビックリ して 、 馬 に ムチ を あてる と 命からがら 逃げ 出し ました 。 おうさま||びっくり||うま||むち||||いのちからがら|にげ|だし| The King was surprised and ran away from his life when he hit the horse with a whip. けれど グナン は 落ち着いた もの で 、 飛び かかって きた トラ の 片足 を つかんで 、 ブルンブルン と 振り 回す と 、 そば の 大きな 木 に 叩きつけ ました 。 |||おちついた|||とび|||とら||かたあし|||||ふり|まわす||||おおきな|き||たたきつけ| But Gunnan was calm, grabbed one leg of the tiger that was jumping in, swung around with Brun Brun, and slammed it against a large tree beside him. これ に は さすが の 大 トラ も 、 そのまま 死んで しまい ました 。 |||||だい|とら|||しんで|| As expected, the big tiger died as it was.

ご殿 に 帰り着いた 王さま は 、 さっき の トラ が まだ 怖くて 、 馬 から 降りる 事 が 出来 ませ ん 。 ごてん||かえりついた|おうさま||||とら|||こわくて|うま||おりる|こと||でき|| The King, who returned to the palace, was still afraid of the tiger and could not get off the horse. そこ で 家来 たち が 、 何とか 王さま を 馬 から 降ろして やり ました 。 ||けらい|||なんとか|おうさま||うま||おろして|| There, the servants managed to get the King off the horse. ちょうど そこ へ 、 グナン が 死んだ トラ を かついで 戻って きた のです 。 |||||しんだ|とら|||もどって|| Just there, Gunnan came back with a dead tiger. それ を 見る と 、 王さま は 腰 を 抜かす ほど 驚いて 、 家来 たち に 言い ました 。 ||みる||おうさま||こし||ぬかす||おどろいて|けらい|||いい| When he saw it, the King was so surprised that he could sit down and said to his servants. 「 皆 の 者 、 早く 入り口 を 守れ ! みな||もの|はやく|いりぐち||まもれ "Everyone, protect the entrance as soon as possible! トラ を 中 に 入れる な 。 とら||なか||いれる| Don't put the tiger inside. グナン ! Gunan! お前 は それ 以上 近づく な ! おまえ|||いじょう|ちかづく| You don't get any closer! 」 「 あのう 、 王さま 。 あの う|おうさま "Ah, King. トラ は 死んで いる のです が 」   グナン が 、 そう 言う と 、 「 何 だ 、 それ なら そう と 、 早く 言え 」 と 、 王さま は その トラ の 皮 を 家来 に はが せて 、 立派な 敷物 を 作り ました 。 とら||しんで|||||||いう||なん||||||はやく|いえ||おうさま|||とら||かわ||けらい||||りっぱな|しきもの||つくり| The tiger is dead, "Gnan said," What, then, say it quickly, "said the King, who peeled the tiger's skin to his servants and made a fine rug. It was. こんな 敷物 は 、 どの 国 の 王さま も 持って い ない でしょう 。 |しきもの|||くに||おうさま||もって||| No king in any country would have such a rug. ( なかなか に 素晴らしい 敷物 だ 。 ||すばらしい|しきもの| (It's a very nice rug. よし 、 今度 は トラ の 王 の 皮 で 、 わし の 着物 を 作って みよう 。 |こんど||とら||おう||かわ||||きもの||つくって| Alright, let's make my kimono from the skin of the tiger king. そう すれば 、 世界 中 の 王 たち に 威張 れる ぞ )   そこ で 王さま は 、 グナン を 呼んで 命令 し ました 。 ||せかい|なか||おう|||いば|||||おうさま||||よんで|めいれい|| Then the kings all over the world will overwhelm you.) There, the king called Gunan and ordered him. 「 三 日 の 間 に 、 トラ の 王 を 捕らえて 来い 。 みっ|ひ||あいだ||とら||おう||とらえて|こい "Catch the tiger king in three days. 捕らえて 来 なければ 、 お前 の 命 は ない ぞ 」   さあ 、 グナン は 困って しまい ました 。 とらえて|らい||おまえ||いのち|||||||こまって|| If you don't catch it, you won't have a life. "Now, Gunnan is in trouble. 何しろ 、 トラ の 王さま が どんな 姿 で 、 どこ に いる の か 分から ない のです 。 なにしろ|とら||おうさま|||すがた|||||||わから|| After all, I don't know what the tiger king looks like and where he is. しかも 、 三 日 の 間 に 捕らえて 来 なければ 、 命 は ない のです 。 |みっ|ひ||あいだ||とらえて|らい||いのち||| Moreover, if you don't catch it within three days, there is no life. グナン が 、 ほとほと 困って いる と 、 「 グナン や 。 |||こまって|||| When Gunnan was really in trouble, he said, "Gunan. 心配 する 事 は ない 。 しんぱい||こと|| Don't worry. この 、 あし 毛 の 馬 に 乗って いき なさい 」 と 、 言う 声 が し ました 。 ||け||うま||のって||||いう|こえ||| Ride on this horse with hairy hair, "he said. 振り返って みる と 、 一 人 の お じいさん が 、 あし 毛 の 馬 と 一緒に 立って い ました 。 ふりかえって|||ひと|じん||||||け||うま||いっしょに|たって|| Looking back, an old man stood with his hairy horse. 「 トラ の 王 は 、 遠い 北 の 山 の ほら 穴 の 中 に いる 。 とら||おう||とおい|きた||やま|||あな||なか|| "The King of Tigers is in a den in a mountain far north. さあ 、 これ に 乗って 行き なさい 」   お じいさん は そう 言う と 、 煙 の ように 姿 が 消えて しまい ました 。 |||のって|いき||||||いう||けむり||よう に|すがた||きえて|| Come on, get on this. ”The old man said, and he disappeared like smoke. グナン は さっそく 、 その あし 毛 の ウマ に 乗って 出発 し ました 。 |||||け||||のって|しゅっぱつ|| Gunnan immediately set out on the horse with his hair. 馬 は とても 足 の 速い 馬 で 、 まるで 放た れた 矢 の ように 走り ました 。 うま|||あし||はやい|うま|||はなた||や||よう に|はしり| The horse was a very fast horse and ran like a shot arrow. しばらく 走って 行く と 、 ふいに 、 「 助けて え ! |はしって|いく|||たすけて| After running for a while, he suddenly said, "Help me! 」 と 、 子ども の 声 が し ました 。 |こども||こえ||| The voice of the child was heard. 見る と 、 小さな 家 の そば に いる 女の子 に 、 一 匹 の オオカミ が 襲い かかろう と して い ました 。 みる||ちいさな|いえ|||||おんなのこ||ひと|ひき||おおかみ||おそい||||| I saw a wolf trying to attack a girl near a small house. グナン は ウマ に 乗った まま 、 急いで 弓 に 矢 を つが えて 放ち ました 。 ||||のった||いそいで|ゆみ||や||||はなち| While still on the horse, Gunan hurriedly fired an arrow on the bow. 矢 は 見事に オオカミ に 命中 して 、 女の子 は 無事に 助かり ました 。 や||みごとに|おおかみ||めいちゅう||おんなのこ||ぶじに|たすかり| The arrow hit the wolf brilliantly, and the girl was saved. この 時 、 家 の 中 から 女の子 の お 母さん が 駆け 出して き ました 。 |じ|いえ||なか||おんなのこ|||かあさん||かけ|だして|| At this time, a girl's mother rushed out of the house. そして 子ども を 助けて くれた お 礼 に 、 ヒツジ の 骨 を 差し出し ました 。 |こども||たすけて|||れい||ひつじ||こつ||さしだし| And to thank him for helping his child, he offered the bones of a sheep. 「 家 は 貧乏な ので 、 何も お 礼 を する 事 が 出来 ませ ん が 、 せめて 、 この ヒツジ の 骨 を お 持ち 下さい 。 いえ||びんぼうな||なにも||れい|||こと||でき||||||ひつじ||こつ|||もち|ください "I can't thank you for anything because my house is poor, but at least bring this sheep's bones. きっと 、 お 役 に 立つ 時 が 来 ます 」   グナン は それ を 受け取る と 、 また 北 ヘ 向かって ウマ を 走ら せ ました 。 ||やく||たつ|じ||らい||||||うけとる|||きた||むかって|||はしら|| I'm sure it's time to help. ”Gnan received it and sent the horse back to the north. しばらく する と 、 グナン は 大きな 川 に 出 ました 。 |||||おおきな|かわ||だ| After a while, Gunnan went out into a big river. 川 に は 橋 も 、 船 も あり ませ ん 。 かわ|||きょう||せん|||| There are bridges and ships on the river. その 時 、 川 の 中 から 大きな カメ が 現れて 言い ました 。 |じ|かわ||なか||おおきな|かめ||あらわれて|いい| At that time, a big turtle appeared from the river and said. 「 お前 に は 、 この 川 は 渡れ ない だろう 。 おまえ||||かわ||わたれ|| "You won't be able to cross this river. 