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世界の昔話, 神さまのけだものと悪魔のけだもの

神さま の けだもの と 悪魔 の けだもの

神さま の けだもの と 悪魔 の けだもの

かし むかし 、 神さま が オオカミ を つくって 、 自分 の ペット に し ました 。 それ を 見た 悪魔 ( あくま ) も 自分 の ペット が 欲しく なって 、 長い 尻尾 の ヤギ を つくった のです 。 ところが ヤギ が 草原 ヘ 出かける と 、 決まって 長い 尻尾 が イバラ に 引っかかって しまい ます 。 その たび に 悪魔 は イバラ の 中 に 入って 、 ヤギ を 引き離して やる の に 大変な 苦労 を し なくて は なり ませ ん でした 。 何度 も 何度 も そんな 事 が 続いた ので 、 怒った 悪魔 は ヤギ の 長い 尻尾 を 一 本 残ら ず か み切って しまい ました 。 こんな わけ で 、 ヤギ の 尻尾 は 短く なって しまった のです 。

さて 、 ある 日 の 事 。 悪魔 の ペット の ヤギ が 、1 人 で 草 を 食 ベ に 出かけ ました 。 ところが ヤギ は 、 神さま が 大事に 育てて いる ブドウ の 木 を 食べ 散らかして しまった のです 。 それ を 知った 神さま の ペット の オオカミ が 、 その ヤギ を こらしめた のでした 。 悪魔 は それ を 知る と 、 神さま の 前 に 進み 出て 、 「 あなた の お つくり に なった けだもの が 、 わたし の つくった ヤギ を 痛めつけ ました 」 と 、 言い ました 。 そこ で 神さま は 、 「 お前 は どうして 、 あんな 害 に なる もの を つくった のだ ! 」 と 、 怒り ました 。 「 仕方 あり ませ ん よ 。 何しろ わたし は 、 害 に なる 事 ばかり 考えて いる のです から 。 それ より も 、 わたし の ヤギ を 痛めつけて くれた おわび に 、 たくさんの お 金 を 払って もらい ます 」 と 、 悪魔 は 言い ました 。 「 よし よし 、 カシワ の 葉っぱ が 落ちたら 払って やろう 。 そし たら おい で 。 すぐ に お 金 を 払う から 」 やがて カシワ の 葉 が 落ちて しまう と 悪魔 が やって 来て 、 約束 の お 金 を 払って ください と 言い ました 。 ところが 神さま は 、 「 コンスタンチノープル (→ イスタンブール の 旧 称 ) の お 寺 に 、 カシワ の 大木 が 一 本 ある が 、 あの 木 の 葉っぱ は まだ すっかり 残って いる ぞ 」 と 、 言う のです 。 悪魔 は 神さま の 前 を 引き下がる と 、 その カシワ の 木 を 探し 出す 事 に し ました 。 ところが 六 か月 も 荒れ野 の 中 を さまよって 、 やっと その 木 を 探し 出した 頃 に は 、 ほか の カシワ の 木 が また 青々 と した 葉っぱ を つけて いる のでした 。 腹 を 立てた 悪魔 は 、 八つ当たり に ペット の ヤギ の 目玉 を 取って しまい ました 。 でも 、 さすが に 悪い と 思った の か 、 悪魔 は 自分 の 目玉 を ヤギ に つけて やり ました 。

そんな わけ で ヤギ の 尻尾 は 短く 、 悪魔 の 様 な 目 を して いる のです 。

おしまい


神さま の けだもの と 悪魔 の けだもの かみさま||||あくま|| God's beasts and the devil's beasts

神さま の けだもの と 悪魔 の けだもの かみさま||||あくま|| God's monster and devil's monster

かし むかし 、 神さま が オオカミ を つくって 、 自分 の ペット に し ました 。 ||かみさま||おおかみ|||じぶん||ぺっと||| Once upon a time, God made a wolf and made it his own pet. それ を 見た 悪魔 ( あくま ) も 自分 の ペット が 欲しく なって 、 長い 尻尾 の ヤギ を つくった のです 。 ||みた|あくま|||じぶん||ぺっと||ほしく||ながい|しっぽ||やぎ||| The devil (Akuma) who saw it also wanted his own pet and made a goat with a long tail. ところが ヤギ が 草原 ヘ 出かける と 、 決まって 長い 尻尾 が イバラ に 引っかかって しまい ます 。 |やぎ||そうげん||でかける||きまって|ながい|しっぽ||いばら||ひっかかって|| However, when a goat goes out to the meadow, its long tail always gets caught in the thorns. その たび に 悪魔 は イバラ の 中 に 入って 、 ヤギ を 引き離して やる の に 大変な 苦労 を し なくて は なり ませ ん でした 。 |||あくま||いばら||なか||はいって|やぎ||ひきはなして||||たいへんな|くろう|||||||| Each time the devil had to go into the thorns and have a great deal of trouble pulling the goat apart. 何度 も 何度 も そんな 事 が 続いた ので 、 怒った 悪魔 は ヤギ の 長い 尻尾 を 一 本 残ら ず か み切って しまい ました 。 なんど||なんど|||こと||つづいた||いかった|あくま||やぎ||ながい|しっぽ||ひと|ほん|のこら|||みきって|| こんな わけ で 、 ヤギ の 尻尾 は 短く なって しまった のです 。 |||やぎ||しっぽ||みじかく|||

