魔法 の ぼだいじゅ まほう||

魔法 の ぼだいじゅ まほう||

むかし むかし 、 ある 村 に 、 貧乏 なお 百姓 ( ひゃくしょう ) さん が い ました 。 |||むら||びんぼう||ひゃくしょう||||| 「 おお 寒い ！ |さむい まき を 探し に 行こう 」 　 お 百姓 さん は オノ を 持って 森 へ 行き 、 一 本 の 大木 を 見つけ ました 。 ||さがし||いこう||ひゃくしょう|||おの||もって|しげる||いき|ひと|ほん||たいぼく||みつけ| 「 これ は 素晴らしい 木 だ ！ ||すばらしい|き| オノ を 当てる と 、 コツコツ と いい 音 が する 。 おの||あてる||こつこつ|||おと|| これ は ぼだいじゅ (→ お しゃか さま が さとり を 開いた と いわ れる クワ 科 の 常緑 高木 ) だ な 」 　 オノ を 振り 上げ 、 切ろう と する と 、 「 切ら ないで ！ |||||||||あいた||||くわ|か||じょうりょく|たかぎ|||おの||ふり|あげ|きろう||||きら| 欲しい 物 は 何でも あげる から 」 と 、 ぼだいじゅ が 、 人間 の 声 で 言った のです 。 ほしい|ぶつ||なんでも||||||にんげん||こえ||いった|の です 「 それ じゃ 、 おれ を ほか の お 百姓 より 金持ち に して くれ 」 「 家 へ 帰って ごらん 。 |||||||ひゃくしょう||かねもち||||いえ||かえって| 望み は かなって る よ 」 　 お 百姓 さん が 帰って みる と 新しい 家 に は ウマ が いて 、 小屋 に は 食べ物 が 山ほど あり ました 。 のぞみ||||||ひゃくしょう|||かえって|||あたらしい|いえ||||||こや|||たべもの||やまほど|| 「 すごい や ！ 何と 、 おかみ さん まで いる ぞ ！ なんと||||| ・・・ けど 、 あの 顔 は 気に入ら ない や 。 ||かお||き に はいら|| そう だ 、 ぼだいじゅ の ところ へ 行って 話して みよう 」 　 お 百姓 さん は オノ を 持って 出かけ 、 ぼだいじゅ の 木 を コンコンと 叩き ました 。 ||||||おこなって|はなして|||ひゃくしょう|||おの||もって|でかけ|||き||こんこんと|たたき| 「 何 が 、 欲しい んだ ね ？ なん||ほしい|| 」 「 もっと きれいな おかみ さん に して おくれ 」 「 家 へ 帰って ごらん よ 」 　 お 百姓 さん が 帰る と 、 きれいな おかみ さん が 待って い ました 。 |||||||いえ||かえって||||ひゃくしょう|||かえる||||||まって|| お 百姓 さん は 大喜び し ました が 、 でも すぐ に 次 の 欲しい 物 が 心 に 浮かび ました 。 |ひゃくしょう|||おおよろこび|||||||つぎ||ほしい|ぶつ||こころ||うかび| 「 金持ち の お 百姓 に は なった が 、 村長 に なれたら もっと いい なあ 」 　 お 百姓 さん は オノ を 持って 、 出かけ ました 。 かねもち|||ひゃくしょう|||||そんちょう|||||||ひゃくしょう|||おの||もって|でかけ| 「 お 百姓 さん 、 今度 は 何 が 欲しい の か ね ？ |ひゃくしょう||こんど||なん||ほしい||| 」 　 お 百姓 さん は 、 ぼだいじゅ の 木 に 頼み ました 。 |ひゃくしょう|||||き||たのみ| 「 金持ち に は なった が 、 村長 に は 頭 が あがら ない 。 かねもち|||||そんちょう|||あたま||| だから 村長 に なって み たい んだ よ 」 「 家 へ 帰って ごらん 。 |そんちょう|||||||いえ||かえって| 望み は かなって る よ 」 　 家 に 帰る と 、 一 枚 の 紙 が 届き ました 。 のぞみ|||||いえ||かえる||ひと|まい||かみ||とどき| 《 お前 を 村長 に する 》 　 お 百姓 さん は 村長 に なった とたん に 、 もう 次の 欲 が 出て 来 ました 。 おまえ||そんちょう||||ひゃくしょう|||そんちょう||||||つぎの|よく||でて|らい| 「 おれ は 、 貴族 ( きぞく ) に なって み たい なあ 」 　 お 百姓 さん は また 、 森 へ 行き ました 。 ||きぞく||||||||ひゃくしょう||||しげる||いき| 「 おや おや 、 また か 。 何 が 欲しい んだ ね ？ なん||ほしい|| 」 「 偉い 貴族 に なり たい なあ 」 「 家 へ 帰って ごらん 。 えらい|きぞく|||||いえ||かえって| 望み は かなう よ 」 　 家 に 帰る と 、 王さま の 使い が 知らせ を 持って 来 ました 。 のぞみ||||いえ||かえる||おうさま||つかい||しらせ||もって|らい| 《 お前 を 、 貴族 に する 》 　 貴族 に なる と 、 すぐ 次の 欲 が 出 ました 。 おまえ||きぞく|||きぞく|||||つぎの|よく||だ| 「 王さま に なり たい もん だ なあ 」 　 お 百姓 さん は 森 へ 出かけ 、 木 を 叩き ました 。 おうさま||||||||ひゃくしょう|||しげる||でかけ|き||たたき| 「・・・ 今度 は 、 何 が 欲しい の か な ？ こんど||なん||ほしい||| 」 「 王さま だ 。 おうさま| 何といっても 、 王さま は 誰 より も 偉い んだ 。 なんといっても|おうさま||だれ|||えらい| 王さま に は なれ ない もの か ね ？ おうさま||||||| 」 　 木 は 、 大きな 声 で 怒鳴り ました 。 き||おおきな|こえ||どなり| 「 この 欲張り め ！ |よくばり| 金持ち の 次 は 村長 、 村長 の 次 は 貴族 、 貴族 の 次 は 王さま だ と ！ かねもち||つぎ||そんちょう|そんちょう||つぎ||きぞく|きぞく||つぎ||おうさま|| どうせ 王さま の 次 は 神さま だろう 。 |おうさま||つぎ||かみさま| これ 以上 望む と 、 お前 は 何もかも なくして しまう ぞ 」 　 お 百姓 さん は 、 貴族 で がまん を し ました 。 |いじょう|のぞむ||おまえ||なにもかも|||||ひゃくしょう|||きぞく|||||

おしまい