早く 家 に 帰り なさい 」 「 いや 、 何とか して 、 渡って み せる 」   それ を 聞く と 、 大 ガメ は 川 の 中 から はい出 して 来て 、 グナン に 言い ました 。 はやく|いえ||かえり|||なんとか||わたって|||||きく||だい|||かわ||なか||はいしゅつ||きて|||いい| Go home early. "" No, I'll somehow cross over. "When I heard that, the big turtle came out of the river and said to Gunan. 「 なかなか 、 しっかり した 若者 だ な 。 |||わかもの|| "It's a pretty solid young man. ひと つ 、 お前 に 頼み が ある 」 「 はい 。 ||おまえ||たのみ||| One, I have a request for you. "" Yes. ぼく に 出来る 事 なら 」 「 実は 、 わし の 左 目 を 新しい 物 に 取り替え たい のだ が 、 どうしても 左 目 が 取れ ない んだ 。 ||できる|こと||じつは|||ひだり|め||あたらしい|ぶつ||とりかえ|||||ひだり|め||とれ|| If I can do it. "" Actually, I want to replace my left eye with a new one, but I just can't get my left eye. どうか 取って くれ ない か ? |とって||| Could you please take it? 」 「 いい です と も 」   グナン は 、 カメ の 左 目 を ほじくり 出して やり ました 。 ||||||かめ||ひだり|め|||だして|| "It's okay," Gunnan pulled out the turtle's left eye. その とたん 、 カメ は 一 匹 の リュウ に なって 、 「 ありがとう 。 ||かめ||ひと|ひき||||| At that moment, the turtle became a Ryu and said, "Thank you. おかげ で 新しい の に 取り替え られる 。 ||あたらしい|||とりかえ| Thanks to you, it will be replaced with a new one. お 礼 に 、 その 目玉 を 持って 川 を 進み なさい 」 と 、 言う と 、 天 高く 飛び 去って 行き ました 。 |れい|||めだま||もって|かわ||すすみ|||いう||てん|たかく|とび|さって|いき| Thank you, take that eyeball and go down the river. "He said, and he flew away high in the heavens. グナン が 手 の 中 の 目玉 を 見る と 、 目玉 は キラキラ と 光り輝く 水晶 の 玉 に 変わって い ました 。 ||て||なか||めだま||みる||めだま||きらきら||ひかりかがやく|すいしょう||たま||かわって|| When Gunnan saw the eyeball in his hand, the eyeball turned into a glittering crystal ball. グナン は 言わ れた 通り 玉 を 持って 、 馬 と 一緒に 川 に 飛び 込み ました 。 ||いわ||とおり|たま||もって|うま||いっしょに|かわ||とび|こみ| Gunan, as he was told, took the ball and jumped into the river with his horse. すると 不思議な 事 に 川 の 水 が 二 つ に 分かれて 、 川 の 真ん中 に 道 が 現れた のです 。 |ふしぎな|こと||かわ||すい||ふた|||わかれて|かわ||まんなか||どう||あらわれた| Then, strangely, the water of the river split into two, and a road appeared in the middle of the river. おかげ で グナン は 馬 に 乗った まま 、 川 を 渡る 事 が 出来 ました 。 ||||うま||のった||かわ||わたる|こと||でき| Thanks to this, Gunnan was able to cross the river while riding a horse.

しばらく 行く と 、 ある 家 の 前 で 、 ヒツジ 飼い の お じいさん が 涙 を 流して い ました 。 |いく|||いえ||ぜん||ひつじ|かい|||||なみだ||ながして|| After a while, in front of a house, a shepherd's grandfather was weeping. 「 お じいさん 。 " old man . どうか した のです か ? What's wrong? 」 「 はい 。 " " Okay . 実は 昨日 、 娘 が トラ の 王 に さらわ れて しまい ました 」 「 トラ の 王 だって ? じつは|きのう|むすめ||とら||おう||||||とら||おう| In fact, yesterday my daughter was kidnapped by the tiger king. "" Are you the tiger king? では 、 奴 の 住みか も 近い に ちがいない 。 |やつ||すみか||ちかい|| Then, it must be close to his place of residence. お じいさん 、 わたし が きっと 、 娘 さん を 助け 出して あげ ます 」   そう 言う と グナン は 馬 に ムチ を 当てて 、 飛ぶ ように 駆けて いき ました 。 |||||むすめ|||たすけ|だして||||いう||||うま||むち||あてて|とぶ|よう に|かけて|| Grandpa, I'm sure I'll help my daughter. "Gnan hit the horse with a whip and ran to fly.