さて 、 ある 日 の 事 。 ||ひ||こと 悪魔 の ペット の ヤギ が 、1 人 で 草 を 食 ベ に 出かけ ました 。 あくま||ぺっと||やぎ||じん||くさ||しょく|||でかけ| ところが ヤギ は 、 神さま が 大事に 育てて いる ブドウ の 木 を 食べ 散らかして しまった のです 。 |やぎ||かみさま||だいじに|そだてて||ぶどう||き||たべ|ちらかして|| However, the goat ate and messed up the vines that God cares about. それ を 知った 神さま の ペット の オオカミ が 、 その ヤギ を こらしめた のでした 。 ||しった|かみさま||ぺっと||おおかみ|||やぎ||| The wolf, God's pet, who knew it, slaughtered the goat. 悪魔 は それ を 知る と 、 神さま の 前 に 進み 出て 、 「 あなた の お つくり に なった けだもの が 、 わたし の つくった ヤギ を 痛めつけ ました 」 と 、 言い ました 。 あくま||||しる||かみさま||ぜん||すすみ|でて||||||||||||やぎ||いためつけ|||いい| そこ で 神さま は 、 「 お前 は どうして 、 あんな 害 に なる もの を つくった のだ ! ||かみさま||おまえ||||がい|||||| Then God said, "Why did you make such a harmful thing! 」 と 、 怒り ました 。 |いかり| 「 仕方 あり ませ ん よ 。 しかた|||| "There is no way. 何しろ わたし は 、 害 に なる 事 ばかり 考えて いる のです から 。 なにしろ|||がい|||こと||かんがえて||| After all, I'm just thinking about what's harmful. それ より も 、 わたし の ヤギ を 痛めつけて くれた おわび に 、 たくさんの お 金 を 払って もらい ます 」 と 、 悪魔 は 言い ました 。 |||||やぎ||いためつけて||||||きむ||はらって||||あくま||いい| 「 よし よし 、 カシワ の 葉っぱ が 落ちたら 払って やろう 。 ||かしわ||はっぱ||おちたら|はらって| "Okay, let's pay if the leaves of the oak fall. そし たら おい で 。 Then come on. すぐ に お 金 を 払う から 」   やがて カシワ の 葉 が 落ちて しまう と 悪魔 が やって 来て 、 約束 の お 金 を 払って ください と 言い ました 。 |||きむ||はらう|||かしわ||は||おちて|||あくま|||きて|やくそく|||きむ||はらって|||いい| I'll pay you right away. "Soon when the leaves of the oak fell, the devil came and told me to pay the promised money. ところが 神さま は 、 「 コンスタンチノープル (→ イスタンブール の 旧 称 ) の お 寺 に 、 カシワ の 大木 が 一 本 ある が 、 あの 木 の 葉っぱ は まだ すっかり 残って いる ぞ 」 と 、 言う のです 。 |かみさま|||||きゅう|そや|||てら||かしわ||たいぼく||ひと|ほん||||き||はっぱ||||のこって||||いう| 悪魔 は 神さま の 前 を 引き下がる と 、 その カシワ の 木 を 探し 出す 事 に し ました 。 あくま||かみさま||ぜん||ひきさがる|||かしわ||き||さがし|だす|こと||| ところが 六 か月 も 荒れ野 の 中 を さまよって 、 やっと その 木 を 探し 出した 頃 に は 、 ほか の カシワ の 木 が また 青々 と した 葉っぱ を つけて いる のでした 。 |むっ|かげつ||あれの||なか|||||き||さがし|だした|ころ|||||かしわ||き|||あおあお|||はっぱ|||| 腹 を 立てた 悪魔 は 、 八つ当たり に ペット の ヤギ の 目玉 を 取って しまい ました 。 はら||たてた|あくま||やつあたり||ぺっと||やぎ||めだま||とって|| The angry devil has taken the eyeballs of his pet goat for every eight. でも 、 さすが に 悪い と 思った の か 、 悪魔 は 自分 の 目玉 を ヤギ に つけて やり ました 。 |||わるい||おもった|||あくま||じぶん||めだま||やぎ|||| But, perhaps because he thought it was bad, the devil put his eye on the goat.

そんな わけ で ヤギ の 尻尾 は 短く 、 悪魔 の 様 な 目 を して いる のです 。 |||やぎ||しっぽ||みじかく|あくま||さま||め||||

おしまい