それ から しばらく して 、 グナン は トラ の 住みか を 見つけ ました 。 ||||||とら||すみか||みつけ| Some time later, Gunnan found a place to live for the tiger. その 入り口 に は 、 何 十 匹 も の トラ が 見張り を して い ます 。 |いりぐち|||なん|じゅう|ひき|||とら||みはり|||| Dozens of tigers are watching at the entrance. さすが の グナン でも 、 何 十 匹 の トラ を 相手 に する 事 は 出来 ませ ん 。 ||||なん|じゅう|ひき||とら||あいて|||こと||でき|| Even with Gunan, it is not possible to deal with dozens of tigers. そこ で グナン は 、 持って いた ヒツジ の 骨 を トラ が 見える ところ に 投げ ました 。 ||||もって||ひつじ||こつ||とら||みえる|||なげ| There Gunan threw the bones of the sheep he had with him where the tiger could be seen. すると トラ は 、 一斉に 骨 へ と 集まり ました 。 |とら||いっせいに|こつ|||あつまり| Then the tigers gathered all at once on the bones. ( よし 、 今 の 間 だ )   グナン は その 隙 に 、 ほら 穴 の 中 へ と 飛び 込み ました 。 |いま||あいだ|||||すき|||あな||なか|||とび|こみ| (Okay, for now) Gunnan jumped into the den in that gap. ほら 穴 の 奥 で は 、 一 人 の 美しい 娘 が 座って い ました 。 |あな||おく|||ひと|じん||うつくしい|むすめ||すわって|| In the back of the den, a beautiful daughter was sitting. 娘 は グナン を 見る と 、 ビックリ して 言い ました 。 むすめ||||みる||びっくり||いい| When she saw Gunan, she was surprised and said. 「 早く 逃げて 下さい 。 はやく|にげて|ください "Please run away soon. トラ の 王 が 、 もう すぐ 帰って き ます 」 「 いや 、 あなた を 助ける の が 先 です 。 とら||おう||||かえって||||||たすける|||さき| The King of Tigers will be back soon. "" No, the first thing to do is help you. さあ 、 この 馬 に 乗って ください 」   二 人 が ほら 穴 を 出る と 、 見張り の トラ たち は 、 まだ ヒツジ の 骨 を 奪い 合って 食べて い ます 。 ||うま||のって||ふた|じん|||あな||でる||みはり||とら||||ひつじ||こつ||うばい|あって|たべて|| Come on, ride this horse. ”As the two exit the den, the guard tigers are still grabbing and eating the sheep's bones. グナン は 馬 に ムチ を 当てて 、 風 の 様 に 山 を 駆け 下り ました 。 ||うま||むち||あてて|かぜ||さま||やま||かけ|くだり| Gunan hit the horse with a whip and ran down the mountain like the wind. この 時 、 突然 あやしい 風 が 吹き出し ました 。 |じ|とつぜん||かぜ||ふきだし| At this time, a strange wind suddenly blew out. 振り返る と 、 全身 に 光り輝く 金色 の 毛 が 生えて いる 、 大きな 体 の トラ が 追い かけて くる のです 。 ふりかえる||ぜんしん||ひかりかがやく|きんいろ||け||はえて||おおきな|からだ||とら||おい||| Looking back, a large tiger, with shining golden hair all over its body, is chasing after it. これ が 、 トラ の 王 です 。 ||とら||おう| This is the king of tigers. グナン は 馬 を 走ら せた まま 振り向く と 、 トラ 目 掛けて 矢 を 放ち ました 。 ||うま||はしら|||ふりむく||とら|め|かけて|や||はなち| Gunnan turned around with the horse running and fired an arrow at the tiger. 矢 は トラ 王 の 片 目 に 当たり ました が 、 怒った トラ 王 は ひと 声 吠える と 、 鋭い ツメ で グナン を 馬 から 引きずり 下ろし ました 。 や||とら|おう||かた|め||あたり|||いかった|とら|おう|||こえ|ほえる||するどい|つめ||||うま||ひきずり|おろし| The arrow hit one eye of King Tiger, but the angry King Tiger barked and dragged Gunan off the horse with a sharp claw. しかし グナン は 怪力 で トラ 王 を 頭上 に 持ち 上げる と 、 トラ 王 の 体 を 地面 に 叩きつけ ました 。 |||かいりき||とら|おう||ずじょう||もち|あげる||とら|おう||からだ||じめん||たたきつけ| However, when Gunnan lifted the tiger king overhead with superhuman strength, he slammed the tiger king's body against the ground. そして 、 フラフラ と 起き上がった トラ 王 の 頭 の 上 に 、 そば に あった 大きな 岩 を 、   ドシン ! |ふらふら||おきあがった|とら|おう||あたま||うえ|||||おおきな|いわ|| And, on the head of the tiger king who got up with a flutter, a big rock by the side, Doshin! と 、 投げ つけた のです 。 |なげ|| I threw it. これ に は さすが の トラ 王 も 、 死んで しまい ました 。 |||||とら|おう||しんで|| As expected, the King of Tiger has died.

こうして トラ 王 を やっつけた グナン は 、 死んだ トラ 王 を 引きずって 娘 の 家 に 戻り ました 。 |とら|おう|||||しんだ|とら|おう||ひきずって|むすめ||いえ||もどり| After defeating King Tiger, Gunnan dragged the dead King Tiger back to his daughter's house. すると お じいさん は 、 「 娘 を 助けて くださって 、 お 礼 の 言葉 も あり ませ ん 。 ||||むすめ||たすけて|||れい||ことば|||| Then the grandfather said, "Thank you for helping my daughter. どうか 、 この 娘 を 嫁 に もらって ください 」 と 、 言って 、 娘 を グナン の お 嫁 さん に して くれた のです 。 ||むすめ||よめ|||||いって|むすめ|||||よめ||||| Please give this daughter to your daughter-in-law, "he said, and he made her a daughter-in-law of Gunnan. トラ 王 を 殺した グナン は 、 美しい お 嫁 さん を 連れて 王さま の 元 に 帰って き ました 。 とら|おう||ころした|||うつくしい||よめ|||つれて|おうさま||もと||かえって|| Gunan, who killed the King of Tigers, returned to the King with his beautiful bride. 王さま は それ を 見る と グナン の 美しい お 嫁 さん が 欲しく なり 、 グナン に 言いつけ ました 。 おうさま||||みる||||うつくしい||よめ|||ほしく||||いいつけ| When the King saw it, he wanted Gunan's beautiful bride and told Gunan. 「 お前 の 妻 に 、 トラ 王 の 皮 で わし の 着物 を 作ら せろ 。 おまえ||つま||とら|おう||かわ||||きもの||つくら| "Let your wife make my kimono out of the skin of the King of Tigers. その 時 、 トラ の 毛 が 一 本 でも 抜け落ちたら 、 罰 と して 妻 を 差し出せ 」   グナン の お 嫁 さん は 、 その 命令 通り に 、 トラ 王 の 皮 で 着物 を 縫い 上げ ました 。 |じ|とら||け||ひと|ほん||ぬけおちたら|ばち|||つま||さしだせ||||よめ||||めいれい|とおり||とら|おう||かわ||きもの||ぬい|あげ| At that time, if even one of the tiger's hairs fell off, give him his wife as a punishment. ”Gnan's wife sewed a kimono with the tiger's skin, as ordered. 確かに 注文 通り の 着物 な ので 、 王さま は グナン の お 嫁 さん を 手 に 入れる 事 は 出来 ませ ん でした が 、 その トラ 王 の 皮 の 着物 を 見る と 、 すっかり 機嫌 を 直して 喜び ました 。 たしかに|ちゅうもん|とおり||きもの|||おうさま|||||よめ|||て||いれる|こと||でき||||||とら|おう||かわ||きもの||みる|||きげん||なおして|よろこび| It was true that the kimono was as ordered, so the King couldn't get Gunnan's wife, but when he saw the Kimono on the tiger's skin, he was completely in a good mood and was delighted. そして 国 中 の 人々 に 、 この 着物 を 着た 自分 の 姿 を 見せて やろう と 、 命令 を 出して 国 中 の 人々 を ご殿 に 呼び 集め ました 。 |くに|なか||ひとびと|||きもの||きた|じぶん||すがた||みせて|||めいれい||だして|くに|なか||ひとびと||ごてん||よび|あつめ| Then, in order to show people all over the country how he was wearing this kimono, he issued an order to summon people all over the country to the palace.

そして 国 中 の 人々 が 注目 する 中 、 王さま は 台 の 上 に 登る と 、 家来 たち に 命じて 金色 に 光る トラ 王 の 皮 の 着物 を 持って こ させ ました 。 |くに|なか||ひとびと||ちゅうもく||なか|おうさま||だい||うえ||のぼる||けらい|||めいじて|きんいろ||ひかる|とら|おう||かわ||きもの||もって||さ せ| And while the people of the country were paying attention, the King climbed on the table and commanded his servants to bring him a golden tiger skin kimono. そして 王さま の 体 に 、 家来 たち が 金色 に 光る トラ 王 の 着物 を 着せた とたん 、 王さま の 口 が 見る見る 大きく 裂けて 、 王さま は 本物 の トラ に なって しまった のです 。 |おうさま||からだ||けらい|||きんいろ||ひかる|とら|おう||きもの||きせた||おうさま||くち||みるみる|おおきく|さけて|おうさま||ほんもの||とら|||| And as soon as the servants wore the golden tiger's kimono on the king's body, the king's mouth was torn apart, and the king became a real tiger. 「 ウォーッ ! "Wow! 」   トラ に なった 王さま は 、 大きく 吠える と 、 びっくり して 逃げ 出す 人々 を 次々 と 襲い ました 。 とら|||おうさま||おおきく|ほえる||||にげ|だす|ひとびと||つぎつぎ||おそい| The King, who became a tiger, barked loudly and attacked one after another the people who were surprised and fled. 「 あなた 、 人々 を 助けて あげて 」 「 よし 、 わかった ! |ひとびと||たすけて||| "You, help people." "Okay, I see! 」   グナン は 、 お 嫁 さん の 言葉 に 飛び出し ました が 、 この 時 の グナン は 、 弓矢 を 持って い ませ ん 。 |||よめ|||ことば||とびだし||||じ||||ゆみや||もって||| Gunan jumped out into the words of his wife, but at this time Gunan didn't have a bow and arrow. どう しよう か と 思って いる うち に 、 その トラ が グナン 目 掛けて 襲い かかって き ました 。 ||||おもって|||||とら|||め|かけて|おそい||| While I was wondering what to do, the tiger attacked Gunnan. けれど グナン は 、 少しも 恐れ ませ ん 。 |||すこしも|おそれ|| But Gunnan is a little afraid. グナン は トラ の 尻尾 を 両手 で 捕まえる と 、 トラ を ブンブン と 振り 回して 地面 へ と 叩きつけ ました 。 ||とら||しっぽ||りょうて||つかまえる||とら||||ふり|まわして|じめん|||たたきつけ| Gunnan grabbed the tiger's tail with both hands and swung the tiger around and slammed it into the ground. そして グナン は トラ の 頭 を 踏み つけて 、 トラ に なった 王さま を やっつけた のです 。 |||とら||あたま||ふみ||とら|||おうさま||| And Gunnan stomped on the tiger's head and defeated the tiger-turned king.

それ から のち 、 この 国 の 新しい 王さま に なった 若い 王さま は 、 グナン を 英雄 だ と 褒め称えて 、 グナン に 山 の 様 な 褒美 を 与え ました 。 ||||くに||あたらしい|おうさま|||わかい|おうさま||||えいゆう|||ほめたたえて|||やま||さま||ほうび||あたえ| Later, the young king, who became the new king of the country, praised Gunan as a hero and gave him a mountain-like reward. そして グナン は 、 美しい 妻 と あし 毛 の 馬 に 乗って 、 お 父さん お 母さん の 待って いる 我が家 へ と 帰り 、 新しい 王さま に もらった 褒美 で いつまでも 幸せに 暮らした のです 。 |||うつくしい|つま|||け||うま||のって||とうさん||かあさん||まって||わがや|||かえり|あたらしい|おうさま|||ほうび|||しあわせに|くらした| And Gunnan, riding a horse with his beautiful wife and hair, returned to his home where his father and mother were waiting, and lived happily forever with the rewards of the new king.

おしまい The end